04/07/06 精神障害の地域生活支援の在り方に関する検討会第11回議事録          第11回精神障害者の地域生活支援の          在り方に関する検討会議事録          厚生労働省社会・障害保健福祉部精神保健福祉課      第11回 精神障害の地域生活支援の在り方に関する検討会議事次第                 日時:平成16年7月6日(火)10:00〜12:26                 場所:中央合同庁舎5号館共用第7会議室(5階) 1.開会 2.ケアマネジメント体制の確立(人材養成も含めて)人材養成も含めの方策の検討に   ついて 3.財源配分の在り方について 4.その他 5.閉会 資料1 委員名簿 資料2 第11回検討事項 資料3 第11回検討資料 ○高橋座長  皆さん、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから、第11回の「精 神障害者の地域生活支援の在り方に関する検討会」を開催させていただきます。  委員の皆様方には、大変お忙しいところ御出席いただきまして、まことにありがとう ございます。  それでは、事務局より配布された資料の確認をしていただきたいと思いますが、その 後で議事に入りたいと思います。それでは、資料の確認、事務局の方から、よろしくお 願いいたします。 ○渡辺課長補佐  本日の資料でございますけれども、議事次第と座席表がございます。  資料1が「委員名簿」でございます。  資料2でございますが、今回御検討いただきたい検討事項でございます。  資料3でございますが、その検討事項に関連する関連資料でございます。  また、末安委員から提出資料があるところでございます。  不足、乱丁等ございましたら、事務局までお申し付けくださいませ。よろしいでしょ うか。  それと、資料とは別になりますけれども、第10回の議事録をお配りしてございます。 修正等の御意見がございましたらば、7月16日までに事務局まで、お願いいたしたいと 思います。  なお、第9回の議事録は、修正意見等を踏まえて確定の上、ホームページ上に掲載さ せていただきたいと、そのように考えてございます。よろしくお願いいたします。 ○高橋座長  ありがとうございました。資料の方はよろしゅうございますね。  それでは、今回は資料2に示してあります検討事項、これは2つありますけれども、 第1はケアマネジメント体制の方策と検討ということ。  2つ目に、財源配分の在り方ということでございますけれども、最初を1つのブロッ クとし、財源配分の在り方を2つのブロックに分けて、都合3つのブロックに分けまし て、事務局より資料2及び資料3の説明をしていただいた後、議論してまいりたいと思 います。  スケジュールに関しましては、後ほど、申し上げますけれども、今回までに今日の会 ですべて検討事項を議論できるようにしたいと考えておりますので、どうぞ議事の進行 については、御協力のほど、よろしくお願いいたします。  それでは、本日の議事に入りたいと思います。  まず、事務局から資料2のケアマネジメント体制の確立の方策の検討」、この部分に 関する説明をお願いいたします。 ○内田社会復帰対策専門官  それでは、資料2と資料3の説明をさせていただきます。  このケアマネジメント関連、新たな仕組みを支える人材の育成及び確保という点につ きましては、前回あるいは前々回より御議論をしていただく予定でございましたが、時 間の関係等によりまして、今回改めて御議論いただくということになっております。  まず「新たな仕組みを支える人材の育成・確保」。この資料2について、御説明させ ていただきます。四角の中の中間まとめに関する記述で申し上げますと、「ケアマネジ メント体制等の確立に際して、資質の高い人材の育成方策を検討すべきである」。更に 「専門職においては、当事者が必要となる支援の内容を正しく理解するとともに、当事 者と協調しながらケアマネジメントを行えるような人間関係を築けるなどの資質が求め られるのではないか。当事者同士の共通の経験を基盤とする対等な関係において、情報 提供と傾聴を中心的に行うことも、当事者のエンパワメントにつながっていくのではな いか」という御指摘をいただいております。これを踏まえまして、(1)の論点といたし まして、第9回の検討会で検討いただきました、ケアマネジメントに従事する者といた しまして、相談支援事業者のスーパーバイズや危機介入的な専門性の高い案件への対応、 あるいはソーシャルワーク的な業務や住宅入居支援等のサービス等、ケアマネジメント の回で御議論いただきました階層ごとのケアマネジメントという、このそれぞれの階層 の機能に応じまして、それぞれ、例えば、都道府県であればどのような人材、障害福祉 圏域であればどのような人材、あるいは市町村であればどのような人材が必要になるの か。あるいはそれについて現状のケアマネジメント従事者研修というものがございます が、これに加え、何か特別な養成システムが必要があるかどうかという点につきまして、 御検討いただければというふうに考えております。  また、(2)といたしまして、ケアマネジメントを制度化、法制化するに当たりまして は、階層ごとの機能に応じたケアガイドラインというものが必要になってくるのではな いかという点。そして、更にその場合、現行にございます精神障害者のケアガイドライ ンは、例えば、都道府県レベルのものであるのか、障害福祉圏域のものであるのか、そ ういったことについて御議論いただければと思います。  あと、資料3の「(1)ケアマネジメント関係」というものを簡単に御説明させてい ただきますと、まず1ページ目に地域ケアのイメージという、前々回にもお出ししてご ざいます資料を付けてございます。  2ページ目は、このケアマネジメントを制度化する際、こういうような事業は考えら れないとかというもの。これは同じく前々回、御提出させていただきました資料でござ います。  更に、3ページでございます。こちらも前々回、提出させていただいておりますが、 先ほど申し上げましたように、それぞれの階層というもの、前々回の検討で御指摘いた だきましたように、都道府県、市町村というふうに比較的明確に修正をさせていただい たものでございます。それぞれにおいて、このような機能を想定した場合、(1)にあり ますような、どのような人材が必要か。あるいは(2)にございますようなケアガイドラ インというものが、どのようなものが必要かというものを御議論いただければというふ うに考えております。  4ページは「介護保険におけるケアマネジメント過程の概略」というものを直接関係 ございませんが、参考で付けさせていただいております。  更に、5ページは、ケアマネジメント体制支援事業ということで、傷害保険福祉部で 行っております、もっぱら人材、ケアマネジメント研修事業等につきましての資料と言 いますものを以降、5、6、7と付けてございます。  そして、8ページ以降、ケアガイドラインというものを付けてございます。こちらを 基に御検討いただければというふうに考えております。  事務局からは、以上でございます。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。  ケアマネジメントに関しましては、それを実行する体制というものを明文化して、は っきり位置づけようという方向性は、皆さんも御異論はないだろうと思います。そこで 今度は、それに関わる人材の養成をどうしていったらいいだろうかということが問題に なるわけですけれども、そういう点について、お考えをお聞かせいただきたいと思いま す。どうぞ御議論ください。  加藤委員、どうぞ。 ○加藤委員  不勉強と言われないように、今回は理事会を開きまして、しっかり勉強をしてきまし た。忘れないうちに幾つか聞きたいことがあります。まず、このケアマネジメントの体 制というのが、技術上どんなことを想定しているのか。やはり、私にはわからなかった です。きちんとこれをやるために財政基盤を整えるというところまでの意味を指してい るのか、そうではなくて、やはりこれはとてもいい手法なので、みんなが使えるように しようということにとどまっているのか。その辺をまず担当者に伺いたいと思います。  2つ目です。私は、ケアマネジメントそのものは、おかげさまで割と早いうちから勉 強させていたてだいたので、仕組みそのものはとてもいいと思います。しかし、私は、 とても危惧しているのは、アメリカから入ってくるものというのは、日本に入ってくる と本質が変わるという傾向がどうしてもあります。本当に本質が守られるのであるなら ば、私はやはり2つのことが必要だと思います。  1つは、これに書いてあるとおりに御本人さんと事業者との協同事業ということであ るならば、やはり私はもっと本人さんたちをエンパワメントする活動を整理するという ことが絶対に必要だと思います。  2つ目に、今回の在り方検討会で全く論議されませんでしたけれども、では、そうい うものが使えるようになったときに、やはりお金はだれが持つのかという所得保証の問 題があると思います。2つ目がそれです。  3つ目です。やはり、今のこの整備のいわゆる社会資源の少なさを考えると、どうし ても売り手市場です。ケアマネジメントのいいところは買い手市場です。余りに少ない、 この少ないことをこの厚生労働省の人たちは今後どうしていくつもりなのか。ちょっと プランを伺いたいと思います。 ○高橋座長  今の加藤委員の御意見は、これまでケアマネジメント検討委員会でも再三繰り返され たテーマであるわけですけれども、事務局の方から何かお答えいただけますか。  まず、財政基盤をどう整えるか。 ○内田社会復帰対策専門官  財政基盤につきましては、本日の後半の部分で御議論いただく予定となっております ので、その中で関連する資料も含めて御説明をさせていただければというふうに考えて おります。  あと、ございました、ケアマネ全体につきましては、これは勿論、制度として、でき れば精神保健福祉法の中で位置づけることができないかということも踏まえて御検討い ただければというふう考えております。また、そのエンパワメント等につきましては、 またこの場で御検討いただければというふうに考えております。 ○高橋座長  私も多少、この問題に関わってきたものですから、ちょっとお話ししますけれども、 財政的基盤を整えて制度としてやるのか、それとも手法として、どうぞお使いなさいと いうだけにとどめるのかということが議論されました。勿論しっかりとした財政基盤が 欲しい、そして、それをきちんとした体制を整えて、普及させるべきだという意見が強 かったんですけれども、財政的な状況でそれが実現しなかったんだと思います。ですか ら、今後の方向性としては、それをきちんと体制、体系づけて、しかも、それに対する きちんとした財政的基盤を与えて、それでやっていくというのがこの会の目的でもある と思うんですね。  当事者のエンパワメント、これはもうケアマネジメントの基本的な理念の一つですか ら、それは当然その方向に進めなければいけないと思いますし、社会資源の少なさとい うのは、これは現状ではいかんともし難い点があるわけですけれども、ケアマネジメン トを生かすためにも、やはりそういうリソースを増やすという方向性は絶対なければい けないと思いますし、ケアマネジメントの活動の中に新しい資源を増やしていく、生み 出していくという機能もあるわけですから、それは当然そちらの方向を目指すべきだと 思います。  谷野さん、どうぞ。 ○谷野委員  ケアマネジメントは、高橋座長もある程度関わったんですけれども、経緯は今、高橋 先生が言われたとおりですね。要するに、ちょっと今、気になるのは、精神保健福祉法 の中で位置づけると。これは私が言ったことにも関連するのかもわかりませんけれども、 自分で言ったことはちゃんと覚えているので、例えば、ケアマネジメントに市民権を得 させるには、ホームヘルパー辺りは、もうケアマネジメントの概念を多いに利用した方 がいいだろうと。例えばですよ。  ただ、ケアマネジメントを精神保健福祉法の中だけで閉じ込めてしまうと、私はかな り何を想定して精神保健福祉法の中で広めようとしたのかよくわからないので、そこだ けに閉じ込めてしまうと、やはり余り広がらぬと思うんですよ。だから、もう少しそれ 以外の例えば、ちょっとここでは余り思い浮かばないですけれども、退院促進事業が今 度の法の中に盛り込まれるかどうかわかりませんけれども、そういうものとか、いろん なところでやっているケアマネジメントは、精神保健福祉以外のものの方が多いと思う んですね。  だから、まず精神保健福祉法の中で閉じ込めてしまうというのは、いかがなものかと 思うんですよ。 ○高橋座長  精神保健福祉法の中に閉じ込めるという考え方を、事務局はお持ちなのですか。何か その辺が整理されていないように思いますけれども。 ○内田社会復帰対策専門官  基本的には、こちらの資料3の(1)の2ページの一番上にございますように、現在 のホームヘルプですとかグループホーム、ショートステイの居宅生活支援事業の中の新 たな事業として位置づけられないかということで、前々回以降この同じ資料を提出させ ていただいておりまして、初歩的な裏づけと申しますか、そういった財政的な面も含め まして、こういった事業として位置づけることで、よりそのケアマネジメントを広げて いくことができるのではないかという観点から、このようなペーパーをお出ししている 次第でございます。 ○高橋座長  こういう事業があれば、今、谷野委員が言われたような退院促進も勿論、応用できる し、それにも活用できるということですね。ですらか、まだ生活支援全般にわたって、 ケアマネジメントの事業は使えるというふうに理解してよろしいですね。  ほかにいかがでしょう。  それでは、北窓委員、どうぞ。 ○北窓委員  私どもの県では、先般、精神保健福祉審議会がございましたので、そこで関係者の御 意見も聴きながら、また各保健所や支援センターから少し御意見を聞いたんですが、ケ アマネジメント体制に関しては、現場での取組みが必ずしも積極的に展開されていない というのが地方の実情でございまして、それはどうしてかというと、ケアマネジメント の制度化がなされていないということと、予算の裏づけがないという各委員からの御意 見に出たとおりなんですが、もう一つ、その手法はよいが非常に時間がかかるという声 も現場ではございました。また、スタッフの人員の不足でありますとか、スタッフの力 量の不足。そもそも、紹介できる社会資源が不足しているのではないかというお話も出 てきたところです。  先般、話題になりました、ケアマネジメントの養成研修者の修了者の数を調べてみま とたところ、もう500人に迫る方が受けられていらっしゃるわけですね。しかし、その 質に対して、現場でなかなか満足感というんですか、これはいいだろうと達成感が少し 少ないように見受けられました。そこで、やはり市町村で発展していく仕組みと、それ を都道府県で評価していく仕組み、そういう重層的な仕組みが必要なのではないかなと いうような気がしております。  以上、雑駁でございましたが。 ○高橋座長  まさに、人材をいかに活用していくかということに関したご発言でしたけれども、今 の人材をいかに育てていくかということに関して、どなたか御意見は。  寺田委員、どうぞ。 ○寺田委員  ケアガイドラインをごらんいただくとわかるんですが、ケアガイドラインというのは、 1つは、この重層構造にも匹敵するような基本的な理念と、割と中核的な体制、そして、 第一線の現場での実施方向というのを示しています。そういうようなケアガイドライン のとらえ方をしていただくと、実はこのケアマネジメントというのが、1つは、今、人 材養成ということでい言いますと、即研修ということが考えられておりますけれども、 一方では、このケアガイドラインの冒頭に書かれていることなんですけれども、今まで 精神障害者に対する取組みのノウハウが余りなかった、市町村がこれから第一線の機関 になる。そのためのノウハウを提供していくんだと、このような趣旨のことがまず冒頭 に書かれているんですね。このケアガイドイランに沿ってケアマネジメントを実施して いくということはどういうことかと言うと、地域で暮らしている精神障害者の方の支援 をしていく。あるいは支援計画をつくっていく。この作業はどういうことなのかという と、とりもなおさず、いろいろな御本人の希望やさまざまな生活上のニーズや、その他 生活上の環境をつぶさに把握した上で御本人の希望をくみ入れながら、どのような社会 のサービスを利用していったら、どれだけその方が豊かになるのか、こういう生活を実 現できるのかということを示しているんですね。それは余り経験のない場合でも、この ガイドラインに沿っていったら、そこそこの支援ができるよということで、それはある 意味で人材育成という部分も、実はそういう要素も兼ね備えているという御理解をいた だきたいというふうに思います。  そして、それぞれの階層ごとということで考えますと、現在でも都道府県レベルでは、 ケアマネジメント体制推進協議会があります。そして、保健所、これが多分、今後の中 核相談支援事業者と言いますか、そのような立場、少し広域的な立場ということになっ ていくだろうというふうに想定はできますけれども、そのような中核的な、あるいは広 域的な立場でスーパーバイズをしていくという方たちは、少なくとも現場での事例を豊 かに経験して、そういうような人たちがスーパーバイズをしていくと、こんな形でこの 制度の面と、それから人材という面で両方で、この体制をつくっていける方法なのでは ないかなと、こんなふうに思っています。 ○高橋座長  資料3の7ページに現在の研修カリキュラムが出ていますけれども、これは新規研修 と上級研修に分かれていて、この上級研修は今年から始まるんですね。去年からですか。 去年はありましたか。 ○寺田委員  去年はありました。 ○高橋座長  では、始まって間もないわけですね、昨年度から始まったということです。それまで は、ずっと新規研修でした。検討委員会の方では、やはりいろいろな事例を重ねて、も う少し力を付けていかなければいけないんではないかというような声もあって、これが できたんだと思いますけれども、上級研修と新規研修に分かれているような状況ですけ れども、これがうまく機能すれば、有能な人材というのは更に増えるだろうと思うんで すけれども、その辺、末安委員どうですか。 ○末安委員  先ほど寺田委員が言われたとおりの流れになっているんですけれども、聞くところに よると、県のレベルでは、先ほど北窓委員もおっしゃいましたけれども、いろんな浸透 させるのに、技術的なこととか、人材の配置とか、時間をかけるということは困難だと いうことがありまして、県独自で、ケアガイドラインより更にシンプルなものにつくり 変えたり、その工夫は、買うべきところは多々とするんですけれども、しかし、実際に はそのことによって、ケアマネジメントというものがどういうものだということの情報 が錯綜していたり、そういう現象が都道府県によっては起こっているというふうに私も 理解しております。  現場の方たちは、何とかこの手法を当事者の方と一緒にできる手法だということで、 充実発展させていきたいと思いながらも、骨格の部分を示しているにもかかわらず、骨 格は何なのかという混乱とかが、まだ起こっていて、オン・ザ・ジョブ・コーチにもな かなか行けないと、研修を終わってきている人は多いんだけれども、それをうまくつな げるようなことがうまくいっていないのではないかなというふうに思います。  私は、その意味でも今回国が御提案になっていらっしゃるように、ともかく法内に位 置づけるということを、介護保険の議論のところはちょっと置いておいて、精神保健福 祉法の中に位置づけることを、この委員会としては確認していただきたいというふうに 思っております。 ○高橋座長  どうぞ。 ○加藤委員  私は精神保健福祉法がいまいちよくわからないので、末安さんたちに教えていただき たいんですけれども、精神保健福祉法の中にケアマネジメントを位置づけるということ は、私は今の段階では絶対にやってはいけないと思います。  というのは、まず、この法律が医療、わかりやすく言ってしまうとケアマネジメント をやるのはだれなんでしょう。これまた医師がやれるということになったらば、私は、 この体制整備委員会のときに、高橋座長さんと一緒に全体の方に入れていただいていま した。  そのときに、知的と身体はとにかく御本人さんの判断というところでケアマネジメン トを使うか、使わないかを決めるというところで、決まったんです。精神障害者の方だ けば、医師の診断書というのが入ってしまっているんです。私は、やはり精神保健福祉 法そのものも医療がとっても重い、そして福祉というのがくっついているというのが、 やはりどうしても否めないんです。  もうここでははっきりと、私は正直言って、今の日本の社会福祉には大層な疑問は持 っています。大層な疑問は持っているけれども、わかりやすく言ってしまうとケアマネ ジメントも医師ができる、医療法人ができる、作業所も医療法人ができるというような 今の在り方は絶対に歪んでいると思うんです。やはり福祉法をきちんと変えて、生活支 援だとか、そういう社会福祉は本当に社会福祉の団体がやる、医療は医療のことをやる というふうに、やはり社会福祉法の改正を、まずしていただきたいと思います。  そして、精神保健福祉法も、これだけでケアマネジメントをやるというのは、私は反 対です。やはり、ここまで来たら、総合福祉法なのか、障害者自立生活支援法なのか、 どちらでもいいと思います。私は、そういうところでケアマネジメントを位置づける。  その前に、本当に御本人さんたちがそれができるようにセルフケアマネジメントをき ちんと担保した上で、それはきちんと制度化するべきだと思います。私は、これで位置 づけられて、またまた医療団体がケアマネジメントまで始めたら、ケアマネジメントに なっていないと思います。 ○高橋座長  わかりました。今のような議論を続けると、とてもこの時間だけでは終わりませんの で、ちょっと議論のポイントをしぼらせて頂きます。 ○伊藤委員  質問をよろしいですか。 ○高橋座長  ちょっとお待ちいただけますか。論点をこっちにしぼり、一つは人材養成をいかにす べきかということに、それからもう一つ、次の(2)にケアガイドラインを階層ごと機能 に応じてつくって、それを普及させる取組が必要ではないかという課題が出ていますの で、それに限って議論を進めさせていただきたいと思います。  どうぞ伊藤委員。 ○伊藤委員  資料3の7ページのカリキュラムについて質問したいんですが、新規研修、上級研修 の研修期間というのは、どれぐらいやっているのかということなんですが、それで講義 と演習、つまり最初にこの講義をして、また現場に戻って演習をして、ちょっとどんな 記述になっているのか。  もう一つは、ここにいろいろ書いてありますけれども、これは恐らくそれぞれいろい ろな県でやっているんだと思います。共通の教科書というか、そういうものが編さんさ れているのかどうか。  それから、ここで教える先生たちの養成というのは、どういう実態になっているのか、 その辺のところをお聞きしたいと思います。 ○高橋座長  共通のテキストについてはあります。ケアガイドラインの進め方というのがあります。 ○伊藤委員  いや、このケアガイドラインを見ますと、簡単ですね。ですから、例えばケアマネジ メント概論ですとか、実施方法、ここにある個別のテーマについてのテキストといいま すか。 ○高橋座長  一応、400ページぐらいのテキストがあったわけです。それで、日数は、新規は5日 間ですか、講義が3日で実習は2日。上級は何日ですか。 ○寺田委員  5日です。 ○高橋座長  5日と3日だそうです。  どうぞ谷野委員。 ○谷野委員  今の養成のことと、加藤さんの言われたことと、整理できるかどうかわかりませんけ れども、少し話をしますと、確かに医療の必要性は、私が訴えたところなので、例えば あのときにこういう議論があったんですね。家族会の人だったと思いますけれども、そ れは自分で声を上げられる人はそれがいいと、しかし、自分で声も上げられない、家族 の方はよく言われるんですけれども、私たちが亡くなった後、この子をどういうふうに していったらいいのか、自分で何もできないんだと、そういう人のことも考えてくれと いうようなことで、そういう人たちは、自分でケアマネジメントを受けましょうという ような声は上げられないわけですね。そういう点でどういうふうにしたものかなという ことで、ある程度の医療の関与がある場合もあるだろうということが1つ。  もう一つは、私は、人材養成は中途半端だと思うんですよ。加藤さん、ケアマネジメ ントはどこでやろうが、一番重要な役割を果たすのは優秀なケアマネージャーなんです よ、だから、そのケアマネジメントが優秀なケアマネージャーの中で行われておれば、 それはユーザーの方がそこを選んでいかれればいいのであって、何も自分がそれでがん じがらめになる必要はないので、そこだけのチョイスではないわけだから、だから、そ ういう点では、優秀なケアマネージャーを育てる意味では、私は、このカリキュラムは 今まで育ててきた人、特に私はそう思うんだけれども、非常に中途半端、余り言いたく はないけれども、ケアマネジメント従事者の受講要件資格なんていうのは、本当にいい かげんなものですよ。  だから、こういうので優秀なケアマネジメント従事者が育つのかどうか。そこら辺は もう一回そういうことを技法として取り入れるのであれば、是非考えてほしいというこ とと、私は、余りこれには賛成はしてこなかったんだけれども、どこかで制度化という 言葉がいいのか、法制化という言葉がいいのか、制度化の確立に向けてという明文化が いいのかしないと、要するに各都道府県に熱が入らないのは、お金が付いてこないから ですよ、お金が付かない、それだから人を育てるに、これは寺田さん辺りは苦労してい ても、各都道府県では広まりようがないですよ、こんなもの。こんなものというと悪い ですけれども。  だから、やはりどこかで財源を担保しないと、絶対にこれは広がっていかないと思い ますよ。そのためには、法制化が必要なのか、そこら辺を明解に、これは厚労省が考え ることなのか、どこが考えることかよくわかりませんけれども、そういうふうに思いま すけれども。 ○高橋座長  上森委員どうぞ。 ○上森委員  素朴な内容の発言で、やや恥かしいんですが、私は40年近く公立高校の教員をやって きたんですけれども、その体験から申し上げます。  今はケアマネージャーの優秀な方をつくることが大事だというお話が一部入っている と思います。それには全く同感です。  しかし、一方、知っていただきたいことは、当事者の皆さんの中にもかなり優秀な方 々、自分の将来、あるいは親なきあとの子とどうやって独立してやっていくかというこ とを真剣に考えている方々が私の住んでいる町にもいるということを正直にお伝えした いと思います。  さっき学校のことを申しましたが、いい先生をつくるということは大事ですが、同時 に生徒たちにも、たとえ話で強縮ですが、やはり自分なりの意欲を持って進んでもらう ということが大事で、初めて教室や学校はそこでいい成立をしていくんだと思うんです。  やはり、私は優秀なケアマネージャーをつくることは大事ですが、同時にその方々が、 今、申しました熱心な当事者たちと話し合いをする、当事者が参画できるというシステ ムがあった方がよい、それが残念ながらこのページには1行も入っていないということ を私は感じるわけです。  やや離れますが、結局、カリキュラムと呼びますが、このカリキュラムの具体化とい うことは、本来、主体的に市町村に法制化された形で現場を置くべきではないかと思い ます。  何と言っても、当事者、家族が一番身近な行政体は自分の住む地域です。スーパーバ イザーがいて結構でございますけれども、やはりじっくりと相談していく体制、その中 で回復者が増えていくというのが、本来のこの会議の目的で、そのためにいろいろな話 題を話し合ってきたのではないかと私は思っていますので、是非、地域支援の在り方の 1つのケアマネジメントの中に、1行だけで結構ですから、こういう言い方は失礼かも わかりませんが、単に教師養成的なものだけに主眼を置いたもの、そこを少し考え直し ていただければありがたい、これが親としての希望です。  以上です。 ○高橋座長  上森委員、どこの部分ですか、どこに当事者というものを入れたらよろしいんでしょ うか。 ○上森委員  いえ、どこにということは正直思いついていないんですが、指導者、研修カリキュラ ムの中に新規・上級研修と分かれておりますが。 ○高橋座長  実は、この中には当事者の方は入っているんです。 ○上森委員  そうでございますか、十分読んでいなかったので申し訳ないです。 ○高橋座長  だんだんとそういう方向に行くのではないかと、私は思いますけれども。  どうぞ、佐藤委員。 ○佐藤委員  私は、知的障害の関係のケアマネジメントの研修会に、県のレベルであったり、ある いは全国規模であったりすることに、ときどき招かれて話をさせていただくことがある んですけれども、参加者の多くが、これは非常に意外と言えば意外、当然と言えば当然 なのかもしれませんけれども、入所施設の職員の方が6割か7割ぐらいなんですね。  確かに、1つの流れとして、これからは地域生活支援ということが、知的障害福祉の 世界の中でも大きな柱になると。したがって、その準備ということで来られているとい うふうにも理解ができるわけですけれども、しかしながら、同時にその方々、あるいは その方々が背負っている施設が、いずれ自ら地域の中に溶けていこうというような決意 があるのかというと、必ずしもそのようにも思えません。  したがって、話をしていてもどうもお互いにしっくり来ない。聞いている方は、施設 はもうおしまいだというようなことばかりこの講師は言いやがって、むかつくと思って いますし、こちらはこちらで、今、こういう方向に流れていることを皆さんもっと敏感 になってほしいというふうに訴えているにもかかわらず、何だか自分の仕事を増やすこ とばかり考えているんではないかということを考えたりして、いずれもまだお互いにし っくりいかないという感覚を持っています。  なぜ、いわゆる地域で現在活動している人たちが、ケアマネジメントの手法、考え方 について学ぼうとしないのか。1つは情報不足だと思いますけれども、その方々の手元 に、そういう研修があるということがなかなか知らされないということがある。  しかし、もう一つは、やはりこれが従来のように手法であったり、考え方であるとい うことで、制度そのものに今後育っていくということについて確信がないために、なか なかそういう広がりを持たないんだろうというふうに思っておりまして、人材育成に関 しては、将来、ケアマネジメントというものがどういう位置づけになるのかということ を明確にすることと併せて、人材育成を考えないといけないのではないか。  そこで、私はちょっと結論を急ぐようですが、後の財源の問題もあるわけですけれど も、やはり介護保険との統合の中というようなことが議論になっている状況の中では、 ケアマネジメントというのは、高齢者にとっても、あるいはいわゆる3つの種類の障害 を持つ方々にとっても、地域で生活していくことを支えるということについては共通な わけですから、各種別の法律の中に位置づけるという考え方ではなくて、高齢者であれ、 障害者であれ、支援を要する人たちの福祉システムを新たに制度化していく中に明確に 位置づけるということの方が現実的で、具体的であるだろうと思います。  もう一つだけ申し上げます。先ほどの医療の関わりのことですけれども、自分の意思 が明確でないから、医療の関わりが必要なことがあるというお話がありました。  しかし、知的障害ということを考えて言いますと、同じように自らの意思を明確に持 てない、あるいは持っていたとしても表明できないという重い知的障害の方々はたくさ んおられるわけで、そういう意味では同じことだと思うんです。  しかし、知的障害分野では、医師の関わりというか、医療の関わりというのが、精神 障害分野ほど強調されることはありません。  したがって、そこは自分の意思を表明する、あるいはできない、そういうことと医療 を結び付けるのは、やや早計のような気もいたします。以上です。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。それでは、(2)の方も一緒に御議論いただきたいの で、(1)の方に関しては、人材養成、これは非常に重要なことであって、大いに効果の ある方法でやるということで、皆さん、御意見が一致していると思います。  どうぞ。 ○寺田委員  人材養成が大事であるということは、そのとおりなんですが、具体的な方法として、 今、取られているのは、まさに養成研修があるわけですね。それは国レベルでは指導者 研修として初級と上級編がある、それと同じように、都道府県レベルでも、先ほど北窓 さんから御紹介いただいたように、一般養成研修と、それから国の動きに合わせて、昨 年ぐらいから上級研修というのを、かなりの都道府県で設けられるようになりました。  その中での問題の1つは、先ほど触れましたように、参加資格という問題です。これ は、都道府県によって相当なばらつきがあります。国の研修に参加する方でもそうなん ですが、実は精神に関しましては、ケアマネジメント従事者の資格というか、想定され ている職種としてケアガイドラインの中に精神保健福祉士を始めとして、保健師、社会 福祉士等の職種が想定されているんです。  そして、更に一定の経験を持っている人たちが、この研修会に出てほしいということ なんですが、ここの部分について、各都道府県でかなりのばらつきがあると、そうなる と研修がなかなか効果的に行われないという問題がございます。  それと上級研修の場合なんですが、きちんと初級研修を受けていただいて、それで現 場での実務経験をきちんと事例を積み上げていただいた上で、上級研修に参加していた だけると、更にその経験を基にした積み上げができるんですけれども、さんざん議論に なりましたように、現場で取り組んでいる実績が少ないものですから、単に、かつて初 級研修を受けただけの人が、また上級研修に参加してくると、こんなようなことになっ て、上級研修としての意味合いがなかなか見出せにくいと、こんなような形になってい ます。  それと、他障害の、直接当事者から障害についての話を聞くという部分が、最近、都 道府県でも国の研修でも非常に時間を多くとっているという傾向がございます。  参加者からアンケートを取れば、ほかの障害の話が聞けてよかったと、割とそういう 声が大勢にはなるわけですけれども、本当はきちんと現場での経験を積んでいるという ことを考えれば、この大切な5日間なりの研修の期間の中に、多障害の話を聞くという よりは、もっと演習を中心にしてカリキュラムを組んだ方が、もっと効果的になるんで はないかなと、こんなふうに思います。 ○高橋座長  そうしますと、システムをいかにうまく活用していくかということで、随分内容も違 ってくると、そんなふうな検討を行うということで、これについてはまとめさせていた だきました。  どうぞ。 ○加藤委員  前に進まないうちに、谷野さんの意見と、そちらの専門官さんの意見で精神保健福祉 法の中に入れたいということを言われたんですけれども、そして谷野さんがさっきあの ような発言をされたんですけれども、私は精神保健福祉法の中にケアマネジメントを入 れるなんていうのはとんでもない話です。  御家族が親なき後を心配する云々は、とても言いにくいですけれども、保護者制度が ある限り、これは絶対に続きます。保護者制度をとにかくなくす、保護者制度をなくし て、もう一つは私は谷野さんを個人攻撃する気は全くありませんけれども、何でもかん でも精神医療の中にお金が投資されていて、社会資源の方に、余りにもお金が回ってき ていない。やはり、このバランスの悪さをなくすことを精神保健福祉法が目指さないと、 これはどんどんてんこ盛りになっていくだけの話です。まず、そちらが絶対先です。 ○高橋座長  わかりました。この議論は、また後の課題にも出てきますので、一応、この(1)はこ こで終わらせていただいて、(2)の方に移らせていただきます。  ケアガイドラインの階層ごとの、あるいは機能ごとに応じたケアガイドラインの作成 普及、それに取り組む必要があるんではないか。  裏を返せば、またケアガイドラインの検討し直すと、見直しを行うというような内容 になるかと思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。  どうぞ木村委員。 ○木村委員  ケアガイドラインというものを中心に、ケアマネジメントの普及と技術の向上とか、 これを制度化するという方向で進められているんですけれども、今、お話を伺っていま すと、実際に普及するという技術的、どうやって進めるかという方法については随分議 論されているように思うんですけれども、佐藤構成員が触れられたことですとか、当事 者の加藤真規子さんが指摘されているような観点から言いますと、このガイドラインの 中に十分に盛り込まれないけれども、実際にはきちんと押さえなければならないという ことが、ほかにもたくさんあるというふうに、私は思っています。  精神保健福祉司協会では、このガイドライン以外にも、組織の内部でケアマネジメン ト委員会というのがありまして、そこでケアマネジメントの研修の在り方についても検 討し、また独自の研修も行っているんですけれども、その中で、やはり家族が守らされ る不安というものがありますね。それは、やはり当事者の方をケアマネジメントを使う、 使わないにしても、情報をまず提供して、実際にケアマネジメントのサービスを用いな がら地域で支えていくというときに、一番重要な関係の樹立ということがありますね。  そういうことについては、もともとソーシャルワークや、看護や、いろんな支援技術 の基本とされているためとは思われますけれども、十分にケアガイドラインの中には盛 り込まれていないんですが、実際には、この技術を用いるときに、どうしても見逃すこ とのできないものであるし、それから、その中でエンパワーメントということが、実際 に関係の樹立とプロセスの中で培われていく必要がある。それで、私たちが行っている 精神保健福祉司協会の研修の中では、その中に、やはりエンパワーメントというのは、 どんなふうにして相手との関係の中でつくられるかということで、リフレーミングとい う技術を用いながらやっています。  それは、つまり、相手との関係の中で、相手を見る見方を変えていくとか、相手もそ れによって自分の特性というものに気づいていったり、自分の持っている長所に気づく というような関係がつくられると。それと同時に十分な情報を提供することによって、 当事者もその情報をどうやって使うかということをケアマネージャーと一緒に考えてい くということができていくということの仮説に基づいて、そのような研修を盛り込んで います。  ですから、実際にケアマネジメントのいろんな方法を見たり、それから研修の資料な ども私たちもいろいろ入手しながら検討して、研修の内容をつくっているわけなんです けれども、今までつくられたケアガイドラインの中には、このような基本的な支援技術 というのが、今、この日本ではいろんな立場の、いろんな専門職の人たちがケアマネジ メントの検証に関わったり、独自の研修なども展開している中では、やはりこういう基 本線を押さえながら、ケアガイドラインというのをちゃんとつくっていくということも 一つ重要なことかと思います。 ○高橋座長  どうもありがとうございます。ケアマネジメントガイドラインができて、もう7〜8 年になりますけれども、ここで再統合して、いろんなところで、いろんな形で発展して きていると思うんです。  そういう意味で、いろんな機能別、階層別なども視野に入れた、そういったガイドラ インをここで見直すべきではないかという御意見でしたけれども。  それでは、香野さんどうぞ。 ○香野委員  寺田さんの御意見の中で、ケアマネジメント研修があるといって、私も今まで何度と なくケアマネジメント研修の中で、当事者として話させていただいたんですが、今、木 村委員が言われたように、基本的なところの本当の基本というのは、障害者自体を見た ことがない人たちが、多障害なんかの場合は見たことないわけですね。そこで実際に演 習したところで、実際のところはどういうことなのかと演習だけは進むんだけれども、 目の前にいない当事者のことを、ただイメージして実際にはわからないという状況があ るというのがあって、いろいろ開発されていく中で、3障害統合のケアマネジメントの 研修なんかにも私はしゃべりに行ったんですけれども、大事なことは、目の前の演習云 々で技術的な向上を求めるよりかも、どちらかというと、どういう人を目の前にして、 どういうノウハウを使うのかというようなテクニカルな専門家の育成ということを考え るべきで、システムで全部カバーするというふうには思わないことが1つ。  もう一つのところでは、大事なポイントなんですけれども、1つには、ケアマネジメ ントを進めるに際して、せいぜい講義で当事者がしゃべるぐらいしかないんですけれど も、資格を取る、取らないということを意味しているわけではないですが、ケアマネー ジャーが研修の終えただけで、あたかもケアマネージャーだという専門性に振り回され ると、当事者は、多分、加藤さんなんかもそういうことを危惧されていると思うんです けれども、非常に困ると。  できることであれば、ケアマネージャーの認定のところに、是非当事者を入れていた だいて、今、言ったように演習の中で、当事者の顔が見えないで話されるようなことが ないような形で、それでは全然上級でも中級でもないんだと思うんですけれども。  そういう意味では、講義の中で話しておけばいいんだということではなくて、例えば、 ケアマネージャー修了証と言われるものを配られるのではあれば、それの認定をすると きに、少なくとも当事者が委員として入るなり、私が言っていることは、トレーニング のところでも勿論ですけれども、マネジメント研修自体をつくる委員に当事者も入るべ きだし、どちらかというと、リードしていくのは、精神障害を持っている当事者や、ま た3障害の場合は、知的障害者に関わる、しゃべれる方々もいらっしゃると思いますか ら、そういう方々や、身体障害者に至っては、もっとすばらしく、厳密に3〜4年前か ら研修に対してはものすごく厳しくしていますから、ケアマネジメントの研修だけ終え たからって、すばらしいわけでも何でもなくて、大事なところは、そこでどれだけの力 量を地域で発揮できるかということですから、そこを見据えた当事者の目と言われるも のを、もうちょっと考えていただきたいと。  ちょっと私、寺田さんの話にかちんと来まして、話しているだけでもしょうがないか ら演習だけにしろと、演習でいいことは得られるんだけれども、演習は大事なんですけ れども、当事者を知らないで演習してもしょうがないと思うので、ちょっと言わせてい ただきました。済みません。 ○高橋座長  やり方の問題で、演習の場面で当事者の方に関与をしてもらうということもいいわけ ですね。  いずれにしろ、もう少し当事者の方が目に見えるような、企画の段階からでしょうか、 当事者の方にも入っていただくと。  では、寺谷さんどうぞ。 ○寺谷委員  確認なんですけれども、今までの委員会のプロセスをちょっと振り返ってみまして、 当事者主導のだとか、またはチームアプローチですとか、そのためのリソースが非常に 不足している実態だとか、そしてケアマネ手法によって展開されるアクトによって、退 院促進をしていくんだというようなプロセスの中で、この会が来たんじゃないかなと思 うんですけれども、いつも振り出しに戻されるのが、当事者を主体にしたというか、ユ ーザーオリエンテッドの確認の議論がいつも蒸し返されているんですけれども、ケアガ イドラインの中に確かに入っているんですね。だから、ケアマネジメントのお話をする ときには、当然のことながら、ケアガイドラインの理念とか、原則だとか、そういうこ とを踏まえた上でお話をしているわけです。  だから、研修に関しても香野さんが、当事者が参加するだとか、または修了するとき の証明を当事者もするんだというような、これは当たり前のお話だというようなことで、 確認をするというような次元の話ではないかなというふうに思いますけれども。 ○香野委員  蒸し返されているというのは、ちょっと私は気になるんですが、改めて何回もなんと なくケアマネジメントもケアガイドラインも、もう一度この検討会の中で討論していく ということですから、刷り直し作業のところで、我々が盛り込まれない部分を何回も言 うのは当然で、ただ私が言いたかったことは、ケアマネージャーと言われる人たちが出 てくる場合は、やはり厳しく自分の立場があるべきだということをわかるべきだし、厳 しい人材の認定というものが必要だと思うし、あと、正直にはっきり言わせてもらうと、 演習ガイドラインだとか、研修だとか、ケアマネジメントのシステムツールだとか、演 習ガイドキットなんて、そういうことだけを念頭に置いて話しているのではなくて、大 事なのは本質的な部分でユーザーオリエンテッドというのは、私は知りませんが、要す るに当事者と言われるところ人たちが、支援をされる側になるわけですから、そういう 意味では、何もこの話し合いの中で私が、済みませんね、蒸し返しているように感じる でしょうけれども、大事なところは、それをいつも毎回我々が出てきて言うということ は、どの検討会においても、こういうことを、当事者の声を聞いてくれよと、みんな言 っているわけですから、蒸し返させるというのは、私は心外でので、それだけです。 ○高橋座長  何度も確認されて結構ですから。 ○加藤委員  今のことなんですけれども、お金の問題に入ってきているので、ちょっとそちらの話 でもいいですか。 ○高橋座長  お金の話は後で出てきますが。 ○加藤委員  財源配分の話です。 ○高橋座長  どうぞ。 ○加藤委員  先週、これが配られていました。私、ここで板山さんに不勉強だとしかられたんです けれども、でもどうみても、私はこれを言っておきたいと思います。この下の方の図で す。先回もここは都道府県になっていて、もう市町村にするべきだという話になりまし た。私は、それは賛成です。けれども、私はもう一つ、そこに設置の責任を持たせるだ けではなくて、多障害の人たちは、さっきいろんな情報があるにもかかわらず、御本人 さんたちにその情報が来ないからニーズの発掘になっていないという問題が、今、精神 障害者はあるわけです。  私は、発掘という言い方はよくないけれども、多障害の人のように障害者がいるとい うことがわかれば、その障害者の人がどんなニーズを持っているかということを見つけ 出すということも、多障害はちゃんと自治体がやっているわけです。そういうことも私 は自治体の責任としてやっていってもらいたいと思っています。  もう一つ、7万2,000人なのか、はたまたもっと多くいるのかわかりませんけれども、 やはり今のところは社会資源がものすごく不足しています。私は、ケアマネジメントも 大事だけれども、その前に大事なのは、やはりもう少し7万2,000人の人をどう受け入 れていくかということの環境整備の方が正直言って全然大事です。それをきちんと国や 都道府県が責任を持ってやっていく、いきなり市町村にぼんと、多障害がそうだからと いって下ろしたって、下ろすことは全体に大事だけれども、同時進行に立ち後れた部分 は、やはり社会復帰促進事業とでも名づけて、国と都道府県が責任を持ってやっていく ということをもっと明らかにしてもらいたいというふうに、すごく思います。  やっと回ってきたので、全部しゃべってしまいますけれども、だって高橋さんは割と 差してくれないもの、手は私が一番挙げていますからね、私、先回から思っているんで す。ときどき手帳の話が出てきます。この手帳の話はどこでやったの加藤さんというふ うに理事会で言われて、ぼそぼそっと、雇用のカウント率の対象にしようという話があ って、そのときに顔写真ということも必要になるねというぐらいに話したことは事実だ というふうに仲間に答えたんですけれども、私は、ここまで来たら手帳こそ先に一本化 を図ってもらいたいと思います。  私は、精神障害者とか、知的障害者だとか、身体障害者は分かれている意味はないと 思うんです。それで精神障害者の人たちが、確かに一部手帳制度ができたときに、顔写 真は差別につながるから嫌だと言ったのは、ほとんど何のメリットが付いてくるのか見 えなかったところで、精神障害者というのがはっきりしたときに、差別を受ける量の方 が多いだろうというふうに判断したんだと思います。  その後、私たちもJRなんかに身体障害や知的障害の人がこれだけ元気になったのは、 やはりああいう目に見えたメリットが付いた、いろいろ移動が自由になったというのも あると思うんです。  それで、頼みに行ったら、顔写真が付いていないからだめだというふうに答えている んです。私は本当はそうじゃないと思います。私は介護保険の統合化は反対ですけれど も、私は塩田さんや、矢島さんが自分たちのためにあの統合化を言っているとは思って はいないんです。やはり3兆円も削費するというふうに言われて、きっとこの方たちは、 この方たちなりに何とかしてやろうというふうに考えているんだと思います。それは信 じています。  ならば、お金が回ってくる方も改善を図ってもらいたいと思います。手帳は一本化を 図っていただきたいというふうにすごく思います。 ○高橋座長  今までの論調は、その方向だったと思いますし、次回、全体のまとめが出ますので、 その中にまた手帳が出てきますので、そこで御議論ください。  それでは、1の問題ですね、ケアマネジメントの人材養成、これは従来あるシステム でもそれを強化する必要があるというようなことでまとめさせていただいて、またケア ガイドラインは、やはりこの時点で、また階層に応じたもの、機能に応じたものとして 見直して新しいものをつくって普及させるべきではないかというようなことで、まとめ させていただきたいと思います。  それでは、続きまして、財源配分の在り方の議論に入りたいと思いますが、この部分 の全般、(1)に関しまして、事務局から資料の説明をお願いいたします。 ○内田専門官  それでは、資料の説明をさせていただきます。  資料3の2ページに財源配分の在り方という部分と、それに対しまして、資料3の検 討資料の「(2)財源関係」といいますものについて御説明をさせていただきたいとい うふうに思います。  まず、資料2の方の「2 財源配分の在り方」ということで、これまで検討を重ねて きた精神障害者の地域生活支援への取組を実施するに当たりまして、必要となる財源を どのように担保するかについて、現状の厳しい財政状況にかんがみ、検討を行っていた だければというふうに考えております。  中間まとめにおきましても、精神障害者施策における財源については、今後、地域生 活を軸として考える上において、福祉への配分の重点化を図るべきである。  現在の財政状況において、どのような形で今後増大する支援のための財源を確保する のか検討する必要があるのではないかという御指摘をいただいております。  それを踏まえまして、(1)といたしまして、財源配分の在り方について、現下の経済 財政状況では、公費、保険料に関わらず、新規の財源を確保するということは、非常に 厳しい状況であり、まず、精神保健福祉施策全体の中で、その配分について重点化、効 率化を行っていくことが必要であるという認識の下、以下のような事項についてどう考 えるのかということについて、御検討いただければと思います。  まず、アといたしまして、精神保健福祉に係る枠内で財源配分の在り方を考える場合、 地域生活支援という観点から配分を見直し、対象者像を明確にし、次のような分野で重 点化を図ること。  例えば、居宅生活支援事業費、こちらホームヘルプ、グループホーム、ショートステ イ、こういったものや、就業支援に重点化を図るということ。  あるいは、相談支援体制の確保、今まで御議論いただきました相談支援体制の確保に つきまして、例えば生活支援センターは、現在、障害福祉圏域のうち128圏域に未整備 であるという現状を踏まえ、こういったものに重点を図っていくことはどうかというこ とにつき、御議論をいただければと思います。  併せて、重点化を図る分野の財源確保として、毎年大きく増えつつある通院公費負担 の増加傾向を抑制していくこと、あるいは措置入院の地域間格差の解消を進めることが 必要ではないかという点につきましても、御検討いただければというふうに考えており ます。  続きまして、資料3の方の関連資料を御説明させていただきます。  まず、資料3の「(2)財源関係」の1ページでございます。  こちらの方は、第6回の検討会でも提出させていただいておりますが、平成16年度の 一般会計予算の内訳でございます。  一般歳出の内訳、更にその中で社会保障の内訳というふうに、上段から下段に進んで 記述してございます。  続きまして、2ページでございます。  こちらは一般会計予算と厚生労働省の予算の推移ということで、こちらも第6回に提 出させていただいております。年を追って、一般会計予算の全体と厚生労働省関係の予 算の推移というものを記してございます。  一般会計で見ますと、一般歳出でも伸率はほとんどない一方で、厚生労働省関係の予 算ですと、一般会計の伸率に比べて大きく伸びているという現状がございます。  更に3ページでございます。  こちらも第6回に提出させていただいておりますが、入院、通院の財源構成というこ とで、一般、精神科、老人、介護というふうに入院と入院外の構成割合をグラフにして 示しておるものでございます。  更に1枚おめくりいただきまして、4ページでございます。  こちらは、新障害者プランによる精神障害者の居宅生活支援事業、あるいは社会復帰 施設の整備目標でございます。  更に1ページおめくりいただきまして、5ページでございます。  こちらは精神障害者ホームヘルプサービスの予算と実績と題しまして、平成14年と平 成15年の比較をしております。  まず、こちらの方、グラフをごらんいただきますと、一番下の■でポイントしてある グラフでございますが、こちらは予算の推移でございます。そのすぐ上にございます▲ でポイントしてあるものは、これは月平均の利用者数の伸びでございます。更に、一番 上の◆でプロットしてありますものが、所用見込額の推移でございます。  これをごらんいただきましてもおわかりのように、14年、15年では大きくいずれの値 も伸びている一方で、こちらの所用見込額が大きく当初の予算を上回っているという現 状がございます。こういったことに対して、より財源を重点化して配分していく必要が あるのではないかということをお示ししてございます。  更に6ページでございます。  こちらは、精神保健医療福祉分野の財政構造ということでございまして、左側をごら んいただきますと、平成16年度の予算でございますが、このうち医療が68%、一方で福 祉が31.6%を占めているというものでございます。  更にそれを詳細に内訳してみますと、こちらの国庫負担額の推移ということで、一番 上の◆のもの、これが通院公費負担制度でございます。この括弧内のプラスというのは、 例えば一番左の部分ですと、12年から13年では51億増加をしているというふうに、毎年 増加をしているということ、更に内訳で見ますと、この精神保健福祉予算全体は、約七 百八十億でございますが、そのうち五百億弱を占めているという現状にあるということ でございます。  更に、その下の▲の部分、こちらが施設の運営費でございます。こちらの方も毎年伸 びてはおりますものの、やはり全体の視野の中では780億のうちの200億に満たない状況 であると。更に、一番下の×の印のものが、こちらが居宅生活支援事業費ということで ございますが、こちらの方は勿論100億にも満たない状況で、一応推移はしているという ものでございます。  続きまして、7ページでございます。  こちらの方は、先ほどの通院医療費、措置入院費、施設運営費、居宅生活支援事業費 に関連いたしますデータの状況というものをお示ししてございます。  例えば、通院医療費であれば、推計の入院外患者数、あるいは通院医療公費負担制度 の利用者数といったもの。  措置入院費であれば、推計入院患者数、措置入院患者数、新規の措置入院患者数、入 院期間10年以上の措置入院患者数といったもの。  更に、施設運営費で申しますと、施設数、定員、利用者数、居宅生活支援事業費で申 しますと、グループホームにつきましては、施設数、定員、利用者数、ホームヘルプサ ービスにつきましては、実利用者数、こちらは1か月でございますが、これに加えまし て身体介護、家事援助のトータルの時間数、更にショートステイも実利用者数とトータ ルの利用日数というものを示してございます。  更に、1枚おめくりいただきまして、8ページでございます。  こちら、先ほどの(1)のイに関連いたしまして、通院医療公費負担制度の仕組みとい うことでございまして、こちらも第6回にも一回提出させていただいておりますが、制 度創設当初の考え方といたしまして、例えば、通院公費でありますと、昭和39年の精神 衛生審議会の答申等を踏まえつつ、当時の精神医学の発達により、精神障害の程度のい かんによっては必ずしも入院治療せず、かえって通院による医療を施すことが極めて効 果的となったと、こういう事情にかんがみまして、通院に移行させるよう公費負担を開 始されているということ。  更に、平成7年ではごらんのような、例えば医療費保健制度の飛躍的な充実を背景と いたしまして、限られた公費財源の社会復帰対策等への重点化を図るという観点から、 公費負担の仕組みを見直している。  更に、それまでの公費優先から医療保健優先ということとし、残余の部分に公費を投 入するということとしているということ。  更に、改正前後で健保本人の場合の負担水準、当時の健康保健の負担割合の2分の1 ということで、本人負担を5%ということにしているということがございます。  下の部分は、措置入院費、通院医療費それぞれの保健、公費、自己負担の割合をグラ フにしておるものでございます。  更に、1枚おめくりいただきまして、9ページでございます。  まず、9ページの右の方でございますが、これはそもそも通院公費負担制度に関連す る精神衛生審議会の答申書でございます。  「2 医療保障の拡大」といたしまして「現行の精神衛生法においては、第二十九条 の措置入院患者以外には、精神衛生法に基づく医療費の保障を行なっていない。しかし ながら、精神障害としての人間性が損なわれており、自己の病状について認識を欠き一 般に社会的適応性が著しく低いこと。(2)疾病の特質上対社会的に家族の蒙る精神的、 経済的な損害が著しいこと、等の理由により、これらの不幸な患者がすみやかに適切な 医療を受けてその人間性を回復することに対し社会は保護者とともに責任を負うべきで あり、また(3)精神障害は、一般に病状の変化が比較的著しく、適正な医療が行なわ れないと措置入院を要する程度に憎悪する可能性が多いこと等をも勘案すれば、措置入 院患者以外の入院患者及び外来患者に対しても当然医療費保障を行なう必要がある。そ の場合、少なくとも入院または外来治療に要する費用の相当部分を公費で負担すること が必要とされるが、措置患者なみの十割公費負担が無理であるとしても所要医療費全額 の二分の一を下まわることのないよう配慮されるべきである。また、結核予防法第三十 四条方式のごとく一定範囲の医療費のみを公費負担の対象とすることは、精神科医療の 特質上これを採るべきではない。  なお、措置症状のある者に対する現行の医療保護については、従来からの方針を一層 強化し、要措置患者をもれなく入院措置するために必要な予算を十分確保することが必 要である」と、このような当時の疾病に対する認識の下で、こういう通院公費医療負担 制度というものが創設されたという点をお示ししてございます。  更に、左側は、こちらは平成7年の改正に向けた、公衆衛生審議会の意見書といたし まして、昭和39年に比べまして、やはり当時の社会的な認識というものが、かなり変わ ってきているということで、例えば「カ 精神医療の公費負担制度について、現行制度 発足当初に比べ医療保険の給付率の充実、精神障害者に関する理解や社会復帰の進展、 薬物療法等の治療技術の進歩など精神医療を取り巻く環境の変化を踏まえ、公的医療保 険制度の基盤の上に公費による負担を組み合わせた仕組みとすること。  その際、国民健康保険等影響の大きい保険者の負担の問題に配慮するとともに、精神 障害者の社会復帰対策等の一層の充実をはかり、併せて患者負担の軽減について検討す ること」というふうな答申が出されておるということでございます。  こういった社会的な認識が現在と違う状況にあったという制度、現在では精神障害は だれしもかかる疾患であるという認識の下に、何らかの見直し等が必要ではないかとい う点につきまして、御議論いただければという観点から資料をお出ししております。  更に1枚おめくりいただきまして、10ページでございますが、こちらは点線で患者数 の推移を示させていただいております。点線で何のプロットのないものは推計の入院外 患者数でございます。更にその下の■でプロットされている部分が通院公費負担制度の 患者数、更に一番下の▲のものが精神科のデイケア・ナイトケア・デイナイトケアの延 人員でございます。  更に、実線で書かれておりますものが、通院医療公費負担制度の予算額の推移でござ います。  更に1枚おめくりいただきまして、11ページでございます。  こちらは、通院医療公費負担制度のレセプトからサンプルを抽出いたしまして、通院 公費負担制度の医療費の月額の総額別に、例えば患者さんは毎月どれぐらい払っている のかというものをお示ししたものでございます。  まず、一番左でございますが、こちら月額の医療費が1万円未満の方が、おおよそ五 十%弱、以降、順次1万円から2万円程度の方が二十数%、更に3万円未満の方が十数 %というふうなことになってございます。例えば、月額の医療費が1万円でございます と、5%の自己負担ということでは、括弧の中で記されておりますように、約五百円と いうふうな状況になってございます。  更に1枚おめくりいただきまして、こちらは入院外の方々の収入の状況ということで ございます。  まず、●でお示ししてございますものが、こちらが社会復帰施設に入所されている方 の収入の状況でございます。  社会復帰施設に入所されている方の、およそ6割強、3分の2が10万円弱程度の収入 であるということ。更に約二十%が10万円から20万円程度の収入を得ていらっしゃると いうこと。  更に、■のものが外来でございますが、約三十%が10万円弱の収入を得ていらっしゃ る。 更に、同じく約三十%が10万円から20万円。  更に、約十%が20万円から30万円の収入を得ていらっしゃるという、こういう現状が あるということを踏まえ、財源問題全般について御検討いただければというふうに考え ております。  事務局からの説明は、以上でございます。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。それでは、最初の「2 財源配分の在り方」の中の (1)について御議論をいただきたいと思います。中間のまとめが出る前の最初の議論で も、もっと福祉に重点を置いて財源の在り方を考えるべきだという議論がありまして、 それで中間まとめでもそのような考えが示されたわけですけれども、今後、地域生活支 援を充実させていくということであれば、当然、居住生活支援事業の充実とか、相談支 援体制の強化ということを図っていかなければならないわけです。  それに併せて、通院公費負担制度の増加傾向を抑制するとか、あるいは措置入院の地 域格差の是正を図っていくということが必要ではないかと、こういった問題意識があろ うかと思います。  措置入院に関しましては、精神病床等に関する検討会がございまして、そちらの方で 議論されておりますので、ここの検討会では、通院公費の問題を中心として議論してい ただきたいと思います。そういう視点に立って、どうここに書くかという議論をお願い いたします。  どうぞ。 ○小川委員  質問なんですが、この財源配分の在り方は、どの範囲で議論をすればよろしいんでし ょうか。社会保障全体で考えるのか、それとも障害保健福祉施策のところで考えるのか、 あるいは医療も含めたところで考えるか、どの枠の中で配分を考えることになるのか教 えていただきたいと思います。 ○高橋座長  事務局いかがですか。 ○北川企画官  余り大きく議論をすると、例えば障害施策の充実のために増税をするのかとか、そう いう議論になっても多分意味がない議論だというふうに思っていますので、この段階で は、可能であれば精神保健福祉分野、特に公費で現状お示ししているような状態がある わけですので、その中で、現実に福祉施策を充実しようとすると、公費での対応になる という現実がございますので、今、公費として障害保健福祉分野でもっている財源の中 でどういうふうに効率的なものを図っていくのかというところに重点的な議論をお願い できればというふうに思っています。 ○高橋座長  比較的に狭い、精神福祉の領域ということですね。 ○小川委員  であるならば、かつて通院公費について、厚生労働省が精神保健福祉課の中で議論し た経過があると思うんですね。それをちょっと教えていただければと思うんですが、数 年前に検討会をしているはずなんですが。 ○北川企画官  多分、その話というのは、適正化のために検討会を行ったという話だと思っています が、そこは制度的対応というよりは、どういう症状の人とか、どういう病状の人を対象 にするのかというような通知を出したという結果で終わったというふうに承知しており ます。 ○高橋座長  どうぞ谷野委員。 ○谷野委員  まず、やはり何回でも同じことを言うようですけれども、アのところのグループホー ム、ホームヘルプ、ショートステイ、これだけのためのケアマネジメントでは広がらぬ なというようなこと。  それで、先ほど加藤さんが言ったように、7万人なのか、何万人なのか、私はわかり ませんけれども、要するに病院から脱入院化して社会復帰するというところに、私はや はりここに一番ケアマネジメントが絡むべきだと思うんです。そこに、やはりきちんと したケアマネジメントが絡んで、そうすると、ついでに言うと、私は医療というのは福 祉であっても、どんな分野であっても、医療というのは社会資源の一部だと思うので、 医療が丸抱えだという意味で、私は医療の関与を主張しているわけではないわけです。 だから、どんなに福祉だけの人でも医療にかからなければならない場合もあるわけで、 そういうことも含めてケアマネジメントをしていく。  それで、元の話に戻すと、今、一番大事なのは、やはり社会復帰なり地域へ移行する という場合に、ケアマネジメントなりを行うべきだけども、その後の財源についてはず っと話してきたように、非常に心もとないということが1つ。  ただ、ケアマネジメントだけでも、この法制化という言葉は私は余り好きではないん だけれども、そうすれば、そういうようなことを契機に脱入院化が進むんではないかと いう淡い期待を持っておるだけです。  もう一つは、これで終わりますけれども、通院公費は、これは歴史を考えれば削減す べきではないわけですよ。措置入院がどんどん減ってきて、それからそのたびに国へお 金を返しておるわけですよ。精神保健福祉課がお金を増やしたわけではないわけですね。 精神保健福祉課の予算が増えたわけではないわけです。これは、歴史をさかのぼれば何 十兆円の話だと思います。その反省なくして、現在、通院公費でやっと通っている精神 障害者は多いわけですよ。それを削減していくとか、病状に応じて考えるとか、そうい うことは、私は本末転倒だと思うし、あえて言えば、余り精神科ではない、変なところ から変な通院公費が出てくることがあるんですよ、そういうことはやはり見直さなけれ ばならぬでしょうけれども、余り具体的に言ってはいけないけれども、悪用されている 面があるんですよ。  だから、そういう点も見直すというのならいいけれども、通院公費本体をなんでもか んでもいいから削減するというのは、これは私は絶対に容認できないですね。 ○高橋座長  どうぞ板山委員。 ○板山委員  谷野さんのその発言に関連して、私も趣旨は全く賛成ですが、7万2,000人を退院促 進される、何年計画でおやりになるかわかりませんが、その財政効果というのはどんな ふうに見込まれているか、ちょっと事務局教えてください。 ○北川企画官  まず、7万2,000人がどういうふうな状態の存在なのかということを御説明する必要 があるだろうと思っていますが、一般には7万2,000人という集団については、同じ長 期入院化して7万2,000人いるというふうに通常思われていると思いますけれども、先 週の病床の検討会の方でお示しした資料、今、お配りできると一番いいんだと思って いるんですが、そういう分析を一応お示しをしました。  患者調査で11年で約7万2,000人いると、それで14年で大体6万9,000人ぐらいいる と。それは3,000人減ったのかというと、さにあらずというのが基本的な認識でござい まして、約3万5,000人ぐらいの方は、11年から14年にかけて入院されている集団とし て存在していると。ただ、残りの半分の3万5,000人ぐらいは、マクロで見ると実は入 れ替わっていると、個々人を全部追いかけているわけではないので、マクロとしては入 れ替わっていると。  それは何を意味しているかというと、11年のときにいらっしゃった方は、14年までの 間に3万5,000人の方は、実は大体退院されていると。その間で毎年2万ぐらいの方が 新規に発生して、その間で3年間で更に2万5,000人ぐらい退院されて、結果として3 万5,000人残っていると、3年間で新規に発生したと、こういう入れ替わりをしている というふうに我々は認識しております。  したがって、病床の検討会の方でお話をしたのは、まず、新規の人が発生しないよう に、病床機能の強化を図っていくことが必要であると、一種の要望として考えると、更 に長期化している3万ないし4万人のグループをどういうふうに退院を促していくのか と、こういう効果があるだろうと、そういうことが必要だろうと思っております。  更に、それを実現するためには、多分報酬体系も含めて病床の機能の強化と、特に予 防のところですね、それは必要だろうというふうに思っていますから、単純に7万2,000 人退院したから、それで医療費がなくなるということではなくて、その見直して、強化 を図っていくということが必要になるんだろうと、こういうふうに考えております。  したがって、どういうふうな報酬体系をつくるかによって、全然財政効果がどれぐら いになるかということは一概には言えませんので、巷間思われているように、それで単 純に財政効果が発生するんだから、大丈夫でしょうという話ではなくて、もしかすると 医療の中でも必要に追加的に投資しなければいけない分野の費用というのが発生し得る と、こういうふうに考えていると、こういう状況でございます。 ○板山副座長  この書き方は大変消極的で、精神障害者保健福祉の枠の中で配分だけ考えろと、むし ろ多障害その他に比べて後れていた精神障害者地域生活支援の対策は、ゼロからの出発 と言ってもいいくらいなんです。だから、当然増やさなければだめだと、だからその財 源の配分等を考えて、そういう配慮もしろと、勿論医療からするのも福祉でというのも 結構、いいけれども、同時に積極的に打って出る姿勢もここに表現されないと、厚生労 働省のバックアップにならないんです。我々検討会をやってみても、ただ事務局がこう してだんだん後退していくような表現だけにとどまっていてよいかどうか、これは各委 員の先生方にも御発言をいただきたいと思います。 ○高橋座長  加藤委員、どうぞ。 ○加藤委員  本当に今回の精神保健福祉法の来年度の見直しですけれども、本当に脱施設化だけで はなく、脱差別というところを強く出してほしいと思います。私は、ときどきケアマネ ジメントという話が出てきますけれども順番だと思います。やはりこの7万2,000人を 社会復帰してもらう手立て、支援の在り方を本当に予算も付けて示してほしいと思いま す。  それについて責任はどこが持つのか。そして、私はゼロどころかマイナスだと思うん です。やはり長期に入院していた、長期に社会にいなかったというのは、ゼロどころか マイナスです。このマイナスの部分をどう埋めていくかということも考えないといけな いと思うんです。  これから、先回見せていただいたみゆきさんが出してきた図はあのとおりで、私たち が当然、皆さん知っているだろうと思うことをほとんど知らない。例えば、今、精神保 健福祉法だって、使えるものはいっぱいあるわけです。例えば、精神医療審査会すら知 らない人がいっぱいいる。知らない当事者さんがいっぱいいる。  そして、次にこの精神医療審査会もおおむねは医師が委員になっている。御本人さん たちは本当に入っていない。こういうものに本当に本人に入ってもらう。もっとそうい うものがあるんだよということを周知徹底させるということも絶対仕事だと思うんです。  そして、板山さんがときどきおっしゃる、障害者保護基本法だって改正をされている。 もうあれが立ったときから、いろんなプランづくりに本人を入れていきましょうと言わ れているんだけれども、正直言って東京とかにだって本人が入ってない委員会はあるわ けです。  そういうものを、本当にそのとおりやっているのかということを、もっときちんと監 視していく。先回出てきた福祉サービスの監視委員会も立ち上げるだけではなくて、そ こに本当に権利擁護の機能を付けるという、今あるものだって、本当にそのまま実行さ れているのかどうかという見直しを、絶えず行政はしていかないと、本当にお題目で終 わっているものがいっぱいあると思うんです。そういうことも現実にはいっぱいあるか ら、ここはやはりきちんと脱施設化、本当に精神障害者も一日も早く他障害と同じにし ていく。  それで、やはり地域生活支援ということで、予算もシステムも移行していってもらい たいというふうに思います。  やっと回ってきたのでは、一言言わせてください。支援費制度になぜならなかったと いう基本的な問題が、もう本当にこの委員会もそうですし、事ほどさようにほかの委員 会も新聞紙上を見ていてそうなんですけれども、本来の目的は障害を持っている人だと か差別を受けている人が、安心して社会で暮らしていく、その手立てのために何が必要 なのかということが大事なのに、そっちの目的は一向に論議されないで、手立て、支援 費か介護保険かというところばかり論議されたり、すごくそこが論議されないで、そこ にお金が付かないで、ケアマネジメントを入れるか入れないかということばかりで、少 しこのごろ話し合いの方向性がおかしいんじゃないかなと。やはり支援費になぜ入らな かったのか。  さっき私、香野さんがせっかく応援を出してくれたのに、ケアマネジメントは正直言 って後の問題だと言ってしまいましたけれども、もうあと次回1回しか残ってないので あれですけれども、この間10月から、もう本人活動を整備してくれと言っていても、ほ とんどそういうものは中間報告の案に入ってきてない。  それから、精神保健福祉法も、今もそうだけれども、これにもほとんど権利擁護をど うするかというのは、もう全然入ってきてない。繰り返し繰り返し言っていることが、 何でこんなに入ってきてないか、もう残り2回で私がやりたいのは、私が言ってことだ けは外さないでほしい、中間報告に入れてくださいというのを、末安さんを見習って文 書化していくということかなと。繰り返し繰り返し言っていても消えていくということ がすごくあります。  それから、私はこの日本の社会福祉もどうかしているんじゃないかと思っているのは、 これも新聞で傍聴しませんでしたけれども、支援費制度になぜならなかったんですかと いう、すごく基本的な問題を、とても言いにくいけれども、寺田さんを副会長にしてい る復帰協のシンポさんが、障害者団体が反対したからならなかったんですなんていうこ とを、今、言ってらっしゃるわけです。それこそ情報不足というか、認識不足というか、 99年のときから、私も何で支援費制度にならないんですかと言ったら、私は局長さんな んかじゃなくてもっと下の方でしたけれども、精神障害者はもっと進んでいるんです。 今度措置から契約になるんですなんていうことを言って、もう車椅子も私も立ち上がっ て、それは認識が誤っていると言ったことがあるんです。  ほかの団体さんたちも、99年のころから何で精神障害者も支援費にしないのかという 質問はしています。  そういうことを、今、そういう大事な委員会になる、社会福祉施設の会長の方が、そ ういうことを発言しているということは、私はとても勉強不足なんていうものではない し、もう認識不足も甚しい、日本の社会福祉はどうなっているのかというふうに、私が 会議を持ったのはそういうこともあります。 ○高橋座長  よろしいですか。 ○加藤委員  はい。 ○高橋座長  十分お話しいただけたと思いますので、次の方、どうぞ。 ○鶴見委員  少しケアマネのところでも発言したかったので、それも含めて、私も末安委員と同じ で、事務局が出した精神保健福祉法の中に類型化するというのは、非常に賛成なんです。 ただ、人材育成については、やはり現状を見ていると、地域間格差ではないですけれど も、研修の工夫は必要なのかなと。研修の中身に対してのガイドラインみたいなことが 大事なのかなと。それは香野委員もおっしゃっていたし、あと寺田委員も言ったように、 私も演習の中身というのがもうちょっとうまく運用できるといいのかなと。  あと上級研修に行ける間の実務レベルの、実際にどういうことをやってきたのかとい う指針が、その新人研修のときにもうちょっと規定するような、実務レベルで何をやる のか、それで上級に何をつなげていくのかという指針が少し必要、工夫が必要なのかな という気がします。  あと私は寺田委員と逆で、食事を絞るというところで、市にいたときには、いわゆる 実務、どこでやっているかという、これは生活支援センターとか、いわゆるヘルパーさ んでも非常に優秀な方がいたりとか見ていると、今の段階ケアマネをまだ広める段階な のかなと。それよりもどこにいる立場の方が優先されるべきなのかなというのが1つあ ります。  それで、少し財源の話になりますけれども、私はこの財源のアの意見、この考えは非 常にいいものだろうと思っているんですけれども、ただこのケアマネの事業の展開を見 ると、いわゆる簡単に言うと1件やったから幾らという事業ではまだないんですね。 ○北川企画官  絵にもかいてありますように、多分2つ業務があると思っていまして、1つは総合的 な支援という、ケース・ワーク的な業務をやるということと、個別のサービス決定に対 して関わっていくという業務と2つあると思っていますから、それぞれの特性に応じた 費用の負担の仕方はあるんじゃないかと思っています。 ○鶴見委員  だから、そういう意味でのそこが実益的に普及じゃないですけれども、地域で使われ るようにするには、そこに財源が落とされていかないと、なかなか発展していかないか なということを懸念しております。  そういう意味で、確かに、この通院医療費というのは、措置入院の地域間格差は、こ れは当然していかなければいけないことなんだと思いますけれども、この収入が低い中 で少し負担していただくという考えということなんだろうと思うんですけれども、実際 私がデイケアとかにいたときでも、本人自身が医療と思ってなかったという、こちらの オリエンテーションも悪いんですけれども、実際お金を払わないという行為が本当にい いことなのかなという疑問も感じた経験もあるということですね。  そういう意味では、少しの負担による、それでサービスがこちらのアの方に移換する というのは、1つの考えでもあるのかなと、そういう意味では検討に値するものかなと は思っています。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。寺田委員、どうぞ。 ○寺田委員  この検討会でずっと検討されるに当たって、中心的な課題を整理していたと思います。 それは住まいをどうするか、日中の活動の場をどうするか、それから居宅における生活 支援をどうするか。そして、それらを効果的に行うための方法として、最近になって具 体的に出てきたのが、相談支援体制ということだろうと思います。  そういう視点で考えると、アの最初の方ですが、重点化ということなんですが、居宅 生活支援事業に重点化を図るということですが、それだと今、申し上げた3つの柱から 余りにも特化しすぎているんではないかと。もう少し幅広い部分に対して、予算の配分 がされるべきであろと思います。  それから、それらの具体的なサービスを支えるという意味で、相談支援体制というの は、今日もずっと議論されておりますように、非常に重要なことです。しかし、今、確 かにそのとおりなんですが、この相談支援体制で、地域生活支援センターということを 考えますと、この資料にありますように、障害保健福祉圏域、社会福祉施設は、今、15 年度から圏域ごとに整備を図っていくという基本的な方針で行われております。そうな りますと、この圏域に1か所ずつというのが基本で、まさにここにあるように、まだ 128圏域が未整備だということになるわけですけれども、この検討資料1の3ページに ありますように、相談支援体制修正案というところで見ますと、この支援センターとい うのは、圏域ごとに整備するということですから、どこに対応するかというと、障害保 健福祉圏域、都道府県、その次の障害保健福祉圏域に対応するということになります。  しかし、相談支援体制の中で、相談支援事業者が相談に乗ったり、あるいはケアプラ ンを作成するというのは、その次の階層である市町村圏域で行われるという想定がされ ているわけです。  そうしますと、障害保健福祉圏域には対応する機関が設置されますけれども、市町村 単位では考えられていないと、こういうような状況が出てまいりまして、相談支援体制 の第一線の最も重要な部分への対応が、このプランからは落ちてしまうと、こういう大 きな危険があるなと思っていてます。 ○高橋座長  寺田委員、例えば、アの最初のポツですけれども、これにもっと広く加えるとしたら 何がありますか。 ○寺田委員  ずっと言われておりますように、例えば、アパートを借りる場合の24時間体制だとか、 そういうような住まいの部分、ここで言えばグループホームだけになってしまいますの で、もっと幅広い住まいに関するいろいろなケアが必要になってくるし、ショートステ イが今のような状況の中だけでいいのかどうか、そんなようなこともありますので、も っとこの検討会でいろいろな議論が出てきたように、そういうものを丁寧に拾い上げて いくことが必要だと思います。 ○高橋座長  就労を重点化して、費用を付けるということでよろしいですね。 ○寺田委員  はい。 ○高橋座長  どうぞ。 ○伊藤委員  財源配分の在り方で、ちょっと質問があるんですが、このアのところに列挙してある ポツについては、特に異論がありませんし、重点対象にするというのは、比較的コンセ ンサスを得やすい話だと思うんですが、問題はイの方の、特に通院公費負担の増加傾向 の抑制と、このことについて可能性なり妥当性を検討する前提条件があると思うんです。 つまり、現在伸びている原因は、要するに、患者数の増によるものがどれぐらいの費用 によって、1件当たりの診療時の伸びがどうなっているのか。その増の内訳をきちんと 検討しないと、抑制の妥当性なり可能性が議論できないと思うんです。したがって、そ このところを今、少し御説明いただきたいことと。  基本的には、先ほど谷野委員のお話もありましたけれども、措置入院に非常に偏重し ていた精神医療体制を、通院にシフトしていった経緯を考えれば、そう軽々に通院公費 負担制度、医療費を抑制するというのは、やはりよほど慎重にしないといけないんじゃ ないかという、そういう懸念から、今のところをちょっとお聞きしたいと思っておりま す。 ○高橋座長  事務局、どうぞ。 ○北川企画官  まだ、すべて県の状況等も把握しているというわけでもないですし、ここでの議論を 踏まえながら詰めていろいろ検討しなければいけないと思っていますが、まず伸びてい る原因としては、今、伊藤先生おっしゃったように、多分3つあり得る要素としてある と思うんです。  実は、1人当たりの単価が動いているんじゃないかと。もう一人は、いわゆる外来患 者数に対して、どれぐらいの数が伸びているのかということ、あと認定率みたいな問題 ですね。多分この3つの要素が絡んでくるんだろうと思っていますが、ざっくり見た感 じですと、1人当たりの医療費については、逆に診療報酬改定等がベースになりますの で、余り大きく伸びているという傾向はどうもないというふうに見えると。  ただ一方、外来の総患者数に対しては、一定率で増えていれば、それに投じて増えて いるんであって、それを多分上回って今、伸びているんじゃないかと認識しています。  そういう意味では、認定という意味である程度、逆に普及が進んだと見ていいのか、 いろんな安い、先ほど見ていただたように非常に医療費の低い方が結構多数を占めてい ますので、そういう他もいろいろ利用されるようになってきているのではないかという 意味で、いろんな使い方にはばら付きがあると思いますけれども、集団として見たとき に、今、現状で言いますと、想定外来患者数の約三分の一弱ぐらいの方が通院公費の費 用を受けるようになっていますから、例えば、平成7年に改正したころに比べれば、相 当程度対象者数が圧倒的に増えてきているという現状はあると。このペースで行けば、 多分外来患者数全員にまで行ってもおかしくないような伸び方を今、示しているという 認識を持っております。 ○高橋座長  末安委員、どうぞ。 ○末安委員  先ほどの7万2,000人の分析のところの、3万5,000人ぐらいが入れ替わっているとい うことも関係すると思いますけれども、今の3つの分析はわかったんですけれども、医 療の質とか提供体制ということは、検討のファクターに入ってないんですか。 ○北川企画官  7万2,000人ですか。 ○末安委員  いえ、ごめんなさい。通院公費負担制度の増加ということに対して、医療の質や提供 体制ということは。 ○北川企画官  まず、今の通院公費の仕組みというのは、他の公費負担医療制度とは異なっておりま して、指定制度というのを設けておりません。したがいまして、どこの医療機関で、ど ういうふうに行われているのかというのを、把握する術がないというのが現状です、端 的に申し上げると。  だから、いろんな医療機関から例として随時出てくるということになりますから、特 定の医療機関にターゲットを絞って、どういう分析ができるというふうに現状にないの で、そういう意味での把握というのは、なかなか今、制度的に厳しいというのが現状で あります。 ○末安委員  それはわかりました。先ほどの3万5,000人の患者さんが、たしか7万2,000人のうち 入退院を繰り返しているということに関して言うと。 ○北川企画官  繰り返しているというわけではなくて、入れ替わっているということです。繰り返し て個人の方が入ったり出たりというふうに見えますが、そうではなくて、集団として3 万5,000人の方が現に出ていて、毎年2万人の方が新規に入ってこられて、2年、3年 するうちに少しずつそれが減っていると、結果として数字の均衡が保たれるという認識 です。個人の方が入れ替わっているという意味ではありません。 ○高橋座長  よろしいですか。どうぞ。 ○佐藤委員  与えられたテーマが、財源配分の在り方ということになっているので、ちょっと議論 が難しいかなと思うんですけれども、私は今後のことを考えても、今、精神障害、保健、 医療、福祉という枠組みの中である財源を、どうシフトするかという話でやっている限 り、ほとんど問題解決することは難しいだろうと思っています。  例えば、国ベースでおよそ3,500億ぐらいだったと思いますが、支援費があって、そ のうちの3分の2が、いわゆる入所サービスに使われている。実際には、身体障害者の 10%未満だし、知的障害者だって30%未満の人しか施設に入所していないにもかかわら ず、支援費はそちらに大量に行っている。  今後、地域生活支援を考えたときに、この支援費をこっちからこっちへ移すというだ けで、問題が解決するというふうに全然思えないんです。  しかも、精神障害の方の場合は、250万人近い人たちが、今、医療を受けていて、入 院患者さんが35万人で、そのうちの7万人が社会的入院という議論がされていますけれ ども、知的障害のことで考えれば、現在13万人近い人たちが入所施設に入っていると。 この人たちは、全員社会的入所なわけですから、精神障害の方々への対応のことを考え れば、全員が地域で生活を近い将来はするということが、我々の戦略にならなくてはな らない。そういったときには、もう圧倒的に今ある支援費の世界の中では無理だろうと いうふうに思います。それと同じように、今後、200万人を超える精神障害を持つ人た ちが、地域生活を進めていくためには、今、大体資料を見ても、ホームヘルプを使って いる人はたった1万人にも満たないわけですから、この財源配分という発想がどうもわ かりにくいと言いますか、非現実的だと思います。  もう議論も最終局面ですから、私は先ほどもケアマネージメントのところで申し上げ ましたけれども、やはり新たな財源をどうつくっていくとか、介護保険と支援費制度と、 そしてこの精神保険の福祉の問題等、地域生活支援ということを共通のベースにして新 たな制度を模索するということとを、積極的に提案していかなければ、この議論という のはどうも先が見えてこないという印象を持っております。  制度に関して、今いろんな賛成、反対、制度の統合に関して、現実には賛成、反対と いう、いろんな声があるわけですけれども、私は地域生活支援というのは、共通のキー ワードとして、いろいろな応用問題を解決しながら、そこを視野に入れてこの議論をし ないと、ちょっと議論そのものが閉塞してしまうのではないかと思います。 ○高橋座長  どうぞ、末安委員。 ○末安委員  全く同感でして、例えば、6ページの16年度予算の780億の31.6%と68.4%とありま すけれども、これは今、例えば、通院公費負担制度の上限設定かするか何かしても、そ の線が右に寄るだけと、寄ったところで、では福祉とかその他というところをどういう 人が経営しているかということを考えた場合、実際には直接どれぐらい当事者が恩恵を 被れるのかというふうに思えて仕方がないんです。だから、もっと根本的な論議が必要 になってくるんじゃないかと思います。 ○高橋座長  確かに、財源自体が増えれば、問題解決も近くなるんでしょうし、そういう努力はし ないといけないと思いますけれども、先ほど鶴見委員からも話があったような、多少全 くフリーではなくて、応分の負担がある方が逆にいいような状況もあるというような意 見を出されました。その一方で公費負担を減らす必然性というか、妥当性というか、可 能性というか、そういう判断をする指標がまだ足りないんじゃないかという意見も出さ れました。  あるいは、そちらへシフトした場合、どの程度の福祉のレベルが上がるのか、そうい ったものが見えないと、さまざまな意見が出されました。  それでは、金子委員、どうぞ。 ○金子委員  わからないのでちょっと質問したいんですけれども、医療の方だけでなく、医療と福 祉と両方に配分ということがあると思うんですけれども、例えば、7万2,000人の方が 退院された場合、生活がどうなるのかということで言うと、それは大部分の方が生保と いうことになるような算段でいらっしゃるのか。  そういうことであると、かなり予算的に福祉の方が大きくなければならなくなると思 いますし、我々の方の就労関係から言いますと、やはり少しでも稼げる人をつくらなけ ればいけないんじゃないかと考えるんですけれども、その辺の予算的なものをどんなふ うに考えていらっしゃるのかわからないので、教えていただきたいと思います。 ○北川企画官  まず、7万2,000人の方というのは、今、資料を用意してお配りしますけれども、動 態を見ているとすべての方がびしっと長期に入院されているわけではないということが 現状でございますので、比較的短期に退院されることを促進されれば、今までの生活基 盤を失うことなく、またそこに戻りやすいという環境が整えられていくので、そんなに、 そこがうまく流れれば、それに追加的に必要な財源が大きく増えることはないと、一般 的には思っております。  ただ一方、長期に入られる方になりますと、やはり家庭でもなかなか、1年を超える と家に戻れないという方が現実に出てきていますので、そうすると家族関係との調整で すとか、生活の本拠をどこに置くとか、生活費をどうするかという問題。  ただ一方では、今、医療費という形で、何らかの形でお金を払われているという現状 もありますので、そういうものとの関係でどういうふうに振り替わっていくのかという のは、個々の家庭の状況に応じて大分変わってくるんではないかとは思っていますけれ ども、今のように医療保険と公費のような制度で完全に分かれていれば、その財源の移 行というのは完全に起こり得ませんので、追加的に公費の方に大きな負担がかかってく るというふうな構図になるのではないかと思っております。  今お配りした資料が、先ほど私が口頭で申し上げた資料のベースのものでございまし て、11年の患者調査と、14年の患者調査というのを、入院期間が1年、2年と区切って みると、こういうふうに分布がなされるということです。  赤と黄色を足したものが、11年の患者調査の状態で、ブルーと黄色を足したものが14 年の患者調査の状態と。黄色というのは何を意味しているかというと、11年から14年、 勿論個人の方の入れ替わりはあるかもしれませんが、マクロで見ると3万4,300人の方 が継続して入院を長期間しているように見えると、絵柄的にはですね。  それで、赤いところは、14年の患者調査ではもう存在しない人になっていますので、 当然3年間の間に退院がされていると。  ブルーの方は、11年の患者調査以降毎年入ってこられて、当然赤いの一番高いところ とブルーの高いところが、2万人超えたぐらいで同じ高さになっていますから、毎年多 分入っこられる方はこれぐらいいらっしゃって、12年、13年の間に少し減って、ブルー のような今の形になってくるという構造を毎年繰り返しているんじゃないかと、こうい うふうに我々は考えているというのが、今の現状でございます。  以上、資料の説明だけさせていただきました。 ○高橋座長  よろしいでしょうか。それでは、福祉と医療への配分ということで、いろんな意見が 出されているわけですけれども、まだ御意見をお話しになられてない方、どうぞ。 ○板山副座長  少なくとも、この7万2,000人の退院促進の結果もたらされる、医療費の面における 財政効果というのは、どう考えているんですか。 ○高橋座長  どうぞ。 ○北川企画官  先ほども申しましたように、まずブルーのところを、新規に発生しない、抑制すると いうのは、医療の質を上げる、ないしは強化をするということが必須になりますので、 そこでは必ず追加的な財政が発生するだろうと考えています。  一方、イエローのところは、押し出すための力を付けていかなければいけない。医療 としてもですね。単に地域に根差せば、はい終わりということではなくて、一定のリハ ビリテーション等が必要になる群だろうと思っていますから、当然そこでも一定の短期 間、1年か半年がわかりませんけれども、発生があって、それで地域へ出ていくという ことで、この部分については医療としては相対的には減っていく可能性があるというも のだと思っております。  だから、差し引きそれがどれぐらいの大きさになるかというのは、どういうふうに追 加的にやるのかという仕組みにもありますし、一概に幾らになるとはなかなか言えない と思います。 ○板山副座長  ちょっといいですか。そこで、イの表現を、重点化を図る分野の財源確保として、い きなり通院公費負担の抑制ということにしないで、今のような長期入院患者の退院促進 に伴う財政効果等、そういう表現が医療から福祉へというなら、そういう表現を少し財 源的な面で、性格は違いますよ、だけど、これは行政全体として、財政全体として考え れば、財源的な問題としては、そういう転換が可能なわけですから。  それから、もう一つ、さっきお話が出たように、現在介護保険制度の見直しも進んで いると、そういう中で、精神障害者保健福祉の面における、これに見合うケア、介護と いうふうなサービスについて、財政的な調整を検討する必要があろうぐらいの気持ちを 表現できないかどうかですね。 ○高橋座長  どうぞ。 ○北川企画官  今日はまとめの場ではないので、今の意見の参考にしながら、次回どういう形でまと めるかというのは、事務局として考えたいと思っていますが、介護保険直については、 多分いろんな御意見の方が、この場にもいらっしゃると思いますので、そういうことは 除いたとしても、自立的にどういう仕組みでなっていけるかということを考えていただ きたいと、個人的には思っております。 ○高橋座長  どうぞ、谷野委員。 ○谷野委員  くどいようですけれども、通院公費の増加傾向の抑制というのは、是非削除するか、 場合によっては伊東先生言われたように、病院の分析をしてみるとか、そういうような 書き方にしてもらわないと、抑制というのは絶対に私は反対です。  それと、ちょっと話があれになっているのは、今ここで言うのはケアマネジメントの 財源論になるでしょう。今、言われている財源論が、この地域支援全体にわたっての財 源論のところで是非うたうべきですね。 ○高橋座長  全体でうたっているのではないでしょうか。 ○谷野委員  全体ではまだこういう議論してないでしょう。 ○高橋座長  ケアマネジメントに特化しているということではないと思いますけれども。 ○谷野委員  だから、ケアマネジメントのところでの財源論としては、余りそういうことではなく て、全体論としてうたうべきでしょう。 ○高橋座長  事務局ちょっと説明を願います。 ○北川企画官  済みません。事務局の説明が悪いと思って反省しておりますけれども、一応今日の議 題としては、1と2の話というのは、ケアマネの話の財源論のつもりではなくて、1と 2は分離をしているという前提で、資料のつくりが悪くて申し訳ないと。こちらの不手 際だというふうに理解しておりますので、申し訳ございません。 ○谷野委員  そうですか。 ○高橋座長  ケアマネジメントが宿題として残ってしまったものですから、今日最初にやったんで す。  どうぞ。 ○加藤委員  この通院公費負担の増加傾向の抑制というのは、本当に消すべきだと思うんです。今、 仕組みとしてやはりあるのは、私は精神障害なんですよと名乗り上げてくると得をする システムをいっぱいつくっていくことだろうと思うんです。変な話ですけれども、通院 公費負担がこれだけ増えたのは、ある意味で精神科の敷居が低くなっているというふう に考えれば、一概に悪いことではないと一つは思います。  だけれども、確かに、中にはもうすごく働いていて、何百万も収入をもらってみえる のに、神経症か何かでこの通院公費負担を取っている人がいるのも事実です。  私はもう少し工夫して、何と言うのか、私は正直言って最終的には手帳制度ではない 仕組みをつくるべきだ思うし、さっき佐藤さんもいろんな方が言ってみえる。私も言い ました。もう総合支援法か何かで一本化を図るべきだと思います。でも、今、過渡期で すぐにそうならないのであるならば、せめて今、手帳が3種類そろったわけですから、 手帳の一本化をとにかくする。そして、顔写真を付ける代わりに、知的障害だとか、精 神障害だとか、身体障害なんていうものを付けるよりも、あなたはこういうサービスを この手帳を持っていれば受けることができるんですよというふうに本人は知っている。 それで、1級とか2級とか3級でそのサービスを受けるものが違うというのを、きちん とするべきではないかと思います。  もう少し言ってしまえば、この手帳の一つのメリットのような感じで、もしかしたら 通院もこの手帳があれば無料になりますよというのも、もしかしたら一つの手もしない。 カミングアウトをしていけば、正直言って得をするというシステムをつくってほしいと 思います。 ○高橋座長  わかりまた。小川委員、どうぞ。 ○小川委員  今回の診療報酬の改定で、デイケアが通院開始から3年を超えると、週5日という算 定の制限が設けられました。ということは、これまで週7日というのが診療報酬上認め られていたわけですね。これは、これまでの精神保健福祉施策が、余りにも立遅れてい るということだと思うんです。  そういう意味では、もしそういう無駄みたいなもの、あるいは余り有効でない施策、 勿論週7日デイケアに通っていて、症状が安定していて入院しなくて済んでいるという 方も、それは要るのかもしれませんけれども、その辺の中身を分析するなり、有効なサ ービスが適切に行われているのかどうかというのを、きちっと見ていく必要性はあるん だと思います。しかし、そういう書き方ならわかるんですが、少しここは乱暴過ぎるよ うな書きぶりかなと思います。  まずは、やはりそういう現状のサービスの内容が、あるいは医療費の使われ方が適正 に行われているかどうかの検証をする必要性があるのかなと思います。  アのところなんですが、確かにこの部分、居宅生活支援事業費等を重点的にというこ とは賛成なんですけれども、もう一つ重要な視点として、人材の育成の確保もやはり重 要なところだと思います。  先ほど前半の議論とも関わりますけれども、やはり質の高いマンパワーといいますか、 そういうところをきちっと養成する、あるいは、確保するということがなければ、いか に立派な事業、あるいは施策を展開しても効果はないと思います。  例えば、これからの話なんでしょうけれども、ジョブコーチみたいなものをきちっと 育成するなり、トレーニングするなり、市町村の保健師が足りないとか、増員がなかな かうまくいかないという問題もあるわけで、そういう意味で医療や福祉の人材の養成・ 確保というものも、力を入れていただければと思っております。以上です。 ○高橋座長  ありがとうございました。それでは、この公費負担のことで、寺田委員か寺谷委員、 何かございましたら、それで終わりにしたいと思います。 ○寺谷委員  通院費公費負担制度の是非を脇に置きまして、実際の趣旨として、通院形態のサービ スによって自立生活が可能となるようなことがかなり実現できてきたことを評価すると いう意味で、今、私言ったんです。  そういった医療でカバーされる自立生活支援、または治療とされることが、具体的に 今度福祉の領域の中でどうカバーできるのか、またそれを挑戦できるのかというような ところから、当事者が一緒に参加して、企業も勿論参加して、これをどう通院、治療の 範囲ではなくて、地域生活支援の方に移行できるのかというようなところも見ていきた いと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。いろいろな意見が出てまとめきれませんが、金子委 員どうぞ。 ○金子委員  済みません。今、医療費の関係もそうですけれども、やはり地域生活ということで言 いますと、やはり就業関係という、先ほどケアマネージャーをどういうふうに育成する かという大変、それはわかります。  それから、そういうことでいくと、今お話が出ました、ジョブコーチもどういうふう にするか大変です。ですけれども、今までの専門家というフィールドを考えるだけでは なくて、やはり一般の企業の人とか、地域の人とか、そういう人たちにもっと開かれて、 一般常識が通用する形を、そういうベースでもって考えている人たちも一緒に取り組み ながらやるという方法を考えていかないと、専門家だけではちょっと大変ですからね。 発想を変えた方がいいんじゃないかという気がいたしました。 ○高橋座長  それでは、短く、どうぞ。 ○谷野委員  1分だけ。私は、ケアマネジメントの財源と思うくらいに、これは貧困な財源論なん で、これは全面的に書き改めてほしいんですね。地域生活支援をうたうための財源論が こんな貧困な書き方じゃだめなんで、やはり先ほどから話に出ているように、介護保険 等の問題、3障害との問題、それからいわゆる介護保険と言わないで3障害の場合は、 共生保険とか、共生というのは共に生きるですよ。それから、先ほどから出ている生活 支援費とか、何かちょっと夢のある話を書かないと、全体の地域支援を論ずるのに、こ んなお粗末な財源論ではばかにされますよ。 ○高橋座長  それでは、いろいろ出ました意見を統合して、少し事務局と詰めたいと思いますので、 この項に関しては終わらせていただいて、最後の施設単位の支払い方式、個人単位の支 払い方式の見直しということでご意見を頂きたいと存じます。それから、施設の評価を どのように反映するか。そして、評価手法としてはどのようなものが適切であるかとい ったことについて、最後御議論いただきたいと思います。  寺田委員、御発言ございますか。 ○寺田委員  今、社会福祉施設の中では、大変ここの部分は重大な問題として考えているところで す。実際に、このアのところにありますように、ここに割と現状の課題は集約されてい ると思います。多分、これは施設の現場で申し上げましても、この施設の経営の安定と いう方向を取る施設、そして一方でまた自分たちのやっていることを正当に評価される 仕組みと、そちらの方へ考えが行く施設、それを一本化するのは非常に難しい状況があ るだろうと。まず、基本的にそういう状況認識がございます。  一方で、いずれにいたしましても、今後方向としては、施設単位の、今までのような 完全に箱払いという形での運営費の補助というのは、今後望めないだろうというような 認識もございまして、基本的にどの施設でも最低限やらなければいけないサービス、そ の辺りでそれぞれの施設の基本料金のような体系、更にそれぞれ独自で行っている活動 に対して、上乗せをしていく、こういう体制が既に示されておりますので、そのような 方向で進むべきであろうと現状としては考えております。 ○高橋座長  それでは、検討資料(3)報酬関係の2ページ「精神障害者利用決定の流れ」の下の 「社会復帰施設」、これをホームヘルプと同じようなシステムで・・・・・。 ○寺田委員  ちょっとこれも大変大きい問題がございまして、実はまさに居宅生活支援と同じ体系 でということなんですが、これは先ほども申しましたように、障害保険圏域ごとに施設 整備を図っていくと、こういうような大きな、今の方針の中でできますと、これは市町 村にまたがっている利用者が、1つの施設の中にたくさん出てくるという、こういう状 況がございまして、市町村ごとに利用決定、そして費用の精算、こういうことを市町村 ごとにやっていかなければいけないと。まさに今、ショートステイやグループホームで 行われていると、そうすると今、それらの書類が県庁に集約されて、県庁の机の上はも う書類の山になっていると、ここの辺りの整理をしていく必要があるとだろうと思いま す。 ○高橋座長  ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。施設単位の支払いから個人単位 の支払い方式の見直しとか、施設の評価、これに関しては大体そういう方向で皆さんお 認めいただけますでしょうか。この辺に問題があるのではないかということがございま すでしょうか。  寺谷さん、何か問題ありますか。 ○寺谷委員  利用決定の流れの中に、確認するんですけれども、介護保険になると被保険者になり ますけれども、利用者自身がこの決定の機構に参加できる仕組みというのでセットにし て、こういう機構をつくる、築いていくということを提案したいというか、確認したい というふうに思います。  住民自らがここにも参加して、ただ利用する人と提供する人と分けて論じるのではな くて、それを前提とした組織運営だとかというふうに考えられるのであれば、という意 味ですか。 ○加藤委員  寺谷さんのいつも言ってみえるケアマネジメントの理念と、それは矛盾すると思いま す。まず、この2ページに書いてあることなんですけれども、さっきから申し上げてい るように、もう私はすごく悲しいんだけれども、私たち、私や香野さんや尾崎さんが幾 ら発言しても、もう正直言って矢島さんの耳にはほとんど届かなかったという感じで、 いろんな集会に行って矢島さんのお話を伺っても、支援費制度がいいだなんてだれも言 いませんでした。私の周りの関係者は、みんな介護保険がいいと言いましたとおっしゃ ったときに、私は一生懸命しゃべっているこれは一体何だったんだろうと思いました。 勿論、松本さんのときも、松本さんの前のときから、この問題はありました。どんどん そちらは担当者が変わっていくわけです。  私は、やはりこの間の新聞を見ていても、今日はお休みでとても残念でしたけれども、 高橋さんたちが、もう介護保険の仕組みを見直すということなく、今のままの介護保険 に統合化をしていくんだというふうにして、京極さんのお名前で介護保険の方に投げて しまったわけですね。  私はやはり、しつこいぐらい言いますけれども、この介護保険の仕組みと支援費制度 の仕組みは、両方課題を持っているけれども、一番の課題は介護保険は利用者が選択し ていくということがないわけです。支援費制度のいいところは、利用者が選択していけ るわけです。それで、ケアマネジメントがいかに有効に動くときには、やはり利用者が いろんな選択肢を持っている。それから、利用者が選択する、それこそ技術を持ってい る、主張するものを持っている、それで自己決定だの、そういうものが生きてくるわけ でしょう。  だから、ここに書いてあるみたいに、個人ではなくて、施設単位に支払い方式にして いくなんていうのは、本当に逆行しているというふうに私は思います。 ○高橋座長  どうぞ。 ○佐藤委員  私は、先ほどから統合すべきだということを申し上げているわけですけれども、今、 加藤さんの御意見の中で、介護保険は選べない、支援費は選べるというふうにおっしゃ っていたけれども、私の認識ではむしろ支援費の方が明らかに制度的には後退したと思 っているんです。  それは、1つはケアマネジメントというものがきちっと位置づけられないままに出発 したということと、それからもう一つはここで出ている、いわゆ箱払い、個人払いとい う問題に対して、介護保険は曲りなりにも給付額が約束されるわけですけれども、支援 費に関しては、選んだサービスによって、あたかも本人に出ているように見えるけれど も、実は施設に出ているという構造は全然変わらなかった。  そういう意味では、支援費がいいんだとおっしゃる理由もよくわからないんだけれど も、多少誤解があるんじゃないかと思います。  さっきの議論から、いかに個人単位の支払い方式に見直していくかということは、本 当に大切なことだと思っていまして。  それから、もう一つ、だからと言って現状の介護保険が大変よいものだというふうに は全く認識しておりません。質においても、量においても、改善されなければならない 問題をたくさん含んでいるし、改めてこの障害福祉と統合を図るということになれば、 現行の介護保険にそのまま横滑りというか吸収されるというような形であっては、全く ならないと思うし、その点に関しては制度を統合するに当たって、では本当にどういう 仕組みがいいのか、先ほど谷野さんがおっしゃった、介護・共生保険なんていうものが もしできたとしたら、大変我が国の福祉にとっては画期的なことになるのではないかと 思っているんですけれども。 ○加藤委員  私の認識は逆なんですね。施設単位になっているものを、いかに個人単位の支払いの 方法に見直していくかということが問われているんですね。私は逆に取ったんです。 ○佐藤委員  今、提案されているのはそういうことなんですよ。 ○加藤委員  ごめんなさい。それはわかりました。 ○高橋座長  それから、ちょっと付け加えさせていただきますけれども、私も社会保障審議会の障 害者部会の方で介護保険システムを活用すべきだという立場で意見を述べたのですが、 加藤さんがそのまま云われたような介護保険のシステムに移行するということではなく て、介護保険という全体で支える仕組みを活用しながら、内容はこれから検討していく という事が大事だと思います。障害者が使えるような内容にしていかなければいけない わけで、今のシステムをそのまま障害者に使われるということでは全くないと考えてい ますので、その辺は誤解を解いて下さい。これから検討することだと思います。よろし いでしょうか。 ○加藤委員  わかりました。 ○高橋座長  それでは、2の財源配分の在り方の(2)のアとイに関しましては、このような形でま とめさせていただければよろしいかと思います。  今日は3つの点について御検討いただきました。最初に、ケアマネジメントの人材育 成の確保ということで、この(1)、(2)に関しましては、従来のシステムを強化する方向 で、いろいろな人材を増やしていく必要があるというようなことでまとめさせていただ けたらと思います。  それから、ケアマネジメントをこれから制度としていく上でも、各階層、あるいは機 能ごとに応じたケアガイドラインを改めてつくる、普及させていく、そういう取り組み が必要ではないかということ。そうなりますと、今後厚生科学研究事業などを運用しな がら、また新たな検討をしないといけないかと思いますけれども、その辺は事務局の方 で検討していただきたいと思います。  それから、財源配分の在り方としては、福祉面に関して重点的に配分するという、基 本的な方向性は皆さん御異論なかったようですけれども、重点の対象とする範囲をもう 少し広げるべきだという意見とか、公費の負担増加に関しては、これは慎重にというか、 すべきではないという意見から、それをすることの意義をもう少し検討すべきだと、そ ういう慎重論も多かったかと思います。  最後の(2)に関しましては、ほぼこの内容でまとめさせていただきたいと思います。  この検討会、議論が2巡したわけでございまして、中間まとめを踏まえて、今後の方 向性が見えてきたような気がいたします。  勿論、これまでにも非常にいろいろな意見が出されて、議論が尽きないという感じは いたしますけれども、これまでの各課題について議論を重ねてまいりまして、一応今回 でそれを終えて、次回は最終的なとりまとめを行いたいと思います。  その上で、今後は事務局での詰めと、社会保障審議会の議論にゆだねるということに なるかと思います。  そういうことで、次回は最終とりまとめに関する資料を事務局から提出していただい て、最後の議論をしていただくこととさせていただきたいと思います。  それでは、最後に事務局から何かございますでしょうか。 ○渡辺課長補佐  次回の日程でございますけれども、7月29日木曜日、16時、午後4時からこちらの会 議室を予定してございます。正式な案内は追って御連絡させていただきます。 ○高橋座長  それでは、今日はどうもありがとうございました。          (照会先)            [精神障害者の地域生活支援の在り方に関する検討会事務局]                             厚生労働省社会・援護局                          障害保健福祉部精神保健福祉課                     内田(内線3054)石田、小口(内線3059)                              TEL 03−5253−1111                              FAX 03−3593−2008