研究事業 | 研究領域 |
14)創薬等ヒューマンサイエンス総合 | |
15)医療技術評価総合 | |
16)労働安全衛生総合 | |
17)食品医薬品等リスク分析 | 17−1)食品の安心・安全確保推進 |
17−2)医薬品・医療機器等RS総合 | |
17−3)化学物質リスク | |
18)健康科学総合 |
事務事業名 | 創薬等ヒューマンサイエンス総合研究経費 |
担当部局・課主管課 | 医政局研究開発振興課 |
関係課 | 大臣官房厚生科学課 |
基本目標11 | 国民生活の向上に関わる科学技術の振興を図ること |
施策目標 2 | 研究を支援する体制を整備すること |
I | 厚生労働科学研究費補助金の適正かつ効果的な配分を確保すること |
医薬品、医療・福祉機器、保健衛生等の先端的、基盤的技術に関する研究を総合的に推進することを目的として、創薬等ヒューマンサイエンス研究分野においては、(1)先端的創薬技術の開発に関する研究、(2)創薬のための生体機能解析に関する研究、(3)医薬品等開発のための評価方法の開発に関する研究、(4)稀少疾病治療薬等の開発に関する研究、(5)健康寿命延伸・予防診断・治療法の開発に関する研究、(6)医用材料及び製剤設計技術の開発に関する研究、(7)ヒト組織を用いた薬物の有効性、安全性に関する研究を、エイズ医薬品等開発研究分野においては、(1)抗エイズウイルス薬、エイズ付随症状に対する治療薬の開発に関する研究、(2)エイズワクチン等エイズ発症防止薬の開発に関する研究、(3)抗エイズ薬開発のための基盤技術の開発等に関する研究等を推進することにより、もって画期的な治療薬・診断・治療法の開発を行う。 また、本事業においてはこのような行政上必要な研究について公募を行い、専門家、行政官による評価により採択された研究課題について補助金を交付する。また、得られた研究の成果は適切に行政施策に反映される。 |
H13 | H14 | H15 | H16 | H17 |
2,757 | 2,758 | 2,576 | 2,528 | (未確定) |
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(5)事業の概略図
創薬等ヒューマンサイエンス総合研究事業 |
画期的医薬品等の研究開発を推進するためには、我が国の研究開発基盤の脆弱性を補完する上でも国が、重点的にライフサイエンス分野への研究資金投下を行い、しかるべく評価をし、研究を推進する必要がある。 また、エイズ医薬品等開発においては、疾病の重大性を踏まえ、国が主体となってエイズ治療薬の開発推進に取り組むことを明言しているところ。 |
事業内容のとおり、創薬ヒューマンサイエンス研究の7分野、エイズ医薬品等開発の3分野に加えて、国際共同研究を推進するためのグラント、若手研究者を育成するための若手研究者奨励研究、官民共同研究を推進するため、民間からの委託金を含めたマッチングファンド研究を実施している。 これらの研究に対しては、3ヶ年計画で研究を実施しており、評価方法についても外部の評価委員で構成される評価委員会が、多角的な視点から評価を行い、その結果に基づき適切な研究費の配分が行われている。 |
本事業は、官民共同研究方式を原則として国立試験研究機関と民間研究機関等の研究者、研究資源等を結合し、画期的・独創的な医薬品等の創製のための技術開発、医療現場のニーズに密着した医薬品の開発及び長寿社会に対応した保健・医療・福祉に関する先端的、基盤的技術開発に関する研究を推進するものとしており、公募型研究課題を採択することにより、多様な研究者の有する資源や研究手法を広く集め、研究の推進及び強化を行う。 |
創薬等ヒューマンサイエンス研究の各分野においては、これまでに112件の特許が出願されている。エイズ医薬品等開発研究においては、エイズ患者に対する未承認エイズ薬の治療研究を行っており、更に若手研究者奨励研究を通じたポスドクの育成や官民共同研究の実施による研究成果の活用を通じて当該事業目的の達成を目指している。これらの目標に対する寄与によって達成度が示される。これにより、効率的な事業運営がなされている。 |
特になし |
近年、急速に高齢化が進む中、がん、アルツハイマー病をはじめとして、これまで有効な治療薬が見いだされていない疾病はいまだ多く残されており、国内の研究基盤を整備する上で、政府が投下するライフサイエンス関係予算の強化によって優れた医薬品が一日も早く開発される必要がある。特にエイズについては、世界的に深刻な状況にあり、アジア諸国でも急増傾向といえるが我が国においても例外ではない。このため、官民共同研究により、画期的・独創的な医薬品の研究開発、医療現場のニーズに密着した医薬品の開発及び長寿社会に対応した保健・医療・福祉に関する先端的、基盤的技術開発に関する研究及びエイズ医薬品等の研究開発を推進する当該研究経費の有用性は高いと考える。 |
事務事業名 | 医療技術評価総合研究事業研究経費 |
担当部局・課主管課 | 医政局 総務課 |
関係課 | 指導課、医事課、歯科保健課、看護課、経済課、研究開発振興課、国立病院課 |
基本目標11 | 国民生活の向上に関わる科学技術の振興を図ること |
施策目標 2 | 研究を支援する体制を整備すること |
I | 厚生労働科学研究費補助金の適正かつ効果的な配分を確保すること |
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H13 | H14 | H15 | H16 | H17 |
867 | 1,895 | 1,668 | 1,718 | (未確定) |
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(5)事業の概略図
本研究事業において実施される研究はいずれも、医療技術、医療システム等を評価し、良質な医療の合理的かつ効率的な提供に資することを目的した研究であり、厚生労働省として実施する意義が極めて大きい。 特に、医療事故が相次いで報道され、国民の医療に対する信頼が大きく揺らいでいる中、医療安全対策の確立のための研究は最優先課題である。 また、大規模災害時に想定される傷病者の救命を図ることは、社会的要請も強く、非被災地からの救護班を派遣し、患者を搬出するシステムを、早急に構築する必要がある。 |
「(5)事業の概要図」に示されているとおり、いずれの研究においても研究課題の目標の達成度は高く、政策の形成・推進の観点からも有効性の高い研究が実施されていると考えられる。 例えば、これまでの研究により、ヒヤり・ハット事例や事故事例が報告・分析され、現在の医療安全対策が十分でない状況であることが明らかとなったが、この結果を踏まえると、さらに医療安全に係る基礎情報の収集・分析や個別領域の具体的な医療安全方策の研究等が必要であると考えられる。今後、個別領域の医療安全対策や事故後の対応方策が明確にされることによって、事故発生前の防止対策から発生後までの一貫した医療安全対策が構築され、医療の安全性の確保につながりひいては国民が安心して医療を受けるための体制整備が進むものと思われる。 また、これまでの研究により、非被災地における重症患者受入体制が被害想定に対して十分であることが確認されたが、今後の研究により、非被災地から迅速に救護班を派遣し、患者を迅速に搬出する救急医療体制が構築されることが期待される。 根拠に基づいた医療(EBM)の分野においては、平成16年度までに外来入院患者の3割以上に相当する23疾患の診療ガイドラインが完成する見込みである。 |
「(5)事業の概要図」に示されているとおり、いずれの研究においても、研究課題の目標の達成度は高く、研究課題の最終的な目標の達成に向けて、計画的かつ着実に実施されていると考えられる。 例えば、医療安全対策の確立に向けて、医療安全管理体制整備やヒヤリ・ハット事例等の報告・分析・情報提供等基礎的な研究は最終段階に入っており、次の段階として、ハイリスク領域等の個別分野の医療安全対策、臨床指標の開発、事故後の対応等のより具体的かつ科学的根拠のあるデータを蓄積、提示していく研究が求められている。 また、非被災地における重症患者受入体制が被害想定に対して十分であることが確認されたことにより、次の段階として、非被災地から迅速に救護班を派遣し、患者を迅速に搬出する救急医療体制を確立することが必要である。 |
これまで、限られた予算の中で、公募された研究課題から、必要性、緊急性の高い課題が採択されている。公募される研究課題は、医療政策の推進状況を踏まえて見直され、また、重点分野が明示されており、本研究は効率的に実施されるものと考えられる。 |
今年4月の総務省における「医療事故に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」において、(1)医療機関に対し、安全管理体制の整備、組織的な安全対策の検討・実施、院内報告制度の明確化、(2)すべての病院及び有床診療所に重大な医療事故の報告を義務づけ、分析・情報提供するシステム導入の推進が示された。この指摘への対応として、これまでの対策に加え、さらに研究を積み重ねることにより、知識・技術の蓄積、普及に努める必要がある。 |
医療技術評価総合研究事業は、医療の内容のみならず制度面において、医療政策を推進する重要な役割を果たしており、専門的・学術的意義だけでなく、行政的意義も大きいと考えられる。 |
事務事業名 | 労働安全衛生総合研究経費 |
担当部局・課主管課 | 労働基準局安全衛生部計画課 |
関係課 |
基本目標11 | 国民生活の向上に関わる科学技術の振興を図ること |
施策目標 2 | 研究を支援する体制を整備すること |
I | 厚生労働科学研究費補助金の適正かつ効果的な配分を確保すること |
労働安全衛生総合研究分野においては、労働者の安全と健康を確保する施策に資することにより安全、安心な健康で質の高い生活の実現を図ることを目的として、(1)基礎疾患の状況と長時間労働による健康影響に関する研究、(2)過重労働等によるストレスの負荷の評価に関する研究、(3)過重労働対策に関する事業場の取組に関する研究、(4)有害化学物質の労働者へのばく露限界値等に関する研究、(5)企業の安全活動の社会的評価に関する研究、(6)工学技術の開発研究における建設安全分野、機械安全分野、電気安全分野及び爆発火災防止分野に係る画期的な技術に関する研究等を推進するものである。 その成果は広く公表されるとともに、行政の施策に取り入れられることにより、職場におけるメンタルヘルス対策の充実・過労死等の防止、職場における有害化学物質対策の推進、製造現場の安全等の確保に大きく貢献する。 |
H13 | H14 | H15 | H16 | H17 |
− | 378 | 333 | 310 | (未確定) |
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(5)事業の概略図
労働災害によって今なお年間53万人が被災しており、1600人以上がその命を落とし、過労死闘の労災認定は高い水準で推移している中、労働災害の防止は我が国における重要な課題の一つである。本研究が推進されることにより、国民の健康、メンタルヘルスの向上に深く寄与することが期待される。また、有害化学物質対策については、化学物質による職業性疾病の原因物質の約半数を未規制の化学物質が占めている現状に鑑み、その対策を推進する上で必要不可欠な基礎資料を得るものであり、高く評価できるものである。製造業の現場における安全の確保については、昨年来我が国を代表する大規模製造業において爆発火災災害が頻発していることから、これを効果的、効率的に防止するためのツールを提供するものであり、この成果によって国民の安全の確保に関して大きな寄与があることが見込まれる。 |
過重労働と基礎疾患、生活習慣の間には関係があることが指摘されていながら、これまでその影響について十分な知見はなく、本研究によってこれが補われることにより、現在以上にきめ細かな過労死予防策が推進されることが見込まれ、その有効性はいものと考えられる。 また、有害化学物質については、労働安全衛生法による規制や産業衛生学会による管理濃度の提示が、十分な科学的知見のもとに設定されている反面、その対象となる物質はわずか数百程度にとどまっており、職場で使用される数万と言われる化学物質のほとんどに指標となる濃度が設定されていない実態がある。本研究によって示されるばく露限界値に基づいて事業者が自主的な取組によってリスク評価を実施することで、法的な規制手法によって担保することが困難な多様な化学物質についても労働者のばく露が一定の値以下におさえられることが期待できるものであり、有効に機能するものと考えられる。 製造現場の安全の確保については、欧州でCSR(CorporateSocialResponsibility: 企業の社会的責任)に関する議論が高まっていることを受けて、我が国でもCSRへの関心が高まっているが、労働災害の減少率が鈍化する中で、本研究の成果は事業者の取組の一層の促進を図るための新たなツールとなりうるものであり、技術開発の促進と相まって、労働災害の減少に非常に有効であると考えられる。 |
いずれの計画も、研究成果が労働災害防止の政策に反映されること及びその効果について十分な検討がなされており、適正に実施することができるものと認められる。 |
社会的にも大きな関心を集めている労働者のメンタルヘルス、過労死等の対策を推進するに当たって、本研究は隘路となっている部分を取り除くとともに、より効果的な対策を推進するための基礎資料を得ようとするものであり、労働者の63%が強いストレスを感じている中で、社会的に大きな貢献が見込めることはもちろん、経済的観点においても労働者の健康の質を高めることにより企業の経済活動を活性化させる上で貢献できるものと考えられる。 また、有害化学物質対策については、毎年数百の新規化学物質が新たに職場で使用されるようになっている中、それらの化学物質による健康障害の発生を効果的に防止しようとするために不可欠な研究であり、その社会的・経済的貢献度は高いものである。 製造現場の安全の確保については、労働災害の防止に貢献が見込めることはもちろんであるが、企業の社会的責任に関する議論の高まりと相まって、労働災害防止に関して企業に求められる社会的責任を明確にし、責任に応じた自主的な活動を促進することにより、きわめて大きな社会的意義があるものと考えられる。 |
特になし |
安全衛生総合研究事業については、これまでの研究を引き続き継続して実施すべきことはもちろんであるが、新たにその対象としようとしているメンタルヘルス・過重労働に関する研究、有害化学物質対策に関する研究、製造現場の安全の確保に関する研究のいずれについても、社会的に関心の高い分野であり、行政の施策に取り入れられることにより国民の安全と健康を確保する上で非常に大きな効果が期待できる重要な施策であることから、着実に実施することが必要である。 |
事務事業名 | 食品医薬品等リスク分析研究経費(食品の安心・安全確保推進研究) |
担当部局・課主管課 | 食品安全部 企画情報課 |
関係課 | 食品安全部基準審査課、新開発食品保健対策室、監視安全課 |
基本目標11 | 国民生活の向上に関わる科学技術の振興を図ること |
施策目標 2 | 研究を支援する体制を整備すること |
I | 厚生労働科学研究費補助金の適正かつ効果的な配分を確保すること |
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H13 (生活安全総合研究) |
H14 (食品・化学物質安全総合研究) |
H15 (食品安全確保研究) |
H16 (食品の安全性高度化推進研究) |
H17 |
2,942 | 2,650 | 1,477 | 1,527 | (未確定) |
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(5)事業の概略図
食品の安全性に関する国民の関心は高く、平成15年5月に制定された「食品安全基本法」においても、「科学的知見に基づく食品健康影響評価の実施」が規定されており、省としても食品安全に関し積極的に関与する必要がある。 このようなことから、本研究は、行政的意義はもちろんのこと、昨今のBSE問題や輸入食品対策、遺伝子組換え食品等の安全性に関し即座に対応するため、大変意義の高い研究事業であると考える。 |
本研究については、「食の安心」という立場からの「横断的基盤研究」と、個別具体的な問題について安全性と確保するための「個別研究」に大別しており、それぞれの研究分野を連携させることで、大きな成果が得られると考える。 また、若手研究者の育成や海外との研究協力を行うなど、人材育成も含めた研究基盤の強化も併せて立案されており、食品安心・安全に関する研究が総合的に推進されるものと考える。 |
それぞれの個別分野において、研究が計画的に立案されている。 特にBSEに関する研究については、前年度までが検査法や実験系の確立を目指し、概ねその成果が得られることを受け、次年度からはこれらを利用した自動検査方法の開発や食品を介したBSEリスク評価の検討を行うといった計画になっており、複数年度にわたった研究の計画が立案されている。 |
当研究事業の研究成果は、これまで多くの事項が行政施策に反映されており、例えばこの研究班で確立された検査法は国の公定検査法として広く使用されている。 特に平成15年度の研究成果では、カドミウムに関する研究のデータが食品中のカドミウムの国際基準検討に対する日本提案の根拠として使用され国際基準の改正がおこなわれた他、ダイオキシンに関する研究では、一日摂取量調査結果が行政のパンフレット等に使用されるとともに、FAO/WHOに、日本の汚染データとして報告され、さらに食品用香料に関する研究においては、開発された含有測定量が規格試験法として採用され、活用されているなど、非常に社会的貢献の高い研究事業である。 |
特になし。 |
当該研究事業は、行政的意義や行政への貢献度が極めて高く、さらに研究事業自体においても、非常に有効性、計画性が高いことから、平成17年度については、引き続き研究を進めるとともに、これからの食品問題に迅速に対応できるような体制の拡充を図るべきであると考える。 |
<参考>
平成17年度食品の安心・安全確保推進研究事業
【横断的基盤研究事業】 | ||||||||||
(改) | 1. | 食品安心・安全推進研究分野 消費者等の食品の安全性に対する理解促進のためのリスクコミュニケーション手法の構築や、いわゆる食品テロ対策に関する研究を行う。 | ||||||||
(新) | 2. | 食品リスク分析調査研究分野 食品に起因する現実的な健康被害は食中毒で、平成14年度では1,850件、27,626名の食中毒が発生、18名の死者(微生物に起因するもの11名、植物性自然毒1名、動物性自然毒6名)が発生している。カンピロバクター、リステリア等の食中毒菌は市販食品を広く汚染しており、定量的リスクアセスメントによる微生物リスクの科学検証が必要なことから、全国の食中毒検体や食品検査における菌分離・PFGEによる遺伝子情報等を一元的に収集・データベース化し、病原性菌の分離状況・対象食品・フードチェーン中のポイント等の因子をシミュレーション解析し、定量的微生物リスク予測に基づくリスクの存在を前提とした衛生管理手法の開発を行う。 | ||||||||
【個別研究分野】 | ||||||||||
1. | バイオテクノロジー応用食品対策研究分野 FAO/WHO専門家会議やコーデックス委員会等での議論を踏まえ、ヒト血清スクリーニング試験系やモデル動物を用いた試験実験系などの遺伝子組換え食品のアレルギー性評価手法や試験法等を確立するとともにし、抗生物質耐性マーカー遺伝子の移行性に関する評価を行う。 また、後代での遺伝子の変化が遺伝子組換えに起因する変化であるか否かは明らかではないため、挿入遺伝子に係る後代種での変化が食品の安全性に影響を及ぼさないか等の調査・分析を行うことやその追跡調査(ポストマーケットモニタリング)に必要な手法・検査方法を検討・開発する。 更に遺伝子組換え微生物や遺伝子組換え魚等の新たな食品の開発とその実用化が進んでいることから、適切かつ有用な検知法の開発を進めていく。 消費者の漠然とした遺伝子組換え食品への不安に対しては、安全性等に関する情報をいかに正確に伝え、理解を得るかが大きな課題となってきているところである。このため、国民に遺伝子組換え食品の安全性に関する理解を深め、これら食品等への安心感を持ってもらうためのリスクコミュニケーションに関する調査及び分析を行う。 | |||||||||
(新) | 2. | 健康食品等の安全性・有効性評価研究分野 特定保健用食品の有効性審査については、これまで西洋医薬品的審査(1つの関与成分に注目し、作用機序、有効性を審査)に基づき行っているところであるが、伝統的健康食品やハーブ類など、実際に効果はあるものの、作用機序、関与成分が特定できないものは審査できないのが現状である。「『健康食品』に係る今後の制度のあり方について(提言)」においても、「食品そのものまたは複数の成分が関係していると考えられ、関与成分の特定が困難な食品等についても研究するべきである」とされており、これらを踏まえ、特定保健用食品の次世代の審査基準を策定するための研究を行う。 | ||||||||
(改) | 3. | 牛海綿状脳症対策研究分野 牛海綿状脳症(BSE)については、これまで異常プリオンタンパクの検出法の開発等により我が国のBSE検査技術レベルの向上が図られ、世界でもトップクラスの検査体制が整備された。しかしながら、食品を介したBSEの人への健康影響レベルついては不明であることから、食品安全対策を検討する上で困難を来している。これらの状況を踏まえ、異常タンパクプリオンの高感度検査法の開発を行うとともに、BSE感染牛由来材料を用いた感染実験による感染・発症機構の検討を行うことにより、食品を介するBSEリスクの解明について研究を行う。 | ||||||||
4. | 食品中の添加物に関する研究分野 添加物の安全性に関しては消費者の関心も高く、新たな科学的知見に基づいて安全性の見直しや品質の確保を進めていくことが強く求められている。そこで、化学的合成品を含めた添加物の規格・試験法に関する国内外の動向を踏まえた検討や、天然物に由来する既存の添加物についての毒性メカニズムの解明等を研究により行うことにより、リスク評価や衛生対策の検討に必要な基礎的知見を収集する。 なお、国内外の既知の情報収集等による添加物の指定や摂取実態の調査等は、事業費により行う。 | |||||||||
5. | 食品中の汚染物質対策研究分野
近年、重金属などの汚染物質が食品中に含まれていることが報告されており、その安全確保対策が強く求められている。食品への汚染が十分解明されていない汚染物質やその健康影響が不明なものについて、科学的データを得るための調査研究を早急に実施することが必要であり、取り組みを強化する。 健康影響メカニズムの解明など衛生対策の必要性の検討などに必要な基礎的知見の収集などを研究により行い、基準の策定に必要な汚染実態の調査などは、事業費により行う。 | |||||||||
6. | 食品中の微生物対策研究分野 リスク管理とは、リスク評価の結果、リスクを科学的に洗い出し、そのリスクを軽減、回避、未然に防止するための施策決定をとることである。具体的には、どのようなリスクをどのように管理するかをデータに基づき、選択する必要があるが、この分野の研究の目的は、リスク評価の結果からとるべき管理手法を選択し、さらに実行された施策の評価に必要な研究である。 健康被害の状況についてより正確に把握するためには、ハイリスクグループ(性別、年齢等)の有無、致死率、散発事例、地域差、通常の食中毒症状を呈さない食品由来疾病の調査等、従来の食中毒統計では把握することが困難な健康被害の状況について、正確に推測することが必要であり、そのための調査手法を開発する。 危害の特徴付けとは、摂取した菌数によりどのくらいの確率で発症するかを解析することである。病原体をヒトに投与することができないことから、食中毒事例の検食等を用いて摂食菌量及びその発症率等を推定することは有用な手法である。 リスク管理手法の選択に際し考慮すべき要因、すなわち、どこまでのリスク軽減を求めるべきか、各リスク軽減措置に要する費用、軽減措置の導入に伴い予想される新たなリスク、軽減措置による恩恵とそのもののリスク等、政策を決定するために必要な要因について量的に評価できるデータの収集及びその効率的手法の開発を行う。 実行されたリスク管理手法が、遵守されているかを確認(モニタリング)し、再評価するリスク管理における施策評価も行う。 | |||||||||
7. | 食品中の化学物質対策研究分野
食品中に含まれる内分泌かく乱化学物質の試験法、毒性発現メカニズム、試料分析・モニタリング等に関する研究を行い、食品中に含まれる内分泌かく乱化学物質の健康影響の解明を強力に推進する。さらに、内分泌かく乱化学物質のリスク管理に関する研究を行い、もって内分泌かく乱化学物質が及ぼす毒性等が明らかになった場合の適切なリスク管理及び規制等の対策の実施に資する。 食品に含まれるダイオキシンに分類される各種類縁化合物の正確な毒性把握をはじめ、食品の汚染実態調査、人体の汚染状況の把握、母乳による乳幼児への影響に関する研究、職域における健康影響把握等を一層推進することにより、ダイオキシン類の健康影響を体系的に解明する。
| |||||||||
(新) | 8. | アレルギー表示に関する研究分野 食品のアレルギー表示については、平成14年4月から、食品中に含まれる5品目(卵、乳、小麦、そば、落花生)については、義務表示とし、その検知法については、同年11月に公定法を通知している。一方、アワビ、いか等の19品目については、通知により表示を奨励しているが、義務表示ではないため、その検知法については、公定法を定めていない。アレルギー表示制度については、施行後約2年が経過し、現在「食品の表示に関する共同会議」において、その対象品目についても検討を行っているが、「19品目についても、食品中にその原材料が含まれているのか、いないのかを検査によって科学的に証明できることが重要であり、これまで研究が行われて来なかったことから、新たな研究により、この19品目について食品中からの検知法の開発を行う。 | ||||||||
(新) | 9. | 輸入食品の安全性等に関する研究分野 放射線照射食品の検知法、我が国で使用実態がない動物用医薬品の検知法等輸入食品特有の問題について、最新の知見に基づく検査方法を開発し、輸入食品の安全確保の推進に資する。 また、近年の食品輸入の拡大をはじめとした食品安全分野における検査ニーズの多様化や増加などへの対応のため、指定制度から登録制度に移行したところである。今後、登録検査機関が行う検査件数は増加し、また、検査を行う食品も多岐にわたることが予想されることから、登録検査機関について、さらなる信頼性確保を図るため、信頼性確保の指標となる外部精度管理の実施方法及び評価方法について研究を行う。 |
【若手研究者の育成】 | |
1. | 若手研究分野 食品安全に係る研究推進と若手研究者を育成する観点から、若手研究者が主体的に研究できる環境の整備が必要であり、そのため、若手研究者を対象とした公募枠を設定し、自ら主体的に研究計画を立て遂行する仕組みを設立し、若手研究者の育成を行うこととする。 |
事務事業名 | 食品医薬品等リスク分析研究経費(医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究経費) |
担当部局・課主管課 | 医薬食品局総務課 |
関係課 | 医薬食品局審査管理課、医療機器審査管理室、安全対策課、監視指導・麻薬対策課、血液対策課 |
基本目標11 | 国民生活の向上に関わる科学技術の振興を図ること |
施策目標 2 | 研究を支援する体制を整備すること |
I | 厚生労働科学研究費補助金の適正かつ効果的な配分を確保すること |
医薬品・医療機器分野における品質・有効性・安全性の確保等の推進に資することを目的とし、
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H13 | H14 | H15 | H16 | H17 |
1,410 | 1,410 | (未確定) |
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(5)事業の概略図
医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業の展開
有効性・安全性・品質の確保された医薬品・医療機器等を国民に供給するためには、行政が公平な観点から適正な統一した規制を設ける必要があることから、規制を設けるための科学的基礎となる研究等を厚生労働省が実施する意義は極めて大きい。 また、安心・安全な社会を維持するためにも、最先端の生命科学の研究成果を活用した画期的な医薬品・医療機器の開発が強く望まれており、生命科学の進展の成果を社会に還元するためには、適切な規制がなされていることが必要不可欠であり、科学技術の進展に対応した評価基準の作成、高度化等は緊急を要する課題であるといえる。 同時に、得られた成果が行政施策に取り込まれることにより日本国内のみならず世界規模の行政に反映される可能性もあり、発展性も大いに期待でき、世界に先駆けて基準を作成し国際標準化することが医薬品・医療機器産業の国際競争力の強化につながりうると考えられる。 |
本研究事業は、医薬品・医療機器等に関する製造から市販後までの総合的なレギュラトリーサイエンスの構築を目標として、行政上必要な研究課題について公募を行い、評価委員会において、第三者の各分野の専門家による最新の知見に照らした評価がなされ、その評価を踏まえて研究課題の採択、研究費の配分を行っており、限られた予算の中で、必要性、緊急性の高い課題を採択しており、実施体制は妥当と評価できる。 |
評価委員会においては、実現可能性も含めて評価を行っているところであり、これまでも、新医薬品の品質、有効性及び安全性の評価方法等に関する国際的動向を踏まえたガイドラインの作成、ハイリスク医療機器の承認審査ガイドラインの作成等、着実な成果が上がっている。このように、その成果が行政上に反映されるなど、目的の達成度は高く、社会への貢献も極めて大きいものと評価できる。 |
成果が行政施策の形として見えにくい部分や、実用化に向けての途上的なものについて、今後、より一層押し進めていく必要がある。また、医薬品等に関する問題に個別に対応するだけではなく、問題が生じないための将来像を検討しつつ、医薬品の市販後の有効性・安全性の評価方法に関する課題等、広い視野に立った研究にも着手してきているところであり、今後とも継続していく必要がある。 |
平成14年7月に成立した薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律の審議の際、医薬品・医療機器の安全対策の推進に関する件(平成14年7月24日衆議院厚生労働委員会決議)が決議され、その中で、生物由来製品に関し、「常に最先端の科学的知見をもって市販後安全対策を推進すること」とされ、また、「人工血液については、その有効性及び安全性が確保されたものの製品化が促進されるよう、研究開発の促進を図ること」とされており、本研究事業において、本決議を踏まえた研究を推進することが必要である。 |
全体としては、安全性の確保から、品質に関する評価、薬物乱用対策など、医薬品等に係る様々な問題に対し、それぞれの研究が着実に有用な成果を上げており、その研究過程による科学技術への貢献、行政施策としての国民生活の向上へ貢献している。今後も、バイオ・ゲノム等の科学技術の進展や、社会的な要請等を見据え、更には国際的動向も踏まえつつ、医薬品・医療技術の安全性・有効性・品質の確保するとともに、副作用の発生を未然に防ぎ拡大を防止する体制の構築、薬物乱用の防止等、常に国民的視野に立った貢献を視野に入れた総合的な研究展開が期待できる。 |
事務事業名 | 食品医薬品等リスク分析研究経費(化学物質リスク研究経費) |
担当部局・課主管課 | 医薬食品局 審査管理課化学物質安全対策室 |
関係課 | 大臣官房厚生科学課 |
基本目標11 | 国民生活の向上に関わる科学技術の振興を図ること |
施策目標 2 | 研究を支援する体制を整備すること |
I | 厚生労働科学研究費補助金の適正かつ効果的な配分を確保すること |
日常生活において使用される化学物質等について、より迅速かつ効率的な毒性の評価、より充実した暴露評価、リスクコミュニケーションに関する研究等を行い、もって必要な規制基準の設定や的確な情報発信等の行政施策に寄与せしめる。 本事業においては、このような行政上必要な研究について公募を行い、専門家及び行政官による事前評価等において採択された研究課題について補助金を交付する。 |
H13 | H14 | H15 | H16 | H17 |
2,049 | 2,049 | (未確定) |
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(5)事業の概略図
化学物質は全国に流通し、使用されるものであり、かつ国民の保健衛生保護の観点から、その毒性評価、暴露評価とそれに基づく規制の検討は、国レベルで行う必要がある。 一般国民が暴露を受ける可能性がある生活環境中の化学物質の種類は増加しており、毒性評価、暴露評価を迅速化、効率化させ、必要な規制等を実施するとともに、適切な情報発信を行う必要がある。 本研究は、「科学技術に関する予算、人材等の資源配分方針」の重点4分野の一つである「環境」において掲げられている「化学物質リスク総合管理技術研究」に、該当する。 特に今年度は子供に対する化学物質の健康影響評価など、国際的にも緊急性、重要性が認められている研究課題に着手することにより、その成果を国内のみならず、国際的な化学物質管理等に反映させることが必要と考えられる。 |
本研究事業の実施においては、化学物質の毒性評価、暴露評価の迅速化、効率化を目標として、行政上必要な研究課題について公募を行い、本事業の評価委員会において、第三者の各分野の専門家による最新の知見に照らした評価がなされ、その評価を踏まえて研究課題の採択、研究費の配分を行っている。 化学物質の毒性評価、暴露評価の迅速化、効率化の基盤となる研究に加え、内分泌かく乱化学物質問題やシックハウス問題等、国民に不安を与えている化学物質問題についての調査研究を進め、作用機構の解明や各種ガイドラインの策定を行っており、国民の不安を解消し、安全な生活の確保を図っている。 |
公募にあたっては、国際的な化学物質安全対策の状況や国内における化学物質管理の現状を踏まえつつ、緊急性、必要性の高い政策課題に即した研究課題を設定している。 また、内分泌かく乱化学物質問題については、「内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会」における行動計画等を踏まえた中・長期的な展望に基づいた研究課題の設定を行っている。 |
迅速かつ効率的な毒性スクリーニング方が開発されることで、例えば動物試験の実施等、個別の化学物質の毒性評価や暴露評価にかかる負担が減少し、毒性評価や暴露評価含めたリスク評価が促進することが見込まれる。 内分泌かく乱化学物質関連の研究成果については、例えば、容器包装の基準、分析法の策定に活用されたほか、スクリーニング試験系として開発された子宮肥大試験は、OECDのテストガイドラインとして採択される方向である。さらに、大規模な疫学研究の実施による化学物質暴露と先天異常発生の関係解明など、他では得難い研究成果が得られつつあるなど、本事業の社会への貢献はきわめて大きいものと考えられる。 |
特になし |
一般国民が暴露を受ける可能性がある生活環境中の化学物質の種類は増加しており、これらの毒性評価、暴露評価を迅速化、効率化し、必要な規制や的確な情報発信等を実施することは、国民の保健衛生保護の観点からも重要であり、積極的かつ重点的に推進をする必要がある。 特に今年度は子供に対する化学物質の健康影響評価など、国際的にも緊急性、重要性が認められている研究課題に着手することにより、その成果を国内のみならず、国際的な化学物質管理R等に反映させることが必要と考えられる。 |
研究事業の詳細
1)化学物質リスク評価・管理技術に関する研究事務事業名 | 健康科学総合研究経費 |
担当部局・課主管課 | 健康局総務課地域保健室 |
関係課 | 健康局総務課地域保健室、健康局総務課生活習慣病対策室、健康局生活衛生課、健康局水道課 |
基本目標11 | 国民生活の向上に関わる科学技術の振興を図ること |
施策目標 2 | 研究を支援する体制を整備すること |
I | 厚生労働科学研究費補助金の適正かつ効果的な配分を確保すること |
地域保健・公衆衛生の基盤の基礎として「地域保健サービスに関する研究分野」及び「地域における健康危機管理に関する研究分野」の2分野、個別対策分野として、「健康づくり・生活習慣病(がんを除く)予防に関する研究分野」、「健全な水循環の形成に関する研究分野」及び「生活環境に関する研究分野」の3分野、計5分野から構成された公衆衛生に関する総合的研究事業である。 個別の分野の目的は下記のとおりである。
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H13 | H14 | H15 | H16 | H17 |
714 | 1,606 | 2,006 | 1,150 | (未確定) |
地域保健・公衆衛生の基盤の基礎として「地域保健サービスに関する研究分野」及び「地域における健康危機管理に関する研究分野」の2分野、個別対策分野として、「健康づくり・生活習慣病(がんを除く)予防に関する研究分野」、「健全な水循環の形成に関する研究分野」及び「生活環境に関する研究分野」の3分野、計5分野から構成された公衆衛生に関する総合的研究事業である。 個別の分野の目的は下記のとおりである。
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(5)事業の概略図
個々の研究結果については、地域保健法第4条に基づく地域保健対策の推進に関する基本指針の改正及び水質基準等の「指針」、「基準値」等の改正の科学的根拠として活用するとともに、「健康日本21中間評価」等の施策や対応策における具体的方法に活用される予定であり、今後、地域保健対策の実施のための基礎となると共に、基準値等の設定に必要不可欠な研究である。
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地域保健(公衆衛生)行政の課題及び施策に対して、本研究事業の結果が積極的に活用されているところである。特に「指針」、「基準値」等の改正の基礎調査研究として活用及び、公衆衛生行政における対応の科学的根拠の確立には大きく活用されていることから、目標に対する達成度は高い。個々の研究事業については下記のとおりである。
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地域保健(公衆衛生)行政の課題及び施策に対して、本研究事業の結果が積極的に活用されているところである。特に「指針」、「基準値」等の改正の基礎調査研究として活用及び、公衆衛生行政における対応の科学的根拠の確立には大きく活用されていることから、目標に対する達成度は高く計画的に推進が行われている。また、本年度からは研究課題等に関して評価委員等による評価を行い、より社会課題に適応した研究課題設定を計画的に行うものとしている。 個々の研究事業については下記のとおりである。
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地域保健(公衆衛生)行政の課題及び施策に対して、本研究事業の結果が積極的に活用されているところである。特に「指針」、「基準値」等の改正の基礎調査研究として活用及び、公衆衛生行政における対応の科学的根拠の確立には大きく活用されていることから、目標に対する達成度は高く計画的に推進が行われている。個々の研究事業については下記のとおりである。
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個々の研究結果については、地域保健法第4条に基づく地域保健対策の推進に関する基本指針の改正及び水質基準等の「指針」、「基準値」等の改正の科学的根拠として活用するとともに、「健康日本21中間評価」等の施策や対応策における具体的方法に活用される予定であり、有効な活用が行われているものである。
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