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● 厚生労働科学研究費補助金の各研究事業 |
● 国立病院特別会計によるがん研究助成金 |
● 独立行政法人医薬品医療機器総合機構開発振興勘定運営費交付金 |
・ | 人件費、調査研究費、制度運営のための管理費 |
・ | 国庫債務負担行為の歳出化経費 |
○ | 必要性:国にとって必要であり、現時点で国が関与しなければ実施ができないものか。
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○ | 計画性:目的を実現するための手段・体制が計画として適切か。
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○ | 有効性:期待される成果を、期間中に得られる見込みがあるのか。
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○ | 効率性:期待される成果は、投資に見合うものか。
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S: | 特に重要な施策であり、積極的に実施すべきもの |
A: | 重要な施策であり、着実に実施すべきもの |
B: | 問題点等を解決し、効果的、効率的な実施が求められるもの |
C: | 研究内容、計画、推進体制等の見直しが求められるもの |
研究分野 | 研究事業 |
I.行政政策 | 1)行政政策 |
2)厚生労働科学特別 | |
II.厚生科学基礎 | 3)先端的基盤開発 |
4)臨床応用基盤 | |
III.疾病・障害対策 | 5)長寿科学総合 |
6)子ども家庭総合 | |
7)第3次対がん総合戦略 | |
8)循環器疾患等総合 | |
9)障害関連 | |
10)エイズ・肝炎・新興再興感染症 | |
11)免疫アレルギー疾患予防・治療 | |
12)こころの健康科学 | |
13)難治性疾患克服 | |
IV.健康安全確保総合 | 14)創薬等ヒューマンサイエンス総合 |
15)医療技術評価総合 | |
16)労働安全衛生総合 | |
17)食品医薬品等リスク分析 | |
18)健康科学総合 |
研究事業 | 研究領域 |
1)行政政策 | 1−1)政策科学推進 |
1−2)統計情報高度利用総合 | |
1−3)社会保障国際協力推進 | |
1−4)国際危機管理ネートワーク強化 | |
2)厚生労働科学特別研究 |
事務事業名 | 行政政策推進研究経費(政策科学推進研究) |
担当部局・課主管課 | 政策統括官付政策評価官室 |
基本目標11 | 国民生活の向上に関わる科学技術の振興を図ること |
施策目標 2 | 研究を支援する体制を整備すること |
I | 厚生労働科学研究費補助金の適正かつ効果的な配分を確保すること |
少子高齢化や社会経済情勢が変化のする中、今般の年金関連法案審議において課題となった社会保障制度全体の見直し、介護保険の見直し及び新たな高齢者医療制度の創設を見据えた年金、医療、介護、生活保護の制度相互の給付の関係を分析する研究の重要が高まっていることを踏まえ、人文・社会科学系を中心に、年金・医療・福祉及び人口問題に関する政策や社会保障全般に関する研究等に積極的に取り込むことにより、厚生労働行政施策の企画立案及び効率的な推進に資することを目的としている。 主な研究分野
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H13 | H14 | H15 | H16 | H17 |
(1)888 | (1)919 | (1)809 | (1)766 | (未確定) |
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先の国会における年金関連法案審議等でも明らかとなったように、今後、社会保障制度の総合的改革についての議論が一層活発化することを踏まえ、人文・社会科学系を中心に社会保障及び人口問題に関する政策研究や保健・医療・福祉の経済的分析等を幅広い視点から実施することは、きわめて重要である。 |
本研究事業については、各部局との調整を行った上で、社会保障施策関連各種施策における問題を公募課題として設定するほか、指定研究も実施されている。新規課題の採択及び交付金額の決定については、事前評価委員会による評価が行われ、継続予定課題の継続の可否及び交付金額の決定並びに終了課題の最終的な評価については、中間・事後評価委員会による評価が行われている。事前評価委員会及び中間・事後評価委員会は、専門的・学術的観点から評価を行う専門委員と行政委員からなり、評価は研究計画書、報告書等の書面審査により行うほか、必要に応じ研究者からのヒアリングを実施している。 平成16年度に実施されている研究は、公募課題65課題(新規課題28(応募は74課題)、継続課題37、平均約6百万円)、指定課題1課題(240百万円)であり、優先度・重要度の高い研究が適正な規模で実施されている。 |
本研究事業の研究課題は、短期的な問題解決型のものと、長期的な施策を議論する上での基礎資料を蓄積するものに大きく分けることができる。特に長期的研究については研究の成果が活用される時期を見込んで前広の課題設定を行うとともに、厳しい中間評価を行い、必要に応じて研究内容を見直させ、あるいは研究の継続を認めないことにより、研究費の計画的かつ有効な活用が図られている。 |
公募課題は、緊急性の高い施策に関連するものが取り上げられ、その研究成果は次の例のように速やかに施策に反映されるなど、多くの実績を上げている。
(例)
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【参考】(本研究経費に関連する方針・政府決定等)
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「持続的な安全・安心」の確立に向けて、社会保障制度の総合的改革に取り組んでいく必要があるが、これに資する新たな知見や基礎的資料を得るため、本研究事業はきわめて重要な役割を担っている。 |
事務事業名 | 行政政策研究経費(統計情報高度利用総合研究) |
担当部局・課主管課 | 大臣官房統計情報部人口動態・保健統計課保健統計室 |
基本目標11 | 国民生活の向上に関わる科学技術の振興を図ること |
施策目標 2 | 研究を支援する体制を整備すること |
厚生労働科学研究費補助金の適正かつ効果的な配分を確保すること |
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H13 | H14 | H15 | H16 | H17 |
41百万 | 41百万 | 35百万 | 32百万 | (未確定) |
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統計情報高度利用総合研究事業
※ | 統計情報は、行政施策の企画・立案・評価のための基礎的情報を提供 |
各府省統計主管部局長等会議で検討された「統計行政の新たな展開方向(平成15年6月27日)」において、社会・経済の変化に対応した統計の整備、統計調査の効率的・円滑な実施、調査結果の利用拡大、国際協力の推進等が重要施策として位置づけられた。具体的には、ジェンダー統計の整備や世帯機能の把握といった社会等の変化に対応した統計の整備、政策評価への統計活用等の推進、オンライン調査の拡大、統計データアーカイブの設置、標本抽出の支援、データリンケージなどの多面的利用方策の検討、国際比較可能性を高めるための基本的な情報の収集・共有化の推進等が課題となっている。 |
本研究事業は、統計情報の高度利用の総合的推進という観点から、新規課題については毎年公募課題を設定し、事前評価委員会により評価を行っている。また、継続・終了課題については、中間・事後評価委員会により評価を行っている。 評価は書面により行われ、事前及び中間・事後評価委員会は、専門委員及び行政委員からなり、それぞれ「専門的・学術的観点」及び「行政的観点」から評価を行っていることから、必要性・緊急性の高い研究課題が採択されると考えられる。研究費についても、評価委員会での議論に基づいてその配分額が決定されるため効率的かつ妥当な配分であると考えられ、限られた予算の中での有効性は高いと考えられる。 なお、本研究の平成16年度における1研究課題あたりの金額は4,865千円であり、他の研究事業に比べて金額的に多いものではないが、公募により幅広く課題を募り、学問的にも高度な分析や、行政課題にも添った研究が行われており、適正な規模の研究が効率的に実施されている。研究期間は原則として最長2カ年であり、研究課題の見直しに反映されるため、効率性が高いと考えられる。 |
本研究事業においては、公募課題を設定し、外部の評価委員会により評価を行っている。評価は書面により行われ、専門委員及び行政委員からなり、それぞれ「専門的・学術的観点」及び「行政的観点」から評価を行っている。評価に際しては、厚生労働省大臣官房統計情報部所管の統計調査に実際に応用可能であるかという点に留意しており、この方法により、必要性、緊急性の高い課題が採択されると考えている。また、事前・中間・事後評価委員会における指摘事項については、各研究者に還元することとしており、よりよい研究成果を得ることが期待される。 |
いずれの研究課題も、研究課題の目標の達成度は高く、行政部局との連携のもとに、施策の推進の観点からも有効性の高い研究が実施されている。具体例を以下に示す。
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本研究事業は、統計調査自体の充実・改善、高度利用の推進のみならず、統計調査結果の改善、高度利用等を通じ、行政政策の企画・立案・評価に活用されるなどして省内関係部局にも還元されうるという特徴があり、有用性の高い研究事業である。 |
統計は、行政政策の企画・立案・評価のための基礎資料を提供するものであるが、近年の社会環境の変化、行政施策を取り巻く状況の変化により、今後ますますその重要性が増していくと考えられる。 これまでの研究により、評価手法や学問的にも高度な分析に関する総合的情報処理体制の基盤的技術が得られる一方、「患者調査」の調査精度の向上を図るための新しい層の設定や患者数の推計法の改良等が考案されるなど、具体的に応用可能な成果も上がっており、今後これらの成果を踏まえ、少子高齢化の進行、急速な情報化、地方分権の進展、政策評価の重視、国際化の進展など、統計を取り巻く環境の変化に対応し、「統計行政の新たな展開方向」にも添った事業を実施していくことが求められる。 また、厚生労働統計は国民の保健、福祉、医療等に広く関係するものであることから、研究結果は、推進事業を通じて普及啓発を行うと共に、行政施策に着実に反映させていくことが重要と思われる。 |
事務事業名 | 社会保障国際協力推進研究経費 |
担当部局・課主管課 | 大臣官房国際課 |
関係課 | 政策統括官(社会保障担当) |
基本目標 | 医療保険・年金、公衆衛生等を含めた広義の社会安全保障分野における国際協力の在り方や国際協力を推進するための方策等の検討に資する知見を得ること。 |
施策目標 | 効率的・効果的な社会保障分野に関する国際協力を実施していくための方策を研究することにより、より体系的・戦略的な国際協力の実施。 |
最近の国際社会において、保健医療分野が「将来への投資」分野としての認識が高まり、それに伴い国際協力においては新たな方策が模索され始めているとともに、世界エイズ・結核・マラリア対策基金等新たなイニシアティブが構築されている。 本研究は、こういった国際社会の新たな動きに対応することを目的としている。 (研究課題例)
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H13 | H14 | H15 | H16 | H17 |
57百万円 | 57百万円 | 49百万円 | 45百万円 | (未確定値) |
平成8年のリヨンサミットにおいて、公衆衛生、医療保険・年金等を含めた広義の社会安全保障の問題について、先進国のみならず開発途上国も含め、お互いの経験・知識を共有することを目的とする「世界福祉構想」が橋本総理(当時)から提唱され、同構想を踏まえ、感染症等の問題について先進国を含む地球規模に立った国際的な取り組みの必要性が強調された。
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「世界福祉構想」を踏まえ、感染症等の問題について先進国威を含む地球規模に立った国際的な取り組みが必要であり、重点的・戦略的援助体系の研究を社会安全保障分野を所管している厚生労働省が実施していかなければならないと考える。 二国間協力・多国間協力の両面において、より効率的・効果的なODA事業推進が行政施策として求められており、このような観点から、社会安全保障分野に関するODA対象分野の重点化方策、二国間協力と多国間協力の組み合わせによる効率化方策、効率的・効果的な支援事業を選別するための事業評価手法、近年、国際保健関係分野で台頭しつつある新しい官民協力体制(世界エイズ結核マラリア対策基金など)におけるより効果的な対応方策、などの検討も必要となっている。 上記から、当該事業による、効率的・効果的な社会安全保障分野に関する国際協力を実施していくための方策の研究は、目的として妥当性があると考える。 |
当該事業は、効果的な国際協力の実施のために、効果的な国際協力推進システムの構築を事務事業の目的にしている。 その達成のため、平成11年度から平成13年度の3年間の研究により、(1)社会保障に係る国際協力の状況分析に関する研究、(2)社会保障に係る国際協力の方法論に関する研究、(3)社会保障に係る国際協力の在り方に関する研究、についての研究が実施され、社会保障協力に関する基本的な考え方に関する知見の集積が一定程度達成されたと考える。今後は、これまでの成果を踏まえ、更に国際協力を推進するための具体的な方策等の研究を進めていくため、より具体的な課題設定に基づく研究を実施する計画である。 平成11〜13年度の3年間の研究により次の研究成果が活用されている。
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国際協力の効果的実施に資する各種調査研究を実施することにより得た成果により、社会保障分野の国際協力の施策へ反映させる。今後の国際社会の変化に対応していくために、本研究は一定の規模において恒常的に実施していく。 |
平成11年度から平成13年度の3年間の研究により、(1)社会保障に係る国際協力の状況分析に関する研究、(2)社会保障に係る国際協力の方法論に関する研究、(3)社会保障に係る国際協力の在り方に関する研究、についての研究が実施され、社会保障国際協力に関する基本的な考え方に関する知見の集積が一定程度達成されたと考える。 今後は、これまでの成果を踏まえ、更に国際協力を推進するための具体的な方策等の研究を進めていくため、より具体的な課題設定に基づく研究を実施することとしている。 当該事業の実施により期待される成果は、効果的な国際協力の実施である。厚生労働科学研究費補助金の全体額41,687百万円(平成15年度予算額)の約0.15%の65百万円の予算により、社会安全保障分野の国際協力のニーズに応え、「世界福祉構想」に貢献できるとすれば、費用対効果があるのではないかと思われる。 期待される科学的影響は、効果的な国際協力推進システムの構築の過程で、「医薬品援助マニュアル」等が作成されたことにより、医薬品援助に関する専門家等の人材の養成に役立てられ、同専門家等の能力が向上することが考えられる。 経済的影響については、開発途上国に効果的な国際協力を行うことにより、開発途上国の社会保障基盤が整備されることにより、我が国と国際協力による友好関係が築かれることから、我が国と開発途上国とのビジネス、貿易、観光などの経済活動が促進につながると考えられる。 社会的影響については、効果的な国際協力の実施により、開発途上国との友好関係の構築や国際協力による国際機関との信頼関係の樹立に役立つと考えられる。 |
社会安全保障分野の開発途上国や国際機関に係る国際協力を所管する国際課が、より体系的、戦略的な国際協力を推進して行くために、当該事業の主管課であることは妥当であると考える。また、当該事業の研究を行ってきた大学や研究所等との協力により、今後適切な産学官の事業を推進する体制につなげることを期待している。 省内の関係課は、政策統括官(社会保障担当)である。政策統括官(社会保障担当)の担当は、国内の社会保障政策の企画・立案、推進などである。 今まで当該事業において、国際課と政策統括官(社会保障担当)の連携はあまりなかったと思われる。今後は、我が国の社会安全保障分野の経験・知識を国際協力に役立てることからも、国際課と政策統括官(社会保障担当)の連携があっつてもよいのではないかと考える。 |
感染症、栄養、災害等に加え、近年の人口の急速な高齢化、都市部への人口集中、疾病構造の変化などに伴い、医療保険年金、公衆衛生等を含めた広義の社会安全保障分野全体を視野におく国際協力は、「世界福祉構想」を提唱した我が国の厚生労働省が、今後も積極的に取り組み、推進していかなければならない事業であると考える。 当該事業は、平成11年度から平成13年度の間に、社会保障国際協力に関する基本的な考え方に関する知見の集積ができたことは評価に値すると考えられ、今後もこれまでの成果を踏まえ、更に国際協力を推進するための具体的な方策等の研究を進めていく必要がある。 当該事業を継続するに当たり、研究課題の新陳代謝を図り、また、その時々の政策課題に適時適切に対応するため、毎年、一定の新規課題が選択採択されるよう各研究課題の周期を調整していくことに留意する必要があると考えられる。 |
事務事業名 | 国際健康危機管理ネットワーク強化研究経費 |
担当部局・課主管課 | 大臣官房国際課 |
関係課 | 大臣官房厚生科学課、健康局結核感染症課、医薬局食品保健部企画課検疫所業務管理室 |
基本目標 |
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施策目標 |
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BSE、エボラ出血熱及び最近のSARS(重症急性呼吸器症候群)等の感染症、更にバイオテロの勃発などに対して、国民の健康被害を最小限にするため、海外で発生している事柄に関する適切かつ迅速な情報収集が重要であり、国外からの情報等に基づく国際的な視点からの健康危機管理体制の強化が重要な課題である。このような観点から、次のようなネットワーク強化事業研究及び健康危機管理の人材養成研究に、早急に取り組む必要があると思われる。
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H13 | H14 | H15 | H16 | H17 |
− | − | − | 72(新) | 未確定 |
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(5)図
感染症等流入による国民の健康被害の危機は、行政の保健医療分野を担当している厚生労働省が国民の健康被害を最小限にするため、早急に取り組まなければならない。 バイオテロの危険性に加え、BSE、エボラ出血熱、及び最近のSARS(重症急性呼吸器症候群)などの国外からの感染症等流入の危険性は、航空機での人の移動が迅速で広範囲で多国間に渡っている現在、国民の健康被害に直接関わる危険であり、国際健康危機管理ネットワークの強化及び国際健康危機管理の人材養成により、感染の拡大を防ぐ措置が必要である。科学的、経済的、社会的ニーズが非常に高く、緊急性を要している。 最近のSARSの例からわかるように、国際的視点からも感染症拡大の防止のため、我が国の国際健康危機管理ネットワーク構築及び国際健康危機管理の人材養成マニュアルの作成の必要があると思われる。 当該事業を実施することにより、国民の健康に対する不安を除去し、安心・安全な社会の確保をすることとなり、平成17年度の科学技術分野の「安心・安全な社会を構築するための科学技術の総合的・横断的な推進」に資する重点分野の研究事業となる、目的として妥当性を有する事業であると思われる。 |
本研究事業は、情報基盤整備、国際的な健康危機管理対応人材の養成という、ネットワークの構築又は強化のために実施すべき2つの政策課題を主眼においている。 その達成のため、事業計画では、情報基盤整備、国際的な健康危機管理対応人材の養成の2分野に分けて効率的に研究を進め、3年を目処に、国際健康危機管理ネットワークに関する基本的な知見を集積すると同時に、国際ネットワーク強化、国際健康危機管理の人材養成マニュアルという、具体的な2つの成果物を入手することを目標においていることから、本計画は、無理のない、実現可能性の高いものである。 また産学官の連携をとるために、特に民間やNGOなど非政府機関の研究協力を、研究事業に取り入れる必要があると思われる。 当該研究事業は、3年を目途に国際健康危機管理ネットワークに関する基本的な知見の集積がなされるよう期待している。 事業の成果として得られる「国際健康危機管理の情報・通信のシステム」及び「国際健康危機管理の人材養成マニュアル」を活用することにより、国民の健康に対する不安の除去に役立つであろうと考えられることから、妥当な目標であると考えられる。 当該事業経費(案)は、研究事業として、71百万円と、推進事業24百万円(外国への日本人研究者派遣事業経費(米国の国際機関等に2名6ヵ月派遣)と研究成果等普及啓発事業経費及び研究支援事業経費)の合計95百万円であり、厳しい財政状況の中で妥当な金額ではないかと思われる。 |
感染症等の発生動向の監視評価や国内外の情報収集と解明のための国際機関等とのネットワークのあり方や国際的な健康危機管理に必要な人材養成に関する各種調査研究を実施することにより得た成果により、国際健康危機管理ネットワーク強化の施策へ反映させる。 今後の国際社会の変化に対応していくために、本研究は一定の規模において恒常的に実施していく。 |
当該事業の実施により期待される成果は、国民の健康に対する不安の除去、安心・安全な社会の確保である。厚生労働科学研究費補助金の全体額41,687百万円(平成15年度予算額)の約0.2%の72百万円の予算により、国民の健康に対する不安の除去、安心・安全な社会の確保という成果を得られるとすれば、予算額に見合う充分な効果があるのではないかと思われる。 当該事業の研究成果により、感染症等流入による国民の健康被害の危機の国外情報の効果的かつ迅速な入手、活用が強化され、その結果国民全体に活用されるため、費用対効果は非常に高いものになると思われる。 期待される科学的影響は、国際健康危機管理の人材養成マニュアルが作成されることにより、国際健康危機管理の専門家が養成され、また同専門家の技能が向上することが考えられる。 経済的影響については、保健医療システムが強化され、安心・安全な社会が確保されれば、ビジネス、貿易、観光などの経済活動の促進がなされると考えられ、更に重要なことは、万一感染症等流入による国民の健康被害の危機が発生した場合には、国際健康危機管理ネットワーク及び国際健康危機管理の人材養成マニュアルにより養成された専門家の対処により、経済へのマイナス効果を最小限にくい止めることができると考えられる。 社会的影響については、国民の健康に対する不安の除去がなされることにより、安心・安全で快適な社会の構築に貢献できると考えられる。 |
WHO等の国際機関に係る事項などを所管する厚生労働省大臣官房国際課が、当該事業の主管課となることは、国際課が保健医療分野について、横断的に国際情報を一元管理できるからであると思われる。また、国際課は、従来の社会保障国際協力推進研究事業で研究を行ってきた大学や研究所等との協力により、今後適切な産学官の事業を推進する体制につなげることができると期待できる。 関係する省庁については、厚生労働省大臣官房国際課と外務省国際社会協力部専門機関行政室は、WHO等の国際機関に係る業務で連携があり、外務省からは主にWHO等に関わる在外公館等からの情報が厚生労働省に提供され、厚生労働省からは保健医療分野におけるWHOをはじめとした国際機関への意見等を外務省に提供している。厚生労働省大臣官房国際課は保健医療分野において、WHO等の国際機関に関する政策・戦略、作業計画、予算事業の対処方針(案)作成等を担当しており、外務省国際社会協力部専門機関行政室は国連のWHOをはじめとした専門機関などに関する外交政策を担当している。 厚生労働省内においては、大臣官房厚生科学課、健康局結核感染症課、医薬局食品保健部企画課検疫所業務管理室が関係課であり、国際課がWHOなどから得た海外の感染症発生等の情報を関係課に提供し、省内関係課と連携をとっている。 なお、省内関係課の分担は次のとおりである。
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BSE、エボラ出血熱及び最近のSARS(重症急性呼吸器症候群)や、バイオテロの勃発などに対して、国民の健康被害を最小限にすることは、厚生労働省が早急に取り組み、推進していかなければならない事業である。 当該事業は、情報基盤整備と健康危機管理人材養成を2つを柱にし、目標に到達するために厳しい予算状況の中で効果的・効率的に成果が得られるよう工夫していることは、評価できる。 なお、厚生労働省内の大臣官房厚生科学課及び健康局結核感染症課並びに医薬局食品保健部企画課検疫所業務管理室と関連する事業であるため、省内での連携が重要であると考えられる。 また、国民の健康に直接関わる緊急性を要する分野であることから、研究成果をいかに迅速に厚生労働省の施策へ反映させ、実行していくかが重要であると考えられる。 |
事務事業名 | 厚生労働科学特別研究経費 |
担当部局・課主管課 | 大臣官房厚生科学課 |
基本目標11 | 国民生活の向上に関わる科学技術の振興を図ること |
施策目標 2 | 研究を支援する体制を整備すること |
I | 厚生労働科学研究費補助金の適正かつ効果的な配分を確保すること |
厚生労働科学の新たな進展に資することを目的とする独創的な研究及び社会的要請の強い諸問題に対する先駆的な研究について、指定型で実施する。新たな感染症の発生に対する緊急研究などがあげられる。成果としては、サーベイランス用電子情報システムの構築に関する基礎資料や、院内感染対策マニュアルや治療指針の作成、検査・治療方法の有用性の検討結果などが想定できる。 |
H13 | H14 | H15 | H16 | H17 |
352(研究費) | 382(研究費) | 387(研究費) | 352(研究費) | (未確定) |
社会的要請の強い諸課題に関する必須もしくは先駆的な研究を支援して、当該課題を解決するための新たな科学的基盤を得ることを目的としている。厚生労働科学研究においては、新たな感染症の発生など、極めて緊急性が高く、社会的な要請の強い諸問題について研究を行う必要がある。各事業ごとの公募型の研究課題になじみにくく、社会的要請の高い研究課題について、研究を実施する必要がある場合がある。 |
緊急性ある行政課題に対して科学的かつ迅速に対応することを目的として実施される重要な研究を支援するために、極めて必要性が高い。たとえば重症急性呼吸器症候群(SARS)が発生したために、その対策に資する研究が実施された。また平成15年8月6日の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会伝達性海綿状脳症対策部会での審議結果を受けてBSE発生国の牛せき柱を食品の原料としての使用の可否に関する研究が実施された。 |
研究事業の特性上、研究期間は1年以内であるが、きわめて必要性の高い研究課題に対して、有効な成果が輩出されており、事業の目的に対する達成度が高い。本研究事業について、「厚生労働省の科学研究開発評価に関する指針」を踏まえ、本研究事業に関する評価指針を策定し、専門家等により、適切に評価(事前評価・中間・事後評価)を実施している。 |
本研究事業は、緊急性が高い研究課題に対する研究経費であることから、具体的な目標を明示しつつ、推進体制の適切性、関係課との分担・連携、実施方法の妥当性等を、検討しながら採択しており、緊急性の高い研究経費ながら計画性を担保している。 |
たとえば、BSE発生国の牛せき柱を食品の原料としての使用の可否に関する研究については、その成果は平成15年11月14日に開催された部会の基礎資料として活用され、新たな牛海綿状脳症(BSE)特定危険部位に指定された背根神経節について、本成果に基づいた試案が決議されている。また、重症急性呼吸器症候群(SARS)対策に関する研究によって院内感染対策ガイドラインを作成が作成されるなど、社会的な混乱の解消に貢献した。 |
特になし |
厚生労働科学特別研究は、緊急性の高い課題について、極めて効果的に事業が実施されており、必要性も高い。新規に出てくる健康危機管理の緊急課題については、これまで通り迅速に対応する。健康機器管理担当職員の資質向上や保健医療・厚生科学研究事業の効率化等、常時実施する必要がある研究についても、着実に成果が出ており、継続の必要性が高い。 今後とも、一層の予算確保に努めると共に、健康危機管理に関する継続的な情報収集等も含めた行政的に重要な研究を、適切に実施する体制とすることが望ましい。 |