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労働におけるCSRのあり方に関する研究会
中間報告書の概要

1 労働に関してCSRを検討する背景と意義
 ○ 企業においては、ステークホルダー(利害関係者)に対して責任ある行動をとるとともに、説明責任を果たしていくことが求められている。こうした考え方はCSRと呼ばれるが、労働についてなぜ特にCSRの観点から検討するのか整理すると、以下のとおりとなる。
 置き換えることのできない従業員について、その働き方に十分な考慮を払い、かけがえのない個性や能力を活かせるようにしていくことは、企業にとって本来的な責務であるといえる。
 従業員等に責任ある行動を積極的にとっている企業が、市場において投資家、消費者や求職者等から高い評価を受けるようにしていくことは有益である。
(こうした点で、CSRを果たしている企業に対して投資するSRIのあり方について検討を深めることが必要。)

2 社会情勢の変化に応じた従業員への考慮
 ○ 企業が従業員等に対して取り組む重要な事項としては、以下が考えられる。
(1) 様々な資質と才能を持った個人が、その能力を十分に発揮できるよう、
 人材の育成
 それぞれの生き方・働き方に応じた働く環境の整備
 全ての個人についての能力発揮機会の付与
 安心して働く環境の整備を行う。
(2) 事業の海外展開が進む中、海外進出先においても現地従業員に対し、責任ある行動をとる。
(3) 人権への配慮を行う。

3 労働に関するCSR推進における国の役割
 ○ CSRを推進する主体は企業であり、CSRを構成する諸要素のうちどれを重点的に実行するかは、社会の動向をみながら企業が決定していく。
 ○ 企業がCSRを推進していくのに資するよう、情報や判断材料を提供するなど、国が側面から支援していくことは意義がある。

4 労働のCSRを推進するための環境整備の方策
 ○ 労働のCSRを進める具体的な施策としては、例えば以下のようなものが想定され得る。
 社会報告書に盛り込むことが望ましいと考えられる項目を提示
 企業がどこまで自社の取組みが進んでいるか、自分で点検できる材料を開発
 表彰基準や好事例の情報提供
 消費者や投資家を対象とした、CSRに関する啓発・広報
 ○ 上記施策を推進するに当たっては、CSRの取組みが十分に進んでいない中小企業に対する配慮や、関係省庁間での十分な連携が必要である。


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