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障害者プラン(抄)


― ノーマライゼーション七か年戦略 ―(平成7年12月 障害者対策推進本部)

I 位置づけ
 「障害者対策に関する新長期計画」(平成5年度から14年度)の具体化を図るための重点施策実施計画とする。

II 基本的考え方
 国においては、ライフステ―ジの全ての段階において全人間的復権を目指すリハビリテーションの理念と、障害者が障害のない者と同等に生活し、活動する社会を圏指すノーマライゼーションの理念の下、「障害者対策に間する新長期計画」を策定し、その推進に努めているところであるが、この理念を踏まえつつ、次の七つの視点から施策の重点的な推進を図る。
(1)地域で共に生活するために
(2)社会的自立を促進するために
(3)バリアフリー化を提進するために
(4)生活の質(QOL)の向上を目指して
(5)安全な暮らしを確保するために
(6)心のバリアを取り除くために
(7)我が国にふさわしい国際協力・国際交流を

III 期間
 本プランは、平成8年度から平成14年度までの7か年計画とする。

IV 推進方策等
(1) 本プランの推進状況を定期的にフォローアッブし、社会経済情勢の変化、間連制度・法今の改正、市町村障害者計画の策定状況を踏まえ、必要に応じプランの見直しを行う。
(2) 障害者施策は広範な分野にわたるため、関連する分野の施策が効果的かつ効率的に実施されるよう関係行政機関相互の連携を強化する。
(3) 各施策の適正な推進の基礎となる障害者等の実態調査については、プライバシーに配慮しつつ、関係者と十分調整して実施する。

V 地方公共団体への支接
(1) 本プランに対応し、地方公共団体が地域の特性に応じ主体的に取り組む障害者施策を積極的に支援する。特に地方公共団体が地方単独事業で行う障害者にやさしいまちづくりや障害者の社会参加等のための施設整備、保健福祉マンパワー養成に間する事業に対して積極的な支援策を講ずる。
(2) 市町村の施策の実施に当たって、障害者等の意見を適切に反映するため、市町村の自主性、主体性を尊重しつつ、市町村障害者計画の策定と障害者及び障害者福祉事業に従事するメンバーを含む市町村の地方障害者施策推進協議会の設置等を促進する。
(3) 本プランが都道府県,市町付の障害者計画へ適切に反映され、施策の計画的推進が図られるよう、計画策定手法の普及、計画づくりへの支援等を行う。なお、必要に応じ、複数の市町村による広域的な計画づくり等の取扱いについても検討する。

VI 各施策分野の推進方向(全文は略。発表ざれた概要を以下に掲載する。)

障害者プランの概要
 ―ノーマライゼーション7か年戦略―
【プランの特色】
「障害者対策に間する新長期計画」の重点施策実施計画
新長期計画の最終年次に合わせ、平成8〜14年度の7か年計画
数値自標を設定するなど具体的な施策目標を明記
障害者対策推進本部で策定し、関係省庁の施策を横断的に盛込み
 (注) 障害者対策に間する新長期計画は、平成5〜14年度を計画期間として、障害者対策推進本部で策定している。

【プランの骨格】
リハビリテーションとノーマライゼーションの理念を踏まえ、次の7つの視点から施策の重点的な推進を図る。
(1)地域で共に生活するために
 障害のある人々が社会の構成員として地域の中で共に生活を送れるよう、住まい、働く場・活動の場や必要な保健福祉サービス等が的確に提供される体制の確立。
住まい(公共賃貸住宅、グループホーム等)や働く場(授産施設等)の確保
障害児の地域療育体制の構築
精神障害者の社会復帰・福祉施策の充実等
介護サービス(ホームヘルパー、入所施設等)の充実
移動やコミュニケーション支援など社会参加の促進
難病を有する者への介護サービスの提供等
(2)社会的自立を促進するために
 障害の特性に応じたきめ細かい教育体制の確保及び障害者がその適性と能力に応じて可能な限り雇用の場に就き、職業を通じて社会参加できるような施策の展開
各段階ごとの適切な教育の充実
法定雇用率達成のための各種雇用対策の推進
第三セクター重度障害者雇用企業等の設置促進 等
(3)バリアフリー化を促進するために
 障害者の活動の場を拡げ、自由な社会参加が可能となる社会にしていくため、道路、駅、建物等生活環境面での物理的な障壁の除去への積極的な取組み
車いすがすれ違える幅の広い歩道の整備
公共交通ターミナルにおけるバリアフリー化の推進
高速道路等のSA・PA及び「道の駅」における障害者への配慮
公共性の高い民間建築物、官庁施設のバリアフリー化の推進 等
(4)生活の質(QOL)の向上を目指して
 障害者のコミュニケーション、文化活動等自己表現や社会参加を通じた生活の質的向上を図るため、先端技術を活用しつつ実用的な福祉用具や情報処理機器の開発普及等を推進
福祉用具等の研究開発体制の整備
情報通信機器等の研究開発・普及
情報提供、放送サービスの充実、スポーツ、レクリエーション振興等
(5)安全な暮らしを確保するために災害弱者といわれる障害者を災害や犯罪から守るため、地域の防犯,肪災ネットワークや緊急通報システムの構築、災害を防ぐための基盤づくりを推進
手話交番の設置、手話バッジの装着の推進
ファックス110番の整備
災害時の障害者援護マニュアルの作成・周知等
(6)心のバリアを取り除くために
 ボランティア活動等を通じた障害者との交流、様々な機会を通じた啓発・広報の展開等による障害及び障害者についての国民の理解の増進
交流教育の推進
ボランティア活動の振興
精神障害者についての社会的な誤解や偏見の是正等
(7)我が国にふさわしい国際協力・園際交流我が国の障害者施策で集積されたノウハウの移転や施策推進のための経済的支援を行うとともに、各国の障害者や障害者福祉従事者との交流を推進
ODAにおける障害者への配慮、国際協調の推進 等
本プラシに対応し、地方公共団体が地域の特性に応じ主体的に取り組む障害者施策を積極的に支援する。

当面障害者施策として緊急に整備すべき目標(平成14年度末の目標)

1.住まいや働く場ないし活動の場の確保 (現状)(目標)
(1)グループホーム・福祉ホーム 5千人分 → 2万人分
(2)授産施設・福祉工場 4万人分 → 6.8万人分
(3)新たに整備する全での公共賃貸住宅は、身体機能の低下に配慮した仕様とする。
(4)小規模作業所について、助成措置の充実を図る。
2.地域における自立の支援
(1)障害児の地域療育体制の整備
 重症心身障害児(者)等の通園事業 3百か所 → 1.3千か所
 全都道府県域において、障害児療育の拠点となる施設の機能を充実する。
(2)精神障害者の社会復帰の促進
 精神障害者生活訓練施設(援護寮) 1.5千人分 → 6千人分
 精神障害者社会適応訓練事業 3.5千人分 → 5千人分
 精神科デイケア施設 370か所 →  l千か所
(3) 障害児の療育、精神障害者の社会復帰、障害者の総合的な相談・生活支援を地域で支える事業を、概ね人口30万人当たり、それぞれ2か所ずつ実施する。
(4) 障害者の社会参加を促進する事業を、概ね人口5万人規模を単位として実施する。
3.介護サーピスの充実
(l)在宅サービス
 ホームヘルパー4.5万人上乗せ
 ショートステイ 1千人分 → 4.5千人分
 デイサービス 5百か所 → 1千か所
(2)施設サービス
 身体障害者療護施設 1.7万人分 → 2.5万人分
 精神薄弱者更生施設 8.5万人分 → 9.5万人分
4.障害者雇用の推進
 第3セクターによる重度障害者雇用企業等の、全都道府県域への設置を促進する。
5.バリアフリー化の促進等
(l) 21世紀初頭までに幅の広い歩道(幅員3m以上)が約13万kmとなるよう整備する。
(2) 新設・大改良駅及ぴ段差5m以上、1日の乗降客5千人以上の既設駅について、エレベーター等の設置を計画的に整備するよう指導する。
(3) 新たに設置する窓口業務を持つ官庁施設等は全てパリアフリーのものとする。
(4) 高速道路等のSA・PAや主要な幹線道路の「道の駅」には、全て障害者用トイレや障害者用駐車スペースを整備する。
(5) 緊急通報を受理するファヅクス110番を全都道府県警察に整備する。


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