(別記2)
16.香料試験法
9.香料化合物のガスクロマトグラフ法

装置
 一般試験法7のガスクロマトグラフ法に準拠する。

操作法
 一般試験法7のガスクロマトグラフ法に準拠し、別に規定するもののほか、次の方法による。なお、香料化合物が固体の場合、別に規定する溶媒に溶解した後、同様に操作する。


第1法 面積百分率法
 この方法は、保存により不揮発成分等を生成せず、すべての成分がクロマトグラム上で分離することが明らかな香料化合物に用いる。試料注入後、0〜40分の間に現れるすべての成分のピーク面積の総和を100とし、それに対する香料成分のピーク面積百分率を求め、含量とする。ただし,香料化合物が固体で溶媒に溶解する場合は,別に,溶媒により同様に試験を行い,溶媒由来のピークを確認後,溶媒由来のピークを除いたピーク面積の総和を100とする。

操作条件(1)
沸点が150℃以上の香料化合物に適用する。
検出器 水素炎イオン化検出器
カラム 内径0.25〜0.53mm、長さ30m〜60mのケイ酸ガラス製の細管に、ジメチルポリシロキサン(非極性カラム)またはポリエチレングリコール(極性カラム)を 0.25〜1 μmの厚さで被覆したもの。
カラム温度: 50℃から毎分5℃で昇温し、230℃に到達後4分間保持する。
注入口温度 225〜275℃
検出器温度 250〜300℃
注入方式 スプリット30:1〜250:1。ただし、いずれの成分もカラムの許容範囲を超えないように設定する。
キャリヤーガス: ヘリウムまたは窒素を用いる。被検香料化合物のピークの保持時間が5〜20分の間になるように流量を調整する。

操作条件(2)
沸点が150℃未満の香料化合物に適用する。
検出器 水素炎イオン化検出器
カラム 内径0.25〜0.53mm、長さ30m〜60mのケイ酸ガラス製の細管に、ジメチルポリシロキサン(非極性カラム)またはポリエチレングリコール(極性カラム)を 0.25〜1 μmの厚さで被覆したもの。
カラム温度: 50℃で5分間保持した後、毎分5℃で、230℃まで昇温する。
注入口温度 125〜175℃
検出器温度 250〜300℃
注入方式 スプリット30:1〜250:1。ただし、いずれの成分もカラムの許容範囲を超えないように設定する。
キャリヤーガス: ヘリウムまたは窒素を用いる。被検香料化合物のピークの保持時間が5〜20分の間になるように流量を調整する。


第2法 内標準法
 この方法は、保存により不揮発成分等が生成し,クロマトグラム上に分離しない成分を含有する香料化合物に用いる。一点検量による内標準法であり、被検香料化合物になるべく近い保持時間を持ち、いずれのピークとも完全に分離する安定な物質を内標準物質とする。別に規定するもののほか、以下の方法による。被検香料化合物と内標準物質を、ピーク面積比がほぼ等しくなるように、それぞれ約T1 g及び約S1 gを精密に量り、混合して試料溶液とする。別に、標準被検香料化合物と内標準物質を、同様にしてピーク面積比がほぼ等しくなるように、それぞれの約T2 g及び約S2 gを精密に量り、混合して標準溶液とする。いずれの採取量も、試料溶液、標準溶液により得られるピーク面積値が、それぞれの検量線の直線性が得られる範囲内となるようにに設定する。試料溶液と標準溶液の適量を正確に量り、ガスクロマトグラフ法により試験を行い、内標準物質のピーク面積に対する、被検香料化合物のピーク面積の比QT及びQsを求め、標準被検香料化合物の含量をA%とするとき、次式により被検香料化合物の含量を求める。
被検香料化合物の含量 = T2×A
――――
T1
× S1

S2
× QT

QS
 (%)
 通例、標準溶液の規定量を繰り返し注入し、 得られたそれぞれのクロマトグラムから、 内標準物質のピーク面積又はピーク高さに対する標準被検香料化合物のピーク面積又はピーク高さの比を求め、その相対標準偏差(変動係数) を求めて再現性を確かめる。
 操作条件は、第一法と同様に、沸点が150℃以上の香料化合物では、操作条件(1)に、沸点が150℃未満の香料化合物では、操作条件(2)に従って試験を行う。

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