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二重就職者や単身赴任者に係る移動等の実態

 以下は、「二重就職者に係る通勤災害保護制度創設のための調査研究報告書」(平成13年1月三和総合研究所)及び「単身赴任者に関する実態調査報告書」(平成13年1月産労総合研究所)に基づく二重就職者及び単身赴任者に係る移動等の実態である。

1 二重就職者について
(1)  二重就職者のうち事業場間移動を行う者の割合
 二重就職者についても第一の事業場から一旦自宅に戻り、その後第二の事業場に出勤する場合は現在でも通勤災害保護制度により保護されるが、二重就職者の移動の実態をみると、第一の事業場と第二の事業場の間を直行する者が30.1%、第一の事業場と第二の事業場の間を直行することの方が多いものが16.1%となっており、現在保護の対象とされていない事業場間の移動が相当程度行われていることが窺われる。
(2)  事業場間移動の際の経路や交通機関
 また、事業場間の移動を行う者の移動経路や利用する交通機関については、毎回同じとするものが45.4%、ほぼ一定とするものが32.4%となっており、多くの者が一定の移動経路や交通機関により移動をしていることが窺える。

2 単身赴任者について
(1)  帰省の頻度
 単身赴任者が帰省する頻度については、「月に2、3回」とするものが31.2%、「ほぼ毎週」とするものが29.9%、「月に1回」とするものが28.6%となっており、単身赴任者の大半が月1回以上は家族のもとへ帰省していることが窺える。
(2)  帰省の経路
 帰省する際の経路としては、短期休暇の場合には、「直接仕事場から帰省する方が多い」とするものが32.6%、「ほぼ毎回直接仕事場から帰省する」とするものが26.2%と直接仕事場から帰省先住居へ移動する者が多数を占めるが、「ほぼ毎回自宅(赴任先住居を指している。以下同じ。)へ戻る」とするものが24.6%、「自宅へ戻る方が多い」とするものが14.8%と赴任先住居から帰省先住居へ移動する者も一定程度いることが窺える。また、長期休暇の場合は、「直接仕事場から帰省する方が多い」とするものが25.8%、「ほぼ毎回直接仕事場から帰省する」とするものが22.3%であるのに対し、「ほぼ毎回自宅へ戻る」とするものが29.0%、「自宅へ戻る方が多い」とするものが19.5%となっており、直接仕事場から帰省先住居へ移動する者と赴任先住居から帰省先住居へ移動する者とがほぼ拮抗している。
(3)  勤務に戻る際の帰省先からの経路
 帰省先住居から勤務に戻る際の経路としては、短期休暇の場合は「ほぼ毎回自宅へ戻る」とするものが57.7%、「自宅へ戻る方が多い」とするものが10.2%と帰省先住居から赴任先住居へ移動する者が多数を占めている。また、長期休暇の場合も、「ほぼ毎回自宅へ戻る」とするものが60.0%、「自宅へ戻る方が多い」とするものが11.3%と同様の傾向を示している。
(4)  帰省の出発までの行動
 帰省の際一旦赴任先住居に戻る者が帰省の出発までに通常行うこととしては、短期休暇の場合には、多いものから順に「帰省の準備」83.8%、「掃除・洗濯等の家事」35.2%、「食事」25.8%、「睡眠」16.3%(複数回答)となっており、多数の者が日常生活に必要な最小限度のことを行っていることが窺える。また、長期休暇の場合もほぼ同様の傾向にある。
(5)  帰省直後の自宅から出勤するまでの行動
 出勤の前に一旦帰省先住居から赴任先住居に戻る者が出勤までに通常行うこととしては、短期休暇の場合には、多いものから順に「睡眠」67.4%、「出勤の準備」66.3%、「食事」51.2%、「掃除・洗濯等の家事」34.9%、「日用品の購入」10.4%(複数回答)となっており、多数の者が日常生活に必要な最小限度のことを行っていることが窺われる。また、長期休暇の場合もほぼ同様の傾向にある。
(6)  帰省に要する時間
 帰省の際に要する時間については、短期休暇の場合、「2〜4時間」50.8%、「4〜6時間」25.1%、「2時間未満」16.6%、「6〜8時間」5.5%となっており、2時間以上を要する者が8割を超えており、4時間以上を要する者が3割を超えている。
また、長期休暇の場合もほぼ同様の傾向にある。
(7)  赴任先住居に戻ってから帰省先住居へ出発するまでの所要時間
 勤務先から赴任先住居に一旦戻ってから帰省先住居へ向けて出発するまでの所要時間については、短期休暇の場合、「2時間以内」71.3%、「2〜6時間」16.2%、「6〜12時間」6.7%、「12〜24時間」4.6%となっており、勤務日の当日に出発する者が多数であるが、翌日に出発する者も一定程度いることが窺える。また、長期休暇の場合もほぼ同様の傾向にある。
(8)  赴任先住居に戻ってから出勤時間までの時間
 帰省先住居から赴任先住居に出勤時間のどの程度前に戻るかについては、短期休暇の場合、「2時間前以内」15.0%、「2時間前〜出勤同日」9.0%、「1日前」74.4%となっており、勤務日の前日に赴任先住居に戻り翌日の勤務に備える者が多数であることが窺える。また、長期休暇の場合もほぼ同様の傾向にある。


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