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二重就職者が休業した場合の労災保険及び健康保険からの給付について

二重就職者が休業した場合の労災保険及び健康保険からの給付についての図


 住居から第1事業場への移動中((1)の場合)又は第2事業場から住居への移動中((3)の場合)の災害について





労災保険・・・ 「住居と就業の場所との間」の移動であり、「通勤」に
当たり(労災保険法第7条第2項)、第1事業場((1)の
場合)又は第2事業場((3)の場合)から支払われていた
平均賃金を基礎に休業給付が支給される。
健康保険・・・ 同一の疾病又は負傷について、労災保険から、休業給付
が支給されるため、健康保険の傷病手当金は支給
されない(健康保険法第55条第1項)。


 第1事業場から第2事業場への移動中((2)の場合)の災害について




労災保険・・・ 「住居と就業の場所との間」の移動ではないため、
「通勤」に当たらず(労災保険法第7条第2項)、休業給付
は支給されない。
健康保険・・・ 第1事業場及び第2事業場から支払われていた報酬を
合算した額を基礎に、傷病手当金が支給される。
((注)第1事業及び第2事業場の被保険者である場合。)



 労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)

十四条 休業補償給付は、労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日の第四日目から支給するものとし、その額は、一日につき給付基礎日額の百分の六十に相当する額とする。ただし、労働者が業務上の負傷又は疾病による療養のため所定労働時間のうちその一部分についてのみ労働する日に係る休業補償給付の額は、給付基礎日額(第八条の二第二項第二号に定める額(以下この項において「最高限度額」という。)を給付基礎日額とすることとされている場合にあつては、同号の規定の適用がないものとした場合における給付基礎日額)から当該労働に対して支払われる賃金の額を控除して得た額(当該控除して得た額が最高限度額を超える場合にあつては、最高限度額に相当する額)の百分の六十に相当する額とする。
 (2略)


二十二条の二 休業給付は、労働者が通勤による負傷又は疾病に係る療養のため労働することができないために賃金を受けない場合に、当該労働者に対し、その請求に基づいて行なう。
(2)  第十四条及び第十四条の二の規定は、休業給付について準用する。この場合において、第十四条第一項中「業務上の」とあるのは「通勤による」と、同条第二項中「別表第一第一号から第三号までに規定する場合に応じ、それぞれ同表第一号から第三号までの政令で定める率のうち傷病補償年金について定める率」とあるのは「第二十三条第二項において準用する別表第一第一号から第三号までに規定する場合に応じ、それぞれ同表第一号から第三号までの政令で定める率のうち傷病年金について定める率」と読み替えるものとする。
 (3略)


 健康保険法(大正十一年法律第七十号)

  (報酬月額の算定の特例)
四十四条(1〜2略)
 同時に二以上の事業所で報酬を受ける被保険者について報酬月額を算定する場合においては、各事業所について、第四十一条第一項、第四十二条第一項若しくは前条第一項又は第一項の規定によって算定した額の合算額をその者の報酬月額とする。

  (他の法令による保険給付との調整)
五十五条 被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、特定療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、傷病手当金若しくは埋葬料の支給は、同一の疾病、負傷又は死亡について、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)、国家公務員災害補償法(昭和二十六年法律第百九十一号。他の法律において準用し、又は例による場合を含む。)又は地方公務員災害補償法(昭和四十二年法律第百二十一号)若しくは同法に基づく条例の規定によりこれらに相当する給付を受けることができる場合には、行わない。
 (2〜3略)

  (傷病手当金)
九十九条 被保険者が療養のため労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して三日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金として、一日につき、標準報酬日額(標準報酬月額の三十分の一に相当する額(その額に、五円未満の端数があるときはこれを切り捨てるものとし、五円以上十円未満の端数があるときはこれを十円に切り上げるものとする。)をいう。第百二条において同じ。)の百分の六十に相当する金額を支給する。
 (2略)

  (保険料の負担及び納付義務)
百六十一条(1〜3略)
 被保険者が同時に二以上の事業所に使用される場合における各事業主の負担すべき保険料の額及び保険料の納付義務については、政令で定めるところによる。


 健康保険法施行令(大正十五年勅令第二百四十三号)

  (二以上の事業所に使用される場合の保険料)
四十七条 法第百六十一条第四項の規定により被保険者(日雇特例被保険者を除く。以下同じ。)が同時に二以上の事業所又は事務所(以下単に「事業所」という。)に使用される場合における各事業主の負担すべき標準報酬月額に係る保険料の額は、第一号に掲げる額に第二号に掲げる数を乗じて得た額とする。
 当該被保険者の保険料の半額(法第百六十二条の規定が適用された場合にあっては、保険料の額に事業主の負担すべき割合を乗じて得た額)
 各事業所について法第四十一条第一項、第四十二条第一項若しくは第四十三条第一項又は第四十四条第一項の規定により算定した額を当該被保険者の報酬月額で除して得た数
 法第百六十一条第四項の規定により被保険者が同時に二以上の事業所に使用される場合における各事業主の負担すべき標準賞与額に係る保険料の額は、前項第一号に掲げる額に各事業所についてその月に各事業主が支払った賞与額をその月に当該被保険者が受けた賞与額で除して得た数を乗じて得た額とする。
 法第百六十一条第四項 の被保険者が同時に二以上の事業所に使用される場合におけ る各事業主が納付すべき保険料は、前二項の規定により各事業主が負担すべき保険料及 びこれに応ずる当該被保険者が負担すべき保険料とする。

  (管轄)
六十四条 (1略)
 被保険者が同時に二以上の事業所に使用され、前項の規定によりその者に関する前条第一項各号のいずれかの権限を行う地方社会保険事務局長等が二以上あるときは、その権限は、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者が選択する地方社会保険事務局長等が行うものとする。
 (3〜4略)


 健康保険法施行規則(大正十五年内務省令第三十六号)

  (選択)
一条 被保険者(日雇特例被保険者を除く。以下同じ。)は、同時に二以上の事業所又は事務所(第六十九条、第七十四条及び第七十六条を除き、以下「事業所」という。)に使用される場合において、保険者が二以上あるとき、又は被保険者が健康保険法施行令(大正十五年勅令第二百四十三号。以下「令」という。)第六十四条第二項の規定に該当するときは、その被保険者の保険を管掌する地方社会保険事務局長若しくは社会保険事務所長(以下「社会保険事務所長等」という。)又は健康保険組合を選択しなければならない。

  (選択の届出)
二条 前条の選択は、同時に二以上の事業所に使用されるに至った日から十日以内に、 次に掲げる事項を記載した届書をその選択しようとする社会保険事務所長等又は健康保 険組合に提出することによって行うものとする。
 被保険者証の記号及び番号
 被保険者の氏名及び生年月日
 各事業所の事業主の氏名又は名称及び住所
 各事業所の名称及び所在地
 社会保険事務所長等又は健康保険組合は、前項の届出を受けたときは、関係する社会保険事務所長等、健康保険組合及び事業主にその旨を通知しなければならない。
 第一項の場合において、被保険者が厚生年金保険の被保険者であるときは、同項の届書に国民年金法施行規則(昭和三十五年厚生省令第十二号)第一条 に規定する基礎年金番号(以下単に「基礎年金番号」という。)を付記しなければならない。この場合において、当該被保険者が使用される事業所につき厚生年金基金が設立されているときは、当該厚生年金基金の名称を併記しなければならない。


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