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メリット制による保険料の試算


条件: 「その他の製造業」(労災保険率8/1,000)の適用事業場であり、全労働者の平均年収(賃金)は500万円と仮定する。
被災労働者の年収は500万円(給与30万円、賞与年額140万円)と仮定する。
料率改定を加味しない。

 労働者数が100名規模の場合
 標準保険料額 500万円 × 100名 ×   8  
1,000
400万円
うち業務災害分 500万円 × 100名 ×  7.1 
1,000
355万円

 (1)  労働災害が無い場合

 メリット収支率の分子に計上される額は0万円であり、分母に算入される「その他の製造業」の第一種調整率は0.67であるので、

 メリット収支率        0万円       
(213万円 × 3年間 × 0.67)
0% (メリット増減率は−40%)

 メリット労災保険率 = 業務災害分料率 ×( 1 + メリット増減率(%)) + 非業務災害率より、

  (   8  
1,000
 0.9 
1,000
× (100−40)
100
(%)  0.9 
1,000
 5.16 
 1,000

業務災害分 500万円 × 100名 ×  5.16 
 1,000
 0.9 
1,000
213万円

 メリット制適用後の保険料額 500万円 × 100名 ×  5.16 
 1,000
258万円

 (2)  過去、無災害の事業場で、災害が1件発生し、入院加療後(医療費等100万円)、死亡した場合

 メリット収支率には以下の給付金が算入される。
 被災労働者の給付基礎日額を9,890円(91日)とすると、労働基準法相当額である給付基礎日額は1,000日分(9,890,000円)となる。
 遺族特別年金は、算定基礎日額が1,978円となるので、労働基準法相当額は算定基礎日額の1,000日分(1,978,000円)となる。
 その他、葬祭料(611,700円)、医療費(100万円)を含め、13,479,700円となる。
 労働災害が無い場合の業務災害分の労災保険料率は213万円であり、「その他の製造業」の第一種調整率は0.67であるので、

 メリット収支率      13,479,700円     
(213万円 × 3年間 × 0.67)
314.9% (メリット増減率は+40%)

 メリット労災保険率 = 業務災害分料率 ×( 1 + メリット増減率(%)) + 非業務災害率より、

  (   8  
1,000
 0.9 
1,000
× (100+40)
100
(%)  0.9 
1,000
10.84
1,000

業務災害分 500万円 × 100名 × 10.84
1,000
 0.9 
1,000
497万円

 メリット制適用後の保険料額 500万円 × 100名 × 10.84
1,000
542万円

無災害時と比べ  542万円 − 258万円 = 284万円の増となる。


 労働者数が500名規模の場合

 標準保険料額 500万円 × 500名 ×   8  
1,000
2,000万円

うち業務災害分 500万円 × 500名 ×  7.1 
1,000
1,775万円

 (1)  労働災害が無い場合

 メリット収支率の分子に計上される額は0万円であり、分母に算入される「その他の製造業」の第一種調整率は0.67であるので、

 メリット収支率         0万円        
(1,065万円 × 3年間 × 0.67)
0% (メリット増減率は−40%)

 メリット労災保険率 = 業務災害分料率 ×( 1 + メリット増減率(%)) + 非業務災害率より、

  (   8  
1,000
 0.9 
1,000
× (100−40)
100
(%)  0.9 
1,000
 5.16 
 1,000

業務災害分 500万円 × 500名 ×  5.16 
 1,000
 0.9 
1,000
1,065万円

 メリット制適用後の保険料額 500万円 × 500名 ×  5.16 
 1,000
1,290万円

 (2)  過去、無災害の事業場で、災害が1件発生し、入院加療後(医療費等100万円)、死亡した場合

 メリット収支率には以下の給付金が算入される。
 被災労働者の給付基礎日額を9,890円(91日)とすると、労働基準法相当額である給付基礎日額は1,000日分(9,890,000円)となる。
 遺族特別年金は、算定基礎日額が1,978円となるので、労働基準法相当額は算定基礎日額の1,000日分(1,978,000円)となる。
 その他、葬祭料(611,700円)、医療費(100万円)を含め、13,479,700円となる。
 労働災害が無い場合の業務災害分の労災保険料率は1,065万円であり、「その他の製造業」の第一種調整率は0.67であるので、

 メリット収支率       13,479,700円      
(1,065万円 × 3年間 × 0.67)
63.0% (メリット増減率は−10%)

 メリット労災保険率 = 業務災害分料率 ×( 1 + メリット増減率(%)) + 非業務災害率より、

  (   8  
1,000
 0.9 
1,000
× (100−10)
100
(%)  0.9 
1,000
 7.29 
 1,000

業務災害分 500万円 × 500名 ×  7.29 
 1,000
 0.9 
1,000
1,597.5万円

 メリット制適用後の保険料額 500万円 × 500名 ×  7.29 
 1,000
1,822.5万円

無災害時と比べ 1,822.5万円 − 1,290万円 = 532.5万円の増となる。


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