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血液製剤に関する報告事項について


 ○  輸血用血液製剤でHIV感染が疑われる事例について

 ○  薬事法違反業者に対する行政処分について(概要)
 (平成16年3月25日付け監視指導・麻薬対策課報道発表資料)

 ○  人血清アルブミン(バクスター)に係る医薬品感染症症例報告について

 ○  Rh式血液型が製剤ラベルの表示と異なる血液製剤を供給した件について
 (平成16年5月10日付け日本赤十字社報道発表資料)

<参考>
  ・  血液製剤に関する報告事項について
 (平成16年5月17日付け血液対策課事務連絡)

  ・  血液製剤に関する報告事項について
 (平成16年5月25日付け日赤提出資料)

  ・  IgA 欠損症患者へ対応するために貯留保管が未完了のFFPを供給した件について(資料作成依頼)
 (平成16年4月16日付け血液対策課事務連絡)

  ・  IgA 欠損症患者へ対応するために貯留保管が未完了のFFPを供給した件について
 (平成16年4月21日付け日本赤十字社提出資料)

  ・  血液製剤のプリオン病対策等に対する問診マニュアルの一部改訂について
 (平成16年3月26日付け日赤事業局長通知)

  ・  英国における異常プリオンに関する報道
 (平成16年5月21日・22日)

  ・  (参考)安全対策業務の流れ



輸血用血液製剤でHIV感染が疑われる事例について


1.経緯等
 平成15年9月5日、後天性免疫不全症候群発生届にて感染経路として輸血が考えられるHIV感染者が報告されたとの情報を入手。同日、当該報告医が、同事例について副作用感染症報告を日本赤十字社に提出、これを受けて同社による調査が開始され、その結果が、平成15年10月30日に開催された第95回エイズ動向委員会(委員長:吉倉廣国立感染症研究所長)に報告された。

2.事例
 50歳代の男性で平成15年の3月〜7月に赤血球製剤(MAP16単位)の輸血を受けた後、実施した血液検査においてHIV感染を確認(WB検査陽性)。報告医は感染経路として輸血を疑っている。

3.事実関係
 1) 輸血された輸血用血液製剤について
当該感染者には、8人の供血者から採血された赤血球製剤(MAP)が8本(保管検体の個別NATはいずれも陰性)投与された。
 2) 他の血液製剤への影響について
投与された赤血球製剤の原料血液からは、他に新鮮凍結血漿と血漿分画製剤用の原料血漿が製造されていた。
原料血漿については流通を停止。
新鮮凍結血漿については3本が製造されており、既に他の医療機関で3名の患者に投与されていた。(他に行方不明の製剤はない。)
 3) 新鮮凍結血漿の投与を受けた3名について
1名は既に原疾患により死亡
残り2名については輸血後(約6ヵ月後)の抗体検査で陰性。

4.エイズ動向委員会での専門家からの意見
 記者会見では、「HIVの感染が輸血用血液製剤によるか追求すれば、患者のプライバシーに関わりうるケースである。」との発言があった。

5.エイズ動向委員会後の事実経過
 1) 健康状態の確認を行っていた2名の受血者は、いずれも感染していなかったことが確認された。
 2) 供血者の次回献血での検査については、平成16年5月25日現在、8名中4名が来訪し、感染していなかったことが確認された。

6.今後の対応
 当該感染者のプライバシーの最大限尊重を徹底しつつ、引き続き調査を継続するよう指導してまいりたい。



人血清アルブミン(バクスター)に係る医薬品感染症症例報告について

 経緯等(平成16年4月23日時点)
 平成16年4月15日、バクスターから厚生労働省に報告があった。現時点での情報では、以下のとおり。
(1)  平成14年5月出生直後、食道閉鎖症の診断にて手術。術前検査ではHCV(−)。術後アルブミン25%「バクスター」を10cc補充使用(他の血液製剤は未使用)。
(2)  同年8月、心臓疾患のため手術。術前検査結果でHCV(+)。臨床症状はなし。術中に赤血球製剤使用。
(3)  患児は現在、自覚症状なく、状態は安定している。

 調査方針及び内容
 平成16年4月15日(一部20日に追加)に岡田委員と相談後、バクスター等に対し以下の指示を出した。
(1)  当該ロットの有効期限の確認
→既に、有効期限切れ(平成15年9月2日)であることを確認済み
(2)  平成15年8月8日、バクスターから厚生労働省へ報告された事例(平成14年12月10日変形関節症左甲脛骨切除術でブミネート5%(人血清アルブミン)投与(輸血及び上記以外の血漿分画製剤は未使用)後、平成15年4月2日HCV(+)となった事例。なお、術前検査ではHCV(−)。)と同一ロットか否か
→既に、同一ロットではないことを確認済み
 以上のほか、不活化されている血漿分画製剤からの感染は考えにくいこと、抗体陽性をもってウイルスの現時点での存在を証明するものではないこと等から、回収等の措置は執らないこととした。

 また、5月19日にはバクスターから、以下の事項も確認した。
(3)  同一ロット(13,156本)及び同一原料血漿から作成された製剤による国内外の副作用情報はないこと
(4)  同一の保存ロット及びプ−ルの原料血漿でHCV検査を実施した結果、HCV RNA定量及びHCV抗体(−)であった。
(5)  患児のHCV RNA定量(+)
(6)  HCV(+)に対する考え方及び平成15年8月報告事例への対応状況の提出(別紙参照)

 なお、現在、当該院内の感染症対策委員会にて、原因を究明中と聞いている。



平成16年5月10日

報道機関各位

日本赤十字社 血液事業部


Rh血液型が製剤ラベルの表示と異なる血液製剤
を供給した件について

 今般、Rh血液型が製剤ラベルの表示と異なる血液製剤が平成16年5月8日に石川県内の医療機関に供給され、同日に該当製品を医療機関からクラスIの回収をいたしました。

(概要)
 平成16年5月8日に、石川県赤十字血液センターから県内の医療機関に供給されたB型Rh(−)の照射赤血球M・A・P「日赤」1単位について、当該医療機関の輸血前検査で、当該製剤の交差適合試験(クロスマッチ)を行なったところ、Rh(+)であったため使用されませんでした。
 以上の結果が当該医療機関から石川県赤十字血液センターに連絡が入り、誤表示が判明したため、直ちに回収いたしました。
 当該製剤は、平成16年4月30日に長野県赤十字血液センターで製造されたものであり、同年5月7日に需給調整で石川県赤十字血液センターに供給され、石川県赤十字血液センターから県内の医療機関に供給された血液であります。
 医療機関からの指摘を受け、長野県赤十字血液センターで当該製剤の検査結果等の記録を調査したところ、B型Rh(+)でありました。
 誤表示となった原因を調査したところ、検査結果判定の際にRh(+)と記載すべきところを誤ってRh(−)と記載し、タブルチェックの段階でも的確な照合が行なわれなかったことによるものであります。
 なお、同日及び過去2年間の検査結果を調査したところ、他に誤表示はなく、誤表示があったのは、今回供給された製剤1本だけであり、患者さんには使用されておりませんでした。また、当該製剤は200mL採血由来の製剤であり、同一献血血液からは分画製剤用の原料血漿が作られておりますが、分画製剤については、血液型は関係なく、最終製品の安全性には何ら問題がありません。

(今後の対応)
 当該血液センターにおけるタブルチェックの方法等の見直しを図るとともに、職員への再教育訓練を実施いたしました。
 職員への教育訓練については、今後とも継続的かつ重点的に取り組んでまいります。
 また、各血液センターに対しては、今回及び先般のコンピューターへの入力ミス等の事例を踏まえ、再度検査結果と検査結果に基づく判定結果の照合確認におけるダブルチェックの確実な実施について周知いたします。

 本件の経緯については、以上でありますが、日本赤十字社といたしましては、当該医療機関や関係者に方々にご心配をお掛けし、深くお詫び申し上げますとともに、今回の事例を真摯に受け止め、再発防止に万全を期すよう、全国の血液センターへの指導を徹底していく所存であります。

 (注)需給調整
 医療機関から血液の注文があった場合、注文を受けた血液センターに在庫がない場合に他県の血液センターから血液を融通すること。


(照会先)
日本赤十字社血液事業部企画課
直通03−3437−7506



事務連絡
平成16年 5月17日
日本赤十字社事業局 御中

薬事・食品衛生審議会血液事業部会事務局
厚生労働省医薬食品局血液対策課


血液製剤に関する報告事項について


 血液事業の推進に御努力いただき、厚く御礼申し上げます。
 さて、標記につきましては、平成16年4月16日付け血企第157号にて貴社から報告をいただいたところです。平成16年6月1日(火)に平成16年度第1回血液事業部会安全技術調査会が開催されますので、下記の事項について資料を作成いただき、平成16年5月24日(月)までに当事務局あて提出いただきますようお願いします。
 なお、資料の作成に当たっては、供血者、患者及び医療機関の名称並びにこれらの所在地若しくはこれらの事項が特定できる情報を記載しないよう、個人情報及び法人情報の保護に特段の御配慮をお願いします。


第1  平成15年9月5日付けで報告された輸血用血液製剤でHIVの感染が疑われる事例について、残る4人の供血者のその後の検査結果。来訪がなければ、その旨。

第2  平成16年5月10日付けで報告されたRh式血液型が製剤ラベルの表示と異なる血液製剤を供給した件について、概要及び今後の対応。



血企第190号
平成16年5月25日
厚生労働省医薬食品局血液対策課長 様

日本赤十字社 事業局長


血液製剤に関する報告事項について


 平成16年5月17日付事務連絡によりご依頼のありました標記の件については、 下記のとおり回答いたします。


第1  平成15年9月5日付けで報告された輸血用血液製剤でHIVの感染が疑われる事例について、残る4人の供血者のその後の検査結果。来訪がなければ、その旨。
⇒ 平成16年5月23日現在、来訪はありません。

第2  平成16年5月10日付けで報告されたRh式血液型が製剤ラベルの表示と異なる血液製剤を供給した件について、概要及び今後の対応。
⇒ 別紙のとおり。


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