04/05/18 精神障害者の地域生活支援の在り方に関する検討会第8回議事録             第8回精神障害者の地域生活支援の               在り方に関する検討会議事録          厚生労働省社会・障害保健福祉部精神保健福祉課      第8回 精神障害の地域生活支援の在り方に関する検討会議事次第          日時:平成16年5月18日(火)10:00〜12:30           場所:中央合同庁舎5号館共用第8会議室(6階) 1.開会 2.ライフステージに応じた住・生活・活動の支援体系の再編の基本的考え方の検討に   ついて 3.その他 4.閉会 資料1    委員名簿 資料2    精神障害者の地域生活支援の在り方に関する検討会中間まとめ 資料3    第8回検討事項 資料4    第8回検討事項関連資料 参考資料1  今後の精神保健福祉対策の基本的考え方(将来ビジョンの枠組み) 参考資料2  精神病床に関する検討会中間まとめ ○高橋座長  皆さん、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第8回精神障害 者の地域生活支援の在り方に関する検討会を開催したいと思います。  前回、中間報告が出まして、いよいよ後半ラウンドに入るわけですけれども、皆さん 方におかれましては御多忙のところ御出席いただきましてありがとうございました。  それでは、事務局より配付されました資料の確認をしていただきたいと思います。そ の後、議事に入りたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○渡辺課長補佐  本日の資料でございますけれども、議事次第と座席表が最初にございます。資料1で ございますが、委員名簿でございます。資料2でございますが、本検討会の中間まとめ を前回の御議論を踏まえて修正させていただいたものでございます。資料3でございま すが、本日御検討いただきます検討事項でございます。資料4でございますが、この検 討事項に関連する資料でございます。  次は参考資料になりますけれども、前回にも事務局より提出させていただきました病 床検討会と本検討会に共通しますところの「今後の精神保健福祉対策の基本的考え方 (将来ビジョンの枠組み)」というふうにカッコでつけてございますけれども、その資 料。それと、病床検討会のほうでの中間まとめの資料、それと前回までの資料をファイ ルしたものをお配りしてございます。不足、乱丁等ありましたら、事務局までお申しつ けくださいませ。  なお、その資料とは別に、第7回の議事録をお配りしてございますけれども、何か御 意見がございましたら、恐縮でございますが、5月28日までに御連絡いただければとい うふうに思います。なお、第6回の議事録につきましては、修正意見等踏まえて、ホー ムページ上に掲載させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。資料のほうはよろしゅうございますか。不足分があ りましたら、事務局のほうにお願いします。  前回の会議で中間報告が示されて、その後、今回も含めてあと4回検討を進めて、最 終的な取りまとめを行って、秋以降の審議会等に反映させていきたいということになっ ております。本日は「ライフステージに応じた住・生活・活動の支援体系の再編の基本 的な考え方の検討」ということでございます。資料3に示してあります検討事項につい て、「1.基本的な考え方」「2.住居支援」「3.就労支援・活動支援」「4.居宅 生活支援」「5.重度精神障害者を包括的に地域で支える仕組み」というふうにそれぞ れのブロックごとに区切って、事務局から資料3と4の説明をしていただいた後、議論 に入りたいと思います。  皆さん方には議事の進行について御協力をお願いします。  それでは、事務局から資料3の「1 基本的な考え方」の部分に関する説明をお願い したいと思います。また、中間修正分も含めてよろしくお願いいたします。 ○内田主査  それでは、資料の説明をさせていただきます。  まず、資料2でございます。「中間まとめ」の修正点につきまして御説明申し上げま す。  修正点は、まず「1.退院後における地域生活を継続する体制づくり」の(1)の 「(2)住居支援」、1頁目でございます。  丸の部分、「地域での支援体制を確立することにより、精神障害者が施設やグループ ホーム等を経て」の後に、「中間まとめ」の前回お出しした案の段階では「最終的には 」という文言が入っておりましたが、こちらのほうを削除させていただいております。  続きまして、1枚おめくりいただきまして、2頁でございます。「(3)就労支援・活 動支援」の一番上の丸でございます。「特に現役層においては、社会の中で役割を持っ てもらうための就労支援の方策が重要であり」の後でございます。前回の「中間まとめ 」の案では、「授産や福祉的就労から一般雇用へと結び付けるための施策」となってお りましたものを「本人の状態、職業能力に応じて授産や福祉的就労から一般就労へと結 びつけるための多様な雇用・就業機会の確保を含めた施策」というふうに改めさせてい ただいております。  続きまして、その2つ下のポツの部分でございますが、「現在、就業・生活支援セン ターが担っている」というふうにあるものでございますが、3行目の「一般雇用への移 行」といいますものが前回の案の段階では「過渡的雇用の促進」となっておりましたも のを「一般雇用への移行」というふうに改めさせていただいております。  続きまして、1枚おめくりいただきまして、(2)のケアマネジメント体制の確立と いうところの基本的な考え方の一番下の点の部分でございますが、「危機介入的な相談 支援体制の在り方についても検討すべきではないか」という一文を付け加えさせていた だいております。  さらに(2)の「ケアマネジメント体制」の一番上の丸の部分、2行目でございます。 「有する既存の社会資源を活用しつつ」の後、「地域性や」という文言を付け加えさせ ていただいております。  続きまして、(3)の「国・都道府県・市町村の役割分担」という部分でございます が、こちら2番目の点、一番上の点、丸のすぐ後の「国としては国民に対し」というと ころ、さらにその次の点でございます、当初は3つの部分の点につきまして、それぞれ 「中間まとめ」の段階では「国としては、精神障害者の保健医療福祉に関する基本的な 計画を明確に示していることが必要ではないか。当事者、家族が求めているのは金銭で はなく、勇気を与えてくれるような施策であり、国としては国民に対し、明確なビジョ ンを示す必要があるのではないか。国の役割としては各地で行われているモデル的な取 り組みを「点」から「線」に、さらに「面」とするよう、全国に広げていくような仕組 みを構築することではないか」という3点をまとめさせていただきまして、「国として は、国民に対し、明確なビジョンや精神障害者の保健医療福祉に関する基本的な計画を 示し、当事者・家族に勇気を与えることが必要ではないか」「国の役割としては、地域 の状況も踏まえつつ各地で行われているモデル的な取り組みを「点」から線に、さらに 全国的な「面」とするような仕組みを構築することが必要ではないか」という2点にま とめさせていただいております。  続きまして、最後の修正点でございますが、その下の(3)「市町村の役割」というと ころの丸の次のポツの部分でございます。「精神保健福祉に関し、現在、ノウハウが乏 しい市町村では」の後、「国や都道府県のバックアップにより」という文言を挿入させ ていただいております。「中間まとめ」の修正点につきましては以上でございます。  さらに続きまして、資料3の最初の部分の御説明に移らせていただきたいと考えてお ります。  基本的に資料3と資料4につきましては、セットでお目を通していただければと考え ておりまして、資料3のほう、それぞれの四角で囲みました部分、こちらが「中間まと め」から該当する部分を抽出しておるものでございます。その後、新たな論点というも のを(1)(2)(3)というふうに記載させていただいておりまして、それぞれの最後に矢印 で資料4の何頁というふうに記入させていただくような構成になっております。  そして、こちらの資料4の何頁という部分が該当部分の資料となっておりますので、 こちらのほう、適宜、御参照いただきながら、御検討いただければというふうに考えて おります。  まず、今回御議論いただく点は、ライフステージに応じた住・生活・活動等の支援体 系の再編ということで、基本的に住・生活・活動等の支援体系につきまして、障害者の 状態等と社会資源とをどのように結びつけるのか、自立に向けて必要な能力を向上する ためにはどのような機能が必要なのかといった視点から、現行の支援体系の再編の在り 方について御検討いただければというふうに考えております。  論点の一番最初、基本的な考え方に関する点でございますが、まず「中間まとめ」の 「現行の支援体系について、障害者の状態等と社会資源とをどのように結びつけるの か、自立に向けて必要な能力を向上するためには、どのような機能が必要なのかといっ た視点から再検討し、システムの再編を図ることが必要である。  ・再編に当たっては、障害者の自立に向けて必要となる機能を明らかにしつつ、既存 の施設やサービスをその機能面から再整備すべきではないか。  ・入院期間の違いやライフステージの違いなどに応じて必要な支援は異なるが、その ような違いに応じたサービスの在り方を検討する必要があるのではないか。  ・身体、知的、精神の3障害それぞれの特性を踏まえつつも、3障害に共通した問題 については障害の枠を超えた支援を行っていくべきではないか。」  以上の中間まとめの部分に該当する論点といたしまして、(1)に示してございます 「今後の精神障害者へのサービスの基本的な枠組みについては、資料4−1頁のとお り、生活支援、住まいの場、活動支援のそれぞれの機能を踏まえ、障害者の状態等に応 じた支援体制を重層的に整備していくという考え方で良いか。」という論点でございま す。  資料4−1頁といたしましては、「各種メニューのイメージ」といたしまして、ごら んのような生活支援、住まいの場、活動支援、それぞれに生活支援でありましたら訪問 サービス、ショートステイ、精神医療費公費負担制度といったサービスメニュー、さら に住まいの場につきましては自宅、グループホーム、生活訓練といったメニュー、活動 支援につきましては雇用、職業訓練、デイ(ナイトサービス)といったメニュー、この ような大まかに3つのカテゴリーに分けて精神障害者の状態等に応じて重層的にサービ スメニューを今後構築していくという方向性でよろしいかどうか御検討いただければと いうふうに考えております。1に関します資料の説明は以上でございます。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。  それでは、資料3の「1 基本的な考え方」の(1)に関しての御議論をいただきたい と思います。基本的にはこの3つのカテゴリーに分けて、住まいの場と活動、支援とい うのが重層的といいますか、段階的に支援をしていこうということでございますけれど も、こんな支援体制で整理するということで問題ないかと思いますけれども、御議論い ただけたらと思います。どうぞ。 ○谷野委員  後半に入る前に、総論的なことですけれども、かねてちょっと気になっておったので すけれども、“地域”という言葉が昔は、座長もよく知っておられると思いますけれど も、大学紛争のころは“コミュニティ”という言葉がいろいろな人たちから出てきて、 それなりにコミュニティ論はあったんですけれども、今、地域というのはどういうふう に考えていいのか。地域というのはある意味で崩壊しておると思うのですね。ちょうど 寺谷さんがいるので、寺谷さんとか、ワーカーの立場として、地域精神医療とか、地域 サポートとかいろいろな本を読んでも、地域とはなんぞやというふうに書いてあるのが 一つもないんですね。  地域の定義。なぜ要るかというと、地域のいろいろなメニューを利用しているユーザ ーの方は、もう地域外の人から来ている人が多いんですね。そういう場合に、本当にそ れが地域のメニューとして、それからユーザーとしても地域という感覚があるのかどう か。そこら辺、ちょっと寺谷さん、教えてくれんかな。どなたでもいいんですが。 ○高橋座長  では、高橋さん、何かありましたら、どうぞ。 ○高橋(紘)委員  私は地域福祉論というのをやっておりますので、若干の整理をさせていただきたい。 話せば長くなりますので、かいつまんでいいますと、一つは御承知のようにエリアです ね。もう一方で、そこに居住する人々がさまざまな社会関係を営んで共同の生活を送る 一つの単位、そしてそこにはさまざまな参加がありますし、それからそこで自分たちの 意思を集約して、これは「自治」ということとも関係いたしますが、そういうことでの 単位というのがあるわけです。  自治というのは、何も基礎自治体、地方行政の自治とか、政治的な自治ばかりではな くて、昔でいえば“字(あざ)”なり、集落の中で行われた、共同生活を営んでいく上 でのさまざまな意思決定をしながら、いわば村の生活というのが営まれていたと。これ が多分原型だろうというふうに思いますが、そこでは人間が生活者として登場するわけ ですね。さまざまな社会関係を営むには、さまざまな資源を活用しながら、生活者とし て登場していく。  ということでいえば、福祉に即していえば施設と言うのは、その生活を全部、制度が 取り込んで管理するということがございますが、地域社会の生活では人々が自己決定の 中でさまざま自由にいろいろな制度を使いこなしながら生活していくという、そういう ことかというふうに思っております。  そうしますと、そこはやはり生活圏域というのがあって、そこの中に人々がさまざま な必要な資源を活用しながら、自分の生活を自己実現していける場として、これは自ず から人は一つの空間の中で生きていますから、そういうものを保障する。ですから、医 療でいえば、医療も一つの資源でありますが、それが生活をすべて覆い尽くすようなこ とにはならないはずです。さまざまな他の、それこそ福祉サービスもありますし、文化 的な活動もありますし、自らの選択で自由に活動する。これを自ずから観察をしていま すと、ある一定の範域がある。そして、それは他方でいうと、さまざまなサービスが提 供できる場というのがある。そういうものを総合しながら、生活圏域というふうに、こ れは介護保険の議論でもその議論を今盛んにしておりますが、地域生活の中で、生活圏 域で提供できるさまざまな介護サービスを再構築しようという議論を今しているんです が、そういうようなものとして地域というのは非常に重層的な概念ですので、なかなか 曰く言い難いところがあるわけですが、やはり生活を営む場としてある空間と人々の関 係の共同性というか、そういうもので、ある単位というものが、これは歴史的にも形成 されますし、一方でサービス利用圏域というような形でも形成されますのであります が、我々としては地域崩壊とかいろいろな議論で言いますのは、従来の共同体的な秩序 が崩壊してきているということでありまして、それをどういう形で再構築していくかと いうのが課題である。これはとりあえず精神医療とか、そういう問題とは別に一般的な 定義です。  我々の使い方としては、“コミュニティ”というのはむしろ人間の関係性とか共同生 活性とか、そういうものに即した側面を浮き上がらせたいときにコミュニティというふ うに、日本語の文脈でございますと言うわけですが、地域というのはむしろ“エリア ”、ある一定の範域という概念として使われていくというような、これは学生に一番初 めにしゃべるとしたら、こんなことをしゃべっておりますということです。  そういうことで、その中で精神障害者の地域生活支援をどう考えるかは、この応用編 になるというふうに考えております。 ○高橋座長  地域ということを総括的にお話しいただきました。谷野委員の疑問点は、地域が崩壊 しているということですか。その辺はどういうところでですか。 ○谷野委員  それは先生のほうがよく知っていると思いますが、昔はやはり地域というのはあった んです。ところが、今、ちょっとピンとこないけれども、思いつくままから言えば、例 えば市町村合併とかいろいろあって、地域の出入りが激しい、いわゆる近所づきあいと いうものが希薄になってきているし、地域というものがだんだんと住民の出入りがあっ たりして、地域感覚というものがあまりないのではないかなと。  それが一つと、これは昔から言われることですけれども、いわゆる都市部での地域と いうのはどういうことなのかというようなことですね。都市部でも一つのコミュニティ はあると思うんですけれども、そこら辺あたりが地域推進医療ということから始まっ て、今聞いて少しは総論的にはわかったんですけれども、やはり地域性がだんだん昔か ら見ると希薄になっておるなという気はするんですね。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。おっしゃりたいところは、共同体的なものが崩壊し ているというポイントかと思いますけれども、この場での議論は、昨年、審議会の精神 障害分会でまとめたものの中に、「住み慣れた場所でのサービスを受けられる」という のがありますので、そんなふうに今のところ考えて進んだらどうかと思いますけれど も、よろしいですか。住み慣れた場所でサービスを受けるのだというポイントですね。  どうぞ、上森委員。 ○上森委員  谷野先生の御質問に関連しまして、私も個々の問題に移ります前に、ちょっと体験的 なことを申し上げますが、実はきのうとおとといの2日間にわたりまして同じ宿に泊ま ったんですが、アメリカのカリフォルニア州から来た当事者の皆さんと話し合いをいろ いろな範囲でしたわけです。私もここに出させていただいている以上、いろいろ聞きた いこともございます。  今の“地域”という言葉についてとりあえず申し上げますが、カリフォルニアは膨大 な人口、土地、持っておりますけれども、regionととらえるか、areaととらえるか、 stageととらえるか。“地域”という日本語はかなり曖昧な線がございますね。彼らが 言っているのは、日本語で申しますとロサンゼルス郡と。つまり、ロサンゼルス市と か、ロングビーチ市を包含したところの、日本で言う埼玉県何々郡という、ああいうふ うな小さい郡ではないと思います。いわゆるロサンゼルスCounty、やはり郡というふう な訳になってしまうんですが、そこを彼らは地域というふうにとらえているという印象 はございました。  そして、また個々の毎日の活動におきましては、ロサンゼルス郡自体は相当な面積、 人口も抱えておりますので、実際の行動、毎日の活動ということで彼らの自助組織はロ サンゼルス郡をさらに幾つかに割りまして、4つ5つだと思いますが、活動地域といっ たらわかりやすいと思うんですが、自分で車で行ったり、あるいは仲間の患者さんを車 でお迎えに行ったり、そういった活動が可能な範囲、1日で往復できて、それなりの仕 事ができる範囲ということを彼は私の表現の“地域”ということをそのように解釈して いるように思いました。  いろいろ後で申し上げるかもわかりませんが、とりあえずそういう点でございます。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。非常に重要な問題かと思いますけれども、これ、議 論するとなかなか時間もとってしまうかと思いますので。 ○高橋(紘)委員  一言だけ。 ○高橋座長  どうぞ。 ○高橋(紘)委員  基本的には、地域概念の一番コアになるのは、その人の居場所。最近、コミュニティ 論で「居場所」という議論がものすごく重要になっていて、そこでその人が自立し、自 分の選択をし、生活を決めることのできる拠点としての居場所というものがあって、そ こからさまざまな社会環境をとります生活行動圏というのが発生する。  そういうところで、やはり“地域”と言わずに、その生活者の拠点としての居場所か ら見て、その空間なり、あるいはバーチャルコミュニティもあるわけですし、職域でい えばとはるかに超えているわけなので、やはり居場所からの関係性という形でとる。  これは地域精神医療を考えるのに大変重要なポイントだというふうに、福祉の場合は 最近思っておりますが、コメントさせていただきました。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。「居場所から」ということで、一つの視点ができた と思います。どうぞ。 ○村田委員  質問をしたいと思います。「各種メニューのイメージ」の左側の生活支援に一番上の 訪問サービス、それで看護は医療機関が実施というふうに書いてありますけれども、こ の内容についてお知らせいただきたいというふうに思います。  訪問看護は、精神病院の医療機関からの訪問看護と、訪問看護ステーションらの訪問 看護と、双方ございます。精神にしても、障害者の訪問も、この記載している意味合い はどういうことなのか、お教えください。 ○内田主査  訪問看護ステーション等も含めた総合的な意味での医療を提供する機関という意味で ございます。 ○村田委員  医療機関という方面で。 ○高橋座長  訪問看護ステーションも含める。医療の中に看護も含めるということですが、よろし いですか。 ○村田委員  はい、ありがとうございます。 ○高橋座長  ほかにございませんでしょうか、システムとか重層的に考えるという面で。はい、ど うぞ。 ○板山副座長  ちょっといいですか。まとめのほうは、文章ではいいんだけれども、図面にしますと 特に生活支援のところは、例えば訪問相談とか、相談とかそういう機能、あるいは苦情 解決とか、権利擁護というふうな面が3つに分けて表示してしまうと極めて限定的にな ってしまって、文章のほうで、「障害の程度とかニーズに応じてさまざまなことを重層 的に考える」と言っていながら、図面にすると生活支援というこの3つかというふうに 誤解されてしまう。ここの表現はよほど工夫しないと、今のような問題も含めて、住ま いとあるいは医療、看護、そういったものもダブる面も相当あるわけですから、あまり 短絡的に図面化してしまうと誤解を招く、そういう感じがしますね。  特に、権利擁護とか、相談、助言というような問題は精神障害者の地域生活支援の重 要な役割を果たすのですから、それはどこに位置づけられるか、ないんですよ、これ。 そういったことを少し考えてほしい。 ○高橋座長  その点、一番下のケアマネジメント体制、これはまさに権利擁護であり、また相談… …。 ○板山副座長  これを書いてしまうと、生活支援というのはこの3つだというふうに誤解されるんで す。こういう表現はまずいと思うんです。生活というのはさまざまなニーズがあって、 それに対する支援施策というのがあるはずだから、こんな単純なものではないです。そ ういう意味で問題を提起しておきたい。 ○高橋座長  どうぞ。 ○高橋(紘)委員  今の板山副座長の御発言は、私、大変同感をいたします。そういう意味でいえば、さ まざまなサービスやメニューが提示される前に、先ほどちょっと居場所ということを申 しました理由は、そこで自分たちの自己決定を行い、そして権利が侵害されていればそ の権利を回復し、それを代弁する機能があって、そしてその上でサービスが選択され る、その上でサービスが評価されるという、そういう視点です。  ですから、ここにこういうサービスの分化する前に、先ほどの議論でいえば地域生活 支援というのはどういうものであるかという、そういう意味でケアマネジメントも私は エンパワーメント、要するに主体としてサービスを選択することを支援するものである という側面と、個々のサービス調整、それから当然今介護保険で行われるような給付管 理、認定というものときちんと分けて、その上で整理するということ、そういう視点を きちんとわかるようにしておく必要があるのではないかと思います。 ○高橋座長  どうぞ、鶴見委員。 ○鶴見委員  重層的な考え方とか3障害という、基本的な考え方は賛成なのですけれども、この図 の「住まいの場」と「活動支援」ということで雇用の部分の、能力に合わせて段階論は 必要なんですけれども、これだとパッと見てしまうと順番に訓練していくというイメー ジになるので、例えばこれは住まいの場が横を向いて、どこからも能力に合わせて適切 に使えるというような図になっていったほうが非常にいい。あと矢印も1方向性でない ほうがいいのかなという感じがします。  「中間まとめ」の中で、「就労の部分に能力に応じて」というふうに付け加えたと先 ほど修正があったように、住居のところでもぜひ「中間まとめ」の中に段階的なことも 非常に有効な群がいるんだけれども、本人のニードや本人の考える期待というところの 資源を使いやすいというような流れの両方があったほうがいいと思います。 ○高橋座長  具体的にどんな修正をすればよろしいですか。 ○鶴見委員  「住まいの場」だと、横を向いて、ケアマネジメントとかニードに合わせて。これだ と生活訓練施設からでないと使えないようなイメージになるので、図が横を向くほうが いいんじゃないでしょうか。 ○高橋座長  では、事務局から。 ○内田主査  あくまでもこのポンチ絵に関しまして、確かに御指摘の工夫が足りない点等ございま すけれども、重層的に、大まかにこういうふうなカテゴリーでの考え方があるのではな いかということだけをお示ししたような図でございますので、詳細な点等につきまして はまた事務局のほうで工夫はさせていただきますが、基本的にこういう重層的にという 点について御検討いただければというふうに考えております。 ○高橋座長  どうぞ、伊藤委員。 ○伊藤委員  1点だけ、この資料4−1頁目の絵なんですけれども、「各種のメニューのイメージ 」ということではなくて、「地域生活支援の各種のイメージ」という表題が一番上にく るのではないかと思うんです。生活支援というのは3つの柱の1つではなくて、全体を 取りまとめる概念のはずなんですね。生活支援の中に入って具体的なこと、どういう表 現がいいかわかりませんが、例えば医療に「アクセスすることについての支援」だと か、「住まいを確保するための支援」とか、「就労支援」だとか、そういう適切な柱立 てにして、一番まとめの概念が「生活支援」ではないかと思うんですが。 ○高橋座長  はい、わかりました。左端の生活支援、ここに“生活支援”という言葉を使ってしま うと、ちょっとまずいのではないかということですね。どうもありがとうございまし た。  どうぞ、寺田委員。 ○寺田委員  各種のサービスを生活支援、住まいの場、活動支援ということで、3つのカテゴリー に整理したということは一つの整理、区切りだと思います。それとケアマネジメント体 制を確立するということがセットとして考えられている、すべてのベースに置かれてい るという点ではこの整理は有効なものだろうなと、そんなふうに思います。  ただ、それぞれのカテゴリーごとにサービスが例示されているということなんだろう と思いますが、果たして既存のサービスだけで、それを整理し直すということだけで果 たしていいのかどうか、そこのあたりが一つ足りないと。地域生活を支えるという意味 で、もっと必要なことは何なのかという、ここの部分での検討がひとつされることが必 要だと思います。  それともう一つ、それぞれのサービスで使い勝手が果たしていいのかどうか。例え ば、前から議論されておりますけれども、ホームヘルプがグループホーム利用者には使 えないことだったり、まして今後重度対応までしようということなわけですから、そこ のあたりの使い勝手というようなことがしっかりと検討されなければ、この体系もなか なか意味をなさないなと、そういうふうに思います。  そして、先ほど鶴見委員が指摘された部分は非常に大事なことで、社会復帰施設の一 つのカテゴリーである生活訓練施設は、確かにこれがスタートしたときから通過型の施 設ということで私たちも活動してまいりました。ですから、これをここからさらに次の 生活の場へ移っていく、この考え方は私たちはうなずけるものでございますけれども、 その先がグループホームがあって、それから最終的に自宅での生活、これを目指すとい うのは果たしてどうかなと。それは就労という点でも全く同じことで、その点、先ほど 鶴見委員が指摘されましたように、この生活支援の基本的な考え方では、障害者の状態 等に応じてそれぞれのステージごとに適したサービスを組み合わせていく、こういう体 制をつくるということが大事なわけで、このような一方通行の方向性を示すということ だけではなかなか対応し切れないなと、こんなふうに思います。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。今まで出てきた議論で、例えば権利擁護とか相談シ ステムとか、今、寺田委員が言われた新しいサービス、それも加える必要があるのでは ないかというようなことは、これからの議論で多分出てくると思います。次回、ケアマ ネジメントに触れます。  ですから、このイメージに関しては、そういう議論を経た上でもう一度練り直したら いかがでしょうか。               〔「はい」という声あり〕 ○高橋座長  そういうことで、次へ進ませていただきます。寺谷先生、どうぞ。   ○寺谷委員  せっかくまとめに入ってところで恐縮です。このメニューのイメージというのは非常 にシンプルにして説明なさっていることだと理解して受け止めておりました。  ただ、図式化したときに、先ほど谷野委員のほうから出されましたコミュニティの考 え方、コミュニティとは何かという議論をするつもりはございませんけれども、通常、 私たちが地域生活といったところには御自分なりの範囲の狭さやまた広さもそれぞれ独 自なものがございまして、もっと移動の機能ですとか、また供給システムが従来どおり の施設や専門家に属してあるというふうに考えたときのサービスの供給システムなの か、その辺、きっと変わってくるのではないか。変わっていきたいなと思っている一つ なんですが、どこに病院があろうとも、その供給が具体的にアウトリーチというソフト のサービスを多様に開発しながら、そこで例えば谷野先生の病院が地域から離れた場所 にあって、自分のエリア外の患者さんたちが非常に多いのだというお話でしたけれど も、そういうようなことがきっとこれからも起こり得るだろうというふうに思います。  要は、この供給システムの方法がどのように拡大していくのか、また変更していくこ とが可能なのか、その辺ももっと柔軟に見通しておく必要があるだろうなと。  ちょっと話が飛んでしまいますけれども、アメリカで同様のサービスシステムを使っ ているということにおいて、文化の異なりを超えてよその国に行っても、同じようなサ ービスを受けることができるというような、これをもうちょっと日本の国内で置き換え てみるということも将来的には必要なのかなと。そうしないと、一定の地域の中に住み 続けなければならないということもありますでしょうし、もっと移動があって、多様な 人生を営んでいくというところですとか、ちょっとまとまらなかったんですけれども、 コミュニティという考え方はその人の住み慣れたというようなことを、住み慣れた時間 と空間をどのように規定していくのかという、またそのことも出てくるでしょうし、ど のような地域においても、どのようなときでも、というような昔から言われている福祉 のことが実現できるというようなことで、どのような地域も同じように必要即応に応じ たサービスが資源として育っているというようなことを考えたいと思っています。以上 です。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。非常に重要な指摘だったと思います。  では、簡潔にどうぞお願いします。 ○谷野委員  30秒で終わりますから。やはり、このイメージ図はよく言われるトータルリハビリテ ーションから考えれば、これは縦3つではなくて、丸くしたほうがいいんです。丸くし て、お互いに重層的に重なり合うようにして、真ん中にケアマネジメントを持ってくる というのがね。ちょっとイメージとして湧かなければ、そういうのがありますから、ま た今度送りますけれども、これはボンボンボンと3つに切ってあること自体が非常に良 くないです。  その重層の核にケアマネジメントがある、そういうのが最近のトータルリハビリテー ションの考え方ですから、そこら辺、最終的に座長が言われたように、これは最終的に は変えたほうがいいと思います。 ○高橋座長  今後、これから4回議論する過程がありますけれども、その中でいろいろな問題が出 てくるので、その集大成として、やはりこの概念図は非常に大事だと思うし、今、寺谷 委員が言われたようにシンプルファイして示すことも大事だと思いますので、議論を経 た上でもう一度検討することにしていかがでしょうか。  それでは、次の3の「2 住居支援」の部分について移りたいと思います。その部分 の説明を事務局のほうからお願いいたします。 ○内田主査  それでは、「2 住居支援」の部分の御説明をさせていただきたいと思います。  まず、資料3でございます。「中間まとめ」といたしましては、「地域での支援体制 を確立することにより、精神障害者が施設やグループホーム等を経て自宅又はアパート で生活できるような取組を進めるべきである。  ・貸し主等からは緊急時の連絡先を求める声が強く、当事者の単身入居を推進してい くためには、こうした支援体制を構築することが必要ではないか。併せて、公営住宅へ の精神障害者の単身入居を進めることはできないか。  ・地域生活により近い住まいの場であるグループホームについては、重度の精神障害 者にも対応できるよう、その機能を強化することが必要ではないか。併せて、公営住宅 のグループホームとしての活用を進められないか。  ・入所型の社会復帰施設については、利用者を地域での生活に送り出す機能の強化が 必要ではないか。」  以上の「中間まとめ」に基づき、まず(1)といたしまして、「精神障害者が自宅又は アパートで生活する上で、資料4−2頁のような緊急時等の支援を担う者として、誰が 適切か」ということでございまして、こちらのほうの資料4−2頁にございます、こち ら事務局の一覧でございますけれども、精神障害者の方々の居住のサポートをするよう な体制といたしまして、このような緊急時の連絡体制を構築するようなシステムの構築 ができないかという点でございます。その場合、例えば左上にございます相談支援事業 者については、社会復帰施設でございますとか、あるいはケアマネジメントですとか、 相談支援を担う者、あるいは医療機関等、どういった機関が該当するのであろうかとい う点につきまして、まず(1)でご議論いただきたいと思います。  さらに、(2)といたしまして、入所型の社会復帰施設(生活訓練施設、福祉ホーム (A型・B型)、入所授産施設、グループホーム)、これらの利用者の方々を地域での 生活に送り出すためには、それぞれの施設類型においてどのような機能が最も重要であ るか。また、入所施設であっても、その地域で入所以外の機能を活用できるようにすべ きではないか。」という点でございます。こちら資料4−3頁でございます。こちらに は精神障害者の生活訓練施設から地域生活支援センターまで、それぞれの入所、通所の 社会復帰施設といたものを横に並べさせていただいており、さらにその施設の概要、対 象者、定員、利用機関といったものにつきまして説明を記入しております。さらに、そ の下、住まい、マネジメント等、それぞれの機能につきまして、該当する機能の部分 に、こちらあくまでも事務局のものでございますので、こういった機能が違うというこ とであれば、また御指摘をいただければと思っておりますが、こういった機能のうち、 どのような機能をこれらの社会復帰施設が最もその精神障害者の方々を地域での生活に 送り出すための機能として重視すべきであるかという点について、まず御検討いただき たいと思います。  それに加えて、例えばこういった入所施設の中にあって、入所以外の機能を持つよう な入所施設があった場合、その入所以外の機能について、入所者以外の方々でも利用で きるようにすべきではないかという点について、この2点、ここでは御議論いただきた いと思います。  なお、先ほど御指摘をいただきました3頁、一番下の項目、こちら「溜まり場」とい うふうに記載されておりますが、こちら誤解を招くのではないかということで、意味的 には憩いの場と申しますか、精神障害者の方々が集うような場ということで記入させて いただいております。こちらのほうは「憩いの場」というふうに訂正させていただけれ ばと考えております。事務局からは以上でございます。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。それでは、住居支援の2の(1)ですね。資料4−2 頁、もしこれが事業化されれば新しい事業になるかと思いますけれども、先ほど寺田委 員が言われたような新しいものがこういう形で入ってくるかなと思います。こういう24 時間の連絡体制の在り方、こういうものの必要性とか、あるいはこういう事業をやる場 合にはどういうものが事業者となるのが適切だろうか、その辺を御議論いただきたいと 思います。  この必要性に関しては、繰り返し言われたことで、もちろん相談体制としてあったほ うがいいということだと思いますが、どうぞ末安委員。 ○末安委員  私はこの件に関しては、やはり地域生活支援センターの機能を強化するということが 一番望ましいと思います。そもそもそういう発想が地域生活支援センターの事業の設置 の折からあったわけです。実際にはスタッフが3人ということで、24時間365日という 非現実的な期待が今でもなされていて、相談機能を充実したり、緊急時の対応するとい う場合にはかなり個人の努力で行われているという現実があります。  ただ、個人の努力なんですけれども、努力を上回る事業者側の熱意とか、地域の方た ちが支えるということで可能になっているセンターがたくさんございます。ですから、 今回、諸制度を整えていく段階では、ケアマネジメントを前提とするということを一つ 確認するとすれば、やはり地域の精神科の専門というか、精神科の福祉の専門の人たち だけが動いている場ではないところを活用するということが必要なので、その機能を一 番今のところ担ってきている地域生活支援センターにその役割を委ねるべきではないか と思います。 ○高橋座長  ほかにいかがでしょうか。どうぞ。 ○上森委員  先ほどと多少また関連して申しわけないのですが、どうも私たち日本の国内に住んで いろいろな習慣の中で生きてきておりますので、住居問題というと、やれ、大家さんだ とか、やれ保証金だとかいうことがつい頭に浮かんで、それを問題解決のためにどうい うことを智恵を絞ったらいいかとかやるんですが、先ほど触れました2人の当事者兼ス タッフなんですけれども、ちょっと簡単な前置きをしますが、彼らはメンバーとしてあ る自助活動の中に身を置き、そしてそこで自分に相応した給与を受け取り、そして国家 財政から出てくるのであろう支援金などもいただきながら、すべて。これからがポイン トだと思うのですけれども、やはり私たちが見落としがちな点は、どうしても自助組織 の力の偉大さというところなんですね。ただいまの住宅、例えば困っている人がいる、 一緒についていって家主さんと話をして手伝って入れてもらうとか、もう行政のほうか ら、上からというと語弊があるかもしれませんけれども、ああだろう、こうだろうと親 心で心配してくださるのもいいんだけれども、彼らは治りたいという気持ち、もっと良 くなりたい、仲間を助けたいという気持ちで本当に突き動かされていますので、法律あ るいは福祉、医療、その他の面にどんどんチームを組んで出かけていっている。そして 驚くべく回復率をあげている。  私が一人の親として、病気が良くなるということは最高の福祉だと思っているのです けれども、そういう観点からあくまでも彼らの発言の紹介に過ぎませんけれども、概念 的にセルフヘルプグループのエネルギーというものをもっともっと厚生労働省側におい ても、我々委員の側においても考えていいんじゃないか。  今、先生から出たお話なども、彼らは実際に取り組んで、そして本当に困ったときだ け法律の専門家とか、あるいはロサンゼルス郡の精神保健協会のほうに相談して、でき ることは自分でやっていくという視線で働いて活動していますので、そういうものが日 本の中にも生まれてくるということが僕は大事ではないかなということを痛感しまし た。  きょうはあいにくと当事者代表の方々が御欠席のように見えますので、ちょっと代弁 する格好になりますが、やはり大事なのは自分で自分たちを助けながら良くなっていこ う、そのために立ちはだかる問題をできる限り解決しようと。彼らに活動の場を持って もらうということが、実は医療への一歩であると。僕もメディケーションを初めとして お医者様方の参加ということは絶対不可欠だと思う人間なんですが、ある程度、彼らの パワー、エネルギーというものを活用するという発想が今後の日本に、経済的に逼迫し ている日本にとっては大事な視線ではないかなと。とぎれとぎれでございますが、そう いう感想を申し上げました。 ○高橋座長  ありがとうございました。セルフヘルプグループ、そういったものの支援をもっとす べきだという御指摘です。ほかにございますか。どうぞ、鶴見委員。 ○鶴見委員  住宅に出てからのサポート体制を整えていくという考え方は非常に賛成です。そのこ とによって、回り回って、家主さんが貸していただける、入居の場所を確保できるので はないかという考え方も非常に納得ができます。  ただ、やはり入居後のこともありますけれども、入居前の支援策としては、ここの 「中間まとめ」であるのは、公営住宅の確保、利用はわかりますけれども、以前、「中 間まとめ」前にもプレゼンテーションしたように、ぜひ新たな入居前の事業というのが 公的保証人制度でもよろしいでしょうし、あるいは生活支援センターのどこかに法人化 するようなところに、そういう住宅支援事業みたいな形の、入居事業という前の新たな 事業を付加することをぜひ付け加えるような形で検討していただければ、7万2,000人 ということも含めて考えると、アパートへ出ること、民間へ出ることが非常に促進され て重層的でよろしいのではないかとは思います。 ○高橋座長  住居支援をもっと多様化してということですね。どうぞ、高橋委員。 ○高橋(紘)委員  これは全体がそうだと思うんですが、例えば「相談支援事業者」という書き方が私ひ っかかるんです。事業者というと、社会福祉法人なり、それがすぐ実体的なものに相当 する。実は、ここでしているのは機能なんですね。それから、医療機関。先ほど看護の 話も出たんですが、これも医療機関なんじゃないと思う、医療サービス機能なんです ね。家主、これもおかしいので、要するに住居提供者、それが持ち家、借地の場合とな るわけですが、もっと機能別に整理した上で、現在の資源を想定するとこうなる。それ から、先ほど幾つか出た、新しい支援サービス体制をつくるとこういう方向にいくので はないか。  僕は表は3枚、多分一つずつ要るのだろうなと。というのは、これが現実の状況と機 能がゴチャゴチャになって出てきて、例えば先ほどのコミュニティの話でいえば、「コ ミュニティで、地域で」という話と「コミュニティが」という話と2つあって、一方に 偏しますと、これは議論として地域福祉にならない、地域ケアにならないんですが、地 域で事業者が提供するという話と、地域で生活している当事者がという、そういう視点 とが、それこそ重層的な関係なので、そこら辺はあまりゴチャゴチャに入るより、頭の 整理を、これは事務局、大変だと思いますが、それをしないと新しいサービスの枠組み は出てこないと思うんです。 ○高橋座長  そういう御意見を踏まえて、また最終的な取りまとめが変わっていくと思いますけれ ども、どうぞ御自由に御発言ください。この相談支援事業者というところは、相談支援 機能ですね。 ○板山副座長  賛成ですね。現場でいいますと、資料に「法律等に定める目的の整理表」とあますけ れども、地域、市町村に行くと、こんなの、ほとんどないんです。今、ようやく芽が出 始めているのは、一番右の端、さっきお話があった地域生活支援センター。せっかく芽 が出始めたが、途中で今挫折しようしていますけれども、こういう構想を供給システム として、地域生活支援の拠点をどこに置くかという、一つのルール、原則をはっきりと 打ち出す必要があると思うんです。そこにさまざまな機能が持たれればいい。何も住ま いだけではないんです。生活相談もあれば、在宅サービスや支援、さまざまな問題があ る。24時間体制も出てくると思う。そういうものを含めて精神障害者福祉、地域生活支 援を支える供給システムが市町村を一つの地域として、これは行政供給体制としての地 域を私は市町村だと思う。その市町村に何を拠点にして展開するか。その運営をセルフ ヘルプのグループが受け持つということはあっていいんです。  そんなことを一つのはっきりとしたラインとして打ち出すことが求められているの で、何も住居だけではない。先ほどの第1の問題もそうなんですね。その拠点をどこに 置くか。まさにこの表でいえば地域生活支援センター、これをぜひ全国的に育てていた だきたいと私は思っています。 ○高橋座長  大変まとめ的な御意見をいただいてありがとうございました。ほかに2の(1)のとこ ろで、24時間体制で相談支援を受ける機能としてどういうものが適切かという御意見ご ざいますか。  拠点として生活する地域生活支援センターというお話が出ていますけれども、ほかに こういうものがあるのではないかとか。佐藤委員、どうぞ。 ○佐藤委員  問題は今後どういうふうに進めていくかということで、例えばグループホームをどん なふうにつくっていくか。7万2,000人という数で、単純に言っても1万2,000あるいは 3,000という箇所のグループホームが必要になるわけですけれども、それをどういうふ うにしたら実現できるのかということに関して、もう少し踏み込んでいく必要があるの ではないか。  ここに書かれていることは、いろいろ細かい点についての議論はあったにしても、だ れも異論はないわけですけれども、実際に全国とはいえ、1万箇所以上のものあるいは もちろんグループホームだけではなくて福祉ホームのこともあるでしょうが、とにかく そこに踏み込んだ形のものを何らかのことで最終的には議論のまとめとして反映してい かないと言いっ放しということになりかねないと思います。  一つだけ参考までに、今、知的障害分野では国立コロニーを含めて、入所型の大規模 施設の縮小や解体という議論が進んでおりますけれども、その一つで長野県にある西駒 郷の500人規模の入所施設を当面5年間で6割カットする。つまり、500人規模だったも のを190人にする、グループホームをその主力としてやっていくということで、グルー プホームを全県的に展開するためにハードについて2分の1の補助を県単でつける。特 に、ここからがおもしろいと思ったのですが、西駒郷という施設から5人のうち、1人 でも2人でも引き取ってくれるところには、補助率を3分の2にアップするというイン センティブをつけて、現に65名がグループホームへ移行できる。これは、長野県がそう いう県単の制度を立ち上げて、漠然とした将来構想ではなくて、本気でやるんだという ことを示すことによって、各県内の知的障害関連の事業者がそれに引きずられる形でそ れぞれにそれなりの計画を持って参入するというか、参画してくるというか、そういう 空気が生まれてきているんですね。  そのことにならっても、とにかく具体的な一歩を、どういう形で表現するかはあるで しょうけれども、示さないとこのまま終わりかねないという危惧を持っていますので、 この住居の支援というのはある意味では形の上で非常にわかりやすいと思いますので、 ぜひ取組を具体化することも今後検討していただければと思います。以上です。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。どうぞ。 ○谷野委員  今のに関していえば、来年、精神保健福祉法の改正がありますから、前にだれか構成 員でだれか言われたと思いますけれども、努力規定ではなくて、これを全部義務規定に する。「各都道府県がこういうことをやることに努めなければならない」ではなくて、 「すべきだ」というふうにしてしまえば、各都道府県ももうちょっと熱心にやるわけで す。そこら辺はぜひ考えてほしいので、課長によろしくお願いいたします。 ○高橋座長  はい、貴重な御意見ありがとうございました。ぜひ参考にしていただければ。 ○高橋(紘)委員  ちょっといいですか。今の佐藤さんの御意見、全く……。私ども現場では7万2,000 人、どこで受け止めるんだと。何か検討会があるそうだけれども、どういう考え方を厚 労省は持っているんでしょうねということをよく聞かれます。具体的に受け皿を地域で どのように用意しようとしているか、3カ年計画とか5カ年計画の検討をされているの かどうか教えていただきたいですね。 ○高橋座長  何か事務局ございますか。 ○矢島精神保健福祉課長  そのうちまた議論が出てくると思うんですが、少なくとも今の新障害者プランは一応 7万2,000人の受け皿ということでつくられた計画で、ただ7万2,000人が出過ぎている ので、実際にはもっと多くの人が退院されているんですね。  ですから、7万2,000人ということであれば、今の新障害者プランがその役割を果た している。年次計画でかなり前倒しでやっております。けれども、実際に病院を退院さ れる方は7万2,000人以上の方が退院されていますので、そこのところも含めていろい ろ考えなければいけないことなんだとは思います。 ○高橋座長  どうぞ、高橋委員。 ○高橋(紘)委員  ちょっと先走った議論になるかもしれませんが、私は先ほどの佐藤先生のお話に触発 された発言をさせていただきたいんですが、これからは一つひとつの施設や一つひとつ の拠点を補助金で整備するという手法はもう限界があるのではないかというふうに私は 思っております。  例えば、ちょっとヒントになるのは国土交通省が今年からまちづくり交付金というや り方をして数百兆円(※と言っていらっしゃいますが、千数百億円では?)、これはな にか仄聞するところによると1割から2割は福祉に使ってよろしいと言っているんです ね。実はまちづくりの中に必要な障害者の拠点なり、グループホームなり、住居なりを 整備すると、それはプレミアムになるというような、まちづくりの仕掛けの中にそうい う精神障害者と、これは先ほどの7万2,000人をそのまま割り戻せば地域にどれくらい の人たちがいるか、7万2,000人は仮の数字ですから、これは地域できちんと把握して、 その場合にどのような地域生活支援の拠点が必要かという、これを割り出すことができ るわけですが、その中にそういうものをどういうふうに整備するか入れていくという手 法。これについては枠法で前駆的なやり方があるわけです、これを私は地域生活支援交 付金みたいな形で、3障害と高齢を含めたものとしてというくらいの大風呂敷を敷かな いと、チマチマと「一つひとつ補助金を打ちます」という話では多分障害者基本計画の 数値目標というふうに個別のアプローチだけではだめで、そうしないと地域生活支援に ならないわけですから、そういうような発想の転換をしないと個々の補助金はこれから 先細りですから、どういう政策手法を考えるかと。そうしないと段階的な思い切ったレ ベルアップは絶対できないので、その辺はぜひ従来型の補助の発想をもう一度乗り越え るような発想で、そしてそれぞれの地域が計画をつくってもらう、その参照になるスキ ームがここで提供できると。そういうような形でぜひ考えていただくといいのではない か。  やや荒唐無稽かもしれませんけれども、そこまでやらないと飛躍的なレベルアップは 無理なんだろうというふうに認識しております。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。そういうことを一方で考えながらまた現実的な対応 ということも必要な点かと思いますが、それに関連して(2)のほうはいかがでしょうか。 ここで議論していただきたい点として、入所型の社会復帰施設の利用者を地域で生活に 送り出すためには、それぞれの類型施設においてどのような機能が最も重要か、そうい った点についで御意見をいただきたいと思います。どうぞ。 ○寺田委員  このような表現で考えると、整理表を見ながら考えますと、要するに社会復帰施設と いうのはすべての社会復帰施設が通過型だと、こういうような機能の整理の仕方になら ざるを得ません。ただ、問題は果たしてそうなのかと、実は疑問もございますけれど も、そこのあたりはまた別途検討することにいたしまして、例えばグループホーム、こ れがそれぞれのその方その方のライフスタイルに合っているのかということで、合って いるのだったらそこにいたいという人はいてもいいんだろう、こんなふうに考えるわけ です。  一方、生活訓練施設や福祉ホーム、入所授産施設、ここがずっと生活の場であるかと いうことになるとなかなか難しかろうな、そんなふうに思います。  その場合に、実は私たちの日常のこのような社会復帰施設の活動そのものは、まさに 実はいかにそこから巣立っていっていただくか、こういう視点で私たちは活動している わけですけれども、その場合に日常の生活の援助ということと、それから送り出すため の手助けということがなかなか並行して進められないというようなことがございます。 それは、やはりグループホームで重度対応ということが言われていることからもわかる ように、生活訓練施設あるいは福祉ホーム、そして入所授産施設、そういうようなとこ ろで利用者の状態が必ずしもすぐ送り出せるという体制ではなくなりつつある、こうい うような状況もございます。  一方では、すぐ出られるような人たちに対して、私たちは一生懸命送り出す支えをし ているわけです。ただ、その場合に重要なことは、施設の外へ出ていった場合、それを フォローするような体制が施設の中に整っていないのですね。近場に、例えばそれをバ トンタッチしてくれるような地域生活支援センター等があれば、それらとうまく連携を とって進めていくということができるのですけれども、そのような体制をつくってい く、こういうことが非常に重要なことなのかと、そんなふうに思います。  施設でフォローするためのエネルギーといいますか、マンパワーがなかなか整ってい ない、こういうような状況はあろうかと思います。 ○高橋座長  結局、1の「基本的な考え方」の中で、地域で生活していく上での支援体制構築とい うのが大事なんですね。 ○板山副座長  今のに関連して。精神障害者も年取るんですね。私ども特別養護老人ホーム、介護保 険老人福祉施設、ケアハウス等に精神障害も持つ方たちがかなり増えてきている。その 事実を考えておいてほしいんです。この表にも「その他の高齢者等の福祉施設」という のがあっていいと思うんです。精神障害者も年取ることを忘れないでほしいですね。そ の高齢精神障害者をどこで受け止めるかということをしっかり考えている時代を迎えて いる、そう思います。この表も考えてほしいですね。 ○高橋座長  どうぞ、金子委員。 ○金子委員  私も職安のほかに30年前から精神障害者の方とずっとつきあってきまして、親が亡く なって単身生活の人がすごく増えてきています。中には、まだあまり病気が悪くないと いうことで老人ホームに入った人もいますけれども、今、つきあっている人たちが50 代、60代になってきていまして、その人たちがこれからどうしていくか。ある程度退院 して、地域で暮らしている人たちですけれども、その人たちが高齢化していくという問 題は、かなりいろいろな相談を受けています。そういうことも考えていかなければいけ ないと思います。 ○高橋座長  高齢者の施設として考えるべきかということで事務局のほうからこのことで何かござ いますか。 ○内田主査  基本的にこのほかに老人関係の施設があるというのは御指摘のとおりでございます し、精神障害者に限っていえば、福祉ホームのB型の対象者という中に高齢化による一 定程度の介護、介助ということで、こういったところが中心にそういった機能を担って いくべきではないかという点があろうかと思いますし、またグループホームの運用等に 関連して、そういった点の今後の方向性の整理というものが必要ではないかというふう に考えられると思われます。 ○高橋座長  どうぞ。 ○高橋(紘)委員  これは、長年、我々福祉をやっている人間は、救護施設というのが従来の地域生活、 病院から退所の最後のよりどころだったわけですね。逆にいうと、救護施設とかそうい うものについてもきちんと議論していただきたいんですね。そういうのを忘れて地域生 活支援を考えていては、とても本来の議論にならないのではないかと思います。 ○高橋座長  ありがとうございます。谷野委員。 ○谷野委員  うちは福祉ホームをやっているんですけれども、決して高齢者は入っていないんで す。それと、うちは少なくともエンドレスの施設にはしないでおこうということで、何 人かアパートに移りました。だから、現実はそういうことではないので、さまざまと思 いますけれども、先ほどから話が出ているのは、やはり高齢化した人たちがどうなるか ということなんです。それと前の前か、香野君かだれか言ったんだけれども、高齢者で も元気の人もいるわけだから、一般的には言えないわけです。ただ、高齢者の受け皿と いうものも一つのメニューとしてつくっておかなければならない。高齢化になったか ら、はい、そこに行きなさいということは、もちろんそれは自己決定権によって行くわ けですからね。  ただ、そうではなくて、僕はグループホームを見ていても、どこを見ていても、かな り高齢化しているんです。グループホームの高齢化している人たちが次に病院へ逆戻り というのは全く能のない話で、そこら辺をどういうふうな、やはりそれ以上の施設とい うものは考えなければいかんのかなという気はします。 ○高橋座長  どうぞ、寺田委員。 ○寺田委員  高齢化という点でいえば、実際の年齢と状態像、ここをきちんと分けておく必要があ るのかなというふうに思います。実は、四、五日前に、うちの施設で朝食をみんなと一 緒に元気にとって、その直後にバッタリ倒れて、1〜2分の間に意識がなくなり、心肺 機能も停止しました。救急車がすぐ来てくれたんですけれども、結局、そのまま意識は 戻らずに1時間後に死亡が確認された、こういうような方がいらっしゃいました。  この方は62歳です。それまで、当然、きちんと定期的に精神科の通院はしておるわけ ですけれども、そのような兆候は発見されておりません。実は、私の施設ではそのほか にも過去何人かの方たちがガンで死亡するというようなこともございました。  私たちでも高齢化ということを何度も施設の中で議論はしているのですけれども、現 在の福祉制度の中で考えますと、高齢化ということになりますと、実際の60歳とか、65 歳とか、これ以上でないと対応できない。しかし、精神に障害を持って長い間そういう 状態でいた人たち、元気な人たちもいらっしゃることも確かです。しかし、一方で、実 際の年齢以上に身体的には非常に高齢化している、こういう方々も実は社会復帰施設の 中にたくさんいらっしゃる。しかし、この人たちへの対応するサービスが今整っていな いのですね。そこのところがこれから地域生活支援をしていく上で、あるいは施設内で の支援をしていく上で、やはりぽっかりと空洞ができてしまわないように、私たちは何 とか配慮したいなと、こんな思いを強くしております。 ○高橋座長  高齢化の問題について議論は尽きないと思いますけれども、これは実は病床検討会の ほうでも議論がされていまして、長期に入院している高齢化の方に対しては、必要に応 じて新たな施設類型も必要ではないかという、そういう意見も出ておりますので、そち らの議論とこちらの議論を少し統合するような形でまた新しい考え方も事務局から出し ていただきたいと思います。  どうぞ。 ○村田委員  入所型の社会復帰施設、私は生活訓練施設をずっとやっておりますので、生活訓練施 設の中でケアマネジメントをして、そして退所に向けては地域社会のいろいろな社会資 源というものを、運営協議会等を実施しておりますので、いろいろな形で地域との交流 をして、そしてケアマネジメントに基づいて地域に帰る体制をつくっているということ がございます。  先ほど来からお話がありますように、高齢化の問題は確かにございますけれども、元 気な方は元気でお一人で暮らして、78歳の方が現在一人である町で町営住宅で暮らして いると。そこに訪問看護とか共同作業所とか、そういう方たちが援助しながら、生活を 拡大しながら進めている方もいらっしゃいます。そういうふうに入所型の社会復帰施設 も移行期においてかなりしっかりした対応をするということが、対象の方をきちんと把 握しておりますから、その把握に基づいてニーズに合わせたものを次に展開していくと いうことができる。センターの動きは一つありますけれども、センターに全部いろいろ な形でいったら、センターはいくらあってもアップアップになりますから、入所型にし ても、やはりそれなりに対応をしていくということが必要ではないかというふうに思っ ております。 ○高橋座長  ありがとうございました。それでは、寺谷委員。 ○寺谷委員  精神障害者も高齢者が増えてくるという、これはしごく当たり前の話で、私自身もそ ろそろ高齢者の部類に入ってきますけれども、ぜひこのチャンスを普遍化の方向に持っ ていくチャンスだというふうにとらえられないだろうかというふうに思います。  70、80にもなって、精神に障害のある高齢者というふうに言わざるを得ないようなシ ステムにしていこうとするのかどうなのか。そして、そのことを人々が加齢によって精 神上の健康に多少の障害が生じることがあるんだという、この普遍性をあらゆるサービ スの相互利用に向けて展開できないだろうかなというふうに思います。  ですから、精神に障害を持つ人が高齢であっても、他の障害の人たちの支援に向き合 う担い手になっていくことも、そのことが可能であろうし、そして痴呆性高齢者が精神 に障害のある人たちのサービスを活用するということも当然あっていいだろうし、その ほかの救護施設などの収容した生活の拠点となる施設がアウトリーチサービスの拠点と しての新しいソフトの機能を開発していくとか、そんなようなところにこの在り方委員 会の提起する一つのことが出ないだろうかなというふうに思います。 ○高橋座長  高齢の精神障害者の支援、受け入れということに対して、もう一度整理し直して、今 の意見を参考にしながら出していただくということで、ほかの議題もありますので、簡 潔にお願いしたいんですが、一言ずつ。 ○末安委員  国事業でやっております単位促進事業の15年度の集約を今していらっしゃると思うん ですけれども、私が知っている範囲では、かなり高齢者の長期在院の方をアパート等に 出していらっしゃいます。ですから、施設の類型とか機能の重視も重要なんですけれど も、実際に生活支援センターが調整役になって、その地域のことをわかっている人たち をまたさらに活用する形で受け入れていくという事業が、私は結構成功しているのでは ないかと思うんです。  先ほど生活支援センターのことで機能の強化を言いましたけれども、今、既にやって いるところもあるので、そこを重視して取り組んでいただきたいと思います。  それともう一つだけ、そういう生活支援センターで、専門職がやっているという部分 もありますけれども、中にはボランタリーな人たちを活用して、一緒に組んでいるとい う例も報告の中に入っていると思いますので、実際にボランタリーの活動の中には当事 者の方たちも入っていらっしゃる、当事者の方たちが退院促進に寄与するということも ありますので、先のことも重要なんですけれども、今、とりあえずできることがあるの ではないかというふうな認識をこの場でも確認してもらいたいと思います。 ○高橋座長  現在でも、かなりそういう機能があるのだということ、その活用ということですね。 では、金子委員、どうぞ。 ○金子委員  私が「高齢者の問題」と言ったのは、サービスを受ける方としてだけではなくて、精 神障害の通院患者さんであった人であっても、そういったサービスの提供者になった り、例えば受け入れている事業所にはかなり老健施設が多いんです、関西なんか特に。 そういうところで働いている人もいますし、いろいろな形でボランティア活動をやった り、そういう方もいますから、必ずしも通院していた方あるいは通院している方がサー ビスの受給者だということではなくて、高齢の方になるとテンポがゆっくりのところが あるとか、やさしいとか、いろいろな点がありますから、受け手としての考え方ではな く、もっと活用するという考え方にも立っていただきたいなと思います。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。時間の都合で次に移らせていただきます。では、一 言だけ。 ○鶴見委員  ここの地域支援の在り方で、住居支援という部分は構成員全員が、非常に重い項目だ と思うんです。佐藤委員が言ったように、ここの部分に関しては非常に踏み込んだ検討 策あるいは文面となるように、さっきの社会復帰の部分のどれくらい前倒しが必要なの かとか、あるいは以前にも言ったように、地域のアパートで暮らしていくことの支援と いうか、確保というものが、まず出してしまえば、自然に支える施策は整えざるを得な いという、私はそういう考えをしているんですけれども、そういう意味でここはすごく 踏み込んで検討を今後も必要かなと、あるいはまとめが必要かなと思います。 ○高橋座長  まだ、あと3回ございますので、その折々にまた御意見をいただきたいと思いますけ れども、住居に関しては貴重な御意見をいただいたということで、次の3番に移りたい と思います。  資料3の「3 就労支援・活動支援」の(1)に関しての部分の御説明を事務局からお 願いいたします。 ○内田主査  申しわけございません。その前に2点、確認をさせていただきたいんですけれども、 基本的にこの緊急時の連絡体制に限定して言えば、こういう体制は問題ないというふう に考えさせていただいてよろしゅうございますでしょうか。  あともう1点、先ほどの論点の2番目のさらに後半の部分でございましたけれども、 入所の施設で入所以外の機能を持っているようなところについて、入所者以外でもそう いった機能を活用するという点について、問題はないかどうか、この2点について最終 的に御確認をさせていただいてよろしゅうございますでしょうか。 ○高橋座長  今の点については、恐らく当然のことだろうと思いますので、その辺、御異論ござい ませんね。よろしいですか。  では、それは確認したということで結構だと思います。 ○内田主査  ありがとうございます。  それでは、続きまして、就労支援・活動支援の部分につきまして御説明をさせていた だきます。資料3「中間まとめ」の部分では、「特に現役層においては、社会の中で役 割を持ってもらうための就労支援の方策が重要であり、本人の状態、職業能力に応じて 授産や福祉的就労から一般就労へと結びつけるための多様な雇用・就業機会の確保を含 めた施策の展開が必要である。  ・精神障害者の雇用を促進するに当たっては、雇用を確保するための法的な手当を行 うとともに、例えば、精神障害者3人で1人分の業務を行うなどの多様な就労形態が可 能となるようにしていくべきではないか。  ・現在、就業・生活支援センターが担っている活動支援に関する機能を、精神障害者 が積極的に活用できるような取組が必要ではないか。また、施設外授産をうまく活用す ることで、一般雇用への移行を図るべきではないか。  ・現在の「福祉的就労」を、就労なのか、訓練なのか、生活支援なのか明らかにし、 より一般雇用に結びつけていくという観点から、それぞれの機能を明確に区分していく べきではないか。  ・精神障害者に対する生活支援や憩える場の在り方を検討していくべきではないか。 併せて、医療としてのデイケアの機能を患者の状態やニーズに応じて分化していく必要 があるのではないか。」  という「中間まとめ」に対しまして、(1)といたしまして、「通所型社会復帰施設に ついては、現状の機能を踏まえ、デイサービスタイプ、移行支援施設タイプ、継続的就 労タイプのように機能分化を図っていく場合に、どのような活動が考えられるか」とい たしまして、資料4−4頁に図を示させていただいております。資料4の一番最初の頁 でもございましたけれども、重層的に活動支援・就労支援をしていくことで、現状の通 所型の授産施設、通所型の社会復帰施設等々の役割を踏まえ、日中活動の場といいます か、デイサービスタイプの機能でございますとか、あるいは就労への移行を支援するよ うな機能、継続的な就労の場として機能しているようなそういった施設等があるのでは ないかというふうなことが考えられ、こういったタイプにそれぞれ今後機能分化を促し ていくような機能の強化というものが必要ではないのかということにつきまして御検討 いただければと、このような整理をさせていただいてよろしいのかという点がまず(1) でございます。  続きまして、(2)といたしまして、例えばそういった通所型の社会復帰施設について 行われているようなデイサービス的な日中活動の場、憩いの場といったものについて は、現在の医療保健所の精神科デイケア等につきまして、どういう点で機能、具体的に 申し上げると重症度でございますとか、医療の必要度、こういった点が異なるのか、あ るいはそのほかの点が異なるのか等、その違いについても御検討いただければというふ うに考えております。  これに関しては、資料4の5といたしまして、精神科のデイケアの簡単な人員配置基 準をお示ししているもの、それと比較するような形で他の障害のデイサービスでござい ますとか、精神障害者の地域生活支援センター等につきましての簡単な施設基準をお示 ししてございます。それとはまた別個に資料12頁といたしまして、こちら機能の全体的 評定尺度GAFのスコアといたしまして、精神障害者のニーズ調査のほうから引用した データでございます。こちらのほう、デイケアを利用されている方と、デイケアを利用 していないが、デイケアを利用したほうが望ましいという方、そしてデイケアを利用し ていない方々、プラス外来患者さん全体のGAFスコアの分布というものをグラフにし てございます。こういった点を踏まえて、どういう点で日中の憩いの場とそのデイケア というのが異なるのかということについて御検討いただければというふうに考えており ます。事務局からは以上でございます。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。これもなかなか議論のありそうな課題でございます けれども、就労支援・活動支援の問題であります。3の(1)のほうをまず御議論いただ きたいと思いますけれども、機能分化を図っているべきではないかということでありま すが、現状の授産施設とか、福祉向上の機能がデイサービス的なものと、本来の意味で の授産的な機能、これがミックスして存在しいる、その辺の機能分化を今後図っている べきではないかという趣旨でございますけれども、その点について何か御意見ございま すでしょうか。どうぞ、谷野委員。 ○谷野委員  今からでは訂正できないんでしょうけれども、できれば、これ、前から気になってお ったんですけれども、このカッコの中ですけれども、例えば「精神障害者3人で1人分 の業務を行う」というのは、いかにもお粗末な表現というか、これはちょっと今から訂 正できないといえば仕方ないんですけれども、実際、こういうことは考えられないです よ、はっきり言って、こういうふうに就労するということはね。  だから、一人の人が半日だけ働くとか、1人の人が時間を決めて働くとかいうことに ついて、法的な何かをというようなことのほうが。3人の1人分の業務というのは、ど ういうことなのかよくわからない。 ○高橋座長  これは恐らくグループ就労とか短時間就労のことをより具体的に話した。確かに、表 現としてはちょっと問題があるかもしれないですね。 ○高橋(紘)委員  世界ではワークシェアリングです。 ○高橋座長  これはもちろん変えることはできますね。 ○内田主査  そうでございますし、ワークシェアリング的な考え方を構成員の発言を例示にしてこ のような記載にさせていただいておるということでございます。 ○末安委員  今おっしゃってくださったとおり、ワークシェアリングの考え方で、世界レベルで 「過渡的雇用」と呼びますけれども、1人分の仕事を3人でないと行えないのではなく て、1人分のことを分け持つというイメージです。やはり今の日本の労働環境では、ソ フトに始まっていくということのほうが安心感が得られたり、企業側もバラバラわから ない人たちが来るというのではなくて、一定程度、役割意識を持った人たちが来ていた だけるということで安心してその数人に任せるという、そういう受け入れ方法で支え る。  この文書にはないんですけれども、企業との連携とか、一体的な取組とか、法定雇用 率に今度入るということになりますけれども、そういう意識もこの中に加えていただい たほうがいいのではないかと思います。 ○高橋座長  はい、わかりました。どうぞ、上森委員。 ○上森委員  3の(1)のお書きいただいてある文言の後半になりますが、“機能分化”という言葉 の意味なんですけれども、実際に精神障害を持っている私の子どもの場合、作業所にま ず行き、8年過ごし、そしてジョブコーチがついていただいて、初めて、あとは一人に なりましたが、2年間スーパーで棚卸し、荷物を店頭に並べるというのをやり、今度は 県の御指導で社会復帰訓練というのを2年、これは農家でございますが、手伝ってき た。これは一人の人間がずっときて、どれもどれも有限です。ジョブコーチも期間が来 ると「はい、終わりですよ」。次につなげくれるわけではなくて、自分で待っていた り、努力したり、安定所に80回行ったりして、「何もないよ」と言われて、そうして農 業の手伝いを2年間やった。この前もお話ししたんですけれども、今度、ある個人のと ころに就職して、18時間労働を強いられたという経過がある。そういう方はせがれ以外 にもいっぱいいると思うんです。  この「機能分化」という言葉がわからないんですが、一人の人間なんだから、何か継 続的に、いい意味での発展プロセス、本人なりの努力に応じた成長というのが図られる のが就労支援の本来の意味ではないかと僕はとらえているんですが、この機能分化とい う言葉の意味についてお尋ねすると、どういうお答えがいただけるんでしょうか。一人 の人間の一生涯にわたるような、例えば長期的展望が立つのか、それともそういった途 中段階において、ただいま聞いていただいたような機能を分化していって、ここを出た ら、例えば中学校を出たら高校、高校を出たら大学というふうに就労支援のシステムを 分化していくと、こういうふうにもとれるんですが、この辺は正確にどういうことです か。 ○高橋座長  今は後者の部分ではないかと思いますけれども、今、いろいろな施設があって、それ がその人の状態に応じて、それに応じた施設で訓練していただくとか、あるいは支援す るとかですね。そういうことではないかと思いますが、事務局、いかがですか。 ○内田主査  まさにこの4頁にございますように、障害者の方自らのそういった意向をもとに、働 きたい、一般雇用に向けた就労のステップアップを図っていきたいという方については 就労支援移行にするような、そういう場を提供していくということ、あるいは一般就労 には至らないような継続的に福祉的な場で作業等進めていくという方については、継続 的な就労の場と、こういった形で現状の機能を踏まえて、それぞれそういったニーズに 対応できるような機能の分化というものを図っていくべきではないのかというふうなこ とでございます。 ○高橋座長  よろしいですか。伊藤委員、どうぞ。 ○伊藤委員  これは利用者の側から書くか、提供側から書くかということで違ってくるんだと思う んです。ですから、機能分化というのは私は必要だと思いますが、精神障害者の支援シ ステムだけではなく、医療提供される人でなくても常にそういうことで、機能分化をす るときには必ず利用者にとってシームレスにつながっていくという、それと一体でなけ ればいけないわけですから、今おっしゃったことを機能分化と併せて、シームレスに患 者さんというか、利用者の状態に応じてつながっていくという、そこを一体として記述 するようなことが必要ではないかと思うんです。 ○高橋座長  重要なポイントかと思います。 ○上森委員  まさにそのとおりのシームレスということを申し上げたかったわけです。 ○高橋座長  ほかに。どうぞ。 ○佐藤委員  ここに書いてある2つ目の就業生活支援センター云々という下りですけれども、私は 埼玉県の東松山というところで実際の仕事にもかかわっているわけですけれども、昨年 から就業生活支援センターの事業をNPO法人が受けて始めていまして、昨年1年間で 20人ちょっとのいわゆる一般就労。これは、埼玉県の制度の心身障害者地域デイケア施 設というのもやりつつなんですけれども、そこの20人の人たちというのはデイケア施設 では一定の訓練を受けた人たちではないんですね、主流派は。どちらかというと、これ は精神障害の方だけではなくて知的障害の人たちも入っていますけれども、就職に失敗 して家にいた人たちの斡旋。実際に企業とお見合いをしていくプロセスですと、そうい う人たちのほうが企業は能力が高いというふうに見るわけなんですね。  結論として何が言いたいかというと、いわゆる職業訓練とか就労に結びつけていくプ ロセスというと、施設が間にはまっていくような概念がありがちなんですけれども、必 ずしもそこをそのようにアプリオリに考えなくもいいのではないか。就業生活支援セン ターなどのような就労支援を行うセンターがもっと個々の人たちとの結びつきを個々の 企業とどう結びつけていくかという点での発想が必要で、人口10万に満たない町で20数 名の人たちの就職。  それは確かに3日ともたなかった人もいれば、1年続いている人もいるという、そう いうバラバラはあることはあるわけですけれども、何度も続かなかった人はチャレンジ をしていくことにもなるし、1対1の結びつき、個々の結びつきということを含めて就 労支援を考えていかないと、という感じがしています。どうも我々、授産施設での訓練 とか、そういうことを前提にしがちですけれども、必ずしもそうではないのではないか という意見です。 ○高橋座長  末安委員。 ○末安委員  私も、今、佐藤委員が言われた意見に賛成でして、私がやっていますNPO法人の就 労支援のグループでも、既に準備性を高めるために集まって何年とかという経過をたど る方たちもいます。一方、私たちの事業所はほかの作業所だとか、公的機関の就労支援 をやっていらっしゃるところからの紹介で、私たちの準備の場所を通過せずに来られる 方、両方に一般企業への御紹介をしているわけです。さっき言いましたワークシェアリ ングというか、過渡的雇用という方法で紹介しているんですけれども、そこにすごく有 意の差が出るのかというと、今、佐藤委員がおっしゃったように、私は出ないのではな いかと思っています。となると、あとは何かというと、ここを専門家の人たちはその人 の潜在的な能力だとか、病気の影響とかおっしゃるんですけれども、私が一番大きいな と思うのは、やはりチャンスがあるかないか。そのチャンスをちゃんと生かすような支 え、今はジョブコーチという言い方になりましたけれども、スタッフがそれを支えられ るかとか、あるいは企業の側のスタッフの方ですね。これは何も職業リハビリテーショ ンに優れた方がいるのではないわけですね。一般の企業の一般の社員の方たちや従業員 の方たちがいらっしゃる。  この人たちがだんだんに利用者の方とつきあって、病気の人たちはこういうことで困 るのかとか、こういうことが仕事がうまくいかないとう認識になるのかというあちらも 学ばれるんですね。私たちが一方的に教えるのではなくて、そういう形の、さっきも言 いましたけれども、一般企業とのネットワークとか、協力体制というものがここの分野 だからこそ必要なのではないかというふうに私は思います。 ○高橋座長  そうすると、ここに「機能分化を図る」という方向性が出ていますけれども、必ずし もこういうことがあまり必要ではないかというような立場ですか。 ○末安委員  今までそれをやってきていると思うんです。 ○寺田委員  働くということで考えますと、それぞれの施設でかなり制度にのらないようなことま で実は我々はやっているんですね。ただ、この機能という点で考えますと、使おうと思 いますといろいろなサービスが現実にはあることはあるんです。ただ、それが活用しき れないんです。  というのは、このまとめの資料を見てもわかりますように、就労を支援するためのさ まざまなプログラムがほとんどここに紹介されていないんです。どういうサービスかと いうと、いわゆる旧労働省が持っているサービスなんですね。それがこの中にほとんど 出てこない。そこのあたりが、実は旧労働省のサービスを我々が使おうとすると非常に 難しいところがあるんですね。何とかうまく、その機能が一緒になってくれると、もっ といろいろな機能が使えるということが一つあります。その典型的な例が就業生活支援 センター、ここにこのように書いてあること自体が問題意識を多分されていらっしゃる のだろうと思うんですけれども、地域生活支援センターがこのような機能を持てるよう にならないのかとか、既にある就労支援のためのプログラムの整備というものが非常に 大事なことかなと、そんなふうに思います。 ○高橋座長  では、佐藤委員、機能分化ということに関してごく簡単にお願いします。 ○佐藤委員  私は、これはこれで大切なことだと思っています。私は知的障害分野が中心で仕事を しておりますけれども、かなりいわゆる能力の高い人が1万円くらいの授産施設にずっ といる。逆に、現実にはほとんど仕事になっていない人たちが福祉的就労という妙な言 葉の括りの中で、お互いに錯覚と勘違いみたいな世界があるということは、知的障害分 野でいえは、通所の施設、授産施設や公共施設という種類はありますけれども、本来の 役割を結局それぞれがきちんと果たさないという一つの原因になってきたと思っていま すので、就労に関してはこのような施設の機能を目的別に整備するということは非常に 大事なことだと思っています。 ○谷野委員  よくわからなくなってきたのが、就労支援というのはいわゆるソフト面での支援とい うか、支援なら支援をいうのか、それともここの中には職業訓練という言葉が一つもな いわけですね。ですから、就労支援というのはある程度のハンディキャップを持って、 ある程度のいろいろな能力の差、今、地域生活支援センターのやっているジョブコーチ というのはまさにそれだと思うんですけれども、そういう支援なのか。それとも就労に 向けての支援ということになれば、職業訓練も入った支援なのか。そこら辺、ちょっと 混乱してきてよくわからなくなってきたんですけれども、どういうふうにそれを整理す ればいいんですか。 ○高橋座長  就労へ向けてのもちろん職業訓練も含めてということになりますですね。何か、説 明、その辺でありますか。 ○内田主査  一番左のほうに記入させていただいておりますが、あくまでもこういった授産施設で ございますとか、そういったところの現状の機能分化を図っていくべきではないかとい うことでございます。ですから、言ってみれば生活支援センター的なジョブコーチ的な ものというのは、当然、そこの部分は別枠で就業支援センターですとか、そういったも のはあるのでしょうけれども、ここで言うところは通所型の、例えば授産施設でござい ますとか、そういった機能をまず場としてこういうふうに機能分化を図るべきではない かという点でございます。 ○谷野委員  ちょっと先にいいですか。小規模作業所でも授産施設でも、決して職業訓練にはなっ ていないですね、現実は。先ほど寺田さんが言ったように、旧労働省があまり力を入れ ておらんようなことを言っていますけれども、かなり労働省も、今、厚労省と一緒にな って、職安へ行くと精神障害者のためのそういう専門官がいるわけです。だから、そこ ら辺はもう少し輪を広げていけば、それと職業訓練的なものも旧労働省に言って、そう いう努力も必要ではないかというふうに思うんですけどね。 ○板山副座長  先生の御発言と全く同じことを言おうとしたんです。最近、これは局長がいらっしゃ るから特にあれですけれども、労働省というよりも労働職業サイドと一緒になって、障 害者のプロジェクトができたんじゃないですか。今、検討中なんです。だから、むしろ その検討の状況を次回で結構ですけれども、少しこの整理の中に反映するような書き方 を事務局で考えてもらったほうがいいと思いますよ。 ○高橋座長  わかりました。私も実は知的障害者の雇用促進の研究会を先日まとめを行ったところ でありまして、精神障害者の雇用へ向けてのサポートはかなり広がっているなと印象を 持っていますので、そういったものとリンクさせて、この内容をもう少し踏み込んで、 かつ機能分化というのは重要だという御指摘ですので、それを踏まえてさらに整理して いただきたいと思います。そういうことでよろしいでしょうか。 ○末安委員  もう一個だけ、文言で。3のカッコの冒頭で、「特に現役層に、社会の中で役割を持 ってもらうための」というとなんですけれども、この図でいうと働く意欲と能力を持っ た障害者という表現もあるわけですけれども、「働くこともできる」ということを前提 に。「働かなければいけない」とはどこにも書いていませんけれども、そういう圧力を 感じられるような表現に関しては、働く気持ちがあるなら働くチャンスがあるというふ うなことを確認できるようにしたらいいと思います。社会の中で役割を持つことは職業 だけではないというのは言うまでもないことなんですけれども、文字で表現されてしま うと、社会の中での役割というのが就労かという意見が必ず出てくると思いますので。 ○高橋座長  そういう意味もあって、就労支援と活動支援と並べて両方あるということを示してい るのだと思います。  それでは、3の(2)のほうをちょっと御議論いただきたいと思いますが、資料4−5 頁目でございますけれども、今後新しいデイサービスを行っていく場合、これまでの現 在あるようなデイケアとかいろいろなサービス機能とどういう点が異なるのか、どうい ったものを考えていけばいいだろうかとか、そういう点ですけれども、いかがでしょう か。  今、まさに末安委員が言われたような、そういう人たちへのサービスの在り方です が、いかがでしょうか。 ○末安委員  既存のサービスの評価ということになる、今やっています事業の評価ということにな ると思うんです。ある県で生活支援センターの会議がありまして、そこで1カ所だけプ ログラムをやっていなくて、そのほかのところは全部何らかの形でプログラムをやって いる。そして、プログラムをやっていないセンターの方が、「うちは例えば就労支援を やるには中ではできないから、外に行かなければいけない。それからドロップインして 来れる人は自分たちでやってもらいましょう」、ちょっと言葉が違うかもしれませんけ れども、自分たちの努力で、この場をうまく使ってもらいましょう。そのかわり、ドロ ップインして来れない人とか、先ほどの住宅のこともそうですけれども、我々が出向い て支援をしなければいけないような人たちのためにもセンターはあるという認識を示さ れたら、県のほうから「いや、プログラムはやってください。そのプログラムに来られ る人がいるはずだ」という意見というか、指導があったそうです。  私、それを聞いていても、やはり、ある形になったものを示すとか、それからここで はこれこれこういうサービスが受けられるから、使いますか、使いませんか、という形 での機能というのではない、先ほども言いましたけれども、民間の人たちがここを出入 りしたり、医療や福祉の専門家でない人たちも一緒に動けるような体制をつくるという ことがこれからのセンターということでいうと必要になってくるのではないかというふ うに思います。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。資料4−4頁に一度お帰りいただいて、日中の活動 の場というのがここに示されていますけれども、こういった場の持つファンクションと いいますか、あるいはこういうところに来る利用者の方の重症度というんですか、そう いったものが今まで既存のものとして、ある領域があるといったところで通ってくる人 たちと、重症度の点で異なるだろうか。そういう趣旨ですけれども、その辺を御議論い ただきたいと思います。  事務局としては、そういう点を少し明らかにしたいという御趣旨ですね。 ○内田主査  まさに、今、座長おっしゃられたように、重症度の点、あるいは医療の必要性でござ いますとか、そういった点で既存の地域生活支援センターのほうに憩いの場として来ら れるような方ですとか、あるいは通所型の施設の中でも、例えば授産施設等でそういっ た日中活動を、デイサービス的なサービスを受けていらっしゃる方と、例えば精神科の デイケア等に通われる方の重症度ですとか、医療的な必要性の違いでございますとか、 そこら辺の違いを明らかにしていただければというふうに考えております。 ○高橋座長  なかなか難しいかもしれませんけれども、どうぞ。 ○板山副座長  今の就業生活支援センターというのは、全国で何カ所くらいあるんですか。 ○内田主査  今、手元にそちらのほうがございませんが、たしか50カ所とか、その程度だったと思 います。 ○板山副座長  この図面では、就労移行支援の場とあるけれども、これはどこがやるのか書いてない ですな。これはどこがやるんですか。 ○内田主査  こちらの概念図的には、あくまでも現存の授産施設の機能を今後こういうふうに分化 させていってはどうかということでございまして、例えば就労の移行を支援するような 形の授産施設といいますか、そういったものがあってもよいのではないかというふうな ことで書かせていただいております。 ○板山副座長  その程度ですね。 ○高橋座長  どうぞ、金子委員。 ○金子委員  この就労支援の場として、今、授産施設という話も出ましたけれども、やはり機能分 化という、かなりその辺をきちんとやっていかないと、現在の授産施設に通所されてい る方が一般就労のほうに移行するというのはかなり微々たる速度しかできないと思いま す。  というのは、やはり働く上では御本人が働きたいという気持ちがしっかりあるかどう かいうのが一番の基本です。そして、それを支える人たち、その方たちが働くことに対 してきめ細かなサポートが必要だと思いますので、そこの辺のところが、今の体制と か、今の考え方の授産施設や施設の考え方だけでは不十分だというふうに考えます。  やはり仕事の場にいた高齢者の方でも結構ですし、そういう職業経験のある方たちの 力をもって活用するほうがいいかなというふうに思います。 ○高橋座長  機能分化を図るとともに、その機能をもっと高める必要があるということですね。ど うもありがとうございました。  先ほどの事務局からの議論してほしいという点ですけれども、どうぞ。 ○内田主査  先ほどの就労支援センターでございますが、本年度予算で16年度に80カ所となる予定 というふうになっておりまして、平成15年度では47カ所ということになってございま す。 ○板山副座長  市町村が設置主体ですか。 ○内田主査  こちらのほうは都道府県指定都市でございます。 ○高橋座長  よろしいでしょうか。 ○小島社会・援護局長  先ほどの就労生活支援センターというのは、ちなみに厚生省と労働省か一緒になった 2001年に両者で共同して何かやろうではないかという5つくらいプロジェクトを組み立 てたそのうちの1つなんです。ですから、この就業のほうは、労働保健特会からお金が 出ていて、厚生省の生活のほうは一般会計から出て、両者で一緒にやるというのを今増 やしているというんですけれども、せっかく一緒になったんだからということでスター トして、今、増えているんです。  今、御議論していただいているところは大変重要なところでして、私ども機能分化の 案を書いていますが、はっきり言って、何のために機能分化するかという目的が全然書 いていない。今聞いたお話ですと、むしろデイサービスとか、小規模作業所、授産施設 から一般就労というよりは、もう意欲のある人はどんどん訓練、就職させたほうがむし ろいいということですね。もしもそういう結論になれば、こういう悠長なことを言って いないで、そういうふうな施策に切り換えますから。そのためにどういうふうにしてい ったらいいのかというのをぜひ御議論ください。 ○板山副座長  5頁の表に就業生活支援センターを載せておいてよ。これ、入っていないんだから。 大事な仕事ですから。 ○高橋座長  どうぞ。 ○寺田委員  就業生活支援センターなんですが、要するに全く別な範疇としてつくるのかどうか。 ここのあたりが既に生活支援センターというのがあるんですね。ですから、就労を支援 する、就労をサポートする、そういう機能というふうに考えれば、いろいろな機関、組 織でもその機能を果たせるわけですね。先ほど来、機能の話がありますね。  ただ、こういう一つの施設というふうに考えますと、例えば私のところの千葉県で は、既に知的障害者の施設がこの機能を持っていますと、県内ではほかに就業生活支援 センターはつくれません、こんな話になるんですね。あるいはその機能も持てません、 こういう話になるんです。施設単位で考えるからそういうことになるわけで、文字通 り、きょうずっと語られてきていますように、機能ということにきちんと分類して、そ れをそれぞれの機関が役割を果たしていく、こういう位置づけをしたらいかがでしょう か。 ○高橋座長  どうぞ、上森委員。 ○上森委員  今、局長さんがおっしゃったことで、私、大変力づけられたんですけれども、レベル というのは個人個人によって差がございますが、私が承知している神奈川県中央部の地 域では、かなり労働意欲を持った、しかし医療の改善というおかげで良くなって働ける 人が多いんですね。その希望が一歩一歩上がるということは確かにわかるんですけれど も、もう少し、電車でいえば各駅ではなくて準急くらい、急行くらいでバーッと行っ て、そして社会の中に入って御理解を得ながら働けるという、そういう路線ですね。や っぱり一本ぜひこういうときに考えて一緒にいきたい、また国のほうでそういう路線を 設定していただきたい、私がここに出ている最大の願いなんです。 ○金子委員  続けて、今、そういうことで訓練ということでいいますと、こちらの精神保健福祉課 の関係でもありますけれども、社会適用訓練事業というのが古くからございます。た だ、これはいろいろな施設がいっぱいできて、そちらに行く場ができたということで、 利用が進んでいないということがありますけれども、この訓練をうまく利用して、それ が労働のほうの雇用につながるようなあれをもうちょっときちんと考えていただいたほ うがいいのではないかと思います。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。実は、精神障害者でハローワークに登録している人 の1割以下しか就労できないという現状があるわけですね。ですから、受け入れの問題 と同時に受け入れるほうの促進、それを図るのが非常に必要だろうと思うんですね。  それと同時に、もっと就労意欲を高めるとか、就労の能力をつけるとか、エンパワー メントするという、そういう方向への努力をこの中でどうしたらいいかという、そうい う議論だと思います。どうぞ。 ○谷野委員  今、先生、ハローワークと言われましたから、ハローワークの中に精神障害者専門職 業相談員とか何とかというの、おいでなんですね。この人たちは現在何人いるのか、こ の人たちをもっと増やして、これはすぐできることですから、国がしようと思えば。そ れと、職業訓練所に精神の枠を、現在、ある職業訓練所に精神の枠をもっと増やすと か、今、局長言われたようなことで、今でもできることがいっぱいあるわけだから、そ こら辺を早く僕はされたほうがいいんじゃないかなと思うんですけれども。 ○高橋座長  その方向での連携がどの程度とれるかということをもし可能ならば、こういう中に書 き込んで……。 ○板山副座長  現在、検討会をやっているんですから、その状況を教えてもらいたいです。 ○高橋座長  そうですね、それは資料提供として次回お願いいたします。  どうぞ、鶴見委員。 ○鶴見委員  2点くらいお話ししたいんですけれども、住居と同じで、就労支援も段階的な機能分 化も必要なのはもうある一部分有効なんですけれども、やはりさっき言った「能力に応 じた」ところでジャンプアップだったり、ステップダウンだったり、本人の状況に合わ せて重層的に使えるような構成がいいのは間違いないわけですね。  今、機能分化で必要か必要ではないかという議論に関しては、あまりにも今サービス がないので、絶対必要なんですね。まずは必要なんです。だから、これは機能的に整え ていくというのはまず絶対必要で、その上で今言ったようなジャップアップがいくらで もできるような形が、それはケアマネジメントの中で、支援者との中で行われるべきこ となのかなと思います。そういう意味では、ハローワークでのそういう相談体制が非常 に整っていない県もありますので、ぜひ谷野委員が言ったことはすごく重要かなと思い ます。  あと、もう1点は、機能分化の3の2の医療と福祉の部分の機能分化が地域から見て いると気になります。なぜかというと、デイケア、デイナイトの医療の部分で、簡単に いうと生活支援のような形になっていて、地域支援センターなのか、作業所なのか、医 療なのかというところが非常に機能分化していないというのは、それが非常に気になり ます。  そういう意味では、医療の部分がまずデイケア、いわゆる活動を提供したり、支援を 提供している医療の部分の機能分化というのがきちんとされるべきことで、それがまた 地域の機能をはっきりさせてくるのかなというのが考えにあります。  そういう意味で、デイケアの部分の、それは精神機能分化のほうで議論しているのか もしれませんけれども、ぜひその辺を踏み込まないといけないのかなと。 ○高橋座長  鶴見委員の御印象で結構なんですけれども、医療サービスの中のデイケアを利用して いる利用者と、それから地域生活支援センターなどに憩いの場を求めている、そういう 人たちの間で何か重症度の差とか、質的な差とか、何かありますか。それとも同じよう な人が行っていますか。 ○鶴見委員  所属が今変わりましたけれども、以前、川崎市だったのですが、そこはデイケアも支 援センターもありましたけれども、基本的に重度の差はないんですね。うちの市の中で 調べたらですね。  そう考えると、どういう役割が大事なのか、いつも議論になるんですね。そういう意 味では、支援センターから見ると医療に非常に高いお金を払っておりますので、医療の ところではもっと起源的なこととか、提供する中身のところまで踏み込むべきなのか と。自分で自分の病気を管理できるようなサービス提供を医療の中できちんとして、そ れで地域に支援者、当事者の支援も含めたのをうまく利用するような重層的な考えでや るべきではないかと思います。 ○高橋座長  そうしますと、3の(2)の「どのような点で機能(重症度)が異なるか」というと、 これはあまり異ならないというようなことでよろしいでしょうか。 ○末安委員  ケアマネのカンファレンスとかやっていても、「週2日デイケアに行って、週2日作 業所に行って、1日ヘルパーに行って、5日間やっている。それで安定している。この 後、どうしようか」、こういう話とか出るんです。地域というか、実際に暮らしていら っしゃる中では、それが現実だと思うんです。  これもある意味ではさっきの就労と近いことがあって、その方向づけをした従事者が どういう発想かとか、主治医がどういうお考えかとか、その地域にどういうサービスが あるかということにかなり規定されているのではないかと思うんです。ですから、そこ から立ち上げて考えていかないと、今、あるものをどうするかということだけ考えてい ても、結論はなかなか出てこないと思います。 ○高橋座長  むしろ、そういう施設の機能分化を図るということが必要になるかもしれませんね。  ありがとうございました。それでは、時間の関係がございますので、4番に進めさせ ていただきます。続きまして、事務局から資料3の「4 居宅生活支援」の部分に関す る説明をお願いいたします。 ○内田主査  それでは、4のほうを説明させていただきます。資料3−2頁でございます。居宅生 活支援といたしまして、「中間まとめ」では「訪問サービスやショートステイなどの居 宅生活支援を充実させ、使い勝手を良くすることや、非公的なサービスを活用すること を通して、在宅中心の地域生活を支援していくべきである。」  1枚おめくりいただきまして、「・地域生活支援という観点から、各種医療やサービ スを自宅等で受けられる仕組みを重視する必要があるのではないか。特に、ADLの低 下している中高年の場合にはこのような視点が重要ではないか。  ・現行のショートステイは、あくまでも介護者の都合によってしか利用できないが、 本人の心身の状況等に応じ、多様な利用形態を認めていくべきではないか。  ・精神障害者の活動の場を広げるために、精神障害者保健福祉手帳に係るサービスの 充実を図っていくべきであり、そのためには、手帳の信頼性向上の観点から、現行の様 式を見直し、写真を貼付する必要があるのではないか。」  という点につきまして、(1)といたしまして、ショートステイについて、本人の心身 の状況等に応じて、多様な利用形態を認めていくこととした場合、入院予防等具体的に どのような例が考えられるか。ショートステイ要件緩和の例ということについて、資料 4−6頁、現行の利用の要件を踏まえ、御検討いただければというふうに考えておりま す。  さらに(2)といたしまして、ホームヘルプサービスの使い勝手を良くするために、例 えば現在1時間単位でしか認められないサービスの単位をより短い単位とすることにつ いてどう考えるのか。使い勝手を良くすることで、算定単位を短くすることで、よりき め細やかなサービスの提供というものが可能になるのではないかという点、こちら、資 料7頁、8頁にホームヘルプサービスの利用の対象者でございますとか、便宜の内容、 その他参考になるようなものをお示ししてございます。これを踏まえ、御議論いただけ ればと考えております。  さらに(3)といたしまして、精神障害者保健福祉手帳の写真の貼付につきましては、 一律に写真の貼付を行う方法と任意で行う方法とがございますけれども、手帳の信頼性 というものを前提にして、どういった方法が最も適切であるのかという点についても御 検討いただければと思います。こちら資料4−9・10頁、精神障害者保健福祉手帳の概 要と申しますか、それと次の頁、別添といたしまして障害等の判定基準というものをお 示ししてございます。事務局からは以上でございます。 ○高橋座長  どうもありがとうございました。ここでは3点議論していただきたい点がございます が、1、2はショートステイとかホームヘルプサービス、こういうサービスの使い勝手 を良くしようという方向性ですので、これはまとめて御議論いただきたいと思います。 それに続いて、手帳の写真貼付という、これまでもいろいろ議論いただきましたけれど も、それを御議論いただきたい。どうぞ。 ○高橋(紘)委員  文言について、ちょっと私、欠席があって見落としたことに気がつきましたが、一番 目のパラグラフの「非公的サービス」という言い方は、これはインフォーマルサービス の訳だと思うのですが、日本語になるとわかりにくくなる。何を言っているのかわから なくなるというふうに思いまして、ちょっと例示をして文言を修文していただいたら… …。「非公的サービス」という言い方は少なくとも一般的にはしないと思います。とい うか、訳しようがないので、むしろインフォーマルとそのまま使ってしまって……。  ぜひ例示を挙げていただいて、だとすれば、非制度的でないサービスという意味なら わかるんですが、ということでちょっと文章を後で修文していただけたらと思います。 ○高橋座長  わかりました。よろしいですね。どうぞ。 ○内田主査  基本的には、「中間まとめ」はこういった個別の部分でしか、現行、使用いたしませ んので、最終報告にはすべてそういった御指摘を盛り込んだ形にさせていただきたいと 考えております。 ○高橋座長  いかがでしょう、ショートステイ、ホームヘルプサービス。どうぞ。 ○寺田委員  ショートステイは、この資料にありますように、私たちが実際やっていく場合に、そ の対象者というの介護者と一緒に生活している人、したがって何らかの事情で一時的に 介護ができなくなった状態のときにショートステイを利用できる、こういう役割を果た しているわけです。  したがいまして、制度的にいえば、ショートステイは主に生活訓練施設等に併設され ているといいますか、その中の一室を使って実施されているという現状です。実は、こ のショートステイを行うための職員配置はされておりません。そして、利用を想定され るような各市町村から、先ほど話がありましたけれども、業者としての指定を受ける、 こういうような仕組みで今行われている、こういう状況でございます。  したがいまして、今後、入院予防等、そのような新たな機能を加えるということにな れば、当然、職員配置あるいは設備等の問題も対処されないとなかなか対応できない、 こんなふうに思いますし、一方で、単身で生活している人たちにも、いわば息抜きとい いますか、そういうような役割あるいは一時的にちょっと不安定になったときに休息す る意味で利用できる、このような方法が考えられるといいなと、そんなふうに思いま す。  そして、もう一つ、付け加えて申しわけありませんが、ホームヘルプサービスにつき ましては、利用時間帯が非常に問題です。今、多くの市町村、前の資料では全国の市町 村のうち70%くらいが実施していたというふうに記憶しておりますが、その中の大部分 はサービス提供が派遣する時間帯が9時〜5時なんですね。そこのあたりで非常に使い 勝手を悪くしている、こんなふうに考えています。 ○高橋座長  この(2)にあります、1時間単位というのをもっと短くしたらどうか、その点に関し てはいかがですか。 ○寺田委員  これにつきましては、ヘルパーさんの移動時間ということを考えますと、例えば1時 間で1470円という単価だとしますと、30分にしたら、その半分になりますね。移動時間 とサービスしている時間がほとんど同じになったり、あるいは地方都市では移動時間の ほうが長くなったりというようなことで、ヘルパーさんのほうとしては非常に動きにく いといいますか、活動しにくい状況が生まれてくるかなというふうに思います。 ○高橋座長  ただいまの御意見ではショートステイ、本人の状況に応じても使えるようにすべきだ と。それは人の問題があるということですね。どうぞ。 ○村田委員  ショートステイのことについて、私も寺田委員と同じ意見でございます。例えば、生 活訓練施設から退所して、一般就労して、かなり元気で過ごしているような方も、周囲 の環境の状況の変化によって状態が悪化する傾向があります。そういうときに、やはり ショートステイというようなところで、何日間か対応するということで元気を回復し て、また再度、社会の中で生活ができるという事例がございますので、ぜひお願いした いと思います。 ○高橋座長  そういった点については御異論はないかと思いますけれども、よろしいでしょうか。  それから、ホームヘルプサービスを1時間単位ではなくて、もっと短く、30分という ようなことにすると、移動の時間でそれを費やしてしまうという問題があるということ ですが、どうですか。高橋委員からどうぞ。 ○高橋(紘)委員  こういう議論をする場合に、基礎的なデータが必要だと思うんですね。どういう業務 をしてどういう問題があって、単なる実施状況、行政データではなくて、ホームヘルパ ーの業務、それから利用形態、どういう支援をやっているか、そしてその結果利用者が どういう……、そういうことに関する調査というのはございますか、この領域について 議論のベースになるような。 ○内田主査  かねてより申し上げておりますが、精神障害者のこういった調査と申しますか、そう いうものは個別の研究といいますか、個別の事例研究というのはございますけれども、 総合的な統計的なデータということになりますと、精神保健福祉課と精神保健研究所の ほうが毎年6月30日にやっております「630調査」と先般、日精協のほうで実施してい ただきましたニーズ調査というものがある程度でございまして、あくまでももしこうい った厚生科学研究等ございましても、個別の内容のものに過ぎないということでござい ます。  ホームヘルプに関して申し上げれば、7頁に具体的な便宜の内容でございますとか、 そういったものはあくまでも運用向上ではございますが、議論の参考ということでこち らのほう、出させていただいております。 ○高橋座長  では、鶴見委員。 ○鶴見委員  1番のショートステイの運用法というのは実際にもういろいろなところでやっている んですね。それをショートステイとして中に入れるとしたら、先ほど言ったように、施 設への手だてが何らかくっついていないとなかなか難しいのかなというのが1点ありま す。ありますけれども、進めていってほしいことですね、1番は。  2番のホームヘルプのことでは、今、非常に精神のほうが身体介護と家事支援みたい なところで、まだ料金の違いとか、すごく現場が混乱している状況かなというのを全国 的には非常に受けています。ただ、非常にこれは助かっているなという、市に行ったと きも皆さんから聞いても非常に評価が高くて、やはり統合失調症の方は長くいられると 困る方もいて、短くなるという、それも選べるというのは、お金の手だてのこともあり ますけれども、30分で少し高めに設定してあげるとか、そういうことが大事だろうと思 いますけれども、選ぶ側は当事者の方は非常に助かる方も大分いるのかなと思います。  あと、3点目も精神障害者福祉手帳に写真というのを非常にいろいろな論議があるよ うな気がします。障害者手帳として、3障害、統一的な手帳になっていけば、また抵抗 がないのかもしれませんけれども、この3点目については非常に抵抗感が強いと思いま す。  なぜかというと、例えば先ほど就労支援のところで言わなかったんですけれども、労 働省側のハローワークを使うときに、精神の就労支援をハローワークできちんと使おう と思うと、登録するときに必ず精神障害者だって出しますね。出したときに、ジョブコ ーチなどを使って、安定してきて、次のステップアップしようと本人が思ったときに、 いわゆる一般就労を使おうとしたとき、使えないシステムなんですね。あなたは精神障 害者だから、精神障害の支援を受けられるけれども、一般的なハローワークの同じ場所 でやると登録されているので、だめだというような言い方になってしまうんですね。そ れがあると、障害者の方は踏み絵をまずさせられるような、自分をまず精神障害と認め て、その上でないと使えないという現象があって、簡単にいうと本人の手帳を見せたい ときは見せて、見せたくないときは見せないで一般的なことを利用したいという、そう いう制度に考え方自体もいろいろなシステムもなっていくべきかなと思います。 ○高橋座長  写真貼付のことに関してはどうですか。今の話は写真貼付とは直接関係するんです ね。 ○鶴見委員  写真は、私は保留というか、難しいなという気がしています。 ○高橋座長  ここでの議論では、写真貼付はやっていくという基調が強かったように思います。議 論の分かれ目は、写真を貼りたくない人はそれを認めようと。だから、一律にやるか、 自己決定に任せるか、そういう議論があったかと思うんですけれども、写真貼付の方向 性は出ていたように思うんですけれども、いかがですか。どうぞ。 ○上森委員  具体的な家族会の様子を申し上げます。私が「手帳に写真を貼付すること、皆さん、 どう思いますか」と、家族の皆さん30人ほどに問いかけたとき、鶴見委員のような御意 見も含めて、さまざまな反応が出ました。時間がないので要約いたしますと、本人に任 せるという人が3分の1くらい、貼ったほうがいい、反対が3分の1くらいでした。  そのうちに1人のお母さんが、私も存じなかったんですけれども、パッと手帳を自分 から出されて、「実は、私、身体障害があるのよ、息子は精神障害だけれども。身体障 害のほうは、ずっと昔から写真貼ってあるの。精神は何をのろのろしているの。要求だ けして、写真を貼っていないということは、これは社会上、わからないじゃない。小学 校から大学生まで、みんな生徒は身分証明書に写真貼っていますよ」。  米国の場合は、就労の場合に自分の不利になるような、例えば統合失調だとか、そう いう申告をしなくてよいという法律がございますけれども、この話は日本でございます ので、私はやはり座長が今含んで言ってくださったように、どうしても貼りたくないと いう人を強制することは不可能だろうから、やはり一定の移行期間の中で、貼りたいと いう人だっているわけなんですから、そしてその人たちにはちゃんと貼ってもらって、 それなりの利益があるかどうかは別としまして、内なる偏見を持たず、統合失調症が別 に犯罪ではないんですから、たまたま持っちゃった病気なんですから、私はこういう立 場の者だと示すことには何ら不可解な点はないと思う。でも、どうしてもだめだという 人を強制することは、私個人もためらいますけれども、やはりそれは家族とか本人とか の力の中で、手帳の意義、社会の認識のされ方ということを話し合っていく時間があれ ば、私はそれはいいことにつながっていくと信じております。以上です。 ○高橋座長  今後、就労のことなどもあって、手帳というのはいろいろな場面で活用されていくの ではないかと思うんですけれども、そこにおいても手帳の信頼性を増すという点では、 やはり写真の貼付というのは、それを促進すると思うんですね。  ですから、個人的な立場でいえば、一律に写真を貼付する方向性を出していくべきか なと思いますけれども、二、三御意見を伺って、きょうはこれで終わりたいと思いま す。写真貼付について、何か御意見ございますか。どうぞ。 ○高橋(紘)委員  大分前に身体障害者手帳の研究を厚生科学研究でやったことがあって、そのときの感 想なんですが、一つ、本人確認、それを福祉サービス外のところで必要になるという場 面がある。身体障害者の場合、はっきり言えば、町村でさまざまなアイデンティティが できていますから、身体障害者手帳を使う場がほとんどないわけですね。ただ、例えば 公共交通機関が割引だとか、そういう便宜がある、そのときは提供者が本人確認が必要 だから、写真と、それが前提になるという議論だと思うんです。  そうすると、それは一方でいえば、厳然として差別意識があるので、先ほどのお話で は、それはそういうことが知られたくないという意識があることが、それはそういう意 味でいえば市民社会の中で精神障害者であることについての意識について、非常に強い 抵抗観があるため、写真の貼付をやめたという経緯が多分あると思うんです。  そういう意味で、精神であろうが、障害であろうが、趣旨は社会的な支援が必要な人 であるという本人確認の手段であると。そういう手法として、逆にいうと写真以外の方 法だってあるではないか、先ほどの意味では法律に基づいて、例えば法律基準を改正し ていただいた障害者として障害者手帳なんだという言い方で整理をすれば良くて、一方 で、しかし精神障害者であるというアイデンティティというか、そこの問題はまた別の 方法があるだろう。  そういうふうに、一方で差別禁止の問題と深くかかわる感情が厳然としてあることは 事実ですから、そこら辺を無視することはできないので、そこら辺の工夫が起こり得 る。申し上げたいのは、障害別にアイデンティテートする手法ということではなくて、 例えば介護保険であれば、介護保険証だっていいくらいの話だと思うのですが、それの 障害者ということ、そしてそれをさまざまな事業者の便宜供与のルールとしていくとい う、そういう形を考えればいいのかなという気がします。 ○高橋座長  はい、どうぞ。 ○谷野委員  僕も個人的には写真を貼ったほうがいいと思います。ただ、問題は本人選択に任せる ますと、現在、精神保健福祉手帳というのはあるんですね。それで、本人が絶対貼るの が嫌だと言った場合に、手帳で2種類が出てくるんですね。精神障害福祉手帳AとかB とかいうことに分けるということは法的にこれは可能なんですか。 ○矢島精神保健福祉課長  ここで御議論が定まれば、方法はこれから検討できると思うんですけども。 ○高橋座長  もうお一人、どなたか、手帳に関して御意見がおありになれば。 ○鶴見委員  要するに、写真ということが、先ほど言ったのは、欠格条項とか、そういう意味で社 会的な周りの見方とか、理解というのが進んでいない−−普及啓蒙の部分もあるんでし ょうけれども、それと一律、いわゆるそのことで本人として特定できるような形を認め るなら、やはりサービス体制とか、社会体制をきちんとすべきこととセットではないの かなという意味で。ただ、心理教育とか、そういう場では上森委員が言ったように、精 神障害ということを全面に出すべきではないかということは、考え方としては私もそう いう考え方です。 ○高橋座長  サービスの種類を増やすとか、サービスを広げる意味でも、やはり写真の貼付が、確 かにセットなんですけれども、両方並行していかないとならないということはあるんで すね。 ○鶴見委員  そういう趣旨であれば、私も賛成ですけど。 ○高橋座長  では、まだ議論もおありかと思いますけれども、時間がまいりましたので、この辺で 終わらせていただきたいと思います。まだ3回ございますので、いろいろな場面できょ うの議題をまだ取り上げたいと思います。  次回はケアマネジメント管理の事項について、資料を事務局から提出していただい て、議論させていただきます。  そのほか、事務局から何かございますか。 ○渡辺課長補佐  お忙しい中、ありがとうございました。次回はケアマネジメントに関する資料を事務 局 から提出させていただきまして、御検討願えればと思っております。きょうはちょ っと積み残しといいますか、議論仕切れなかった5の部分につきましても、引き続き御 議論いただければというふうに思ってございます。  日程でございますけれども、次回は6月8日(火)10時から12時半ということで事前 に申し上げてございましたけれども、その予定でさせていただきたいと思います。場所 はこの建物の5階の7会議室を予定しておるところでございます。正式な出席の確認に つきましては、また御連絡させていただきます。以上でございます。 ○高橋座長  それでは、これをもちまして第8回の検討会を閉会いたします。どうもありがとうご ざいました。                                    −以上− (照会先)      [精神障害者の地域生活支援の在り方に関する検討会事務局]                   厚生労働省社会・援護局                    障害保健福祉部精神保健福祉課                     内田(内線3054)石田、小口(内線3059)                             TEL 03−5253−1111                             FAX 03−3593−2008