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〈参考資料1〉

臓器提供施設より報告された診断・治療概要


6月28日  
 14:15頃会議中に突然意識障害と左顔面麻痺出現。
 14:16救急隊出動要請。
 14:24救急隊現場到着。酸素投与。
 15:06救急隊当院到着。
意識レベルJCS I−1,GCS E4+V4+M6=14
両側瞳孔2mm、対光反射あり、左半身麻痺を認める。
血圧192/108。酸素マスク4Lリザーバー開始。
 15:15採血・静脈確保(右腕)、点滴開始(ソリタ)。
頭部CT施行。所見:右大脳混合型出血および脳室穿破。
胸部X線施行。
 15:30グリセオール開始。
 15:50除皮質硬直位。失禁・失便。いびき様呼吸に対して右鼻孔に8mmナーザルエアウエー挿入。ワーファリン投与歴が判明した為、ビタミンK2、止血剤(アドナ、トランサミン)、H2ブロッカー(アルタット)投与開始。
 16:00瞳孔不同出現(右2mm、左2.5mm、対光反射消失)。
 16:15意識レベルIII−100に低下。
 16:20家族(娘)に頭部CTを示しながら病状を説明。「重症な脳内出血で緊急入院が必要です。治療に手術適応があるかどうか脳外科に相談してみます。」と説明。
 16:34血圧210/72に対して、ペルジピン1mg投与。
 16:50救命救急センター集中治療室(CCM)に入室。
 16:55血圧208/88にペルジピン1mgを2回投与。
呼吸数30。脈拍68。
 17:10ドルミカムとフェンタネスト投与後、気管内挿管して、人工呼吸器(アダルトスター)を装着。このころより対光反射消失。
 18:00右内頸静脈より中心静脈ラインと左橈骨動脈に動脈ラインを挿入。
 21:00鎮痛のためにフェンタネスト投与開始。
 22:00意識レベルIII−300、血圧280/108となり、ペルジピン持続点滴(1mg/hr)開始したところ、血圧80/40まで急激に低下。
 22:25ペルジピンを中止。
 22:50収縮血圧72まで更に低下したため、ドーパミンを5μg/kg/minで開始。
家族(息子)への説明。「重症な脳出血です。脳外科的判断では手術適応のない脳出血ということでしたので、内科的に治療しています。具体的には、人工呼吸器で呼吸管理をして、止血剤、抗潰瘍薬、肺浮腫防止薬、そして、ワーファリンの拮抗薬であるビタミンKを投与します。できる限りの治療をします。」
 23:10両側瞳孔散大(5mm大)、対光反射消失のまま。フェンタネスト中止。
 23:30ドーパミンを10μg/kg/minまで増量。
以後血圧100−140/40−80に安定。
  
6月29日 
 3:00発熱38.6℃に対して誤嚥性肺炎を疑ってユナシンを開始。
 13:20頭部CT施行。所見:脳内出血の増大を認める。
 14:50家族への説明。「回復はほとんど期待できません。」と。
 17:35血圧低下に対してノルアドレナリンを追加投与。
 23:00長男より、脳死状態であれば臓器提供の意思のある旨、申し出がある。
臓器提供相手の希望やドナーカード所持の有無など疑義があったが、家族が臓器移植コーディネータの説明を希望したため、連絡をとる。
  
6月30日  
 1:30ドナーカードの所持を確認。
 3:50脳波、聴性脳幹反応の測定を実施。
 5:30臨床的に脳死と判断し、家族に説明。臓器提供についてコーディネータの話を聞きたいとの再度申し出があり、コーディネータに連絡。
 15:55本人の臓器提供意志および家族の同意を書面にて確認。
 16:44法に基づく第1回目の脳死判定を開始。
 20:07法に基づく第1回目の脳死判定を終了。
  
7月1日  
 2:07法に基づく第2回目の脳死判定を開始。
 4:13法に基づく第2回目の脳死判定を終了、脳死と判定し死亡を宣告。


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