04/03/12 独立行政法人評価委員会労働部会第9回議事録           独立行政法人評価委員会 労働部会(第9回)                            平成16年3月12日(金)                            14:00〜16:00                            経済産業省別館1028会議室 出席者;井原部会長、川端委員、篠原委員、寺山委員、古郡委員、村山委員、横倉委員 1.開会 ○井原部会長  それでは全員が揃われましたので、ただ今から第9回の独立行政法人評価委員会労働 部会を開催させていただきます。委員の皆様におかれましては、お忙しい中をお集まり いただきまして、誠にありがとうございます。  今回は、今野委員、竹内委員、保原委員、松田委員、本寺委員が御欠席でございま す。  それでは、はじめに事務局より本日の議事について簡単に説明をお願いします。 ○川尻政策評価官  政策評価官でございます。本日は、2つの法人について御審議いただくことを予定し ております。  まず雇用・能力開発機構でございます。去る3月1日に設立されましたが、委員の皆 様方には厳しい日程の下で中期目標あるいは中期計画などについて御審議いただきまし て、誠にありがとうございました。本日の審議事項ですけれども、すでに厚生労働大臣 に提出されております、この機構の役員に対する報酬あるいは退職金に関する規程につ きまして御審議をいただく予定でございます。  それからもう1つの法人が、労働者健康福祉機構でございます。前回だいぶ御審議を いただいたところですけれども、前回御説明ができなかった予算あるいは資金計画、収 支計画といった面も含めまして、中期目標・中期計画について御審議いただくというこ とでございます。それから本日新たに業務方法書を提示しておりますし、長期の借入金 の関係も御審議いただくということで、中身的には盛りだくさんでございますけれど も、いずれにつきましても労働者健康福祉機構についての御審議のとりまとめを本日お 願いできればと思っております。  それから最後に、この労働部会の運営の関係でお諮りしたいことがございます。後で 私のほうから御説明いたしますけれども、業務方法書等ができ上がった後に、非常に形 式的な改正がなされるということがままございます。そういうときの部会の審議の取り 扱いについてお諮りしたいと考えています。以上でございます。 2.審議 (1)雇用・能力開発機構関係の審議 ○井原部会長  それではまず雇用・能力開発機構の役員給与規程及び役員退職金規程について御審議 いただきたいと思います。説明をお願いいたします。 ○職業能力開発局総務課課長補佐  職業能力開発局でございます。給与規程の説明に入ります前に、まず新しい役員につ きまして御紹介させていただきたいと思います。参考資料5−5を御覧いただきたいと 思います。2月27日付で角野敬明氏が指名され、3月1日付で理事長(代行)として大 臣より任命がなされております。なお(代行)となっておりますのは、当面理事長とし ての職務を行うものとしての位置付けということでございます。民間人から適任者を探 しておりましたが、これが設立までに間に合わなかったという経緯がございまして、こ ういったかたちの任命になっております。  また、同じ3月1日付で大臣より監事として田上氏、島野氏が新たに任命されており ます。なお理事につきましては、新たに任命された和田氏をはじめとして、御覧の5名 が任命されております。  引き続きまして、給与規程等の説明に移りたいと思います。 ○雇用・能力開発機構総務部長  給与規程の説明の前に、恐縮でございますが委員の皆様に先週送付いたしました資料 のうち、平成15年度計画につきまして一部修正させていただきます。参考資料5−4、 本日お配りしております年度計画の最後の部分でございます。具体的な修正箇所でござ いますが、平成15年度資金計画で、本日お配りしたものは直してございます。資金支出 のところに「翌年度への繰越金」という欄がございます。先週皆様にお送りした資料で は、「次期中期目標への繰越金」となっておりました。誤植でございます。「翌年度へ の繰越金」が正しいものでございます。修正箇所は以上でございます。  それでは本日の議題でございます、役員給与規程及び役員退職金規程について御説明 申し上げます。資料5−17、5−18でございます。  まず役員給与規程でございます。給与の種類、第2条でございます。常勤の役員につ いてのもの、非常勤の役員についてのものを定めております。  第3条、給料の支払いの原則を定めております。  第4条、本俸の月額の関係でございます。理事長が109万2千円、理事89万円、監事 76万3千円と定めております。また非常勤の役員手当てにつきましては、第10条に月額 24万8千円と定めております。  第5条でございますが、国家公務員の調整手当に相当する手当の支給についての定め でございます。  第6条、第7条、月の途中で任命された場合の計算方法でございます。  第8条でございます。常勤の役員に対して6月及び12月に期末特別手当を支給するこ とを定めております。支給額でございますが、本俸の月額に特別調整手当の月額並びに 本俸の月額に100分の25を乗じて得た額、並びに100分の20を乗じて得た額の合計に、こ れは一般職の職員の給与に関する法律の定めがございますが、全体で6月期で1.6カ月、 12月期で1.7カ月乗じて得た額としております。なお支給額につきましては第8条第2 項でございますが、職務実績に応じて、これを増額し又は減額することができる規定を 設けております。  そのほか8条の中で、期末手当を支給しない場合、一時差し止めをする場合の規定を 定めております。なお、支給しない場合は、これは独立行政法人通則法第23条第2項の 規定に基づく解任により退職した場合等でございます。  続きまして第9条は通勤手当について定めております。  また附則に、理事長代行の任命に伴う措置について第3項に定めをいたしておりま す。  続きまして、役員の退職金規程の関係でございます。資料5−18でございます。第1 条において、退職金の額の算定方法について定めをいたしております。常勤の役員が退 職した場合、在職期間1カ月につきましてその者の退職時における本俸の月額の100分 の12.5の割合を乗じて得た額に、この評価委員会が0.0から2.0の範囲内で業績に応じて 決定していただく業績勘案率を乗じて得た額を支給することといたしております。この 規定は平成15年12月19日の閣議決定、「独立行政法人、特殊法人及び認可法人の役員の 退職金について」において決定された内容に基づいて定めをいたしております。  続きまして第2条でございます。在職期間の月数の取り扱いについて定めをいたして おります。  第3条でございますが、これは国家公務員として在職した後、引き続いて機構の役員 となった者等の退職金の支給、在職期間の取り扱いについて定めをいたしております。  第5条でございます。役員が通則法第23条第2項の規定に基づく解任により退職した 場合は支給しないということといたしております。先ほどの役員期末特別手当における 取り扱いと同様の趣旨でございます。  附則でございますが、いろいろ経過措置が書いてございます。旧機構の役員であった ものが引き続き機構の役員となった場合、その者の退職金の支給額の算定の経過措置を 定めております。第3項でございます。旧機構から引き続き機構の役員となった者の退 職金を算定する場合の支給割合につきまして、平成14年3月31日までは100分の36、平 成15年12月31日までは100分の28。平成16年2月29日と3区分いたしまして、最後の場 合は100分の12.5。さらに3月1日以降につきましては100分の12.5に、この評価委員会 で決めていただく業績勘案率を乗じた割合とする。それを定めております。以上でござ ます。 ○井原部会長  それではただ今の説明について御質問がありましたらお願いいたします。 ○篠原委員  役員給与規定の第8条第2項の最後の部分です。「その者の職務実績に応じ、これを 増額し又は減額することができる」という規定があるのですが。独立行政法人化したと きの、いわゆる業績によって役員の給与等を増額・減額するということは、現実的には それほど行われないのではないかという感じがしているのですが。どういう場合に具体 的にどの程度やるのか、あるいはどういう機関で決定するのかということは細則で決め るのですか。それともこの文章で終わりということなんでしょうか。 ○雇用・能力開発機構総務部長  要するに運用の関係でございますが、もちろんこれからということでございますが、 例えばこの評価委員会の評価もございますので、そういうものも当然ひとつの重要な参 考となりますし、そういうものを踏まえてということになろうかと思っておりますけれ ども、文章上はこういう表現になっております。今後の運用で考えていくということで ございます。 ○篠原委員  次に役員退職金規程で第1条の最後のほうに、前々回くらいでしょうか、報告された と思いますが、「評価委員会が0.0から2.0の範囲で業績に応じて決定する」となってい ますが、これの具体的な評価の仕方とか何かがないと、評価委員の立場としては、困難 な作業となるのではという感じがしないのでもないのですけれども。 ○川尻政策評価官  この業績勘案率については、各部会で年度評価をしていただくわけですけれども、そ ういうものを参考にしながら、できるだけ機械的に業績勘案率が出るような方向を考え てはどうかということで、今いろいろと案を練っております。  前回か前々回かに申し上げたと思うのですけれども、総会で大所のところをお諮りし て決定をいただいたら、それに沿ったかたちで各部会で運用していただいてはどうかと いうことです。3月30日に総会を予定しておりますので、その後に開かせていただく労 働部会で御説明させていただこうかと考えております。 ○横倉委員  もうすでに発足している法人がありますね。それに関しても今の案が適用されるとい うことになりますか。 ○川尻政策評価官  退職金の話ということでしょうか。 ○横倉委員  それに該当するケースは今までのところないということですか。3月末で検討される というと、ほとんど期が終わってしまいますね。 ○川尻政策評価官  今、業績勘案率が問題になりますのは退職金の関係だけでございますので、実際に退 職者が出ますと、その時点でどうするかということです。今のところあと3月も何日か ですが、3月中に退職者が出る予定はございませんので、そういう意味では大丈夫かな と思っております。4月以降に退職されれば、総会で御了承いただいたような基準を適 用してはどうかということです。 ○横倉委員  私的な意見ですけれども、やはり業績勘案率というのは退職金だけにかかわらず、そ の法人全体の評価につながる問題ですので、非常に私たちも関心を持っていますので。 初年度に関してはまだいろいろあると思いますけれども、ぜひ内容あるものにまとめて いただきたいと思います。 ○川端委員  これがちょっとよくわからないのですが。退職金規程の第4条で、国家公務員として 在職した後、引き続いて役員になった者について、公務員の身分で役員になって、それ でやめた後引き続いて機構の役員になって、この場合、国家公務員の退職金のほうにも 加算されるわけですか。それからこちらのほうの役員のときにも加算される。ダブル加 算になるという、そういうふうにはならないのですか。 ○雇用・能力開発機構総務部長  そういう意味ではございません。ダブル加算ということではございません。 ○川端委員  国家公務員として在職ということは、国家公務員の身分のままこちらの役員になると いうことですね。そうじゃないんですか。第4条、国家公務員退職手当法に規定する職 員ですよね。そうするとそれが国家公務員の身分を持ちつつ、独立行政法人の役員をや っているという、こういうことになるんですか。 ○雇用・能力開発機構総務部長  そうですね。率直に言いまして、この場合「引き続いて」ということでございますの で、退職して例えば1週間とか2週間おいて就職した場合とかはこの適用ではございま せん。退職して引き続いて役員になっている場合とか、そういう場合です。 ○川端委員  その場合に、国家公務員の身分で役員となっている期間を算入するというわけです ね。そうじゃないんですか。 ○川尻政策評価官  この規定の趣旨としては、国家公務員が1日も空けずにこちらの機構の役員になった 場合、機構で退職金をまとめて出しますということになると思います。国家公務員の何 年勤めたというのを引き継いで機構に来るというかたちになると思います。ただし、ま た国家公務員に戻るというときには、第4条第4項で、退職金を支給しないとなってい ます。国家公務員に戻ると、機構の役員の期間は国家公務員であるとみなして退職金を 出す。要するに通算してどちらかの退職金として出すというだけで、ダブルで退職金が 出るという規定ではありません。 ○川端委員  国家公務員から引き続き役員になった方は、そこの退職金が全部独立行政法人とな る。 ○川尻政策評価官  とりあえずそういうことなのですが、また戻ったりしますと、機構では出しません。 国家公務員として引き続き勤め、最終的に国家公務員を退職するときに国家公務員退職 手当法に従い手当てが出るという、こういう調整規定だと思います。 ○雇用・能力開発機構総務部長  これは当機構の特別なものではございません。全体の横並びの国家公務員との関係の 調整の規定です。 ○篠原委員  同じところで質問させていただきたいのですが。引き続き国家公務員になったときは 退職金を支給しないということの問題ですけれども、役員として在職したときに功績が あった場合、その部分は後にそれが加算されるのですか。それとも国家公務員に戻った ら、そんなことは関係なく国家公務員としての退職規程で支払われるのでしょうか。独 法のときの役員としてのモチベーションがないのではないかという気がしますが。 ○川尻政策評価官  たぶん篠原先生がおっしゃっているのはそのとおりで、国家公務員として最終的に退 職した場合には、国家公務員退職手当法により機械的に計算して支給されると思いま す。この機構の役員期間においてどういう業績が上がったかということは、おそらく勘 案されないかたちになるだろうと思います。そこが不合理ではないかというお話がある かもしれませんけれども、ちょっとこれは一法人だけの問題ではないものですから。 ○篠原委員  そうすると第1条で対象を何にするのか書いておかなくてはいけないのではないで しょうか。それと実績を上げた役員に対しては、何か報いるかたちにする場合に、一時 金というような手段はとれないでしょうか。国家公務員の場合、出向してこちらに来て いたとしても、取り得る手段が限られているのかなと感じています。 ○雇用・能力開発機構総務部長  規定がありながらこういうことを申し上げるのは矛盾しておりますけれども、事実上 役員で、引き続いてこういうかたちでなっている者は、私が知る限りではおりません。 規定がありながらこういうことを言うのは申しわけないのですが、役員の場合、最近の 例ですと一度退職して、そこで退職金が国家公務員として清算されております。理念的 に続けてくる場合があるので、こういう規定が横並びですべての法人に入っていると承 知しております。 ○井原部会長  現実には機構に出向して業績を上げて、公務員として戻ってきた。そうするとそのと きの業績が評価されて、早く局長になるとかという、そういう評価はありうるんでしょ う。 ○川端委員  たぶん行政本体のほうで、彼はよくがんばってきたということになるのかもしれませ んね。 ○井原部会長  もしそういうふうに戻ってきたときに何らかの評価がされれば、それが動機にはなり ますね。 ○川端委員  基本的には、役員で来ていても、退職してまた役員になるという、こういうかたちで すね。 ○雇用・能力開発機構総務部長  事実上、そういう方がほとんどというか、私の承知している限りすべてでございま す。そういうことができないということではございません。 ○井原部会長  後はよろしゅうございましょうか。それでは、以上の議論で雇用・能力開発機構の規 程については了承されたということにさせていただきます。 ○川尻政策評価官  雇用・能力開発機構の関係はこれでということで、事務局を入れ替えますので少しお 待ちいただければと思います。                  (事務局入替) (2)労働者健康福祉機構関係の審議 ○井原部会長  次に、労働者健康福祉機構についてお願いしたいと思います。まず前回審議を行った 際の委員からの指摘事項に対する回答、それから前回説明のなかった予算、資金計画、 収支計画についての説明をお願いします。 ○労働基準局労災補償部労災管理課長  労災管理課長でございます。それでは資料6−7に中期目標・中期計画の概要につき まして、先日、議論をいただきました結果、修正した部分、あるいは御議論になって追 加・補足をさせていただき、後ほど追加して提出させていただいております予算等の資 料についても説明をさせていただきます。  まず資料の6−7の1ページでございます。先般村山委員から、「健康日本21」と いうコンセプトについて厚生労働省として取り組んでいるということを踏まえて、その 精神をどこかに書き込んだほうがいいのではないかという御指摘をいただきました。そ こで前文の第2段落のところにアンダーラインを引いてございますけれども、「「健康 日本21」の理念に沿った労働者の健康づくりの支援の趣旨も考慮した医療活動並びに 職場における産業保健活動の着実な実施」というような観点で入れさせていただいてお ります。  もともと「健康日本21」は、国民全体の自発的な健康づくりというものを関係各機 関が支援していこうという運動でございますので、直接労働関係のこういった施設で自 ら率先してやるということではもちろんないんですけれども、勤労者の健康づくりとい う観点からできる限りの支援をしていくという観点でそこに入れさせていただいており ます。  2ページのところです。これは修正ではないのですが、3のところでございます。労 災病院の再編による効率化というところで、労災病院の再編計画としまして、平成16 年、まだ日にちが入ってございませんけれども今年度中に計画をつくることにしており ます。今月中ということになりますけれども、まだ具体的に日にちが特定されておりま せん。ただ内容としましては、37病院を30病院とする。5病院を廃止し4病院を2病院 に統合するという内容で再編計画を具体的に策定し、それに基づいてこの新機構で具体 的に再編を実施していくという運びになっておりますので、追加で説明させていただき ます。  それから8ページでございます。中ほど右側ですけれども、予算、収支計画及び資金 計画とございます。これにつきましては後ほど労働福祉事業団から追加で資料を出して おりますので説明をさせます。  第4の短期借入金の限度額でございます。前回はまだ金額が入っておりませんでし た。9ページの頭のところですが、年間支出の3/12月を計上ということで、41億84百 万円という数字を入れております。  第5のところですが、重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときの計画と いうことで、「労災病院の民営化、又は民間・地方移管」となっております。前回これ は閣議決定の文言をそのままもってきて「民営化」という文言を入れておりましたけれ ども、現実に私どもがこれから進めてまいりますのは、再編いたしまして、再編の対象 外となる病院を地方又は民間に移譲していくという方針で進めてまいりたいと思ってお りますので、「民営化」という文言は落とさせていただいております。  第7、その他主務省令で定める業務運営に関する事項としまして、1(1)(2)でご ざいます。職員の現状ですが、運営費交付金職員は800人ということですが、併せて労 災病院の職員12,922人ということで記載させていただきました。こちらについては(2 )人員に係る計画で前回説明をいたしましたように、交付金を充当して事業を行う職員 については1割の80人を減少するという計画になっております。ただ病院の職員につき ましては、労災病院全体の運営の中、経営の健全化を図っていく中で、給与費その他の 費用をカットする中で必然的に職員数も減っていくことになるだろうと思います。今そ こで職員を何人減らすことになるかということにつきましては、全体の経営の中で出て くるものでございますので、この部分の人員については計上いたしておりません。それ を御了解いただきたいと思います。  2の施設・設備に関する計画でございます。(1)(2)予定額のところです。現在ま だ改築途中の労災病院につきまして、第1期の中期計画期間内に限って補助金として経 過的に措置するものでございます。その金額が前回入っておりませんでしたが、今回そ こに584億44百万円ということで載せております。  (2)労災病院以外の施設に係る計画ということです。ここの部分についても、前回 説明しましたせき損センターですとかリハビリテーションセンター等の交付金で運営し ている施設につきまして、その施設整備補助金による補助の額ということで24億67百万 円。これも(注3)にございますように、今期の中期目標期間の施設整備の計画額であ るということで計上させていただいております。  変更あるいは追加になった文言は以上でございます。若干補足させていただきます と、前回の議論の中で、病院経営と政策医療の両立という観点から何人かの先生から御 指摘をいただきました。そのときにも御説明をさせていただいたつもりなんですけれど も、若干整理をさせていただきます。  労災病院を再編いたしまして30の労災病院といたします。この30の病院で全国的なネ ットワークを組んで、いわゆる勤労者医療の中核的役割を果たしていく。そういうひと つの大きな目標と、それから経営基盤を確立するということで、いろいろな経費をカッ トしながら、また収入獲得の努力もしながら、一般の病院として努力していく。両面の 大きな課題を抱えながら出発するということになるわけでございます。  そのうちの前者の勤労者医療の部分につきましては、これは一般の病院の診療報酬を 収入としてやる部分ではなくて、政策目的でやることでございます。ですから研究・開 発等に対しまして運営費交付金というかたちで国費を投入して一定の成果を上げて、ほ かの病院にその成果を普及させていく。そういうことでやっていくということでござい ます。  一般病院と同じような診療の部分。これもただの一般病院というのではなくて、ほか の病院ではなかなか診療がしにくいような12分野を指定させていただいていますけれど も、そういった治療に重点を置いたかたちで収入の確保を図ってまいりたいと思ってお ります。その部分については、その地域のほかの病院ともある程度競争しなければいけ ない点が出てくるわけでございます。ただやみくもに収入だけを確保するということで はもちろんございません。その地域に置かれている公的病院としての役割を考えなが ら、医療の水準を確保・向上させていくということで取り組んでいきたいということで ございます。  それからもうひとつ、これも村山委員の御指摘だったと思いますけれども、例えば産 業医科大学とか産業医学総合研究所のすみ分けはどうするのかという話がございまし た。もちろん研究・開発という大きなくくりで見れば共通する部分もあるんですけれど も、私どもの考え方としましては、産業医科大学で行う研究というのは職場環境ですと か作業形態などが労働者に与える影響、それから産業保健対策に係る効果や評価といっ たようなことの、基礎的な研究を主にやるという考えでございます。  産業医学総合研究所のそれは、主として労働者の健康を阻害する例えば物理的化学的 諸要因といったようなことからも、いわゆる疫学的研究というようなことを中心に進め ているという整理をしております。  労働者健康福祉機構における研究・開発というのは、モデル医療等の標準化を推進す るというような目的で、労災病院で集めたデータを集積しまして、効果的な治療法や予 防法の研究・開発ということで、一定のすみ分けをしているつもりでございます。もち ろん全部きっちりきれいに線が引けるというわけではございませんけれども、そこらへ んは逆にまた関連するところと連携をとりながら進めていくところもあるのではないか と思っております。  最後に、寺山委員から、産業保健関係者の人材養成の関係で、一般の看護学校でも産 業保健や勤労者医療のカリキュラムを取り入れたらどうかという御指摘があったかと思 います。正直申しまして現在のところ、御指摘のとおり一般の看護専門学校でそういっ たカリキュラムは用意されておりません。厚生労働省の中でも看護学校等を担当する部 局とも話をしてみたのですが、なかなか直ちにそちらのカリキュラムを変えるというこ とも難しいというのが事実のようでございます。ただそうであるならばこそ、なおさら 労災病院におきまして現場での実習と申しますか、そういった貢献も必要だろうという ことで、地域の一般の看護学校からの要請があれば、そういった実習も労災病院で受け 入れるようなことはしていきたいと思っています。一定の限度があるかもしれませんけ れども、そのへんは極力努力をしていきたいと思っております。  卒前の教育とはいえないわけですけれども、労災病院の中での勤労者医療に関する研 修内容を組み込んだ臨床研修プログラムを作成しまして、臨床研修に積極的に取り組む ということを中期計画でうたっております。そのへんでの人材育成についてはやってい きたいと思っております。委員の御指摘にそのまま応えることには必ずしもなってない かもしれませんけれども、できる限りそのへんで人材育成については検討していきたい と思っております。  私の説明は以上でございます。引き続きまして、予算等の計画について事業団のほう から説明をさせていただきます。 ○労災福祉事業団経理部長  事業団の経理部長でございます。よろしくお願いいたします。それでは資料6−9の 別紙1−1の資料によりまして御説明いたします。  表題にございます、中期計画(平成16年度〜平成20年度)の予算について、御説明申 し上げます。予算の基本的なところといたしましては、1つは、先ほどから出ておりま す本部の運営費、あるいは看護学校等の交付金対象施設の運営事業に関しては、国から の補助としまして運営費交付金が補助されております。2つ目は労災病院でございます けれども、労災病院につきましては診療収入で受けている事業でございます。3つ目は 運営費の補助でございます。これも国からの補助でございますが、未払賃金立替払事 業、それから労働安全衛生融資事業、あるいは各種の助成事業が補助金として国から補 助されております。主に予算の収支につきましてはこの点が中身として出てきておりま す。  それでは詳細につきまして御説明したいと思います。収入の部でございます。運営費 交付金でございます。これにつきましては先ほど申しましたように、本部及び交付金対 象施設の給与費、あるいは業務の運営費を計上しております。国からの運営費の交付金 でございます。  次に施設整備費補助金でございます。これは労災病院の増改築に要する経費でござい まして、来期につきましては中期計画の中で、関東、東京、東北、中部、九州、浜松、 和歌山の7病院が予算措置をされております。  その他の国庫補助金でございます。これは未払賃金立替払事業、それから小規模事業 場産業保健活動支援促進事業費に係る経費、安全衛生融資の利子の補給等の経費がその 他の国庫補助金として計上されております。  民間借入金でございます。これにつきましては後ほどまた長期の借入金のところで御 審議いただくことになっておりますけれども、民間の借入金につきましては、安全衛生 融資の関係で、財政融資からの借入金の償還に係る資金不足に係る民間からの借入金、 そのようなものを計上しております。  求償権回収金でございます。これは未払賃金の立替払に係る回収金の予定額を計上し ております。  貸付金利息でございます。これにつきましては、安全衛生融資貸付金の回収金に係る 事業主からの利子収入の予定額でございます。それから今年度限りで廃止になります援 護資金の貸付金、自動車購入資金、住宅資金の回収、あるいは債権管理が残りますの で、それに要する償還金に係る利息の収入を貸付金利息として計上しております。  次に貸付金の回収金でございます。これにつきましては安全衛生融資の貸付金の回収 金、それから援護資金の貸付金の回収金、これも先ほど申しましたように、自動車、住 宅等の回収金でございます。  次に業務収入でございます。このように高額になっておりますけれども、労災病院の 診療収入による事業収入等がここに含まれております。  受託収入でございます。これはじん肺診断の技術等研修の、厚生労働省からの委託に よる受託の収入金額でございます。  業務外収入でございます。これにつきましては、本部あるいは交付金施設の職員の宿 舎料の収入、あるいは安全衛生融資の延滞金等の収入を計上しております。  次に支出の部でございます。業務経費のうちの本部業務関係経費でございます。これ は本部で行う事業経費などを計上しております。次に病院業務関係経費につきまして は、労災病院の診療収入に対応する医療材料費、あるいは病院運営に要する経費等の支 出を計上しております。施設業務関係経費につきましては、交付金対象施設の事業経費 を計上しております。なおこの中につきましては、看護専門学校等を2校廃止するもの も含んで計上しております。賃金援護業務関係経費でございます。これは未払賃金の労 働者に対する立替払いの所要額を計上しております。産業保健業務関係費でございま す。これも小規模事業場の産業保健活動支援促進助成費に係る所要額です。自発的健康 診断受診支援助成費等の額を計上しております。  次に施設整備費でございます。先ほどの労災病院等の増改築に要する経費を計上して おります。  借入金償還でございますが、これにつきましては安全衛生融資の原資が財投からの借 入金でございますので、それの借入金と、それから今度発生する償還、財投への不足金 を民間金融機関から一部借りるということでございまして、その額を計上しておりま す。  支払利息につきましては、財源融資の財投への借入金に対する支払利息等を計上して おります。  一般管理費につきましては、本部の管理運営費所要額を計上しております。  人件費につきましては、本部より交付金対象施設の職員給与等を計上しております。  なお、この中で交付金の額につきましては、中期計画の中でも出てきておりますけれ ども、一般管理費につきましては原則中期計画の中で15%の減、それから事業費につき ましては5%減ということで、運営費交付金の中期計画で計上させていただいておりま す。  次に下のほうにありますけれども、人件費の見積もりにつきましては、中期期間中の 総額としましては、7,006億75百万円を支出する。内訳としまして、一般管理費で294億 22百万円、業務経費、これは労災病院等が主になりますけれども、6,712億54百万円の 人件費が含まれております。この結果、収入・支出につきましては、中期期間の中で 587億26百万円の収支差で剰余が生じるという計画を立てております。  なお引き続きまして収支計画、資金計画がございますけれども、この収入・支出を収 支計画あるいは資金計画にならしておりますので、説明は省略させていただきたいと思 います。 ○労働基準局労災補償部労災管理課長  1つだけ追加させていただきます。ただ今説明をしました予算関係、資金関係、収支 関係につきましては、おおむねこの枠で確定はしているんですけれども、なお若干まだ 財政当局と調整をしている部分がございます。そんなに大幅になることはもちろんあり ませんけれども、そのへんについてまた後ほど修正があった場合につきましては、部会 長とも御相談の上、修正させていただくというようなかたちで、できればお願いしたい と思っております。よろしくお願いいたします。 ○井原部会長  それでは御質問、御意見をどうぞ。 ○村山委員  数字はなかなかわからないものですから。先ほどちょっと聞き逃しかもしれません が、業務経費がマイナス5%。ここはよくわかったのですが、病院収入のほうはどれく らいプラスで見込まれているのですか。パーセントは。実際の数字だとぴんときません ので。つまり病院収入をどれくらい増やすように各病院にお願いをして、例えば人件費 をどれくらい減らしたとか、そういう説明を。 ○労働福祉事業団経理部長  診療費の改訂の動向が将来がはっきり見えていないのですけれども、一応単年度で 0.5%の診療費の収入増を各年度見込んでおります。それから今申し上げましたけれど も、診療施設の予算の結果を資金計画で出しておりますけれども、平成20年度で一応損 益ニュートラルというかたちで組んでおります。労災病院につきましても、人件費ある いは診療材料費も抑制をやっております。人件費につきましては、超勤につきましての 減額をするとか、あるいは機構に移った場合には通則法の中で、給与につきましては成 績を反映する、あるいは民間の社会事情に基づいた人件費にするということがうたわれ ておりますので、うちのほうでこれからその給与体系のシステムを構築いたしまして、 それから給与を減額するというようなことを織り込んでおります。  診療材料費につきましても、一応の目安として民間の収入に対する経費、そういうも のを参考にするわけでございますが、そういうところを中期目標期間中、あるいはちょ っと超えた期間で、民間に沿うようなかたちにしまして、そういう結果で中期目標期間 の中で損益ニュートラルという計画になっております。 ○村山委員  今回のことはいいのですが。例えば病院を30にする。30全体一律に今の数字を割り振 っていこうというのか。病院も実績が違いますよね。患者の数とかいろいろ違うでしょ うし、経費も違うだろうから。それをみんな配慮してこの数になっていると、そう解釈 してよろしいですね。 ○労働福祉事業団経理部長  個々の病院につきましては、そういう観点から今回、病院と協議をやりまして、一律 ではなくてそれぞれ個々の病院に応じてそれぞれの目標を達成するようなかたちで今考 えております。 ○寺山委員  私も数字に弱くて全然わからないのですけれども。資料6−7の9ページのところで す。労災病院が老朽化を直しているので、設備整備を行うということですが、どのよう な設備整備をイメージとして期待されるのでしょうか。この584億円という数字でどの 程度の直しができるのかわかりませんけれども。あちこちの労災病院は大変老朽化が進 んで、ここに書いてあるのはそうだと思うのですが。老朽化だけ直しているのか、それ とも新しい病院としてコンセプトを共通にして、アメニティの問題だとかさまざまな内 部的なことろまでやっていくのでしょうか。私どもとしてはそう期待してよろしいのか ということが1つです。それから中期計画中に7つでしょうか、整備計画が終了するい う。順次やっていくと思ってよろしいのでしょうか。わからないので質問でございま す。 ○労働福祉事業団経理部長  最初の機能の問題でございますけれども、ここに書いてあります関東、東京、東北、 中部につきましては、このうちの4病院については今度の12疾病の、特に中核的な役割 をそれぞれ実施してもらう予定になっています。そういう意味では、12疾患をやれるよ うな機能を評価されるようなかたちでの増改築を計画しております。  浜松、和歌山、九州を含めましては、584億円なのですが、先ほどの関東、東京、東 北、中部は中期計画期間中で工事が終了いたします。浜松、和歌山、九州につきまして は、最高で平成23年度まで計画が組んであります。この3病院につきましては、平成21 年度を超えてまだ増改築の工事が残っております。しかしながら予算の関係では、浜 松、和歌山、九州の3病院につきましては平成20年までの中期計画の中で経過措置とい うことでございます。1期を超える経費につきましては労災病院の診療収入の自前収入 を充てるという計画でございます。 ○井原部会長  よろしいですか。 ○村山委員  7つ減らすんですよね。その7つ、この予算決算の収入支出はどこに入っているんで すか。7つを減らした分を売るんですか。つまりここだとどれに反映しているのか、わ からないんですけれども。 ○労働福祉事業団経理部長  廃止病院につきましては、平成19年度で統合等が終わります。平成20年のところでは 廃止病院は入っておりませんので、こういうかたちで損益ニュートラルのかたちで一応 予算を組み立てております。  それから移行後の資産につきましては、機構で売却いたしまして、その売却代金から 必要経費、鑑定費等があると思いますが、そういうものを引いて国庫納付するというか たちになっております。資産のほうはそういうかたちで、貸借のほうで影響が出てくる と思いますが、そういうふうになります。したがいまして売却の代金については、ここ に収入としては入ってきておりません。 ○井原部会長  数字がよくわからないという発言が多いんですけれども。それの最大の原因は、いろ いろな事業を全部一緒にしてしまっているということだと思うんですね。例えば労災病 院という事業とか、立替払の事業とかという、それごとの計画書みたいなものはもとも とあるんですか。 ○労働福祉事業団経理部長  一応、そういう勘定別から積み上げておりますけれども、きょうはちょっと資料を用 意してございません。 ○井原部会長  それは出すことはできるんですか。わからないとおっしゃるので、次回、参考のため に出しておいていただけるとよろしいかと思います。 ○労働福祉事業団経理部長  わかりました。 ○篠原委員  資金の計画をちょっと質問したいのですが。中期計画、収支計画、資金計画という中 を見ますと、業務収入は予算では1兆3,368億円。それが資金計画では1兆3,759億円 と、金額が違って。おそらく計上基準が違うのかなという気がするんですが。例えば一 般管理費で、中期計画の予算では46億円となっていますが、収支計画では192億円。計 上基準が変わったとしても、あまりにも違いすぎるかなという気がするんですね。この へんは。  わからなければ、これは後でいいですけれども。次にちょっと質問したいのは、収支 計画で、臨時損失で123億円というのが計上されていますが、この中身はどんなふうな のでしょうか。 ○労働福祉事業団経理部長  これは除却資産が多いのですが、特に先ほどの労災病院の増改築に伴いまして、増改 築するときに、未だ償却期限がきていないという段階で増改築をやることとなり、未償 却分が特損としてここに載ってくるものです。 ○篠原委員  この収支計画は純利益が347億円のマイナスとなっていますが、計画段階でもうちょ っと努力できないのでしょうか。このような情況について説明をお願いします。 ○労働福祉事業団経理部長  実は今まで私どものほうは、労災病院の増改築の建設費につきましては、今は施設整 備補助金でございますが、政府からの出資でやってきております。今回この損益をつく るときに、収支上は確かにプラスになるんですけれども、損益ベースで見ますと、政府 からの収支を減価償却を引当ますと損失として出てまいりました。  今現在の損益でございますけれども、14年度ベースで収支ではプラスですけれども、 減価償却を含めますと240億円の欠損が生じております。中期計画の中で損益を均衡に するというのは非常にきついんですけれども、それはそれとしまして、それを含めまし て中期計画の間で均衡するという考え方で計画しております。 ○篠原委員  確かこの前の説明で、建物については、今後は自分で改修して建て直していかなくて はいけないとのことでしたが、それはかなり費用負担になりますが、その辺りの対応は どのようになりますか。 ○労働福祉事業団経理部長  はい、そうです。 ○篠原委員  これは1期目の中期計画での赤字ですが、どの程度の期間で赤字解消の計画となって いるのでしょうか。 ○労働福祉事業団経理部長  一応計算上は、12年で減価償却が損益で対応できるというかたちでございます。相当 のものを経費で落とせるという状況でございます。 ○篠原委員  資料6−7の関係ですが、厚生労働省には労災病院以外に国立病院があります。私も 評価委員として、ちょっと国立病院の情況と労災病院の情況があまり違うといろいろな 問題があるなということで、国立病院部会の傍聴を黒川委員長と政策評価官にお願いし たのですが、どうも私の説明が悪くて、国立病院部会の評価委員の方からクレームが出 たものですから傍聴できなくなってしまいました。  お願いがあるのですが、第3の国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向 上に関する事項で、業績評価の実施とか、事業実績の公表等で、国立病 院の細かい指標というか、年度計画とあまり違ってもという気もしますが、その辺りの 調整というのは、ある程度できるんでしょうか。 ○労働基準局労災補償部労災管理課長  もちろんお互いに、これまでも中期計画をつくる段階におきましても情報交換をして おります。ぴったり合わせるということは不可能ですが、かなり共通の部分については 参考にしながらつくってきているつもりでございます。  同じ独立行政法人にしましても、基本的には労災病院は自前収入でやっていくという ことなんですけれども、まだ若干国立病院のほうは一部ながらも国からの交付が出る部 分もあったりしますので、全部パラレルにみれるというわけにはいかないと思いますけ れども。ただ今後は各年度計画の中で、お互いに情報交換をしてあまりおかしくないよ うなというか、そこはやっていきたいと思っております。 ○篠原委員  それと、法律上の勘定区分は、ないのでしょうか。 ○労働福祉事業団経理部長  省令上は5勘定の予定としていますけれども、1勘定で出しております。 ○篠原委員 法律上は1勘定で、省令上は5勘定ですか。 ○労働福祉事業団経理部長  省令上は、失礼しました、6勘定でございます。省令の勘定は確か、本部勘定と病院 勘定と施設勘定、未払賃金の勘定と、安全衛生融資の債券管理勘定、産業保健の勘定。 省令ではこの6勘定が予定されております。 ○篠原委員  そうすると質問したいのは、運営費交付金と労災病院の収入の部分を分けているので しょうか。 ○労働福祉事業団経理部長  それは分かれております。労災病院の運営については基本的に国からの補助をしない という前提に立っておりますので、交付金につきましてはきちんと分かれております。 ○井原部会長  はい、どうぞ。 ○横倉委員  素人の意見になるのですが。この法人の場合、今までやってきた目的が非常に多目的 であったのを整理して、中核的なものを中心に、一部打ち切りに向かっての整理という のが一部入っているような、そういう法人のように思われます。評価という立場でまず お願いしたいのは、先ほど委員のほうからお話がありました、どの事業でどういう状態 になるのかという、部門別の整理を、内部資料でもいいからきちんと出していただきた いということです。  もう1つ、どうも予算方式というのは私は右から左にははっきりわからないのです が、民間の経営で言えばPL、損益とBSという2つの見方があって、それのようなも のを何か内部的に把握しておかないとまずいのではないか。特に過去債務に基づく償却 の問題とか、今やっている事業が構造的にどう損益があるのか。その構造損益も、やら なくてはならないものと改善できるものという、そういう区分けが全然私どもに見えて こないわけです。  こういった予算というのはある種の様式があると思いますが、やはり運営という立場 から見ると、民間の持っている指標のようなものを評価の内部資料としてぜひ研究して いただきたい。そうすればわれわれも、やむをえないものはやむをえないというかたち で判断できると思うのですが。損益が全部、結果的には助成金とか補助金で埋まっちゃ ったから大丈夫だというのではまずいのではないかとも思いますので。 ○労働福祉事業団経理部長  御指摘の点につきましては、今後財務分析で出てきますので、そこでPL、BS等整 理いたしまして、そこで評価を受けるということになろうかと思います。 ○村山委員  横倉委員がおっしゃったことと同質なんですけれども。数字の内容は先ほどからお話 が出ているようになかなか素人には把握しにくいものですから。労災病院の機能が一般 病院機能と、それから労災病院独特の機能というのが、ずっと出ていますよね。それぞ れに予算がどういう割り振りになっているのか。つまり一般病院でうんと稼いで特殊機 能をカバーしなさいというふうになっているのか。どうせ特殊機能は赤字覚悟ですか ら、それはどういう格好でするのかというのが、見える格好で説明していただけるとわ かりいいんですよね。 ○労働福祉事業団経理部長  この件につきまして先ほどから御説明しておりますけれども。運営費交付金につきま しては労災病院には投入しない。労災病院は、基本的には自前収入で健全な経営をやっ ていく。それを基盤といたしまして、これからの労災病院の12疾病等の研究・開発経 費、これは国から直接労災病院に流すのではなくて、今後は機構に国庫補助いたしまし て、機構がそういう研究・開発をやるというかたちにしております。そういう面では交 付金を全部本部でやりまして、労災病院に交付金が流れるというシステムにはなってご ざいません。ですので労災病院の収入あるいは支出と運営費交付金が混同するというと ころは出てこないような経理にしております。 ○村山委員  わかりました。理解としては、例えばここの労災病院は12の項目でこういうことをす る、と。それにはどのくらいの収支が関係するかというのは、いずれ機能分けが病院で できた時点でわかるという。経営的なものはという、そういうことでいいんですね。 ○労働福祉事業団経理部長  はい。 ○篠原委員  いろいろな区分けが要求されていますよね。先行独法の経験から言うとコンピュータ ーがほとんど動かなかったところもありますね。信じられないのですが。いろいろな区 分けでやると、コンピューター上大丈夫ですかという部分があるんですが、そのへんは 十分検討されているのでしょうか。 ○労働福祉事業団経理部長  今、確かにシステムの変更をやっているんですが。やっているさなかでございまし て、そこに問題があるとは聞いておりませんが。スムーズに移行するのではないかと思 うのですが。病院につきましても、今週にかけましてシステムの関係の説明会も開催し ております。 ○井原部会長  よろしゅうございますでしょうか。きょうの説明で一連の数字の理解が非常にやりに くいということなので、その点をぜひ、わかりやすい資料を次回出していただけますと 後で評価しやすくなってくると思います。  よろしゅうございますか。それでは引き続きまして業務方法書案の説明をお願いいた します。 ○労働福祉事業団総務部長  労働福祉事業団総務部長でございます。業務方法書につきまして御説明申し上げま す。  お手元に配布させていただいております資料6−10の1ページをまず御覧いただきた いと思います。目次でございますけれども、これを見ていただくとわかりますように、 全体を、第1章 総則から始まりまして、第2章 業務の種類、第3章 施設の設置及 び運営の基準、第4章、第5章が助成金関係、第6章が未払賃金の立替払、第7章が厚 生労働大臣の指示による業務に関する事項、第8章が附帯業務、第9章が業務の受託及 び委託の基準、第10章が競争入札その他契約に関する基本的事項、等々ということで第 13章まであるわけでございます。章ごとに沿いまして御説明してまいりたいと思いま す。  まず第1章でございます。総則規定でございます。第1条でございますけれども、業 務方法書の目的を規定しております。これは他の独立行政法人とも同様でございますけ れども、通則法あるいはその他の関係省令の規定に従いまして、当機構の運営を行うこ とを明示したものでございます。第2条に業務の執行がございます。また第3条でござ いますけれども、ここは業務運営の基本方針を規定してございます。基本方針のところ でございますので、御審議いただいております中期目標、それに応じるかたちで策定し ております中期計画、あわせまして関係法令に沿ったかたちで効率的な運用を実施す る。よってもって独立行政法人労働者健康福祉機構に規定された目的を達成するという ことをうたっているわけでございます。  次に第2章 業務の種類でございます。  第3章 施設の設置及び運営の基準でございます。こちらは全体が8節で構成されて おりまして、具体的に新しい機構がどのような施設を持つのかということを、節に応じ ましてそれぞれ施設名を明示しているわけでございます。第5条から第37条まで、労災 病院をはじめとします各諸施設の設置及び運営の規準を定めております。  第1節では、労災病院を施設として具体的に設置するということが書かれておりま す。  第2節では、労災疾病研究センター及び勤労者予防医療センターということで、ここ が運営費交付金等によりまして新しく課せられた政策目的、労災疾病に係るモデル的な 医療とかモデル的な予防方法、これを研究・開発し、それを普及していく。そういった 機能を担わせるセンターとして位置付けております。  第3節 医療リハビリテーションセンター、第4節 総合せき損センターということ で、特色ある医療を行うセンターをそれぞれ節を置いて、設置をするということを規定 しております。  第5節が海外勤務健康管理センターというものでございます。海外に赴任する勤労者 の赴任前の健康診断等を行うものでございますが、このセンターを規定しております。  第6節が産業保健推進センター、第7節が労災リハビリテーション作業所、第8節が 納骨堂ということで、それぞれ具体的な施設名を明示しまして、それを設置するという ことを規定しております。  次に第4章でございますけれども、こちらから第6章までで、各業務についての規定 でございます。第38条から第49条までが、労働者の健康管理に係る助成金の支給業務に 関する規定を置いております。第50条でございますけれども、ここから第59条までが、 労働者の未払賃金立替払事業に関する規定でございます。いずれも各条文の頭を見てい ただきますとわかりますように、機構法で定められております業務に関しまして、その 業務の実施内容を定めているものでございます。  第7章、こちらが厚生労働大臣の指示による業務に関する事項でございます。見出し にございますとおり、緊急の必要がある場合の厚生労働大臣の要求ということで、具体 的に想定しておりますのは、労働安全衛生法に基づきます重大な労働災害が生じた場 合、つまり大規模な労働災害が生じた場合におきまして、労災病院において緊急医療体 制を発動するというようなことを、厚生労働大臣からの指示・要求をいただく。それに 応じて、当機構が要請に応じた体制をとるということを想定した規定でございます。  第8章でございます。これは主要な業務に附帯する事項を定めております。  第9章 業務の受託及び委託の基準に関するものでございます。ここにつきまして は、従来、受託の契約について定めるべき事項等について業務方法書等には明示されて いなかったわけでございますけれども、第63条にありますとおり、契約する場合におい ては受託に関する業務の目的、経費、実施方法等々、そういった主要な事項を定めるも のとする、という規定も置くことになっているわけでございます。  第67条でございますけれども、ここは競争入札その他契約に関する基本的事項でござ います。第67条が契約の方式でして、一般競争入札の原則に関する規定を置いたもので ございます。第68条ですが会計規程の委任規定を置いております。  第11章、こちらが業務の成果の普及等の方法でございます。第69条(3)でございま すが、業務の成果の蓄積に基づき、労災指定医療機関の医師、産業医等に対する講習会 等を行うこと。当機構は労災病院を主体としている機構でございますが、政策的に交付 金を厚生労働省からいただきまして、それをもとにモデル的な医療、モデル的な予防方 法を研究・開発すると申しました。それを具体的に地域の医療機関の方とか産業医等に 普及させる必要がある。それによって勤労者医療に関する中核的役割を果たしていきた いということ等を想定いたしまして、地域の指定医療機関であるとか産業医等に対する 講習会をもつということを規定させていただきまして、モデル事業等を推進していきた いと考えております。  第12章でございます。ここは業務運営に関する事項の公表の方法で、主要な業務につ きまして、官報への公告、機構ホームページへの掲載等々、中期目標・中期計画の中で も書かせていただきました。見ていただきたいと思っておりますが、それにしたがいま してホームページ等への掲載で活用の周知を図っていきたいと考えております。  第13章、補則として機構の業務の実施に関して必要な事項を定めております。  附則でございます。第1条にもありますように、施行期日、4月1日からの施行を定 めていきたいと考えております。第2条ですが、従来の業務方法書の廃止を定めたもの でございます。それと暫定的な特例業務として、労働者健康福祉機構法の附則に整理さ れております業務につきまして、その業務の範囲を業務方法上においても規定させてい ただきたいと考えております。以上が附則の主要な点でございます。  以上、雑ぱくでございますが、業務方法書についての御説明でございます。 ○井原部会長  それではまた御質問等ありましたらお願いいたしたいと思います。 ○村山委員  終わりのほうは独立行政法人になって新しく加わったことだと思いますが。例えば第 3章 施設の設置及び運営の基準、第1節 労災病院とありますのは、従来もこういう 規定はあったはずなので、これはどこが新しくてとかね。第2節は今度新しく出ました とか、そういう説明をしていただけるとありがたいので。労災病院の業務は今と同じな んだと思うんですね。だから、ここが新しいというというところをちょっと言っていた だけるとありがたい。 ○労働福祉事業団総務部長  例えば第8条でございますけれども、診療科の整備というところがございます。労災 病院の診療科の設置に当たりまして定めたところでございます。こちらは、従来では内 科、外科、整形外科、リハビリテーション科等を中心として業務上の理由又は通勤によ る負傷又は疾病の診療に必要な科を整備するということを書いておりました。従来労災 病院が産業災害等に対応する病院ということで、整形外科あるいはリハビリテーション 等々といった主要な科目を整備させていただいたわけでございます。  ここにつきましては新しい業務方法書におきましては、第8条にございますように、 読み上げますと、労災病院の診療科の設置に当っては、産業活動に伴い労働災害が発生 している疾病、産業構造・職場環境等の変化に伴い勤労者の新たな健康問題として社会 問題化している疾病等労災疾病、これは12分野が代表的な分野でございますが、そこに 係る高度・専門的な医療を行う上で必要な科を整備するとともに、病院としての総合的 機能を確保しうるよう十分考慮しなければならない。  そういうことで、時代の変遷に対応いたしまして、メンタルヘルスの問題でございま すとか働く女性の問題、脳・心臓疾患等々といった、時代の要請に応じて必要とされる 科目につきまして包括的な規定を置かせていただいて、新しい労災病院としてスタート を切らせていただきたいと考えております。 ○村山委員  わかりました。つまり第8条が新しいんだということで、同様に例えば第2節は全部 新しいんですね。つまり各節でどこが新しいのかという。従来にないコンセプトが入っ ているのかということを、こことここと言っていただけると、そこをよく見れば全体像 が出てきてわかるのですが。 ○労働福祉事業団総務部長  新しいところですと、第14条、ここは労災疾病研究センターでございますけれども、 ここが新しい条項でございます。それから医療リハビリテーションセンターのところで ございます。第20条でございますけれども、ここは従来の業務方法書の文言を変更させ たということでございます。  後につきましては、業務を廃止したということでばっさりと規定が落ちているところ 等ございますけれども、その他各種特殊法人共通事項でございます。労災病院の構造設 備に係る規定だとか、そういったところは今回、業務方法書には改めて規定しないとい うことで落としております。以上申しました点以外につきましては主要な変更はござい ません。 ○篠原委員  第7章の厚生労働大臣の指示による業務に関する事項なんですが。いわゆる「正当な 理由がない限り、その求めに応じるものとする」ということで、先ほどは災害等の場合 と説明されたのですが。それを考えると、請求できないような費用というのが発生する 可能性があると思うのですが、その場合には例えば国に費用を請求できるとか。今まで そういう慣例はあったのか、それとも。というのは、今後独立採算制を強く言われてい るので、そういう場合の費用は、地震とか考えるとかなり発生するのではないかと思う のですが。とりあえず補償してもらわないと。それはどういう考え方で。 ○労働福祉事業団総務部長  機構法の第16条でございますけれども、緊急の必要があった場合、厚生労働大臣の要 求ということがございます。ほぼこの法律上の規定に沿ったかたちで第60条を置いてい るところでございます。具体的な費用でございますけれども、よほど大規模な災害等 で、まさに機構の年度の運営経費に甚大な影響を及ぼすようなものは特別といたしまし て、機構の通常の労災病院の業務の中で吸収できるようなところ、そうしたところは特 に対価等を求めることなく、指示に従って緊急体制等を組んでいきたいと考えていると ころでございます。 ○横倉委員  これも大変素朴な質問なんですけれども。継承業務の中で、未払賃金立替払というの はこの法人の全体のイメージにそぐわないような感じがしてしようがないのですが。む しろこれは雇用を中心としてやる機構のほうがいいのではないかと思うのですが。それ なりの理由があったんだろうと思いますけれども、そういった業務が多岐にわたると余 計この運営が混乱するような感じがするのですが。 ○労働基準局労災補償部労災管理課長  私のほうからお答えいたします。確かに現在も労働福祉事業団でやっておりますけれ ども、そもそもこの制度をつくるときにおいても、どういった制度を財源的なものとし てつくるべきかという議論がありました。本来ならば、独立の制度であるのだから、例 えば保険制度とか基金をつくってやるべきではないかとか、あるいは一般財源であるな らば、税金を投入してやるべきではないか。そういう話もありました。ただ、なかなか これくらいの規模で1つの保険制度をつくるというのもコストパフォーマンスの関係か らいって大変だろうということもありました。  それで当時の労働省時代に、事業主が負担している保険制度、労災保険と雇用保険と ございますので、そういったところを借りてというと言葉は悪いかもしれませんけれど も、同じ事業主の責任でということでやっている保険の仕組みを借りて制度を始めたと いうことでございます。  そのときに雇用保険にすべきか、労災保険にすべきかという議論も確かにあったんで すけれども、賃金の問題ですから労働条件の一貫だということで、より労災保険のほう が制度の趣旨に近いのではないかということで、労災保険の事業として位置付けられ た。労災保険の事業を扱う特殊法人ということで、こちらの福祉事業団に運営をやらせ てきたというのが経緯でございます。  ですから、確かに労災病院の運営という非常に大きな主要な業務とは全く異質のもの を同じ法律の中でやってきているわけでございます。これからまた独立行政法人になっ ても、その制度は引き継いでいくわけでございます。  ただ、金の流れはこちらは全く補助金で、独自の体系の中で金を流しておりますの で、労災病院の運営とか、そういうものと混ざる可能性は全くないわけでございます。 やっているセクションも独立しておりますし、そのへんの会計的なもの、組織的なもの は明確に区分をして運営はしていきたいと思っております。  現在でも、最近はちょっと景気がよくなって規模が縮小してきたんですけれども、一 昨年、昨年辺りはまではかなり額も大きくなっておりまして。今おっしゃったような議 論も、まさにいろいろなところであることは事実でございますけれども、ではこれを独 立の制度として別のところでやるということも、なかなか現実的には難しい面もあって 現在に至っているというようなことでございます。どうぞ御理解いただきたいと思いま す。 ○横倉委員  歴史的な経過は理解しましたけれども。やはり未払賃金というのは経営の問題とか再 生の問題とかもう少しいろいろ前向きな対応も入るわけですから、長期的にはこの業務 がこの法人がいいかどうかの問題点は、継続して検討していただきたいと思います。 ○井原部会長  それではこの労働者健康福祉機構の中期目標案、それから中期計画案、業務方法書案 につきましては、本部会として基本的にこの内容を了承するということでよろしゅうご ざいますでしょうか。  それでは今後、政府部内における調整等がございます。それによってこれらの内容に ついて変更が生じた場合、それはどうするかということなんですが。その点を私にご一 任いただくということにしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。よろしゅうご ざいますか。ありがとうございます。そうしたいと思います。 (3)労働者健康福祉機構の長期借入計画(案)及び償還計画(案)について ○井原部会長  時間もだいぶ押してきたのですが、次に長期借入金について御審議願います。長期借 入金につきましては、前回の部会で決めましたとおり、年度の総枠計画について御議論 いただくということにしたいと思います。それでは平成16年度の労働者健康福祉機構の 長期借入計画案及び償還計画案についての説明をお願いします。 ○労働福祉事業団経理部長  それではお手元の資料6−11で御説明いたします。独立行政法人労働者健康福祉機構 の長期借入計画案を示してございます。これにつきましては、機構が行っております安 全衛生融資の原資として借り入れていた財政融資資金への償還に必要な資金について長 期の借入金を行うものでございます。労働安全衛生融資業務に係る財政融資資金からの 借り入れは平成6年度まで行っております。平成7年度以降は貸し付けました事業主か らの資金の繰上償還等回収金を財源といたしまして融資を行ってきております。民間金 融機関からの借入機会の増加により融資件数が激減したこともございまして、平成13年 度を最後に新規の貸付融資は中止しております。現在は貸付債権の管理及び回収業務を 行っているところでございます。  財政融資資金の償還期限は15年、労働安全衛生融資の事業主からの償還期間が20年で あること。またただ今説明いたしましたように、財政融資資金の借入があった6年まで に対しまして、安全衛生融資は13年まで行っていることから、財政融資資金の償還と貸 付債権の回収とにタイムラグが生じることになりまして、平成16年度から財政融資資金 の償還金に不足が生じることになるために、民間金融機関からこの不足を借り入れると いうところでございます。  そこでこの表の計画額のところでございます。平成16事業年度におきましては17億50 百万円を調達する予定としております。この金額は平成16年度におきまして、財政融資 資金の償還金が44億50百万円でございます。この償還金の財源となる労働安全衛生融資 の回収金の不足が17億円ということ、これを長期に借り入れるということであります。  次に借入の条件でございます。これにつきましては、償還期間は1年。借入日は財政 融資償還月が5月、9月、11月、3月の4回となっております。平成16年度につきまし ては5月を除く3回の償還に不足が生じることとなるために、9月、11月、3月に借り 入れを行うこととしております。借入日につきましては、各月の25日とさせていただい ております。  なお、借入利率については、借入日の属する月の1日に発表される短期プライムレー トと同一ということで、ちなみに3月1日現在、1.375%の利率でございます。  続きまして資料6−12を御覧ください。機構に引き継ぐ財政融資の償還未済額は、 (A)平成16年3月末償還未済額、ここが133億円となっております。(C)の欄でご ざいますが、44億50百万円を償還することになっております。この償還財源といたしま して、(B)の欄ですが、17億50百万円の不足額が生じるということで、これを長期で 借り入れるということに計画をしております。  当該借入額の償還につきましては、平成16年度末に借り換えを行うこととしておりま す。当該金額が、同額が償還未済額として残ることとなっております。平成16年度の償 還については以上でございます。  ちなみに平成17年度以降の償還計画について若干御説明させていただきます。平成17 年度につきましては、財政融資償還金が38億円になりますが、回収金と16年度の間に22 億円の差が生じる見込みでございます。平成17年度は、当該財政融資での償還不足額が 22億円でございまして、これを新たに借り入れを行うとともに、平成16年度末の償還未 済額である17億50百万円と併せまして借り換えを行うことにしております。したがいま して平成17年度末には39億円の償還未済額を見込むことになっております。  このように毎年度、当該年度の財政融資償還金と回収金との間に不足額が生じる場合 は、その差額を借り入れるということにしております。年度末に前年度の償還未済額と 併せて借り換えを行うという方法を考えております。  財政融資への償還は平成21年度に完済されますが、その後は回収金を原資として、毎 年度借り換えを行いながら市中機関からの借入金を償還していくということにしており ます。なお平成20年度には回収金が財政融資償還金を上回る見込みですので、平成20年 度より借入債務が減少していくことになりまして、最終的には平成33年度に完済の予定 でございます。説明は以上でございます。 ○井原部会長  御質問等がありましたらお願いいたします。 ○篠原委員  これを見ますと、財投からは増加しないで減らしていて、民間の借入金がその肩代わ りをしている状況ですが、これにより利息の負担というのは増えるのでしょうか。 ○労働福祉事業団経理部長  財投の貸付は行っていませんので。貸付残高が、市中銀行からの、それから回収金で 埋めておりますので、それで償還していく。利息につきましては、財投への償還金利息 と民間の事業主に貸しているところと、繰上償還等の利息に不足いたしますので、それ は利子補給といたしまして運営費交付金で補助をしていただいております。  それから市中銀行から借りる金利でございますが、これにつきましても国からの補助 を受けるということで、今回予算セットしているところでございます。 ○井原部会長  よろしいですか。 ○労働福祉事業団経理部長  失礼しました。先ほどの利子の財投への補給は、運営費交付金ではなくて補助金のほ うで。 ○井原部会長  いいですか。それでは今説明がございました平成16年度の労働者健康福祉機構の長期 借入金について、借入計画と償還計画を本部会としては了承したいと考えますが、よろ しゅうございますでしょうか。  どうもありがとうございます。これで了承されたということにしたいと思います。 (4)業務方法書等の変更について ○井原部会長  最後になりますけれども、業務方法書等の変更に関する当部会における取り扱いにつ いて、事務局より説明願います。 ○川尻政策評価官  それでは、最初に予告いたしましたが、業務方法書の軽微な変更等の取り扱いについ て御説明したいと思います。資料1−16を御覧いただきたいと思います。  まず、どういう変更が考えられるかということで、2枚目に例を出しております。こ れはたまたま雇用・能力開発機構の業務方法書の例でございますが、御承知のとおり、 軽微の変更であっても、変更については大臣認可が必要で、評価委員会の意見をあらか じめ聞かなくてはなりません。  お手元の資料ですと例えば雇用保険法施行規則ですが、このように他の法令を引用し ていたり、あるいは何々助成金とかいう名称が書かれていたりするのですが、引用して いる法令が改正されると、それに伴って業務方法書の改正をしなければいけない。ある いは予算が成立して、助成金などの名称が一部修正されると、そのためにまた業務方法 書を改正しなければいけない。そういうことが考えられるわけでございます。  そういうときに部会を開かせていただいて、意見を聞く必要が本当にあるのだろうか というところが、悩みというようなことでございます。全く中身的に変更がない、ただ 名称が変わる、条項が変わるということですと、この部会で評価をいただく際に、評価 委員会としての審議に影響しないことがあるのではないか、そう考えます。  したがって、御提案ということですが、案件に応じてすべて部会長に御相談した上 で、(1)、(2)のような簡易な意思の確認ということができないだろうかということでご ざいます。  (1)は、法人の業務内容に実質的な変更がないようなものについては、部会長に御了 解をいただいたということで、部会を開かず、あるいは各委員の意見も特にお聞きせ ず、決裁をするということでいかがなものか。  (2)は、閣議でも持ち回り決裁のようなものがあるわけでございますけれども、場合 によっては中期計画にもあるかもしれませんが、あらかじめ意見を聞かなければいけな いのだけれども定足数に足りるような形で委員のお集まりがいただけないような場合が 考えられるのではないか。そういうことで、案件の軽重あるいは部会の開催の時間的余 裕とかそういうものを勘案いたしまして、書面で意見を聞けば足りると部会長に御判断 いただけた場合には、各委員に関係資料を送付させていただいて、それで御了解いただ ければいいですし、何か御意見があれば書面で調整いたしまして、調整がついた結果を 部会長に御確認いただく。実際に会議室に集まって部会を開かずとも、御審議をいただ いたというかたちがとれないかどうかという提案でございます。  ただいずれの場合も、直近に開催した部会におきまして、こういうかたちになってい ますということは事務局から責任をもって御報告させていただくということでございま す。以上でございます。 ○井原部会長  以上の提案に関して、何か。 ○篠原委員  業務方法書に対してはこういう取り扱いでいいと私は思うのですが。中期計画が変更 される場合があると聞いていますが、中期計画の変更の際も対応可能でしょうか。 ○川尻政策評価官  業務方法書等の変更等と題しておりますのは、そういうことも考えられるのではない かということで、中期計画でも法律を引いているとか、あるいは事業の名称が変わった だけだということもありますので、当然部会長に御了解が得られればということでござ いますけれども、そういう場合もこのような取り扱いにできないかと考えて提案をさせ ていただいております。 ○井原部会長  よろしゅうございますか。では事務局の提案どおり、業務方法書等の変更に当たって はこの2つの手法で了承したいと思いますが。  ではそのようにしたいと思います。どうもありがとうございました。 3.閉会 ○井原部会長  それでは予定しておりました審議は以上でございますので、本日の部会を終了させて いただきます。長時間にわたりありがとうございました。                                     ―了― 照会先  政策統括官付政策評価官室 独立行政法人評価係  代)03−5253−1111(内線7790)