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労働者のキャリア形成に対する支援について


経済・社会構造の変化、労働者の就業意識の多様化などの様々な変化の中で、労働者がその雇用の安定を 図っていくためには、労働者が職業生活設計を行い、それに即した教育訓練を受けることによりキャリア形成を 図ることができるようにすることが必要。
このため、労働市場を有効に機能させる必要があり、そのため、以下のような基盤整備を推進しているところ。
キャリア形成促進のための支援システムの整備
キャリア・コンサルティングの推進
企業内におけるキャリア形成支援を推進するための情報提供、相談、支援等
職業能力を適正に評価するための基準、仕組みの整備
幅広い職種を対象とした職業能力評価基準の策定 ・策定された基準についてハローワーク等での活用の推進
職業能力開発に関する情報収集・提供体制の充実強化
職業に関する基本的な情報、人材ニーズ情報、教育訓練コース情報等の収集・整理及び効果的な提供システムの構築
能力開発に必要な多様な教育訓練機会の確保
教育訓練給付制度による自発的な能力開発支援
民間機関等を活用した公共職業訓練の効果的実施


キャリア形成促進のための支援


流れ

◎労働者のキャリア形成のための事業主の取組み

労働者のキャリア形成のため、職業能力開発促進法上、以下の事項が規定。
 ・事業主の責務(法4条)
 ・多様な職業能力開発機会の確保(法8条)
 ・自ら又は共同して行うOJT、Off-JTの実施(法9条)
 ・教育訓練機会の確保、多様な職業能力検定の受検(法10条)
 ・キャリア形成支援(情報提供、相談、配置等雇用管理への配慮)(法10条の2)
 ・労働者が自ら職業に関する教育訓練等を受ける機会を確保するための各種教育訓練休暇の付与や時間の確保(法10条の3)
 ・計画的な職業能力開発の推進(法11条)


◎キャリア形成促進助成金による支援

事業主が、その従業員について、職業訓練の実施、職業能力開発休暇の付与、長期教育訓練休暇制度の導入、職業能力評価の実施、キャリア・コンサルティング機会の確保を行った場合に支援。
助成金の種類:(1)訓練給付金、(2)職業能力開発休暇給付金、(3)長期教育訓練休暇制度導入奨励金、(4)職業能力評価推進給付金、(5)キャリア・コンサルティング推進給付金
支援のための基本的な要件として、事業主は(1)労働組合等の意見を聞いて、事業内職業能力開発計画及びこれに基づく年間職業能力開発計画を作成するとともに、その内容を雇用する労働者に対して周知していること、(2)職業能力開発推進者を選任していること、が必要。

(1)訓練給付金:年間職業能力開発計画に基づき、その従業員に職業訓練を受けさせる場合、職業訓練に要した経費や職業訓練期間中に支払った賃金の一部を助成
(2)職業能力開発休暇給付金:年間職業能力開発計画に基づき、教育訓練、職業能力評価又はキャリア・コンサルティングを受けさせるために休暇を与えた場合、事業主が負担した入学料、受講料や休暇期間中に支払った賃金の一部を助成
(3)長期教育訓練休暇制度導入奨励金:連続1か月以上の長期教育訓練休暇制度又は5年以下の期間に1回以上の休暇(連続2週間以上)を与える制度を導入し、計画に基づき、その従業員に当該休暇を付与した場合、奨励金として一定額を助成
(4)職業能力評価推進給付金:年間職業能力開発計画に基づき、その従業員に、一定の資格試験等を受けさせた場合、受検料等の経費や受検に要した期間中に支払った賃金の一部を助成
(5)キャリア・コンサルティング推進給付金:年間職業能力開発計画に基づき、その従業員に一定のキャリア・コンサルティングを受けさせた場合、外部機関への年間委託費用の一部を助成(初年度のみ支給)


◎キャリア・コンサルティングの推進

ハローワーク等に専門の相談員を配置し、労働者等を対象として、自己理解・仕事理解等のキャリア・コンサルティングを実施し、能力開発のためのプランを提示(ハローワーク等において、年間100万件の相談を実施)
企業内におけるキャリア形成を推進するため、企業に対し、職業能力開発に関する情報提供やキャリア・コンサルティング技法について、助言・指導。また、事業主が、雇用する労働者に対して、キャリア・コンサルティングを受けさせた場合、キャリア形成促進助成金により支援
キャリア・コンサルティングを実施する者(キャリア・コンサルタント)については、官民合わせて5年間で5万人の養成を目標(平成14年度〜)

 <公的機関における養成>
  ・職業能力開発大学校等において、毎年約1,100名を養成
 <民間機関における養成への支援>
  ・キャリア形成促進助成金の活用
(事業主が労働者のキャリア・コンサルタントの養成訓練の受講やキャリア・コンサルタント能力評価試験の受検を支援した場合に助成)
  ・教育訓練給付制度の活用
(労働者自らがキャリア・コンサルタントの養成訓練を受講した場合に支援)


◎労働者の主体的な能力開発に対する支援

 ○教育訓練給付制度の活用
 労働者が主体的に能力開発の取り組むことを支援し、その雇用の安定を図るため、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講し、修了した場合、労働者が負担した費用の一定割合に相当する額を支給。
 ○長期教育訓練休暇制度導入奨励金(キャリア形成促進助成金の活用)
 (1)連続1か月以上の長期教育訓練休暇制度、又は(2)5年以下の期間に1回以上の休暇(連続2週間以上)を与える制度を導入し、計画に基づき、その従業員に当該休暇を付与した場合に制度導入費用等を支援。


職業能力評価制度の整備

平成14年度より、労働者は自らが持っている職業能力を、企業は労働者に求める職業能力を互いに分かりやすい形で示せるようにするため、社会基盤としての職業能力評価制度の整備を推進。
具体的には、官民の有する既存の職業能力評価基準を活用しつつ、ものづくりからサービス業に至るまでの幅広い産業の業界団体との連携・協力のもと、当該産業内にある職務の内容を明らかにするための職務分析を実施し、これらのデータを基にして、職務遂行に必要とされる職業能力を「職業能力評価基準」として策定。
本年2月、人事・経理などの業種横断的な事務系職種に加え、電機製造業における能力評価基準が完成。
策定された基準については、能力評価基準を土台として能力評価ツールの開発を進めるとともに、官民の労 働力需給調整機関における活用を推進

<能力評価基準の策定状況>
図


<参考 能力評価基準の活用場面の一例>
図


<能力評価基準の例(事務職)>
図


若年者向け職業能力評価・公証の仕組みの整備

3級技能検定制度の拡充
受検資格要件の緩和(実務経験のみの場合に必要とされる実務経験年数を1年から6月に短縮するとともに、検定職種に関する専門高校等で教育中の全ての者に受検資格を付与)
職種の拡大(平成15年度:26職種、平成16年度:29職種
専門高校生等の就職活動に活用できるよう合格発表時期を早期化
※ 技能検定制度:製造業を中心に労働者の有する技能の程度を検定・公証する国家検定制度である。
平成14年度実績:5.5万人申請、3万人合格
若年者就職基礎能力認証事業(Youth Employability Support Program [YES-Program])
企業が必要としているさまざまな職業能力(例:コミュニケーション能力、パソコン操作等)を習得したことを公証する仕組み(若年者本人あて証明書を発行)を整備
(実際の活用 ⇒ 面接時等において証明書を履歴書に添付する等により、就職可能性を高める。)
国は企業が求める能力を習得するための学習指針を策定(⇒ キャリア形成の目標設定に)

<若年者就職基礎能力認証事業(YES−Program)のイメージ図>
図


(参考)
社会基盤としての「職業能力評価制度」

図


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