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輸血用血液製剤でG型肝炎ウイルスの感染が疑われる事例について


1. 経緯等
 平成15年10月22日、日本赤十字社から、個別NAT検査の結果、輸血(人血小板濃厚液)によるG型肝炎ウイルスの感染が疑われる症例について報告があった。現在、日本赤十字社において、調査を実施中。

2. 事例
 33歳の男性。急性骨髄性白血病の治療のため、平成15年4月17日から8月15日まで、赤血球濃厚液を合計26単位、人血小板濃厚液を合計230単位を輸血。
 この間、定期的に肝機能検査を実施していたが、5月8日以降、肝機能が徐々に増悪、7月11日には肝生検にて脂肪肝を確認。
 8月16日、G型肝炎ウイルスを検出、輸血前の4月9日に採取した患者の検体からは同ウイルスを検出しなかったことから、輸血による感染が疑われている。
 なお、患者の容態については、調査中。

3. 状況
 輸血された輸血用製剤について
 ・ 当該患者には、合計36人の供血者から採血された赤血球製剤及び血小板を輸血。
 ・ 供血者の保管検体36本のNAT検査の結果、1本からG型肝炎ウイルスを検出(当該保管検体は人血小板濃厚液に由来)。
 ・ 当該製剤に関わる血漿は、使用されないよう措置済。
 ・ 供血者の献血状況及び当該供血者に由来する血液製剤の使用状況等については、日本赤十字社報告のとおり。なお、当該供血者に由来する本件以外の血液製剤に関しては、医療機関からの副作用等報告は寄せられていない。
 ・ 平成16年1月19日の日本赤十字社の報告によると、当該保管検体と患者検体中のウイルスの塩基配列は一致している。

【参考】
G型肝炎ウイルス(HGV):
 1995年に発見された肝炎ウイルス。主要な感染ルートは輸血。病態や予後については、未だ不明な点が多い。専門家によると、健常人からもこのウイルスが検出されることから、このウイルスによって、肝炎を起こすことはないというのが、世界の多勢の見識とのこと。


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