戻る

厚生労働省医薬食品局血液対策課
主査 河村 様
UCBジャパン マーケティング本部
千田 好志

平成16年2月17日付け事務連絡にてご依頼いただいた、「血漿分画製剤の製造体制について」のご質問につきまして下記のごとく回答申し上げます。


第1 現に製造又は輸入している血漿分画製剤に関する新たな安全技術導入の予定に関する以下の事項(このほか、本件に関しては、「血漿分画製剤のウイルス安全対策について」(平成15年12月9日付け当課事務連絡)により提出された報告のうち、公開資料とされたものを検討会当日に配布することを申し添える。)。
1)新たな安全技術導入について一部変更承認申請をしているものがある場合は、その製剤の種類(「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律施行規則(昭和31年厚生省令第22号。以下「規則」という。)」別表第一の三の(1)及び(2)並びに(8)から(39)までに掲げる製剤の種類をいう。以下同じ。)
2)検討中のものがある場合は、その製剤の種類及びその検討状況
回答
 1)、2)共に該当いたしません。

第2 血漿分画製剤に関する以下の事項。
1)既に製造又は輸入している製剤の種類及び今後の製造又は輸入の方針
回答
 現在:乾燥pH4処理人免疫グロブリン(商品名 サングロポール,承認番号(60E輸)231昭和60年(1985)年承認)を平成12年(2000年)6月1日より富士レビオ株式会社からの医療用医薬品事業の譲渡に伴い承継し輸入販売を行っております。
今後の予定:平成16年4月1日をもって、アベンティスベーリングジャパン/アベンティスファーマに移管予定のため、3月末迄に製造を終了する予定です。また、輸入は既に中止しております。

2)新たに製造又は輸入を予定しているもののうち、承認申請を提出している製剤の種類
回答
 該当いたしません。


3)新たに製造又は輸入を予定しているもののうち、臨床治験を実施している製剤の種類
回答
 該当いたしません。


4)その他検討中のものがある場合は、その製剤の種類及びその検討状況
回答
 該当いたしません。

第3 (国内の献血に由来する血液を原料として血漿分画製剤を製造している会員に限る。)現に国内の献血に由来する血液を原料として製造されていない血漿分画製剤のうち、以下1)から4)に該当する製剤の種類如何。4)に該当するものについては、その詳細如何。
1)製造技術の導入に特許料等、多額の資金が必要。
2)国内の患者数が少なく、利益が見込めない。
3)国内の献血に由来する血液では力価が不足。
4)その他
回答
 該当いたしません。

第4 (現に以下に掲げる製剤を製造又は輸入している会員に限る。)抗HBs抗体、抗D抗体又は抗破傷風抗体の力価の高い血液(現に確保しているものに限る。)について、そのような血液を持つ供血者の募集方法(対象者を発見する方法、供血を呼び掛ける方法、供血者を確保する方法等)。
1)抗HBs人免疫グロブリン
2)乾燥抗HBs人免疫グロブリン
3)ポリエチレングリコール処理抗HBs人免疫グロブリン
4)乾燥ポリエチレングリコール処理抗HBs人免疫グロブリン
5)乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン
6)抗破傷風人免疫グロブリン
7)ポリエチレングリコール処理抗破傷風人免疫グロブリン
8)乾燥ポリエチレングリコール処理抗破傷風人免疫グロブリン
回答
 いずれも該当いたしません。

第5 (1)から(3)に掲げる血液製剤代替医薬品について、以下の1)から4)に掲げる事項。
 (1)遺伝子組換え活性型血液凝固第VII因子
 (2)遺伝子組換え型血液凝固第VIII因子
 (3)その他
1)既に製造又は輸入しているもの及び今後の製造又は輸入の方針
2)新たに製造又は輸入を予定しているもののうち、承認申請を提出しているものの種類
3)新たに製造又は輸入を予定しているもののうち、臨床治験を実施しているものの種類
4)その他検討中のものがある場合は、その種類及びその検討状況
回答
 いずれも該当いたしません。

第6 血漿分画製剤の製造・輸入販売事業の収支状況及び当該事業の将来展望如何。当該事業の収支状況を明らかにすることができない場合は、その理由如何。
回答
 原料である血液に関しては、未知の感染症等の発見により、安全な良質の原料を十分量確保することが、難しくなってきております。未発見のリスクが更にあることを前提に、中間工程、製剤工程でも安全対策の開発が必要となっております。これらは、原料の購入価格及び、製剤の加工原価に付加され、事業収益を圧迫し、更には製造新たなリスク事象の発生により、健康被害の防止のために製品の市場回収が必要となることも考えておく必要があります。回収に至らない場合であっても、常に製品ロットごとの安全性の調査等の費用が掛かると共に、MRによる各種情報提供の費用も他の製品より多く発生するなど高コスト製品と考えられています。
弊社の場合、血漿分画製剤はサングロポール1品目のみの輸入です。これ以外の弊社販売製品は全て経口剤であり、注射剤サングロポールの事業遂行は弊社にとって極めて非効率的なものであります。この様なことから、当該事業をこの分野に特化したアベンティスベーリングジャパン(株)/アベンティスファーマ(株)に移管することといたしました。
血液製剤の特殊性を考えると、この分野に特化しなければ、事業継続は困難であり、また製造販売も1社または同一グループで一貫してコストを適正に抑えても、事業性は決して明るいものとは考えられません。

第7 その他血漿分画製剤の製造・供給体制に関する見解如何。
回答
 国内需要を国内血だけで賄おうと言う基本方針は理解出来ますが、現実的に達成されていないのみならず、国内の献血に基づく原料により感染事故も起こっています。現在、国内血イコール安全と言う図式は崩れていると言わざるを得ません。これに対して、海外では供血者が登録制になっている所も多く、充分な原料の確保や、WHO基準に則った管理による感染事故のリスク回避も達成出来ていると聞きます。献血のみにこだわる事無く、こういった海外のシステムを導入する事が、安全かつ充分な国内需給を確保する1つの方法に成り得るものと考えます。何れにしても、現在の献血システムに基づく国産製剤だけでは当面の国内需要を満たす事は不可能であり、引き続き「安全な」輸入血液製剤にも頼らざるを得ないものと思われます。


トップへ
戻る