04/02/19 第7回食を通じた子どもの健全育成のあり方に関する検討会議事録        第7回食を通じた子どもの健全育成のあり方に関する検討会                 平成16年2月19日               厚生労働省 共用第6会議室  村田座長  それでは定刻になりましたので、第7回の検討委員会を始めさせていただきたいと思 います。本日は大変お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございまし た。  まずは本日の委員の出席状況等につきまして、事務局の方から御報告いただきたいと 思います。  母子保健課長補佐  本日は吉田委員が所用により御欠席となっております。また、渡辺委員はまだお見え になっていませんが、特に御連絡をいただいておりませんので、おくれてお見えになる と思います。以上でございます。  村田座長  ありがとうございました。お手元に、食育の視点からのあり方に関する検討会報告書 とリーフレットが二つあるかと思いますが、これらにつきまして御審議をいただきたい と思います。  傍聴をされていらっしゃる方の中には初めての方もいらっしゃるかと思いますが、96 ページに開催の経緯がございますので、そちらをごらんいただきたいと思います。第1 回は昨年6月19日に行われまして、それ以降、ここに書いてありますような内容で検討 を続けてまいりまして、きょう2月19日が第7回になります。まだ検討会報告書(案) の段階でございますが、この検討会が終わりましたら、(案)が取れて正式な報告書に なるかと思います。  ここに至りますまでには委員の先生方からいろいろな御意見をいただき、このような 形で取りまとめておりますので、そのことも踏まえまして、事務局から報告書(案)と リーフレットにつきまして御説明をいただければと思います。よろしくお願いいたしま す。  栄養専門官  それではお手元にお配りしております食を通じた子どもの健全育成、いわゆる食育の 視点からのあり方に関する検討会の報告書(案)の表紙をごらんいただきたいと思いま す。前回からの修正点及び変更点を中心に御説明を申し上げます。  まずタイトルにつきましては、検討会報告書(案)ではなく、内容が反映できるタイ トルを前面に出した方がいいのではないかという御意見により、食を通じた子どもの健 全育成の最終目標である、楽しく食べる子どもに、さらに本報告書は日々子どもに接す る人々や機関が食の大切さを理解し、支援していくための道案内としての役割があると いうことで、食から始まる健やかガイドというタイトルにしてございます。  次に目次をごらんいただきたいと思います。全体の構成が変わっている部分が1点ご ざいます。前回、参考資料の1にお示ししました食べる力を育むための具体的支援方策 例につきましては、5の食べる力を育むための環境づくりの(2)としておりました が、この部分につきましては、いわゆる食べる力を育んでいくためのヒント集のような ものであるということから、本文と切り離した方がわかりやすいのではないかというこ とで、参考資料の1としてお示ししております。なお、具体的な内容につきましては後 ほど御説明を申し上げます。  続きまして1ページ以降の1、子どもの食をめぐる現状と課題につきまして、前回の 検討会の折りに御指摘をいただきました2点についてデータの追加をしております。1 点目につきましては、2ページ目になりますが、最新の国民栄養調査結果に、15から19 歳女子のやせ願望やボディーイメージのデータがあるということで、それを追加しては どうかという御指摘に従いまして、図2、現実の体型別、体型に対する自己評価という ことでデータ及び本文を追加しております。特に15から19歳の女子では、平成10年と平 成14年を比較すると、体型に対する自己評価について、現実の体重が普通、低体重(や せ)でありながら、太っていると評価するものが増加しています。また、太っていると 評価する理由については、他人と比べてという理由が68.5%と高率を占めているという 形でございます。  さらにもう1点につきましては、6ページをごらんいただきたいと思います。食を取 り巻く環境という場合に、情報的な面も重要になるということで、栄養や食事に関する 情報源のデータ及び文章を追加してございます。  栄養や食事に関する情報源として高率を占めるテレビ・ラジオということで、栄養や 食事に関する知識や情報の入手先についてはテレビ・ラジオがもっとも高く、次いで雑 誌・本、家族となっています。特にテレビ・ラジオについては、平成6年は59.7%です が、平成12年では66.8%に増加しています。  また、小学生がお菓子を買うときの情報の入手先については、テレビコマーシャルが もっとも高く、次いで友達になっています。子どものころからマスメディアを初めとす る情報源から数多くの食に関する情報を得ていることになり、自分にあった適切な情報 を選択する力が求められるという文章を追加しております。  続きまして、14ページをお開きいただきたいと思います。4、発育・発達過程に応じ て育てたい食べる力につきましては、前ページの13ページに、各期ごとにどう変化する かということを位置づけてございますが、特に14ページの囲みの部分については、それ を代表する重要なものではないかということで、2点の御指摘をいただいています。15 ページの2)の幼児期の下の囲みの部分でございますが、栽培、収穫、調理といったこ とを強調すべきで、また、ここがその始まりの時期であるということがわかるようにと いう御意見を踏まえまして、上から四つ目の○の部分に、栽培、収穫、調理を通して食 べ物に触れ始めるという形に変更をしております。  次に16ページの思春期の囲みの中につきまして、本文中の説明に食文化があること、 また、健やかな食文化の担い手になるということをもっと前向きに打ち出してはどうか という御意見に基づきまして、自分らしい食生活を実現し、健やかな食文化の担い手に なろうという表現に変更しております。本文中については以上でございます。  続きまして19ページをごらんいただきたいと思います。参考資料1ということで、食 べる力を育むための具体的支援方策(例)がございます。その構成及び内容について御 説明をいたします。  具体的支援方策をどのように整理するかということは前回も議論になったところでご ざいますが、最終的には、○○からの発信ということで、関係機関の発信及びレッスン というような二つのパターンで整理を行いました。具体的な整理の考え方としまして は、19ページの上から6行目になります。読み上げさせていただきます。  ここでは主として子どもが生活あるいは学習を行う機関を中心に、その活動の概要が わかるように、○○からの発信ということで取りまとめました。具体的には保育所、地 域子育て支援センター、児童館・放課後児童クラブ、学校、児童養護施設、地域、さら にそういった活動を効果的に進めるという観点から研究機関を取り上げました。  これらの機関では、地域や施設の実情に応じてさまざまな取り組みが進められてお り、ここに紹介したのはその一部ということになります。今後はこれらの機関が情報の 発信の担い手となり、それぞれの機関で取り組まれている内容が数多く発信されること により、情報の共有化が進み、連携が広がり、新たな取り組みや充実した取り組みが生 まれてくることが期待されます。  また、子どもの発育・発達段階に応じて、どのような食べる力を育むことをねらいと して、どのような支援方策があるか、その具体例をレッスンという形で取りまとめまし た。食べる力は多岐にわたり、かつ複雑に関連し合っているものです、ということです が、13ページをごらんいただきたいと思います。  今回の検討会の中では、発育・発達過程に応じて育てたい食べる力について、授乳期 から思春期まで、右側の、食事のリズムがもてる、食事を味わって食べる、といった五 つの目標に向かいまして、どういった形で食べる力が育まれていくのかということを整 理したものでございます。  本来であれば、このそれぞれに対して具体的支援方策例が整理されるべきではありま すが、ごらんのとおり各食べる力が関連し合っているということもあり、今回はこの中 の幾つかの代表的なものについて、レッスンということでお示ししたという経緯がござ います。例えば、幼児期であれば、食べたいもの、好きなものをふやす。学童期であれ ば、食事の適量がわかる、食事の栄養のバランスがわかる、といったものについて、レ ッスンという形でお示しをしておりまして、その整理を一覧表でまとめたものを20ペー ジの方にお示ししております。  主な育みたい食べる力と具体的テーマということで、今申し上げた食べる力の中から 主なものを幾つか整理しまして、それに対する具体的テーマをレッスンという形で整理 しております。レッスンにつきましては、前回は、1、2、3という形だったのです が、それでは順次性が強調されすぎるということで、今回はA、B、Cといった表記に 変更をいたしております。それでは具体的に22ページ以降について御説明を申し上げま す。  各機関からの発信については順次並べて掲載をするという形を取っております。22、 23ページにつきましては、保育所からの発信ということで、保育所における食について の基本的な考え方を22ページに、具体的な実践例を23ページにお示ししてございます。  続きまして24ページ、25ページにつきましては、地域子育て支援センター、あるいは 児童館、放課後児童クラブといった場で、対象者それぞれの特徴に応じて実践している 取り組みの具体例を紹介するような形になっております。  児童館、放課後児童クラブからの発信につきましては、平成15年度から、特に児童館 において、児童ふれあい交流促進事業というものの中に、親と子の食事セミナー事業と いうようなものが新しくスタートされておりますので、そういった点についても情報と して盛り込んでございます。  続きまして、26ページから31ページにつきましては、学校からの発信ということで整 理がされてございます。まず26ページ、27ページにつきましては、国としての取り組み の方向性の整理をしてございます。28ページ、29ページにおきましては、愛知県を例に 取りまして、学校における具体的な指導例についての整理がなされております。さらに 30ページ、31ページにつきましては、一つの学校の事例として、1年生から6年生の特 徴的な体験活動をはじめとした実践的な事例が整理されております。  続きまして、32ページ、33ページでは、児童養護施設からの発信ということで、食事 の提供だけではなく、33ページにお示ししてありますのは、自立支援の一環として、0 歳から高校生まで、食生活の自立ということを目標とした場合にどういった援助計画を 立てて取り組んでいるかといった実践事例でございます。  続きまして、34ページから43ページにつきましては、地域からの発信ということで整 理を進めております。34ページの地域からの発信の二つ目の段落にありますように、現 在、国民健康づくり運動として進められている健康日本21や健やか親子21といったもの に基づいて地域計画も進められているわけでございますが、平成15年7月には次世代育 成支援対策推進法が公布されまして、8月に国で策定された行動計画策定指針において は、35ページにお示ししますように、市町村の行動計画、あるいは都道府県の行動計画 において、食育の推進が盛り込まれるような形になってございます。  平成16年度中におきましては、市町村、都道府県には具体的な行動計画を策定いただ くこととなっておりますので、今回のこういった報告書の内容の趣旨に基づいて、そう いったものにも生かしていただきたいということで説明が加えてございます。  また、36ページ以降につきましては、地域における具体的活動実践例として、都道府 県、保健所、市町村において、具体的な行動目標を掲げて、関係機関や団体等のネット ワークづくりを推進している取り組みを取り上げてございます。  36ページ、37ページにつきましては、茨城県の食育支援ネットワーク会議ということ で、37ページにありますような具体的な目標を掲げて、関係機関がどういった取り組み を進めているかということを整理したものでございます。  38ページ、39ページにおきましては、東京都南多摩保健所を例としまして、保健所、 保健センターと、保育園、幼稚園が連携をして園児の食育を進めていくということで、 21世紀を担う子どもたちの食育ガイドラインといったものの概要をお示ししておりま す。  40ページ、41ページについても、同様に保健所ということで、長野県の飯田保健所 が、朝食から始まる豊かな食卓ということで、同一のテーマについて、乳児期から思春 期、青年期に至るまで、各機関が連携して食育の実践を行っている例を、範囲、地域、 食育プログラムとしてお載せしております。  42ページ、43ページは市町村の例ということで、宮城県塩竃市で食を通した健やか子 どもネットワーク事業というものを設けて事業を進めている例を紹介しております。  また、43ページでは、調査結果に基づいて食を通じた子どもの健康づくり改善目標と して五つの項目を示しているというように、事業の概要をお示ししております。  続きまして、44ページから47ページにつきましては、研究機関からの発信ということ で、より効果的な取り組みを進めていくための方策について、研究機関からの発信とい うことで整理を行ってございます。以上が関係機関からの発信ということで、48ページ 以降はレッスンの内容になります。  48ページから51ページにつきましては、特に幼児期はさまざまな食べ物と出会い、そ れらの食べ物に親しんでいくことによって、食べたいもの、好きなものがふえていく重 要な時期であるということで、食べる意欲を大切に、食の体験を広げようということ で、さまざまな毎日の体験的な営みが、食べたいもの、好きなものをふやしていくとい うことを、イラストも含めて、イメージ的に整理できるような形で掲載してございま す。  これにつきましては、50ページ、51ページに内容の説明ということで文章での説明を 行っております。毎日が楽しい食の体験の下の部分に書いてありますとおり、子ども一 人一人にとって楽しい食の体験を見つけて、そういった場づくりを提案していきましょ うといった内容が盛り込まれてございます。  続きまして、52ページ、53ページにつきましては、前回、栽培、収穫、調理といった ことや、さらには廃棄、保存、再利用といった食の循環性について盛り込むべきではな いかという御指摘がありまして、その点については本文中に盛り込むということではな く、レッスンBとして、食の体験を深め、食の世界を広げようということで、53ページ のイメージ図とともに文章を整理してございます。  続きまして、54ページ、55ページにつきましては、食事。栄養のバランスがわかる、 食事の適量がわかる力を育むためにということで、自分ぴったりの食事、何をどれだけ 食べたらいいの、ということで、何をどれだけ食べたらいいのかが簡単にわかる物差し として、主食、主菜、副菜に関する説明や、あるいは55ページの方には、どれだけ食べ たらいいの、という量的な把握ができるような方法についても提案をしてございます。  続きまして、56ページにつきましては、レッスンDとして、食事の適量がわかる力を 育むためにということで、おやつのパワーってどれくらいといった内容での整理がされ ております。どんなおやつが好きかということを考え、58ページ、59ページにあります ように、おやつにはどれくらいのエネルギーがあるのかを実際に調べて、59ページにあ るようなおやつのパワーマップに位置づけ、さらに60ページにありますように、ちょう どいいおやつってどれくらいという形で、考えてみて、実際に食べてみて、自己評価す るという内容が整理されております。その概要は61ページに文章で説明してございま す。  おやつは子どもにとって魅力的なものであるということで、体にとっての適量と、食 べたいもの、好きなもののバランスをどう保つかというような重要な課題を、子ども自 身が選択するおやつを通して学んでいくというような内容になっております。  62ページ以降については、レッスンEとして、どんな食事にしようかな、食べる人の 気持ちや体にあった食事づくり、ということで、日本においては多種多様な食品を組み 合わせて食事を整えているということがございますので、こちらに示してありますよう な料理の広がりであるとか、あるいは64ページ、65ページにお示ししてありますよう に、食事の内容だけではなく、食卓全体をイメージして、食べる人の体や気持ちにあっ た食事づくりを行っていくという内容についての提案がなされてございます。  続きまして、66ページからはレッスンFということで、自分の食生活を振り返り、評 価し、改善できる力を育むためにということで、一人一人の子どもの変化を評価する評 価方法の一つとしてポートフォリオが注目されており、児童の気づきを促し、行動目標 や自分なりの健康観を持つことをねらいとした具体的な実践例をお示ししております。 66ページでは命を感じる、67ページでは自分の体を知ろう、あるいは自分の行動目標を 宣言して、自分なりの取り組みを進めていこうということで、68ページ、69ページにお きましては、そういった自分での取り組みを振り返り、その課題解決についていろいろ な方々にヒントをもらいながら次の目標を立てていく、あるいは大人に近づく私たち、 よりよく生きるためにというように、5学年、6学年では、地域の幼稚園で働く体験や 商店街で働く体験、さらには地域とのかかわりを通したさまざまな活動の中で子どもが 書いたものやつくったものをポートフォリオとしてまとめていき、一人一人がどう変化 したかを見ていくといったような方法が提案されてございます。  70ページからは、レッスンGとして、自分の体の成長や、体調の変化を知り、自分の 体を大切にできる力を育むために成長曲線を描いてみようということで、71ページに は、今回初めて、0から6歳までの成長曲線と、6歳から以降の成長曲線を一つの成長 曲線として整理をいただいた図を作成し、こういたものを活用して、72ページ、73ペー ジにありますように、報告書の1ページにも、子どもの食をめぐる現象と課題というこ とで、小児期においては肥満という問題、さらに思春期においては思春期やせ症といっ たものの実態が健康課題として挙げられておりますので、そういったものの早期発見と いうことで成長曲線を活用していこう、他人と比べて、集団の中で太っている、やせて いるという評価ではなく、一人一人の成長、発育・発達を確認することで早期発見につ なげていくといったような新たな提案でございます。  続きまして、74ページ、75ページにつきましては、レッスンHということで、食生活 や健康に関連した情報を得て、理解して利用できる、食にかかわる活動を計画したり、 積極的に参加したりすることができる力を育むためにということで、健康的な食環境づ くりを子ども自身が働きかけていくということで、商店街とつながった学習として、子 どもたちが旬ポスターをつくって商店街に張ってもらうということや、子どもたちが企 画したヘルシー弁当を実際に商品化していくといったプロセスを経て、商店街や保護者 にも変化が起こってきているというような具体的な取り組みの例が示してございます。 レッスンについては以上でございます。  77ページ以降は、参考資料2として行政関係の資料が掲載されておりますので、その 内容だけを御説明したいと思います。77ページ、78ページにつきましては、次世代育成 支援対策推進法の概要、79ページにつきましては、先ほども御説明しました行動計画策 定指針における食育の推進、さらに80ページ、81ページにつきましては、健やか親子21 の推進についての概要、82ページから85ページにつきましては健康日本21、栄養食生活 の分野についての概要でございます。  86ページは、平成12年3月に、当時の文部省、厚生省、農林水産省で決定されました 食生活指針、さらに87ページから89ページにつきましては改定離乳の基本の内容、さら に90ページから93ページにつきましては、保育所保育指針に見る、食べる意欲を大切 に、食の体験を広げることにつながる主なねらい、配慮事項ということで、6カ月未満 児から6歳児まで、食べる体験を豊かにしていくという内容に関連のある事項の整理を 行ってございます。  94ページ、95ページにつきましては、文部科学省さんの方で行われております食に対 する指導につきまして、小学校低学年、中学年、高学年についての概要という形の整理 が行われております。報告書(案)につきましては以上でございます。  村田座長  ありがとうございました。ここに至りますまでに、各委員の先生方の御検討が十分に 済んでいると承知しておりますが、こういう形でまとまり、お目通しをいただいた上 で、この部分はこのような形にした方がいいのではないかといった御意見はございます か。特にないようであれば、リーフレットの内容について御説明をお願いします。  栄養専門官  本日は、楽しく食べる子どもに、食から始まる健やかガイドというリーフレットと、 成長曲線を描いてみましょうという2種類のリーフレットを御提示しております。  まず、楽しく食べる子どもに、食から始まる健やかガイドにつきましては、前回、文 章につきまして、先生方から御意見をいただいたところでございます。表紙の下の部分 に書いてございますように、乳幼児期から食の大切さを意識し、豊かな食の体験を積み 重ねていくことで、子どもは生涯にわたって健康で楽しい食生活を送ることができま す。食から始まる健やかガイドは、毎日の生活の中で子どもの気づきを大切にし、どの ように支援したらよいかをまとめたものです、ということで、主に、食の出発点である 乳幼児期の養育者、保護者向けに作成したリーフレットになってございます。  前回は、食から始める子育てガイドということになっていたのですが、子どもの主体 性を重要視した方がいいのではないかという意見もございましたので、今回の検討会の 報告書の表紙と同じように、食から始まる健やかガイドという形に修正を行っておりま す。  中面をお開きいただきたいと思います。前回は文章のみの御提示でございましたの で、イラストを加えてもっとわかりやすいようにという御意見につきまして、星委員か らアイデアをいただきましたので、それについては後ほど御説明をいただけるかと思い ます。  また、本文中について、前回には各文章の最後の部分に、育てましょう、という表現 が使われておりましたが、子どもの主体性を生かすということで表現を変更しておりま す。  また、実践します、といった部分につきましても、なるべくわかりやすい表現にとい うことで、語尾についても調整をし、文章についてもなるべくわかりやすく短縮化した 方がよろしいという御意見もありましたので、一部修正を加えている部分がございま す。  また、右側の中ほどにあります、やりたい、できた、キッチン発、わくわく料理につ きましては、キッチンだけではなく、畑発という見方もあるのではないかという御意見 を踏まえまして、文中の下から2行目に、ときには栽培や収穫などを通して、子どもの できることをふやしていきましょうというように説明を追加させていただいておりま す。  また、裏面についてでございますが、先ほどの報告書の(案)の中にも具体的な事例 が掲載されておりましたが、子どもの食生活に関する取り組みは、地域のさまざまな機 関で行われており、地域のさまざまな機関で子どもの食生活に関する情報に出会うこと ができるということで、保育所、地域子育て支援センター、児童館、児童センター、保 健センター、さらに食生活に関するボランティア、食生活に関するNPO、子育てサー クルにつきまして、それぞれどういった取り組みが展開されているのかということを紹 介する内容になってございます。  続きまして、成長曲線を描いてみましょうというリーフレットについてでございます が、健康課題として、肥満、思春期やせ症といったものがあり、早期発見のためには成 長曲線を活用していくということで、特に小学校高学年以降になると、自分で成長曲線 を描くことによって自分の成長を知ることができ、自分の体を大切にするという力を育 むことになるのではないかということで、子ども自身が成長曲線を描いていけるといっ たような考え方のもとにリーフレットを作成してございます。  中面をごらんいただきたいと思います。自分の身長と体重を書き入れて、その変化を 見てみましょうということで、男子、女子、それぞれの成長曲線の基準曲線をお示しし ております。  具体的なメッセージとしては、身長、体重は曲線のカーブに沿っていますか、体重は 異常に上向きになっていませんか、体重は低下していませんか、ということで、右側に 書いてございますとおり、身長や体重を書き入れる成長曲線作成図の真ん中の曲線(50 のライン)が標準の成長曲線になります。体の大きさが違っても、それぞれの曲線のカ ーブに沿っているかどうかで成長の様子がわかります、ということで、個人個人の成長 の様子を確認することによって、肥満あるいは思春期やせ症といったものを早期に発見 していくといった方法の内容を示してございます。  また、裏面につきましては、前回も子ども自身が友達、あるいはより小さな子どもに 伝えていくというように、情報発信の担い手になるというようなメッセージがあればい いのではないかという御意見をいただきましたので、毎日の生活の中で食を大切にして いますか、食の大切さを伝えていますかというように、先ほどの楽しく食べる子どもに というリーフレットの中面にございました食事のリズムがもてる、食事を味わって食べ るといったような、目標とする五つの子どもの姿に対しまして、食事のときにおなかが すいていますか、よくかんでゆっくり食べていますか、楽しく食事をしていますか、食 事づくりに挑戦していますか、自分の健康的な体重を知っていますかということで、投 げかけるような形で文章を構成することにより、子ども自身が自分の食生活を見直して いけるような構成ということになってございます。  また、細かい点でございますが、先ほどの成長曲線につきましては、10年に1回の乳 幼児身体発育調査をもとに作成しているということもございまして、この曲線の右上に は作成の年月を入れるような形を加えたいと考えております。リーフレットにつきまし ては以上でございます。  村田座長  ありがとうございました。我々もこういった形で見るのはきょうが初めてですが、こ の中にはいろいろなキャラクターが出てまいりましたけれども、このことについて大変 御苦労をいただきました星委員から、いろいろないきさつ等についての御説明をいただ ければありがたいと思います。  星委員  まず、ターゲットなっている若いお母様方、お父様方というのは、いわゆるビジュア ル世代、漫画世代ですので、活字よりもビジュアルの方がメッセージを伝えやすいとい う面もありまして、キャラクターを起用した方がいいのではないかということで提案を しました。  キャラクターに実際の子どもを使いますと、表現にかなり制限が出てくるということ がありますので、ハグリンという名前の架空の生き物をキャラクターとして仕立てまし た。  このハグリンというのは、地球からはるか遠くのわくわく惑星というところからやっ てきた生き物ということで、なぜか胃袋がすけて見えるようになっています。これは、 食と体の関係をできるだけ端的に見せたいということで、こういった表現をしました。    これは胃袋ですが、これも一つのキャラクターとして、ストマッくんという名前をつ けています。ハグリンのおなかがすきますと、ストマッくんがグーッというラッパのよ うな大きな音を出します。おなかがすいたときにはストマッくんがグーッと鳴るんだ な、また、おなかが下ったときにはギュルギュルと鳴るんだなということで、子どもに 自分の体を感じてほしいということがあります。  また、このハグリンというのは1人でいるのが非常に嫌いな甘えん坊の生き物で、大 人を見ると、だっこして、だっこして、ハグハグしてという口癖があります。そして、 おなかがすくとハングリーになってしまうというような落ちもあるわけですけれども、 こういった漫画的な要素を盛り込むことによって、より共感が持てるようにといいます か、若いお母様方、お父様方が、親しみを持って食の世界の中に入っていけるようなガ イド役として仕立てました。  また、キャラクターに関して、これからの発展ということを考えると、どうしてもや はり子どもが主体的にかかわっていくということで、子どもでも簡単に描けるようなデ ザインがいいのではないかということで、卵形を基本として、手足をつけ、耳をつけれ ばハグリンになるというように、このようなシンプルなデザインのキャラクターにしま した。  ここに描いてある絵ですが、最初のおなかがグー、カラダで感じるおいしい時間に関 しては、ストマッくんがグーッというラッパのような大きな音を出すというふうにして あります。次のかみかみ、カムカム、おいしさカモンにつきましては、ハグリンが食べ 物をよくかんで、おいしさを味わって食べると、ストマッくんもなぜか歌い出したくな って、音符で満たされてしまうといった性格を持っています。  そして、一緒に食べるとココロまで満腹ということでは、ハグリンがみんなと一緒に 食事ができると、ストマッくんもハート形になって幸せになるとしました。  こういったことで、自分の胃袋と自分の体の関係を通して食というものにかかわって いくということを端的にあらわしたいということでキャラクターを起用いたしました。  村田座長  ありがとうございました。キャラクター等の御説明をいただきましたが、御意見やコ メントはございますか。大変楽しくできていると思います。  これで、(案)が取れまして、最終的な報告書あるいはリーフレットになりますが、 何か御意見はございますか。  岡田委員  リーフレットにつきまして、質問が2点あります。これはお母様方ではなく、子ども も大変興味を持つと思います。そういった場合に、大きな赤い文字だけでもルビを打つ ということは考えられないでしょうか。きっと子どもも一緒に見ると思いますし、少し 字が読めるようになると、一緒に字を読んで、その後にお母さんが説明をするといった 使い方をされると思いますので、その点は御検討をいただきたいと思います。  村田座長  ありがとうございました。最近は、文部科学省でもルビを振って、子どもたちを漢字 に親しませようとしていますし、大変よい御意見だと思いますので、ぜひともそのよう に採択させていただきたいと思います。  岡田委員  もう1点は、赤い大きな文字の次に小さな赤い文字があり、その後に黒い文字があり ますが、その黒い文字の部分について、文字にあまりなじみのないお母様方の中にはそ こは読まれない方もいらっしゃるかと思います。そこでこの次の成長曲線の裏の、黒い 文字で書いてあります最後の食事のときにおなかはすいていますか、というメッセージ が非常に具体的でわかりやすいような気がしますので、「楽しく食べる子どものリーフ レット」の方にも入った方が、こういうことが書いてあるのかということを感じて、細 かい字も読んでくださるかという感じがいたしました。  村田座長  御意見を伺っておりますと、成長曲線を描いてみましょうというリーフレットの整合 性といった点にも関係するかという感じがいたしておりますが、いかがでしょうか。成 長曲線を描いてみましょうとの整合性といいますか、これから修正しなくてはいけない 項目ではなくて、加えればいいということですので、そのようにしていただいた方が大 変わかりやすいという感じがいたします。  大きな字で赤、赤と来て、食事のリズムが持てるという部分も赤ですが、こういった 色の配合等はいかがでしょうか。  足立委員  先ほどの御発言に賛成なのですが、そうであれば、黒い文字の文章の一番下の部分に 今の質問が入った方が、論点が違うものが並ぶよりは、黒い説明はそのままあって、最 後に行を変えて、おなかがすいていますかということで、締めになるような感じがいい のではないかと思います。  村田座長  わかりました。せっかく多色刷りになっておりますが、字の色等はいかがでしょう か。これは、ここで何色がいいというような話をするよりも、専門的な立場からデザイ ナーの方や星委員に御相談をいただくとしまして、ルビを振るということと、要約をす るという点で大変いい御指摘をいただきましたが、そのほかにございますか。  もし御意見がないようでしたら、先ほど岡田委員からも少し御指摘がありましたけれ ども、この二つのリーフレットが具体的にどういった形で配布されるかという点、ある いはこれを読んでいただく対象といったことについて、事務局から少し御説明をいただ きまして、委員の先生方に御検討をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたしま す。  母子保健課長補佐  それでは事務局の方から御説明いたします。食育のリーフレットでございますが、私 どもは今のところ都道府県、市町村、それから保健所、保育所といったところに配布す ることを考えております。そのほか、健やか親子21に参加している団体が74ございます が、そちらにも配布して、関係者の方々にお目通しをいただくということが重要かと思 います。また、窓口から一般の市民の方に届くような形も取りたいと考えております。  また、成長曲線の方につきましては、保健士さん、栄養士さんの目にとまることが非 常に大切ではないかと考えておりまして、その方々を通じて普及していくということを 考えておりますので、都道府県あるいは保健所設置市の127カ所に配布をしようと考えて おります。  今、申し上げたのは印刷物という形で配布をするということですが、そのほかに厚生 労働省のホームページに掲載をしまして、インターネットを通じて国民の皆様方の目に 触れるようにということを考えております。以上でございます。  村田座長  そういった場合に、例えば子どもさんたちが自分の成長曲線を描いてみようというこ とになっているとしますと、どの程度、どういう部数で出ていくのかという見通しは難 しい点があると思いますけれども、例えばインターネットに載ったような場合は、PD Fファイルなどで載っているとそのまますぐに印刷ができますが、版権といったことで はなく、各自が自由に取れるような仕組みにされるのでしょうか。インターネットでの 公開の方法としては具体的にどのようなお考えなのか、お聞かせいただければと思いま す。  母子保健課長補佐  ホームページを管理しているところと多少の調整が必要になるかと思いますが、私ど もの考え方としては、座長がおっしゃったように、必要な方はホームページからダウン ロードしてプリントアウトをしていただけるという形で、営利目的に使う場合にはその 限りではないですが、基本的には御自由に使っていただき、広く行き渡るようなことが できるようにと考えております。  村田座長  ありがとうございます。アメリカのCDCも、やはり子どもの成長曲線をインターネ ットに載せておりまして、自由に取れて、かつ使い方などについても、医者向けや学校 向けというように細かく説明をしております。そういった方向で少し発展させていただ きたいという感じがしております。このような点についてどなたか御意見はございます か。  足立委員  配布先として、ぜひ管理栄養士養成施設や、保育関係というような、これからこうい ったものを使って広げていく専門家の養成施設や関係の組織にぜひ送ってほしいと思い ます。  私は栄養教育論を担当しておりますが、これは理論的なものを一つネタにして、2単 位の授業なり実習ができるだけの内容を十分に持っていますので、教育関係のところに ぜひお願いしたいと思います。  母子保健課長補佐  わかりました。それは御連絡をいただいて、御相談をさせていただくようにさせてい ただければと思います。実は予算に限りがございまして、あまり大量に印刷をするとい うわけにはいきませんので、やはり関係者の方に、このようなものがあるということを 御認識いただくということで、まずお目にとめていただくということが一番重要かと思 っております。その後の研修会あるいは講義等で使用するといった場合の部数までを私 どもの方で印刷するというだけの予算がございませんので、そこは御連絡をいただくな りして、関係団体と調整をしながら部数をつくっていきたいというふうに考えておりま す。  足立委員  これはオフレコですが、こういった新しい情報をどんどんとキャッチしているような 大学や養成施設は、みんなきちんとアクセスして情報収集ができると思いますけれど も、むしろそういうところに気がついていない先生方や養成施設にぜひ流してほしいと 思います。そして、報告書を一緒に流していただかないと意味が違うと思いますので、 ぜひ御検討ください。  村田座長  そうしますと、この班はしばらくはつぶさずに残っているという理解でよろしいです ね。  母子保健課長補佐  そうです。  村田座長  わかりました。  渡辺委員  村田先生にも御相談したいのですが、小児科関係に対してはどのようにアプローチす べきかということです。小児科関係では、ある意味では、この間、SDの曲線が普及し ております。つい最近も、関西で別の健康フォーラムに招かれたときに、成長曲線での テーマがたくさん出たのですが、やはりSD曲線でした。  私どもは、もうパーセンタイル曲線でいくべきであるというふうに考えておりますけ れども、SD曲線でずっとやっていらした臨床家の方たちも多く、それは何のエビデン スもなくやっているのですが、例えば小児科の中でも現実に混乱が起きていて、これを どこかできちんと提案した方がいいのではないかと思います。  そういう意味では、厚生労働省がこういうものを出しましたということを、例えば4 月の小児科学会でたくさんの小児科医に見ていただくという形で、この会がオフィシャ ルのコーナーなどをつくって、やっていった方がいいのではないかと思います。  例えば保健士さんが持っている成長曲線と、小児科医が持っている成長曲線が微妙に 違うといったことがあります。下がる、あるいは上がりすぎるということを見ています ので、別に大きくは気にならないのですが、そのずれの部分で、共同作業をしなくては いけない保健士さんと小児科医や臨床家が混乱することを防ぎたいと思います。  村田座長  先生のおっしゃっているとおりでありまして、加藤先生にお願いしましたのも、日本 ではダブルスタンダードやトリプルスタンダードになっている可能性もありますので、 それは先進国、文化国家として世界に発信するときには非常によくないことだと思いま す。いい悪いは別問題として、いろいろな理屈があるにしても、やはり何か一つのスタ ンダードをつくるべきではないかということがあります。  統計的処理の一般的な原則からいいますと、やはりパーセンタイルの方が妥当性があ りますし、外国で出ているデータもみんなパーセンタイル値です。  少し話が長くなりますが、成長曲線を生かすということは、栄養評価や疾病の早期発 見などから、非常に大事なことです。どうして非常に大事かといいますと、我が国だけ がすべての子どもについての定期的な計測値を持っているわけです。しかも、国民性も あり、歴史もあって、非常に正確な計測値を持っています。こんな国は世界にありませ んし、子どもの成長発育を評価するには成長曲線が一番いいのですが、ほかの先進国は 残念ながらすべての子どもの計測値は持っていないわけです。すべての子どもの計測値 を持っていなければ絵に描いたもちで、何の役にも立たないのですが、その点では我が 国のデータは誇るべきデータだと思っています。  しかし、どうして今のようなことが起こっているかというと、別に小児科学会が怠け ているわけではなく、行政に少し問題があると思います。しかし、問題があるといって も国も責められません。といいますのは、学校保健法というのは明治33年、1900年にで きましたが、そのころにはパーセンタイルという考えはないわけですので、平均値と標 準偏差という形でずっと来ているわけです。そういった法的根拠のもとに、しかも国の 指定統計になっておりますから、必ず毎年報告しなくてはいけないという状況があり、 法制化された中でデータがつくられているわけです。ですから、これをパーセンタイル 値に変えるということは至難の業です。  なぜ至難の業かといいますと、今回はこのような形で加藤先生につくっていただいた ので提案できるのですが、こういったものがないと、パーセンタイル値にしてほしいと いっても困ってしまいます。  また、もう一つは、これも国の方の事情ですけれども、学校へ上がるまでは厚生労働 省が管轄してデータを取っております。これも聞くところによりますと、予算の関係が ありまして、対象数が非常に少ないということで、そのようになっているということで すけれども、そこへいきますと、文部科学省の方は75万人くらいのデータを取るという ことですが、どうしてそんなにデータを取ったかといいますと、残念ですが、富国強兵 策があって、どこの県が一番体が大きいのかということで、要するに白人に追いつくた めにはどうしたらいいかということで、物すごい数のデータを集めて分析をしたわけで す。ですから、その二つのデータを一緒に重ねていくということはなかなか無理な点が あるわけです。  加藤先生は母子保健のいろいろなデータづくりといった仕事にずっと携わってこられ まして、今回、文部科学省と厚生労働省の両方のデータをいただいて標準化できまし た。これはすばらしいことで、いろいろな意見はあるかと思いますが、こういった形で 一本化していければいいと思っています。  しかし、体重につきましては平均値と標準偏差というのは非常に問題があるのです が、身長は、統計学的に考えても、平均値と標準偏差でもさほど問題を起こさないので すけれども、実はこれは低身長症の治療ということでいろいろと決まりがございまし て、これがSDで決まっています。標準偏差の平均値からマイナス2.5SD以下の人に 対しては、あまりにも身長が低すぎるので、国がお金を補助して身長を伸ばしてあげま しょうといった決まり等がございまして、そのあたりの全体的な調整ができないと、今 のようなダブルスタンダード、トリプルスタンダードになってしまうわけです。  しかし、渡辺委員がおっしゃったように、私どもは今回こういった一つのきちんとし たベースを持ったデータができましたので、いろいろなところでいろいろな混乱を起こ さないようにやっていかなければいけないというふうに思っております。  私自身は関係者の1人として、いろいろと成果も上がってきていて、すばらしいもの ができ上がってきているのではないかと思っているのですが、私が関心を持っている中 では、この成長曲線を描いてみましょうというものは、我が国の子どもの栄養評価等も 含めまして、病気が非常に早く見つかってくるということもあります。しかも、こうい った形で見つかった病気というのは必ず治せます。今まで正常だった子が極端な異常を 示しますので、大きな病気を持っているに違いないということで、その病気を治すこと ができます。そういう意味で非常に効果があると思います。  話が長くなってしまいましたが、事務局とも相談をいたしまして、渡辺委員がおっ しゃっている方向性で、いろいろなところでキャンペーンを張ると同時に、一つのいい 場として、小児科学会等にも話をしていく方向で、この委員会の直接的な問題ではあり ませんが、間接的には非常に大きな関係を持っておりますし、足立委員その他の方がお っしゃったように、子どもの栄養評価はぜひ成長曲線でということを広げてください。 しつこいようですが、すべての子どもの定期的かつかなり正確な身長発育値を持ってい るというのは我が国だけですので、ぜひお願いしたいと思います。  ほかに何か御意見はございませんか。  吉池委員  細かいことで恐縮ですが、リーフレットの中の、地域でのいろいろな機関についての 初めのところに、子どもの食生活に関する取り組み、あるいは食生活に関する情報とい うことで「食生活」という言葉を使っているのですが、本編の報告書では、「食」に関 する情報となっていますし、このページでも「食生活」という言葉と「食」という言葉 が混在しているように思われるので、どちらかに整理をした方が良いと思います。  村田座長  例えば、成長曲線を描いてみましょうの一番上は大きなかぎ括弧で食となっています が、一番下では食生活となっているというあたりの表現の整合性を考えるというお話だ と思いますが、このあたりはほかの委員の皆さんはどうお考えでしょうか。言葉のニュ アンスがそれぞれで違うので、これでもいいのではないか、あるいは、意味が違うから 言葉が違うわけですので、そういう意味から整合性を取っておいた方がいいのではない か、この辺についてはいかがですか。  足立委員  もちろん賛成です。この検討会の新しいキーワードが恐らく食だと思います。食とい うのはこんなに広いものであるということで、調理や食べるということだけではなく、 生産、流通、収穫とみんなつながっていて、さらに廃棄といったことも入っているとい うことや、体を見ると何を食べて育ってきたのか見えてしまうということ、だから食事 というのはいろいろな味があるというふうに、今まで使われてきた食事や食生活という 言葉を全部包括した、人間の営みとしての食という概念を深く検討した結果、提案して いるという特徴があるように思います。  各ページは今までにかなり吟味されてきたので、恐らくリーフレットがもう一度確認 されればよろしいと思いますが、今、吉池委員から御指摘がありましたように、子ども の食ということだと誤解されてしまうと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思 います。  村田座長  ほかの委員の方々も御同様の意見でよろしいでしょうか。それではよろしくお願いい たします。そのほかにこのリーフレットに関して何かございますか。  岡田委員  質問ですが、先ほどホームページの話がありましたけれども、これを見て、もっと詳 しい内容などをダウンロードしたいという場合には、厚生労働省のホームページに入れ ばいいということでしょう。  母子保健課長補佐  そのように考えております。そのほかに、例えば先ほど申し上げた健やか親子21のグ ループにもホームページがございますので、そういったところでも掲載ができるように 考えております。  岡田委員  それでは、より詳しい情報を知りたい方はここを見るという提示は特にされなくても 大丈夫ということでしょうか。  母子保健課長補佐  このリーフレットにということでしょうか。  岡田委員  リーフレットや、例えばこれを通じて、関連することをもっと詳しく知りたいという 方に対してメッセージは必要ないでしょうか。  村田座長  恐らくこのリーフレットを開くというところまでいきまして、そこへアクセスすると すぐ開くということにしますと、非常に細かくごちゃごちゃとしてしまって、すぐには 出てこないと思います。ですから、最初にホームページへリンクしたときに、何かわか りやすいメッセージを入れておいてもらって、そこをクリックすれば飛べるというふう にしておきませんと、非常にわかりにくいものが並んでしまうのではないかと思いま す。これは恐らくリンクさせるときの技術的な問題だろうと思いますけれども、やはり 本省のホームページに何らかのわかりやすいメッセージがあり、そこをクリックすれば リンクするということを技術的によくお考えいただきたいと思います。  岡田委員  やはり興味を持って、もっと広がりを持って詳しく調べたいという方に対して、わか りやすくしていただければと思います。よろしくお願いいたします。  村田座長  そのほかに配布先等で御意見はございますか。  渡辺委員  私は健やか親子21の思春期やせ症のことに取り組んでおりまして、この報告書の中に その数字も入れていただいてとてもうれしく思っています。研究をしている過程の中で わかってきたこととして、いわゆる病気という診断がつく前の段階の不健康やせという 子どもたちがふえていて、不健康やせの段階でアプローチすれば普通の小児科医が十分 に治せるのですが、時間がたって拒食症になってしまってからは、体のシステムが省エ ネシステムになってしまっていて、とても大変だということがわかりましたので、私ど もとしては、思春期やせ症を、結核並にとは申しませんけれども、やはり撲滅したい病 気であり、また、これは社会病理ですので、人々の努力によって減らせる病気に違いな いという思いがありまして、思春期やせ症の予防ということを言ってまいりましたら、 何が起きたかといいますと、学校の保健授業の中で、思春期やせ症、アノレキシア、神 経性食思不振症とはこういう病気だということを出した結果、子どもたちの間に偏見が できましたし、私立の高校などはこの病名があると取ってくださらなくなっています。  ですから、やはり病気の予防ということを言うときに、健康教育の中で自然な感じで やらなくてはいけないということを痛感しておりまして、そういう意味では不健康やせ ということをアピールしていけば、おのずと思春期やせ症は予防できますので、不健康 やせということでアプローチできるものとして、神経性食思不振症の予防治療機関や、 あるいは専門機関にも十分に配布していただけるものと思います。  こういうパンフレットの方が患者さんたちにもアプローチしやすいし、こういうパン フレットが待合室にもあり、自分たちにも渡されることで、自分は健やか親子の流れか ら外れただけであって戻れるんだ、自分は決して別世界の人間ではないんだ、という感 じになると思います。  そういう意味では、私は印刷ができましたら、早速外来でフォローしたり、入院させ ている100人近い子どもたちにこれを渡してみて、どう思うかということを聞いてみたい と思います。  ただ、神経性食思不振症の人たちは、この五つの項目の中の、かみかみカムカムは大 得意です。この人たちの病院での食事に私たちは毎食ついておりますけれども、あの子 は一口のかみ方が減ってよくなったというふうに言っているくらいで、みんな30回以上 はかみます。私は5回くらいですので、20回くらいまでは減らしたいと思っています。 拒食症にはこのかみかみカムカムはよくないので、診療現場ではこれにはバツ印をつけ ようと思います。  また、この方たちは、やりたい、できた、キッチン発わくわく料理も大得意です。バ レンタインデーにはチョコレートをつくりますし、シチューも上手につくりますし、非 常にグルメです。しかし、つくることでおなかを満たしてしまっていて、自分は食べま せん。おなかがすいているのでつくらずにはいられないのですが、つくったものをあげ るとみんなが喜んでくれて、そのことで自分が食べたような気持ちになってしまうとい うことがあります。主婦が天ぷらを揚げているうちに満腹になってしまうことと同じで す。  ですから、使い方は少し変える必要があると思いますけれども、基本がとてもいいと 思いますので、ぜひそれをやりたいと思っています。  村田座長  先生がおっしゃるような状態になる前によくすればいいわけで、なってしまったもの はまた少し特殊なケースとして扱っていただければいいかと思いますので、これ自体は 先生がおっしゃったように大きな問題ではないのではないかと思います。我々がそうい う形で子どもさんに接触する前に、そうならないようにするための啓発活動をやってい くのに非常に大事なことではないかと思っています。  お尋ねしたいのですが、政府のこういった委員会の報告書や、研究報告書などもそう ですけれども、ときに市販をされたりしますが、こういったものがリーズナブルな値段 で手に入るというような方向性というのはどうでしょうか。今後、行政が一般にこうい った問題をやる場合には、先ほどおっしゃったようにどうしても予算やアクセスの問題 があって、なかなかうまくいかないようにも思います。  母子保健課長補佐  その点につきましては、これから検討させていただきたいと思います。  村田座長  そうですね。需要がどうかということもはっきりしない点もありますし。  母子保健課長補佐  できるだけ多くの方に読んでいただけるような対応を考えたいと思っております。  村田座長  ありがとうございました。ほかに何かございますか。  渡辺委員  やはりこのベースラインの課題として、2010年に向けて減少させていかなくてはいけ ないということがありますが、ベースライン調査をした対象は中学3年生から高校生で すので、こういう資料を中学3年生から高校3年生に日常的に読ませることによってど うなるかということで、例えばベースラインの調査をした高校は11校ありますが、その 半分の高校に配布して、どうだったかということを見ていくということも可能だと思い ます。ただ、そうなりますと、やはり文部科学省の協力ということが欠かせなくなりま す。つまり、思春期やせ症の問題は、厚生労働省で取り組もうとしても、学校保健の中 でやらなくてはいけないので、少なくともこの問題に関してだけでも、文部科学省とジ ョイントでやっていかなくてはいけないのではないかと思います。  その教育をされた方たちが5年後、10年後には母親になっていくわけですから、中学 3年から高校時代にターゲットを持っていくとしますと、やはり保健所で配布するので はなく、中学、高校で配付する資料として、文部科学省がウエルカムしてくださると か、先ほどお話がありましたように、市販品としてつくったときに、現場においてもい いと言ってくださるというようなところが肝心だと思います。  村田座長  今までの検討会の流れの中で、例えば先ほど申し上げましたように、加藤先生がおつ くりになった成長曲線や、こういったいろいろな資料の内容と、関連の省庁とも連絡が 取れて事が進んでいるというふうに了解をしているのですが、このあたりの事情につい て事務局の方から御説明をいただければと思います。  栄養専門官  この検討会は文部科学省の方にも傍聴をいただいていますが、今のような具体的な活 用の仕方については、また別途に御相談をして検討をさせていただければと思います。  村田座長  最近は各省庁間の連携もスムーズになってきているように理解しておりますので、先 生の方から事務局へ希望を述べられれば、事がうまく運んでいくのではないかと了解を しております。  リーフレットにつきまして、ほかに何かございますか。これは各委員の先生方に大変 御苦労をいただきましてここまでまとまってきたもので、レッスンという形になってい ますが、これをごらんになってみて、実際に御担当になったところでなくても結構です ので、実際に実効性のある活用の仕方として、先ほど成長曲線のリーフレット、あるい は成長曲線を描きましょうということについては御意見がかなり出ておりましたけれど も、そういったことについて、各委員から御発言をいただければありがたいと思いま す。  足立委員  この報告書のもう一つの特徴は、エビデンスをきちんと全部検討してきたということ だと思います。それは行動理論だとか、もちろん生理レベルの理論といったこともあり ますし、また教育や保育の実践の中で、こういう経過を経てきたという形のものもあり ますし、いろいろな立場から、できる範囲内で、できるだけエビデンスを出し、データ を出し、方針を立てて検討をしてきたというところに特徴があると思います。それはや はり研修会などでもしっかりと伝えていかなくてはいけないと思いますが、そこで出し てきたエビデンスというのは、すべてパーツのエビデンスです。  ですから、こういうふうに、人間の食をトータルとしてとらえる、こんなに広くて、 こんなにすてきで、こんなに奥行きが深くて、こんなに大切なものが人間の食だという ことが、この1冊なり、リーフレットなりが語るわけですので、そういう情報を得た り、そういうことについて学んだり、そういうことをやってみるということが、どんな に健全な生きる力につながっていくかというエビデンスはまだないと思いますので、こ れはお願いになるのかもしれませんが、厚生労働省はこれで終わるのではなく、これが できたら、これを使って学習をしたり、いろいろな活動を深めていくというグループ は、こうした実績がたまってくるということを情報としてためていくような形で、少し 大がかりな介入研究のようなものをぜひ企画してほしいと思います。  それは保育園や学校単位でもいいですし、学校の中のクラス単位でもいいですし、も ちろん地域単位でもいいのですが、全体の介入研究の枠組みを考えて、この部分を私た ちにやらせてくださいというふうにみんなが申し出る形のボランティアを募っていけば できると思いますが、そういったことは出発するときからきちんとやらないと、途中か らは効果がわかりませんので、そういった形にして、今までパーツで確認してきたエビ デンスをしっかりと伝えることと、トータルとしての食を提案する形でのエビデンスを つくりつつ使っていくという仕組みをつくりながら研修会などもやってほしいと思いま す。  村田座長  おっしゃるとおりだと思います。これが始まります前に、対象にしております年齢層 も、妊婦から始まって大人になるまでと広いですし、状況もいろいろとございますの で、そういったものが複雑に絡み合って、どんなことになってしまうかと大変心配をし ていたのですが、今おっしゃったような形で、一つの方向性を、もっとトータルのしっ かりとした形で見られていくためには、こういったものを軸とした研究班のようなもの を立ち上げていただければ、もっとしっかりしたものになると思います。  しかも、今、足立委員が申されましたように、思いつきでやっているわけではなく、 それぞれのパーツについては、それぞれ実践的な活動をされて、そういったエビデンス といいますか、きちんとした成果も確認されているわけですので、それが全体としてど ういう効果を及ぼしてくるかということについては、厚生労働省としてもお考えいただ ければありがたいと思います。  吉池委員  今、足立委員がおっしゃったことに大賛成ですが、今回の整理として、主に生活の場 に近いところでの事例やレッスンが多かったように思いますが、実際にはマスメディア からの影響や、国レベルでももう少し大きな視点でとらえていかなくてはいけない問題 や、さらに長期時に見ていかなくてはいけない問題があるかと思います。先ほど足立委 員がおっしゃったような、子どもを取り巻く環境の変化が、結果としてどのように子ど もの食あるいは健康その他にかかわってくるかということを長期時にモニタリングして いく仕組みも考えていく必要があると思っています。  村田座長  ほかに御意見はございませんか。  上原委員  やはり国レベルで取り上げていくというのは非常に大事なことだと思います。私は学 校という立場からこの会に参加させていただいていますので、学校の先生方に御理解を いただくということが大事かと思います。教科の中に位置づけてはいないところが多い ということもありますので、足立先生がおっしゃったように、養成学校、いわゆる教育 大学というところの講座の中に、食という問題で、学校に上がる前の子どもたちがどう いう状況にあるのか、それは子どもたちの体をつくる意味でどのくらいの重みがあるの かということについての指導書のような形でも使えるのではないかと思っています。  食ということは人間にとって大切だということを理解していただく上では、このレッ スンにも学校の中で何ができるかということが入っていますので、使えるのではないか と思います。  また、成長曲線についてですけれども、私が学校にいたときにインシュリン型の小児 糖尿病の子が出たのですが、なぜもっと早く見つけられなかったのか、その子どもの体 重を振り返ってみれば、もう少し早くわかったということがありまして、非常に悔やま れたことがあります。ですから、これはぜひ学校の中でも使うといいますか、養成学校 での一つの資料として使っていけるのではないかと思います。  村田座長  ありがとうございました。  佐藤委員  これだけすばらしい内容の議論が展開され、なおかつこのような報告書ができ上がっ たということで、先ほど吉池先生や足立先生から御提案があり、また学校現場からの上 原先生のお話にもありましたが、私も同感でございます。例えば最近の農林水産省関係 や文部科学省関係でも食育の推進ということがありますし、学校栄養教諭制度に向け て、4月からさまざまな手だてを立てなければならないという段階にあるのですが、こ れだけきちんとエビデンスに基づいた内容の教材は今までにありませんので、私として は、少なくとも教育委員会に1冊送ったからそれでいいということでは、上原先生のよ うなすばらしい方がいらっしゃるとよろしいのですが、書類の中にとじられてしまって どこかに置かれてしまうという可能性が非常に高いので、それでは非常にもったいない と思います。  これは国民的な共有財産になるすばらしい内容だと思いますので、例えば教師の管理 職研修などで使ってほしいですし、今後の学校栄養教諭制度で使われるはずの基本的な テキストとして必ずこれを使用するといったことになっていただきたい。さらにはPT A研修では、入学した子どもたちの保護者の方は非常にいろいろな不安を持っています ので、実は皆さんのお子さんはこういう状態にあって、こういう可能性を持っています というように、そういった研修会にも非常によく使えると思います。そういったときに このリーフレットを見ると、こういうことかとよくわかりますし、そこからもっと詳し く読んでみようということで報告書へ入っていけるということで、非常にいいことだと 思っています。  もう1点は、JA全中などでも、消費者との共生運動や次世代との共生運動というこ とで、さまざまな食と農の教育運動を展開しておりますが、やはりこれだけの事実に基 づいた内容ではなく、どちらかというと、生産サイドからこういったものをつくられて います、こういった食べ物があります、というような教育文化活動が多かったのです が、そうではなく、それらにはこういった社会的な意味があります、歴史的にもこうい ったことが言えます、そして皆さんの健やかな育ちが日本の地域社会全体の健やかさに つながります、といったことを伝えるという意味を持っていると思いますので、ぜひそ ういった機関にも積極的にアプローチしていただきたいと思います。厚生労働省のイニ シアティブをもって申し送りなどをしていただければ、それを待っている人たちは全国 にたくさんおられると思います。  村田座長  ありがとうございました。保育士の教育といった面でも必ずこういったものを使って いただきたいと思います。  ほかに御意見はございますか。  御園委員  保育所は、乳幼児が生涯にわたる人間形成の基礎を培う極めて重要な時期にその生活 時間の大半を過ごしているところでございます。報告書を拝見しまして、これはぜひ保 育士、栄養士の研修、また、保育士の養成校の食教育の教材として使えると思います。 パンフレットも子どもたちはすぐに興味をもって飛びついてくると思います。  保育園ではハグリンではなく、パクリンちゃんという人形がありまして、いろいろな 媒体として子ども達のの指導に使っています。今度は少しお兄さんになって、ハグリン という名前に改名をして取り組んでいければと思っております。  こういったキャラクターを使った指導は、子どもだけではなく、保護者の方にも好評 で、お母さんの育児講座などのいろいろな研修にも使えると思いました。  支援センターに来る方が一番悩んでいるのが食のことが多く、保育士や栄養士がいろ いろ話をするときのヒントにもなりますし、これを見ただけで手に取ってくださると思 っております。ぜひこれを広げていけるよう家庭や、地域社会との連携をもった取り組 みができればと思います。  村田座長  ありがとうございました。岡田委員はいかがですか。  岡田委員  文部科学省の教育委員会レベルや、そういった指導的な立場に当たる方にも、ぜひ手 に取って見ていただけると非常にいいかと思います。といいますのは、我々はやはり学 校健康教育を考えていると、どうしても学校だけになってしまいます。地域との連携と いうことをよく言われるのですけれども、具体的なレベルでどのように動いていいのか わかりませんし、こういったいろいろな事例があると、このようなアプローチができる のかというふうに考えられると思います。  村田座長  ありがとうございました。成長曲線という点でいろいろと話が出ましたが、全体を見 て、加藤委員はいかがですか。  加藤委員  成長曲線に関しましては、このようにきれいなものになりまして、ぜひ普及啓発をし ていければいいなと思うとともに、やはり外れ値やコンプレックスを生じる問題などが ありますので、差別やいじめといったことにも配慮しながら普及していくといいなと感 じております。  全体的にはすばらしい報告書になったと思います。事例が大変多く盛り込まれていま すし、大変な御苦労があったと思います。これはやはり関係者だけではなく、社会をつ くっているすべての重要な場面で、社会が認識してほしいということを強く思います。  特に今は子育てということが非常にしづらい環境にありますので、悩みながら子育て をしているファミリーを社会がサポートしていくという視点も踏まえて、こういったも のが広まっていくといいと思っております。  村田座長  星委員から、全体を通しましてお願いします。  星委員  去年の暮れに、NHKの特番で、体で遊ぼうという番組を企画提案して放送しまし た。いろいろと調査を進めますと、子どもの体ということに皆さんがかなり興味と関心 を持っているということがわかりましたので、これは本格的に番組にしなくてはいけな いということで、4月から本放送が始まるということになりました。  今回、この検討委員会に参加させていただいたことで得たいろいろな知識を番組の方 に生かして、子どもがみずから自分の体に興味を持って、健康な体をつくっていけるよ うな番組をつくっていきたいと思っております。  村田座長  ありがとうございました。ほかに御意見はございますか。  岡田委員  成長曲線について言い忘れました。私は養護教諭養成過程で教えています。健康診断 の事後指導のときに、一人一人の子どもがこれをプロットすることによって、自分の発 育・発達をとらえられるということに大変役立つと思います。ですから、ぜひ健康診断 の事後指導にこれを活用して、全国の学校で用いることができれば非常に良いと感じて おります。  村田座長  それには、先ほど渡辺委員から御提案がありましたように、我々としても啓発活動を しなくてはいけないのですが、実は学校の健康診断の見直しがありまして、加藤委員と 私もその中に入っているのですけれども、特に加藤委員の御発言がありまして、子ども は個々に発育していく状態が違うので、成長曲線などを使って、個々の子どもを的確に 見なくてはいけないという項目が盛り込まれることになると思いますので、そのあたり は大丈夫だと思います。  また、小児科学会等でもキャンペーンを張っていこうということですし、特に小さい 子どもさんたちには、割とよく書かれている乳幼児期を、もう少し具体的な活用の方向 に生かしていければというふうに思っております。  足立委員  予算の関係もあるかもしれませんが、できれば大きいものをつくっていただいて、ど この保健センターへ行ってもあるとか、また、これが床にあると、この上で子どもたち が石取りのように遊ぶことができますので、そういった教材としての展開ということも ぜひ御検討ください。  お金を出すところは結構あると思いますので、そういったシステムをつくってくださ るといいと思います。  村田座長  そうですね。従来、官と民との接点というのがかなりぎくしゃくするといいますか、 いろいろなことがあったと思いますけれども、その辺もよく考えていただいて、予算と いうばかりではなく、少し開けた方向性も検討していただければありがたいと思いま す。  最後に、これは座長としてではなく、委員の1人として改めてお願いをしておきたい と思いますが、従来は、ここに挙がっておりますようなエビデンスといいますか、こう いう方向性を見つけるための研究としては結構出ていますし、足立先生がやられている ようなことも存じておりますけれども、厚生労働科学研究費などで出て、こういった一 つの成果になっていると思いますが、そのようなきちんとしたものを実践してみたらど うなるのかということについては今までにあまりやられていない研究班の構成の方向で はないかと思いますので、こういったものが本当に有効で実践的なものであるというこ とを改めて証明をしてみるといいますか、はっきりさせるということも大事ではないか と思っております。  先ほど申し上げましたように、対象も広く、場面もさまざまでありますので、どのよ うな形になるのかということを大変心配しておりましたけれども、委員の先生方皆さん が、実践的経験が豊富であられまして、こういった報告書になりました。また、事務局 もなかなか大変ではなかったかと御苦労を察します。  委員の皆さんからは自画自賛の話が多いので、それでいいのかどうかは別問題ですけ れども、こういった形の報告書ができ上がりましたことを、座長という立場でうれし く、かつありがたく思っております。  特に御意見がないようでございましたら、最後に雇用均等・児童家庭局の後藤局長よ りごあいさつをお願いいたしたいと思います。  雇用均等・児童家庭局長  最終回でごあいさつを申し上げるのも大変申しわけないのですが、昨年の9月から局 長を拝命しております後藤でございます。座長を初め委員の皆様方には、大変御多忙の 中、7回にわたって活発な御議論をいただき、かつ大変実践的な報告書にまとめていた だきまして、大変ありがとうございました。  私ごとになりますが、最近は随分と食育という言葉が広がってきたように思いますけ れども、ちょうど6、7年間、私が旧厚生省の児童家庭局の総務課長という立場でおり ましたときに、今の小泉総理が厚生大臣でありまして、たまたま大臣室に何かの説明に 行ったときに、行政としても食育ということが大事なのだから、とにかく何でもいいか ら食育に取り組みなさいという指示を受けまして、何か考えなくてはいけないと思い、 その次の年の予算で初めて、詳しいことは忘れてしまいましたが、研究費かPR経費か で食育という言葉が何かに出るようにした記憶がございますが、そのころに比べます と、こういった問題に対する理解や認識が大変深まってきたように思っております。  ちょうど今、自民党でも、今国会に食育基本法というものを提出しようということで 議論が進められておりまして、私ども厚生労働省からも谷口課長を初めとして議論に参 画をしておりますが、そういった流れの中で取りまとめいただきましたこの報告書は、 我が省としても、食育基本法に先駆けて食育の重要性を世の中にPRするという大変格 好な材料になるのではないかというふうに思っております。  また、16年度中に次世代育成支援計画というものを各市町村でつくることになってお りますが、この中にもこういった食育ということを盛り込んでいただくということで作 業を進めております。そういったもろもろのことを考えましても、大変時宜を得た報告 書ではないかと思っております。  いろいろなアドバイスをいただきましたように、これをどうやって地域の中に普及し ていくかということが課題だろうと思いますので、私どもなりにまた努力をいたします が、それぞれの皆様方から、またいろいろなアドバイスや御示唆をいただければ大変あ りがたいと思っております。重ねて御礼を申し上げまして、ごあいさつにかえさせてい ただきたいと思います。どうもありがとうございました。  村田座長  どうもありがとうございました。それでは予定した時刻より若干早いのですが、早く 終わるということは非常にまとまった報告書ができたということだと思います。また、 自分で自分を褒めていては困りますけれども、本当に心配しておりましたので、こうい った形ででき上がりまして安心しております。  委員の先生方には本当に長い期間にわたりまして、いろいろと御協力をいただきまし てありがとうございました。また、事務方の皆様も大変御苦労だったと思います。感謝 しております。  それではこれをもちまして検討会を終了させていただきます。どうもありがとうござ いました。                    照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課                         03−5253−1111(代)                             河野(内線:7934)                            佐久間(内線:7936)