04/02/02 独立行政法人評価委員会国立病院部会(第1回)議事録        独立行政法人評価委員会 国立病院部会(第1回)議事録                           平成16年2月2日(月)                           13:00〜15:00                           厚生労働省専用第21会議室 出席者:大道委員、開原委員、黒川委員、住田委員、辻本委員、夏目委員、山田委員、     渡辺委員 1.開会 ○川尻政策評価官  厚生労働省政策評価官の川尻でございます。  ただいまから第1回独立行政法人評価委員会国立病院部会を開催させていただきます 。委員の皆様には、お忙しいなか、お集まりいただきまして誠にありがとうございます 。本日は、部会長が選出されるまでの間、私のほうで議事の進行をさせていただきます のでよろしくお願いいたします。 2.議事 (1)委員紹介 ○川尻政策評価官  では、第1回でございますので、まずはじめに委員の先生方の御紹介をさせていただ きます。お手元の資料1の1ページをお開きいただきますと、委員の先生方の名簿とな っております。五十音順になっておりますので、私のほうから、お名前のみ紹介をさせ ていただきます。  まず、最初に、本日御欠席でございますが、井伊雅子委員でございます。 (以下委員紹介) ○川尻政策評価官  それから先ほど少し遅れるという連絡が入りましたけれども、渡辺俊介委員があとで 来られることになっております。  私どものほうの事務局の御紹介をさせていただきます。 (以下事務局紹介) ○川尻政策評価官  それから、お手元に配置図には他の事務方の名簿も入っておりますけれども、これは 部会当初のいろいろな諸手続が済みましたあと、国立病院部の説明に入るときに、他の 事務方の者が入りますので、そのときに改めて御紹介をさせていただきます。 (2)部会長、部会長代理の選出 ○川尻政策評価官  それでは議事に入らせていただきます。座りまして失礼をいたします。  はじめに、本部会の部会長を選出していただきたいと思います。厚生労働省独立行政 法人評価委員会におきましては、昨年、7月に開催されました総会で、本国立病院部会 他5部会が設置をされているところでございます。そして、部会長の選出につきまして は、この評価委員会令第5条第3項によりまして、当部会の委員の互選により選出をす ると定められております。どなたかから、御推薦をいただけますでしょうか。 ○大道委員  国立病院機構というのは、全独立行政法人のなかでも最も大きいものでございまして 、国民の関心もきわめて高いところでございます。したがいまして、本委員会の委員長 でもいらっしゃる黒川先生に本部会の部会長を兼ねていただくというのが適当なのでは ないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○川尻政策評価官  ただいま、黒川委員を部会長にという御推薦がございましたがいかがでしょうか。 ○各委員 (異議なし) ○川尻政策評価官  ありがとうございます。それでは今後、黒川部会長のほうに部会の進行をお願いした いと思います。 ○黒川部会長  どうも御指名ありがとうございますと言ってよろしいのでしょうか。13年から行政改 革がどんどん進んでおりまして、いろんな独立行政法人がでておりまして、本省との関 係それから厚生労働省としては3つの機関の評価。第1回目が終わったところで、それ をやらせていただきました。御指名もありますので、引き続きさせていただきます。よ ろしくお願いいたします。  部会長は代理を指名するということになっておりますので、これを指名させていただ いてよろしいかと思いますがよろしいですか。  よろしければ13年のときから一緒にやらせていただいた開原先生に部会長代理をお願 いできればと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。では、開原先 生よろしくお願いします。  それでは、先生から一言よろしくお願いします。 ○開原部会長代理  もう形式的なことは省略をさせていただいて、黒川先生をお助けをいたしまして、こ の大事な事業をやっていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 (3)独立行政法人の評価について ○黒川部会長  それでは議事に移らせていただくところですが、いろいろな独立行政法人になって、 評価、評価と非常にうるさくなっているわけです。いろいろな経緯もあり、これから特 に国立病院・療養所その他が増えてきまして、大変仕事も多くなってきます。最終的に は国民の税金をどのように使うかということと、それからミッションをどのように決め ながらフォローするかというので、そういう意味では非常に大変だと思います。  特に、国立病院・療養所のような、いままでの日本の医療の根幹を支えてきたシステ ム全体がひとつの法人になるということは、大変なことです。しかも医療そのものはこ れから高齢化社会、それから医療が変ってきた非常に大事なことでもあります。さらに 国の社会基盤資本として医療は大事です。日本の歴史的な事情から、公的な病院のほか に私的な病院も多いというところからいうと、地域的なもの、それまでのそれぞれの地 域での政策医療の執行の仕方、それから地域でのその他の病院との関係、その他も含め て評価をしなくてはと思います。そういう意味では、国の基盤をどのようにこれからの 社会に向けて政策的な医療も含めて、展開するかということもあります。このへんを踏 まえて厚生労働省の傘下のいろいろな独法がありますけれども、そのへんの評価をどの ように、最終的には国民のプラスになるようにしなくてはいけないという視点で先生方 のお知恵をいただきたいと思っております。  では、第1回ということですので、まず評価について事務局から簡単に説明していた だきます。この評価のまた上に総務省に評価をしたところを評価するというのがありま して、これがまた非常に事務的に複雑な組織になっておりまして、総務省のほうの評価 委員会の村松先生のほうにも評価のあり方、その他についてもときどき話をしていると ころであります。  さらにいろんな評価をした上で、最終的には税収が減ってきたからただ税金を減らせ ばいいという財務省の陰謀も後ろにあるのかもしれませんが、そのへんを全体としてよ く考えるというのが大事だと思います。このへんを先生方のぜひお知恵をいただきなが ら評価委員会を進めていければと思っております。  それでは、まず独法の評価について事務局から御説明をお願いします。 ○川尻政策評価官  それでは、もう部会長のほうからだいぶ中身に入ったお話があったわけでございます けれども、改めまして資料の1あるいは参考資料の1に沿いまして、独立行政法人制度 あるいはその評価のあり方について、第1回目でございますのでごく簡単に御説明をさ せていただきます。  まず資料1の2ページ目、資料1−2というのを御覧いただきたいと存じます。これ は独立行政法人制度について、簡単に説明をしたものでございます。何回もお聞き及び かもしれませんけれども、国民のニーズに即応した効率的な行政サービスの提供を実現 するといったような基本理念を実現するために、政策の「企画立案機能」と「実施機能 」を分離しようという考え方がございまして、そしてその実施機能を受け持つと。それ を効率性の向上あるいは質の向上あるいは透明性の確保を図るという観点から、この独 立行政法人が設置されるというかたちになったわけでございます。  下のほうにいくつか、場合分けがございますけれども、独立行政法人というのはどう いう場合を受け持つかといえば、民間の主体に委ねた場合に当該事業が必ず実施される 保障がなく、あるいは実施されないときには、国民生活や社会経済の安定に著しい支障 を生じるもの。こういうものが民間でも国でもなく、独立行政法人に委ねるべき分野と いうような整理がされております。  そしてこの法人制度のポイントということでございますが、4つほどまとめておりま す。  1つは、中期的な目標管理あるいは評価ということでございまして、まず3年ないし 5年にわたる中期目標というものを大臣のほうで定めまして、そしてその大臣が定めま した中期目標に沿って各法人が事業を展開をしていくというようなことでございます。 そして、それが各年度あるいはその中期目標期間が終わりますと、その独立行政法人評 価委員会によって客観的に評価をされる、あるいはその評価に基づいて見直しを行うと いうような仕組みになってございます。  それから財務面でございます。新たに「企業会計原則」というものを導入いたしまし て、そして内部留保あるいは移流用というのを認めるようなかたちで弾力的な運用を行 う、というのが2つめのポイントでございます。  3番目は、情報の公開という点でございます。説明は省略いたします。それから定期 的な見直しということでございますけれども、3ないし5年の中期目標期間が終了した ときには、その中期目標期間を通じました評価の結果を踏まえまして、法人にとっての 業務の継続の必要性あるいは組織形態の在り方について見直しを行うというようなかた ちで、切れ目、切れ目でこの評価委員会あるいはその上の総会でいろいろ御議論をいた だくというようなかたちになるわけでございます。  3ページにまいります。独立行政法人評価委員会の役割ということでまとめたもので ございますが、3つのタイミングがございまして、それぞれどいうことを行うかという ことがまとめてございます。  まずは、法人の設立にあたりまして、あるいは業務の初年度が開始するにあたりまし て、中期目標期間等を設定するということでございますけれども、厚生労働大臣が中期 目標を設定、あるいは変更するにあたりまして御議論いただきまして意見を言っていた だくというのが1つめの役割でございます。  それから中期目標がたてられますと、今度は法人ほうで中期計画というのを、ほぼ表 裏一体のものとして作るようなかたちになりますけれども、それを厚生労働大臣が認可 するにあたりまして意見を言うというのが2つめの役割でございます。  それから法人が設立されますと、職員のほうはかなり法人のほうで独自に決めるわけ でございますけれども、役員に対する報酬あるいは退職手当の支給基準というものが規 定によって定められますけれども、それについて意見を言うというのが役割というかた ちになってございます。  それから(2)でございますが、そいういうかたちで中期目標等が定められて最初の年 度が終了いたしますと、法人のほうから業務の実績報告というのがでてまいりますけれ ども、そういう実績に対して評価をしていただく、この厚生労働省の評価委員会ではあ とで説明させていただく機会があると思いますけれども、S・A・B・C・Dというよ うな項目ごとによりまして、5段階の評価をいただくようなことになっておりますけれ ども、そういう評価をいずれしていただくというようなことがございます。あるいは、 それと同時期にまいります財務諸表等の厚生労働大臣の認可に当たりまして、意見を言 うことができるというような役割もございます。  それから(3)でございますけれども、そして3ないし5年間の中期目標期間が終了し ますと、その期間を通じた業務の実績というのが、また法人のほうから報告をされてま いりますので、それについての評価をしていただく。それから、先ほどの説明の繰り返 しになりますが、そういうものに基づきまして組織の在り方等について意見を言ってい ただくというのが、この評価委員会の役割ということでございます。  めくっていただきまして4ページ目は、いま申し上げましたことをいわば図示したも のでございますので、ここでは省略をさせていただこうと思います。  5ページにまいります。5ページは、現在、厚生労働省のほうで所管をしております 独立行政法人ということで、予定のものも含めまして現在14ございます。最初に平成13 年の4月に、先ほど部会長のほうからもお話がありましたけれども、国立研究機関系の ものが3法人、設立をされております。そして、真ん中あたりにありますけれども昨年 の10月に共管を含めまして7法人が既に設立をされておりまして、現在は10法人という ことでございます。それから、この4月までに設立されるものが、まさにここで御議論 いただく国立病院機構、上のほうに入っておりますが、それから下のほうにまいりまし て雇用・能力開発機構、あるいは労働者健康福祉機構そして医薬品医療機器総合機構と いうかたちであと4つ、4月までに設立をされる予定になっております。  それから6ページにまいります。いままでは、特に「部会」と「総会」というのを使 い分けをせずに御説明をしてまいりましたが、この厚生労働省独立行政法人評価委員会 は「総会」と「部会」というものがあるわけでございますけれども、総会で何をやるか 、部会で何をやるかというのが、既に総会のほうで交通整理をしていただいております 。  これは随時見直しは総会のほうでされていくべきものと思いますけれども、現時点に おける整理といたしましては、まず総会のほうでは左側でございますが、中期目標期間 が終了した後の実績評価、あるいはそういうものに基づきました大きなIIのところでご ざいますけれども、組織あるいは業務全般にわたる検討に際しての意見の提出等々。あ るいは大きなIIIの委員会運営の関係では、各種運営規程などを作っていただくという のが総会の役割というかたちになっております。  それから右のほうにまいりまして、部会の審議事項ということでございますが、いま の運営規定上は部会が議決した後、委員長の同意。この部会でありますと、部会長が委 員長でもあられますので、ほとんど同じかたちかもしれませんが、一応部会で議決した あと、委員長の同意を得てそして評価委員会の名前で議決したというかたちにできる事 項というかたちで割り振られているものとして、毎事業年度の実績評価でありますとか 、それがI番目ですが、大きなIIのことろでは、法人の設立にあたりまして設定される 中期目標あるいは中期計画関係の意見の関係。大きなIIIでございますと、各部会のな かでのいろいろな運営事項というものを、部会でお決めをいただくというような仕組み になっております。  ちょっと飛ばして恐縮でございますが、7ページにまいります。そういうかたちで 「総会」と「部会」の役割分担が決まっておるわけでございますけれども、ではどのよ うな部会があるのかというのが、この7ページの図でございます。  調査研究部会、ここは一番最初にスタートというか実際の評価もしていただいている わけですけれども、にはじまりまして共管も含めまして6つの部会が存在をしていると いうようなことでございます。  先にまいります。8ページでございますが、いま見ていただいた部会につきまして、 各委員あるいは臨時委員の所属、それからもちろん各部会の担当独立行政法人を整理し たものがこの一覧表、1−5という資料でございます。  それから、あと参考資料のほうは簡単に御説明をしたいと思いますけれども、少し厚 めの参考資料1というのを御覧ください。私のほうから2点だけ御説明をしようと思い ます。恐縮ですが、この厚い資料の19ページを御覧いただきたいと思います。  こちらには本省の独立行政法人評価委員会の運営規程が入っておりますが、情報公開 の関係だけ念のためということで、第4条というのが下のほうにございます。委員会は 、委員による公平かつ中立な審議を確保するため、原則として非公開とする。というか たちでいままで総会あるいは他に既に始まっております各部会につきましては、非公開 でやらせていただいておりますけれども、会議の配布資料は、この会議が終わりました ら誰でもお渡しをする、御覧いただけるというようなかたちになっております。  しからばどういう議論があったかというのは、どうするのかということでございます が、議事録の関係が第5条にございまして、1枚めくっていただきまして20ページの第 5条第2項というのが上のほうにございます。議事録は公開とする。というようなかた ちになっておりますので、テープ起こしが終わりましたら各委員に御確認をいただいた 上で公開をする。厚生労働省のホームページに掲載をするというようなかたちで、事後 的にといいますか、議事録は誰でも見られるような態勢にしております。それが1つめ の説明ということでございます。  それから大変細かくなって恐縮ですが、このおなじ厚い資料の105ページという最後 の資料を御覧いただきたいと思います。先ほど、評価委員会の役割、あるいは総会と部 会の役割分担につきまして御説明をしたなかで、この105ページの閣議決定、昨年の末 に閣議決定をされたものでございますが、これは入っておりませんでした。まさに最近 になって決まったものですから、まだどういうふうにやるかというのは決まってないわ けでございますが、これは何を決めたものかといいますと、独立行政法人あるいは特殊 法人、認可法人の役員の退職金規定について、額を決定する場合に、独立行政法人評価 委員会が関わるということを決めたものというかたちでございます。  この1の(1)のところを御覧いただきますと、各府省はという主語はあとに回しまし て、結局、各独立行政法人の役員の退職金についてはどうなっているかといいますと、 現在は1月につき28/100というものを基準にいたしまして、退職するときの俸給月額 に在職月数をかけて、それから28/100というものをかけるというのが基本式になって いるわけでございますけれども、この閣議決定は28/100というのを12.5/100というか たちで半分以下に落としまして、なおかつ、あとのほうが重要でございますが、これに 各府省の独立行政法人評価委員会が0.0から2.0の範囲内で業績に応じて決定する業績勘 案率を乗じたものとする。というようなことを決めておるわけでございます。そういう ふうに規定を定めるよう各府省が要請をするというのがこの閣議決定の中身になってご ざいます。  したがいまして、12.5/100でありますけれども、各評価委員会のほうで実績が好ま しくないということであれば、1よりも低い業績勘案率を乗ずるというかたちになりま す。それからかなり業績が上がっているということであれば、1より高い業績勘案率を 乗じていくというようなかたちでございまして、退職金につきましてですね、この評価 委員会が関わるというようなかたちになってございます。  この国立病院部会で直ちに関係事項を発生するということではないとは思いますけれ ども、他の部会もございますので、いずれここらへんの退職金の業績勘案率の進め方に つきましては、総会のほうで一度御議論いただいて大枠のところをお組いただいた上で 、そして各部会でまた御報告をし、それにしたがって御審議を進めていただくというよ うなかたちにしたいと思っております。とりあえず、細かい話も最後入りましたけれど も私のほうからは以上でございます。 ○黒川部会長  これについて御議論、御意見ございましたらということで進めたいと思うのですが、 急に言われても仕方がないというとこともあるのであれば、もうちょっと進めてからま たやりたいと思いますけれども、何か御質問、その他ございますでしょうか。 ○各委員 (意見なし) ○黒川部会長  いろいろあるかもしれませんが、議事進行ということでちょっと進めさせていただき ます。よろしくお願いします。 (4)独立行政法人国立病院機構について ○黒川部会長  それではその次の議事ですけれども、当面は、国立病院機構の中期目標、中期計画等 の審議ということになるわけですが、本日はまず国立病院というのは、国立病院と療養 所が両方ありますから、全体の業務概要について事務局から説明いただいて、法人の全 体像をつかんだ上で意見交換を行っていきたいと思っております。それでは事務局のほ うからよろしくお願いします。 ○川尻政策評価官  御説明でございますが、本日は第1回ということでございますので、国立病院部長の ほうから最初御挨拶を申し上げた上でということを予定しておりますので、ただいまま いりますのでこのままでお待ちください。 ○黒川部会長  資料1と書いてある資料1−4、7ページですが、今度、厚労省の全体の独立行政法 人は6つの部会に分かれているわけです。これのなかで予算とか仕事している人から言 うと、病院部会が一番大きい。 ○川尻政策評価官  もちろんそうでございます。とういか、全省庁のなかで、国立病院機構というのが最 大の独立行政法人というかたちになります。 ○黒川部会長  それは個別な病院でなくて、一つの法人にしたというのはそれなりの理由があるわけ ね。 ○川尻政策評価官  そこはまさにこれから御説明をさせていただくということになると思います。ちなみ に御参考までにということでございますが、労働部会のほうで、これから御審議をいた だきます労働者健康福祉機構、ここも労災病院を30いくつか抱えておりますけれども、 これも一つの法人として立ち上がるというようなかたちになっております。 ○黒川部会長  それについては、いずれ医療を提供するという施設からいうと、何かのところで議論 していかなくてはならないことになりますかね。 ○川尻政策評価官  そこらへんはまさに総会で、黒川委員長の下で御議論いただければと思っておりまし て、3月ぐらいには総会を開かせていただけないかなと思っております。 ○黒川部会長  それではよろしいですか。(渡辺委員来場)それでは、そちらも御紹介されたほうが いいのではないですか。 ○渡辺委員  すみません遅れてまいりまして、日経新聞の論説員の渡辺でございます。前は、黒川 先生はじめ皆さんと、最初の全体の独法評価委をやってまいりましたが、今回は国病部 会ということで、私自身もまだ勉強しなければいけませんがよろしくお願いいたします 。 ○冨岡国立病院部長  国立病院部長をしております冨岡でございます。国立病院・療養所は、御案内のよう に旧厚生省が昭和20年に、旧陸海軍病院などを引き継ぎまして、それ以来もう50年以上 だいぶ経ちまして、それぞれの時代の要請に応じまして、国の医療機関として国民医療 の確保に努めてまいりました。  これまで数を減らす、それから機能強化するといった再編成を進めてまいりましたし 、経営の効率化といった点につきましても努力してまいりました。  平成9年の中央省庁改革の際には、その際に独立行政法人という制度が遡上にのぼり ましたが、その対象といたしまして実は国立病院・療養所はかなり大きな対象として議 論された経緯がございました。そのなかで、結論といたしまして、国立高度専門医療セ ンター、ナショナルセンターと呼んでおりまして、この3月で6つになりますが、それ とハンセン病療養所を除きまして、独立行政法人になるという結論が当時だされました 。それ以降、いろいろな準備を経まして、平成14年12月に独立行政法人国立病院機構法 が成立いたしまして、それに基づきまして設立移行準備を進めてまいりました。  昨年の10月には、坂口厚生労働大臣より矢崎国際医療センター総長を理事長予定者に 指名いたしました。その後、国立病院部と理事長予定者ともよく御相談申し上げながら 、今日まで、実は膨大な移行作業を積極的に進めてまいりました。  国立病院機構は、150余の病院が全国で政策医療を展開するという組織でありまして、 従事する職員は5万人の規模になります。それから大きな特徴と言えるかと思いますの は、この機構の収入の大半は診療収入、自己収入でありまして、事業型の組織であると いう点に特徴があるかと思っております。  矢崎先生の御指導の下、法人はこれから良質で安全な医療をどのように展開するのか と、それから組織運営をいかに効率的に遂行していくかという観点に立ちまして検討を 進めてまいりました。企業会計原則の下で、これまでの運営に囚われることなく、変え るべきものは変え、わが国の医療の向上に積極的に貢献したいという心意気で取り組ん でおります。  また、賃金職員と我々がいっております1年契約の非常勤の職員の方が、最盛期は1 万2千人ほどいましたが、現在6千人弱おります。こういった方々について、適切な対 応が必要であるという大きな課題もございました。  以上のようなことを踏まえまして、国立病院機構に期待される使命を適切に果たせる よう、今後中期目標案、中期計画案をお示しいたしますが、本委員会の御意見も踏まえ ながら円滑な成立に向け、引き続き努力してまいります。  それでは、本日の出席者を御紹介いたします。 (以下事務局紹介)  それでは、これから矢崎理事長予定者が御挨拶申し上げます。 ○矢崎理事長予定者  ただいま御紹介にあずかりました矢崎でございます。ちょっと始まる前に、御挨拶を 申し上げたいと思いまして機会を作っていただきました。座らせてお話したいと思いま す。  御存知のように、公的機関の運営の効率化を目指して、昨年の秋まで30以上の独立法 人が設立されました。そのなかで私どもの国立病院機構は、唯一全く新しく新規に組織 される法人であるとともに、154の病院、従業員が約5万人の巨大な規模を有することか ら、その準備のために、私が半年前の昨年の10月1日に理事長予定者に指名されるとい う異例の対応が行われた次第であります。  その設立の趣旨は、浅田先生が座長をされた懇談会の答申でいただいた、医療の質の 向上と効率化にあります。その内容は、3項目にまとめることができると思います。  まず第1に、職員一人ひとりが意識改革を行って、患者さんの目線に立った安心で満 足がいただける質の高い医療の提供を行うことであります。具体的には、医療サービス の向上と情報の徹底した開示による、公平でそして十分な理解の下に患者さんの意思を 尊重した医療を提供するという、医療の原点に立ち返ることと、そしてその上で国の政 策医療を各病院の機能と特色を活かして、主体的に取り組むことにあると思います。  政策医療としては、国民の健康を守る視点から、結核、エイズをはじめとする感染症 や、民間ではアプローチが困難な筋ジストロフィー症をはじめとする神経、筋疾患及び 重症心身障害等の難病への対応が重要な位置を占めます。しかし、一方、国立病院がひ とつのネットワークを構成して、臨床研究をすすめ診療の科学的根拠となるデータを集 積して解析し、その結果を情報として発信して、わが国における医療の質の向上に貢献 することも政策医療として重要な部門ではないかと思います。  そこで第2として、私どもは臨床研究、特に臨床疫学研究を推進して、わが国で最も 弱点とされる医療のevidenceの創生に大いに寄与したいと思っております。  3番目はよき医療人の育成であります。これは、教育研修などを通して育成するとと もに、従来は大学の医局人事に依存しがちな医師への対応も、独自のキャリアパスシス テムなどを構築して、わが国の政策医療を担う中核となる人材の育成を目指す所存であ ります。  平成16年は、人材育成の視点から、新医師臨床研修制度の発足と大学の独法化により 大きな変換期を迎えることとなります。そして医療機関も、患者さんから選択される時 代になるものと予測されます。我々も、国民に信頼される医療機関となって、わが国の 医療の根幹を担うという気概で機構を運営していきたいと思っておりますので、何卒よ ろしくお願いします。  機構の財政運営のあり方でございますが、国の時代の債権・債務を引き継ぐことにな っているそうであります。退職金手当というのは、国の時代での退職金です。それから 恩給手当等が運営交付金の大部分を占めているという実情を御理解いただきたいと思い ます。その結果、機構が発足時に純粋に使用できる運営交付金は80億足らずであって、 これをもって政策医療、臨床研究、人材育成を154の病院で行うということでございます ので、単純に割ると1つの病院に数千万円しかないということであります。こういう厳 しい状況にあることも御理解いただければ、大変幸いに存じます。  医療、これから重要な転換期でありますので、私どもはその主役を担ってがんばって いきたいと思いますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。以上です。 ○冨岡国立病院部長  それでは何卒よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。 ○黒川部会長  ということでございます。これから運営交付金とか全体の予算とか、全体の枠組みに ついてだんだん理解を深めていこうと思っておりますので、それでは古都さんのほうか らお願いします。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  それでは私のほうから、お手元にございます資料2、国立病院部としてつけておりま す資料に基づきまして御説明をさせていただきたいと思います。資料2のほうに、3つ 綴じてございます。資料2−Iが、先ほど病院部長、理事長予定者からもお話がござい ましたが、独法化の経緯及び、いま具体的な作業を進めるに当たって、拠って立つべき 考え方をまとめた資料が資料2−Iでございます。  それから資料2−IIというところで横表になっておりますが、これが独立行政法人化 に向けた検討状況ということで、いろいろ細かい作業をしておりますものをある程度ま とめて説明させていただくものであります。  それから資料2−IIIは、国立病院・療養所の現状というものをまとめておりますの で、これはときどき参考にさせていただきながら御説明させていただきたいと思いま す。なお、これ以外に参考資料の2というのがございまして、これは先ほど理事長予定 者のほうからお話がありましたが、国立病院・療養所の独立行政法人を受ける財政面の 効率化方策に関する懇談会、浅田先生におまとめいただいた報告書がございます。これ は参考でございますので、昨年の4月にでたということでありますが、これも配布をさ せていただいております。  それでは話を、最初の資料2−Iに戻しまして御説明をさせていただきたいかと思い ます。先ほど来、お話ございましたように、国立病院・療養所の独立行政法人化は、中 央省庁改革の一環で出てまいりました。先に独立行政法人化した事業、あるいは国営事 業でなくなったものいくつかございます。例えば郵政事業であれば、日本郵政公社。国 立大学であれば国立大学法人という別のスキームで、いわゆる国の直轄事業から変って いったわけでありますが、私ども国立病院・療養所につきましては、独立行政法人通則 法といういわゆる一般制度に基づいて独立行政法人化することになろうかと思います。  そういう意味では、研究所あるいは検査事務所そういったところの多いなかでは非常 に異質なものであるということでありますし、先行する中では印刷局、造幣局といった 事業型の独立行政法人もございますが、これらはいずれもある意味で独占的な事業をそ の中核に持っているという意味では、私どもと少し違うのではないかと思います。私ど もは政策医療を担う一方で地域医療にも貢献し、また大学病院、公的病院、民間病院と も一定の相対的には競合する関係にあるなかで、できるだけ使命を果たしていかなけれ ばならないと理解しております。  それから先ほど、理事長予定者からもありましたように、自らの収入で、いかに効率 よく運営し、医療の質を上げていくかということが問われているということであります 。それから医療につきましては、国民の命を守るという意味では、歴史的にみましても 技術の革新、サービスの質の向上がずっと求められてきている、最も国民の関心の高い 分野のひとつであるということであります。その一方で、国民皆保険ということで診療 収入も公定価格であるといったような、外在する条件のもとでやっていかなければなら ないということがありますので、なかなか他の運営費交付金だけで経営される独立行政 法人とは違った要素を今後の評価のなかでは見ていっていただかなければならないのか というふうに思っております。  いずれにしてもそのような制約条件を踏まえながらも、期待される使命を果たしてい くことになろうかと思います。  そこで2−1に戻りまして、私どもの機構法の概要でございますが、そこにあります いくつかポイントを紹介いたします。1の(2)にございますように、法人の目的はとい いますと、医療の提供、医療に関する調査、研究、技術者の研修などあるいはこれに付 随する業務を行うことによりまして、国民の健康に重大な影響のある疾病に関する医 療、いわば政策医療と呼ぶようなものにつきまして、国が医療政策として機構に担うべ きとするものについて、医療の向上を図り、広く公衆衛生の向上、増進に寄与しなけれ ばならないということであります。  これは決して政策医療だけやればいいというものではなくて、政策医療を中核としつ つ公衆衛生全体の向上に寄与するということでありますので、当然、地域、地域では地 域医療も担っていくということであります。  それから役職員の身分は、国の事業として残ります国立高度専門医療センター、いわ ゆるナショナルセンター等の非常に緊密な関係も維持していくということもございまし て、引き続き国家公務員という身分を付与したものになっております。  それから資本等につきましては、国から土地、建物、機械、こういったものが出資さ れますし、職員も移行するということになってございます。  それから役員については、非常に大きな組織でありますので一定の理事、ほか複数の 役員を置くことになっております。  6番目です。従来、国立病院特別会計は一つの会計として評価をいたしておりました けれども、今回、独立行政法人化します国立病院機構につきましては、法人全体として 財務状況を評価をしていただくというのが基本でございますが、これ以外にも個々の病 院の努力が明確になるよう、各施設ごとに財務諸表を作成し、法人全体の決算と併せて 評価委員会に御意見を聴いた上で公表するということが法律上義務付けられております ので、この旨を果たしていかなければいかんということになっております。  その他、法人は、当然施設整備のために長期借入や債権の発行も可能である。あるい は災害その他緊急事態のおりには、厚生労働大臣の指示を受けて対応していかなければ いけないなどと、こういうことは当然国が出資をする法人としての責務であろうという ふうに受け止めております。  その他、移行に伴いまして、先ほど部長からも申しましたがこれまで再編成事業によ り、病院の資源を集中し、機能をアップしてきたわけでありますが、国の事業である再 編事業につきましては平成15年度中に全て終わるものではなく、あと何年かかかるもの もございます。こういったものにつきましては、本来国の仕事であるわけですが、独立 行政法人国立病院機構が引き継いで業務を行うということに法律上位置づけられており ますので、この事業も付帯的に行っていく予定でございます。  その結果、一番下にございますように、現在の国立病院・療養所のうち、再編成を行 い、自治体あるいは民間と同様の機能を有するとされているもの10施設を除きまして、 国の政策医療として担うべき部分は、国が直接行うナショナルセンターと独立行政法人 国立病院機構で併せて行うという、2本柱で政策医療を推進するという姿に4月からは なろうといたしておるわけであります。  なお、独立行政法人国立病院移行144施設となっておりますが、これ以外に、先ほど 下の10施設と書いてございます。今後、再編統合あるいは民間に、地方に移管等いたし ます病院が10施設あるため、法人の立ち上がり時点は154病院。で、再編整備が終わり ますと、最終的には144になると、こういう趣旨でございます。  1枚繰っていただきまして、これは過去の独立行政法人化の経緯、行革の流れからで てきたという一定の議論を経たということを示す図でございますので、これは割愛させ ていただきます。  1枚繰っていただきまして、独法化懇談会報告書です。独立行政法人化するという大 きな枠組みは決まったものの、従来の会計法に基づく官庁会計の仕組みから企業会計原 則になる、あるいは国家公務員の総定員法の枠が改まって、独自に規律を定めていかな ければならないとか、運営方法が全く変わるわけでありますので、実際の運営をどのよ うにするかということにつきましては、この懇談会を3年程前より作りまして、各界の 有識者に御検討をいただいたわけでございます。  昨年の4月にこの報告書がでまして、こういったものも踏まえながら具体的な運営の 方向性を検討しているものでございます。この3ページにあります報告書の要旨は、1 点、国立病院・療養所が昭和20年代にもっておったウエートは、今日では大きく変わっ てきていることや、歴史的に癌、循環器あるいは重身といったものを、時代時代の要請 に応じてやってまいりましたが、今日ではだいたいベッド数でも5%、病院数でも2% 程度になっているということを示しております。今後さらにどのように役割を果たして いくべきかと、この機能をむしろどう活かすかということで考えるべきであろうという ことでございました。  そこで国立病院機構の運営につきましては、基本的には改革の絶好の機会であり、医 療面についても今後時代の要請に応じた政策医療の範囲を見直すべしという方向性や、 基本的に患者に視点を置いてサービス向上に努めよ、あるいは財務面は、企業会計を導 入して経営状況を開示しながらあるいは民間手法を活かしてやるべきとの指摘がありま す。  それから4ページにございますが、組織面では、効率、合理的な体制づくり。あるい は職員の意識につきましては、利用者の視点に立ったサービス提供のために意識の改革 もしていかなければならないし、責任を持って取り組むべし、それから国民からみて、 わかりやすい労使関係を築けなど、このような方向性が示されたわけでございます。  こうした方向性を踏まえながら、具体的経営につきましては、ひとつはIIの1にあり ますように、経営改善ということで中期目標、中期計画を有効に活かして目標を設定せ よ、あるいは業績評価を適切に行い、あるいは情報開示、そして企業会計を活かした部 門別会計等をやれということでございました。  それから5ページでございますが、法人内部における権限と責任です。これまで国の 省令等で組織も決まっておりますということで、なかなか自由度がなかったわけであり ますが、病院の独自性、自主性を拡大し、努力をしてもしなくても同じというとことか ら、むしろ個々の自主性を活かした経営をやっていこうということです。そのためにも 、病院長の責任ある経営方針が反映できるシステムにすべしということがございました 。さらに、そういう意味では地域医療との連携も当然密にし、貢献せよということもい われております。  また、給与等処遇につきましては、現行の国家公務員の給与体系と異なりまして、独 立行政法人は、独自の給与体系を定めることができるということになっておりますので 、従来の体系から脱却し、責任、能力、業績に対応した給与体系を構築すべし、という ことがいわれています。  一方、154病院、個々にみますと経営状況のいいところも、厳しいところもいろいろ ございますし、担っている医療によってもその点が違うかと思います。そういう意味 で、当面本部と病院間で的確な資金管理をやっていけということも言われました。そう いったなかで、財政運営、特に運営費交付金につきましては、その下にございますが、 やはり運営費交付金というもののみで政策医療をやるわけではないと、他の方法も含め て実施ならしめよと。そして将来的には、交付金依存体質から脱却できるように努力を せよということが目標として掲げられております。  そこで診療収入を伴う分野は、結核あるいは小児救急など補助制度あるものを除きま して、基本的には算定対象外、つまり自力でやってくださいと。従来のように、収支差 補てん、病院事業全体に公費を入れるというかたちはとるべきではないと、むしろ努力 が明らかになるようなかたちにせよという御意見でございました。  それから研究など診療収入を伴わない分野は原則算定の対象とするということです。 ただ、研究は競争的資金も獲得に努めよということであります。一方、円滑な移行、先 ほど来でておりますが退職手当を国期間分につきましては国から措置をする、あるいは 整理資源といわれる恩給関係の費用といったものについては国が手当を講ずべきと、こ ういう方向性がでていました。  このような方向性をだした上で、中期目標期間中しっかりやって、その後はまた全体 をよく評価せよということでございます。  こういった方向性を参考にしつつ、実務上のコミュニケーションを各病院ともとりな がらやっておったわけでございますが、7ページにございます、先ほど10月1日に非常 に、早い時期に指名のありました理事長予定者と国立病院部等でいろいろ相談をいたし まして、全病院の全職員にたいしまして今後の取り組みの方向を示したものが、11月10 日に公表した「独立行政法人国立病院機構の運営のあり方についての基本的方向」であ ります。  このなかで、冒頭の国立病院機構が目指すもの、というものにつきましては、まさに 先ほど理事長予定者からもありましたように、ひとつは患者の目線に立って国民に満足 され安心で質の高い医療の提供、それから病院の特色を活かした政策医療の提供、臨床 研究を通じたわが国医療の向上への貢献、質の高い医療人の育成、そして、これらがで きるように運営全般にわる改革と経営の基盤の確立となっています。これを、国立病院 機構法でミッションとしていわれておりますことを果たしていくべしということで、全 職員一丸となってやろうということで示したものでございます。  そこで、医療の方向性といたしましては、満足の医療というなかで、例えば分かりや すい説明、相談しやすい環境を積極的に作っていこう、あるいはこの154のネットワー クを活かして、セカンドオピニオンというものも提供していこうではないかといった点 があります。  それから1枚繰っていただきまして、安心の医療ということでありまして、臨床研究 には倫理委員会を設け、あるいは治験においても治験審査会をきちっと設けて医療倫理 を確立する、あるいはリスク管理の強化を積極的にやっていくということです。  それから質の高い医療といたしましては、クリティカルパスというものを活用してで きるだけ医療の標準化、あるいは患者に分かりやすさも提供していく。むしろ積極的に 取り組んでいこうと。それからevidenceの形成ということでありまして、政策医療ネッ トワークの活用やナショナルセンターとの連携によるEBMの推進。それから従来、経営 のみの指標でございましたけれども、臨床評価指標というものも育成していきまして具 体的な数値目標の設定に努め、導入していこう、あるいは医師のキャリアパス、看護師 のキャリアパスということで、組織全体として独自に医療人を養成していこうというこ とも考えているわけでございます。  それから我が国医療への貢献ということで、臨床研修への積極的な受け入れ、あるい はevidenceの形成のための臨床研究への推進、あるいは質の高い治験をネットワークを 活かした事業を引き続き、発展させようということで示したところであります。  組織運営の方向といたしましては、独法化の趣旨を踏まえて事業の効率化、あるいは 企業会計に基づく収支相償化を示しています。これは独立行政法人通則法で収支相償を 目指すと、収支相償が基本だということになっておりますので、いってみればこれを目 指してやっていくと、この中期期間中にぜひ目指すというべきことではないかと思いま す。それから総人件費抑制等の視点に立った財務運営をやるということでございます。  そこで効率的な弾力的な組織・人事配置ということで、院内の組織立てを弾力的化し たり、院長の方針を反映できる人事制度、あるいは副院長を複数置けるような弾力化を しようとか、効率的な職員配置を実現をするといったことを進めております。  それから実績重視の給与制度ということでありまして、例えば給与の年齢カーブの調 整、年俸制の導入、あるいは業績を反映した手当というかたちで、できるだけ努力が報 われる仕組みにしていきたいということにしております。  それから質の高い看護師養成ということで、看護師養成所を再編・重点化しまして、 専任教員を集約し質の高い養成を目指したい。その他、あらゆる面におきまして経費節 減努力をやってまいりたいというふうに考えております。  この方向を踏まえた上で、資料2−IIを御覧いただき、私どもの現在の取り組みを御 説明させていただきたいと思います。  2枚繰っていただきまして1ページにございますのは、独法化に向けた医療というこ とにつきましては、平成13年から既に独法化後どうあるべきかということについて一定 の予測を立て、構想を作り、いろいろ整理してまいりました。実際、病床数に乖離があ るような場合には調整をしたりして、できるだけ独法化前に仕上げをしてスタートして いきたいというふうなことで最後の努力をいたしております。  それから独法化後につきましては、臨床評価指標などで適切に評価をして、どれだけ 医療面で成果を上げたのかということを評価していただけるような指標にぜひ持ってい きたいと考えているわけでございます。  それから1枚繰っていただきまして、政策医療といたしましては、もともと再編・合 理化の基本指針のなかで政策医療ということがいわれ、癌、神経難病、結核等の19分野 としてきました。独法化のスタート時点では、後ほどの中期目標案をお示ししたときの 議論でありますけれども、この19については引き続きやっていく必要性があるのではな いかと思っております。また、一昨年の国会等でも、小児救急というものについてもっ と地域で担っていただきたいということが強く問われております。こういったことにつ いては、私ども三次救急等について担うという努力はしてきたわけでありますけれども 、こういった小児救急についても、むしろ今回積極的に担うべきではないかというふう に考えておるわけでございます。  それから1枚繰っていただきまして3ページでございます。  私ども法人の本部、ブロック、事務所、病院これらについていろいろ関係を見直して いこうと思います。今年の4月から国立病院機構がスタートをするわけでありますが、 私どもそのスタートまでに様々な体制の見直しをし、本当に4月からきちっとやれるよ うにしていくということで、ある意味では既に独法としての努力が始まっているという ふうにみていただければありがたいかなと思っております。そういう視点で、以下御説 明をさせていただきたいと思います。  法人の本部・ブロック組織についてです。現状では本省の国立病院部・地方厚生局・ 病院という縦の組織になっておりまして、地方厚生局というのは本省と同じような業務 を分掌してございます。これは種々現場の院長さん方ともコミュニケーションするなか で、やはりおなじようなことを2回繰り返すのもいかがなものかということもございま すし、我々としてもこのあたりは、より効率的にしていこうと考えています。それから 上から管理をするというよりも、むしろ個々の病院が主役であるわけでありますので、 そこを支援をするということを基本に、従来型の病院管理から支援を基本に改めていき たいと考えております。  したがって基本的には、本部とブロックの事務所というふうに分けまして、基本的に は本部が独法全体のことを考え、中期計画ですとか年度計画の調整、資金管理、資金調 整等を行おうというふうに考えておりますが、このなかで地方で実施したほうが合理的 であると、あるいは効率的だという例えば病院の業績を改善するための支援であります とか、物品の共同の購入のための支援ですとか、こういったことは本部全部でやるより もブロックでやったほうがより効率的であろうと、あるいは人事管理でブロックで任命 するものの管理、こういったものについてはブロック事務所が病院支援ということでや っていきたいというふうに考えてございます。  それから現在の地方厚生局という仕組みよりもさらに効率化、スリム化した姿で、ブ ロックというものを整理をしていきたいということで8ブロックを6ブロックにという ようなことも今後考えています。  1枚繰っていただきまして、このブロック組織が何をするのかということでございま す。例えば人事業務では、現状をみますと病院個々で看護師を採用しておるものですか ら、確保が容易なところも難しいところもありまた、採用発令といったことになります と、病院でもかなり多大な事務をやっていただいておる。あるいは人事が停滞しスキル アップの機会が不十分だと、あるいは病院の意向の反映しにくい人事だと、こういう問 題が種々現場からも指摘を受けているわけであります。今回、この辺を大きく改めまし て、例えば看護師は管内一括で採用できるようにし、ブロックで全体で確保していく。 あるいは採用発令事務などについては、ブロック事務所が関わることによって、むしろ 現場の病院の事務軽減を図っていく。あるいは管内病院間の交流を拡大して、むしろ機 能向上の機会をどんどん確保していく。例えば急性期の病院から慢性期の病院に移ると いったようなことで、幅広い医療技術や視野を身につけていただこうと考えています。 それから病院長の意見反映ということで、人事調整会議というものをブロック単位で設 けまして、そこで院長の意見が人事に反映されるような仕組みを作っていこうと考え、 いずれも意欲的に試みてみたいということで作業を進めております。  それから5ページでございますが、経営改善がなかなか進まない病院につきましては 、やはり非常に具体的な方法で支援をどんどんやっていかなければいけないと考えてい ます。1年終わった結果だけではだめだろうということでありますので、できるだけ様 々な改善手法の情報提供をしてアドバイスをしたりして、支援に努めていくというかた ちで考えております。  このことは、我々自身支援をする側のスキルアップが求められるというふうにも理解 をいたしております。  そらから6ページでございますが、物品購入です。現在は個々の病院で価格交渉をし ておりますが、事務も大変だしなかなか安い単価ではならない。むしろブロックでメー カー品の統一を行ったりという協力を得た上で、価格交渉を行うなどしてできるだけ効 率化を図っていきたいというふうに考えております。  7ページでございます。人事組織の基本的な方向につきましては、病院長の裁量の拡 大と、それから業務をより円滑に進められる体制を作っていきたいというふうに考えて おります。そのため組織につきましては、例えば組織立ての弾力化や、副院長の複数化 をやるといったようなことがある程度病院でできるとか、それから委託業務のもっと見 直しをするといったことがあります。それから任命につきましては、人事調整会議なる ものをブロックで作って、できるだけ適正な配置ができるように、異動ができるように しようとか、一括採用をしようとかということがあります。  それから給与につきましては、職務給原則を導入し、さらには業績給を入れることで 例えば年俸制を入れる。それから勤務形態につきましても、常勤と非常勤を区分したり 柔軟な勤務形態にするということで効率化を図るということで、組織人事を効率化をし ていこうというふうに考えております。  8ページでございます。病院がいろいろ努力して、どのように具体的に報われるのか ということでございます。現状は、国立病院特別会計という仕組みは歳入と歳出を1本 ずつ分けておりますので、各病院の診療収入はすべて国庫に1回納めまして、個々の病 院が必要な費用を支弁するという構造になっております。こうなりますと、個々の病院 の努力はなかなか反映されない。ある意味では、よくがんばったところの費用が経営が 厳しいところの支援の費用に使われておるということでありまして、努力がなかなか報 われないということがこれまであったところでございますが、やはり一定程度努力した 場合は、その努力した病院に対するインセンティブが働かせるような仕組みをぜひ取り 入れさせていただきたいということであります。  これはやはり病院事業自体独特のものではないかと思います。決してこれは何かを無 駄遣いするとかそういう話でなくて、まさに医療収入の目標を達成した場合に、年度内 に一部賞与ということでださせていただく。これは努力した病院だけということであり ますので、そういうインセンティブが働く仕組みとさせていただけないかと思っており ます。  それから売店とか駐車場とかいろいろ医療外の収入があるものもございますが、そう いったものも例えば福利厚生面とか、そういった面でも一部使えるような仕組みも設け たいというふうに考えています。いずれにしましても、年度計画の目標を達成すること を条件に、病院のインセンティブの仕組みを設けさせていただきたいと考えております 。  それから9ページこれは独立行政法人化のメリットの一つでありますが、理事長の判 断で兼業の許可が可能であります。これまでいろいろ民間の支援とかあるいは公的役割 も、時間外にやっておったということでありますが、なかなかこれでは職員も元気がで ないということがありますので、一定程度、その公的な役割になることは認めていこう ではないかということや、支援をしようということを弾力的な運用にしてできるだけ 「やる気」を持っていただこうというふうに考えております。  それから10ページでございますが、特に重要な財務運営でございます。病院は、従来 の官庁会計であれば、退職手当を引き当てたり、減価償却費を計上したりということは ございませんでしたが、今後は企業会計でありますので減価償却を計上したり、退職手 当を引き当てたりした上で経営が収支相償化ということを問われるわけでございます。  そういったときに、この154病院が一定の調和を保ちながら、個々の病院の個別性が 重視されるような財務運営にしていかなければならないというとで、新しい会計ルール に転換し資金受払の新しいルールを設定するということが必要になろうかと思います。  そうなりますと、当然本部と病院のお金の流れも明確にしなければなりませんし、ま た、責任はどこまで、あるいは負担の調整はどうするかということをはっきりさせてい かなければ、この154それぞれの努力が報われるというかたちにはならないと思います。  そこで11ページ、会計ルールの転換につきましては、一つは企業会計の適用というこ とで従来の官庁会計から独法会計基準が適用されます。それから先ほど申しましたよう に、国立病院特別会計は一つだったわけですけれども、これを分けまして各病院の区分 経理を行う。あるいは収益構造の異なる、例えば診療収入のある診療部門、直接の収入 はない臨床研究部門、あるいは教育研修部門こういったものにきちんと分けて、それぞ れ効果測定できるようにしていかなければならないだろう。それから月次決算を導入い たしまして、運営状況を早期に把握してリアルタイムに対処方針をとっていくというこ とにしていきたい訳です。  それから資金の受払のルールでありますが(12ページ)、本部と病院間で一つは退職 手当など国期間分あるいはその他の費用につきまして、必要不可避な経費に運営費交付 金を充当したいということであります。  それから研究・教育のように、それ自体収入を生まないようなもの、あるいは難病等 の病棟などのように、そういうものにやはり一部整備への補助というものをしていって 支援をしていく必要があるだろうと。  それから(3)、ここがポイントでありますが、そうはいっても公助に頼るばかりでは なく当然共助というもので、各病院から経常収益の3%を本部に拠出していただいて、 これで調整をしていこうと考えています。ある意味で、ここでどこまで他を援助すれば いいのかはっきりするわけであります。  それから本部預託制度の導入ということでございます。先ほど申しましたように全部 国庫に入りますと、どこのどのお金か色はなくなってしまうわけでありますが、これか らはそういうかたちではなく、各病院の余裕資金がでた場合は、これは各病院の名義で 預託していただいて、将来一定の費用が貯まれば建て替えあるいは機器購入の費用にし ていただこうというかたちで、名宛てをはっきりさせていこうと思います。現在は、ど こがどいうふうな状態になったら将来再建、建て直しがきくのかということがはっきり しないわけでありますけれども、このへんもルール化をして各病院が将来展望を持てる ようにしていきたいということで考えております。  それから13ページ、各部門・各病院に係る財務運営方針のちょっと具体案であります が、1点、私ども施設整備は、基本的に財政融資資金で財務省から借りたお金で整備を いたしております。これについては繰上償還が現在ほぼできないということでございま す。そういう中で過去再編成の結果、委譲・廃止した施設の債務については、残った病 院が支払っていくという形になっておりましたが、今回これについては切り離し、一般 会計繰入で償還していただくということになり、そういう意味では過重な負担を一定程 度軽減をしていただいたということになっております。  それから診療部門につきましては、基本的には収支相償を自らの原則にいたしますが 、運営費交付金を特定の部分に入れたり、あるいは一部整備費補助を行うこととしてい ます。  それから14ページでございます。過去の投資、なかなか建設単価もいろいろ高い時期 もございまして、過去の投資については相当重たい投資となった病院もございます。こ ういったものについては、やはり共助の資金で一定程度調整、支援をしていくことが、 結果的には法人全体として円滑に機能する上で必要であろうというふうに考えておりま す。  それから全て国が、土地、建物を出資するというわけでもなく、一部自治体からの借 地なども残っておりまして、こういったものについても、他の病院ともバランスを考え て助成を考えていきたいと思います。  それから赤字病院についても、緊急補修については助成をしていきますが、基本的に は経営改善を図っていただくということで共助のお金を一時貸し付けをする、内部で貸 し付けて、そして経営改善に努力していただくということを考えております。経営改善 できない場合は、相当本部なりから経営改善の支援をしなければならないと考えていま す。  一方、臨床研究につきましては、今後運営費交付金と一部共助のお金で研究を進めて いくわけでございますが、競争的資金の獲得にも努めていく必要があろうかと思います 。  それから15ページ、看護師養成につきましても過去の債務の償還、なくなったものも ございますので、負担を軽減した上で再編成後は、学生さんの授業料だけでは賄えませ んが、そういったところも含めて共助金で補填をしていこうとしています。このように 資金の受け払いをはっきりさせて、各病院のお金がどんぶり勘定になってどう使われて いるかわからないということからは脱却したいと考えているわけでございます。その他 償還確実性を重視した整備計画にしていきたいというふうに考えております。  それから16ページでございますが、独法移行にあたりまして、効率化ということを医 療機能あるいは研究・養成、調達価格、資産活用こういった面でも積極的に進めていき たいと考えてございます。  18ページを開いていただきますと、先ほどの議論のありました運営費交付金でござい ます。右手のほうに資料2−IIIのほうの18ページを開いていただきまして、併せて御 覧いただきますでしょうか。  資料2−IIIの18ページは、一般会計からの繰入額の推移ということででております。 平成4年前後あたりは、私ども非常に経営が厳しく、一般会計の受入額が当初予算に対 しまして約4分の1を超えるという状態にございました。しかしその後、経営改善ある いは運営の適正化に一生懸命取り組んだ結果、毎年徐々に繰入率を減らし15年度では特 別会計全体、特別会計全体といいますのはナショナルセンターも含めて、現在は11.5% ということで、この10年でなんとか半分にしました。15年度は1,124億円の一般会計の 受入が行われ、国立病院あるいはナショナルセンターの収支差の補填をしておるという 状況にございます。  今後は独法につきましては、運営費交付金を一部入れまして経営するわけでございま すが、元の2−IIの18ページにございますように、運営費交付金は16年度予算で521億 円ということになっております。しかし、ここを御覧いただきますと4番目の財政基盤 安定化ということで、退職手当の国の勤務期間に係るもの、あるいは恩給等負担金こう いったものが444億円を占めておりますので、実際これは入ってそのままでていくよう なお金でありまして、それ以外実際に、政策医療でいろいろ使えるというのは、合わせ て80億弱のお金がということになりますので、そうしますとほとんどが自らの診療収入 で努力していくことになろうかと思います。だいたい国立病院特別会計で9,800億、国 立病院機構に限ってみますと、だいたい7,000億弱ぐらいの収入規模になろうかと推定 しておりますけれども、そういってみれば凡そ1%ぐらいが政策医療の経費ということ になろうかと思いますので、そういう意味では、この運営費交付金をぜひなんとか適切 に使って、最大限効果をだすとともに、やはり一定程度こういう形で引き続き支援がな いと我々もやっていけないと考えています。  したがって特殊法人から独法化した法人のように、毎年経費節減という単純な図式に は当てはまらないのではないかと私ども思っております。  それから施設整備費補助金としては、58億円が今回は計上されています。それから施 設整備に係る財政融資資金からの借入は、441億円ということで、借入も対前年度に比 べまして大きく切り込むかたちとし、できるだけスタート時点は、有利子負債の削減に 努めていきたいと考えております。  なお19ページは、どんぶり勘定で収支差補填はしないと申しましたように、各運営費 交付金の項目につきましては、結核であれば一部空床補填、あるいは小児・三次救急あ るいは精神科救急などについて、補助金相当というようなかたちで、どこに交付金を使 ったかということが明確になるようにしたいと思います。全体としての努力は、そのま ま各病院が努力をしたんだなということが御理解いただけるような配賦に努めていきた いと思っております。  それから22ページでございます。賃金職員制度の問題、部長の挨拶にも少しでてまい りましたが、これは昭和30年代、総定員法ということで、枠組みを定めて削減を図って きたという経緯がございます。やはり医療等については質が高まれば、あるいは質の高 い看護が必要になれば、当然医師・看護師の確保がこれは不可欠であります。  しかし国の総定員という枠のなかでどうしても賄いきれないところというものがでて きたわけでありまして、そこの下にございますように凡そ5万人弱おる職員のうち、6 千弱、5,700人ぐらいが11月現在でございますが、1日8時間、日々雇用と1年以内の 任用ということで任用中断があるという独特の仕組みが続いてきたわけであります。し かしこれは国の仕組みでありまして、やはりこういった国の仕組み、民間にはないよう な仕組みは引き継ぐべきではない。そのあたりは適切にしていかなければならないとい うことでありまして、その右にございますように、看護師等が半分ぐらい3千人強、技 能労務職が2千人弱、その他が700人ぐらいというものにつきまして、引き続き医療を 確保する上で看護スタッフの確保はするものの、一方雇用の配慮もあわせて解消を図っ ていきたいと考えています。国立病院機構ではそういう賃金職員制度はとらず、国の時 代で終わるわけでありますが、病棟勤務を希望する賃金職員はできるだけ常勤職員とし て、全員採用し、外来を勤務される方については、短時間として全員採用し、それから 技能労務職、本来は業務委託を推進すべきということを従来から言われておるわけであ りますけれども、雇用に配慮して短時間・非常勤ということで採用し、全員採用すると いう方向性を出しています。それから院内保育事業について従来保育士を派遣しており ましたけれども、こういったものについても事業の見直しをいたしまして、民間事業者 でその雇用を引き継いでいただくようなかたちとすることになっています。こういった かたちで一定の制度の見直しをするなかで、厚生労働省として雇用への配慮もし、民間 企業への斡旋なども併せて行うというかたちで、この長い間国の定員制度の矛盾であっ た部分についての解決に努めていきたいということで考えております。  以上が資料の御説明でございまして、国立病院機構の円滑な立ち上げに向けて、既に いま機構としての努力が始まっているということで御理解いただければ幸いでございま す。以上です。 ○黒川部会長  どうもありがとうございました。いろんな感想もあるかと思います。御意見をしばら く伺いたいと思います。 ○住田委員  2つほど質問させていただきたいと思います。本部・ブロックの経営化に、私、懇談 会に参加させていただいたのですが、そのときはそのブロックというアイデアはなくて 、むしろ一つの独立行政法人よりもJRのような方式はどうかという、ちょっと議論もあ ったのですが、この本部・ブロック経営管理方式、私は賛成するのですが、実際は例え ばブロックの、細かい話ですけれど、ブロックの長あるいはブロックの機能というのを もうちょっと説明していただけないか。  2番目の質問は、インセンティブで年度内の賞与をだすことについてはこれも理解で きるのですが、例えばそれは誰かが評価しないと収益がいっているか、黒字かどうかと いうことは分かりませんです。そのときに自己評価ではちょっとまずいのではないかと 思うのですが、会計監査人の監査とか、これは事業年度終わってからですから、それに ついても評価委員等がこれは評価するのですか。2点、ちょっとお聞きしたいのですけ れど。 ○古都国立病院・療養所組織再編成推進室長  最初のブロックの長ですが、機能ということでありますが、ブロックにつきましては 全国を8を6に集約して、一定の事務所を置いて職員を配置し、そして先ほどの支援業 務ですとか、人事の一括採用とかやっていきたいと思っております。  それぞれのブロックを担当する非常勤の理事をあてはめまして、それぞれがその理事 の下でやることにします。逆にいうと非常勤の理事でありますから、全体の理事会も当 然参加するわけでありますので、ある意味では本部の意向も十分反映した形で機能させ ていこうということです。  それからインセンティブについては、各年度年度で、当然法人全体の年度計画はある わけですが、そのためには個々の病院にどういう目標を達成していただくかということ は、経営の数値で明らかになってくるわけでありますので、そういったものを、例えば 財務会計システムというものをネットワークを構築して4月から使うようにしますので 、厳然と数字がリアルにでてくるということであります。まさにその経営の数値、一番 はっきりしたかたちを持って、一定の範囲以内で支給できるようにしていきたいと考え ています。最終的には現場がだしてきたものについて、本部あるいは理事長なりが点検 をして、その評価がなければ認めないというようなことを考えておるということでござ います。 ○清水国立病院部企画課長  1点補足でございますけれども、ブロックの長につきましては、現時点では厚生労働 省の地方厚生局というのがありまして、その長は厚生労働省の役人でございます。医系 とか事務系の役員でございますが、今度の独法のブロックの長は、いま古都が申しまし たほうに、本部の非常勤理事でございますけれども、その方は理事長予定者とも相談し て、いま内々そういうかたちで進めておるのですが、現役の病院長さん達にすることを 考えてございます。新たなデスクワークのみする者が管理組織の事実上のトップになる のではなくて、あくまで病院業務を熟知している方がブロックでやるところの人事調整 等々に当たるというかたちにしたいと考えております。 ○渡辺委員  いまのブロックも含めて3点、手短にいいます。1つは、どうもよくわからないのは 、先ほどの例えば中期目標とか財務諸表、154施設について全部だしてくるのをこっちが 評価するのか、機構全体、機構そのものを我々が評価するのか、わかりやすく説明が欲 しいということです。  それからブロックについては、いまお話があったブロックを新たに作る6つといえど も、地方厚生局の国立病院関係をこっちに持ってくるのでしょ。トップはいま企画課長 からあったように病院長といっても、そこでいまの資料の2−II、古都さんから説明あ ったけれども、経営改善などをアドバイスするとなっているのですが、率直に申し上げ て、地方厚生局の職員をブロックに持ってきて経営改善するだけの能力があるのかどう か、これは民間人の優れた人を持ってこなければ、とても経営改善とかいろいろアドバ イスできないと思う点が1点。  最後に、運営交付金の話があったのですが、確かに政策医療部分というのは80億足ら ずで僅かで圧倒的に退職手当と整理資源が多いのですが、退職手当と整理資源は年々減 ってきますね。そうするとこっちの政策医療がらみ、つまりいまでいうと77億円、16年 度ベースで、これを増やしていくのかそれともこれは変わらないのか。それを合わせて 、以上3点です。 ○古都国立病院・診療所組織再編推進室長  評価については、まず第1には、全体をきちっと評価をしていただくということで、 法人の評価が最初にあるということであります。それから個々の病院の全てを詳細な評 価をしていただくというには、ちょっと物理的にも非常に厳しいのではないかなという ふうに思っておりますので、そこはこれからどういう評価の視点とか作業をするかとい うことをこの部会でおそらく御議論されるかと思いますが、1点考えておりますのは、 法人全体の評価をすると。それから、ある程度我々が作業をさせていただいて、当然い いところはどこだとか、悪いところはどこだとかというかたちで、ある程度課題のある ようなところに絞ったようなかたちで、例えば御意見をいただくとかそういう効率的に みていただけるような方法をぜひ考えたいというふうに思っております。  それから2点目、確かにブロックに能力があるのかないのかと言われますと、ぜひこ れから指導するほうも、能力アップを図っていかなければいけないなと思っております 。ただ、いままでも、一定程度業務指導の蓄積した方法があります。ただその内容が、 例えば国の会計基準に数値を合わせるような指導が中心だったりしたものですから、正 直言って指導する側も相当勉強をしてスタートしなければならないということですので 、若干スタート時点につきましてはなかなかうまくいかないかもしれませんが、指導す る側のスキルアップも含めて、ぜひうちなる人員でというふうに思っています。全部外 にだしてやるほど余裕もないかもしれないというふうに思っておりますので、スキルア ップ、研修とかやってその指導者の質は高めていきたい。 ○渡辺委員  要するにブロック長、病院長もいいんだけれども、例えば民間人の登用なんていうの は考えていない、従来の職員だけでやろうというわけですか。 ○清水国立病院部企画課長  民間のノウハウをどのように取り入れていくかということは、ちょっとまださまざま 調整中でございます。ただ、ブロックのことについていいますと、本当にいま日本の民 間病院においても、アメリカのホスピタルマネージメントにノウハウが十分確立したと ころがあるかといえば、基本的には中小企業並みで、なかなか個々人の資質によるとい うところじゃないかなというふうに思っております。  そういうものは私どももさまざま勉強しておりまして、例えば薬剤の共同購入は独法 移行前でございますけれども昨年からもう始めております。よく「国病価格」といわれ たような薬剤の買い方など昔はあったわけでございますけれども、昨年、相当程度薬剤 の購入価格も民間並みに近づいてきたかなあというふうに思っております。お陰様で、 いろいろなところから、国病そこまでがんばるのかというふうな御注文をいただいてお るところでございますけれども、私どもはやはりそこは民間並みのもう薬の共同購入も 始めましたし、様々な点もやっております。相当程度職員の意識改革も行っております し、そのなかには民間病院に行ってあちらに頭を下げていろんなことを、ノウハウを蓄 積するということもやっております。  また、最初に申し上げましたように、民間のノウハウをどう取り入れるかということ は、別途さらに重ねて考えてまいりたいというふうに思っております。 ○古都国立病院・診療所組織再編推進室長  3点目は交付金であります。確かに長期的にみて、下降線でありますので徐々に減っ てくる可能性があります。ただ一方で多く退職したときの見込みというもございまして 、必ず毎年同じ数だけ辞めるわけでもない、一定の見込みで立ち上げておりますから、 あとで入り・繰りがでてくるのだろうなと思っています。ですから単純にきれいに減る のかどうかと、ある程度この5年ぐらいは、多少いっぺんにどんどん減っていきますと なかなか大変なこともありますので、少し平準化しなければいけないかなという気もい たしております。要するにある程度減ってきたものが本当にうまく移し替えていただけ るのであれば、それはありがたいことですが、その点について毎年予算の折衝のなかで 絞られるということでありまして、なかなか独立行政法人制度といえどもそのへんの枠 は保障はされていないものですから、それはその時々の予算の折衝になるでしょう。一 方で、我々自身もこう非常にいいことに使っているのだということを発信していって、 理解を得られるようにしていかなければいけないかなと思っております。 ○清水国立病院部企画課長  1点すみません追加させてください。ブロック組織についてお尋ねがございました。 現在の地方厚生局の病院管理部というところが、国立病院・療養所の管理関係をやって ございます。そこの人間を6という、ブロックの数減らすだけではなくて、職員数も相 当程度スリム化する予定でおります。それともう一つ、支部が先ほどから言っています ようにどちらかといいますと、本部がいろいろと企画・立案等々するものの実施部隊と いいますか、病院の支援部隊ということでございまして、いまの地方厚生局の役割とは 相当変わることになります。  それから運営費交付金のことでございますが、私どもは純粋に政策医療に使えるのが 77くらいで、少ないとは思っておりますけれども、できれば増やしたいという願望はあ りますが、じゃあ実際に仕入れのなかに収まるかどうか、また財務省さんが厳しい国家 財政のなかで、どのスタンスを望まれるのかというそういう単年度予算編成の課題がご ざいます。そういうもののなかで、いろいろと私どもとしても考えてまいりたいという ふうに思っております。 ○矢崎理事長予定者  渡辺委員のおっしゃられたその民間の意識を企画を入れる方法ですが、いま企画課長 が答えられましたように、各ブロックのところは極めて実務的な部分を担うので、そう いう渡辺委員の言われたことは本部できっちり対応できるような形を、組織を作ってい きたいというふうに考えておりますので、まだ具体的になっていませんのでまたあとで 経過とともにお話できるかと思います。  それから運営交付金のお話で、ちょっと最初の御挨拶で申し上げましたが、この文章 に「補助金頼りの依存の医療から脱却し」ということが書いてありますが、もう本当に 病院部が現在まで努力されて、本当に医療として使っているのは全体の0.5%足らずなわ けです。あと政策医療としての役割の臨床研究に対するお金があるわけです。ですから トータルに521億円の運営費で、先ほど444億円はそのまま行っちゃうわけで、シーリン グで10%それを削減といいますと、もう444億円はそのままですから10%とすると、52億 ですかね減らしなさいということになると、とてもやっていけないという構造がありま す。  ぜひそのへんについては御理解をいただきたいということと、それからやはり私とし ては、我が国で一番弱点になっている医療の科学的な根拠となるevidenceを蓄積するこ とが必要ではないか、我が国は、研究費はどちらかというと比較的学術的な方面の研究 支援が強くて、こういう臨床疫学的な研究がなかなか競争的資金が取りにくいという現 状があります。したがいまして、国立病院群としては臨床疫学研究ができるようなシス テムを構築するために、この部分の予算は、いま私は個人的には極めてアメリカに比べ て少ないと、ですからこれは本来はもっとあるべきものではないかなというふうに思っ ていますので、できれば競争的資金の区分のなかにそういうものを入れていただいて、 我々がそこから取るというようなことが理想的ですが、そのシステムの基盤を整備する 資金として、これはぜひ確保していきたいというふうに私ども思っていますのでよろし くお願いいたします。 ○夏目委員  資料2−IIの12ページですが、資金受払ルールの設定というところですが、本部への 拠出金制度の導入というのがでております。ここで、経常収益の当面3%を本部に拠出 と書いてありますが、この経常収益というのは企業会計でいう経常利益という理解でい いのかどうか、3%というのは当面だから目の子で作ったのかどうかわからないのです が、3%の根拠みたいなのがあるのかどうか。そして拠出されたお金は本部の管理費に 使うのか、それともどうしてもでてくる赤字病院の補填に使うのか、その使途はどうい う考え方なんでしょうか。 ○古都国立病院・診療所組織再編推進室長  使途から御説明しますと、この使途はすべて本部のお金というよりも各病院の経営、 でこぼこありますので、そういったところの赤字補填の資金にしたいという基本的には 赤字系のところの補填と。補填といいますか、貸し付けてやるわけでありますけれども 、そういうかたちにして、本部が使うお金ではないということであります。  それから概ね途中経営状況をみて、なんどかやっているなかで、例えば5%も10%も とれればいいのかもしれませんが、それでは経営が成り立ちませんので、だいたい過去 の経験とか実績とか踏まえて、このぐらいであればぎりぎりなんとか赤字のグループに ついて貸付が一定程度できるのではないかという見込みでやっております。  もちろん「当面」と書いておりますのは、できればこういうのは経過的になれば一番 いいなというふうに考えています。それからこれは経常収益に対する3%です。これは 言ってみれば利益というよりも収入のほうで。 ○夏目委員  収入ですか。 ○古都国立病院・療養所組織再編推進室長  経常収益です。収入の枠で一定の設定をしていこうというふうに考えています。 ○黒川部会長  そうすると収入というのだと、収入のうち3%やって、また返ってきたり出入りがあ るということですかね。 ○清水国立病院部企画課長  そうでしょうね。数字的なことを申し上げますと、赤字病院だけのアカを積み上げま すと、平年度ベースでたぶん200億を超えるのではないかというふうに考えられます。 一方、診療収入の概ね7千億円ちょっと切りますので、7千億円かける3%ということ で210ないしそれよりもちょっと削られるのかと、だいたい赤字病院のアカとこの3%、 概ねニアーイーコールくらいの数字、平年度ベースでございますけれどもそのくらいで 思っております。 ○大道委員  だいたい御説明いただいて状況はそれなりに理解をしたのですが、率直に申し上げて これまでの国立病院の流れ、あるいは経営の様々な特質、特長からいいますと、非常に 厳しい状況ですね。ちょっと心配なのは、従来の国立病院もそうだったのですが管理強 化、統制的な意味合いが非常に強くなったのではないかと、むしろ個々の国立病院これ までもそれなりに辛い思いをしてきたはずなんですが、端的に言ってさらに一層厳しい というような状況のままどうも推移しているように見受けられて、今後この状況を打開 するにはやはり組織の活性化あるいは意識改革さまざま言いますけれど、要は労働生産 性を上げて単価並びに件数を増やしていくというような方向に組織を引っぱっていかな ければならないわけですけれど、そういうときのモラールの引き出し方とか組織運営に ついて、特に医療についての組織運営をよほど工夫していかないといけないなと改めて 思うわけですが、そのときの法人本部といま議論あったブロックと、個々の医療機関の 間の事業体としての適切な連携を本当にどうしていったらいいかと。  きょうは初回ですしあまりよくみえないといえばその通りなんですが、個々の医療機 関が本当に、経営改善という言葉が適当か、あるいは事業体として自立・確立していっ たらいいのかもしれませんが、そういうことをやるポテンシャルを引き出すような方向 。さしあたっては個々の院長の裁量権とか、さまざまな業績主義、成果主義等と語られ てはいるのですが、現実の問題というのはかなり厳しいなと思うわけです。そういうな かで、中長期の目標設定の評価ということですから、そのあたり現実に本当にどうして いくのかということを、ぜひ御検討いただきたい。  統制的にやらざるを得ないといえばそれはその通りなんですけれども、そのなかでき ょう語られている、いま私が言っているような、裁量権を拡大するとか様々な一般的な 表記は、これもよく語られていることですからよくわかることなんですが、現実の国立 病院の現場、あるいは療養所の現場、厳しいところが極めて多いわけですから、単なる 方法論の問題でなくて、特に管理者、場合によっては事業主体の代表者の資質が求めら れるように思います。このあたりの配慮を本当にやっていかないと、これ以上厳しく締 め付けて本当にどうするんだと、現場が疲弊するというようなことのないような配慮が ぜひ必要かなという気がいたします。  民間病院の院長の活用もひとつの手だとは思うのですが、現場におられる管理者のな かで、おそらく潜在的にといいましょうか、能力のおありになる管理者の先生方もおら れるのではないかという気もしますし、そのあたりの現場の人材の発掘というあたりも ぜひお目を向けていただいて、組織のポテンシャルを引き出すような御配慮をお願いし たい。これは質問というよりは要望ということです。  それともう一つは、きょうお聞かせいただいた運営交付金の話はよくわかったのです けれども、例えば平成15年度は1千億余の一般会計からの受入があるわけですね。これ がかたちの上では、運営交付金という形となって全く同じものでないことはよくわかる のですけれど、概ね500数十億の格好になっているわけですけれど、このあたりの段差、 ギャップ、これ現実にどうやって吸収されたのですか、激変緩和みたいなところでうま いこと整合とれていらっしゃるのですか、そのあたりが今日見えなかったのです。 ○清水国立病院部企画課長  最後の点から私のほうから御説明しますが、運営費交付金はあくまでも独法移行組に 対するものでございますから、他にナショナルセンター特会への繰入金というのが400 数十億ございます。トータルでいきますと、1千億は超えた、旧国病特会に対するもの というのを16年で集めますと、独法に対するものと、NC特会に対するものと合わせま すと1千…。 ○大道委員  連続性は担保されているということなんでしょうね。 ○清水国立病院部企画課長  ええ、もちろん減らされてはおるんでございますけれども。 ○大道委員  わかりました。それは了解しました。 ○清水国立病院部企画課長  それから組織立てのほうでございますが、膨大な債務も引き継ぐ、資産もそうですが 、債務を引き継ぐと同時に会計ルールも変わりますから、財務規律というのはこれは相 当厳しく内容的にも、ルール的にも確立しなければいかんというふうに思っております 。  ただ肝心の医療をどう提供していくか、ドクターの処遇でありますとか人の配置でご ざいますとか、そのあたりについては基本的には厳しいように考えないといかんわけで 、なかではありますけれども、私どもこの1年間より極めて具体的なかたちで154院長 とまでいきませんけれど、主だった院長先生方とも御相談をし、そのなかでなるべく取 り入れられるものはあまりお金がかからないものとか、ある程度お金をかけてもここは やらなくてはならないものというような配慮はしてまいったつもりでございます。その あたりどれほど現場に浸透しているかということあるわけでございますけれども、今後 ともそういうふうにやっていきたいと。厳しくするところは厳しくすると同時に、対話 をし柔軟に対応できるところは柔軟に対応していく、その2本立てでやっていきたいな というふうに思っております。 ○辻本委員  基本的方向というところのなかで、国民に満足される安心で質の高い医療の提供、こ れが第一目標に掲げられているわけですけれど、実はその満足とか安心とかということ が指標がないわけです。それをどう評価していくのか、そうした評価の基準みたいなも のを設定していく御予定なのか、そのあたりを少しお聞きしたいことと、それからもう 一つ、政策医療推進のところで40億と先ほど実質77億という課長のお話がありましたけ れど、ここでは40と示されているとすると、経営の効率化ということのなかで、政策医 療つまり難病の方たちが医療の質の低下ということに出会う、そんな危機を感じたので すが、そのあたりについて少し御説明を頂きたいと思います。 ○古都国立病院・診療所組織再編推進室長  最初の指標につきましては、我々も臨床評価指標とかといったさまざまな具体的なデ ータとか指標を作って、これからかなりモデル的にあてはめながらやっております。  それともう一つは、患者満足度調査ということで非常に細かく項目を幾つか分けまし て、かなりの項目数ございます。それを昨年も1回試行してみたりしておりますので、 そういう意味では、そういう満足度調査の項目ですとか、そういうところの設定のなか でこういったものに対する評価というものを、ある一面だとは思いますけれども数値化 して酌み取っていきたいというふうに考えています。 ○清水国立病院部企画課長  それから40億というか、再編成、災害等とも含めて70億程度の政策医療関係でありま すが、当然これだけで様々の諸活動をやるわけではございませんで、社会保険診療報酬 なり、あるいは重症心身障害であれば若干の公費も上積みされたようなかたちでお金が 流れてくるわけであります。そういうなかで、いかに効率的にかつサービスの質を落と さない、あるいは逆に上げていくような努力をするかというのが、まさに独法としてや るべきことかなとそんなふうに思っております。 ○山田委員  院長の裁量権の問題ですけれども、先ほどの御説明では、給与体系については各組織 にある程度柔軟性を持たせるという話がございましたけれども、これは基本的には法人 全体である骨格を決めて、その上に多少なりとも各施設で調整できるようなスタイルを とるのか、あるいは全く各施設が別々に実績に応じてできるようなスタイルをとるのか 、どちらかちょっとお聞きしたいのですが。 ○清水国立病院部企画課長  私のほうからお答えしますが、いままでこの1年間具体的な制度設計作業を私どもや ってきたなかで、さまざま現場の方々、特に院長先生方と対話したという趣旨のことを 申しあげたわけであります。  最終的な給与規定等につきましては、基本的には独法1本でございます。ただ、人事 評価制度というのも直接は給与には反映まだできませんけれども、合わせて徐々ににス タートさせていきたいと思っておりまして、そのあたりの評価は院長にやっていただく というふうなこと。  それから任命権は、理事長またはブロック担当の非常勤理事が持っておりますけれど も、そういう任命権を行使するにあったってやはり院長の評価というものが、十分反映 できるようなかたちの運用にしていきたいと、そんなふうに考えてございます。 ○山田委員  ありがとうございます。もう一つ、政策医療を担うということのなかで、ナショナル センターのほうはかなり保険診療のうえでは高点数の部分を担うということが言えると 思うのですけれども、実際に154の部分が担う部分は、そんなに点数が高くないんじゃ ないかなというような危惧を抱いているわけです。そのなかで、これだけの交付金で果 たしてやっていけるのかどうかというのが、先ほど大道先生のお話にもございましたけ れどもその点がちょっと心配なんですが、スタートの時点で、全体的な収支見込みとい うのはどんなかたちでお考えになられているのでしょうか。 ○清水国立病院部企画課長  NCは、結構、高点数を収入としてとっておりますけれど、支出も結構出ております。  それで独法移行組でございますが、きわめてさまざまな診療形態を、本当の急性期か ら相当の慢性期のものまでございまして、相当の高点数を取れる部分から、病院全体と して比較的低いというところまでさまざまございます。そういうなかで運営費交付金は 、単純に考えれば多ければ多いほうがいいのかもしれませんけれども、やはり決められ たなかで、私どもいかに効率的にやるかということがいま課せられた課題かなと。運営 費交付金いただけるのであるならば、研究とかそういう不採算部門ということはありえ ても診療部門について伸びというのはまずそうないのかなというふうには思っておりま す。  収支でございますけれども、御存じの通りいままで官庁会計、現時点ではあるわけで ございますが、企業会計になりますと、退職手当の引当、独法機関部の退職手当の引当 を自力でやらなければなりません。減価償却もでてまいります。いま施設から数字をぎ つぎつしたのをとって集計し、また施設ともいろいろと論議というふうなことさまざま 重ねておるわけございまして、具体的なところは申し上げられないわけでありますが、 やっぱり初年度は相当厳しいことになるのかなと、プラスというのは望みようもないの かなと、そういうなかで5年間をどいうふうなかたちでカーブを考えるのか、いま内部 でも相当議論をしている最中でございまして、この評価部会にもなるべく早い段階で、 できれば次回にでもそういう数字を御覧いただけるようにしたいなということで詰めた 作業をしておるところでございます。 ○開原部会長代理  多少感想みたいなことを申し上げさせていただきたいと思います。まず第1は、おそ らくこれは、独法へ移行する前の作業というのが非常に大変であったのではないかなと いうふうに、いまでも大変だろうと思いますが思っておりまして、この部分は我々の評 価委員会が評価することはできないところでありますけれども、そういう意味では国立 病院部の方々の労を私は大変高く買いたいと思っております。  それから独法に移行したあとのことでありますが、私自身も多少国立病院を知ってい る立場の人間として、国立病院にも非常に多様性があるということであります。いま企 画課長さんもおっしゃったように、担っている医療は、例えば重身もあればてんかんも あればというように、さまざまな非常に特徴的な機能を持っている国立病院もあるわけ でありまして、そこのところが独法になったあとで、一律にただ収益というような目で みられると、せっかくのこれまで営々としてやってきた国立病院の特長あるところが死 んでしまうということがあってはいけないと思っておりますので、そのへんはおそらく これからのいろいろの運営の問題のなかででてくる問題だとは思いますが、私はむしろ 委員の方々のほうにぜひそういう国立病院の、というのは全部が急性期の病院だけでは ないということをまず我々自身もよく理解しておかなければいけないのではないかと、 そんなふうに思っております。一応感想でございます。 ○黒川部会長  きょうは1回目ということで、膨大な資料があって、問題もたくさんあって、しかも 医療というのはやっぱり社会の基盤の一つですから、単に税収が減って定員を減らした いといってポンと独法にされても非常に困るところがある。教育もおなじですけれどね 。そうなるといま皆さんの意見にもあったように、特に国立病院それから療養所はそれ ぞれの機能があって、それをある程度政策医療的に遂行しなくちゃならないと社会的責 任を負っていたというのが一つと、それからそれぞれの地域での役割というのが周りに ある国立病院でないところの兼ね合いから役割はかなり違うと思うので、そのへんを全 体としてどう見るかというのはかなり違うと思うのです。  それから3番目に、評価の意義ですけれど評価委員になるとなんか「あらを探す」よ うな気分になっちゃうことが多いのですけれど、そうでなくてむしろ意見を交わしなが ら全体として建設的に作っていくというのが課題でないかなと思います。そのへんいろ いろ急にこういうふうになっても、調子がいいときになるのは誰でもできるのですが、 そうではないですので、このへんが非常に医療としては難しい。さらに運営交付金も全 体からいうと少ない。そういうことからすると、ぜひ院長先生それから機構全体として の舵取りをよろしくお願いしたいと思います。それにしても評価の先生方も大変だと思 いますけれど、あくまでもこれは日本の明るい将来を築きたいという視点から一緒に仕 事をしていくのが一番大事だと思いますので、そのような視点でこれからのもスケジュ ールも含めてぜひいろいろなことを伺っていければと思っております。 (5)今後のスケジュールについて ○黒川部会長  ちょっと不十分なところがありますけれど、予定の時間も過ぎましたので今後のスケ ジュール、その他について事務局からお願いします。それから、またその他にもいろい ろ御質問ありましたら、どうぞ事務局あるいは私のところでも結構ですがメールなりフ ァックスなりいただければと思いますので、事務局経由が一番いいと思いますけれどよ ろしくお願いします。 ○川尻政策評価官  それでは9ページ、資料1−6という資料でございます。  この国立病院部会でございますが、第1回目をきょうやらせていただいて、第2回の 部会は2月24日の3時からを予定しております。次回の予定といたしましては、きょう の議論を踏まえまして本題、とりあえず本部会で御審議を急いでいただく中期目標、あ るいは中期計画の案について国立病院のほうから案を示させていただいて、御議論いた だくと。  そしてできますれば、第3回目を3月8日の13時からを予定をしております。非常に 限られた審議時間ということでありますけれども、相当準備等に時間を要するものです から、その3回目の3月8日に中期目標あるいは中期計画についての案についてとりま とめをいただきまして、また、その後こまかな評価の基準、視点そういうものについて は年度明けとかいうようなかたちで引き続き御議論いただければと思っております。以 上でございます。  それから開催通知につきましては、また追って御連絡を場所等も含めましてさせてい ただきます。 3.閉会 ○黒川部会長  ではそういうことですので、ぜひ次回も、ということでよろしくお願いいたします。  それからせっかくこの評価するのに、最近国立大学とかいろんなところを評価されて いますと、実際評価のコスト計算してみるとものすごい額になって、これを計算すると 馬鹿げててやってられないなということが実はあります。評価される側も、する側も莫 大なコストを掛けているわりには何もでないというようなことも結構あるので、そうい うことのないようにできるだけ建設的にするというのが大事なんじゃないかなと。特に こういうのは、これから高齢社会とか医学の進歩とともに何をするのかというのは結構 大事ですので、あんまりみんな小さくなりすぎちゃって細かいところ突っ込んでいると 、時間のわりには成果が上がらないというのも馬鹿げているので、そのへんもぜひ御協 力と、辛口のいろいろ御意見をいただければと思っておりますのでよろしくお願いしま す。  ではどうも今日はありがとうございました。                                      以上 照会先: 政策統括官付政策評価官室 政策評価第一係 電話 : 03−5253−1111(内線7784)