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介護予防重点推進本部の設置について

平成16年2月19日
厚生労働省老健局
 推進本部の設置の趣旨
 我が国は、戦後のベビーブーム世代が65歳以上になる今後10数年の間に、急速に人口の高齢化が進む。こうした中、世界一の平均寿命を達成した我が国において、高齢者が長い高齢期における健康を保持し、生涯にわたって生き生きと暮らせる社会を築くことが、最重要の課題となっている。
 一方、介護保険の施行後の状況として、スタート時と比較して、高齢者に占める要介護認定者の割合が増加しており、特に、要支援や要介護1といった軽度の認定者が大きく増加している。また、認定者についてフォローしたところ、軽度の人ほど重度化している割合が高いという調査結果があり、自立支援を目的としている介護保険のあるべき姿から見て問題があるとの指摘がなされている。
 こうした状況を踏まえ、高齢者の自立支援に真に資する効果的な介護予防サービスの提供を重点的に推進し、高齢者が生涯にわたって生き生きと暮らせる社会を実現するため、老健局内に、老健局長を本部長とする「介護予防重点推進本部」を設置する。

 推進本部における事業の実施
 効果的な介護予防サービスの提供を重点的に推進するため、平成16年度から、以下の事業を実施する。これらの成果は、介護保険制度の次期改正に役立てていく。
(1)介護予防に関する調査分析及びサービスモデルの構築
(1) 介護保険施行後、軽度の要介護認定者が全国レベルで継続的に増加しており、これらの者に提供される介護サービスの質の検証と適正化は、介護保険の理念である自立支援の観点から、極めて重要である。
 このため、軽度の要介護認定者について、既存のデータ等を活用して、介護保険サービスの利用と要介護状態の変化との関連を分析する。
(2) 平成15年度から「未来志向研究プロジェクト」において、介護予防に関する現場レベルでの先駆的事業を支援しているが、平成16年度においても、同プロジェクトを活用して、介護予防に関する先駆的な取組を支援していく。
(3) (1)の調査分析や「未来志向プロジェクト」、長寿科学総合研究、「メディカル・フロンティア戦略」(痴呆・骨折)における介護予防や健康づくりに関する調査研究事業などの成果を活用し、効果的な介護予防に関するサービスモデルを構築する。
(2)市町村における介護予防モデル事業の実施
 (1)と平行して、効果的な介護予防給付のサービスメニューの検証や実施面での課題の分析を行うため、介護予防モデル事業を実施する。具体的には、
(1) モデル事業実施市町村を選定し、当該市町村において、軽度の要介護認定者を中心に、介護予防サービスの利用が適切と考えられる者に対して、「介護予防・地域支え合い事業」の中で、効果的な介護予防サービスを重点的に実施する。
(2) モデル事業の実施に当たっては、市町村ごとに「介護予防重点推進・評価委員会(仮称)」を設置し、介護認定審査会と連携して利用者を選定するとともに、在宅介護支援センターと連携して介護予防のプランを作成し、これに基づくサービス提供を行う。また、同委員会において、モデル事業の評価を行う。
(3) 各市町村のモデル事業を支援、推進するため、介護予防重点推進本部に、市町村との連絡体制を設けるとともに、国レベルでも評価委員会を設置する。

 介護予防重点推進本部の構成
(1)本部長:老健局長
本部長代理(主査):大臣官房審議官(老健担当)
本部員:総務課長、介護保険課長、計画課長、振興課長(事務局長)、老人保健課長、介護保険指導室長、企画官(老健局併任)
(2)評価委員会:推進本部における介護予防事業の実施を評価、検証するため、有識者から構成される評価委員会を設置する。


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