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痴呆性高齢者グループホーム外部評価項目(参考例)



 指定痴呆対応型共同生活介護(痴呆性高齢者グループホーム)が提供するサービスの外部評価の実施について(平成14年7月26日 老計発第0726002号)(抜粋)

(別紙3)
外部評価項目の参考例

項目番号 項目
外部
評価
自己
評価

I 運営理念

1.運営理念の明確化
1 1 ○理念の具体化及び運営理念の共有

 管理者は、痴呆性高齢者グループホーム(以下「グループホーム」という。)に関わる法令の意義を理解しており、これを自らが所属するグループホーム(以下「ホーム」という。)の運営上の方針や目標等に具体化し、介護従業者に日常的に話している。
2 3 ○運営理念の明示

 ホームの運営理念を利用案内時の説明文書及びホームの見やすいところに明示し、かつ、入居者及びその家族等に分かりやすく説明している。
3 4 ○権利・義務の明示

 利用者の権利・義務を利用案内時の説明文書及び契約書に分かりやすく示し、かつ、入居者及びその家族等に説明し同意を得ている。
    2.運営理念の啓発
4 5 ○運営理念の啓発

 ホームの運営理念や役割が地域に理解されるよう、地域に対する運営理念の啓発・広報に取り組んでいる。(ホームの説明会、ホーム便り等)
   
II 生活空間づくり

1.家庭的な生活空間づくり
5 6 ○気軽に入れる玄関まわり等の配慮

 違和感や威圧感を感じさせず、入居者や家族が入りやすく、近隣の住民も訪ねやすいよう、玄関まわりや建物の周囲に、家庭的な雰囲気づくりの配慮をしている。(玄関まわりに草花を植える、親しみやすい表札をかける等)
6 7 ○家庭的な共用空間づくり

 共用の生活空間(玄関、廊下、居間、台所、食堂、浴室、トイレ等)が、いずれも家庭的な雰囲気を有しており、調度や設備、物品や装飾も家庭的である。
7 8 ○共用空間における居場所の確保

 共用空間の中に、入居者が一人になったり気のあった入居者同士で自由に過ごせるような居場所を確保している。
8 9 ○入居者一人ひとりにあわせた居室の環境づくり

 居室には、使い慣れた家具や生活用品、装飾品等が持ち込まれ、安心して過ごせる場所となっている。
    2.心身の状態にあわせた生活空間づくり
9 11 ○身体機能の低下を補う配慮

 入居者の身体機能の低下にあわせて、安全かつできるだけ自立した生活を送れるようにするための設備や工夫がある。(すべり止めや要所への手すり等の設置、浴槽・便座・流し台等の使い勝手の工夫、物干し等の高さの調節等)
10 13 ○場所間違い等の防止策

 職員は、入居者一人ひとりがホーム内の場所が分かるかを把握しており、家庭的な雰囲気をこわさずに、場所の間違いや分からないことでの混乱を防ぐための工夫をこらしている。(トイレや部屋の目印等)
11 14 ○音の大きさや光の強さに対する配慮

 入居者が落ち着いて暮らせるように、音の大きさや光の強さに配慮している。(テレビ、職員の会話のトーン、照明の強度、まぶしさ、日射し等)
12 15 ○換気・空調の配慮

 気になる臭いや空気のよどみがないように、換気を適宜行っている。また、冷暖房の温度調節は、冷やし過ぎや暖め過ぎがないように適切に行っている。
13 17 ○時の見当識への配慮

 見やすく、馴染みやすい時計や暦を、目につくところに設置している。
14 18 ○活動意欲を触発する物品の用意

 入居者の活動意欲を触発する馴染みの物品を用意し、本人の経験や状況に応じて提供している。(ほうき、たらい、裁縫道具、大工道具、園芸用品、趣味の品等)
   
III ケアサービス

1.ケアマネジメント
15 20 ○個別具体的な介護計画

 アセスメントに基づいて、入居者主体の目標を立て、入居者一人ひとりの特徴を踏まえた具体的な介護計画を作成している。
16 21 ○介護計画の職員間での共有

 介護計画を、すべての職員の気づきや意見を採り入れて作っており、すべての職員が計画の内容を知ることができる仕組みを作っている。
17 22 ○介護計画への入居者・家族の意見の反映

 介護計画を、入居者や家族とも相談しながら作成している。
18 23 ○介護計画の見直し

 介護計画に実施期間を明示して、その期間が終了する際に見直しを行うことはもとより、状態変化に応じた随時の見直しを行っている。
19 24 ○個別の記録

 日々の介護や介護計画に反映させるため、入居者一人ひとりの特徴や変化を具体的に記録している。
20 25 ○確実な申し送り・情報伝達

 職員の申し送りや情報伝達を確実に行い、重要な点はすべての職員に伝わる仕組みを作っている。
21 26 ○チームケアのための会議

 チームとしてケアを行う上での課題を解決するため、すべての職員で、定期的に(緊急案件がある場合にはその都度)会議を開催し、活発に意見交換を行って合意を図っている。
    2.ホーム内でのくらしの支援
  (1)介護の基本の実行
22 27 ○入居者一人ひとりの尊重

 職員は、常に入居者一人ひとりの人格を尊重し、誇りやプライバシーを損ねるような言葉かけや対応を行っていない。(入居者一人ひとりの違いの尊重、さりげない介助、プライベートな場所での礼儀、本人の返答能力に応じた質問方法、本人が思っている「現実」を否定しない等)
23 28 ○職員の穏やかな態度

 職員の言葉かけや態度はゆったりしており、やさしい雰囲気で接している。
24 30 ○入居者一人ひとりの過去の経験を活かしたケア

 入居者一人ひとりの生まれてからこれまでの生活歴、本人にとって大切な経験や出来事を知り、その人らしい暮らしや尊厳を支えるためにそれを活かしている。
25 32 ○入居者のペースの尊重

 職員は、職員側の決まりや都合で業務を進めていく態度ではなく、入居者が自由に自分のペースを保ちながら暮らせるように支えている。
26 33 ○入居者の自己決定や希望の表出への支援

 職員は、入居者一人ひとりが自分で決めたり希望を表したりすることを大切にし、それらを促す取組を日常的に行っている。(選んでもらう場面を作る、選ぶのを待つ等)
27 35 ○一人でできることへの配慮

 自立支援を図るために、入居者の「できること、できそうなこと」については、手や口を極力出さずに見守ったり一緒に行うようにしている。(場面づくり、環境づくり等)
28 37 ○身体拘束のないケアの実践

 身体拘束は行わないということをすべての職員が正しく認識しており、身体拘束のないケアを実践している。
29 38 ○鍵をかけない工夫

 入居者の自由な暮らしを支え、入居者や家族等に心理的圧迫をもたらさないよう、日中は玄関に鍵をかけなくてもすむような配慮をしている。やむを得ず鍵をかける場合は、その根拠が明白で、その理由を家族に説明している。(外出の察知、外出傾向の把握、近所の理解・協力の促進等)
     (2)日常生活行為の支援
  1) 食事
30 43 ○馴染みの食器の使用

 家庭的な食器を使っており、茶碗や湯呑み、箸等は、入居者一人ひとりが使い慣れたものにしている。
31 44 ○入居者一人ひとりにあわせた調理方法・盛り付けの工夫

 入居者一人ひとりの咀嚼・嚥下等の身体機能や便秘・下痢等の健康状態にあわせた調理方法としつつ、おいしそうな盛り付けの工夫をしている。
32 45 ○個別の栄養摂取状況の把握

 入居者一人ひとりの摂取カロリーや水分摂取量、栄養バランスを、一日全体を通じておおよそ把握している。
33 47 ○食事を楽しむことのできる支援

 職員も入居者と同じ食事を一緒に楽しんで食べながら、食べ方の混乱や食べこぼし等に対するサポートをさりげなく行っている。
      2) 排泄
34 48 ○排泄パターンに応じた個別の排泄支援

 おむつをできる限り使用しないで済むように、入居者一人ひとりの排泄パターンを把握し、トイレでの排泄や排泄の自立に向けた支援を行っている。
35 50 ○排泄時の不安や羞恥心等への配慮

 排泄の誘導・介助や確認、失禁の対応は、不安や羞恥心、プライバシーに配慮して行っている。
      3) 入浴
36 53 ○入居者一人ひとりの希望にあわせた入浴支援 入居者一人ひとりの希望にあわせ、くつろいだ入浴ができるように支援している。(時間帯、長さ、回数等)
      4) 整容
37 56 ○理美容院の利用支援

 入居者一人ひとりの希望にあわせて、理美容院の利用を支援している。(カット、パーマ、染め、セット等)
38 57 ○プライドを大切にした整容の支援

 整容の乱れ、汚れ等に対し、プライドを大切にしてさりげなくカバーしている。(髭、着衣、履き物、食べこぼし、口の周囲等)
      5) 睡眠・休息
39 60 ○安眠の支援

 入居者一人ひとりの睡眠のパターンを把握し、夜眠れない入居者には、1日の生活リズムづくりを通した安眠策を取っている。
     (3)生活支援
40 64 ○金銭管理の支援

 入居者が自分でお金を持つことの大切さを職員が分かっており、日常の金銭管理を本人が行えるよう、入居者一人ひとりの希望や力量に応じて支援している。
     (4)ホーム内生活拡充支援
41 66 ○ホーム内の役割・楽しみごとの支援

 ホーム内で入居者一人ひとりが楽しみごとや出番を見い出せるよう、場面づくり等の支援を行っている。(テレビ番組、週刊誌、園芸、食器洗い、掃除、洗濯物たたみ、小動物の世話、新聞取り等)
     (5)医療機関の受診等の支援
42 68 ○医療関係者への相談

 心身の変化や異常発生時に、気軽に相談できる医療関係者を確保している。(医師、歯科医師、保健師、看護師等)
43 73 ○早期退院に向けた医療機関との連携 入院した場合、早期退院のための話しあいや協力を医療機関と行っている。
44 74 ○定期健康診断の支援

 年に最低1回は、健康診断や医師の指導を受けられるように支援している。開設間もないホームは、健康診断を受けられる準備や体制を整えている。
     (6)心身の機能回復に向けた支援
45 76 ○身体機能の維持

 痴呆の人の身体面の機能低下の特徴(筋力低下、平衡感覚の悪化、嚥下機能の低下等)を理解し、買い物や散歩、調理、楽しみごと等の日常生活の中で自然に維持・向上するように取り組んでいる。
     (7)入居者同士の交流支援
46 78 ○トラブルへの対応

 職員は、入居者同士のけんかやトラブルの原因を把握し、必要な場合にはその解消に努め、当事者や他の入居者に不安や支障を生じさせないようにしている。
     (8)健康管理
47 80 ○口腔内の清潔保持

 入居者の力を引き出しながら、口の中の汚れや臭いが生じないよう、口腔の清潔を日常的に支援している。(歯磨き・入れ歯の手入れ・うがい等の支援、出血や炎症のチェック等)
48 83 ○服薬の支援

 職員は、入居者が使用する薬の目的や副作用、用法や用量を承知しており、入居者一人ひとりが医師の指示どおりに服薬できるよう支援し、症状の変化を確認している。
49 85 ○緊急時の手当

 入居者のけが等の緊急時に、職員は応急手当を行うことができる。(けが、骨折、発作、のど詰まり等)
50 86 ○感染症対策

 感染症に対する予防や対応の取り決めがあり、実行している。(インフルエンザ、疥癬、肝炎、MRSA等)
    3.入居者の地域での生活の支援
51 90 ○ホームに閉じこもらない生活の支援

 入居者が、ホームの中だけで過ごさずに、積極的に近所に出かけて楽しめるような雰囲気を作っている。(買い物、散歩、近隣訪問、集会参加等)
    4.入居者と家族との交流支援
52 94 ○家族の訪問支援

 家族が気軽に訪問でき、訪問時は居心地よく過ごせるような雰囲気を作っている。(来やすい雰囲気、歓迎、関係再構築の支援、湯茶の自由利用、居室への宿泊のしやすさ等)
   
IV 運営体制

1.事業の統合性
53 96 ○責任者の協働

 法人代表者及び管理者は、ケアサービスの質の向上に熱意を持ち、それぞれの権限や責任をふまえて、共に取り組んでいる。
54 97 ○職員の意見の反映

 介護従業者の採用、運営方法、入居者の受入れや入居継続の可否については、職員の意見を聞いている。
    2.職員の確保・育成
55 101 ○入居者の状態に応じた職員の確保

 入居者の状態や生活の流れを支援するために、これに即した職員の勤務ローテーションを組んでいる。
56 103 ○継続的な研修の受講

 職員が、採用時、フォローアップ等それぞれの段階に応じた研修を受講し、その内容をすべての職員に周知している。
57 105 ○ストレスの解消策の実施

 職員の業務上の悩みやストレスを解消する方策を採り入れている。(外部者と接する機会、職員相互の親睦、悩みの聴取、スーパーバイザーの導入等)
    3.入居時及び退居時の対応方針
58 107 ○入居者の決定のための検討

 グループホームに適した入居対象者であるか、十分に検討している。(介護保険被保険者証、診断書、入居申請に至る経過、生活や対人関係、入居者・家族の希望等)
59 109 ○退居の支援

 退居は、契約に基づくとともにその決定過程が明確である。また、入居者や家族に十分な説明を行った上で、納得のいく退居先に移れるように支援している。退居事例がない場合は、その体制がある。
    4.衛生・安全管理
60 112 ○ホーム内の衛生管理

 ホーム内の清潔や衛生を保持している。(食品、布巾、包丁、まな板、冷蔵庫、洗濯機等)
61 114 ○注意の必要な物品の保管・管理

 薬や洗剤、刃物等の注意の必要な物品については、保管場所、管理方法等を明確に取り決め、かつ、そのとおりに実行している。
62 116 ○事故の報告書と活用

 けが、転倒、窒息、意識不明、行方不明等の緊急事態が発生した場合、事故報告をまとめており、サービスの改善につなげている。(再発防止の話しあい、今後に活かす意義づけ等)
    5.情報の開示・提供
63 118 ○調査等の訪問に対する対応

 介護相談員や評価調査員等の訪問時には、情報を積極的に提供している。
    6.相談・苦情への対応
64 119 ○相談・苦情受付の明示

 相談や苦情を受け入れるホーム側の窓口及び職員が明確であり、入居者及び家族にその利用の仕方を文書と口頭で繰り返し伝えている。
    7.ホームと家族との交流
65 122 ○家族の意見や要望を引き出す働きかけ

 家族が、気がかりなことや、意見、希望を職員に気軽に伝えたり相談したりできるように、面会時の声かけ、定期的連絡等を積極的に行っている。
66 123 ○家族への日常の様子に関する情報提供

 家族に、入居者の暮らしぶりや日常の様子を定期的、具体的に伝えている。(「たより」の発行や行事ビデオの上映、写真の送付等)
67 126 ○入居者の金銭管理

 入居者が金銭の管理ができない場合には、その代替方法を家族と相談の上定めており、家族に定期的にその出納を明らかにしている。
    8.ホームと地域との交流
68 127 ○市町村との関わり

 市町村との連絡を密にとり、家族介護教室等の市町村事業を積極的に受託している。
69 130 ○地域の人達との交流の促進

 地域の人達が、遊びに来たり立ち寄ってくれたりするように取り組んでいる。
70 132 ○周辺施設等の理解・協力への働きかけ

 入居者の生活の安定や拡がりのために、周辺地域の諸施設から協力を得ることができるよう、理解を拡げる働きかけを行っている。(商店、福祉施設、警察、消防、文化教育施設等)
71 133 ○ホーム機能の地域への還元

 ホームの機能を、入居者のケアに配慮しつつ地域に開放している。(痴呆の理解や関わり方についての相談対応・教室の開催、家族・ボランティア等の見学・研修の受入れ等)

(1) 「管理者」には、管理者不在の場合にこれを補佐する者を含む。
(2) 「職員」には、管理者及び非常勤職員を含む。



グループホームサービス評価結果活用ガイド(PDF:355KB)


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