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 3  面接相談に関する基本的な考え方


 保護開始時の面接相談について

 生活保護は、要保護者等の申請に基いて開始。
 実務においては、申請手続を行う前に、まず、福祉事務所の窓口において、来所者と面接を行い、生活全般に関する相談を受けることが通例。
 これは、福祉事務所への来所者の中には生活保護制度を十分に理解されていないために保護の適用に至らない者や、他の福祉施策等を活用すること等によって最低限度の生活が維持できることとなり保護の適用に至らない者も多いことから、単に機械的に申請書のやりとりをするのではなく、まず窓口において、生活保護の仕組みの説明や、迅速に他の福祉施策を紹介する等の配慮を行うことが適切であるため。
 面接相談においては、福祉事務所の担当者が、生活に困窮する者の訴えを通して、問題の所在や生活全般の把握を行い、次に、生活保護制度の趣旨、仕組み、保護の要件等について説明を行った上で、申請意思のある者について、申請手続を援助。
 なお、こうした取扱いにおいて、生活保護の申請意思のある者の請求を阻害するようなことがないよう、あらゆる機会を通じ、指導徹底。


 保護受給中の面接相談について

 福祉事務所の現業員は、要保護者の生活状況等を把握し、処遇に反映させることや、これに基づく自立を助長するための指導を行うことを目的として、定期的な訪問(原則、1年に2回以上)を実施。
 福祉事務所の現業員は、このような定期的な訪問時や被保護者の福祉事務所への来所時において、被保護者からの求めに応じて、就労、福祉施策の活用、健康管理、学童の進路等についての相談に応じ、必要な助言等を実施。
 福祉事務所は、被保護者の自立支援に関し、必要に応じて民生委員等の関係機関と連携。
 なお、保護受給中の面接相談について、被保護者が現業員に協力しないケースが散見。
 訪問日に被保護者不在で、不在連絡票を入れても連絡がない
 福祉事務所での面接予定日を無断でキャンセル

【参照条文】
 生活保護法(昭和25年法律第144号)(抄)
 (申請保護の原則)
7条 保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。(以下略)
(相談及び助言)
27条の2 保護の実施機関は、要保護者から求めがあつたときは、要保護者の自立を助長するために、要保護者からの相談に応じ、必要な助言をすることができる。



他法他施策の活用について

 他法他施策の活用に係る基本的な考え方について

 生活保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが要件。また、他の法律に定める扶助は、生活保護に優先(補足性の原理)。
 したがって、社会保険制度に基づく保険給付、恩給、その他の給付又は扶助は、補足性の原理に基づき、活用することが必要。
 なお、福祉事務所は、要保護者が円滑に他制度を活用できるよう、必要に応じて関係機関と連携。

【参照条文等】
 生活保護法(昭和25年法律第144号)(抄)
 (保護の補足性)
4条 保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。
 民法(明治29年法律第89号)に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。
 (略)


 他法他施策の主なものについて

 年金…… 老齢年金、障害年金、遺族年金、寡婦年金 など
 手当…… 特別障害者手当、障害児福祉手当、特別児童扶養手当、児童手当、児童扶養手当 など
 貸付…… 生活福祉資金、母子福祉資金、寡婦福祉資金、災害援護資金 など
(なお、自立更生のための貸付を受ける場合は、その貸付資金を収入認定しないこととしており、また、その償還金についても収入から控除できる取扱いとしている。)
 保険…… 健康保険、国民健康保険、雇用保険、介護保険 など
 医療…… 精神医療(入院・通院)、結核予防、更生医療、育成医療 など
 福祉…… 居宅介護、デイサービス、短期入所、補装具・日常生活用具の給付、老人福祉施設(養護老人ホーム等)、身体障害者更生援護施設(身体障害者療護施設等)、児童福祉施設(助産施設等)など
 その他… 自動車事故による損害賠償の補償、就学援助 など


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