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III.居住系サービス
 
特定施設

特定施設入所者生活介護


居宅サービス全体からみた「特定施設入所者生活介護」の利用者率と費用額のシェア率

 利用者数(2,235.6千人)のグラフ

利用者数(2,235.6千人)
  費用額(199,962百万円)のグラフ

費用額(199,962百万円)
(平成15年9月サービス提供分)


「特定施設入所者生活介護」及び「居宅サービス」の利用者と費用額の伸び。(指数)

 利用者数

利用者数のグラフ


 費用額

費用額のグラフ


要介護度別にみた、利用者の構成割合。

要介護度別にみた、利用者の構成割合のグラフ

  出典:介護給付費実態調査



ケア付き高齢者住宅の整備状況


平成14年度末現在における高齢者住宅の供給量は未だ約20万人分であり、65歳以上人口の0.8%に留まっており、諸外国と比べると低い水準にある。


各国の高齢者の居住状況(65歳以上人口に対する定員の比率)

国名 (年度) 介護施設 ケア付き高齢者住宅
英国 1984 (老人ホーム)3.0% (リタイアメント・ハウジング)5.0%
スウェーデン 1990 (老人ホーム)3.0% (サービス・ハウス)5.6%
デンマーク 1989 (老人ホーム(プライエム))5.0% (サービス付き高齢者住宅・高齢者住宅)3.7%
米国 1992 (ナーシング・ホーム)5.0% (リタイアメント・ハウジング)5.0%
資料:園田眞理子「世界の高齢者住宅」(日本建築センター)より厚生労働省老健局振興課作成


日本における高齢者向けの住まいの定員数

日本における高齢者向けの住まいの定員数のグラフ
上記の住まいの定員数計 196,567人 /65歳以上人口23,581千人(平成14年)


シルバーハウジング、高齢者向け優良賃貸住宅は、一戸あたり1.2人として試算
(戸数は国土交通省調べ:平成14年度末現在)
有料老人ホームについては、厚生労働省振興課調べ(平成14年7月現在)
軽費老人ホーム(ケアハウス・A型・B型)については、社会福祉行政業務報告による(平成14年度末現在)
グループホームについては、平成14年厚生労働省老健局計画課調べを基に、1箇所あたり12人として試算
(箇所数はWAM NETによる:平成14年度末現在)



特定施設、グループホーム、特別養護老人ホームにかかる1号被保険者千人あたり支払件数(都道府県別)

特定施設、グループホームは特別養護老人ホームと比べ、支払件数は未だ少ない状況にある。


平成15年9月現在
1号被保険者千人あたり支払件数
1号被保険者千人あたり支払件数のグラフ

1号被保険者千人あたり支払件数の構成割合
1号被保険者千人あたり支払件数の構成割合のグラフ

国保中央会発表資料による



特定施設入所者生活介護と特別養護老人ホーム
における介護保険給付対象サービスの比較


特定施設入所者生活介護と特別養護老人ホームにおける介護保険給付対象サービスの比較の図


 (注1) 平均的な家計における食費の状況を勘案して定める額を負担。なお、入所者が選定する特別な食事の提供に伴い必要となる費用については、その支払いを受けることができる。

 (注2) 小規模生活単位型特別養護老人ホームにおいては、個室と共同生活室に係る建築費用、光熱水費等に相当する額(ホテルコスト)を入所者が負担。
 なお、入所者が選定する特別な居室(補助を受けて建築されたものを除く。)の提供に伴い必要となる費用については、その支払いを受けることができる。



高齢者向けの住まいの概要

  シルバーハウジング
(公営住宅・
公団住宅)
高齢者向け
優良賃貸住宅
※1
有料老人ホーム     軽費老人ホーム
(ケアハウス)
軽費老人ホーム
(A型)
軽費老人ホーム
(B型)
痴呆性高齢者
グループホーム
指定特定施設入所者
生活介護事業者の場合
対象者 60歳以上の
単身、夫婦世帯等
60歳以上の
単身、夫婦世帯等
高齢者
(要件は施設によって異なる)
(介護対象者)
65歳以上の
要支援者
要介護者
※2
60歳以上の者であって、自炊が出来ない程度の身体機能の低下等が認められ又は高齢等のため独立して生活するには不安が認められる者で、家族による援助を受けることが困難な者 生活費に充てることのできる資産、所得、仕送り等が一定の額以下であって、身寄りのない者又は家庭の事情等によって家族との同居が困難な60歳以上の者 家庭環境、住宅事情等の理由により居宅において生活することが困難な60歳以上の者(自炊ができない程度の健康状態にあるものを除く。) 65歳以上の痴呆の状態にある要介護者
※2
設置主体 ・地方公共団体
(民間事業者等からの借上、買取も可能)
・限定なし ・限定なし ・法人 ・社会福祉法人
・地方公共団体
・都道府県知事等の許可を受けた法人
・社会福祉法人
・地方公共団体
・社会福祉法人
・地方公共団体
・民間事業者
・社会福祉法人
・医療法人
・地方公共団体 等
施設等の主な基準 戸数
定員
・5戸以上 ・10人以上 ・20人以上
(特別養護老人ホーム等に併設の場合10人以上)
・50人以上 ・50人以上
(他の老人福祉施設に併設の場合、20人以上)
・5人以上9人以下
(1ユニット当り)
・2ユニットまで
住戸(室)
の規模
・原則19m2/戸〜80m2/戸
 ※3
・25m2/戸以上
(グループ居住の場合
18m2/戸以上)
・13m2/室以上
(介護居室)
介護を行える適当な広さ
(介護居室)
・21.6m2/室以上
・15.63m2/室以上
(ユニット型)
・一人当たり6.6m2以上
(押入等を除いた有効面積)
・一人当たり16.5m2以上
(調理設備及び洗面所を設けること)
・7.43m2/室以上
(収納設備は別途確保)
・整備費補助を受ける場合は9.9m2/室以上
(収納設備は別途確保)
サポート
体制
・生活援助員による日常生活のサポート ・緊急時に対応できる整備を整備(生活援助員のサポートも受け得る) ・協力医療機関を定める ・協力医療機関を定める ・利用者が疾病時の医療機関への連絡、定期健康診断の実施
・生活相談員による各種相談対応
・入院の必要な者に対する入院措置、定期健康診断の実施
・生活相談員による各種相談対応
・利用者が疾病時の医療機関への連絡、定期健康診断の実施
・職員による生活、身上に関する相談、助言
・協力医療機関を定める
介護サービス
の提供方法
○外部の事業者が介護サービスを提供 ※4 ○外部の事業者が介護サービスを提供 ※4、※8 ○外部の事業者が介護サービスを提供 ※4 ○施設が介護サービスを提供 ※5 ○外部の事業者が介護サービスを提供 ※4 ○外部の事業者が介護サービスを提供 ※4 ○外部の事業者が介護サービスを提供 ※4 ○施設が介護サービスを提供
 ※6
○介護報酬の適用
(家賃、食費等は全額利用者負担)
○介護報酬の適用
(家賃、食費等は全額利用者負担)
整備費補助等 ○建設費等に対する補助

 国1/2
 設置者 1/2
○建設費等に対する補助

 (社会福祉法人等、公社等の場合)
 国1/6
 地方1/6
 設置者 2/3

 (民間事業者の場合:共用部分等の整備費に対する補助)
 国1/3
 地方1/3
 設置者 1/3
○施設・設備整備費に対する補助はない ○施設・設備整備費に対する補助

 (地方公共団体、社会福祉法人の場合)
 国1/2
 都道府県 1/4
 設置者 1/4
○施設・設備整備費に対する補助

 国1/2
 都道府県 1/4
 設置者 1/4
○施設・設備整備費に対する補助はない ○施設・設備整備費に対する補助

 (地方公共団体、社会福祉法人の場合)
 国1/2
 都道府県 1/4
 設置者 1/4

 (医療法人、NPO法人等の場合)
 国 1/2(2,000万円まで)
 設置者 1/2
○住宅金融公庫賃貸住宅融資あり
 (基準金利、規模要件の緩和等)
○住宅金融公庫賃貸住宅融資あり
 (基準金利、規模要件の緩和等)
○福祉医療機構や日本政策投資銀行による融資あり ○福祉医療機構による融資あり ○福祉医療機構による融資あり ○福祉医療機構による融資あり
施設数
(戸数)
 17,409戸/ 634団地(H15.3)
※国土交通省調べ
 17,080戸(H15.3)
※国土交通省調べ
 494施設(H14.7)
※厚生労働省老健局振興課調べ
700施設(H15.11)
※WAMNETによる
1,507施設(H15.3)
※平成14年度社会福祉行政業務報告による
239施設(H15.3)
※平成14年度社会福祉行政業務報告による
35施設(H15.3)
※平成14年度社会福祉行政業務報告による
4,039箇所(H15.11)
※WAMNETによる

※1:常時10人以上の老人を入所させ、食事の提供その他日常生活上必要な便宜を供与するものであれば、有料老人ホームになる。
※2:40歳以上65歳未満の特定疾病による要介護者も対象とすることができる。
※3:世帯人員が多くかつ高齢者を含むなど特別な事情がある場合には、85m2/戸まで上限を緩和可能。
※4:介護費用は、要支援 61,500円〜要介護5 358,300円(区分支給限度基準額(1ヶ月))。うち1割は利用者負担
※5:介護費用は、要支援 72,400円〜要介護5 248,800円(介護報酬を1ヶ月に換算(1日当たりの単位数×365日÷12月:1単位を10円とし、100円未満を四捨五入))。
※6:介護費用は、要介護1 242,100円〜要介護5 261,900円(介護報酬を1ヶ月に換算(1日当たりの単位数×365日÷12月:1単位を10円とし、100円未満を四捨五入))。
※7:介護費用は、要介護1 238,500円〜要介護5 296,300円(介護報酬を1ヶ月に換算(1日当たりの単位数×365日÷12月:1単位を10円とし、100円未満を四捨五入))。
※8:グループ居住で痴呆対応型共同生活介護の指定を受けた場合、痴呆性高齢者グループホームと同様、施設による介護サービスの提供となる。



(参考)
特定施設入所者生活介護にかかるこれまでの議論

介護保険部会におけるこれまでの意見

特定施設、グループホーム、そしてユニットケアは多くのニーズがあり、増やしていく必要があるが、そのときに今の仕組みがついていけるのかが大きな問題となる。
痴呆対応型共同生活介護(グループホーム)及び特定施設入所者生活介護(ケアハ ウス等)に住所地特例を適用すべき。


これまでの介護保険部会に提出された意見書及び第5回介護保険部会「資料3」に掲載した意見書より特定施設にかかる意見を抜粋

1.保険者のあり方

 保険者の機能・権限
 ・グループホームや特定施設入所者生活介護居宅サービス提供施設等を指定する場合は、市町村老人保健福祉計画及び市町村介護保険事業計画との整合性が図られるよう、事前に市町村と協議するなど、指定のあり方について検討すること。

2.保険給付の内容・水準

 施設と在宅のあり方
 ・良質なグループホームや特定施設の健全な市場形成のための政策誘導も必要となる。シルバーハウジング、高齢者向け優良賃貸住宅等についても、省庁縦割りではなく、統一的な施策による整備が求められる。つまり、高齢者のための総合的住宅政策が明確に位置づけられなければならない。
 そのために、まず介護保険3施設とグループホーム・特定施設、そして在宅サービスとの給付の不均衡を是正することが求められる。

 サービス体系
 ・特定施設やグループホームにおいて、設備等の環境整備に付加価値を付けるのはサービスのバリエーションであり、利用者にとって便宜な選択肢である。従って規制は行うべきではない。
 ・痴呆対応型共同生活介護(グループホーム)及び特定施設入所者生活介護(有料老人ホーム・ケアハウス)等の位置づけの明確化。

 医療等との連携
 ・特定施設やグループホームにおいても、ターミナルケアを可能とするため、訪問診療や訪問看護等の医療系サービスの適用を認めるべき。
 ・痴呆対応型共同生活介護(グループホーム)及び特定施設入所者生活介護(有料老人ホーム・ケアハウス)等入所者への医療保険給付のあり方を検討すべき

3.保険料・納付金の負担の在り方

 財政調整等
 ・特定施設とグループホームにおいても住所地特例を適用すべき。

4.その他
 ・グループホームやケアハウス等の第3のカテゴリーといわれる施設類似のサービスは、新たなサービス分野とし、保険者の立場、利用者の立場、サービス提供者の立場からそのあり方、位置づけ、サービスの質、保険給付の範囲、住所地特例の適用等検討すべき。



新しい「住まい」の在り方

 要介護状態になった時でも在宅での生活を継続できるようにするためには、ハード、ソフトの両面で安心できる「住まい」が必要。
 高齢者が安心して住める「住まい」を用意し、自宅で介護を受けることが困難な高齢者に対して、住み替えという選択肢を用意することも重要な課題。

新しい「住まい」の在り方の図


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