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平成16年度献血推進計画
(案)



平成16年1月
医薬食品局血液対策課



目次

前文

第1節 平成16年度に献血により確保すべき血液の目標量

第2節 前節の目標量を確保するために必要な措置に関する事項
(1)献血に関する普及啓発活動の実施
(1)「愛の血液助け合い運動」等の実施
(2)献血運動推進全国大会の開催等
(3)献血推進運動中央連絡協議会の開催
(4)献血推進協議会の活用
(5)若年層の献血への理解を深めるための普及啓発
(2)献血の推進に際し、配慮すべき事項
(1)献血者が安心して献血できる環境の整備
(2)血液検査による健康管理サービスの充実
(3)献血者の利便性の向上
(4)献血者登録制度による献血者との連携の確保
(5)まれな血液型の血液の確保
(6)複数回献血の推進
(7)採血基準の在り方の検討
(8)血液製剤の安全性の向上に関する献血の在り方の検討
(3)その他関係者による取組

第3節 その他献血の推進に関する重要事項
(1)献血推進施策の進捗状況等に関する確認・評価
(2)災害時等における献血の確保等



平成16年度の献血の推進に関する計画(案)

前文

  ・ 本計画は、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(昭和31年法律第160号)第10条第1項の規定に基づき定める平成16年度の献血の推進に関する計画である。


第1節 平成16年度に献血により確保すべき血液の目標量

  ・ 平成16年度に必要と見込まれる輸血用血液製剤の量は、全血製剤0.2万リットル、赤血球製剤47万リットル、血小板製剤15万リットル、血漿(しょう)製剤31万リットルであり、それぞれ0.3万リットル、49万リットル、16万リットル、34万リットルが製造される見込みである。
  ・ さらに、確保されるべき原料血漿(しょう)の量の目標を勘案すると、平成十六年度には、全血採血により136万リットル及び成分採血により83万リットル(血小板採血31万リットル及び血漿(しょう)採血51万リットル)の計219万リットルの血液を献血により確保する必要がある。


第2節 前節の目標量を確保するために必要な措置に関する事項

(1) 献血に関する普及啓発活動の実施
 国は、都道府県、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、採血事業者等の関係者の協力を得て、献血により得られた血液を原料とした血液製剤の国内自給を推進し、広く国民各層に献血に関する理解と協力を求めるため、国民に対し、教育及び啓発を行うものとする。
 都道府県及び市町村は、国、採血事業者等の関係者の協力を得て、より多くの住民に献血に参加していただくため、地域の実情に応じた啓発を行うことにより、献血への関心を高めることが必要である。
 採血事業者は、国、都道府県、市町村等の関係者の協力を得て、献血者が継続して献血に協力できる環境の整備を行うことが重要である。そのため、献血者に必要な情報を提供すること等により、献血への一層の理解と協力を呼びかけることが求められる。
 国、都道府県、市町村及び採血事業者は、国民に対し、献血の必要性や血液の利用実態等について正確な情報を伝える必要がある。また、各種の普及啓発を実施するとともに、献血者等の意見を踏まえ、その手法等の改善に努めることが必要である。さらに、血液製剤の安全性を確保するため、感染症の検査を目的とした献血を行わないよう周知徹底する必要がある。
 これらを踏まえ、以下に掲げる献血推進のための施策を実施する必要がある。
(1) 「愛の血液助け合い運動」等の実施
 国は、都道府県及び採血事業者の協力を得て、7月に「愛の血液助け合い運動」を、1月から2月までに「はたちの献血キャンペーン」を実施し、特に必要性が高い四○○ミリリットル全血採血及び成分採血の推進及び普及のため、ポスター等の必要な資料を作成し、関係者に提供するものとする。また、都道府県及び採血事業者においても、必要な資料を作成し、関係者に提供することが必要である。
 国は、様々な媒体を活用して献血への理解と協力を呼びかけるとともに、献血場所を確保するため、関係者に必要な協力を求めるものとする。
 国は、都道府県献血推進計画の策定、地域における献血大会等の開催、献血推進のための普及啓発、市町村による献血推進の支援、献血推進ボランティア団体の育成等について、都道府県及び市町村を支援するものとする。
 都道府県及び市町村は、様々な媒体を活用し、採血事業者の協力を得て、献血の推進に関する資料を関係者や住民に提供すること等により、住民に献血への理解と協力を呼びかけることが必要である。例えば、献血の必要性に関する教育及び啓発資料の作成、広報等を活用した献血場所の周知、献血未経験者が参加しやすいイベントの開催等が挙げられる。
(2) 献血運動推進全国大会の開催等
 国は、都道府県及び採血事業者の協力を得て、献血により得られた血液を原料とした血液製剤の国内自給を推進し、広く国民各層に献血に関する理解と協力を求めるため、七月に献血運動推進全国大会を主催するものとする。
 国及び都道府県は、献血運動の推進に関し積極的に協力し、模範となる実績を示した団体又は個人に対し表彰を行う必要がある。
(3) 献血推進運動中央連絡協議会の開催
 国は、都道府県、市町村、採血事業者、民間の献血推進組織等の代表者の参加を得て、効果的な献血推進のための方策や献血を推進する上での課題等について協議を行うため、十月に献血推進運動中央連絡協議会を開催するものとする。
(4) 献血推進協議会の活用
 都道府県は、献血に対する住民の理解と協力を求め、血液事業の適正な運営を確保するため、献血推進協議会を設置することが重要であり、定期的に開催することが求められる。市町村も、同様の協議会を設置することが望ましい。
 献血推進協議会には、採血事業者、医療関係者、商工会議所、教育機関、報道機関等から幅広く参加者を募ることとする。
 都道府県及び市町村は、このような献血推進協議会を活用することにより、採血事業者及び血液事業に関わる民間組織等と連携して、都道府県献血推進計画の策定を始めとして、献血に関する教育及び啓発を検討し、民間の献血推進組織の育成等を行うことが望ましい。
(5) 若年層の献血への理解を深めるための普及啓発
 国は、高校生を主たる対象として、献血について解説したテキスト等を作成するものとする。これらを活用し、国は、都道府県及び市町村と協力して、高校生に献血への理解を深めるための普及啓発を行うものとする。
 都道府県及び市町村は、地域の実情に応じて、若年層の献血への関心を高めるため、学校等において、ボランティア活動である献血について情報提供を行うことが求められる。
(2) 献血の推進に際し、配慮すべき事項
(1) 献血者が安心して献血できる環境の整備
 採血事業者は、献血者が安心して献血できる環境の整備を行うことが必要である。具体的には、献血者の個人情報を保護するとともに、採血の業務の管理を適正に行うことにより、採血時の安全性を確保し、採血時の事故に備える等の措置を講ずることが重要である。
 採血事業者は、献血の受入れに当たっては献血者を懇切丁寧に処遇し、不快の念を与えぬよう特に留意する必要がある。また、献血者の要望を把握し、これを踏まえて、献血受入体制の改善に努めることが必要である。
 国は、採血事業者によるこれらの取組を支援するものとする。都道府県も、同様の支援を行うことが求められる。
 また、国は、採血に伴い献血者に生じた健康被害の実態に係る情報を収集した上で、その救済の在り方について検討し、必要な措置を講ずるものとする。
(2) 血液検査による健康管理サービスの充実
 採血事業者は、献血制度の健全な発展を図るため、採血に際し、生化学検査等献血者の健康管理に資する検査を行い、献血者が希望する場合は、その結果を通知することが必要である。
 国は、採血事業者によるこれらの取組を支援するものとする。また、献血者の健康管理に資する検査の充実は、自発的な無償供血に矛盾せず、献血の推進に有効であることから、健康管理サービスの検査項目を生活習慣病対策に必要な項目と関連付けることを検討するものとする。なお、この検査項目には感染症の検査を含まないこととし、感染症の検査を目的とする献血の排除と整合を図るものとする。
(3) 献血者の利便性の向上
 採血事業者は、立地条件等を十分考慮して採血所を設置するとともに、効率的に採血を行うため、移動採血車による採血等、献血者の利便性に配慮した献血受入体制の整備及び充実を図ることが必要である。
 都道府県及び市町村は、採血事業者と十分協議して、移動採血車による採血等の日程を設定し、そのための公共施設の提供等、採血事業者の献血の受入れに協力することが重要である。
 国、都道府県及び市町村は、採血事業者による献血の受入れが円滑に行われるよう、献血場所の確保等に関し、必要な措置を講ずることが重要である。
(4) 献血者登録制度による献血者との連携の確保
 採血事業者は、必要な時に安全で良質な血液を確保するため、献血者に対し、その意向を踏まえ、登録を依頼することが必要である。
 国、都道府県及び市町村は、当該制度の推進に協力することが必要である。
(5) まれな血液型の血液の確保
 採血事業者は、まれな血液型を持つ患者に対する血液製剤の供給を確保するため、まれな血液型を持つ者に対し、その意向を踏まえ、登録を依頼することが重要である。
 国は、まれな血液型の血液の供給状況について調査をすることが必要である。
(6) 複数回献血の推進
 国、都道府県及び採血事業者は、複数回献血検討会の検討結果を踏まえ、献血者に対し、献血の意義及び血液の需給動向など献血に係る継続的な情報提供を行うことにより、複数回献血を推進することが重要である。
(7) 採血基準の在り方の検討
 国は、献血者の健康保護を第一に考慮しつつ、献血の推進及び血液の有効利用の観点から、採血基準の見直しを行うものとする。
(8) 血液製剤の安全性の向上に関する献血の在り方の検討
 国は、採血事業者と連携して、献血者の本人確認を徹底すること、献血者に対し血液製剤を介した感染等についての因果関係を調査するために必要な協力を求めること及び感染症の検査を目的として献血した者の血液を受け入れないための措置を講ずること等、善意の献血者の協力を得て、血液製剤の安全性を向上するための対策を検討するものとする。
(3) その他関係者による取組
 官公庁及び企業等は、その構成員に対し、ボランティア活動である献血に対し積極的に協力を呼びかけるとともに、献血のための休暇取得を容易にするよう配慮するなど、進んで献血しやすい環境作りを推進することが望ましい。


第3節 その他献血の推進に関する重要事項

(1) 献血推進施策の進ちょく状況等に関する確認・評価
 国、都道府県及び市町村は、血液事業の担当者が協議する会議を開催し、献血推進のための施策の進ちょく状況について確認及び評価を行うとともに、採血事業者による献血の受入れの実績についての情報を把握し、必要に応じ、献血推進のための施策の見直しを行うことが必要である。
 国は、献血推進運動中央連絡協議会等を活用し、献血の推進及び受入れに関し関係者の協力を求める必要性について都道府県、市町村及び民間の献血推進組織等と認識を共有するとともに、必要な措置を講ずるものとする。

(2) 災害時等における献血の確保等
 国、都道府県及び市町村は、災害時等における献血が確保されるよう、採血事業者と連携して必要とされる献血量を把握した上で、様々な媒体を活用し、需要に見合った広域的な献血の確保を行うことが必要である。
 国、都道府県及び市町村は、災害時において、採血事業者等関係者と連携し、献血により得られた血液が円滑に現場に供給されるよう措置を講ずることが必要である。
 採血事業者は、災害時における献血受入体制を構築し、広域的な需給調整等の手順を定め、国、都道府県及び市町村と連携して対応できるよう備えることにより、災害時における献血の受入れに協力する必要がある。


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