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検討の視点と方法について


1.検討の視点

 我が国は、現在、90年代からの経済停滞の中にあるとはいえ、戦後の経済発展により、男女の平均寿命は世界一、一人あたりGDPも世界でトップクラスであり、基本的には、戦後社会が目指した豊かな長寿社会を迎えている。
 他方、働く者の生活に眼を向けると、失業率は、最近5%台にまで達しており、経済の先行きの見通しが立たないことによる雇用面での不安、収入・収益の減少による生活不安、少子高齢化が進む中での定年後の生活についての不安等が高まっている。
 また、経済のグローバル化やIT等の技術革新の進展等により、市場における企業間競争が熾烈となり、企業業績等が直接、市場の評価を受けること等から、長期安定的な取引関係や雇用関係をベースとする日本型企業システムは、崩壊に瀕しており、雇用者の職業生活や働き方も組織への依存から、より自律した方向への転換が必要となってきた。
 今後とも、更なるグローバル化やIT等の技術革新の進展、本格的な知識社会の到来、更なる少子高齢化が進むことが予想され、我が国の社会は、働く者の生活という観点からも、大きな歴史的転換点ないし節目に立っているのではないか。

2.検討の方法

 このように、現在が歴史的転換点ないし節目にある、との認識のもと、概ね、10年程度の先を見通しつつ、「働く者の生活と社会のあり方」について、問題点の整理を行ったうえ、今後のあるべき方向を展望してはどうか。
 具体的には、次のような手順で検討を行ってはどうか。
(1)  「働く者の生活と社会のあり方」にかかわって、現在が歴史的転換点ないし節目と言えるか、また、どのような要因を捉えて転換点ないし節目に当たると考えられるか、ブレーンストーミングを行う。(第一回)
(2)  (1)を踏まえ、働く者の生活と社会に係る現象面の変化の背後にある本質的要因(例えば、情報化の進展、グローバル化の進展、知識社会の到来、少子高齢化の進展等)を切り口として、今後の「働く者の生活と社会のあり方」に係る方向性と問題点を議論する。(第二回)
(3)  (2)の議論を踏まえ、働く者の生活を中心に、今後の社会の方向性と問題点の整理を行う。(第三回)
(4)  全体の議論を踏まえ、政策のあるべき方向を展望し、懇談会として一応のとりまとめを行う。(第四回、第五回)


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