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資料No.3

脊柱骨を「使用してはならない部位」に加えるにあたっての検討事項

(1) ゼラチン

(1)骨由来ゼラチンは医薬品の製造に不可欠であり、また、ゼラチンの品質が医薬品の有効性・安全性に影響するものであるため、安易な原材料の代替は困難である。
(2)製造においては、骨の粉砕、酸処理・アルカリ処理(タンパクの抽出・液状)、加熱が行われ、工程によるリスクの一定の減少は評価すべきとの意見がある。
(3)酸・アルカリ処理におけるTSE感染リスクの減少に関し、感染マウスのホモジェナイズ脳を添加した試験において、クリアランスを示すデータを評価できるか。(平成15年3月のEU委員会科学運営委員会報告)

1)製造プロセスでの不活化除去については、ゼラチン製造工程における石灰処理又は酸処理によるクリアランス値 104.8
2)アルカリ処理の条件としては、標準的に塩酸中pH1.5未満で2日以上、炭酸カリウム溶液pH12.5以上で20から50日、138-140℃4秒以上。
3)酸処理の条件としては、標準的に塩酸中pH1.5未満で2日以上。138-140℃4秒以上。


(2)牛脂

(1)日本薬局方に規定する牛脂は、牛脂の製造においては、肉の脂肪組織から熱処理を行うものであり、骨原料規制とは関わらない(食用と同様)。

(3)牛脂脂誘導体の製造過程について

(1)牛脂には、工業用牛脂として、牛の内臓等残さ等の副産物(牛骨の混入のリスクが必ずしも否定できない。)から生成する油脂を搾油後、タンパク成分を0.15%以下に精製し、133℃20分3気圧で加熱が実施されるものもある。
(2)工業用牛脂を原材料とし、高温での加水分解、ケン化、エステル化によって製造される化学物質。(製造方法については、資料4)
(3)脂肪酸、グリセリン(牛脂誘導体)の製造過程における高温での加水分解、ケン化、エステル化の条件について、OIE、WHOは一定の評価をしており、原料となる牛脂についての制限を行っていない。(OIE、WHOの評価)

 欧州医薬品庁の示す条件(平成14年12月)
1)加圧下で200℃以上20分のエステル交換又は加水分解反応
2)12M水酸化ナトリウム処理、加圧下140℃8分及びそれと同等の処理条件

(4)プリオンの熱分解においては、油脂がプリオンを安定化するとの考察もあり、rPrP(90−231)を水、ウシ脂質および脂質および水混合液中で100から170℃で20分間オートクレーブした実験。脂質存在下では170℃で、脂質がない条件では150℃で分解ファクターは10であった。200℃に理論的に外捜した場合のクリアランス値は10である。

 牛脂誘導体EU科学運営委員会の意見(平成15年4月)
1)処理条件にかかわらず、GBR−1国に由来する牛脂から製造される牛脂誘導体に制限はない。
2)処理条件にかかわらず、GBR−2国に由来する牛脂から製造される牛脂は斃死牛由来を除く。
3)処理条件にかかわらず、GBR−3/4国に由来する牛脂については、2)に加え、危険部位(脳、脊髄、脊柱骨)を除去する。


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