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資料No.1

医薬品分野におけるこれまでのBSE対策(平成15年12月)

経緯

1.平成12年12月に、欧州を含むBSEリスクの高い国及びBSE発生国(米国農務省の基準を採用)を原産国とするウシ等由来原料を使用しないこととした(31ヶ国)。

表1 原料としての使用が禁止されている原産国
BSE発生国 英国、スイス、フランス、アイルランド、オマーン、ポルトガル、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ
BSE発生リスクの高い国 アルバニア、オーストリア、ボスニア・ヘルチェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、チェコ、デンマーク、ユーゴスラビア、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、マケドニア、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スペイン、スウェーデン

2.同時に、上記以外の国でも、発生が報告されていないだけで、リスクが不明な場合があることから、BSEのリスクの高い部位(EMEA基準の4段階の2段階まで)については使用しないこととした。

表2 原料としての使用が禁止されているウシ等の部位
 脳、脊髄、眼、腸、扁桃、リンパ節、脾臓、松果体、硬膜、胎盤、脳脊髄液、下垂体、胸腺、副腎

3.平成13年10月には、日本でのBSEの発生の確認を受けて、原産国としての禁止国の精度を向上させるべく、欧州の評価基準GBR(地理的BSEリスク評価)に基づき、原料として使用できない原産国の範囲を拡大した。これにより、原則、欧州のGBR1及び2を原産国とする原料のみ使用できることとされた。
( 参考 ) GBR−1 BSEのリスクはほとんどない国
 GBR−2 BSEのリスクは少ないが、否定できない国
 GBR−3 BSEのリスクがある国
 GBR−4 BSEのリスクが高い国

表3 原料としての使用が認められている原産国
BSE低リスク国 アルゼンチン(1)、オーストラリア(1)、ボツワナ(1)、ブラジル(1)、チリ(1)、コスタリカ(1)、エルサルバドル(1)、ナミビア(1)、ニカラグア(1)、ニュージーランド(1)、パナマ(1)、パラグアイ(1)、シンガポール(1)、スワジランド(2)、ウルグアイ、カナダ(2)、コロンビア(2)、インド(2)、ケニア(2)、モーリシャス(2)、ナイジェリア、パキスタン(2)、米国(2)

 ただし、特例的にこれら以外の国を原産国とする場合であっても、管理された動物、すなわち、(1)原料動物にBSEの疑いがないこと、(2) 当該国がBSE対策を実施しており、(3)原料動物が動物性飼料を使用せずに飼育されたことが確認できる原料は使用できることとされている。(原料の3原則)

4.平成15年5月にカナダでのBSE発生を受けて、カナダを原料としての使用が認められている原産国から削除した。

5.平成15年7月30日の改正薬事法の施行に伴い、生物に由来する原料を用いた医薬品、医薬部外品、化粧員、医療用具の製造・流通の禁止に係る強制規格として、薬事法第42条に基づく「生物由来原料基準」が施行され、反芻動物原料に関するこれまでの基準が強制規格に取り入れられた。

6.また、カナダ産の原材料を使用した医薬品、医療機器等の原材料の切替えまで間の当面の安全性の確保及びBSE低リスク国が発生国となる場合の対応を想定し、製造工程、処理方法、使用方法等によるTSE感染因子の感染リスクの減少に関しての評価方法を定めた。(平成15年8月)


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