1 | 賃金改定状況調査について
(1) | 調査の沿革
・昭和53年 | 目安制度の始まりとともに、調査を開始した。 |
・昭和54年 | 調査対象事業所に地方小都市を加えた。 |
・昭和58年 | ランク別、産業別に直近の事業所センサスを用いて復元を行うこととした。 |
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(2) | 調査の目的及び基本的性格
イ | 賃金額ではなく、賃金の引上げ状況の実態の把握を目的としていること。 |
ロ | 迅速性が求められているため、調査から集計までの期間が短いこと。 |
ハ | ランク別に集計されていること。 |
ニ | 調査結果に継続性が求められること。 |
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2 | 昭和57年から昭和58年にかけての全員協議会における議論
(1) | 昭和57年から昭和58年にかけての全員協議会において、労働者側は、調査対象事業所規模を製造業について100人未満まで拡大すべきであると主張し、使用者側は、調査対象地域を郡部の町村にまで拡大すべきであると主張した。 |
(2) | 毎月勤労統計調査結果を用いて、過去における規模別の賃金上昇率の比較等を行ったところ、調査対象事業所規模を製造業について100人未満まで拡大しても、現行の調査対象規模による調査結果とほとんど差異が認められないこと、また、調査対象地域の拡大に関しては製造業について、すでに人口5万人未満の比較的賃金水準の低い地方の小都市の事業所を調査対象として十分な標本数を確保していることなどから、当面は現行どおり実施することが適当であるとして労使の合意を得た。 |
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3 | 平成元年全員協議会における議論
(1) | 平成元年2月に設置された全員協議会において、労働者側は、調査対象事業所規模のあり方を検討することを前提として議論することを主張し、使用者側は、対象事業所規模は30人未満でよいとしながらも、調査対象地域については都市部偏重を改め、できるだけ地方小都市、郡部を対象とし、各県において賃金水準の異なる地域の実態を十分反映されるよう調査を行うべきと主張した。 |
(2) | 審議の結果、これらについては合意に至らず、特に報告書には盛り込まれなかった。 |
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4 | 平成7年全員協議会における議論
(1) | 平成5年3月に設置された全員協議会において、目安の決め方と参考資料について議論がなされた。 |
(2) | 労働者側は、地域別最低賃金の改正に際して労働時間短縮が勘案されておらず、一般賃金に対する地域別最低賃金の比率や最低賃金の影響率の低下がみられたことを問題とし、使用者側は、影響率の高低のよしあしを一概にはいえないとし、目安決定の参考資料は従来どおりでよいと主張した。 |
(3) | 平成6年5月16日に取りまとめられた「中央最低賃金審議会目安制度のあり方に関する全員協議会の検討状況の中間的な取りまとめについて(全員協議会報告)」において、最低賃金と一般賃金との関係については、「今後の目安決定方式としては、パート労働者の賃金水準とそのウエイト変化、男女構成の変化及び就労日数の増減を反映した方式とすることが望ましいと考えられる」とされ、「その際、就労日数の増減を反映させるにあたって各年の6月の平均所定労働日数が日曜日の数等によって変動するイレギュラー要因をどのように扱うべきか、それとの関連において賃金改定状況調査をどのようにするのが適当か、等について引き続き検討を行う必要がある」とされた。 |
(4) | その後の検討の結果、目安審議の際の重要な参考資料である賃金改定状況調査結果第4表の賃金上昇率の平成7年度以降の算出方法について、
(1) | 一般労働者及びパート労働者の全労働者について賃金上昇率を求めること |
(2) | 従来男女構成の変化が反映された賃金上昇率と当該影響を除去した賃金上昇率を算出していたが、今後前者のみを算出すること及び |
(3) | 就労日数の増減が反映されるように賃金上昇率を算出すること、その際、各年の調査月の所定労働日数が日曜日の数等によって変動するイレギュラー要因を除去するため、年間所定労働日数を調査することとし、これにより月間所定労働日数を調整すること |
が、全員協議会報告に盛り込まれ、平成7年4月28日中央最低賃金審議会において了承された。 |
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