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平成15年11月14日
照会先厚生労働省医薬食品局食品安全部
  中垣 基準審査課長
担当鶴身、浦上(内線2488、2489)


伝達性海綿状脳症に関する食品等の安全性確保について


 本日開催された薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会伝達性海綿状脳症対策部会での審議結果を受けて、別添のとおり都道府県知事等へ通知したのでお知らせします。


(別添)

食安発第1114001号
平成15年11月14日




都道府県知事
保健所設置市長
特別区長



殿

厚生労働省医薬食品局食品安全部長


伝達性海綿状脳症に関する食品等の安全性確保について


 標記については、平成13年10月に食用として処理される全ての牛を対象としたBSE検査(いわゆる全頭検査)を開始するとともに、牛の特定部位(頭部(舌及び頬肉を除く。)、せき髄及び回腸(盲腸との接続部分から2メートルまでの部分に限る。))の除去・焼却を法令上義務化する等、必要な対策を講じてきたところである。
 国際獣疫事務局(OIE)による国際動物衛生規約の改正が昨年9月に公表され、食用とすべきでない牛の部位として、新たに頭蓋及びせき柱が追加された。わが国では、頭蓋については既に「頭部」の一部として除去を実施しているところであり、また、せき柱については、せき柱を含む食肉が消費者に販売されることは、Tボーンステーキ以外には一般的にない状況にある。
 このようなことから、既に行われている全頭検査等に加え、伝達性海綿状脳症に関する食品等の安全確保対策に万全を期すため、牛のせき柱の除去等に関する措置の必要性について検討することとし、本年1月にヨーロッパのせき柱除去の実態調査を行い、本年4月から、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会伝達性海綿状脳症対策部会(以下、「部会」という。)において審議を行ってきたところである。
 今回、問題となっているのは、牛のせき柱そのものではなく、せき柱に付随する背根神経節であり、部会では、本年6月、牛のせき柱に含まれる背根神経節のリスクについては、現在特定部位とされているせき髄と同程度であるとの報告をとりまとめた。また、本年8月には、わが国における牛せき柱の取扱いに関する実態調査及び牛せき柱を含む食品等の管理方法の試案に対する意見の募集を実施したところである。
 本年7月には食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼し、本年9月、上記の「背根神経節のリスクについてはせき髄と同程度であると考えられる」との部会における評価結果は妥当であるとの結果が食品安全委員会から通知されたところである。
 本日開催された部会において、食品安全委員会の評価結果、実態調査結果及び管理方法の試案に対し寄せられた意見等に基づき審議された結果、下記のとおり規制案等がとりまとめられたので、御了知の上、関係営業者への周知方よろしくお願いする。
 なお、本件に関するQ&A を別添のとおり作成したので、広く周知方併せてお願いする。

1.部会における審議結果は以下のとおりであること。
(1)食品衛生法第7条第1項及び第10条第1項の規定に基づき、以下のとおり基準を設定することが適当である。
(1)BSE発生国の牛肉であって、消費者に販売されるものについては、せき柱(胸椎横突起、腰椎横突起、仙骨翼及び尾椎を除く。以下同じ。)を除去しなければならない。
(2)BSE発生国の牛のせき柱を原材料として使用して、食品、添加物又は器具若しくは容器包装を製造し、加工し、又は調理してはならない。
(3)BSE発生国の牛肉からせき柱を除去する場合は、背根神経節による牛肉及び食用に供する内臓の汚染を防ぐように処理しなければならない。
(4)経過措置については、添加物指定の取消しの際の最短の例に倣い、官報告示後、1か月をもって基準を適用することとする。
注)BSE発生国の牛肉及び牛由来の加工品については、食品衛生法第5条等により輸入禁止等の措置が講じられている。
(2)部会における審議結果を受け、今後、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会での審議・答申、官報掲載等、新たな規制の実施に向けた所要の手続きが進められることとなるが、規制の実施前であっても、BSE発生国のせき柱を使用したエキス及び骨油並びにこれらを使用した食品等、今回の基準の対象となる食品等の製造、加工、販売等を自粛することが望ましい。
(3)今回の規制については、と畜場における背根神経節の除去率が十分高くなる等、今後の技術の進展に応じて部会において審議することとする。

2.なお、今回の規制の対象となるのは、BSE発生国のせき柱を含む牛肉及びBSE発生国のせき柱を使用した食品等に限られるものであり、BSE非発生国の牛せき柱を含む牛肉及びBSE非発生国の牛せき柱を使用した食品等は対象ではないことに留意されたい。

 (参考)平成15年11月13日現在のBSE発生国(OIEホームページによる)
 アイルランド、イスラエル、イタリア共和国、英国、オーストリア共和国、オランダ王国、カナダ、ギリシャ共和国、スイス連邦、スペイン、スロバキア共和国、スロベニア共和国、チェコ共和国、デンマーク王国、ドイツ連邦共和国、日本、フィンランド共和国、フランス共和国、ベルギー王国、ポーランド共和国、ポルトガル共和国、リヒテンシュタイン公国、ルクセンブルク大公国


別添:「牛せき柱を含む食品等の管理方法」に関するQ&A



照会先医薬食品局食品安全部基準審査課
電話03−5253−1111(内線2488、2489)


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