(1) | 中央最低賃金審議会による目安の提示 中央最低賃金審議会は、今後も、昭和52年(9月28日)の小委員会報告に当たり了解されたとおりの考え方(別添)に立つものとする。 |
(2) | 地方最低賃金審議会における審議 地方最低賃金審議会が、上記の基本的考え方を踏まえ、中央最低賃金審議会の示す目安を参考として、客観的データに基づき、また、参考人の意見聴取、実地視察を行うなどし、次のような事項を十分検討し、地域別最低賃金の水準について公労使三者の合意を形成していくことが望ましい。
(1) | 各種の経済指標、有効求人倍率等から判断される各都道府県の労働市場の実態 |
(2) | 春季賃上げの状況、初任給の引き上げ状況、毎月勤労統計、賃金構造基本統計調査等に示される賃金の動向 |
(3) | 賃金構造基本統計調査、最低賃金に関する基礎調査等に示される賃金の構造 |
(4) | 最低賃金に関する基礎調査等により把握できる低賃金労働者の実態 |
(5) | 最低賃金に関する基礎調査等により把握できる最低賃金の影響 |
(6) | 最低賃金に関する基礎調査等から判断される履行確保の可能性 |
なお、その点で従来にもまして今後は、地方最低賃金審議会の公労使委員が合理的態度をもって、審議に臨まれることを期待する。また、労使団体にも実態に応じた合理的な最低賃金の決定の重要性の理解を求めたい。地方最低賃金審議会においては、以上のような努力が払われていくことを強く期待する。 |
(3) | 目安の形態 「地賃の自主性を拡大し、地域別最低賃金の各県別順位を是正し、全国的な整合性を確保するために」労働者側から提案のあったゾーン方式については、使用者側から地方最低賃金審議会の自主性を確保しつつ全国的整合性を漸進的に実現するという観点から十分考慮に値するとの評価もあったが、その適正な運営につき不安があることも表明された。この点については、今後、検討を続けることとする。 |
(4) | 資料の整備、充実 現在、各都道府県の賃金実態、特に産業別、企業規模別、地域別の賃金分布を把握し、地方最低賃金審議会における審議に資するため「最低賃金に関する基礎調査」が実施されているほか、賃金構造基本統計調査、毎月勤労統計など各種の統計も利用できるが、上記の点を十分検討し、公労使三者の合意形成の重要性に鑑み、これらの資料の整備、充実を図ることが必要である。 このため、平成2年度から資料の整備、充実を図ることとする。 |