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平成14年度地域別最低賃金額改定の目安について(答申)
(平成14年7月26日中央最低賃金審議会答申)


 平成14年5月14日に諮問のあった平成14年度地域別最低賃金額改定の目安について、下記のとおり答申する。


 平成14年度地域別最低賃金額改定の目安については、その金額に関し意見の一致をみるに至らなかった。
 地方最低賃金審議会における審議に資するため、上記目安に関する公益委員見解(別紙1)及び中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告(別紙2)を地方最低賃金審議会に提示するものとする。
 地方最低賃金審議会の審議の結果を重大な関心をもって見守ることとし、同審議会において、別紙1の2に示されている公益委員の見解を十分参酌され、自主性を発揮されることを強く期待するものである。
 また、地域別最低賃金の表示単位期間については、遅くとも平成16年度の地域別最低賃金額改定時からは時間額単独方式に移行することが適当であることから、地方最低賃金審議会における今後の審議に当たっては、この点を十分踏まえて適切に対応されることを強く期待するものである。



(別紙1)

平成14年度地域別最低賃金額改定の目安に関する公益委員見解


(1) 今年度の地域別最低賃金額改定の目安審議においては、賃金改定を行わない事業所と賃金引下げを実施した事業所の割合が約6割に上るなど、これまでにない事態になったことを含め、極めて厳しい最低賃金をめぐる諸情勢に係る諸指標及び労使の主張の隔たり等を総合勘案した上での判断として、平成14年度地域別最低賃金額(時間額)としては、現行水準の維持を基本として引上げ額の目安は示さないことが適当との結論を下すに至った。
 また、地域別最低賃金額の日額を定める地域においては、こうした状況の下で下した今年度の目安に対する判断及び表示単位期間に関する時間額単独方式への移行が開始される最初の年であることを踏まえ、適切に対応することを希望するものである。

(2) 目安制度が導入されて20年以上が経過したが、同制度は長らく我が国における低賃金労働者の労働条件の改善に概ね有効に機能し、一定の役割を果たしてきた。しかし、我が国を取り巻く様々な社会経済環境、とりわけ我が国における賃金決定機構が変容を遂げつつある今、地域別最低賃金の運用の基本となっているこの目安制度のあり方について、今後もこのままでよいのかにつき改めて考えるべき時期が来ており、地域別最低賃金の意義・目的を踏まえつつ将来を見据えて、地域別最低賃金の金額水準や改定のあり方を含めた検討に着手するべきと考える。


(1) 目安小委員会は本年の目安の審議に当たっては、平成12年12月15日に中央最低賃金審議会において了承された「中央最低賃金審議会目安制度のあり方に関する全員協議会報告」を踏まえ、特に地方最低賃金審議会における合理的な自主性発揮が確保できるよう整備充実に努めてきた資料を基に審議してきたところである。
 目安小委員会の公益委員としては、地方最低賃金審議会においては最低賃金の審議に際し、上記資料を活用されることを希望する。

(2) 目安小委員会の公益委員としては、本年度が地域別最低賃金額の表示単位期間に関し、時間額単独方式への移行が開始される最初の年であることをも踏まえ、中央最低賃金審議会が本年度の地方最低賃金審議会の審議の結果を重大な関心をもって見守ることを要望する。

(3) 地方最低賃金審議会での審議に当たっては、現行水準の維持を基本としつつ、地域の実態を踏まえた適切な対応がなされることを切に希望する。

 <別紙2略>


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