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基本ポートフォリオの見直しにおける論点(メモ)


1.運用対象資産
【現行の基本ポ−トフォリオ】

 リスクに見合った収益率が期待でき、流動性に問題がなく、リターン・リスク特性に関する情報が十分であるものに限るという考え方から、次の資産を運用対象としている。
国内債券
国内株式
外国債券
外国株式
短期資産

【論点】

 現行の考え方を踏まえた場合、運用対象となる資産が考えられるか。

 株式運用については、グローバルな観点から銘柄選択を行う運用が定着しつつあるが、国内株式及び外国株式の区分についてどのように考えるか

 国債満期保有運用の在り方について、どのように考えるか。

2.各個別資産のリターン・リスク
【現行の基本ポ−トフォリオ】

 リターン(期待収益率)は、ビルディング・ブロック方式を採用し、リスクプレミアムは、市場平均収益率の過去データに基づき推定
・ 短期金利 = 実質経済成長率(1.0%) + 消費者物価上昇率(1.5%)
・ 国内債券 = 短期金利 + 債券リスクプレミアム(1.5%)
・ 国内株式 = 短期金利 + 株式リスクプレミアム(4.0%)
・ 外国債券 = 短期金利 + 外国債券リスクプレミアム(2.0%)
・ 外国株式 = 短期金利 + 外国株式リスクプレミアム(4.5%)

 リスク(標準偏差)及び相関係数は、市場平均収益率の過去(1973〜1999年の27年間)の実績データを使用

 リターン・リスクの推計に用いた過去データは、次の指標を使用
・ 国内債券 : NOMURA-BPI総合
・ 国内株式 : TOPIX(配当込み)
・ 外国債券 : シティグループ世界国債インデックス
・ 外国株式 : MSCI-KOKUSAI(配当込み)

【論点】

 リスクプレミアムを過去データのみから推計することは、最近の経済情勢等を勘案した場合、適切な推計とならないのではないか。

 国内株式のリターンは、運用利回りの範囲を検討した際に用いた手法(マクロ経済に関する基本的な関係式により推計した日本経済全体の利潤率から実質長期金利等を求める手法)と整合的な方法によって推計することを考える必要があるのではないか。
(例)
 日本経済全体の利潤率からROA(総資本利益率)を求め、ROAとROE(自己資本利益率)の関係式よりROEを推計する方法

 外国債券、外国株式におけるヘッジの取扱いについてどのように考えるか。

 現在のベンチマークで組み入れられていない銘柄(東証2部、店頭市場、外国の事業債、エマージングの株式市場など)への投資を考えた場合、基本ポートフォリオの作成に用いるベンチマークを変更する必要があるか

3.運用上の制約条件
【現行の基本ポ−トフォリオ】

 年金給付に備え、インカム(債券利子等)や流動性に配慮した資産構成とするとともに、一定の短期金融資産を保有する。(短期資産=5%)

 外国資産への配分に当たっては、各国投資家の自国市場の割合を高める傾向(ホームカントリー・バイアス)等を考慮する。(外国債券≦国内債券、外国株式≦国内株式×2/3)

 外国債券に対する投資については、巨額の資金の投入に伴う国内市場への影響を小さくすることができるという効果等がある一方、外国株式投資に比べ期待できる収益は限定されること等を考慮する。(外国債券≦外国株式)

【論点】

 運用上の制約条件を見直す必要があるか。


(参考)

【現行の基本ポートフォリオ】(%)
  国内債券 国内株式 外国債券 外国株式 短期資産
構成割合 68 12
(乖離許容幅) (±8) (±6) (±5) (±5)  

【リターンとリスク】(%)
  国内債券 国内株式 外国債券 外国株式 短期資産 基本ポートフォリオ
リターン 4.0 6.5 4.5 7.0 2.5 4.5
リスク 5.45 21.62 14.67 20.30 3.38 5.43


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