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(5)健康科学総合研究経費
事務事業名 健康科学総合研究経費
担当部局・課主管課 健康局総務課地域保健室
関係課 ・健康局総務課生活習慣病対策室
・健康局総務課保健指導室
・健康局生活衛生課
・健康局水道課

(1)関連する政策体系の施策目標
基本目標11 国民生活の向上に関わる科学技術の振興を図ること
施策目標 2 研究を支援する体制を整備すること
I 厚生労働科学研究費補助金の適正かつ効果的な配分を確保すること

(2)事務事業の概要
事業内容(新規・一部新規)
 国民の健康に大きく関連する、健康づくり、生活環境及び水循環に関する分野、地域における地域保健サービスのより効果的・効率的な事業実施に関する分野及び地域における健康危機管理対策に関する分野に対して基礎及び応用にいたる幅広い研究を総合的に推進する。
<平成16年度新規課題採択方針>
 栄養・食生活、睡眠、喫煙等の生活習慣と疾病予防及び健康づくりに関する研究、効果的・効率的な地域保健サービス提供・評価に関する研究、地域における健康危機管理に関する研究、建設物等に関連する生活環境に関する研究、水道水源を保全するための効果的な政策手法等、健全な水循環の形成及び安全な水道水の安定供給に資する研究を積極的に評価。
 健康づくり・生活習慣病予防に関する研究分野
 健康増進法を基盤とする国民の健康の増進、生活習慣病に着目した疾病予防の推進のため、分子疫学等最先端科学を活用した循環器病・糖尿病の予防の研究及び生活習慣と疾病との関係に関する調査研究を進めるとともに、給食施設、温泉利用型健康増進施設等健康づくり関連施設に関する研究を進め、科学的根拠の蓄積を図る。
<平成16年度新規課題採択方針>
  研究費の規模: 1課題当たり5,000千円〜10,000千円程度(1年当たり)
  研究期間: 1〜3年
  新規採択予定課題数: 8課題程度
 地域保健サービスに関する研究分野
 激変する社会状況に対応した地域保健サービスに関する事業を実施するために必要な、地域診断、企画立案、事業運営、事業評価、マンパワー及び学校、職域、民間活力等との連携に関する研究を行い、事業実施にあたっての基礎を確立する。
<平成16年度新規課題採択方針>
  研究費の規模: 1課題当たり5,000千円〜10,000千円程度(1年当たり)
  研究期間: 1〜3年
  新規採択予定課題数: 6課題程度
 地域における健康危機管理に関する研究分野
 保健所等において、健康危機対応に必要不可欠な情報の収集、伝達、管理及び活用等に関する取り扱いを含む研究、健康危機発生時における関係機関との連携に関する研究と共に健康危機管理担当職員の資質向上のための研修プログラムの開発に関する研究を行い、健康危機発生時の迅速かつ適切な対応の基礎の確立を行う。
<平成16年度新規課題採択方針>
  研究費の規模: 1課題当たり5,000千円〜10,000千円程度(1年当たり)
  研究期間: 1〜3年
  新規採択予定課題数: 3課題程度
 生活環境に関する研究分野
 室内空気汚染問題をはじめとする建築物における空気環境や給排水等の衛生的環境の確保に関する研究、墓地等の管理や埋葬等の衛生的見地からの研究、その他の生活環境の安全性に関する研究を行い、生活衛生の向上及び増進を図る。
<平成16年度新規課題採択方針>
  研究費の規模: 1課題当たり5,000千円〜30,000千円程度(1年当たり)
  研究期間: 1〜3年
  新規採択予定課題数: 3課題程度
 健全な水循環の形成に関する研究分野
 水利用のシステムを水循環系の中で再構築し水利用の合理化を進め、河川、下水道及び環境への負荷を軽減することで健全な水循環を形成するため、家屋スケール及び地域スケールの水利用システムにおける水の有効利用に関する研究を行うとともに、未利用エネルギーの活用や環境管理手法の体系化等、各システムの性格に応じた環境負荷低減に関する研究を行う。また、併せて、水利用のシステムの起点として不可欠である水道水源を保全するため、政策手法や水源水質の監視に関する研究を行う。
 なお、本研究事業(健全な水循環の形成に関する研究分野)、平成14年度から開始された事業であり、総合科学技術会議分野別推進戦略(環境分野)の重点課題のうち自然共生型流域圏・都市再生技術研究のフォローアップ体制のもと関連プロジェクトとの連携を適切に図っていくこととしている。
<平成16年度新規課題採択方針>
 家屋スケール及び地域スケールの水利用システムにおける水の有効利用及び環境負荷の低減に関する研究であって、水質及び水量の両面に配慮した研究。
 水道水源を保全するための効果的な政策手法や水源水質の監視技術に関する研究。
  研究費の規模: 1課題当たり1,000千円〜5,000千円程度(1年当たり)
  研究期間: 1〜3年
  新規採択予定課題数: 2課題程度

予算額(単位:百万円)
H12 H13 H14 H15 H16要求
1,144 714 1,606 1,256 1,319

(3)問題分析
 健康づくり・生活習慣病予防に関する研究分野
 健康増進法の施行に伴い、健康づくり対策についての必要な根拠となる分野や新たに社会問題化する内容に対する機動的な対応
 地域保健サービスに関する研究分野
 市町村においてより参考にしやすい具体的研究課題による研究の推進及び保健所における組織(資格要件を含む。)に関する研究の推進
 地域における健康危機管理に関する研究分野
 機動的対策のみではなく社会制度的な問題点への対応
 生活環境に関する研究分野
 生活環境対策についての必要な根拠となる分野や新たに社会問題化する内容に対する機動的な対応
 健全な水循環の形成に関する研究分野
 内閣府の自然共生型流域圏・都市再生イニシアティブとの連携を進めるにあたり、他省庁の研究との規模の違い、体制の違いが大きい。(国交省、農水省は10億円規模)
 各研究課題の研究者間の協力、行政との連携を必要としている。今後、6研究課題の研究者と行政で連絡会を設けるなどして有機的な連携を図りたい。

(4)事務事業の目標
 各種法令等で規定されている基準値等を設定する場合における基礎
 行政活動における活動指針、行動指針及びガイドライン等の作成
 全国の環境、施設等の現状の把握
 ネットワークシステムを含む社会システムの開発

2.評価結果
(1)必要性(行政的意義(厚生労働省として実施する意義、緊急性等)、専門的・学術的意義(重要性、発展性等)、目的の妥当性等)
 健康づくり・生活習慣病予防に関する研究分野
 現在、健康日本21等に関して総合的な観点に加え個別代表的な疾患等に対して研究を実施している所ではあるが、平成15年度においては健康増進法が施行となることから評価体制や事業実施の具体的な方法論及び個別疾患への対策等を行うことで、健康日本21の目標の達成を確実にするものである。
 地域保健サービスに関する研究分野
 保健医療福祉に係る総合的なサービス提供についての研究であり、急変する社会状況に対応した効率的な行政サービスを可能とすることから継続した研究実施が必要と思われる。
 地域における健康危機管理に関する研究分野
 健康危機の予防や発生時の具体的対策に関する研究であり、社会防衛のための要となる研究である。
 生活環境に関する研究分野
 人間が生活する環境にある物質等による健康被害は数多くあり新たな物質が病因となりうるものである。シックハウス症候群等に関する原因、対策及び予防に対しても研究が平成12年度から始まったばかりであることから今後とも充実が必要な分野である。
 健全な水循環の形成に関する研究分野
 総合科学技術会議分野別推進戦略(環境分野)の重点課題のうち自然共生型流域圏・都市再生技術研究のフォローアップ体制のもと研究を実施することとしており、これまで各省(厚生労働省・国土交通省・環境省・農林水産省・文部科学省)で行われてきた水管理・環境管理の研究課題が連携することにより、所期以上の効果が期待されている。

(2)有効性(計画・実施体制の妥当性等の観点)
 健康づくり・生活習慣病予防に関する研究分野
 健康増進法及び健康日本21の実施において必要となる、具体的な指導内容や事業評価をおこなうための基礎となる研究である。
 地域保健サービスに関する研究分野
 保健医療福祉に係る総合的なサービス提供についての研究であり、より効率的な行政サービスの確立の基礎となるものである。
 地域における健康危機管理に関する研究分野
 健康危機の予防や発生時の具体的対策に関する研究であり、社会防衛のための要となる研究である。
 生活環境に関する研究分野
 人間が生活する環境に関する研究であり、シックハウス症候群、レジオネラ症等の具体的な問題に対する予防、対策にかんする研究であることから地域における環境対策への展開の基礎となる。
 健全な水循環の形成に関する研究分野
 安全で豊富な水道水の供給という水道行政の行政目標に合致。
 また、水の確保や安全性の確保は国際的にも極めて重要な課題であり、健全な水循環の形成に関する研究成果は、国際的に貢献する可能性があるため、わが国の水関連行政施策のアクションプランの一つと位置づけられている。
 また、現在、水管理・環境管理において、新法設立の動きがあり、省庁連携の体制整備が必要とされている。

(3)効率性(目標の達成度、新しい知の創出への貢献、社会・経済への貢献、人材の
養成等の観点から)
 健康科学総合研究の地域保健サービス、健康づくり及び生活環境分野においては、栄養所要量、行政栄養士基本指針等への反映、健康日本21の評価方法の確立、保健関係職種の研修に係る調査研究に基づく地域保健従事者の資質の向上及びビル管理衛生法、シックハウス症候群等への背策展開のための基礎となる研究を実施している。
 健全な水循環の形成分野については、平成14年度に開始した分野であるが、それぞれの研究課題毎に研究に取り組んでおり、既に内閣府総合科学技術会主催の研究者会合、ワークショップ等で研究成果を発表(月末開催予定)し、研究内容に関する討議を重ねている。水道水のリスク最小化に資するシステム開発や他省庁と共有できる地理情報システムを利用したデータベースの構築などにも取り組んでいる。これらの研究に係わるガイドライン作成や施策との連携により、水道水の安全性向上、環境負荷低減、水道事業体への新技術導入促進等の効果が期待されている。

(4)その他
 生活習慣病等の予防、生活環境に存在し人体に影響を及ぼす化学物質等に関しては個別疾患及び個別物質における研究も政策を実施展開していく上で必要と思われる。
 このため、個別疾病、個別物質等に関しても研究に関しても今後展開していく必要があるため、本研究事業の拡充が必要と考える。

(5)特記事項
(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
(3)総務省による行政評価・監視等の状況
(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
(5)会計検査院による指摘

3.総合評価
 健康づくり・生活習慣病予防に関する研究分野
 現在、健康日本21等に関して総合的な観点に加え個別代表的な疾患等に対して研究を実施している所ではあるが、平成15年度においては健康増進法が施行となることから評価体制や事業実施の具体的な方法論及び個別疾患への対策等を行うことで、健康日本21の目標の達成を確実にするものである。
 地域保健サービスに関する研究分野
 保健医療福祉に係る総合的なサービス提供についての研究であり、急変する社会状況に対応した効率的な行政サービスを可能とすることから継続した研究実施が必要と思われる。
 地域における健康危機管理に関する研究分野
 健康危機の予防や発生時の具体的対策に関する研究であり、社会防衛のための要となる研究である。
 生活環境に関する研究分野
 人間が生活する環境にある物質等による健康被害は数多くあり新たな物質が病因となりうるものである。シックハウス症候群等に関する原因、対策及び予防に対しても研究が平成12年度から始まったばかりであることから今後とも充実が必要な分野である。
 健全な水循環の形成に関する研究分野
 総合科学技術会議分野別推進戦略(環境分野)の重点課題のうち自然共生型流域圏・都市再生技術研究のフォローアップ体制のもと研究を実施することとしており、これまで各省(厚生労働省・国土交通省・環境省・農林水産省・文部科学省)で行われてきた水管理・環境管理の研究課題が連携することにより、所期以上の効果が期待されている。


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