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遡及調査に係る個別NAT陽性血液が混入した原料血漿に由来する
血漿分画製剤の取扱いについて(意見)

平成15年9月17日
血液事業部会安全技術調査会

 日本赤十字社において「供血者の供血歴の確認等の徹底について」(平成15年6月12日付け医薬血発第0612001号)に基づき実施している遡及調査において、個別核酸増幅検査(以下「個別NAT」という。)により陽性が確認された場合、当該血液が混入した原料血漿に由来する血漿分画製剤(以下「対象製剤」という。)の当面の取扱い等については、下記の通りとするのが適当である。

1.対象製剤については、製造業者から提出された資料や血漿分画製剤による感染事例が発生していない状況等から、現時点においては、対象製剤を回収する科学的かつ積極的理由はないものと考えられる。

2.ただし、ウイルス不活化のレベルと混入するウイルス量の観点から、個別NAT陽性血液が以下の4製品の原料血漿に混入が認められた場合、混入したウイルスの量、当該製剤の製造経過、製造量、代替品の供給状況等を調査し、その結果等を本調査会に報告すること。
 ・PPSB-HT-ニチヤク
 ・抗HBs人免疫グロブリン
 ・コンコエイト-HT
 ・フィブリノゲン-HT-Wf

3.科学的には、ウイルス不活化が十分になされている対象製剤の安全性に問題はないと考えられるが、このことについて社会的合意を得るためには、可能であれば、個別NAT陽性血液が混入した原料血漿に由来する血漿分画製剤による健康被害の発生に関する調査を実施し、安全性に関する科学的根拠を収集することが望ましい。

4.個別NAT陽性となった血液の供血者について、供血間隔や年齢、性別等を調査すること。

5.諸外国における個別NAT陽性血液混入事例の取扱いに関する情報等を収集すること。

6.日本赤十字社が実施した個別NATの結果について、第三者機関において検証すること。


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