03/09/04 第3回食を通じた子どもの健全育成のあり方に関する検討会議事録       第3回 食を通じた子どもの健全育成のあり方に関する検討会               平成15年 9月4日(木)               厚生労働省16階 17会議室  村田座長  ただいまから第3回食を通じた子どもの健全育成のあり方に関する検討会を開催させ ていただきたいと思います。本日はお忙しいところお集まりいただきまして、大変あり がとうございました。  まず本日の出席状況を事務局の方から御説明をいただきたいと思います。  石井母子保健課長補佐  本日は岡田委員、吉田委員が所用により御欠席という御連絡をいただいております。 以上でございます。  村田座長  ありがとうございました。それでは議事に入ります前に、お手元にお配りしてありま す資料につきまして、事務局の方から御説明をお願いします。  河野専門官  本日お手元に配布しております資料ですが、資料1として検討課題メモ、資料2から 4につきましては、それぞれ1枚紙の資料となっておりますが、これまでの委員の先生 方の御発言をもとに作成を行ったものです。事前に先生方には送付いたしておりました が、さらにいただいた御意見を踏まえまして、加筆修正をしたものでございます。  あわせて参考資料として、発育・発達をめぐる課題例について、前回の検討会の資料 をおつけしておりますので、御参照をいただけたらと思います。  続きまして資料1の検討課題メモについて御説明申し上げます。本日の検討課題は大 きく4点ございます。まず1点目は、食を通じた子どもの健全育成についてということ で、資料2の方をごらんいただけますでしょうか。ねらい、あるいは目標とする子ども の姿について、この内容や要素でよいか、さらに食といっても広範囲にわたりますの で、子どもの食を見ていくときに、特に発育・発達過程に応じて配慮すべき側面を挙げ るとしたらブルーの部分になりますが、健康、人間関係、食スキル、食文化、食環境と いう整理でよいかどうか、なお、この図の下の支援する環境づくりにつきましては、本 日の四つ目の課題の支援方策ところで御議論いただけますようお願いいたします。  続いて資料3にまいりますが、課題の2点目は発育・発達過程にかかわる特徴につい てということで、表の左側になります。先ほど資料2のブルーの部分でお示ししました ように、各側面ごとに授乳期、離乳期から思春期までのステージを通してとらえたとき に、それぞれにどういう特徴があるか整理をしたものです。これにつきましては各側面 ごとに必要な内容が網羅されているか、また授乳期から思春期のステージごとにそれぞ れの事項がふさわしい内容になっているかという点について、御確認をいただけたらと 思います。  さらに資料4に移りまして、課題の3点目になりますが、発育・発達過程に応じて育 てたい食べる力についてということで、資料2でお示ししました目標とする子どもの 姿、オレンジの部分に近づいていくためには、具体的にどのような食べる力を育ててい くかということを、授乳期、離乳期から思春期を通して整理をしたものです。これにつ きましても発育・発達にかかわる特徴としてお示しした資料3と対応して必要な内容が 網羅されているか、また授乳期から思春期のステージごとにそれぞれの内容がふさわし い内容になっているかという点について、御確認をいただきたいと思います。  最後に、資料1の検討課題メモの方に戻らせていただきますが、課題の4点目は支援 する環境づくり、支援方策についてということで、具体的な支援方策について、発育・ 発達の特徴に応じて、子ども自身の食べる力をはぐくむ為に、どの時期にどこでだれが どのような支援を行う必要があるのか、また現場や研究の場で既に取り組まれている具 体的で実効性のある方法についても、あわせて御議論をいただけますようよろしくお願 いいたします。以上でございます。  村田座長  どうもありがとうございました。今の基本的な事務局の説明に対して、委員の先生方 から差し当たって何か御発言はございますか。  前の2回の委員会におきましては、ここに資料2、資料3、資料4とありますよう に、この検討会で検討すべき立場であるとか、いろいろな内容が多岐にわたっておりま して、これをいろいろな委員の先生方からまた御発言をいただきますと、その組み合わ せといいますか、論点が非常に多くの範囲に広がりを見せるということにも少し気を使 いまして、主に各委員の先生にどういった立場で御発言いただくかということを順にお 話しいただいたわけでございますが、おかげさまで過去2回を通じて、今、ここにまと まりましたような内容になってまいりましたので、きょうはそれぞれのお立場から御自 由に御検討をいただければありがたいというふうに思っております。  今説明がありましたように、素案につきましていろいろと御意見をいただきまして、 それをまたこういった形にまとめさせていただいておりますけれども、資料2につきま して御発言はございますか。  足立委員  すごくわかりやすくなってとてもうれしいのですが、できればねらいで使っている言 葉と、ブルーのところで示されている発育・発達過程に応じて配慮すべき側面のキーワ ードがうまく対応する方がわかりやすいかなという感じはしています。  健康はそのまま生涯にわたって健康で、その次の質の高い生活が人間関係のところに もかかわるのだと思いますが、基本として、食を営む力をというところが、多分ここで いう食スキルに対応するのだと思います。そうすると概念としてのイメージが、読み取 る人によっては、非常に狭いスキルとして受けとめる人と、食に対する構成力や技術的 なことも含めてのスキルと考える人もいると思います。内容としてはこれでいいのだと 思いますが、ねらいのところでは食を営む力と呼んでいることとの関係の中でこの言葉 をどうしたらいいということが一つです。  もう一つは、それを支援する環境づくりをというところに食文化と食環境があって、 内容からすれば、食文化に食を営む力もちょうど重なっていますが、このあたりをねら いとの対応でもう少し整理していただくと、ねらいからも側面からもキーワードがはっ きり出てきてよろしいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。  村田座長  ポイントはここで押さえているということは間違いないのですが、ねらいとの関連 で、皆さんが同じような受け取り方ができるような表現にした方がいいのではないかと いう御意見ですね。  そのことにつきまして、どなたか御意見はございませんか。そういった点で言葉の関 係といったものをもう少しわかりやすくするという観点もあるかと思いますが、今のこ とにつきましてほかにございませんか。  加藤委員  同じような感じで、とてもよくまとまっていて、大変な御努力だったろうと感じてお りますが、例えば食スキルですとか、食文化といった項目立てがイメージするものの範 囲が、受けとめる方にとってさまざまではないかという印象を持ちまして、なるべく共 通理解がしやすくなるような形でまとめるといいのではないかと思いました。  村田座長  上原委員はどうですか。  上原委員  私も同じような感じを持ちまして、今の食スキル、食文化、食環境は、一つの構想の ようなものをそれぞれに持たなくてはいけないと思うのですが、その前に足立先生が おっしゃったように、食文化、食スキルというところと、言葉として難しいというわけ ではないですが、このねらいの部分は前回に練られたものですか。  村田座長  はい。しかし決まったというわけではございません。  上原委員  そうですか。やはり具体的な言葉をねらいの中に盛り込んでいく方がわかりやすいと 先ほど足立先生がおっしゃいましたが、そのとおりだと思います。もう少し文章として 盛り込めないかということがあります。  村田座長  この部分は今後の作業にも非常に重要なところだと思いますが、ほかに御発言はござ いませんか。  吉池委員  足立先生の御指摘から始まったところで、やはり食スキルということについては、そ ういった分野を考えている人間にとっては、ある範囲でイメージができるのですが、そ こをどう表現するかが一つのポイントかと私も感じております。  また、それぞれのパートの部分では必要なものがよく押さえられているわけですが、 せっかくこういう図にあらわすのですから、どこにどのようにはめるかといったとき に、一番下の支援する環境づくりを進めるというところが土台になるということは、 きょうの議論の流れからすると、一つの前提条件というか、もうコンセンサスが得られ た流れかと思いますが、そこの環境づくりと、もう一つ出てくる食環境という四角の タームのところの関連というのが、小さな四角の部分と土台の部分でうまく関連づけら れるかどうかといった、あらわし方の工夫をもう少し考えていく必要があるかというふ うに思いました。  村田座長  佐藤委員はいかがですか。  佐藤委員  遅くなってすいませんでした。この資料の2にかかわって、あわせてこういったペー パーを事前にちょうだいいたしました。こちらでいいますと資料3でございますけれど も、今のお話の中で私が多少気になるのは、こういった資料が全国にわたっていくとき には、できるだけカタカナが少ない方がいいということです。食スキルといった場合、 特に管理栄養士さんたちを含めてですけれども、年配の方が比較的多いわけでございま すので、スキルって何と言われると非常に困ります。  私どもは何げなく使っておりますけども、もう少しかみ砕いて、食べ方ですとか、お 作法ですとか、だれにでもわかるような用語はあるだろうと思います。  同じようなことで申しますと、支援する環境づくりのところで、スーパーマーケッ ト、コンビニエンスストア、レストランと出てきたのですが、私たちの地域社会、つま り日常的なコミュニティーの中で考えると、レストランが日常的なわけではなくて、食 堂や、お弁当屋さんや、駅前の総菜屋さんといった方々と暮らしを支え合って私たちの 食環境が生まれているということを考えますと、その辺もよろしければ御配慮いただけ るとありがたいというふうに考えています。  上原委員  資料を見ていて思ったのですが、私は事務局の方にいろいろな意見を言ってしまった ので、このようになったと思いますけれども、支援する環境づくりという言葉がそこに 大きく出ていますが、ねらいの部分でも支援する環境づくりという言葉が出ています。 そうすると、支援する環境づくりがねらいだということがよくわかるのですが、その上 の部分が、基本としての食を営む力を育てるという部分に当てはまるというところで、 この図がねらいのところに網羅されていくはずなのに、支援する環境づくりのところが 少し具体的すぎるということや、言葉としての統一性がないかと思います。  支援する環境には、大きくは地域があって、具体的には細かいものがあるという分け 方ですね。それが余りにも、私が少し言い過ぎてしまったためか、いろいろな言葉が並 び過ぎているので、この大きな構想の中には少しそぐわないかなというところも出てき ている感じはあります。  村田座長  今御議論をいただいているねらいの部分というのは、言ってみますとこの検討会の キーポイントになるわけで、それらの言葉が今後続いてくるいろいろな問題に具体的に わかりやすく表現されているといいというのが共通の御意見だと思います。きょうは岡 田先生が御欠席ですけれども、岡田先生からも同様の御意見が事務局の方に来ていると いうことを聞いておりますので、事務局の方から岡田先生の御意見を述べていただけれ ばと思います。  河野専門官  今議論いただきましたブルーの部分の発育・発達の過程に応じて配慮すべき側面につ いて、健康、人間関係、食スキル、食文化、食環境のレベルがさまざまなので、例え ば、健康、人間関係を子ども全体にかかわること、食スキルを子どもの食にかかわる能 力・技術、食文化、食環境を食にかかわる環境というようにカテゴリ化して、小見出し をつけるなどの工夫をしてはどうかなどの御意見をいただいております。  村田座長  皆さんが今いろいろと御発言をされた内容と問題点は共通しているのではないかとい うふうに思いますが、そうしますと具体的に、健康という言葉はねらいのところで生か すということにいたしまして、人間関係ということですが、これをどのような表現にい たしましたらいいでしょうか。先ほどの支援する環境づくりまでを含めまして、適当な 言葉があればと思います。  足立委員  適当かどうかはわからないのですが、人間関係という関係性のところに強調点がいき すぎてしまうことを少し心配していて、例えば心の側面もこの中に入っているわけです ので、そうすると健康に並ぶ概念とすれば、心・人間関係とすると、もっと複雑になっ てしまうかもしれませんが、人間関係と決めつけてしまって、人間関係だけに受けとめ られないような心配りが要るだろうということです。  村田座長  もちろん大人も人間関係の中で食生活を営むわけですけれども、やはり子どもの食と いうのは、親兄弟等を含めまして、より大きな影響を受けるわけですので、恐らくここ ではそういった意味合いを強調したかったのではないかと思いますが、そういう意味合 いの表現として、今申し上げたような人間関係ということを生かしながら、足立委員が ご心配のようなことを除いて、何かいい言葉はございませんか。  御園委員  幼児期の子どもの視点から見て、どこにどれを入れたらよいのか、保護者の方がこれ を見たときには、どのように考えていくのかということがあります。このねらいを今子 育て中の若いお母さんたちが見たときに、自分の子育てにどのように結びつけていった らいいのかということがすぐに理解出来るかなと思いました。  また、目標とする子どもの姿というのは、楽しく食べる子どもにということだったの ですが、保育園くらいの子どもたちには、食事とのときには、おいしいね、おいしい ね、と言って食べさせています。楽しくおいしく食べる子どもにしたいということで、 そういう言い方をしています。ですから先生がおっしゃったような心の部分だとか、こ の表を見ても、こちら側にどうしても白くなっている部分があるので、この子どものこ の部分をここに書き入れるのはとても入れにくいです。そういったことを私の立場でど ういうふうに申し上げていったらいいのかということを今思っています。  村田座長  この人間関係の表現は難しいので少し後に回しまして、食文化、食環境、あるいは食 スキルについて、先ほどの岡田先生の御提案では、子どもの食にかかわる能力・技術と いうふうに、カタカナではなくなっているわけですが、そういった表現で、食のスキル といったものが置きかえられるのか、あるいは食文化、食環境が、食にかかわる環境と いった言葉にかえ得るものなのか、そうすると少なくとも質の高い生活、基本としての 食をはぐくむ力を育てるという言葉は、先ほどの食にかかわる能力・技術をどう表現す るということにしましても、それから食文化、食環境が食にかかわる環境で必ずしもい いかどうかは少し問題なのですが、ちょっと人間関係は置きまして、食スキルという言 葉が結論としてこのままでいいのかどうかという点を、先ほど皆さんがいろいろと御意 見を述べられたようなことで、少し表現を変えた方がいいのかという点は結論が出やす いのではないかと思いますので、御意見を伺いたいと思います。  御園委員  乳児の立場でよろしいですか。  村田座長  はい。  御園委員  食事のリズムが持てる子どもにということになっておりますが、私の考える乳幼児期 の行動では、食行動と食習慣ということをここに入れていきたいと思っています。習慣 ということがあって初めてリズムが持てていくのではないかと思います。  村田座長  それは目標とする子どもの姿の、食のリズムが持てる子どもに、の項目を少し書きか えるということですか  御園委員  いえ、項目を書きかえるのではなく、そういうことも含む言葉になると良いかと思い ます。  上原委員  学校でも通常は望ましい食習慣という言葉を使っています。  村田座長  それにはリズムというようなこともみんな含まれるという意味ですね。  上原委員  そうですね。生活習慣、食習慣ですね。その方がわかりやすいでしょうか。  吉池委員  リズムの問題で、「食」が頭について、「行動」や「習慣」に含まれるという考え方 もありますが、「食」だけではなく、日常の生活の中でのリズムの形成の中での「食」 という意味合いもあると思います。リズムといったときに、ここでは「食」にかかわる ことを議論するわけですけれども、必ずしも「食」によらない部分の生活リズムという ことが子どもでは非常に大切になると思うので、リズムという言葉も残しておきたいと 思います。  足立委員  今は青いところの議論と考えてよろしいのですか。  村田座長  はい。基本的な問題もありますが、本質的には、ねらいと具体的なこれからの方策を 考える青い部分とが、うまくイメージが重なってくるような、そういう点を御議論いた だいています。  足立委員  はい。食文化では、資料3の食の部分に書いてあるものが視野といいますか、今まで 議論されてきたとすれば、資料3の食文化の上の方と下の方では少し視点が違います ね。むしろ上の方は、広い意味での食べる力の範囲に取ることができるような気がしま す。  村田座長  そうですね。恐らくこれが文化のところに入ってきているのは、スプーンを使うか、 フォークを使うか、はしを使うか、食べ方もいろいろと問題がございますね。そういっ た形で文化の部分にこういったものが入ってきていると思います。  足立委員  そうしますと、食スキルという言葉についてですけれども、実は健康教育や栄養教育 の専門分野では、ライフスキルという言葉も含めて、かなり概念がはっきりしてきてい るので、管理栄養士を含めて、そういう分野の人たちは広い概念としてとらえるので余 り心配はないと思いますが、しかし逆に多くの方々に誤解を招くかということで先ほど も意見を申し上げました。  食を営む力というのが、上の方の総括的な言葉として食を営む力が使われているのか どうかにもよりますけれども、ここで言っているのは、味わう力や、まさに食を営む力 のことで、食べるだけではなく、つくったり準備をしたりすることや、それにかかわる 情報を受け取ったり渡し合ったりしていくことも含んでのスキルですよね。  そうすると、それを表現する言い方とすれば、一般的には食を営む力というようなこ とになってしまうのではないかと思います。  村田座長  そうですね。そこでそれをより具体的に、岡田先生の言葉だと、子どもの食にかかわ る能力・技術ということになって、少し表現がかたいかとも思いますけれども、足立先 生の御意見としては、ねらいのところに言葉が出ているから、このままここへ持ってき たらどうかということになりますか。  食を営む力という言葉は、ねらいの部分ではもっと広いものを含んでいると思いま す。そして食のスキルというのは、もう少し狭いところを意味しているのではないかと 理解をしています。具体的には技術や能力といったことが、ここで論じられると思いま す。  足立委員  技術とか能力というのであれば、スキルの方がいいのではないかと思います。むしろ ここでいう食スキルというのはこういうものだという提案をして、食スキルにした方が コンセンサスを得やすいと思います。技術としてしまうと、本当に技術だけになると思 います。  村田座長  佐藤委員がおっしゃることもよくわかります。最近は地方へ出たりしても、どこを見 てもみんなカタカナで、何が何だかよくわからないということも事実ですが、スキルと いう言葉はいろいろなことでこなれてきていることは間違いないと思います。  本当は時間をかけて議論しなくてはいけないところですが、いろいろと予定もござい ます。今、お話をずっと伺っておりますと、結局また元に戻って、食のスキルでもいい のではないかという御意見にも聞こえるのですが、このあたりでいかがでしょうか。  渡辺委員  大変基本的なことに戻ってしまいますので、私は発言しない方がいいかと思ったので すけれども、例えば食行動異常のある子ども、例えば拒食症のような摂食障害とか、そ ういう精神病理がある子どもとか、またはいろいろな意味で心身症の子どもであった り、あるいは行動傷害の子どもであった場合に、食に関して私たちがごく平たくみんな で共有している視点は、その子自身の食生活や食事の経験がどうだったかという、割と 大きなところでとらえてしまいます。  そのあたりは細かい議論をしながら、一方では大事だと私は思っているのですが、と いうのは、言い方が偏ってしまうと誤解を招くかもしれませんけれども、最近はやは り、その人の人格や、心や、行動系や、生き方というのは、一つはその人の資質である けれども、同時に脳などの発達や成熟を考えると、やはり環境依存性、体験依存性だと いうふうに言われています。  ですから、どうやってその子にあった体験、豊かな経験を与えるかという視点で、恐 らくいろいろな側面の発達援助がなされていると思います。  例えば発達障害のある子どもの場合には、発達経験がどうしても偏ってしまい、しか られることが多く、はみ出すことが多く、困ることが多い。ですからストレスに対して パニックになったり防衛したりということがふえてしまう為に、偏った生活体験が、 偏った発達障害による自閉症というような行動傷害をつくるという視点が一つあります ので、やはりその子にあった経験というもの、その子の生活というようなことで、そう しますとやはり食習慣と過食行動といったところと近くなるかというふうに思いまし た。少しグローバルすぎるかもしれませんが、あえて私はそういう大まかなところにこ だわりたいと思いました。  佐藤委員  文部省的な立場から、旧来50年間で、子どもの学習の評価をするときにどういうふう な分け方をしているかと言いますと、一般的には知識、理解という考え方、それから関 心、意欲、態度という分け方、そして技能というふうに入ってきておりまして、恐らく 家庭科などで食のことを学んだときにも、ちゃんとつくることができるかというのは技 能の部分で、例えばオムレツをつくったときに卵料理に大きな関心を持ったか、自分で さらにやってみようと思ったかというふうな形で項目分けをしていくということがあり ます。  必ずしもそういうふうにしてくれという意味では全くございませんが、恐らく学校教 育現場などではそういうふうなわけ方が受け入れられやすいかというふうに思います。  村田座長  加藤委員と星委員は、皆様の御意見をお聞きになりましていかがでしょうか。  星委員  ねらいの部分ですけれども、やはり送り手側と受け手側ということがあると思います ので、受け手にできるだけわかりやすく理解できる文章にしていきたいという気がしま す。長い文章になってしまうと、なかなか的を射ていないというか、いろいろなふうに とらえられてしまう可能性があるので、できるだけシンプルで短い言葉をねらいとした 方がいいのではないかということを感じます。  村田座長  例えばどの文に関してでしょうか。  星委員  今の薄いブルーで書かれているねらいの部分です。  村田座長  わかりました。加藤委員はいかがですか。  加藤委員  例えば、食スキルという言葉が一般的であるかどうかという議論もあったと思いま す。この報告書で食スキルという言葉に市民権を与えていくといいますか、より多くの 方に食スキルという言葉になじんでいただこうという方向性があるのであれば、わかり やすい説明などを盛り込んでPRしていくことが必要ではないかと思います。  村田座長  いろいろと御意見がありますが、渡辺委員のお話の部分は、この食スキルということ に関しては、これをどうとらえるかということは非常に大きな問題ではないかと思うの ですが、どちらかといいますと、佐藤委員からお話があり、また加藤委員からもお話が あったように、少し技能的なものといった面がかなり表に出てくるか、経験や人間関係 に大きく影響を受けているので、そのことも十分考えておかなくてはいけないというの が渡辺委員の御意見だろうと思いますが、そういった問題を、例えば人間関係、食環境 といったあたりでとらえていただくことに、これは私の今の考えなのですが、そういう 形でこの健康、人間関係、食スキル、食文化、食環境ということを考えますと、みんな それぞれ関連があるわけで、また議論していると、最終的にねらいのところに戻ってし まうということにもなりかねないような気がいたします。  健康と食スキルという言葉で、加藤委員、足立委員の御意見がそうであったかどうか は定かではないですが、私は、食スキルに戻ってもいいのではないかという感じで受け 取りましたが、ここに書いてありますように、差し当たっては食スキルという言葉で置 いておくということでよろしいでしょうか。上原委員は何か御意見がありそうですが。  上原委員  食スキルという言葉にひとり歩きをさせるという意図があるならば、加藤委員がおっ しゃったようにコメントをつけるということでいいと思います。  ただ、食スキルという言葉も、食文化という言葉も、食をなくしても文化で通ります し、食環境も食をなくしても環境で通ると思います。ですから、食スキルのところを食 習慣というか、こだわっているわけではないのですが、習慣で通るとすれば同列になっ ていく。分けるのであれば、健康と人間関係、あとは食という方面で分けていくわけで すが、この五つの言葉はねらいの中に入れても不思議じゃない言葉に持っていかなくて はいけないと思います。  ねらいの中に文化、環境という言葉が入っても不思議ではないですよね。スキルを入 れるのであれば、本当にきちんとした食スキルということで、私も栄養士ですので食ス キルという言葉をひとり歩きさせたいという気持ちはあるのですが、それが今の時点で 適当であるならば、本当にきちんとしたコメントで、食スキルという言葉をねらいの中 に入れていけるように意味づけさせていきたいと思います。  村田座長  今の上原委員の御意見に、どなたか御発言はございますか。  御園委員  私も同感です。  村田座長  そうすると、ここは食習慣というふうな形で、星委員もおっしゃいましたように余り 長い言葉ではよくなくて、一つのまとまった言葉として挙げるということですが、余り ここでねらいを細かく言っていてもいけませんので、それでは何かほかにかわる言葉が ございますか。  足立委員  かわる言葉がないのに発言させていただきますと、食習慣は英語で言うとフード・ハ ビッツかダイエタリー・ハビッツで、ほとんど食生活と同義だと言われています。です からもっとも広い概念になってしまうのではないかという心配をしていて、首をかしげ ています。  村田座長  今、足立委員が言われたことも非常に重要でありました。今、我が国はいろいろと注 目をされていまして、こういったものを外国で発表したりするときに、どういう言葉に かえるか、そのかえ方によってニュアンスが違ってしまうということも実際は本当にあ り得ることではあります。  しかし、そういう視点もどこかに置いておかなくてはいけないのですが、これにそろ そろ終止符を打ついい御提案がありませんでしょうか。  上原委員  紛らわしい言い方をして申しわけないのですが、スキルという言葉は、佐藤委員も御 存じのように、文部科学省の方では教育の手段として今はもうスキル、スキルと言って いて、教育界でもスキルという言葉はひとり歩きをしていますが、食スキルとしたとき に、それぞれに狭い、広いという考え方が出てくるとすれば、どこかで定義をつけて、 食スキルとは何かということをこの機会に打ち出してもおかしくないという意味で、先 ほど申し上げました。先ほどの意見は、食習慣ではなければいけないという意見ではあ りません。  村田座長  そうしますと、先ほど加藤委員がおっしゃったように、この際、この検討会としての きちんとした考え方を加えておけば、食スキルでもいいという御意見ですね。  上原委員  そのときにはねらいのところにも入れておくことも必要かなというふうに感じます。 欲張りかもしれませんが。  村田座長  わかりました。それはまた考えさせていただくとしまして、それではこの問題はこれ 以上の御意見がなければ、食スキルという言葉を生かして、ここに置くという結論にさ せていただきたいと思います。  食文化、食環境につきましては、このままでよろしいでしょうか。  足立委員  長くてもいいのであれば、やはり文化という言葉を生かしたい気持ちが強くあるの で、二つを一緒にして、食文化・食環境というように一つに寄せることは可能でしょう か。環境という言葉は歴史的には生物学からできてきた概念だと言われますし、そう いったことでどうしても文化的な側面を少し弱く受けとめる人が多いように思います。 そうかといって、文化というのも本当は包括的な概念だけれども、自然環境まで視野に 入れて考える人が少ないので、過渡期としては並べた方がいいかなという意見です。  村田座長  並べるというのは中黒で並べるということですね。今の御意見に何かございますか。  足立委員の御意見はそんなに大きな問題ではなくて、まとめ方の問題、かかわりの問 題、それから環境という意味が持つ問題を、もう少し食の側にも、文化などを関連させ て考えるには中黒にした方がいいということですね。  足立委員  1、2、3、4、5と項目立てをしたときに、5分の1ずつを与えるほどの比率では ないという意味で、一つにするという意味があります。  村田座長  どなたか御発言はございませんか。  上原委員  ここでいう環境というのは、地域ということが資料3でわかってくるのですが、食環 境だけを見ていますと、例えばお茶碗は陶器を使うだとか、食事をするときの環境とい うことで、食環境という言葉だけをとらえると、そのようにとらえられます。  足立先生が今おっしゃったように、食文化ということが食べるときにすべてを含めて いるのであれば、食文化一つでよくて、食環境は食が取れて環境という形になってくる のでしょうか。  村田座長  ちょうどそういう御意見が出ましたので、資料の3を見ていただきまして、資料の3 に食環境とういうのはどういうものを考えているのか、あるいは食文化というのはどう いうものを考えているのかということで、人間関係を初めとした議論が書き上げてござ いますので、こういった内容に関して、ここでは食環境と呼んでいるということ、ある いは改めまして、人間関係等を含めて、まとめは別としても、ここは文字と内容の問題 で御議論をいただいたのですが、資料3に具体的に示してございますので、その内容を 見ていただいて、ここでは食環境とはこういったことを言おうとしているということ で、例えば先ほどおっしゃったように、茶碗を使うか何を使うかということはスキルの 問題とも関係してまいります。そういうことで、余り関連性というものを見てしまう と、それこそみんないろいろなものに関連してくるので、どこに重点を置いて食の環境 と言っているのかということで資料3をごらんいただきまして、こういった内容でよけ れば、足立委員から御提案のあったような変更にするのか、このままでいいのか、一度 お目通しをいただいているとは思いますが、全般的に広く見ていただきまして、差し当 たってここでいう環境というのはこういうものだということですが、よろしいいでしょ うか。  上原委員  はい。  村田座長  食文化に関しましても、これでいいでしょうか。  上原委員  はい。  村田座長  そうしますと、一応、御意見としては食文化・環境ということで、いろいろな意味合 いを少し膨らませるというか、もう少しはっきりさせた方がいいのではないかという御 意見が出ておりますが、いかがでしょうか。  足立委員  中黒を入れるときにも、食環境の方が実は大事な概念であって、誤解が少ないように 食文化を並べたいという気持ちで発言をしました。  村田座長  わかりました。今の足立委員の御意見に、他の委員の先生方からは何か御意見はござ いませんか。  加藤委員  確かに足立先生がおっしゃるように、食文化と食環境は、五つの枠組みの中では大変 近い位置関係にあるように思いました。  環境としての地域、保育所、学校というものと、どのようにして食材が食生活に入っ てくるかという食べ物の流通は密接な関係があると思いましたので、位置関係は近いと 思います。このように隣り合わせにしておけば、大体のことは伝わるのではないかとい う感じはしております。  村田座長  隣り合わせといいますのは、このままの隣り合わせでしょうか。あるいは中黒の隣り 合わせでしょうか。  加藤委員  例えば、四角の文字を少し寄せるとか。  村田座長  本当に食の問題というのは、一つだけに限って特化して物を見ろと言われてもそれは できない話でありまして、そこを見ていれば別の面が非常に重要ではないかというふう に考えがいくのは当然だろうと思います。  しかし何らかの形で問題点を浮き彫りにするという意味合いからすれば、どこかでこ ういった分け方をしていかなければいけないので、分け方をすることによって問題が生 ずることも事実でありますが、問題が生ずるという点は、考えようによると相互関係と いうことになってくるわけですので、そのあたりを論ずることでいいのではないかとい う感じもいたしますが、何か御意見はございますか。  佐藤委員  私は足立先生がおっしゃったことを、非常にそのとおりだというふうに受け取っては おりますけれども、どういうふうにここをテクニカルにつなぎ合わせるかということは さほど大きな問題ではないかというふうにも一方では思っております。  しかし一つだけ、私の立場からどうしても考えざるを得ないのは、確かにここは厚生 労働省の委員会ですので、消費サイドの物の考え方、しかも健全育成という立場でおっ しゃっているので、そこに特化した言葉が出てくるわけですけれども、事実上私どもの 食というものは何がドミナントかといえば、要するに食を提供しているアグリビジネス やフードビジネスでどのような食材が提供され、どのような手法で、どのように私たち に消費されるシステムとして出されているのかという部分が、実は食環境としては最大 の問題ということがあります。  生産サイド、流通サイドの問題が、やはり一定のところで食文化、食環境の中で理解 できて、それに対するオルタネーティブで、例えば地産地消であるとか、地域の食文化 を大切にするということや、技術者や管理栄養士さんや学校栄養士さんがそういうふう にやっていくということもその部分に入ってきますので、もう少し私たちの子どもたち や、それを取り巻く大人たちが子どもたちを育成していくというところに主権が当たる ような考え方というものを出されてもよろしいのではないかというふうに考えました。  村田座長  そうしますと、結論としましては食文化、食環境をこういった形で置いておいても構 わないという御意見ですね。星委員はいかがですか。  星委員  僕の中では食文化と食環境をどのように線引きをしていけばいいのかということが、 非常にクロスオーバーしています。  村田座長  その線引きについては申し上げましたが、資料3に書いてございますので、それを見 ていただいて、こういう線引きでいいのかどうかをある意味で御検討していただければ と資料になるかと思います。  星委員  そうですね。かなりまざりあっている部分があると思います。要するに五つのテーマ にするか四つのテーマにするかという絞り込みの問題だと思いますが、一つ一つのボ リュームとして、これを一緒にしてしまっても構わないのか、それともやはり一つ一つ を独立させた方がいいのかということだと思います。僕は四つのテーマでもいいのでは ないかというふうに感じます。  村田座長  御園委員はいかがですか。  御園委員  食文化では、食べ方や食具の使い方の形成ということで、乳幼児期の段階ではこうい ったことが必要だと思っていますので、食行動や食習慣というものも文化に入ってくる のではないかと思います。ですから私は現状のままでもいいかと思っています。  村田座長  吉池委員はいかがですか。  吉池委員  私も、中黒でつないだときに、いい点と、少しどうかなと思う点があります。佐藤委 員の意見のように、生産側から個々人が積極的にかかわる部分での環境があります。生 産側が食料を提供する、あるいはいろいろな情報を提供するということがかなりの部分 を占める環境ということと、文化といった食べる側から形成されていくものというよう な視点を考えると、とりあえず分けておいた方がいいのかなという気持ちが今はしてお ります  村田座長  今の皆さんの御意見を聞いて、渡辺委員はいかがでしょうか。  渡辺委員  とても有意義なお話を伺いながら私が考えているのは、現在みんなが世界じゅうで共 有している心や体の発達の発達モデルとどのように一致するかということです。  恐らく個体があって、環境があって、その相互作用の中から経験が生まれてきて、行 動系が出てくる。行動系というものが、その子どもの示す食行動や、食事をめぐるスキ ルなどは、その個体がその環境の中でどういった経験を積んだかという相互作用で考え ていくのだろうと思いますが、そうすると食文化というのは歴史的な流れの中で、個体 の集団がやはり食環境とかかわりながら、先ほど流通というお話もありましたけれど も、原始的にはどんな食べ物が手に入るかとか、どうやって分配できるかといった食環 境との相互作用の中で一定の食文化が出てきていて、やはり食文化というのは環境と個 体あるいは集団との相互作用の中で生み出されていくもので、それは時代によってまた 変わっていくだろうと思います。いろいろな意味で、概念がだんだんと人間の発達の実 態に即したものにやわらかくなってきているのだと思います。  そうすると、私は健康という中で、少なくとも今、小児科や小児精神保健の健康のと らえ方は、体と心を別々にはとらえずに、やはり健やかな体の中に健やかな心が発達し て、健やかな行動系や健やかな感じ方があると思いますので、健康というのは、私は最 初は体のことかと思ったのですが、もう少しその子どもさんの中の心身の健康という感 じが伝わって、そしてこちら側では、環境と文化は相互作用があるので近くてもいいと 思いますし、一つのジャンルだろうというふうに考えていました  村田座長  そうすると結論としては、こういう形で並列しておいてもいいということですね。  いろいろと御議論をいただきましたが、結論としますと、健康、食スキル、食文化、 食環境といった形ですね。  次に人間関係という表現でいいのかどうかという一番難しい問題がありますので、こ の結論を出していただきたいということと、それから食事のリズムが持てる子どもにと いうことですが、これは取りようによっては三食きちんと食べましょうといった受け取 り方もあると思いますが、恐らくそうではなくて、もっと広い意味を持っているのでは ないか、少なくともここは食習慣にした方がいいかもしれないという御意見が先ほど あったかと思いますけれども、そういったことも含めまして、人間関係という言葉をも う少し煮詰めて、先ほど御議論いただいたように、このままでいいのか、あるいは少し 表現を変えた方がいいのかといったあたりについて御意見を伺いたいと思います。  加藤委員  健康と人間関係という2点につきまして、大別すると心身の健康、社会的健康という ことで、それをここでは健康、人間関係というふうに整理しているのではないかと思い ました。  一つ目の健康についてですが、健康という言葉が少し漠然としているので、これでも いいのですが、心身の健康としてもいいのではないかと思いました点と、人間関係につ きまして思いつきましたのは、言いかえですが、人とのかかわりとしてはいかがでしょ うか。これは社会的健康のことではないかと思いました。  村田座長  これはかなり大切な部分の表現でございますので、人間関係というもののとらえ方に ついては資料3に示してございますけれども、こういったことをごらんいただきなが ら、今、人とのかかわりという言葉が出まして、これは人間関係という言葉を平たく表 現したということでもあるように思いますけれども、このことにつきまして御意見はご ざいますか。  吉池委員  私も、表現としては人とのかかわりという表現の方が落ちつきがいいかと思います。  その理由の一つとしては、人間関係という場合には、自分の周りの非常に身近な人と いう意味合いが強くなりますけれども、人とのかかわりというと、さらに社会との接点 という意味合いも感じ取れますので、そちらの方がいいかなと思います。  村田座長  ほかに御意見はございますか。  佐藤委員  私も吉池先生の意見にどちらかというと賛成です。というのは、どうしても人間関係 という言葉の使われ方自体が、いわゆる近代ヨーロッパの自立した個を基本としたヒュ ーマニレーションという形ですので、ゲマインシャスとかゲジシャフ的な関係性を、み ずからの力で、つまり市民性の論理でそれを獲得できる技能、市民的成熟ということを 含めて言ってしまっているわけなので、人間関係というのはほかの業界では、ここでの ねらいとは非常にずれた受けとめられ方をしてしまいそうな気がいたします。  普通はただ単に人間関係とは言わないわけで、こういった場で言う場合には、望まし い人間関係を構築できる、またはそういった中で健やかに成長、発達する子どもの権利 を保障するという形になるかと思います。そういった説明が入ればいいと思いますけれ ども、一方でこのペーパー1枚を出して、これをねらいとしている、そのためにはこう いうことで、というよりは、むしろ人とのかかわり方を、いろいろな場面、場面に応じ て学んで身につけていくといった意味で、吉池委員の意見に私は賛意を持ちました。  村田座長  星委員はいかがですか。子どもさんたちと接触しながら、人とのかかわり、人間関係 という観点での表現という意味ですけれども。  星委員  やはり余り広くとらえられる言葉というのは誤解が生じてくるので、できるだけ狭い 範囲で限定できる言葉の方がいいと思います。そういった意味ではやはり人とのかかわ りの方が、もう少し狭く、鮮明に見えてくるかという気がします。  村田座長  乳幼児を扱ってらっしゃる立場から、御園委員はいかがですか。  御園委員  人とのかかわりという言葉を主に使っておりますが、もし人間関係ということであれ ば、豊かな人間関係にして、上も心と体の健康というように並べたらいいのかなと思い ました。  村田座長  足立委員はいかがでしょうか。  足立委員  また混線するのですが、ここで言いたいことは、健康日本21の中の一番近い概念とし てはQOLの部分ですね。そうすると、生活の質とか生きがいということになるわけ で、上のねらいの言葉でいえば質の高い生活が営めるような人間関係という意味です ね。  ですから人間関係でも人とのかかわりでもよろしいかと思いますが、ほかが全部単語 ですので、ここだけ人とのかかわりということになると少し違和感がありますので、そ ういう整理もどなたかにはしていただかなくてはいけないかと思いました。  村田座長  学校の立場から、上原委員はいかがですか。  上原委員  今の足立先生のお話ですが、人とのかかわりという言葉はすごくいい言葉だと思いま すので、ほかも単語ではなく、心と体の健康、食のスキルというふうに、のを入れて、 先ほどの食文化と食環境も別々だったのですが、そうなると食文化と環境として四つの 項目にしていくというように、単語ではなく言葉にするのであれば、心と体の健康、人 とのかかわり、食のスキル、食の文化と環境という四つに分けるということもできると 考えました  村田座長  一つ思いますのは、健康というのはもう概念として、体だけ、心だけということはあ り得ないわけなので、それをわざわざ心と体の健康という表現をした方がいいのか、そ れとも健康というのは当然そういうものもすべて含まれている概念であるということを 強調していった方がいいのかということがあります。  心と体の健康とすると、これを入れておかないと心の健康を忘れるから、忘れないよ うにということをわざわざ強調するような意味合いもなきにしもあらずという感じもし ます。  上原委員  WHOでは社会性も入って健康というふうに意味づけられているので、社会性を人間 とのかかわりということで表現するのであれば、心と体の健康としておいて、結局その 中で何を教えていくかということになると、心と体の、  村田座長  私がこだわっていますのは、それはもう当たり前ではないかということです。心と体 とわざわざこだわるのは、いつも心を忘れるから、忘れないように心と体というふうに 書くのではないかと、これは私の偏見ですが、そういった感じがあります。  健康といえば、それを包括した概念として受け取るのが当たり前であるというふうな 考え方はいかがでしょうかと思いました。  最近ははやり言葉のように心と体、心と体ですね。少しそういった感覚で、説明的に 心と体と入れる必要があるのか、やはり入れておいた方がいいのかというあたりを考え ていただけるとありがたいと思います。渡辺先生はいかがですか。  渡辺委員  恐らくこれから、このように日本が発信したものがインターナショナルに受け入れら れていくためには、今みんなが合意しようとしているシステムを考えてみるといいと 思ったのですが、子どもの心の障害の分類などでは、一つの全体像があって、次に生物 学的な分野と情緒的なものと社会的なものを、ばらばらにせずに三本柱にして、それぞ れが相互作用を起こしているというふうにとらえていくので、私は心身の健康というこ とで、個体の中で起きている生理的な問題と、情動やいろいろな心の問題のことが個体 の中でクリアできていて、そしてそこに人とのかかわりがあってというように、割とい い線にだんだんとなってきて、食べやすくなってきたといいますか、そのように私は考 えましたので、当たり前すぎるのですが、やはり体と心というふうに言ってみた方が、 みんなで確認したものとして、体と心の一つの健康の中にとすること自体が、市民の言 葉の中で健康といったときに、古い世代は体と言っていて、若い世代は心と体と言って いるけれども、そういうことをなくして、あえて心と体の健康ということで、個人が自 己管理しなくてはいけないものとして心と体があるというような感じに入っていった方 が普遍的かと思いました。  村田座長  そうすると大方の皆さんがおっしゃいましたように、心と体ということをここにつけ 加えておいた方がいいという御意見ですね。わかりました。ほかに御意見はございませ んか。  吉池委員  私も心と体というものを置いた方がいいと思っております。それは座長がおっしゃる ように健康の範囲を示すということだけではなくて、我々が食を論じているときには、 食べるということと心との関係、体との関係、やはりその三つがそれぞれにかかわり合 って、特に子どもの時期はいろいろなことが進んでいくというようなことを確認する意 味でも、あっていいのではというふうに思いました。  また、先ほど上原委員がおっしゃったことですが、「食の文化と環境」という様に、 間に「と」をつけられたことで思ったのですが、中黒で結ぶと若干違和感がありました が、「と」をつけると、文化と環境の相互の関係が見えてくるので、中黒にしたときの 違和感が少なくなり、それはそれでまとまったグループとしていいかなと感じました。  村田座長  それではここで一応の結論を出すとしますと、健康の部分は心と体の健康ということ で、これまでは言葉の並びになっていましたが、少しやわらかい表現になり、それに よって人とのかかわりという言葉も余り違和感がなくなってきて、食スキルは、のを間 に入れて食のスキルとして、食の文化と環境とすることによって、言葉の響きも違和感 がない上に、なおかつねらいをそれぞれ表現しているというようなことで一応の結論を 出しましていいでしょうか。一応の結論というよりも、今後はこれで検討会は進行して まいりますので、よろしくお願いいたします。  足立委員  そのようにかなり広い概念で並んでくるとすれば、食のスキルというふうに、のが間 に入ると少し意味が変わってくるので、ここは食習慣でもよろしくなるかと思います。  かなり広い概念になりまして、左側はどちらかというと子どもたちの個別のこと、右 側が取り巻く環境のこと、そしてそれをちょうど接合した部分に、広い概念としての子 どもの食の営み、食習慣があるとすれば、やはり食のスキルよりは食習慣の方がずっと 並びがよくなるかと思います。またひっくり返してしまってすみません。これで終わり にします。  村田座長  皆さんの御意見はいかがでしょうか。  佐藤委員  実は私の場合はもともと社会学へはファシズム論から入ったものですから、私の中に は国家権力に強いられた健康という感覚が抜きがたくあるわけでございます。実はそれ は厚生行政の日本のオリジンでございますけれども、そうではなく、戦後は民主主義の ための食教育をやるという形でずっとやってきたのですが、心と体という言葉に私がこ だわりたいのは、実は私は障害児の学校でもずっと教師をやっていましたけれども、身 体的なハンデを持った子どもたちは、健康な体に対する圧倒的なコンプレックスという ものを払拭しきれないわけでございまして、健康そのものを強調されていきますと、な かなか健康になりきれない子どもたちへの精神的な圧力というのは非常に強いわけで す。  そうしますと、これだけすばらしい先生方がお集まりになってつくられている委員会 でございますし、しかも皆様のヒューマニティーを表現しようとすると、やはり強いら れた健康ではなく、心と体をともに健やかに育てていくという意味において、体と心を 入れていくということに非常に大きな意味があるというふうに私は考えております。  また、足立先生が先ほど食習慣でいいのではないかとおっしゃったのですが、それも 理由づけとしては非常によろしいのだろうと思いますけれども、これまでの議論でまい りますと、座長さんとしては非常につらい思いがあるのかなというふうに思いました。  村田座長  いえいえ、別につらいことは何もありません。大変楽しくお話を聞かせていただいて おりますので、どうぞご心配なくいろいろとおっしゃってください。ただ、少し心配し ているのは時間の経過だけであります。  食のリズムの問題についても結論を出しておかなくてはいけないと思いますが、先ほ ど、リズムという言葉の持つ意味合いをどう考えるかということで、少し受け取り方が いろいろになってしまうので、もう少し表現を変えた方がいいのではないかという御意 見がありまして、習慣ということにしてはどうかというお話があったように理解してお りますが、この点はいかがでしょうか。  足立委員  生活のリズムとかなり接合している部分が多いとすれば、食事ではなくて食生活のリ ズムとするとよろしいのではないでしょうか。  村田座長  生活が入るということですね。それで皆さんはよろしいでしょうか。  それではまだ少しすっきりしていないのは食スキルですけれども、先ほどの一応の結 論としては、このままこの言葉を残してもいいのではないかということになっておりま すが、よろしいでしょうか。  それではそういうことで、再度申し上げますと、食事のリズムが持てる子どもにとい う部分を食生活のリズムが持てる子どもにということですね。  それから健康という考え方をもう少し明確にしていく必要が、我が国ではまだあるだ ろうということで、心身の健康ということでした。  あえて言いますけれども、心身にこだわると何か文化が低いような感じがして、健康 というと、もうそんなことは包括的ではないかなという気がしないではないのですが、 この部分は心と体の健康ということにしまして、人間関係の部分は人とのかかわりとい うこと、それから食スキルには、のは入るのでしょうか。  佐藤委員  のが入った方がより教育的ではないでしょうか。  村田座長  食のスキルですね。はい。それから食の文化と環境ということで、この問題は一応結 論をつけさせていただいてよろしいでしょうか。  渡辺委員  これは聞き流していただいても結構ですが、食生活のリズムということで随分と据わ りがよくなったのですけれども、同時に関連して食生活のスキルというのもいいかなと いう感想を持ったのですが。  村田座長  そうですね。しかし文字として、食習慣が持てるというのも変ですので、リズムを食 習慣に置きかえるということは、そのままでは言葉として流れていきませんね。食生活 のリズムと、食のスキルのニュアンスが少し合わないということですね。  足立委員  ここで議論しているときに、食事と食生活と食ということで、概念の広さからいえば 食が一番広く、そこに内包するような形で食生活があり、そして食事があるというふう にとらえてよろしいですか。  村田座長  私がそれに対して、はいとは言いかねるのですが、ニュアンスとしてはそういった感 じがしますね。そうすると、いっそのこと食のままがいいということですね。  足立委員  はい。スキルをどうしても使いたければその方がいいと思います。このように周りが かなり広い概念として確認された上で、真ん中が食のスキルでいいかということを発言 しているのですが、皆さんがよろしければ、もちろんそれで構いません。  村田座長  そうですね。また、もう一度原点へ返っていただきますと、議論をする基本として、 資料3に食スキルとは何かということや、人間関係とは何かということが挙げてありま すので、こういう考え方の中で動いているということを前提に置いていただいて、もし この前提に非常に問題があるということであれば考え方を変えていかなければいけない と思いますが、やはりある程度は資料3にありますような内容を踏まえませんと、議論 をしていけばしていくほど、ほかの分野のかかわりというのが非常に大きいということ が当然出てくると思います。  そうすると、例えば食のスキルを議論していて、それはもっと親子関係の方へいくの ではないかといったようなことは、食が持つ本質的な問題点で、当然のことだろうとい うふうに思います。  それでは今、まだ最終的に確認ができていないのが、食事のリズムが持てる子どもに という部分ですが、このままでいいのか、それとも変えるとすればどういう方向に変え たらいいのかということだけ、確認をお願いしたいと思います。  先ほどは食生活のリズムが持てる子どもに、というふうな御提案をいただいて、多く の委員の先生方から、それでいいのではないかというお話があったのですが、しかしい ろいろと考えていますと本当にいろいろな問題が出てきてしまうので、どこかで結論を 出さなくてはいけないのですが、いかがでしょうか。  上原委員  やはり食生活のリズムよりも、食事のリズムにすれば、外側の包括的な言葉と、真ん 中のだいだい色の五つとは別のものですよね。五つの視点をどこにとらえるかでいいわ けですよね。だから食事を味わって食べる子どもにとか、食べ物や健康のことを話題に する子どもにといったら、食事のリズムが持てる子どもでも別に同じではないですか。  村田座長  ほかの先生方の御意見もお伺いしたいのですが、特別に御意見がないようであれば、 また元に戻りまして、このままで次へ進めさせていただきたいと思います。  たびたび申し上げておりますように、食の問題は論じだしますといろいろなところに 大きく発展していって、しかもそこが重要だということになるのですが、基本的には資 料3にあるような内容で、健康の問題、人間関係と書いてありますけれども、人とのか かわりの問題、食のスキルといったところが考えられています。  ほかに御意見はございませんか。ないようであれば、いろいろと御意見をいただきま したが、本質的には表現として余り大きく変わることはなく、結論としては食事のリズ ムが持てる子どもにということで、そのまま進めようということですね。  それから健康の部分は、心と体の健康ということで、人間関係が人とのかかわり、そ れから食スキルは食のスキル、それから食の文化と環境という四つの項目にまとめさせ ていただきたいと思います。  また、御検討をいただきたいのは資料4でございますけれども、横の並びというのは 余り問題がないというような感じがしておりますけれども、横の並びを改めて縦の並び と並びかえてみたときに整合性があるのか、あるいは大きな落としがあるのか、あるい は問題が残っているのかということを少し御議論いただきたいというふうに思っていま す。  これはあらかじめお手元に資料を差し上げておりますので、御検討をいただいたかと 思いますが、この際、これでは少し問題があるということや、こういった点をつけ加え ておいた方がいいというような御意見はございますか。  足立委員  全体的なことですが、今議論があったように垣根がはっきりしていないわけですか ら、健康と人間関係の間の横の線は要らないのではないかと思います。矢印が全部でき ているわけですから、ちょうど健康と人間関係の間のところにある長い線はなくてもい いのではないかと思います。  どういうことかというと、全体としては食をめぐる連峰があるような感じで、大きな 峰があると考えるとすれば、そこにきちんとした間仕切りをするよりは、この線がない 方が今の話が、  村田座長  いろいろな問題があるのは事実であるけれども、それは考えようによると、またいろ いろなところにかかわり合いを持ってくるので、仮にこの一つ一つの線がこれでいいの かというふうに議論をし始めるとまた問題が生ずるので、いっそのこと線を外してし まった方が、いろいろなところに問題を移していくことができるのでいいのではないか というお考えですね。  足立委員  ポイントがそこにあることははっきりしているのですが、すそ野を出し合って広がっ ていますので、そうすると、わざわざ垣根をしない方が現実に合っているかなという意 味です。  実際にこれをいろいろな資料に使っていったりするときには、もちろん線を引いたり していいけれども、この委員会として御提案をするときには、間の垣根は要らないかと 思います。  村田座長  間の垣根は要りませんが、括弧は要りますね。  足立委員  資料3ではないのですか。  村田座長  資料3ではなくて資料4です。  足立委員  大変失礼いたしました。今私が発言したのは資料3についてです。  村田座長  そうですか。これは垣根という意味ではないのですが、先ほど来、たびたび申し上げ ておりますように、ここに挙げているような食にかかわる問題を論ずるとすれば、当然 いろいろなところに飛んでいくわけなので、議論をしていただく一つのよりどころとし て、こういったものを挙げたというふうに御理解をいただければいいかと思います。  資料4の方へ移っていただきたいと思うのですが、私は今資料4のつもりで聞いてお りましたが、考えようによると、資料4についても、どのように線を引くかということ は非常に難しい問題になってくることは事実だろうと思います。  ですから、御発言をいただいた資料は違っておりましたが、本質的にはこの資料4に つきましても、足立委員の御発言と同じような問題がありまして、括弧でくくっていく のか、またくくり方もいろいろ問題があるかというふうに思います。  渡辺委員  ねらいのいきいきの部分で、全体を見て少し不思議に思ったのですが、臨床現場で は、いきいきと食を楽しむということを一言で平たく言うと食欲です。食欲という言葉 は私たち臨床では物すごく大事で、赤ちゃんであっても、お年寄りであっても、病人で あっても、食欲が出てくると大丈夫だという感じになります。  食欲という言葉が使われなさすぎているという感じがしたので、少し皆様で御検討を いただければと思います。  御園委員  離乳期と幼児期の間に、自分で食べようとする意欲が持てるというふうに入れていた だいてあるのですが、食生活の基礎をつくるということがとても大事だと考えていま す。それは自立に向かう基本課題ではないか、自分の欲求というか、ですから今、先生 がおっしゃったように、ここには意欲と書いてあるのですが、これをつまり食欲という ふうなとらえ方で、乳児期ではこのことをとても大事にしています。  村田座長  今のことで御意見はございませんか。  確かに文章として、自分から食べようとする意欲が持てるというところを読みます と、食欲という言葉とは少し違ったニュアンスで伝わってくることも間違いないところ です。そういったところで、むしろこういう年齢層であれば、もう少し表現を変えた方 がいいかというようなことですね。  簡単に言いますと、食欲というのは非常に大事でありまして、子どもたちやあるいは 病気の方にとりましては食欲があるかないかということは重大で、生きることの本質的 な問題ですので、もう少し表現があったらどうかという御意見ですね。  吉池委員  食欲というのは具体的な行動としての食べようとする意欲、あるいは逆に満腹感と いったことのコントロールと考えられます。ここにも食事の適量ということが書いてあ るのですが、例えば肥満の領域ではそのあたりの背景はかなり生理学的に解明されて、 いわば空腹感や満腹感をどう感じることができるのか、それで食事をコントロールして いくという生理学的なバランスの乱れも今言われているわけですので、そういうものを この中で表現し得るかどうか、私には具体的なアイデアがありませんが、そういったこ とも要るのかなと思いました。  御園委員  食欲はすべての意欲につながるスタートだというようにとらえておりまして、ですか らおいしく食べられること、楽しく食べられること、待ち遠しいというようなことを、 乳児期に、子どもたちの中に力として持たせていけたらということを思っております。  渡辺委員  あえてここに食欲ということを言葉として出したのは、例えば資料2の目標とする子 どもの姿の、楽しく食べる子どもにという部分に、食事を味わって食べる、一緒に食べ たい人がいる、食べ物や健康のことを話題にする、というように五つありますが、これ らは拒食症の子どもたちは全部過剰にクリアできています。  例えば料理をすれば抜群に上手につくりますし、食の細かいところにもこだわります が、本当に食欲がないというか、自発的に内面から沸いてくる食欲ということを強調さ れた方がいいので、そういう意味で、形だけ食事を味わって食べるというような、あの 人たちは一口で30回くらいかみますし、食事をつくるということになるとカロリー計算 などもすごいのですが、食欲がない、楽しくない、自分から食べようとしないというと ころで、少し食欲というあたりが大事だというふうに思います。  対比して強調する意味で拒食症の例を出しました。  村田座長  わかりました。ほかに御意見はございませんか。そうしますと、この中で少しわかり やすく、かつ強調して加えるとすれば、食欲という問題を加えていこうということです ね。  それではどの部分に食欲を加えるかということを議論していただくには少し時間がな いのですが、今のように、例えば食欲が非常に落ちているとか、こういった問題が起き ているというような御指摘をいただきまして、これはまたあとの問題として、よりよい ものにしていきたいと思うのですが、ほかにこれはどうしても大事だというキーワード はございますか。  佐藤委員  資料1の目標とする子どもの姿の、楽しく食べる子どものところにも入っていなかっ たので、どこかでというふうに思っていたのですが、例えばフランスなどの幼児期で は、味の教育、味育ということを非常に大切にしています。某女子栄養大学では、学生 さんの1割しかホウレンソウの旬がわからないということがありますが、このように旬 も本物の味もわからないということ、そしてジャンクフードやサプリメントの中で味蕾 が形成されない、味がわからない子どもたちがどんどんできているという形になってお りますが、このことは非常に大きな問題だと僕は思っていますので、やはり幼児期から 小学校の低学年くらいまでに、きちんとした本物の味というものを十分に体験させる味 育というような部分を、旬菜旬消ということでありますけれども、そこをきちんとつけ てあげるということがどこかに必要ではないかと思っています。  そしてそのことが、逆に言いますと、ジャンクフードなどを自分でコントロールでき る体と心をつくり上げるだろうというふうに思っています。コーラのがぶ飲みやハンバ ーガーをだらだらと食うようないじましいものではなくて、きちんといいものを選択的 に食べていく。そしてそういった食生活、食習慣を形成していくことによって、私たち は消費者としての主権を確立するという流れがあると思っておりますので、そのことを 幼児期から学童期の部分にぜひとも入れていただきたいというふうに思います。僕はそ のことが自立の基本でもあると思っています。  上原委員  幼児期には五感を実感するというところがあるのですが、五感を体験するという言葉 にすれば、例えば味の場合も、体験でいろいろな味覚を知るということですので、そこ に含めて、もし味ということを前に出したいのであれば、味覚などの五感を体験する、 というように、幼児期というのは体験するということがとても大事な時期なので、あえ て書いておく必要はあると思っています。  佐藤委員  幼児期のお子さんを持っている親たちも、幼稚園や保育所なども、本当にいいものを きちんと与えるという、ある意味では義務を持っていると思います。  だからそういった教育的課題を、あなた方は責任を持って果たすのですよ、というこ とをやはり大きく表に出していただける方が、さすが厚生労働省というところがあるの ではないかというふうに思います。  足立委員  別件ですが、ねらいの最後の方に、それを支援する環境づくりを進めることと書いて ありますが、そのことに関連して、資料の4のところで、思春期あたりになれば、かな り積極的にそういう行動ができるというものが入っていいかと思います。  例えば、自分自身が食べることができるということだけではなくて、一緒に食べる人 が楽しく食べることができる、そういった場づくりができるというように、思春期あた りでティピカルになるのだと思いますけれども、そうした仲間づくり、環境づくりがで きるという言葉が、この横につながってくるとよろしいのでではないかと思います。よ ろしくお願いいたします。  村田座長  そろそろ時間も残り少なくなってまいりましたが、資料4は、検討課題メモの支援す る環境づくり、資料の2でいいますと、先ほどいろいろと御意見をいただいたのです が、資料4はこういったことと深く関係する項目でもありますので、支援する環境づく りというようなことも考えて御発言をいただければありがたいと思います。  佐藤委員  それでは1点だけ申し上げます。この資料4の真ん中の下の部分あたりの、体と食べ 物の関係に関心が持てるというフローチャートの右側の、食料の生産・流通云々という ところから、自分の体を大切にできるというところまでの一群のグループのところを、 食べ物や健康のことを話題にするというくくりになっておりますが、このくくり自体は 間違いではないと思っていますけれども、できればここに、括弧づけでもいいので、食 の背景・構造がわかるということが入った方がいいのではないかというふうに思いま す。  村田座長  構造といいますと。  佐藤委員  先ほども少しアグリビジネスの問題をいいましたし、フードビジネスということも言 いましたけれども、そういった現在の私たちのつくられた食の環境の中に、どういった 問題性があるかという、  村田座長  お伺いしたのは、足立委員がおっしゃったように、食というのは非常に広い意味を 持っているものですから、構造といった場合に、皆さんが頭でイメージされることはい ろいろあるのではないかということですが。  佐藤委員  それではもっと平たく、食を支える基盤がわかるとか、要するに生産・流通サイドの ことをちゃんと考えましょうということであります。  上原委員  それは食生活や健康に関連した情報を得て、理解して利用できるというところがそれ に値するのだと思います。その上のプロセスもそうなのですが、イコールではないかと 思いますが。  佐藤委員  グルーピングとしてはそのようになっていますが、しかしその中に押し込むのではな く、実はこういったことですということを、括弧づけでもいいから、楽しく食べる子ど もの一番下の部分に入った方が内容的にははっきりするというふうに私は考えていま す。  目の前の食べ物だけを考えていれば別に問題はないでしょうけれども、食という行動 自体が極めて社会的、歴史的な問題性から発展しているということを考えると、括弧づ けでもいいので入った方がよろしいというふうに考えています。  上原委員  そうなれば、家庭という環境も同じだと思います。社会で活動するときと、家庭でも 何か教えなくてはいけないものが出てくるので、本当に入れなくてはいけないものとい うのは環境の部分では多いと思うのですけれども、それを入れていくとなると、この表 の中では少し難しいかとは思いますが、それは私の意見です。  それから先ほどの線引きのことですが、これはあった方がわかりやすいと思います。  村田座長  そうですか。少し思いましたのは、この線引きをじっくり考えていただきたいのです が、これを議論し始めて、この線引きでいいのかということに話がいってしまうと少し 論点がずれるかということを思ったものですから、大きなくくりとしてこれがあるとい うことで、大きなくくりというのは、括弧で右側にくくってあるように、こういったも のが本当に線を引いていることだけでいいのかどうかということですが、しかしこの線 を全部探ればみんなつながっていることになるので、漏れはないということにもなって くるわけですけれども。  渡辺委員  佐藤先生は、食べ物や健康のことを話題にする、のところに、括弧で食の背景や構造 を入れるということをおっしゃったのですけれども、私も似たような観点から、食べ物 や健康のことを話題にするというレベルではなく、食べ物や食生活や健康に主体的にか かわるというふうに、つまり受け手としての幼児期から、だんだん責任を持って自分、 家族、そして社会の食をよく考えて、主体的にかかわるというふうにしていっていただ くと、成長、発達につながってくるかと思います  村田座長  そうしますと、先ほどの佐藤委員の御意見を聞いておりまして、この左側の部分にく くるということは難しいのではないかということを上原委員がおっしゃいましたけれど も、食の生産・流通から、食卓までのプロセスということをくくって、どこへ持って行 くかということは大変難しいと思うのですが、渡辺委員がおっしゃったように、食べ物 や健康のことを話題にするという部分を、食べ物や健康について主体的に参加すると か、主体的にかかわるというふうにすれば、その問題がほとんど解決しますね。  足立委員  先ほど私が発言したのはそれと同じことで、自分のことだけではなく、場づくり、環 境づくりに視野を広げていけるのが思春期の課題じゃないかと発言したのです。よろし くお願いします。  村田座長  すみませんでした。実は非常に大事な問題があり、検討課題メモの4を見ていただく といいと思うのですが、本来はこれを十分議論しなくてはいけないのですけれども、私 の進行の不手際もありまして、残り時間がかなり少なくなってしまいました。  発育・発達の特徴に応じて子ども自身の食べる力をはぐくむために、どの時期にだれ がどのような支援を行う必要があるのかということは、資料2の支援する環境づくりの 部分を見ていただくとわかるかと思うのですが、ここに御出席の委員の先生方のいろい ろな立場といったものが、逆に言えばこれを示しているということにもなるわけですけ れども、どの時期という点について、当然のことですけれども資料3にありますよう に、あるいは先ほど議論をいただきました資料4にありますように、子どもの発育・発 達の時期というのはそれなりの区分というものができておりますが、これから具体的に 支援方策を考えていく上で、どの時期にだれがどのような支援を行ったらいいのかとい うことを御発言いただければありがたいと思います。どなたかございますか。  足立委員  それを議論するために、資料2の緑色のところに、いうなれば支援の拠点が挙げてあ ります。その場所を少し整理するとわかりやすくなるかと思います。  あえて言うならば、中ほどに家庭、そのそばに保育所、幼稚園というふうに、生活の 拠点を真ん中に持ってきて、右半分はちょうどフードシステムに関係することが挙がっ ていますので、そうしたものを寄せてきて、マスメディアのようなものは情報のシステ ムになりますので、逆に左の方にでも寄せて、ですから中ほどを生活の拠点に近いもの にするという形で、  村田座長  その場合に、一般的な配置ということから考えますと、右が比較的重要で、左に並べ ていくという考えと、何かを中心に置いて、放射状に並べていくという相互関係と重要 性ということがあると思いますが、そういう観点からしますとマスメディアは左へ来る のですか。  足立委員  いえ、健康日本21の栄養食生活分野の図が、既に全国的にかなり浸透しているので、 それと矛盾しない方がわかりやすいかということで、右半分がフードシステムで、左側 が情報のシステムになっていると思いますので、どちらでもいいのですけれども、それ に矛盾しないように整理するとわかりやすくなるということです。  そして縦軸の方は発達段階で、どちらかといえば生まれてすぐが上の方で、だんだん 大きくなると関係するものを下の方に置くとわかりやすいかと思いました。場所の問題 です。  村田座長  場所の問題を整理することによって、子どもたちがかかわりを持つ発育の時期と結び つけることができるという御意見ですね。ほかに何かございませんか。  上原委員  資料3の食環境の発達段階の流れでかかわる部分というのが表にできるので、資料2 の方は、まず子どもたちには家庭がありますので、家庭が一つの大きな要素になりま す。家庭は支援する環境づくりの真ん中にでも置いていただいて、どうしても制限され る保育園、幼稚園、学校というのは活動する範囲ですので、活動するところは一つのく くりにまとめて、あとは社会的環境として一つのくくりとして、とにかく子どもたちに 支援する環境づくり、  村田座長  社会環境としては、保健所、保健センター、それからスーパーマーケット等も一くく りですか。  上原委員  一くくりというか、その一くくりの中でも順番的には分類は必要かもしれませんけれ ども、発達段階に応じてというのは、まとめ方としては資料3でもわかるかとは思いま す。  村田座長  ボランティアやNPO等というものもここに出ておりますが、こういった位置づけは どのようにお考えでしょうか。  上原委員  私は学校にいますが、やはり学校教育の中にもボランティアやNPOがかかわってく るということはあるわけですので、学校や保育園といった一つの円があるのであれば、 その周りに配置する。かかわりやすいということでは、子どもたちはスーパーマーケッ トに行って社会勉強しますので、スーパーマーケットもそうかもしれないですけれど も、食料生産も学校でかかわっていくということはありますが、やはり家庭というのは 少し別のような気がします。  村田座長  足立委員も上原委員もおっしゃっている内容は同じではないか、どういうくくりをす るかということで、くくりをすることによって発育・発達とのかかわりがかなり明確に なってくるのではないかという御意見だと思います。  くくりがはっきりすれば、だれがという点も比較的明確になってくるということです ね。そうしますと、ここに支援する環境づくりとありますが、言ってみれば子どもが生 活する場に食がどうかかわるかということを考えればいいのではないかというふうには 思うのですが、家庭というのは一番大事なところで、それを今のお話のように並べて いった方がいいのか、それとも家庭というものを円の中心に置いて、周りに並べた方が いいのか、環境づくりの構造といいますか、それはどのようにお考えでしょうか。  佐藤委員  先ほど足立先生がおっしゃったのは、資料2の下の支援する環境づくりの薄緑の部分 を前提にした書き方でいくと、家庭を真ん中にして左と右に分けるという考え方でした ので、つまりこの資料2のように、ペーパー1枚の中に支援する環境づくりというもの を落とし込もうとすればそれは合理的だろうと思います。  一方で上原委員がおっしゃったような、いわば同心円的拡大の部分で重ね合わせてい くとすれば、これはまた別のペーパーとして、資料2の2といったような感じでつくら ないと、うまく整理することは難しいのではないかというふうに思いますが、いかがで しょうか。  村田座長  これは皆様に御検討いただくのに便利なようにまとめているわけですので、これは非 常に大事な項目ですから、当然支援するところが独立して資料の5というような形でで き上がっても一向に差し支えないものだというふうに思っています。  上原委員  よく誤解されて、子どもが学校へ行けば、学校教育で食について全部教えられるとい うように思われるのですが、やはり家庭が中心になりますので、家庭に対するマスメ ディアだとか食料生産関係者のアプローチだとか、それからスーパーマーケットやコン ビニももちろんそうです。保健所も保健センターもボランティアもNPOも全部家庭に 対するアプローチということが大事なことだと思います。  子どもに直接話ができる食料生産者の方もいらっしゃいますけれども、その分け方を 間違えないように、例えば子どもへ直接アプローチできる環境と、家庭がもちろん大事 ですので、家庭への環境という側面があると思います。  村田座長  家庭の構造ということも考えなくてはいけないと思いますが、その点については御園 委員に、それから加藤委員、星委員にも、家庭というものを頭に置いての御意見をいた だきたいと思います。  御園委員  保育園の立場から申し上げますと、第一義的には子育ての責任は、保護者にあること が基本ですが家庭というものは機能していないというように現場では感じます。今、私 たちが一番やらなくてはいけないのは、家族一人一人の子育て支援です。 多様な家庭形態を尊重した子育て支援が求められています。  そこをどうするかということであれば、保育園では家族全員を丸ごと受けとめた支援 策を実施することが大切と思います。  村田座長  加藤委員はいかがですか。  加藤委員  家庭が子どもを取り巻く環境として機能していないけれども、それでもいるところは 家庭であるということは現実であって、したがって家庭の機能を補っていくさまざまな 社会資源が問題になっているわけだと思うので、支援のつくりとしてイメージいたしま すのは、子どもがいて、家庭があって、家庭の周りに家庭をサポートし得る資源があっ て、また家庭の周りに、子どもがいる場所としての保育所や学校や児童館という居場所 としての物理的なものを並べていくという整理の仕方、あるいはもう一つ加味すべき点 としては、例えば塾ですとか、放課後に遊んでいる公園ですとか、いいとは言えません がゲームセンターですとか、そのように子どもが時間を過ごすことが多い場所を、食育 にどのようにサポーティブにかかわらせられるかという視点ですが、これをどのように していけばいいかということははっきりしていませんが、加味したらいいのではないか と感じます。  そういったことも含めて、家庭と子どもがいる場所、そして家庭をサポートしていく さまざまな社会資源というような形で並べていけばいかがかというふうに考えていま す。  村田座長  星委員はいかがでしょうか。  星委員  育児は食事からと言っていいくらいに、やはり今のお母さんたちは食事の大切さとい うことがわかっていないのではないかと思います。これはかなり我々がかみ砕いて家庭 に流していかないと、本当に大変ことになるという気がします。  また、これからいろいろとコピーを詰めていくと思いますが、やはり考え方をできる だけシンプルに絞っていって、それをストレートに家庭に流し込んでいくという方法を 考えなくてはいけないのではないかと思います。  村田座長  足立委員、どうぞ。  足立委員  子どもの置かれた状況や課題によって、ネットワークの組み方がいろいろと違ってき ます。ですから、必要な情報というのは、その地域にどんな支援ができる拠点がある か、人がいるか、社会資源があるかということであって、それを選びやすいような並べ 方をしておいて、実際に問題解決をしていくときには、それに合わせてうまく積み上げ ながらネットワークをつくっていけるというような図や資料があることが必要だと思い ます。そういったことで、先ほど申し上げたのは、論理性があって並べてあればわかり やすいかということでした。  医療施設や各種教育施設や生涯学習の施設では今は世代の枠を外していますし、もう 少し支援できるネットワークの拠点としての吟味ということはもう一度具体的にしてい ただく方がいいかと思いました。  また、支援する環境づくりですが、支援するは要らないのではないでしょうか。環境 づくりでいいのではないかと思います。  繰り返し申し上げておりますように、大人が環境づくりをして、それを子どもたちが 受けるのではなく、子どもも環境づくりの一端を担っていくということを強調してきて いるわけですから、支援するという言葉は要らないのかなと思いました。  村田座長  おっしゃるように、今回の検討会の子どもの食をはぐくむ視点でもっとも重要なこと は、子ども自身が、現時点から将来にわたって健康的な生活を送る基盤として、食に関 するいろいろな力なり技能なりをつけていくというように、子ども自身が主体ですの で、常に支援、支援というのはどうかということは確かにおっしゃるとおりではあると 思いますけれども、このあたりも少し難しいところで、それでは具体的にどうするのか ということを考えたときに、表現としてはこういった表現も出てくるのかなと思ったり しておりますが、今の御発言について御意見はございますか。  上原委員  私はやはり支援は要ると思います。子どもたちが自分で食事をつくるような力をはぐ くんでいる過程のことであれば、やはり周りは環境を整えていく支援をしていくという ことを言葉として位置づけないと、環境づくりは整えましたから、あとは子どもが自分 でやりなさいというようなことではないような気がします。  それから先ほど足立委員がおっしゃったように、保健センターで市町村のすべての地 域保健というか、そういうものをあらわせるかということがわからないのですが、そう いうものはどこに位置づけされるか検討していただきたいと思います。  村田座長  保健所と保健センターというのは、言ってみれば、かつてやっておりましたいろいろ な行政的なものが保健所なのですが、地域として、今はもう母子保健の多くも地域保健 になって、保健センターという名前の中で地域保健が行われているのが現状だと思いま す。保健所と保健センターが一緒になっているようなところもありますし、私が承知し ている段階では、施設としてはそうなのですが、これは母子保健課の方に聞いた方が早 いと思います。  保健所の業務と保健センターの業務があって、保健所の業務が、かつては大部分の母 子保健関係のことをやっていたわけですが、地域保健が今は保健センターに移って、地 域保健として、ほとんどの部分で実務的なものにかかわりを持っているという施設の総 合的な名称だというふうに理解してよろしいのでしょうか。  上原委員  いえ、それはわかっているのですが、地域保健というものをすべて市町村で行うこと を代表で保健センターと言っているのか、私は保健センターだけではなく、市町村自体 が子どもの食ということを全体で考えなくてはいけない、どの部局も考えなくてはいけ ない、市町村が考えるべきだ、要するに地域が考えるべきだという表現ができないかと いうふうに思っています。  村田座長  そうしますと、ここに挙がっている児童館というのがそれに近いものではないかとい う気がするのですが、そのほかにこれは厚生労働省に聞かなくてはいけないのですが、 ボランティア的活動は別としまして、子どもにかかわる組織としてはそのほかにあるの でしょうか。  谷口母子保健課長  基本的には保育所なども、もちろんその範疇には入ります。  村田座長  しかし保育所は挙がっておりますね。  谷口母子保健課長  挙がっているもの以外でということですか。  村田座長  はい。今おっしゃったような、ここに挙がっている以外にも子どもたちを扱うような 地域の何かがあるのではないだろうかという御意見について伺いました。  谷口母子保健課長  足立先生もおっしゃいましたように、我々の範疇でいえば、保健、医療、福祉という 三本柱がございますので、保健では保健所や市町村保健センター、医療では病院や診療 所、福祉ではもちろん保育所や児童館といったものが包含されてくるということです。  村田座長  組織としてはここに挙がっているものが中心になるわけですね。わかりました。吉池 委員、どうぞ。  吉池委員  今のことにもかかわるのですが、足立委員がおっしゃったように、場所やコミュニ ティーによって利用可能な拠点やリソースが違ってきて、それをどう具体的に活用する かということも議論になってくるかと思います。そうしますと、もう既に施策として展 開している「健やか親子21」といったものとのかかわりで、どういう視点で論ずればい いのかということを、もう少し事務局の方から教えていただく必要があるのかなと思い ますけれども、そのあたりはいかがでしょうか。  村田座長  健やか親子21との関係とはどうだろうかということですけれども。  河野専門官  確かに施策としてどうかという部分につきましては、きょうの資料の整理としては出 しておりません。それは必ずしも厚生労働省だけではなく、文部科学省、農林水産省、 それぞれの施策がありますので、それを位置づけていく必要があるというふうに考えて おります。それは次回以降整理をいたしたいと思います。  きょうの課題としては、むしろ各場でどのような支援内容があるかということで、現 場のツールや調査研究で行われているようなツールといったものをお出しいただける と、もっと具体的になるかと思います。  いわゆる施策というのはあくまでも総論的な部分もございますので、そういった意味 で、きょうはお時間が足りない部分もございますので、次回以降の間に、そのようなヒ ントを具体的なツールや方法も含めて御提示いただけると、全体的な施策の部分と、各 個別で何をするかという部分が整理できてくると思いますので、その点についても御配 慮をいただけたらと思います。  村田座長  そうですね。どういった場面でどういったことをするかということのある程度のまと まりができれば、皆さんはいろいろと御経験があるので、今御発言がありましたような ことに関しては、かなり具体的な支援策が出てくるのではないかと思っています。  また、私が理解します限り、健やか親子21というのは少し特化された問題を扱ってお りまして、こちらで議論している問題ももちろん大事なことですけれども、こちらで検 討していることは、健やか親子21という施策を頭に入れてもかなり重要なことではない かと理解をしています。  谷口母子保健課長  ざっくばらんに申しますと、栄養と歯科保健の部分については健康日本21で包括して 行うという整理をされたものですから、健やか親子21にはスタートの段階からその部分 は余り入り込んでいないのですが、御案内のとおり健やか親子21は10年計画で、途中で 見直しをするということになっておりますので、その段階で、少なくとも後半の部分に は、まだ入っていない、このような食の問題などについて入れ込んでいこうというふう に計画を練っている段階でございまして、その部分について、こういった議論の成果を 盛り込んでいきたいというのが今の感覚でございます。  少し余計なことを申しますけれども、施策の中でこれからこの議論を反映する一つの 大きな方向性といたしまして、今国会で次世代育成支援対策推進法という法律が成立し ました。  これは市町村や都道府県、あるいは事業所などにおいて、どのように子育て世代を支 援していくかということの具体的な行動計画をつくるということになっておりまして、 市町村や都道府県はこれをつくらなくてはいけません。  その中にも、食という部分をこれからどのようにしていくかということは書き込んで もらおうというふうに我々も支持しておりますので、その意味では議論の成果をそう いったところに生かしていくということを整理いたしまして、次回に出させていただき たいと考えております。  村田座長  時間が既に過ぎておりますので、このあたりで締めくくらなくてはいけないのです が、資料2につきましての議論は基本をなす考え方ですので、非常に重要でありまし て、これに少し時間を取られました。  しかし表現としては大体同じようなところに戻ってきたのですが、中身は随分と深ま って、なおかつ皆さんのコンセンサスが得られたのではないかというふうに思っており ます。  きょうは検討課題メモの4を十分に議論しなくてはいけなかったのですが、これは今 申し上げたような事情で時間がなくなってしまいましたが、私としては先ほど足立委員 や上原委員からお話がございましたように、子どもが生活する場をどのようにくくるか ということができ上がれば、これに対する実効性のある方法については、おのずと話が まとまってくるのではないかと考えています。  司会の不手際で、きょうは十分な議論ができなかったのですけれども、次の検討会ま でに少し時間をいただきまして、きょう取り残している問題その他を十分に御審議いた だきまして、いろいろな意見を事務局の方に上げていただいて、きょうは大変重要では ありましたが、お配りした資料等から考えますと、きょう資料2で検討したことにもう 少し時間を倹約することができたのではないかという気もしておりますので、そのあた りを次回までに十分御議論をいただいて煮詰めておきますと、かなり成果のある結果が 次回の検討会で出るかと思っております。  きょうは大変時間をむだに使った部分がございまして失礼をいたしましたが、今申し 上げたような点をお含みいただきまして、次回によろしくお願いします。  それでは事務局の方から、今後の予定や進行についての御連絡をいただきたいと思い ます。  河野専門官  次回の開催につきましては、少し間隔があくのですが、先生方の日程を調整した結 果、10月28日火曜日の2時から4時ということで予定をしております。場所等の正式な 御案内につきましては、これからお出ししますのでよろしくお願いいたします。  また、座長の方からも今お話がございましたが、前回は渡辺先生から、思春期やせの 早期発見のための、成長曲線を用いた資料の提供をいただいている部分もあるのです が、ぜひそのような具体的なツールにつきましては、こちらの方に資料を送っていただ いた方が、検討のときに実際に物を見ながら議論ができるということにもなると思いま すので、お手数ですが、ぜひ9月中くらいまでをめどにして、そういった資料等がござ いましたらお送りいただきたく、あわせてよろしくお願いいたします。  村田座長  10月28の2時からですね。いろいろ皆様お忙しいので、事務局としても大変に苦労を されているようですが、なかなか全員の御出席をいただける日がなくて申しわけありま せん。  最後に特に言い残したことや、言っておかなければいけないということはございます か。特別にないようであれば、5分ほど時間を過ぎてしまって大変申しわけありません でしたが、これで第3回の検討会を終わらせていただきます。                    照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課                         03−5253−1111(代)                             河野(内線:7934)                            佐久間(内線:7936)