03/09/02 薬事・食品衛生審議会生物由来技術部会 平成15年9月2日議事録        薬事・食品衛生審議会 生物由来技術部会 議事録 1.日時及び場所   平成15年9月2日(火) 10:00〜   厚生労働省専用第21会議室 2.出席委員(10名)五十音順   小 澤 敬 也、 甲 斐 知恵子、○堺   春 美、 澤 田 純 一、   土 屋 利 江、 西 島 正 弘、◎早 川 堯 夫、 星   北 斗、   山 口 成 夫、 山 口 照 英   (注) ◎部会長  ○部会長代理   欠席委員(4名)五十音順   入 村 達 郎、 珠 玖   洋、 島 田   隆、 清 水 慶 彦 3.行政機関出席者   鶴 田 康 則(大臣官房審議官)、   岸 田 修 一(審査管理課長)、   北 條 泰 輔(医療機器審査管理室長)、   豊 島   聰(医薬品医療機器審査センター長)  他 4.備  考   本部会は、企業の知的財産の観点等から非公開で開催された。 ○事務局 先生方、おそろいいただいたようですので、ただいまから薬事・食品衛生審 議会生物由来技術部会を開催させていただきたいと思います。  当部会は従来「薬事バイオテクノロジー部会」という名前でありましたけれども、6 月26日に開催された薬事分科会において薬事分科会規程の一部改正が行われまして、当 部会の名称等が変更されております。これについては本日の議題の「4.その他」のとこ ろで後ほど御説明させていただきたいと思います。  まず議事に入ります前に、8月29日付けで事務局に異動がございまして、審査管理課 長が交代しておりますので、御紹介させていただきたいと思います。 ○審査管理課長 今御紹介にあずかりました岸田と申します。8月29日に前任の安倍に 替わりまして、審査管理課長になったわけでございます。私の前職は医薬品機構という ところで、治験指導という形でこの審議会とも密接な仕事をやってまいりましたけれど も、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは本日の議題に入ります前に、まず部会の委員は14名いらっしゃるわけです が、そのうち4名の方が御欠席で、10名の方に御出席いただいておりますので、定足数 に達していることを御報告申し上げます。先生方にはお忙しい中当部会に御出席賜りま して、御礼申し上げたいと思います。本日の議題は審議事項が二つ、報告事項が三つ、 その他が二つとなっておりますので、よろしくお願いいたします。それでは以後の進行 については、早川部会長にお願いしたいと思います。 ○早川部会長 それでは議事進行に入りたいと思います。委員の先生方におかれまして は、御多用中のところ当部会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。  それではまず資料の確認をしたいと思いますので、事務局の方からお願いいたします。 ○事務局 それでは机の上に御用意させていただきました本日の議事次第に、資料番号 が併せて付されております。それから「配付資料一覧」もお配りさせていただいており ますので、それに従って確認させていただきたいと思います。本日の資料といたしまし ては、事前に先生方に資料1-1〜1-4、それから資料2〜5、参考資料1〜2を送付させ ていただいております。お手元に「配付資料一覧」というA4の一枚紙があるかと思い ますけれども、そこで資料番号に網掛けがされているものが事前に送付させていただい た資料でございます。なお、この事前送付資料のうち資料1-3、1-4には右肩のところに 「厳重管理」の判が押してございませんが、こちらの手落ちで押し忘れたものでござい まして、他の資料と同様厳重管理の取扱いでお願いしたいと思います。  それから当日配付資料といたしまして、お手元に配付資料一覧、議事次第、座席表、 部会委員名簿、資料1-5、1-6、1-7。資料1-7というのは事前送付資料1-1のうちの追 加資料の部分の差し替えでございます。それから資料5'、「ヒト又は動物由来成分を原 料として製造される医薬品等の品質及び安全性確保について(SARS関連)」をお配り させていただいております。これは事前に送付しました資料5の差し替えでございます。 あと当日配付資料といたしましては、資料6-1、6-2、資料7を御用意させていただいて おります。以上でございますが、もしお手元に足りない資料がございましたら、事務局 までお知らせいただきたいと思います。 ○早川部会長 資料の方はよろしゅうございますか。それでは審議に入ります前に、薬 事分科会規程の一部改正が行われまして、先ほど御報告があったとおり当部会の名称等 が変更になりました。まず最初にその件について、事務局から御説明していただきたい と思います。本日の議事ではその他の事項となっておりますけれども、2件続けて事務 局の方から御説明をお願いいたします。 ○事務局 引き続きまして、当日配付資料の資料6-1、6-2、資料7でございますけれど も、薬事分科会規程の一部改正等について御説明申し上げます。  冒頭御紹介がございましたように、当部会については薬事分科会規程の名称変更等を いたしまして、「生物由来技術部会」という形で本日から発足するわけでございます。 その前提になるお話といたしまして、昨年7月31日に改正された改正薬事法に伴い、本 年7月30日から施行された生物由来製品に関する制度という部分がございまして、この 制度の改正によって薬事分科会規程等も一部改正させていただいたということでござい ます。  初めに、資料7の「生物由来製品に関する制度の概要」から御説明させていただきた いと思います。この資料7の中身については、昨年7月31日に改正された薬事法の内容 と、それに伴い措置された事項を中心に書かせていただいております。まず、「生物由 来製品に関する制度の創設について」でございます。当部会でも以前御紹介させていた だいたかと思いますけれども、ヒト又は動物の細胞、組織等に由来する原材料を用いて 製造される生物由来製品の感染症伝播のリスクを考慮いたしまして、原材料採取、製造 から市販後に至る一貫した安全確保体制を導入するといった目的で薬事法改正がされた わけでございます。  その中での「生物由来製品に関する制度の主な内容」ということで、1ページの(1) から御紹介させていただきますが、これだけの内容の新しい規制事項が出てきているわ けでございます。ちょっと全体像ということで1枚おめくりいただきまして、3ページ を御覧いただいた方が恐らく分かりやすいかと思いますが、3ページに図が書いてござ います。今回の薬事法改正における生物由来製品という部分においては、薬事法上生物 由来製品と特定生物由来製品がございます。このうち特定生物由来製品というのは、生 物に由来する原材料を使って製造するものの中でも感染症伝播のリスクについて特段の 配慮が必要なものということで、主にヒトの血液や組織に由来する原材料を使用した製 品ということで、全体の生物由来製品の枠の中に、卵の黄身のような形で少し黒く書い ているところでございます。それ以外の部分が主に動物に由来する原材料を用いた製品 ということで、生物由来製品という概念になっております。この生物由来製品、特定生 物由来製品については、また1ページに戻らせていただきますが、これまで薬事・食品 衛生審議会の中では生物由来製品臨時部会という臨時の部会を昨年9月から創設いたし まして、この改正薬事法準備のための審議をお願いしてきたわけでございます。その中 で製品の感染症のリスクに着目いたしまして、一定の感染症伝播のリスクがあるものか ら、生物由来製品約700製品、特定生物由来製品約280製品を薬事・食品衛生審議会か ら御答申を頂き指定をして、本年5月20日に公表させていただいたという格好になって おります。  この全体の制度の中においては、まず指定で物を特定いたしまして、また3ページに 戻らせていただきますが、この下の方に特定生物由来製品に係るということで例示をし てございますけれども、製造段階、市販後段階に至る様々な規制を生物由来製品、特定 生物由来製品に対して従来の医薬品に加えて上乗せ的にかけていくという形の制度にな っております。製造工程においては、動物、ヒトからの原材料を使用する際の適切なド ナーの選択基準など、原材料の安全確保といった部分。また、製造段階から市販段階に おいては、適切な表示や感染症に関する定期的な報告、使用者に対する説明、トレーサ ビリティーを確保するための使用記録の保管等々、製造業者、販売業者のみならず、医 療機関、薬局の関係者の方にも、全体に一貫した安全確保体制を整備するように御協力 いただくというシステムになってございます。  その中で指定をされた製品について、1ページに戻らせていただきますが、「(2)生 物由来原料基準」というところで、まず原材料段階の部分で生物由来原材料を用いるす べての医薬品等に対する品質・安全性確保の観点から適格性の基準を定めてございます。 こちらも先ほどの生物由来製品臨時部会において御審議いただき、5月20日に告示、7 月30日から実際に適用させていただいております。それは原料段階の基準でございます けれども、その先のトレーサビリティーや情報という部分においては、(3)に書いてご ざいますように、特に血液製剤等の特定生物由来製品については、例えばプリオン型の 疾病といった長期間のものも考慮いたしまして、医療機関においては使用記録として20 年間、製薬企業においては30年間という長期の記録の保管もお願いしている形になって おります。  それからトレーサビリティーという部分もそうでございますけれども、実際にどうい った製品が医療機関等で使われていて、それが生物由来製品、特定生物由来製品に指定 されたものであるかといったところがやはり一つのポイントになってくるわけでござい ます。こういうものをできるだけ分かりやすくというところもございまして、「(4)表 示」という点で申し上げますと、5ページを御覧いただければと思います。ここでは医 薬品の事例を出してございますが、法的には医薬品も医療用具も同じように、それぞれ 法律に基づきまして、製品の直接の容器包装に「生物」又は「特生物」という形での表 示をさせていただくと。これは法律事項でございますので、必ずこういうことが記載さ れるわけでございますけれども、これとトレーサビリティーの観点からの製造番号・記 号といった部分も明記されるわけでございますが、そういう形での表示が義務付けられ たということがございます。特に血液製剤におきましては、この中でも採血国、献血、 非献血といった表示も新たに設けさせていただいておりまして、これは国会審議の中で の附帯決議に基づきそのような対応をしているわけでございます。そういう形で生物由 来製品、特定生物由来製品についての表示が新たに施行されているというわけでござい ます。  1ページに戻りまして(5)でございますが、これに伴い添付文書の事項の記載要領等 も変更いたしまして、生物由来製品の特性に関してユーザーの方にも注意を促すための 事項の記載を新たに設けさせていただいております。例えば、厚い資料で恐縮でござい ますけれども、添付文書の記載要領がこの資料の39ページから付いてございますが、特 に48ページを御覧いただきますと、特定生物由来製品に関する添付文書等の記載例が書 いてございます。まずその添付文書の冒頭に、感染症伝播のリスクに関する注意書きを 書くことが義務付けられたということでございます。この事例では、本剤は有効成分と してヒト血液由来成分を含有しており…とございますが、その一定の処理をしているけ れども、感染症伝播によるリスクを完全には否定できないと、疾病の治療上の必要性を 十分に検討の上使用することといった表示がここに記載されております。それと49ペー ジの方でございますが、併せて実際の生物由来製品、特定生物由来製品の中に使われて いる生物由来原料はどういうものかということをこの添付文書の中で一応すべて表示を していただくと。そういう形での透明性を担保するような表示のルールというものも、 生物由来製品の規制の中で新たに導入させていただいているということでございます。 特に特定生物由来製品については、薬事法にございますように使用者、患者さん等に対 して一定の説明と理解を得るという点もございますので、この辺の添付文書における記 載については、特定生物由来製品の感染症リスクについて少し細かく書かせていただい ているような格好になっているものでございます。  また冒頭2ページの(6)でございますけれども、こういう表示や添付文書、記録の保 管、トレーサビリティーと並びまして、感染症定期報告制度を新たに導入させていただ きました。これは製造業者とメーカーの方々に対して義務付けを行っているものでござ いますが、生物由来製品、又はその材料、原料等で感染症に関する新しい知見が得られ た場合には、大体年2回のサイクルで最新の論文等に基づき得られた知見の評価を行っ て厚生労働大臣に報告していただくということを、併せて義務付けさせていただいてお ります。それからちょっと申し上げてしまいましたが、(7)の特定生物由来製品の適正 な使用という部分での説明と使用対象者への説明という部分、それから遡及調査を可能 にするための記録の保管といった部分を新たに義務付けてございます。  こういうことでこれまでも薬事・食品衛生審議会生物由来製品臨時部会等で御審議い ただきまして、いろいろな規制の骨格について専門的な御立場からも御議論いただいた 上で、5月15日と20日に一通りの制度の告示、行政指導の通知等を出させていただい ております。ということで、薬事法における生物由来製品の製造工程から使用段階にお けるまでという形で、一貫した新しい安全対策を実施していくことになったわけでござ います。こういう制度を新しく導入するということで、なかなか理解が得られないとい けないということもございまして、6ページにございますけれども、この制度の施行に 当たってはこの5月に告示等の様々な行政文書を出すときに、各医療機関等に対しても こういう新しい制度を周知するような形のポスターを行政の方から配らせていただいた ということでございます。  これが生物由来製品に関する制度の概要でございますが、当部会とのかかわりという ことで申し上げますと、資料6-1に戻ってまいりますけれども、「薬事分科会規程の一 部改正について」というところでございます。今般7月の改正薬事法の施行に当たりま して、生物由来製品に関する指定と原料基準の制定等に関する部会の所掌を薬事分科会 の方で御審議いただいたわけでございます。改正薬事法の中でも指定と基準の部分が、 厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会に意見を聴いて定めるという規定になってござい まして、今後この二点について諮問、答申という手続で議論が進められるような形にな ってまいります。  そのうち一点目の生物由来製品の指定に関する部分、実際にそれを生物由来製品、特 定生物由来製品にするかどうかの決定でございますけれども、そこについては従来から 個別の製品の承認に関する審議を行っていただいている、ここに書いておりますような 部会において、承認時に御対応いただくという形になってございます。  それと二点目の生物由来原料基準でございますけれども、これらの基準については部 会横断的な製品群に対して共通の生物由来原料に対する基準の作成を行うということか ら、従前の薬事バイオテクノロジー部会の所掌とすることとなっております。ただし、 先ほどの資料7の14ページからございますように、この原料基準自体が血液製剤のいわ ゆる原料血漿の基準など、かなり幅広い分野のものを含んだ形となっております。その うち血液製剤に関する部分、血液製剤総則というところがございますけれども、ここは 従前から医薬品第二部会の方で御担当いただいている部分でございまして、これについ ては基本的に今回の分科会規程の整理の上でも従前どおり医薬品第二部会の所掌とさせ ていただくような形でお願いしております。  3でございますが、今回の薬事分科会規程の改正によりまして、当部会に生物由来原 料基準の御審議をお願いするということもございますし、そういう意味で今までよりも 更にバイオテクノロジー部会の所管の範囲が幅広くなるということもございまして、 「生物由来技術部会」という形に本部会の名称を変更したということころが薬事分科会 での御議論でございました。  それから資料6-2でございますけれども、これは当部会での薬事分科会規程の改正に 伴う薬事分科会における確認事項ということで、当部会での各審議の取扱いを定めた部 分も改正をさせていただいております。この「○医薬品等の承認申請等のうち審議会に 諮問するものの取扱いに以下の内容を追加する」というところで、当部会につきまして は先ほどの薬事分科会規程に基づき生物由来原料基準が入ったわけでございますけれど も…、資料6-2の1ページは指定に関する部分でございまして、当部会とは特に関係ご ざいません。一番最後の6ページを御覧いただきますと、「8.生物由来技術」と書いて ございますけれども、審議、取扱いについて書かせていただいております。「注2」に 書いてございますように、「法第42条に基づく生物由来原料基準、その他基準等の制定、 廃止等については薬事分科会審議、一部改正については部会審議とする(『薬事分科会に おける確認事項による』)」ということでここに整理して書いてございますが、基準につ いてはそのような取扱い。あとそれぞれの個別の品目について、遺伝子治療用医薬品の 確認申請や遺伝子組換え技術応用医薬品、細胞組織医薬品・医療器機の基準適合性の確 認については、通常は部会審議、分科会報告という2の手続でございます。しかし、生 物由来技術に基づく基準適合性の確認において、安全性から見て慎重に審議する必要が あるという部会の意見に基づき分科会長の決定するものについては、分科会審議という 取扱いもあるということで1が置いてございます。それから、3のいわゆる遺伝子組換 え技術応用医薬品においてもGILSPレベルのものや、4の遺伝子治療薬や遺伝子組換え 技術応用医薬品等の確認事項の一部変更という部分については、分科会の審議を要せず、 部会にも報告、調査会又は小委員会で処理という形の取扱いを整理しております。この 辺りは従前当部会でも審議においてお願いしている取扱いを表にまとめたということで ございますので、これまでと取扱い上特に変更があるというわけではございませんが、 一応念のため御報告させていただきます。以上でございまして、薬事分科会規程等の改 正、生物由来製品に関する制度の概要についての御説明を終わらせていただきます。あ りがとうございました。 ○早川部会長 どうもありがとうございました。ただいま事務局から生物由来製品に関 する制度の概要、それから当部会との関連ということで、当部会は原料基準の作成にあ ずかると。それから当部会での審議事項の取扱い等について御説明がございましたけれ ども、何か御質問等ございますでしょうか。星委員、どうぞ。 ○星委員 ちょっと原始的な質問で申し訳ないのですが、資料7の3ページに「生物由 来製品・特定生物由来製品の概念図」がございまして、医薬部外品、化粧品のところに は丸が掛かっていないということは、動物あるいはヒトの組織に由来する製品を使った ものはすべて医薬品あるいは医療用具であると。つまり、医薬部外品や化粧品の中にこ れらの製品を用いたものはないと理解していいですか。 ○事務局 お答えいたします。ここでの生物由来製品、特定生物由来製品の指定という ものは、生物由来原料等に基づくリスクに応じてということでございますので、言って みれば一般的に外用で用いるような医薬部外品、化粧品において、使われている原料も 一般的な動物の抽出液とかそういうものにおいては、特に特定生物由来製品、生物由来 製品に指定するほどのリスクはないという判断がございまして、指定がされていないと いうことでございます。 ○星委員 ということは、よくテレビでやっている何とかプラセンタエキス配合、何と かミルクエッセンスというのは、生物由来製品ではあるけれども薬事法で定めるところ の生物由来製品ではなくて、したがって医薬品ではなく、医薬部外品あるいは化粧品と して流通することは可能だと理解すればいいのですね。それはリスクが少ないものと判 断をするのはだれがどうやって判断し、どこで決めたのか教えてください。 ○事務局 生物由来製品のリスクという部分については、この生物由来製品の制度を作 る上で薬事・食品衛生審議会の中に生物由来製品臨時部会という専門家の先生から成る 部会を昨年9月に設置いたしまして、この制度の施行とともにその部会は解散しており ますけれども、その中で実際に製品の原料や製造方法のリスクを個別に検討していきま して、御審議いただき決めさせていただいたということでございます。 ○星委員 これは感染症に関するリスクが主に議論されているわけでありまして、製造 過程においてそのリスクを軽減する措置が採られている原材料を使えば、例えばそれが ヒトに由来するものであっても、化粧品という名目で抽出液といって売ることは可能だ と理解すればいいのですか。 ○事務局 具体的に現状ある製品をリストアップして指定の審議をしていったわけでご ざいますけれども、制度論から申し上げますと、資料7の7ページ以降に今回生物由来 製品、特定生物由来製品に指定された成分のリストがございます。特にヒトの成分でご ざいますと12ページ以降に書いてございますけれども、この成分を使用した製品につい ては法制上はすべて特定生物由来製品という扱いになりますので、もし仮に化粧品、医 薬部外品等でヒト由来の成分を使ったということであれば、特定生物由来製品に自動的 に指定されるという形になります。ただし、この制度自体が特定生物由来製品について は使用対象者への説明とか、医療プロフェッショナルの方の関与がないと使えないもの でございますので、表示の部分もございますし、原則的にはそこまでして医薬部外品、 化粧品を販売するということは想定しにくいだろうというふうには考えております。 ○星委員 せっかくですからもう一つ質問させてください。実は近年ヒトの胎盤を使っ たしわ取りのものなどがかなり頻繁に使われていて、そこには必ずヒト抽出物ですとい ううたい文句があります。つまりヒトでないと効かない、ヒトの方が効くのだと。そし て我々が知っている範囲を超えて、相当程度流通しているらしいということがあります。 それから、胎盤を買いあさっていく業者がいるというのもいまだ事実であります。基準 を決めたりするのは結構ですし、技術的な議論をここですることは重々承知の上で申し 上げるのですが、ああいったものが現場で案外安易に取り扱われている、今はそうでな いと信じたいですが、ごく最近までバケツの中に胎盤を入れておいて、それを業者が買 取りに来るということは案外普通にございまして、それがどこにどんな形で流通し、ど んなものに混ぜられているかというのを知りません。これは医療現場の問題でもあるわ けですが。  それからもう一つは、ここでポスターを作りましたと言っていますが、私たちの傘下 になかったり、あるいはそういうものを全く無視した人たちというのはごく一部おりま して、そういう方々が医師であってこういうものを手に入れて、患者に十分な説明をし ないでしわ取りの効果がありますよとぶつぶつ打っているという現状に対して、何らか の歯止めをかける方法があるのかないのか。あるとすれば、我々の倫理にだけ課せられ ているものなのか。そうだとすれば、相当程度身を引き締めていかなければならないと 思うのですが、今申し上げたような具体的な事例において、つまり原材料の基準を作っ たりするのは簡単でしょうし、医薬品として流通することを前提に考えれば、ある程度 それが守られていると考えたい気持ちもよく分かりますが、現実にそれが現場で守られ ているのかどうか。例えばの話ですが、原材料として胎盤を手に入れたと。胎盤を手に 入れた先の患者さんが本当に本名で追跡可能な方なのかどうかということ一つ取ってみ ても相当程度怪しいし、多くの場合保険外のものでやりますので、その治療を受けた人 が本当に追跡可能な方なのかどうか。もしかしたらこの法律はそういうことは想定され ていないのではないかと思うのですが、今私が申し上げたような事例を検証する方法や 制度が現在具体的にあるのかどうか教えてください。 ○早川部会長 どうぞ。 ○事務局 ヒト胎盤製剤でございますけれども、今注射剤として市場に2製剤ございま す。それらについてはいずれも特定生物由来製品という形で表示がされているというこ とと、それに伴い医療関係者の方にも相応の努力義務を法律上お願いしているというこ とでございます。ただ、それはあくまで使用に対してお願いをしているということでご ざいまして、用途についてはやはり添付文書上に書かれた用途をきちんと守って御使用 いただくということが原則になってくるわけでございます。いずれにしても、どんな用 途であっても御使用になられることにおいては、薬事法上はそういった医療関係者に対 する義務がかかってくることは変わりないことだと思います。 ○星委員 原材料はどうでしょうか。 ○事務局 原材料については、ヒト胎盤についても今回の生物由来原料基準の対象にな っておりまして、その中でいわゆる感染症に関する検査を法律に基づく基準という形で きちんと義務付けを行っております。もちろん製造所等に対して薬事監視員等の査察等 も入っているわけでございまして、そういう記録等に瑕疵があれば薬事法に対する違反 事例として取り扱えることもあるでしょうし、そういった意味での法律に基づく基準と いう形でそこは厳格に対応させていただきたいということかと思います。 ○星委員 制度上瑕疵がないということを御説明されたかったと思うのですが、制度上 瑕疵がないのと現状で安全を守るための手だてがきちんと採られるかというのは、実は 別なことだなと今聞きながら感じました。もちろんそれは我々医師の倫理的な問題があ るのでしょうが、例えば20年の保存期間になりましたというお話についても、正にポス ターなどをお作りですが、実は現場でよく周知されていないというのが事実ですし、説 明が十分かどうかということについてももっと検証が必要だと思います。そしてポスタ ーを作りましたから皆さんが分かってくれます、法律にそう書いてありますから知らな いのは知らない方が悪いのですというのは正にそのとおりですけれども、患者さんの安 全や、患者さんに対する有効性の確保ということを考えた場合に、私たちはこういう法 律を作りましたと、これは医師の義務です、あるいは製造者の義務ですと言ってしまっ て、あとは知らない人が悪いと。ポスターも作りましたという形でこの話がこのまま長 年置かれて、そしてその上で何か問題が起きたときにどうなのだと。医者が悪いのだと いうのはエイズのときも同じでしたが、そういう意味での手だてというのは行政として 採り得ないのかもしれませんし、ここで議論すべき事柄でないのは重々承知の上で申し 上げているのですけれども、どこかできちんと議論するということがないと、我々が一 生懸命作っている基準や安全性についての審議が実は全く意味のないものになってしま う可能性があるということを申し上げたいのです。是非ともその辺りはもう少し勉強さ れて、あるいはいろいろ議論する場を設けていただくなりして、この件については議論 していただきたいなと私は審議官にお願いをします。 ○審議官 この薬事法の中だけで全部カバーし切れない面もあると思うのです。しかし、 こういった制度が新たにできたということは、これだけでなくていろいろな機会を通じ て、それから医療関係者の協力を得てやってまいりたいと。それから、制度を動かして いけばいろいろな問題が更に出てくると思うのです。そういったことについても、場合 によってはこの場でもって議論を出していただいたり、又は現状報告していただいたり、 そういうふうに前向きに取り組んでいきたいと思います。今星委員がおっしゃったよう なもう少し具体的なことが分かれば、また教えていただければと思います。 ○早川部会長 よろしゅうございますか。 ○星委員 はい。 ○早川部会長 また先生方からいろいろ御助言を頂ければということでございます。ほ かに本件に関してどなたか御質問ございますか。よろしゅうございますでしょうか。  それでは本日の審議の方に入りたいと思います。本日の審議事項といたしまして、議 題1の「『遺伝子治療用医薬品の品質及び安全性の確保に関する指針』への適合の確認 について」ということと、議題2の「生物由来原料基準の一部改正について」、この2 件がございます。それから報告事項といたしまして、議題1の「『農林水産分野におけ る組換え体の利用のための指針』への適合の確認について」、一つはウシ正常プリオン 蛋白質、もう一つはヒト上皮細胞成長因子。それから議題2の「ヒト又は動物由来成分 を原料として製造される医薬品等の品質及び安全性確保について(SARS関連)」、こ の3件がございます。  まず審議事項の議題1について、事務局より御説明をお願いいたします。 ○事務局 それでは事務局から今回の申請品目の概略について、御説明させていただき たいと思います。関係する資料は資料1-1〜1-8までございますけれども、資料1-2に資 料概要を要約させていただいたものを御用意させていただいております。今回の確認申 請は既存治療で改善が認められない下肢閉塞性動脈硬化症、ビュルガー病を対象として おりまして、□□□□□□□□□□□□が製造しておりますプラスミドベクター□□□ □□にヒトHGF遺伝子を組み込んだ□□□□□HGF/MGBIを作製しまして、このプラス ミドベクターを下肢の筋肉内に投与することでHGFを局所的に産生させ、血管形成の 促進、血流量の改善を期待して実施するという治療でございます。本プラスミドについ ては既に本邦で臨床研究が実施されておりまして現在解析中ですが、これまでの結果で は安全性上特に問題はなく、血管増生、潰瘍の縮小、ABPIや疼痛の改善等が認めら れた症例であったということが説明されております。  提出された資料では□□□□□HGF/MGBIの全塩基配列も明らかとなっておりまして、 原体あるいは製剤について確認試験、定量法、塩基配列のほか、純度試験としてエンド トキシン、全蛋白質などが規格として設定されております。  安定性については、旧製法での結果は明らかとなっておりますが、2002年以降のロッ トについては現在安定性試験を実施中でございます。  毒性試験といたしましては、筋肉内あるいは静脈内投与による単回あるいは反復投与 試験が実施されており、ヒトへの安全性について特に大きな問題は認められなかったこ とが説明されております。  薬理学的な試験としては、ベクターの導入や閉塞性動脈硬化症モデルでの検討を実施 しており、血流増加作用等も認められておりますが、今回の対象である□□□□□とは 異なったベクターを用いている試験が多く、この点については今後下肢虚血モデル等に □□□□□HGF/MGBIを投与しまして、血流改善作用等が追加で検討される予定でござい ます。  体内動態については、本ベクターを単回筋肉内投与したところ、ベクターは投与部位 の筋肉内に14日程度まで存在することが確認されておりますが、投与部位以外の組織に おいても検出されており、血中への漏出によると考察されております。それからHGF 蛋白量の増加についても、一定の条件下では確認されております。本ベクターの原体は □□□□□□□□□□社で製造されておりますが、製剤については□□□□□□□□□ □社で製造されるということでございます。  調査会で御審議いただいた結果は資料1-3の調査報告書の方に詳しく述べられている ところでございますけれども、本剤の夾雑蛋白質の規格の厳格化、混入する大腸菌蛋白 質の抗原性、アレルギー反応等に注意して臨床試験を実施すること。測定感度の向上、 製剤の均一化のためのバリデーションの実施、がん原性についての追跡と追加の非臨床 試験の実施等を求めております。  以上の御審議いただいたところによりまして、本プラスミドについての臨床試験を実 施する上でベクターの品質及び安全性は確保されていると判断され、当部会で更に御審 議いただくことが適切であると判断されました。なお、本日の追加資料として今後実施 予定の非臨床試験一覧、及び海外で実施中の臨床試験において認められた重篤な症例の 情報も配付させていただいておりますので、そちらの方も御確認をお願いしたいと思い ます。以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。 ○早川部会長 ありがとうございました。ただいま事務局から御説明がございましたよ うに、本品目は遺伝子治療用医薬品調査会で御審議され了承されたということでござい ます。その調査会の座長であります山口先生から、何か追加のコメントございますでし ょうか。 ○山口(照)委員 特に大きな追加はないのですが、調査会でキーポイントになった点だ け申し上げますと、先ほど事務局が御説明されましたように、これは既に臨床研究とし て20数例の研究が行われておりまして、そこで特に大きな有害事象例はなかったと、そ の辺の担保があるということ。あとはこの遺伝子導入方法がプラスミドという大腸菌で 造りましたもので、ウイルスベクターとかそういうものと違って構造が非常に単純であ り、コントロールがしやすいものであろうということ。そして先ほどちょっと問題なり ましたけれども、これはE.coliで造りますけれども、E.coliからプラスミドを精製す る際のE.coli蛋白の混入について、これは測定方法が妥当でないのではないか。要する に感度の非常に低い方法でやっておりましたので、その点については改良を求め、現時 点でも更なる改良を求めております。最終的に承認申請の段には適切な測定法に基づい た規格設定がなされるものということで、そこの部分については仮免許という形で調査 会としては承認をしております。 ○早川部会長 ありがとうございました。それでは本件について、御意見、コメント等 をお願いいたします。先生、どうぞ。 ○西島委員 今山口先生からの御説明の最後のところですが、蛋白の定量について更に 改良を加えるということですけれども、今行われている方法に加えて具体的にどういう 方法が考えられているのでしょうか。 ○山口(照)委員 幾つかこういうものもありますよという例示はしたのですが、最終的 にどのような測定法を採るかは製造業者の判断に基づくわけです。例えば我々が提示し たものはSDS-PAGEを銀染色して、染色パターンというか、最低限どれだけとれるか。こ れはFDAなどでもポインティッドコンシーラーで推奨されている方法ですが、あるい はELISAをやるとか、そういう方法で測定してみてはどうかと。これは提案にすぎず、 最終的には製造業者が判断すべき問題だと思います。 ○早川部会長 よろしゅうございますか。ほかにどなたか、よろしいでしょうか。小澤 委員、どうぞ。 ○小澤委員 阪大で行っている臨床研究では、抗DNA抗体やそういったものについて、 何か情報はあるのでしょうか。 ○山口(照)委員 多分そこまではやっていなかったと思うのですが、もし必要だったら それを追加で求める必要があるかもしれませんけれども、その点についてはどうでしょ うか。 ○小澤委員 もともと検査項目の中に入っていませんでしたか。 ○事務局 事務局からお答えいたします。概要書の282ページぐらいから、実際に今計 画されている臨床試験の観察項目、あるいは評価項目等が載っております。小澤先生の 方から御指摘いただいたような項目については、現在のところでは含まれていないかと 思いますので、その辺の必要性については御審議いただいて、必要であれば実施のとき の計画書に盛り込むことは可能かと思います。 ○早川部会長 従来の臨床研究の中では観察していないということですね。もし必要が あれば盛り込むという方向が考えられます。これはこれから治験に入っていくわけです ね。その中の一つの項目として設定したらどうかという先生の御意見ですが、これは測 定した方がいいだろうと…。 ○小澤委員 いいような気はしますけれども…。 ○事務局 臨床研究の方で我々の見ているデータの中には恐らくそういう情報はありま せんが、幾つか症例でやった経験があるという情報があるかもしれませんので、その辺 ももう一度確認させていただきます。これから実際に承認申請のための治験が動いてき ますので、より厳格な臨床試験を求めるという意味ではその辺を実施してはどうだとい う御意見が部会からあったということを伝えまして、更に検討を進めたいと思います。 ○早川部会長 トランスレーショナルリサーチ的な臨床研究と治験、患者さんも非常に 拡大していくということから、より安全なことを目指さないといけないということで、 まずは先生のおっしゃったように今の項目は一応追加ということでコメントを出してい ただければと思います。先生方、ほかにいかがでしょうか。これはかなりまだメーカー の方で品質等について更に検討課題がある。例えば大腸菌蛋白の測定法、あるいは量的 規制をどうするかこれからやるということです。要するに、臨床研究上はそれにまつわ る有害事象は特に観察されていないということですね。 ○山口(照)委員 そうですね、先ほど申しました20数例の中で、例えば大腸菌由来蛋白 にはルキシーは見られていないということです。 ○早川部会長 そのタイミングなのですが、メーカーの方がそこはそれなりのものをき ちんとして出した時点から治験をスタートしてもよろしいという条件付きになるという 理解で、ここはよろしいのでしょうか。 ○事務局 本日もしここで御確認いただければの話ですが、この後治験届がメーカーの 方から出てまいります。ですから、その段階でここで出された宿題がきちんと片付けら れているかどうかを確認してから実施されるという段取りになります。 ○早川部会長 一般的に考えると、やはり宿題が片付いた時点で治験のゴーサインとい うのが良いような気がしますけれども、いかがでしょうか。これは特に難しい話ではな いですね。 ○山口(照)委員 我々はそう理解しております。 ○早川部会長 小澤委員、どうぞ。 ○小澤委員 最近知ったことなのですが、もう一つ骨髄細胞の筋注のやり方があります。 それであれはずっと効果が続くのかなと思っていたら、半年ぐらいたつと効果が消えて くると言うのです。そうすると、このプラスミドDNAを打つ方法の場合、観察期間が それほど長くなかったような気がするのですが、やはり細胞治療との比較ということで は、どのくらい効果が続くかということもかなり長期的にしっかりと見ておいてもらっ た方が良いような気はするのです。今ごろこんなことを言って申し訳ありません。 ○早川部会長 これは治験のプロトコルをどうするかということとの関係だとは思うの ですが、事務局の方からこれから治験に対してコメントするときのお考えとして何かご ざいますか。 ○事務局 今の投与は4週で8週目まで見るということで、多分そこが十分長くないの ではないかというお話だと思いますけれども、取りあえず現段階では、そもそもこの遺 伝子治療が本当に有効なのかどうかということをまず確立する必要があるだろうと多分 申請者も考えて、我々もそう思っています。そういう意味での探索的な方法としては、 まずその辺から当たりを付けると。その後明確なプロセスを踏んで、プラセボなり有効 性が確立した段階で、本当にどの程度の長期的な効果があるのかということも含めて、 例えば実際に患者さんの切断のリスクをどの程度回避できるかといったことについては より検討を進める必要があると思います。今提出されているプロトコルの中でそれをや るか、あるいはこれとは別にもう少し長期的な視野を目的とした治験を組むのか、その 辺も含め先生の御意見を踏まえて申請者に伝えて検討させたいと思います。事務局とし ては、まずはきちんと有効性を明確にするというプロセスを最初にやるというのも一つ の方法ではないかと考えております。 ○早川部会長 これは臨床研究はもう既にやっていて、それからもう少し拡大して治験 に行こうと。私もよく分かりませんが、臨床のステージで言うとこれはフェーズI〜II 辺りの話になるのでしょうか。それを更に拡大してやっていくときにどのような計画で やるのか、そこら辺の長期的なプロトコルというか考え方をメーカーの方にまとめさせ るという趣旨ですね。 ○事務局 一応今の段階でも試験が終わってから追跡調査という形では、5か月とか6 か月後の予後などを見ることにはなっておりますが、そこをどの程度きちんとプロトコ ルの中でモニタリングしながらやっていくかということもございますので、その辺も含 めて検討するように伝えたいと思います。 ○早川部会長 どうぞ。 ○星委員 二つ質問させてください。一つは非常に原始的な質問で申し訳ないのですが、 このHGFのヒトから抽出したDNAというのは、簡単に言えばだれのものだったのか というのは愚問かもしれませんが、大変興味があります。これは安定性についてはお墨 付きが与えられているものかどうか、あるいはだれから取り出して造っても同じものが 出てくるのかどうか、それが分からないので教えてもらいたいのが一つ。  それからこれは血管新生が期待できると書いてあって、この阪大の資料を読むとどう もその辺りのところがよく分からないのです。潰瘍が小さくなったとか、あるいは下肢 痛が減ったとか、切断に至らなかったといって効果を判定しているようですが、効果の 判定というのはどうも…、手前みそと言ったら阪大の方に大変失礼ですが、ちょっとそ の辺のところが私はよく分からないので、一体何をもって血管の新生が起こり症状の改 善につながったととらえているのか。すなわちこれは今解析中と言っていますが、有効 かどうかという判定に一番重要なのは、何をもってそれを見たかということだと思うの ですが、その二点を教えてください。 ○早川部会長 ただいまの二点について、事務局の方から、あるいは山口委員の方から コメント等ございますか。 ○事務局 まずこのベクターの精製方法でございますけれども、調査報告書の方に書か せていただいておりますが、もともとは劇症肝炎患者の血漿から採ってきたということ でございます。これはもう既に公表されている文献等での情報を申請者が入手したとい うことでございまして、このところは申請者自身がやったプロセスではございません。 実際に何をやっているかというと、そこで得られた情報を基にペプチドを造って、そし てそれをcDNAライブラリー、これも売っているものですが、そこから釣り上げてき てHGFを採ったと。その採ったところからこのアンジェスがタッチをしているという ことでございます。もともとの劇症肝炎患者の血漿については、実際の公表文献として、 これは鹿児島大学の方でやられた研究の成果ということでございます。したがって、こ の辺の情報については申請者に確認をいたしましたが、この肝炎患者の状況でどういう ふうに…、実際にはインフォームド・コンセント辺りのことを御懸念されているかと思 いますけれども、その辺については今のところ明確にはなっていないと、申請者自身で は追跡のしようがないということでございました。  それからもう一点、何をプライマリー・エンドポイントにするかということでござい ますけれども、いろいろと検討されておりますが、実際に血流量あるいは血管の数をヒ トのところで見るというのはなかなか難しいということで、潰瘍の縮小をプライマリー ・エンドポイントにしてございます。実際に動物実験では確かに血管の増生なり、血流 量の増加は確認されておりますので、薬理学的にはあるということです。したがって、 サロゲートのエンドポイントとして使っているということでございまして、この辺につ いてはまた小澤先生等に、もしプライマリー・エンドポイントとしてもっと適切な指標 があるということであれば、その辺についても御助言いただければ今後の臨床試験の中 で役立てていくことができるかと思います。 ○早川部会長 小澤委員、何か今のことについてコメントございますでしょうか。 ○小澤委員 例えば320〜321ページ辺りのところにも、もう少し細かいドップラー血流 計を使って血流を見たりとか、必要に応じて血管造影をしたりとか、実際の臨床例でも そういう検討は何例かされていますので、もっと客観的なデータもある程度は出てくる のではないかと思うのですが。 ○早川部会長 二点ございましたけれども、星委員、いかがでしょうか。 ○星委員 一点目のことについてはそうだろうなと思います。そうだろうなというのは、 これを採り出したり流通させている人たちの間には多分そういう意識が働かないのだろ うと思うのです。つまりだれから採り出したかというのは問題ではないと、試験管の中 に入って私の言うことを聞くこの遺伝子なりこのものは、大変かわいい自分のペットだ くらいのことを思っている人たちだと思うのです。私はそれについては一応警鐘を鳴ら すべきであって、だれからということが特定されるかどうかは、つまり世界の人たちに この人から採ったものだということが分からなくても、それは追跡が可能で、あるいは 何かが起こったときには、それを基に使っている人たちに対するコーションが起こせる ようにしておいていただかないとまずいのかなと漠然と思いますが、それは私だけの杞 憂なのかもしれません。  それから二つ目のことは、潰瘍の縮小などいろいろなことが書いてありますので、も しこれを治験という形でやるのであれば、その前に行われている今の遺伝子研究、治療 研究ということでゴーサインが出た阪大の研究の評価に当たって、今幾つかあったもの をきちんと解析して、一体何をもってエンドポイントというか評価の対象にするのかと いうことについての議論をもう少し深めていただかないと…。今の現時点ではいろいろ やってみたと、しかし取りあえず潰瘍の大きさをもって判定としましょうと、それが今 一番客観的だというお話なのでしょうが…。何を申し上げたいかというと、阪大での検 討結果、あるいは研究結果が今解析中であるということの意味を、この計画書を作って いる人は本当に理解しているのかなという気がしてならないのです。先ほど結果を見て からという話がありましたが、その辺りをもう少しつまびらかにしていただかないと、 何ともしようがないなと。もしかしたらこれは治験届を受理する時点での議論かもしれ ませんけれども、そのことは申し上げておきたいなと思います。 ○早川部会長 分かりました。小澤委員、度々お伺いして申し訳ありませんが、遺伝子 治療臨床研究に関して厚生科学審議会の方で評価する委員会がございますね。そこでこ こら辺はどのように評価されているのでしょうか。このやり方で阪大の場合今22例くら いですかね。それで潰瘍の縮小をプライマリー・エンドポイントとしていると先ほど説 明がありましたが、サロゲート的な感じで使っているのですね。臨床研究の評価はそれ のみをもとにしているのか、どうなのでしょうか。 ○小澤委員 症状の改善だけではなくて、もう少し客観的な指標もいろいろやられてい ると思うのですが、こういうタイプの治療の効果というのは、何もしなくても症状が結 構変動したり、クリニカルに効果があったように見えても本当に遺伝子治療が効いたの かどうか分からないところがあって、やはりコントロールをしっかり置いて相当症例を 重ねないと効果といっても非常に微妙なものですから、なかなか科学的な評価は難しい と思うのです。ですから、ともかく今の阪大のパイロットスタディーでは仮に一見臨床 的な効果が見えたとしても、本当にそれが遺伝子治療の効果だったかどうかを評価する のは非常に難しいと思います。いずれにせよ、あのスタディーでは最終的な結論を出す ことは非常に難しくて、やはりこういうコントロールをしっかり置いて症例数をたくさ ん増やしていかないと最終判断は難しいような気がしますので、ある程度こういう少し スケールを大きくしたものをやっていかないといけないと思うのです。そのときに若干 気になるのは、このコントロールが生食を打つというのでいいのかどうか。というのは、 厳密な意味では本当は空ベクター、プラスミドベクターを打つコントロールを置かない とサイエンティフィックな本当のコントロールスタディーにはならないような気はしま す。どこまで厳密性を求めるかというところにもなってくると思うのですが。 ○早川部会長 先端医療ということで、進めていかなければいけないし手探りな部分も あるし、万全なエンドポイントなりサロゲートマーカーを求めるのもなかなか困難な部 分もあるということで、しかし進めていかないと次のステップが見えてこないと。なか なか難しい部分ではあるのですが、今小澤先生が御指摘になった生食でコントロールを やるのか、いわば空のプラスミドでやるのかということもここでのコメントとして業者 の方に伝えていただいて、治験をこれから行っていくときにそこら辺もちょっといろい ろ配慮に入れていただきたいということで、話としてはよろしいでしょうか。星委員の 方は…。 ○星委員 もう一つちょっと不安なのは、追加の研究をすることになっていますね。プ ラスミドが一般的でないものを使うということ、あるいは幾つかの試験をやることにな っております。一方でこれらの試験を並行してやらなければいけないという状況にあり ながら、早くに治験に取り組みたいと言っているのはどうも矛盾しているような気がす るのですが、こういうのは一般的なのでしょうか。資料1-6にいろいろなことをやりま すよと、今後結果が出てきますよと示されていますが、本来私たちが議論するときはこ の結果が出ていないと安全かどうかと言われても困ってしまうのですが。こういうこと は一般的なのでしょうか、それとも何か特別な理由があって今こういう形態になってい るのでしょうか。それは阪大の結果が出ていないということも一つの…、結果が出ない だろうとおっしゃいましたが、出ないなら出ないで有効性は確認できなかったと言う方 がよほど素直だし、理解を得られると思うのです。もしこれは阪大で結果が出なかった といったらどうするのですか、治験は受理しないのですか。その二点、つまり安全性と いうものの観点、あるいは有効性という観点から言っても、どうも今審議する時期では ないのかなという気はしますが、どうでしょうか。 ○早川部会長 先ほど小澤先生もおっしゃたように、有効性については今の臨床研究の 段階では十分な結果は必ずしも期待できないだろうと。したがって、先駆的にしろある 程度スケールを拡大してやっていかないと、良い悪いは別としまして、結果がどうなる かは別としまして、一定の結論めいたことは出ないだろうということだと思います。そ うすると、あとはそれに使う遺伝子治療用のベクターと言うべきか、遺伝子治療用医薬 品と言った方がいいと思うのですが、そこが先ほどちょっと出ていましたけれども、従 来のものについてまだ調査会の方で少し注文が付いたと。つまり大腸菌の蛋白等の定量 法に関してもう少し検討の余地があるのではないかということで。治験上から見た限り では従来の22例でも特に有害事象は出ていないということですが、科学的に見てそれは もう少し改善の余地があるのではないと。定量法、あるいは存在の許容量ということで すから、そこはこの部会としては今のところの答えを一応出していただいて、その上で 治験に入ってもいいのではないかというような方向かなと私は思うのですが、いかがで しょうか。並行で治験も今のもので…、つまり定量法が定まらない状態で、一方で定量 法を検討しながら同時に治験も始めてしまうということではなく、一応そちらの方はき ちんとやった上で治験に入ると。先生もおっしゃっているように、解決できることは解 決した上でやりましょうということでないと、この部会を何のために開いてるのか分か らないということですので。そういう方向で、多分それほど難しい話でもないというか、 頑張ればできる話だと思うので。これは相当治験を急いでいるのですか。仮に急いでい るとしても、今の大腸菌の定量法、定量できるかどうか分かりませんが、例えばSDS-PAGE の銀染色でやるとか、製法を工夫するとか、そこはそれなりに可能のような気が私はす るのですが、どうでしょうか。 ○山口(照)委員 調査会で審議しましたときも、出た宿題に対する重みを委員の先生方 に議論していただきまして、その議論の過程でそれほどの大きな重みはないと。むしろ それをやることを求めていること自体は重いのですが、それほど長期に掛かるものでも なし、簡単に解決が付くだろうということで、その解決を付けてやってくださいという 結論でした。 ○星委員 ちょっとよろしいですか。あとで追加した試験などを見るといろいろなもの があって、相当時間の掛かるものも含まれていますね。これをやるという意味と、その 結果が出たときに、もしこれが駄目だとなれば途中でやめるということがあり得るから やっているのか、あるいは絶対にないだろうけれども、確認するつもりでやっているの か。そうだとすればしなくていいわけですね。今の定量の話もそうですけれども、これ をさせている意味合いを私に理解させてください。これが全部出ないとできないという のは一つの議論だろうし、そうではないのだとすれば、そうではないということが分か るようにしてくれないと、では一体何のための追加調査なのですかと。この結果が出た ときにどう扱うのかということは、どういうふうに考えているのでしょうか。 ○早川部会長 これは二つあると思うのですが、技術的に早期に解決可能なのものは解 決した上でやっていただくと。あえて言えばコンサーンがある、しかしそれはひょっと したら答えは出てこないかもしれないということに関しては、並行しながらやっていた だくと。私はこういうことなのではないかと思いますけれども。 ○事務局 事務局の方から少し補足をさせていただきますが、我々の方あるいは調査会 の御議論で、また山口先生に補足をしていただければと思いますけれども、基本的に治 験に入っていいかどうかということの確認については、人の安全性を基本的に担保でき る最低限のものをクリアすればいいのではないかと考えております。例えば一般の医薬 品であれば、長期のがん原性の試験などは第I相、第II相の辺りではほとんどまだ結果 は出ていないということが通常の開発ペースでは当たり前だと思います。最終的には承 認申請に至る前の段階までに例えばがん原性の結果をクリアにして、非臨床的な考察、 あるいは臨床試験で得られたもの、その両方を踏まえて最終的に申請をするということ です。その並びから行きますと、我々に今提出されている非臨床の結果から人の安全性 は担保できるだろうということで調査会で御議論いただき、ここの部会に上程をさせて いただいていると。ただし、例えばHGFについては当然血管を増殖する作用がありま すから、そういう機序を考えればもしかするとがんを助長することがないのかどうか。 それについては検討できることは十分するべきだという姿勢で臨んでおりますので、そ の点については更に検討を進めてくださいという方針で、今のすべての追加の臨床試験 についてはやるようにという指導をしてきた経緯がございます。 ○星委員 そうであるならば…、といいますか、ごく身近の私の医療機関で治験をやっ ている途中でその薬のがん原性が分かって治験をやめて、10年か20年かフォローアッ プするのは相当お金が掛かるだろうな思いながら昨日倫理審査委員会、あるいは治験審 査委員会を終えてきたところです。多分御存じだと思いますが、この労力たるや相当な ものですよね。それから患者さんたちに与えるかなり大きなショック、今の例はがんの 患者さんですから、発がん性があってやめましたという話は何となく怪しげではあるの ですが、そのことをあらかじめ患者さんにもしかしたらこういう可能性があるというこ とを列挙しておくべきなのか、どうなのでしょうか。新たに企画する治験の説明文書に どの程度のことが書いてあるか今ちょっと確認しなければいけないと思いますけれど も、もしそうであるならば、これこれに関しては今並行して調査を進めていますと。で すから場合によってはやめてしまうかもしれませんが、それでもいいですかという案内 になっているのでしょうか。 ○事務局 事務局よりお答えいたします。今の臨床試験の患者さんへの同意説明文書の 中では、これまでの臨床研究で認められた副作用の…。 ○早川部会長 資料の何ページですか。 ○事務局 資料1-4に同意説明文書(案)が付いておりますけれども、こちらの閉塞性動 脈硬化症の方の16ページに副作用についての説明がございます。よろしいでしょうか。 「6.AMG0001の副作用」という項目がございまして、こちらにまず臨床研究で認められ た副作用について列挙されておりまして、その次に可能性がある副作用として、一番最 初にがんの発生について記載されております。これは増殖因子ということですので可能 性は否定できないということで、まずこれを御説明するようにしております。 ○星委員 すみませんが、もう一つ質問させてください。これだけ書かれてもやるかど うか分かりませんけれども、あなたに今がんがあるかないかを詳しく調べますと書いて ありますけれども、これは調べ方などは何か決まっているのですか。 ○事務局 資料1-4の一番最初ですが、「閉塞性動脈硬化症治験実施計画書(案)」の30 ページに「4.3.3除外基準」の(3)として悪性新生物、要はがんを有するものというこ とで、腫瘍マーカーや細胞診等のこれらの項目でまず確認をするということ。それから 資料1-1の試験概要の方になりますが、試験の実施中にも腫瘍マーカー等の検査は行う ということで、現在プロトコルの方は規定しております。 ○星委員 部会長、よろしいですか。これはもしかしたら治験届を受けるときの話なの でこれ以上言うつもりはありませんが、どうも何かバラバラした感じがします。バラバ ラした感じというのは、例えば何でこのマーカーにしたのか私には理解できませんし、 どういう指示を出されたのか分かりませんが、PSA幾つで分かるがんというのは限ら れています。ですから、何と言いますか、その時点ではこの計画書なりを相当じっくり と読んで指導していただきたいと思うことと、阪大の有害事象なり結果については多分 結果が出ないとおっしゃいましたが、多分出ないのですね。証明できなかったと言って 持ってくると格好悪いから今出てきていないのかもしれませんけれども、せめてそれが ないならないと私は言ってほしいなと。その上で先ほど小澤先生がおっしゃったように、 だけどやはり可能性として有効性があって、薬理学的にもあるいは確実に有効性を統計 的に証明できなかったけれども、可能性があると。ですからもう少し広範にやるべきだ と。その後で先ほど言ったベクターの安全性はどうかと、その部分はやはり評価すべき だと、それは実際に投与される前までに行われるべきだと私は思います。私がまとめる 必要はないのですが、何か違和感をぬぐうような結果なり説明なりを求めたいと思いま す。 ○早川部会長 分かりました。今まとめるつもりはないとおっしゃいつつ、まとめてい ただいたような気がするのですが、必ずしもここはこれから治験のプロトコルについて、 詳細にわたってこれで良いかどうかを判断する部会ではございませんので、一応これに 使われる遺伝子治療用医薬品の品質、安全性についてよろしいかということでございま す。その点については先ほど調査会で注文が出ていた部分について、特に大腸菌の蛋白 の定量法の確立、それからリミットをもう少しきちんとするということに関しては、こ こでの附帯事項として付けさせていただくということで。それからあとはサジェスチョ ンだと思いますが、治験を始める前に治験計画その他についてもう少しきちんと整理し て適正に対応していただくという方向でこの審議を終わりたいと思いますが、いかがで しょうか。よろしゅうございますでしょうか。そういったことで一部条件付きではござ いますが、この部会での審議は一応これで終了と、基本的にはベクターの品質、安全性 に関して一部きちんとしていただくということを条件にここでは了承したことにさせて いただきたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。  それでは続きまして、「生物由来原料基準の一部改正について」の審議を行いたいと 思います。事務局より御説明をお願いいたします。 ── 審議官 退席 ── ○事務局 それでは資料2を御覧いただきたいと思います。冒頭御説明いたしましたけ れども、当部会において生物由来原料基準について御審議いただくことになっておりま すので、早速でございますが、審議事項2としてこの基準の改正について御審議いただ きたいと思います。  今回の基準の改正については、資料2の一番後ろのページに改正の内容について概要 をまとめておりますので、こちらに沿って御説明させていただきます。まず、「生物由 来原料基準とは」ということですが、これは先ほど申し上げましたとおり、昨年公布さ れた改正薬事法の第42条基準ということで、生物由来の原料について適格性の要件を定 めた基準でございます。この生物由来原料基準の中にBSE対策として「反すう動物原 料基準」といったパートがございまして、その中に大きく二つの事柄が書いてございま す。一つは、ウシ等由来原料として使用してはならない反すう動物の部位について規定 をしている部分。それからもう一つは、原材料として原則使用できる反すう動物の原産 国、国名が書いてあります。  今回改正をしたいといいますのは、一つは2の「(1)原産国の削除及び追加」という ことで、今年5月にカナダにおいてBSE感染牛が確認されたということで、この基準 の中に使用できる反すう動物の原産国として従来カナダが入っておりましたが、カナダ を削除するという点です。それからもう一点はこちらの原産国の関係ですが、EU委員 会の科学運営委員会というところで地理的BSEリスク評価を行っております。これは BSEに感染したウシの存在する可能性を評価するところですが、その中でニューカレ ドニアとバヌアツの二か国については感染牛の存在についてほとんど可能性はないとい う評価がなされましたので、原産国としてこの二か国を追加するという点でございます。  それから三点目としては、「3 その他」のところにありますけれども、これまでこの 基準とは別途、化粧品基準というものがございまして、この化粧品基準の中で化粧品に 使える原料、あるいは使ってはいけない原料が定められておりました。その中でもBS E関係の対策として反すう動物の基準について述べられておりましたが、今般この生物 由来原料基準ができたことにより、医薬品から化粧品すべてについて原料に関する基準 をこちらで一本化したいということで、化粧品基準の方からは原料に関する部分を削除 して、替わりにこちらの原料基準の方で化粧品関係の部分の記載も整備するという改正 を行っております。具体的には、一枚戻っていただきますと新旧対照表が出ております けれども、先ほど申し上げましたとおり、使ってもいいと思われる国名のところでカナ ダを削除、それからニューカレドニア、バヌアツを追加というところ。それから化粧品 原料基準との整合性ということで、この下線部分を追加するといった三点の改正を行い たいということでございます。以上でございます。 ○早川部会長 ありがとうございました。それでは御議論をお願いしたいと思います。 先生、どうぞ。 ○星委員 質問です。あらかじめお断りしますが、これはもしかするとここでの議論で はないかもしれません。カナダと米国は国境を接しておりまして、ほとんど何の制限も なく行き来ができるところも多うございますが、これはカナダが駄目で米国は良いと言 っているのは若干違和感がありますけれども、だれがどういう責任を持ってカナダは駄 目で米国は大丈夫と。これは何か農業の基準で決まっているのでしょうか。よくどこか で育てた牛を松阪に連れていって屠殺すると松阪牛になるなどという話を聞きますが、 そういうことはないのでしょうか、教えてください。 ○事務局 事務局の方からお答えいたします。必ずしも適切なお答えができるかどうか 私どもも自信がございませんけれども、まずBSE対策というのはやはり国という行政 単位で考えていかざるを得ないところであると私どもは考えておりまして、それである 種国単位の対策を考えていっているところがございます。委員御指摘のとおり、米国と カナダの間の国境はいわゆる陸続きということもございまして、いろいろなリスクを同 じ大陸の上で共有している部分は確かにあるのだろうということになってまいります。 しかし、あくまで行政単位を信用する、行政単位の中でのその国のインスペクションや えさの管理ですとか、そういう体制を信用していかないことには、ある種一つの基準と いうものはなかなか設けにくいというところもございます。ただ、委員御指摘の点は科 学的にリスクを考える上では非常に重要なポイントだと思いますので、またこういった 規制を今後進めていく中で、事務局の中でもいろいろなリスクを様々な角度から検証さ せていただきたいと考えております。 ○早川部会長 よろしゅうございますでしょうか。 ○星委員 しようがないのは分かります。 ○早川部会長 国単位ということです。ほかにどなたかございますでしょうか。先生、 どうぞ。 ○小澤委員 これも質問なのですが、今細胞治療製剤などの開発がいろいろ進んでいる と思うのですけれども、やはりウシ胎児血清をなるべく避けるように、無血清培養でき るようにという研究が進んでいると思うのですが、それについては今後どういう方向に なっていくのかちょっと教えていただけると有り難いのですが。当面はウシ胎児血清を 使うのはやむを得ないという形で行くのか、何年後くらいをめどに無血清培養でそうい う細胞治療製剤を造るようにしていきなさいと指導するのか。それもまた対象疾患によ って…、がんみたいなものを対象にするときと、もう少し一般的な疾患を対象にすると きでは少し求め方が変わってくるかもしれませんが、どういうスタンスで今進んでいる のか教えていただけますか。 ○事務局 非常に難しい御質問でございますけれども、今の段階でいつまでにどうする ということがあるわけではございません。やはり先生御指摘のように、できるだけ無血 清のものをお使いいただくというのは、BSEのみならず様々な感染症のリスクを減ら していく上では非常に重要なことでございますので、ある意味そういうことは私どもの 方でも推奨していく、いろいろな治験における相談や審査の中でもできるだけそういう 方向に誘導していくような形でやってはございます。しかしながら、医療に必要なもの を得ていく上で、やはり現状の技術でなければ当面できないものがあった場合に、やは りそこのベネフィットとリスクの兼ね合いは一般論では申し上げられない部分かもしれ ませんが、製品、製品で個別に判断していかざるを得ないだろうとは考えております。 ○早川部会長 リアリティーとしてのリスクとセオリティカルなリスク、それから実態 としての製品が持つベネフィットということで、一個一個なかなか難しい問題だと思い ます。ほかによろしゅうございますか。それでは本件の基準の一部改正については御了 承いただいたこととさせていただきます。本件については薬事分科会に報告させていた だきたいと思います。先ほどちょっと申し忘れましたが、先ほどの件についても一部条 件を満たすということの附帯条件で指針に関しては適合しているということで、薬事分 科会に報告するという扱いになるかと思います。  続きまして、報告事項として農林水産分野における組換え体利用のための指針への適 合の確認について、二つございまして、ウシ正常プリオン蛋白質、それからヒト上皮細 胞成長因子の2件を続けて事務局から御説明いただきたいと思います。よろしくお願い いたします。 ○事務局 それではまず資料3のウシ正常プリオン蛋白質の製造に係る確認申請につい て、申し上げます。本確認申請は富士レビオ株式会社から、ウシ伝達性海綿状脳症の検 査キットの標準抗原として使用するウシ正常プリオン蛋白質を大腸菌を用いて製造する ための確認申請であります。製造所は山口県宇部市にあります富士レビオ株式会社の宇 部工場でございます。組換え微生物の利用区分としてはGILSPを用いております。ベク ターはpBR322由来でありまして、ファルマシア社から市販されているアンピシリン耐性 遺伝子を有するpGEX-2Tを修飾したpW6Aを使用しております。市販ベクターのpGEX-2T からGST遺伝子を切除し、T7プロモーターを挿入したものです。供与DNAはウシ プリオン蛋白264アミノ酸のうち□□□アミノ酸をコードする遺伝子を挿入しておりま す。プリオン蛋白遺伝子はほ乳類動物の正常細胞に存在する遺伝子で、その遺伝子にコ ードされる正常プリオン蛋白は脳及びその他の組織に発現が認められております。宿主 としては大腸菌B株由来のBL21という東洋紡株式会社から市販されている大腸菌株で ありまして、病原性はありません。組換え体の特徴としましては、ウシ正常プリオン蛋 白質の発現と、アンピシリンに対する耐性でございます。組換え体の調整方法としまし ては、市販ベクターpGEX-2Tを改変したpW6A、これはアンピシリン耐性遺伝子を持 ちますが、これをベクターにウシ正常プリオン蛋白の□□□□□□番目のアミノ酸、合 計□□□アミノ酸をコードするDNA、□□□□□を挿入したものを塩化カルシウム法 により大腸菌B株由来のBL21株に移入しまして、当該大腸菌の形質転換を行ったもの であります。なお、この蛋白質は異常プリオン蛋白を完全に不活化することができるグ アニジン塩酸塩で可溶化処理されて使用されることになります。  続きまして資料4のヒト上皮細胞成長因子、ヒトEGFの生産に係る確認申請です。 当該申請は、ヒゲタ醤油株式会社が平成8年10月21日付けで農林水産分野における組 換え体の利用のための指針に基づく確認申請を受けているもので、工場の移転に伴い製 造所が変更になったことから本申請がなされております。なお、当該組換え蛋白は羊の 生物学的採毛薬、これはオーストラリアに製剤原料として輸出しますが、これを生産す ることを目的としたもので、日本では治験薬として使用されることはありません。変更 点としましては、製造所が千葉県にある研究所から茨城県にある研究開発部波崎プラン トへ変更されたことに伴い、分散されていた作業区域が一施設に統合されるとともに、 廃水処理、空調、漏洩防止の方法、設備、製造工程に一部変更、追加があることであり ます。以上です。 ○早川部会長 ありがとうございました。それでは報告事項ですが、何か御質問等ござ いますでしょうか。先生、どうぞ。 ○星委員 教えてください。この生物学的採毛というのは一体何でしょうか。 ○事務局 これは羊に用いまして、この薬を打つことによって毛が自然に抜けるという ものです。 ○星委員 刈らなくていいのですね。 ○事務局 はい。 ○星委員 バカッとはがれるのですか。全然くだらない質問ですが、人間に投与すると バカッとはがれるのですか。 ○事務局 分かりません。 ○星委員 ありがとうございました。 ○早川部会長 よろしいですか。ほかにどなたかございますでしょうか。それでは次に 進めさせていただきます。本日最後の議題でございますが、報告事項の「ヒト又は動物 由来成分を原料として製造される医薬品等の品質及び安全性確保について(SARS関 連)」について事務局から御説明いただきたいと思います。 ○事務局 資料5'でございますが、本日委員の先生方のお机の上に差し替えをさせてい ただいた資料を用いて御説明申し上げます。本件については、ヒト又は動物由来成分を 原料として製造される医薬品等の品質及び安全性の確保でございますが、ここでの論点 は重症急性呼吸器症候群(SARS)に関するリスクの評価でございます。昨年末から本 年春にかけて、一部地域でこのSARSが発生したという状況もございまして、これら のいわゆる医薬品やそういった製品に対する影響については、当方としてもいろいろと 評価をさせていただいたところでございます。血液製剤については、この部会ではなく 別途血液事業部会の中の安全技術調査会で評価させていただいておりまして、こちらは 血液以外の成分についての影響ということで、本日このような形で御報告させていただ きます。  経緯といたしましては、本年6月にウイルスの専門家の方を交え、専門協議という形 でこの問題について検討させていただいたわけでございます。一応今回検討の対象とさ せていただいた製品の種類は資料5'の一番最後に書かせていただいておりますが、主に 尿由来製品、特に中国由来の尿を使った製品を対象に、ウロキナーゼ、ウリナスタチン 等についてもリスク評価をさせていただいたものでございます。特にSARS関連、コ ロナウイルスの性質としましては、尿にも排泄されるという特徴があることから、こう いった形で尿を中心に評価させていただいたわけでございます。コロナウイルス自体は 56℃、90分で不活化されるという性質のものでございます。  具体的なリスクの評価としましては、まずこういったコロナウイルスがどれだけ尿の 原料に入ってくる確率があるかという部分。それから、実際尿等の原料の中にどれくら いの量が入り得るかという量的な部分。それが1ページの「1 理論的なウイルスの混入 量」と書かせていただいておりますが、確率的には非常に低いということがございます。  それから2ページでございますが、後ろの製品群で実際に施されている処理がどれだ け有効かということを、「2 コロナウイルスの不活化・除去量の評価」ということで評 価させていただいているものでございます。基本的には、現在市場にあるものについて は加熱、エタノール処理、また限外ろ過、実際のウイルス等をろ過するような処理がさ れております。そういうものを組み合わせていくことによりまして、例えば(5)に「ヘ ルペスウイルス」と書いてございますが、コロナウイルスとサイズ的にも大体同じくら いで、かつ同じような性質を持っているエンベロープを持つようなウイルスに対して十 分な不活化・除去の効果があることが考えられているわけでございます。  実際には現在コロナウイルス自体でそういう試験ができるわけではございませんが、 そういう特性から見て…、3のところでございますけれども、現在推定されるウイルス 量や処理工程から見て、万が一コロナウイルスが尿原料に混入した場合であっても、理 論的にも十分除去できるだけの根拠があるだろうというところが専門家の先生方と協議 をした結果になってまいります。ただ、SARS関連コロナウイルスについては、まだ 確立された検査法や、コロナウイルスそのものを用いた工程のウイルスバリデーション 等の知見はほとんどないという状況もございますので、引き続き注意喚起という形で安 全性に関する情報の提供と収集を行ってまいりたいということでございます。  3ページに「(参考)」ということで、SARS関連コロナウイルスに関する潜在的な 感染伝播リスクが完全には否定できないとございますけれども、一定の不活化・除去に よる評価が可能であって、保健衛生上の危険発生のリスクは回避されるという部分。た だし、今般の事例においては、尿由来製品によるSARS感染リスクの一定の安全性が 確保されていることを情報提供することはより重要であるという観点から、この(1)〜 (3)に示すような形で、それぞれ製品に応じてリスクに関する情報を添付文書に記載す る等の措置を採らせていただくことを御報告申し上げるということでございます。概要 は以上でございます。 ○早川部会長 ありがとうございました。何か御質問等ございますでしょうか。どうぞ。 ○星委員 きっと私が素人なのだと思いますが、これまでこの尿を原料とした、あるい はここにいろいろありますが、コロナウイルスに限らずウイルスの検索などは行ってい たのですか。 ○事務局 尿由来原料でございますけれども、平成12年からヒト、動物の原料に関する いわゆるドナースクリーニングや原材料の検査を行政指導という形でお願いしてきてお りまして、実際に今回薬事法改正において、生物由来原料基準の中でそういう感染症の 検査が正式に義務付けられたという格好になってございます。 ○星委員 ということは、これまではそういうふうになっていなかったので、コロナウ イルスそのものは一般的なウイルスですから、当然混入していた可能性はあるわけです ね。ということは、現実には不活化、あるいは56℃なりエタノールなどで不活化すれば ウイルスは死んでいたと。しかし冷静に考えると、今SARSだから騒いでいるだけで すが、ほかにもいろいろなウイルスがあり、尿に出てくるものがあって、そしてそれが 製品となって使われるときに、これが中国人の尿から造られたものだというのは余り意 識しないで使うものですから、どうも現場での使われ方と製造の過程あるいは原料とい うものに乖離があるのです。この新しい基準で言うと、あらゆるウイルスの検索が義務 付けられるのか、どうなのでしょうか。私たち現場はこのSARSのことだけを心配す ればいいのか、あるいは一般的にその可能性は血液よりは低いけれども、尿から造られ るあらゆる製品に関して同じように生物由来製品として考えなければいけないのか。そ こはどうなのですか、教えてください。 ○事務局 尿由来製品については、生物由来製品、特定生物由来製品を指定する段階で 尿由来製品をすべて生物由来製品という形で指定させていただいております。それは先 生御指摘のように、やはりヒトから採取するものであるというところから見て、尿の中 に新たな感染因子等が出てくる等のリスクもあるわけでございますので、そこは血液製 剤までのリスクとは行かないまでも、生物由来製品に指定した形で安全対策を図ってい くことになってまいります。  基準におきましては、当然尿にしてもそれ以外のヒトや動物の臓器、様々な生物由来 のものがございますけれども、それらに対して一定の感染症に関するスクリーニング等 を行うという形になってございます。ただ、その細かい項目については製品の特性等が ございますので、それは製品の特性に応じて承認書の中で規定して厳格に守っていただ くということが現在の考え方でございます。 ○早川部会長 よろしゅうございますか。ほかにどなたか。私がちょっと質問といいま すか、尿由来のものを生物由来製品として指定しているわけですよね。その指定してい るゆえんというのは、尿であるということもありますし、例えば56℃で90分とか、そ れなりの不活化処理もしているといういろいろな状況から血液等とは区別したと。しか し、生物由来製品として指定しているわけですよね。その時点でもちろん完全に感染の 危険性は否定できないわけですけれども、今回SARS、コロナウイルスということが 出てきて、しかしコロナウイルス自体のことで言えば、例えば先ほどの56℃、90分で不 活化されると。ですから、そういう意味では既に生物由来製品に指定したという時点、 あるいは尿由来はこういう処理をしている製品である時点で、コロナウイルスの問題は クリアされているはずというか、もう考えの中に入っているはずだと思うのです。それ を今回あえて添付文書に、これに関してのみ上乗せ的に、「ただし、感染症伝播のリス クを完全に排除できるものではない」ということを付け加えていくというロジックが、 ちょっと私には分からないのです。つまり、生物由来製品として指定されたところで、 ここで新たに出現したウイルスが枠をはみ出しそうなものであるという場合ですと、い わば上乗せ的に注意を喚起しなければいけないだろうと思うのですが、いわば枠の中に 収まってしまっているものを話題性があったからそれを言うのか。言われた医療機関の 方もいたずらに不安…でもないですが、あえてまた言われると生物由来の指定以外に何 かあるのかなという印象も持たないのかなと。ですから、もともと生物由来製品として 指定したことの制度趣旨とサイエンス的なバックグラウンドと今回の措置がどう整合し ているのかというのがちょっとどうなのかなと思いました。 ○事務局 部会長からの御指摘でございますけれども、確かにいろいろなウイルスや細 菌に対する除去という観点での製造工程の評価は、早川部会長にも座長を務めていただ いた生物由来製品臨時部会の段階で、一通りクリアをしているということが事実でござ います。そういった意味で言えば、それまでそういうところで検討してきた製造工程に 関する安定性というかロバストネスといいますか、そういった部分をSARSという問 題が出てきた段階で再度検証させていただいたという意味合いで考えていただければと いうことかと思っております。情報提供については、確かに上乗せ的であるというとこ ろはございますけれども、やはり医療現場の方々が、特に尿製品について非常に不安に 思っている部分が逆にあってはいけないという趣旨がございまして、この「(参考)」の ところにも書いてございますが、「SARS感染リスクよりも、一定の安全性が担保さ れていることを情報提供することが重要である」という観点から、改めて情報提供につ いて追加させていただくという趣旨であるという点を事務局の方から御説明させていた だきました。 ○早川部会長 すみません。火をつけたかもしれません。 ○星委員 部会長鋭いと思います。多分これは今御説明されましたが、私なりに解釈さ せてもらうと、尿に対する危険性の喚起についてそもそもどうも甘いところがあったと。 つまり生物由来製品の中で血液、特定生物由来製品のようなものについてはいろいろな ことを言ってきたけれども、尿中にもウイルスが排泄されるではないかという指摘を得 られたと。それも特段に注意が必要なSARSに関連するウイルスが出るという情報が 得られて、そして調べてみたら不活化していて問題はないだろうということになった。 しかしどきっとしたので、これは言い訳としては、あるいは前広にということであれば、 血液製剤がそうであるように、カテゴリーは違うけれども尿の製品でもそういう可能性 が否定できませんよということを書いておけば、この後何か起こったときも文句を言わ れずに済むだろうなというぐらいの話かなと、私は今深読みをしました。したがいまし て、ウイルスによる感染が本当に否定できないというようなロジックを仕立てて、その 添付文書を変えさせるのであれば、尿、SARSだけではなくもう一回あらゆるものを 検証して、今書かせている注意書きあるいは添付文書の書きぶりがいいのかどうかとい うことを議論していただいて、その上で改めていただくと。このSARSに関して言え ば、慌てて調べたけれども、不活化によって多分大丈夫でしょうという情報提供にとど めていただく方が、私は現場の混乱も行政の混乱も格好悪さも少しで済むのではないか と思いますが、いかがでしょうか。 ○事務局 今御指摘の点については、確かにここの「(参考)」の中で申し上げている資 料として、「一定の安全性が担保されていることを情報提供することが重要である」と。 正しく星委員から今御指摘のあった点かと思いますので、この文言については安全対策 部門の方ともまた協議をさせていただきまして、そういう趣旨の内容がよく反映される ような形に修正させていただきたいと思います。 ○星委員 この尿に限って添付文書に注意書きを書かせるというのではなくて、ほかの ものも同じように評価していただいて、そして相当程度その可能性が…、ここで言うと ころは未知のウイルスなどが混入していてその感染の可能性を完全に否定できないと。 その否定できないという度合いが血液に比べれば少ないのかもしれないと。そういう意 味では、今まで書かせてなかったということであっても、ほかの部分をもう少しきちん と見てほしいと。製薬業界の味方をする気はありませんけれども、それから添付文書を 一遍に書き換えさせた方がいいのではないかと。それよりもむしろ(2)の、SARSつ いては処理工程でウイルスがほぼ除去されていると思われるということをお伝えする方 が私は重要だと。添付文書を書き換えるということはコストに反映しまして、薬の値段 を下げない言い訳にされて我々現場とするとすごく困るのです。ですから、添付文書の 書き換えをさせるのを案外簡単にやられますが、どうせやるなら小出しにしないでほし いという意味です。 ○早川部会長 私の方も「(参考)」の(2)は情報提供すべきだと。(1)に関しては、そ もそも論が生物由来製品に指定した時点でこのことではないかという感じを持ちまし た。あとは行政にお任せしますが、これは報告事項ですからここで審議することではな いので、コメントということにとどめたいと思います。ほかによろしゅうございますで しょうか。本日の議題は以上でございますけれども、事務局から更に何かございますか。 ○事務局 最後に一点だけ、本日の審議事項議題1のような基準適合確認を受ける品目 の審議資料について、前回までは概要にプラスして添付資料や参考資料まで全部付けた ものをお送りして、それを基に御審議いただいておりました。しかし、今回1品目だけ でもかなり膨大な資料が提出されてまいりますので、部会長と事前に相談させていただ き、概要のみお送りさせていただきました。それでもし添付資料等の中で御覧になりた いものがある場合には事務局に御連絡いただくということでお願いをしたところでござ います。これらのかなり膨大になります資料は調査会等でしっかり見ていただいており ますので、今後も当部会の審議資料としてお送りさせていただくのは概要のみとして、 もし添付資料等を御覧になりたい場合には事務局の方に御連絡いただいてお送りをする という取扱いにさせていただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○早川部会長 そういう御提案でございますが、いかがでしょうか。よろしゅうござい ますか。それでは一応これで本日の予定されたことは終わったわけですが、先生方から 特に追加で御発言がございませんようでしたら、本日の議事はこれで終わりにしたいと 思います。どうもありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 専門官 齊藤(内線2743) - 2 -