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 3.世帯類型別にみた家計の分析

 図表 ⅲ-5、図表 ⅲ-6で世帯類型別に消費支出の構成比をみると、生計簿の各世帯類型とも「食料費」の占める割合は23~30%であり、家計簿は各世帯類型とも29~35%となっている。また、家計簿の高齢者世帯で「住居費」の占める割合が24.3%で、家計簿の他の世帯類型と比べても、さらに、生計簿と比べても高い。

図表 ⅲ-5.世帯類型別10大消費支出構成比(生計簿)
図

図表 ⅲ-6.世帯類型別10大消費支出構成比(家計簿)
図

 次に、10大消費支出の実額を使用した積み上げグラフでみると、生計簿では「その他世帯」の消費支出が最も多く、「母子世帯」の消費支出が低い。家計簿では「母子世帯」の消費支出が最も多い。

図表 ⅲ-7.世帯類型別10大消費支出積み上げグラフ
図

図表 ⅲ-8.世帯類型別消費支出額
単位:円
種別 高齢者世帯 母子世帯 障害・傷病世帯 障害世帯 傷病世帯 その他世帯
生計簿 平均世帯人員 (1.7人) (2.6人) (2.3人) - - (3.4人)
10大消費支出計 179,757 177,115 214,093 - - 262,328
食料 44,663 43,272 62,556 - - 60,307
住居 20,471 21,692 17,650 - - 31,522
光熱・水道 13,169 13,998 10,598 - - 18,544
家具及び家庭用品 7,464 5,279 6,813 - - 8,080
被服及び履物 6,062 10,598 8,164 - - 10,587
保健医療 11,440 4,412 13,482 - - 8,276
交通・通信 13,104 19,983 15,802 - - 31,443
教育 209 16,208 6,742 - - 15,922
教養娯楽 20,054 14,542 13,196 - - 23,374
その他消費支出 40,806 22,319 53,541 - - 50,171
家計簿 平均世帯人員 (1.4人) (3.0人) - (1.8人) (1.8人) (2.3人)
10大消費支出計 118,579 200,545 - 144,842 128,024 154,115
食料 37,606 58,224 - 49,989 40,063 50,643
住居 29,585 32,091 - 24,229 24,342 28,120
光熱・水道 9,812 17,019 - 11,620 12,626 14,464
家具及び家庭用品 5,460 8,502 - 7,196 7,179 7,971
被服及び履物 4,135 14,295 - 7,086 6,091 7,093
保健医療 2,856 3,751 - 3,232 3,058 3,979
交通・通信 6,824 16,073 - 10,100 9,539 9,345
教育 21 12,053 - 1,037 492 3,354
教養娯楽 6,041 16,438 - 8,187 6,551 9,198
その他消費支出 16,238 22,099 - 22,166 18,082 19,946

 次に、図表 ⅲ-9で生計簿について世帯類型ごとの黒字世帯7、赤字世帯8の割合をみると、母子世帯、その他世帯で黒字の割合が高くなっている。

図表 ⅲ-9.世帯類型別の赤字・黒字世帯構成比
図


家計の実態についてのまとめ

 この章では、社会保障生計調査により家計の実態をみてきた。
 以下、家計の実態における生計簿と家計簿の特徴をまとめる。

 (1) 生計簿と家計簿で比較してみると、実収入では約13万円、消費支出では約9万円生計簿の方が家計簿より大きくなっている。実収入の中に含まれる勤め先収入の金額に注目すると、生計簿では勤め先収入が実収入に占める割合が高いのに対し、家計簿では勤め先収入が少なく実収入に占める割合が低い。

 (2) 10大消費支出の支出項目別の金額に注目すると、「食料費」「住居費」「家具及び家庭用品費」などの基礎的な支出については、生計簿と家計簿の間で大きな差はない。一方、「その他消費支出」「交通通信費」「教養娯楽費」といった費目については、家計簿より生計簿の方が高い。
 また、消費支出の金額を世帯類型でみてみると、生計簿では「その他世帯」が最も消費支出額が多く「母子世帯」が最も少ないという結果であるのに対し、家計簿では「母子世帯」が多くなっている。



7 赤字世帯とは実支出が実収入を上回っている世帯をいう。
8 黒字世帯とは実収入が実支出(消費支出と非消費支出を合計したもの)を上回っている世帯をいう。


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