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VII まとめ

 1  石綿ばく露との関連が明らかな疾病として掲げられている「胸膜又は腹膜の中皮腫」に、「心膜、精巣鞘膜の中皮腫」を追加すること。

 2  石綿ばく露との関連が明らかな疾病として、「良性石綿胸水」及び「びまん性胸膜肥厚」を追加すること。
 ただし、業務上外の判断は、個々に行うこと。

 3  石綿ばく露指標として重要な「胸膜プラーク」を、認定要件として独立させること。

 4  肺組織内の石綿小体(石綿繊維)も重要な石綿ばく露指標であることの周知徹底を図ること。

 5  中皮腫について、認定要件の一つである石綿ばく露作業への従事期間を「5年以上」から「1年以上」にすること。
 中皮腫は、肺がんに比べ、低濃度の石綿ばく露によっても発症するおそれがあることに注意しなければならない。

 6  石綿ばく露作業の例示の見直し、整理を行うこと。
 見直しにあたっては、石綿製品等を取扱うことによる直接ばく露の作業のみならず、間接ばく露の可能性のある作業についても留意しなければならないことを周知すべきである。

 7  肺がんについては、石綿ばく露作業への従事期間を除き、中皮腫の認定要件見直しに合わせて、整理すること。

 8  石綿関連疾患及びその労災補償上の取扱いについて、関係労使のみならず、中皮腫の診断・治療に携わるすべての医療機関及び医療関係者等への周知徹底を図ることが肝要である。

 最後に、本検討会における検討結果に基づき、認定基準の改正がなされ、迅速・適正な労災認定が図られることを期待する。


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