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参考資料2.

社会サービス部によるアセスメント優先順位の根拠

 英国の一地域におけるアセスメントの優先順位について示す。緊急度に応じてアセスメントを行うよう一定の基準を作成している。


優先レベル1
 最も緊急なニーズをもつ場合、対応は、その日あるいは翌日中にはスタートしなければならない。対応は、ただちに二次アセスメントを行うという場合もあるし、すみやかにサービス提供を行うという場合もある。また、その両方を同時に行う場合もある。

例えば、次のような依頼
介護者の病気や不在による緊急対応で、病院、ホスピス、生活施設への入院・入所を求めている。
重大な損傷によるリスクのもとにある。または、他者に重大な損傷を与えるリスクがある。
一人住まいで、自分自身では全く食事や排泄ができない。
重大な危害に対して自分自身を防ぐことができない。
虐待を受ける。または、虐待が強く疑われる。
プランが作成されていない段階で退院を求められている。


優先レベル2
 ニーズにやや低い緊急性を伴うクライエントの場合。対応は、14日(2週間)以内に開始しなければならない。

例えば、
病院退院のアセスメントを必要とする。
介護者が深刻なストレス下にある。
体を洗うことができない。
重度の進行性の神経系障害をもつ。
介護者の病気や不在。
一人住まいで混乱・困惑がある。
睡眠をとることができない。


優先レベル3
 上記に挙げた以外の依頼

例えば、
介護者が病院に入院する計画がある。
近い将来自分自身で身辺処理をする能力に影響がある中程度のゆっくりとした低下がみられる。
ストレス下にあるが、ただちに崩壊するリスクにあるという状況ではない介護者をもつ。
制限された移動のもとで一人住まいをしている。
介護者がケアをすることで手当てを受けている。
自分では日常生活活動を遂行することができない。
基本的ではない活動(例えば、家事)を実行できない。
コミュニティケア・アセスメントを要求する。
乏しい社会的サポート下にある。


 以上のような段階で、優先順位が1のレベルであれば、ただちに対応しなければならない。それは、常時介護が必要な人をケアしている人が病気や事情により介護できなくなった場合、本人の生命に関わる事態が明らかに想定される場合には、当然のことながら、最優先される。レベル2であれば2週間以内で、本人の健康、安全が保ちにくい状況が想定される場合である。したがって、3のレベルとなると、かなり先送りされることになる。これらは、アセスメントの遅れにとどまらず、サービス提供の遅れをかなり大きなものにすることになる。
 利用者の不満となって出てくる話も、住宅改造や社会参加に関わる周辺的サービスは先送りされてしまうことである。我が国のケアマネジメントにおいても、これらの課題がかなり共通事項と言えるだろう。


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