参考資料1.
このリーフレットは、視覚障害をもつ方たちにとってコミュニティケアはどのような意味があるのかを説明するものです。もしあなたが援助を必要としているなら、まず、ご自身の地域にある社会サービス部に申し出てみてください。さらに情報がほしければ、「RNIB福祉の権利とコミュニティケアの権利擁護部」に電話をしてアドバイスを受けてください。
コミュニティケアとは何か?
コミュニティケアとは、障害あるいは特別なニーズをもつ人に提供されるものです。それは、可能な限り自立して生活したいという要求に応えるものです。例えば、視覚障害をもつ高齢者は、買い物の手助けを求めているでしょう。家で自立して生活できるよう家屋改造をする必要もあるでしょう。あるいは、重度の障害をもつ人は、在宅での生活が続けられるよう介護者の定期的なサポートを必要としているでしょう。 コミュニティケアのもとで、自治体の社会サービス部はどんなサービスが提供できるかを決定する前に、あなたの生活全体にわたるニーズをみていきます。これを「ニーズ・アセスメント」と呼んでいます。
コミュニティケアは誰のためのものか?
次の方々は、コミュニティケアによる援助を受けられます。・ | 全盲や弱視者を含む障害者 |
・ | 高齢者 |
・ | 他に特別なニーズをもつ人々 |
どのような援助のタイプがあるのか?
それぞれの自治体によって提供する援助の量はさまざまです。そこで、サービスについての情報をあなたのもとに送ってもらうのがいいでしょう。
自治体は、あなたにとって最善の方法で情報を提供することになっています。情報を受け取る場合に、もし拡大印刷やテープ、点字のいずれかが便利ならば、それを申し出てください。また、コミュニケーションに何らかの困難をもっていて、必要な援助を受けたい場合もそれを連絡してください。もし英語が母国語でないならば、翻訳や通訳を頼むことができます。
すべての自治体は、次の領域において援助が必要な場合に対処することになっています。
・ | 家庭における実際的な援助 |
・ | ラジオやテレビの提供 |
・ | 図書館サービスの利用 |
・ | 交通機関の活用を含む、レジャーや教育機関の利用 |
・ | 家屋内の福祉機器や改造 |
・ | ホリデー活用 |
・ | 家庭や他の場所における食事提供(デイセンター、または配食サービス) |
・ | 電話の提供、電話を使用する場合に必要とする特別な機器 |
誰に連絡するのか?
各自治体の社会サービス部の電話番号は、電話帳で見つけられます。あるいは、あなたの住んでいる地域の図書館、市民アドバイス・ビューロー、あるいは地域の障害者団体にたずねてみてください。
ソーシャルワーカーにあなたのニーズを確認するための手配を頼んでみましょう。そして、サービスについて情報提供を求めましょう。
もし、社会サービス部にコンタクトするのに気後れするようでしたら、誰かがあなたに代わってこのことをすることができます。例えば、友人、親類、主治医、ホームケア・ワーカー、あるいは障害者団体のメンバーなどがそれに当たります。
何を依頼できるか?
ソーシャルワーカーに会う前に、あなたがもっているさまざまな困難や必要とするサポートの種類について注意深く整理しておくことがよいでしょう。自分の課題を整理しておくことは、あなたが主体的に生活をしていくことを確かなものにします。
例えば、次のような分野で援助を受けることを望みますか。
・ | 屋内、屋外で安全に移動すること。 |
・ | 身辺のケア。例えば、入浴、爪切り、起床、就寝、など。 |
・ | 家事。例えば、掃除、料理、買い物など。 |
・ | 食事。家庭で、または適切なセンター、あるいはランチ・クラブで。 |
・ | 住宅に関するアドバイス。ニーズに適切に対応した住宅改造、例えば、照明やガイド用手すりなど。 |
・ | 日々の生活を管理するための訓練。特別な機器に関するアドバイス。 |
・ | 経済面でのアドバイス。例えば、手当てや諸サービスを受ける場合の費用。 |
・ | レジャーや仕事の選択についてのアドバイス。 |
・ | あなたやあなたを介護している人のレスパイトケアについてのアドバイス。 |
・ | ソーシャルワークのサポートとアドバイス。 |
・ | 障害への適応、カウンセリング、個人的な問題に対する擁護。 |
・ | 電話の取得。 |
・ | サービスを受けるための送迎。 |
ニーズをどのようにアセスメントするのか?
あなたの申し出の後、適切な期間中にニーズをアセスメントします。
もし、誰かがあなたを介護する場合、その介護者のニードと希望も考慮されなければなりません。あなたと介護者はソーシャルワーカーに別々に話をするか、それとも一緒に話をするか、どちらがいいかについても考えてください。
アセスメントをする人は、視覚障害関連の専門家ではないかもしれません。したがって、あなたが事前にあなたのニーズについて考えておくことが大切です。ソーシャルワーカーは、あなたの置かれている状況、あなたのできること、できないことをみます。あなたの好み、家の状況、友達や親戚の支援、その他あなたが重要だと感じていることも、考慮されるべきです。ソーシャルワーカーは、あなたの健康や住居のニーズを含む全体的ニーズをみます。また、アセスメントの際に、親しい人やあなたを代弁する人が参加する権利をもっています。
アセスメントは、社会サービス部があなたのニーズに対応してどんなサービスをアレンジするべきかを決定する上での基本となります。
次にどんなことが起こるか?
適切な様式でアセスメントの結果が渡されます。これがあなたのケア・プランと呼ばれるものです。このケア・プランは、あなたのニーズが何であるか、どのサービスが提供されるべきか、それは社会サービス部かその他の機関からか、などが記載されています。社会サービス部は、そのサービスがあなたのニーズに適合しているかどうかをチェックする責任があります。もし多くの援助を受ける場合には、ケア・マネジャーあるいはキー・ワーカーとよばれる職員が割り当てられるでしょう。かれらはその援助を確実なものにし、サービスがスムーズに提供されるよう働きかけていきます。
費用の支払いは必要か?
あなたは、自治体がアレンジしたサービスの一部あるいは全てについて支払いを求められるかもしれません。その場合、適切な範囲を超えて課されることはありません。自治体は、あなたが請求額を支払うことができないからと言って、サービスを引き上げることはできません。自治体は、各手当を受ける権利をもっているかどうかを確認します。
もしサービスの結果に不満足な場合はどうするか?
すべての自治体は、苦情処理の手続きをもっていること、そして、このプロセスを使う場合の援助をしなければなりません。この手続きについての情報は、適切な様式(点字、テープ、拡大文字)であなたが入手できるようになっているはずです。
苦情をいうことには気が進まず、かと言って先送りできないことがあるかもしれません。市民のコメントを聞くことによって、初めて自治体のサービスは改善されます。あなたのコメントは、他の視覚障害者にとって利益となることでしょう。
おおかたの苦情は、サービスを提供する上で責任をもっている人に話すことでインフォーマルに扱われるはずです。しかし、もしあなたがそのことでなお不満足であれば、書面で公式に苦情を提出できます。書面で苦情を出すために自治体からの援助を受けることができるようになっています。
自治体は、あなたの苦情を調査し、あなたに書面で28日以内に回答しなければなりません。それでも不満足であれば、苦情に関する委員会にあなたの苦情を提出することができます。自治体に対して、あなたのソーシャルワーク・ファイルの提示を求めることもできます。そして、必要ならばあなたを代理する人を探すよう求めることもできます。
自治体の職員に苦情を出す上でサポートするよう依頼することも可能です。
もし満足が得られず、さらにその問題を取り扱うことを求めるならば、法的なアドバイスができる専門家を紹介されるでしょう。
もし自治体があなたの利用している援助を削減しようとする場合には、どうするか?
まずアセスメントを受ける際、あなたについてのケア・プランのコピーを渡されます。自治体があなたのためのアレンジに同意した際には、注意深く確認してください。自治体は、ニーズの再アセスメント無しにサービスを減少したり引き上げたりすることはありません。
個人の状況が変化したら、どうするか?
時間の経過であなたの状況は変化するかもしれません。おそらくあなたの友達や親戚がそれまでのようにはサポートできない場合や、あなたが病気になることもあるかもしれません。その際には、ニーズについて再アセスメントを受けるよう要求すべきです。自治体は、あなたの受けるサービスの量を増加するかどうかを決定することができます。