03/07/23 第10回社会保障審議会児童部会議事録              第10回社会保障審議会児童部会                    議事録              厚生労働省雇用均等・児童家庭局            第10回社会保障審議会児童部会議事次第  日時:平成15年7月23日(水) 10:00〜12:00  場所:厚生労働省 共用第7会議室   1.開会   2.「児童相談における都道府県と市町村の役割分担、連携の在り方」に関する     関係団体からのヒアリングについて   3.その他   4.閉会 ○中村総務課長  実は今朝、与党の部会が開かれておりまして、局長、審議官が若干遅れております。 柏女先生がお見えになりましたので、始めさせていただければと思います。 ○岩男部会長  おはようございます。  それでは、定刻になりましたので、ただいまから第10回の社会保障審議会児童部会を 開催させていただきます。本日は、大変お忙しい中を御出席いただきまして、ありがと うございます。  まず、最初に、事務局の方から、本日の出席状況について御報告をお願いいたしま す。 ○中村総務課長  本日は、網野委員、武藤委員、山崎委員が所用により欠席という御連絡を受けており ます。 ○岩男部会長  ありがとうございました。  それでは、議事に移りたいと思います。  本日は、まず、児童相談所における都道府県と市町村の役割分担、連携の在り方に関 する関係団体からのヒアリングについてを議題といたします。本日は、全国知事会から 調査第一部長の石上様、全国市長会から社会文教部長の猪塚様、また、小田原市福祉健 康部児童福祉課長補佐の羽山様、全国町村会から行政部長の高橋様、中核市連絡会から 姫路市健康福祉局福祉部児童福祉課長の北口様、姫路市東京事務所長の芝原様、豊田市 社会部長の市川様、子ども課長の藤村様、全国児童相談所長会から会長の飯山様、以上 の方々にお見えいただいております。  それでは、御意見につきまして知事会、市長会、町村会、中核市連絡会、全国児童相 談所長会の順に順次御意見をいただき、その後質疑ということで進めさせていただきた いと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、まず、全国知事会の石上様からお願いいたします。 ○全国知事会(石上部長)  全国知事会の石上でございます。  今日は、こういった機会をこの部会で設けていただきましたことについて、まず、御 礼を申し上げたいと思います。早速でございますけれども、説明させていただきます が、座って失礼いたしたいと思います。  お手元の資料の中で、資料4の次に冊子があると思いますので、お開きいただきたい と思います。私ども児童相談所の設置都道府県といたしまして、ちょっと時間が少なか ったわけでございますけれども、この機会にアンケートを取らせていただきました。し たがって、その結果についてお手元にまとめさせていただいておりますので、それに沿 って御説明させていただきたいと思います。  基本的には、皆様方がおまとめいただいた論点というものについて、すべて問う形に したかったわけでございますが、たくさんございましたので、その中から我々の主観で 選ばせていただきまして、特に児童相談所の在り方、その中の体制強化の考え方とか必 置規制の考え方、それから、都道府県と市町村の役割分担という点について重点的にア ンケートをとらせていただきました。  対象といたしましては47都道府県でございますが、実はいろいろな事情で、昨日の夕 方現在で45都道府県からの回答がありまして、それを急きょ、夕べの段階でのまとめた ものでございます。  最初に、総論的なことを申し上げておきたいと思うんですが、これを見ていただくと おわかりのように、各都道府県ともこの児童相談、とりわけ、最近の課題であります児 童虐待といったことに関する都道府県の役割というのが大きいという認識を持っている と思います。  それから、もう一つは、都道府県だけでなくて、やはり市町村の役割も十分あるので はないか。その辺をできれば明確にしてほしいというようなことも書いてございます し、具体的にも出てまいりますので、御参考にしていただきたいと思います。  それから、もう一つは、この結果を見ると、都道府県から市町村に業務・権限を移譲 するというについては慎重という考え方、これはこの中でごらんいただきますが、私ど も都道府県からだけの意見ではなくて、特に中核市については、県側から中核市に意見 を求めたものも入っております。  一方、県サイドですが、都道府県そのものと特例市と、他の市町村に権限移譲等をし た場合にどうかということも含めておりますので、御参考いただきたいと思います。そ ういう意味で、その中では割合慎重な意見が多いと思っております。  ただ、そのときに、必ずしも市町村に児童相談所の設置を求めるということではなく て、何らかの役割を担っていただきたいといったことで、都道府県と市町村が連携をと りながら、この問題を解決するという方向がいいのではないかというふうに伺えます。  そういうことで、47都道府県を紹介いたしましたけれども、このヒアリングのねらい といいますか、できるだけ多くの意見があった方がいいだろうということで、必ずしも 集約をしたものでないということで、意見がそのまま、できるだけ共通のものは1つに しまして掲げさせていただきましたので、よろしくお願い申し上げたいと思います。そ ういう意味では、賛否両論というものも中には出てまいります。できるだけ、幅広く取 り上げたと考えております。  そういったことから、この部会におきましては、是非、今後の検討の中で活用してい ただくことを最初にお願い申し上げておきたいと思います。  以下、具体的に、お手元の資料に基づきまして御説明をさせていただきたいと思いま す。  1ページの方にございますように、今申し上げたアンケートの具体的内容が6項目と いう形になっておりますが、論点の趣旨の中から、こういう形で選ばせていただいてお ります。では、具体的にまいります。  2ページでございます。これは複数回答でございますので、まず最初に、児童相談所 において現在どのような問題が生じているかという観点からの問いでございます。ま ず、最も多いのが、四角の中の(2)の困難事例の発生・増加により、対応に苦慮してい るという意見が圧倒的に多い。(3)にございますように、特にこれに携わる職員の専門 性の確保、向上ということが非常に難しいという結果、それから、(1)にありますよう に、相談件数が急増しているということで、対応が難しくなっているという意見でござ います。  以下、具体的に、今問うた5項目にわたっての主な意見を下に掲げさせていただいて おります。その中で増加しているものはともかくとして、2番目にございます「緊急・ 困難事例の増加」というものを見ますと、1つ目の「・」、職種による一時保護や保護 者の意に反する児童福祉施設への入所措置の家庭裁判所への申立ての増加ということ で、質的に困難なケースが急増しているという意見。  それから、2番目の職員の専門性の確保という観点では、やはり増加もございます が、虐待が増加して強いストレスといった意味で、長年勤務するということが難しくな ってくる、職員自身のストレスがたまっていく。そういう意味で、専門性の蓄積が困難 な面があるという意見もございますし、3つ目の「・」ですが、今後どういう人材を計 画的に育成していくかということが課題であるということが言われております。  それから、(4)で35.6%でございますけれども、(4)は下から2つ目の「市町村との連 携の不十分さ」ということがまず最初に出てまいりまして、必ずしも市町村との連絡が 十分でないということで、これは後ほど、そういう意味での都道府県から市町村への期 待というものが結果として出てまいりますので、そういったものが最初の前提としてご ざいます。  「その他」といたしましては、児童虐待等において初期介入から親子分離の再統合ま での具体的なプログラムがない、こういったことを示してほしいという意見がありま す。  3ページでございます。児童相談所の体制強化という観点で、都道府県が今後の児童 相談所の設置について見直しをする予定があるかどうかということでございます。これ は、択一式でございます。現状維持というのが62.2%で最も多いわけでございますけれ ども、その次に「その他」というのがございますが、これは下に説明がございますので また見ていただきたいと思います。現状維持というところをちょっと見ていただきます と、(2)のところでございますが、ここは既にそういったいろいろな問題、テーマの課 題が増加しているということから、組織改正や人員増等を図ったところであるというこ とから、当面見直しの予定がないという「・」の2番目のところでございます。それか ら、「・」3つ目のところで、今後、既設の児童相談所の体制強化を考えているけれど も、相談所の増設は予定していないと、ここで言っているのは特に増設という観点が主 でございますので、そういった観点で見ていただいております。  それから、「その他の主な内容」というところを見ますと、一番上の「・」では、児 童相談所のあり方等について検討中であると。例に書いてございますけれども、地方振 興局の再編と並行して児童相談所のあり方について検討中といったようなこと。それか ら、今後検討したい。それから、一番下の「・」でございますが、やはり現在、社会福 祉センターのあり方についての部内検討会といったところにおいて、児童相談所のあり 方についても検討を重ねているということでございますが、現在、ここで議論されてい ますように、中核市設置の方向性といったものも併せて、そういうことと並行して検討 していきたいということでございます。  次に、4ページでございます。同じく相談所の体制強化に関連して、職員配置につい てどう考えていくか。「増員を予定」「現状維持」「その他」ということで、「その他 」が多いわけですが、「現状維持の主な内容」というところを見ますと、「・」の2番 目にありますように、地方は最近、財政状況が厳しいものですから、当面は現行体制で いくという意見もございます。ただ、その上にありますように、現状維持というのは既 に虐待対応職員の増員を行ったということから、当面は現体制でいくという意見でござ います。  その増員の方は御存じのように、今のような状況からの増員を予定しているというと ころが(1)に書いてございます。  「その他」の(4)でございますけれども、現在検討中ということで、職員配置につい て検討中のところもかなり多くございます。児童相談所の機能及び組織について充実を 図る方向で検討中。児童相談所のあり方等について検討中。ただ、増員を図ったけれど も、今後とも充実を図る必要があるという意見。その他の状況を見て検討するという中 では、やはりこの部会での検討の状況を踏まえていきたいという意見でございます。  次に、5ページにまいります。職員の専門性の確保・向上に関する考え方で、県の取 り組みでございます。これにつきましては、最初の「採用、人員配置」のところにあり ますように、すべて福祉専門職員として採用しているということで、その後、また全体 研修を初め、年次や職階ごとの研修、課題別研修といったものを計画的に実施している ということ。それから、平成14年度から専門職の採用を復活したという意見が「・」の 2番目にございます。そういったことから、機能の充実に努めている。  研修も以下書いてございますようなことでございます。  それから、下の「専門家によるサポート体制」というのをごらんいただきたいと思い ますが、ここでは数県でございますけれども、中央児童相談所において医師だとか弁護 士等の専門的な「子ども家庭サポートチーム」というものをつくって、医学的・法律的 な判断といった観点から困難事例に対していく、そんな専門的技術支援を行うというこ とをしているところもございます。もう一つ、下のところでは「児童虐待ケースマネジ メント・アドバイザー事業」、これは県の単独事業としてやっているということでござ います。  次に、6ページでございます。これは、都道府県と市町村の役割という観点から、児 童虐待の予防、早期発見・早期対応という観点から、市町村の役割を強化すべきである と考えるけれどもどうかという観点でございまして、ただ、先ほど申し上げましたよう に、市町村に児童相談所を設置するという趣旨で聞いておりません。児童相談業務とい うのは、やはり住民に身近なところで支援する方がいいのではないかという視点から問 うているものでございます。したがって、現状のシステムの中で市町村の役割はどうあ るべきかということを聞きました。  直ちに実施すべきであるというものが(1)にございますが、26.7%、これも勿論択一 でございます。原則的に賛成だが、一定の配慮が必要であるという回答もございまし て、反対であるというものは0でございます。  そういうことで、原則的に賛成だが、一定の配慮が必要であるという(2)の意見、具 体的内容を見ていただきますとわかりますように、児童虐待の対応について、市町村間 のばらつきが大きい現状にあって、防止ネットワークの設置も同時に行われる必要があ る。それから、2つ目のところには、役割に対応できる専門性を持った職員の確保、都 道府県との連携について配慮が必要である。それから、3つ目の「・」で、発生予防、 早期発見、アフターケアについては、住民に身近な市町村が行いやすい立場にあり、そ の役割を果たしていくべきである。ただ、そうはいっても児童相談所を含めた関係機関 ・団体との協力連携体制の整備を図ることが重要である。なお、市町村域でのネットワ ークの設置を促進する必要があるといった条件つきで、市町村への役割というものが必 要であるという意見でございます。したがって、反対というのはありませんでした。  次に、7ページでございます。そこで、具体的に役割として、どういう役割を市町村 に担っていただいたらいいかという今の続きでございまして、具体的な役割を問うてお ります。それを整理してみたのが、(1)で都道府県の役割はどうか、(2)が市町村の役割 ということでございます。都道府県が果たす役割といたしましては、2番目の「・」に あります立入調査、職権による一時保護。また、28条申立等の法的措置といった相談、 医学的・心理学的判定、治療指導等、専門的分野は引き続き都道府県が担うのが適当で あるという意見が多いわけでございます。もう一つは、市町村への技術支援、それか ら、市町村ネットワークといった形での助言、相談担当職員の指導ということが言われ ております。  2番目にございます市町村が担うべきというのはどういう役割かというのは、具体的 に書いてございますが、1つには、健全育成相談とか心身障害相談は、より地域に密着 した市町村が行うのがいいのではないか。2番目の「・」のところが多かったわけです が、児童虐待の啓発、予防、発見、初期対応という一次機能、最初にといいますか、一 次的に果たすべき役割といった点は市町村がいいのではないか。支援・見守りを中心と する事例への中心的な関わり、これも市町村が対応できないか。それから、1つ飛んで 4つ目の「・」、子どもに関する一義的な相談は市町村が主体的に担えるように位置づ けたらどうか。ただ、そういう意味で、都道府県と市町村の役割といったものを整理す る必要があるというのが4つ目の意見でございます。  その他の中で、全体的な役割分担という観点で整理してございますけれども、その中 では「・」の2番目のところ、相談業務については市町村が担当し、調査等については 児童相談所と協力して実施する。調査の結果、重篤でないケースについては市町村が対 応していくと。一番下から2つ目のところでございますが、役割分担を考える場合は、 市と町村を分けて考えるべきであるという意見もございました。  次の8ページでは、具体的な意見について、相談とか心理的・医学的判定等といった 個別に都道府県、市町村が担うに当たってどのような割合になっているかということを 問うたもので、参考に見ていただきたいと思いますが、最初、特に市町村が担うという 観点でちょっと御説明しますと、最初の相談・助言というところは、(3)にございます ように、市町村が担うべきという意見が51.1%で多い。その中でも、(2)の一部を市町 村が担うのは42.2%という割合で多うございまして、その下に(2)とか(4)、その他に掲 げた団体からの意見が並べてございますが、多分一部の市町村が担うという42.2%に対 するものは、「・」の一番最初、障害者相談、育児不安、健全育成相談、不登校等相談 業務については市町村が行うべきであるということで、役割の一部を行うべきという意 見。  そうして見ていきますと、心理判定とか医学的判定は都道府県の役割だと考えており ますし、立入調査も先ほどのように、都道府県の役割が非常に強いということでござい まして、9ページの方にも行っていただきますと、専門的継続指導も都道府県が担うべ きである。心理療法、一時保護もそうです。  それから、下の施設入所措置、里親委託といった点については、一部市町村という意 見も数県からございます。特に、下に説明がありますように、障害児の施設入所措置に ついては市町村でもいいのではないかという意見がございます。  それから、10ページでございますけれども、里親の認定というのも県がやるべきであ る。  最後の里親への指導につきましては、県が半数以上を占めておりますが、日常的な里 親に対する相談、助言、指導といったものは、一部市町村でもいいのではないかという 県が数県ございまして、37.8%でございます。やや多くなっているというものです。  次に、11ページでございます。市町村にそういったことで業務を移譲する上で、どの ようなことが課題となると考えているかということで、これは複数回答でございまし て、財政的支援だとか専門性を持った職員の確保が必要である、当然のことです。それ から、研修の実施、マニュアルの作成等といった支援が当然必要になってくるという意 見でございます。  その他は下に書いてございますように、4点ほど一応掲げさせていただきました。  次に、12ページでございますが、中核市にも児童相談所を設置できるようにすること についてどう考えているか。ごらんのように、これは先ほどのように原則的に賛成だけ れども、一定の配慮が必要であるという意見が圧倒的に多いように思います。直ちに実 施すべきであるというのは(1)にございますように、中核市程度の人口規模であれば可 能だという意見もあるし、この中で1番目の「・」にありますように、義務化してほし いという県もございます。  ということで、(2)のように原則的に賛成だけれども、一定の配慮が必要であるとい う意見は、先ほど来申し上げているような考え方が多いと思います。ただ、そう言いな がら、先ほど言ったような相談的なことについては、住民に身近な市町村がという観点 も強く働いているように思います。2番目の「・」にありますように、財政的・技術的 支援や専門職員の確保等の面で配慮が必要であるという意見が当然出てまいります。  それから、(3)の更に慎重に検討するというものも15.6%ございまして、最初の「・」 にございますように、家庭裁判所の申立てや強制介入などを行う職員の専門性や人員の 確保、施設入所措置の広域調整が可能かなどを踏まえた検討が必要である。小さい県で は児童相談所が小規模になって、相談機能等が弱体化する場合がある。その結果、複雑 ・困難なケースに対応できなくなる可能性がある。この辺は、いろいろな福祉司等の設 置要件などの観点をとらえていると思います。  次に、13ページでございます。そういうことで、今、幾つかの意見がございますよう に、次にそういった中核市に児童相談所を設置する場合に、留意すべき点ということで 具体的に書いていただきました。専門性の確保ということは、ほとんどの県で指摘して おります。  それから、広域連携というものも必要であるということから、その「・」の3番目に ございますように、県の児童相談所と市の児童相談所の役割の違いというものをはっき り明確にすべきであるとともに、連携を図るというのがございます。  4つ目のところに「県の役割」ということで、県はそういった場合に、中央児童相談 所は県内の事情を把握して企画運営、連絡調整、技術的援助、情報提供といったことの 援助を行うことができる職員の配置及び組織的な体制整備を図る必要があるということ です。  それから、「その他」でございますけれども、さっきも触れた意見でありますが、 「・」の2番目にございますように、管轄する人口規模の小さい児童相談所が設置され ることとなるため、現行の職員配置基準では職員が手薄になる恐れがあるという心配、 懸念の意見もございます。  次に、14ページに行きます。児童相談所の中核市等への設置可能化について、児童相 談所の設置に関する中核市の意向を確認の上、これは実は、県から中核市に対して聞い たものを私どもがここに意見として求めたものでございますので、中核市の意向という ふうに御認識いただいていいのではないかと思います。そういう意味で見ますと、中核 市にとっても慎重な検討が必要であるという(3)でございますが、44.1%という回答。 次は、(2)の原則的に賛成だが配慮すべき点があるということでございました。反対と いうのが17.6%あると。ただ、これは県から聞いておりますので、県の意見で県内の市 町村、中核市が2つ以上ある場合には、それぞれ反対もあったり、賛成もあるというこ ともあり得ると思います。  その中で、(2)にございますように、考え方、意見で原則的に賛成だけれども、配慮 すべき点があるという点につきましては、基本的には賛成だけれども、専門性を持った 職員の確保について懸念されるという意見。それから、2番目の「・」にございます が、専門的職員の確保や措置施設等の設置許可の権限、財源問題など、配慮が必要だと いう意見であります。  慎重な検討が必要であるという(3)の意見でございますが、その中の「・」の1番目 でございますけれども、これは各県からの意見で最も多かった意見でございます。専門 的人材の確保、財政問題等があり、慎重な検討が必要である、さっきの(2)の原則賛成 というところと重複しております。それから、3つ目の「・」にございますように、県 とのサービスエリアの区分調整や施設措置の事務、経費の面で課題がある。4つ目の 「・」の児童相談所の業務は専門性が要求されるため、県単位での設置が望ましいとい う中核市の意見もございます。  (4)の反対でございますが、1つだけ挙げますと、専門職員の採用・確保が困難であ るという意見が、これも数県からございました。  次に、15ページでございます。これは県からの回答でございますが、中核市以外の特 例市や一般市に児童相談所を設置するということについてどうかという意見でございま す。  (3)にございますように、結果では、さらに慎重に検討することが必要であるという ことから、ほぼ中核市と同様な意見、考え方ということが伺えるのではないかと。52.3 %であります。  反対であるというのが22.7%ということになっておりまして、ここは先ほどの意見と ほぼ同様の意見が多いと思いますが、さらに慎重に検討することが必要であるという中 で、ちょっと見ていただきますと、先ほども出でまいりましたが、(3)の「・」の2番 目にございますように、市町村の役割を強化して児童相談所業務の重点化を図っていく 方が実効性があるという意見。それから、3つ目のところに、職員の専門性の確保や措 置権の広域調整の観点から慎重な検討が必要であるということです。  (4)にございます反対であるという中で、やはり市町村の体制強化を図る中で、市町 村に求められる役割を担うことが妥当。次の「・」では、小規模化は質の劣化・弱体化 になりかねないという意見がありました。  次に、16ページでございます。今、現在ございます児童相談所を設置する場合の必置 規制の緩和・見直しについてどうかという観点で聞いてみました。原則的に賛成だが、 一定の配慮が必要というのが22.2%。(3)はさらに慎重に検討することが必要であると いうことで、やはり規制緩和について、また、見直しについては慎重に検討するという 意見が圧倒的にございます。逆に、さらに強い意見として、規制緩和は反対であるとい うのが24.4%にもなっております。  そこで、(3)のさらに慎重であるという意見をごらんいただきますと、「・」の1番 目にございますように、緩和が都道府県の財政事情に左右される可能性がある。したが って、質の低下やサービスの均質性が保てなくなるおそれがあるという意見が、これも 数県から出ております。それから、2つ目の「・」ですが、児童相談所の強制力や職員 の専門性の確保の観点から、慎重な検討が必要と考える。これも数県からございます。  反対であるという意見の中でございますけれども、最初の「・」にございますよう に、児童相談所が子どもの権利擁護機関としての機能や措置権の行使、児童虐待ケース への介入の機能の役割を果たすために、必置機関としての位置づけが必要であるという ことでございます。3つ目の「・」にございますように、児童相談所間の格差ができ て、児童の福祉に支障をきたす可能性が高いというようなことから反対の意見。  それから、職員の必置規制につきましては、同じように、さらに慎重に検討する必要 があるということでございまして、反対であるというのも相談所と同様な意見傾向であ るように思います。ここは特にごらんをいただいておきたいと思います。ただ、1つ、 (1)の直ちに実施すべきであるという中に、これは少数意見でございますけれども、現 在の基準では地域差が十分考慮されているとは思いがたいということで、先ほどの小規 模になる場合の体制等の強化の規制との関連もありますので、紹介しておきます。  次に、18ページでございます。児童福祉司の任用資格の問題につきましても、見直し が必要であるという意見と現行のままでよいという意見がございます。  (1)の見直しが必要であるという中では、「・」の1つ目にありますように、専門性 をより高めるような検討、見直しが必要である。さらに、社会的な認知を得るために一 定の資格制度の導入ということが必要であるということの見直しでございます。  それから、(2)の現行のままでよいという意見がそれ以下にございます。ただし、こ の意見を見ますと、最低、今現在のような資格といったものは必要であるという意見 が、勿論この中でも多いわけでございます。  次に、19ページでございます。具体的な項目は以上でございますが、「その他」とい たしまして、皆様にまとめていただいた論点についてどうかということをフリーで聞い たものが以下のものでございます。主なものだけ申し上げたいと思います。  一番最初にございますように、心理判定員に関することでございますが、「・」の2 番目にございますように、心理判定員については、現在、配置基準がないことから、基 準設定による人員の確保が必要であるという意見。  3つ目のところに国の役割がございますが、この意見では、国は児童相談所に対し援 助プログラムの提示など、技術的な支援を行うべきという意見もございます。  それから、最後のところにございますように、児童虐待等困難処遇事例に対応できる 専門性を有する職員配置やセンター設置については、複数県による共同体制を可能とす るような検討を図るべきではないか。心理職、精神科医に加え、児童福祉専門家の確保 ・育成の上で、都道府県間の協力・派遣や県間交流人事といった相互支援協定というこ とを考えてもいいのではないかという意見でございます。  20ページでございますけれども、児童虐待の防止等に関する法律の見直しに当たって の意見でございます。これは、県から多くの意見が出ておりまして、最初の「司法の積 極的関与」ということについては、かなり多くの意見が出ております。立入調査、緊急 一時保護については、司法が関与する規定を設けること。次に、裁判所の命令により親 に対してカウンセリング等の指導援助を義務づけ、一定の効果があることを条件に子ど もの引取りを認めるなどの法制度上の整備が必要であるという意見。  それから、3つ目「親権の一部の一時停止制度の創設」、上の保護者指導も非常に多 いわけですが、この親権の一部の一時停止制度も多くの意見が出ております。  飛んで「市町村の役割」、先ほど来出ておりますように、これも多くの県から出てお りますように、住民に身近な市町村の役割と責務を法律上明確に位置づけてほしいとい う意見でございます。  以上でございます。最後のページは参考に御覧いただきたいと思います。以上、長時 間になりましたけれども、説明に代えさせていただきます。 ○岩男部会長  大変ありがとうございました。本日のために、都道府県からアンケート調査までして いただきまして、今後の検討に大変参考になると思いますので、是非活用させていただ きたいと思います。  それでは、続きまして、全国市長会の猪塚様にお願いしたいと思います。 ○全国市長会(猪塚部長)  全国市長会社会文教部長の猪塚でございます。このような重要な場で発言する機会を いただきまして、大変光栄に存じております。また、本日は、行政の現場で活躍をされ ております小田原市の方から、児童福祉課課長補佐の羽山さんにも来ていただいており ますので、後ほど意見交換の中で、もし必要があれば発言をしていただきたいと思って おります。よろしくお願い申し上げます。  それでは、資料ですけれども、全国知事会さんの資料の次に、私の方で準備しました 「児童相談等に関する市町村の役割強化について」というものがございますので、これ をごらんいただきたいと存じます。  現在、全国市長会は677の市と東京都23区の合わせて700の市と区で構成されておりま す連合組織でございます。今回の一連の部会の審議というのは、地方分権の流れに沿っ ての議論と私は認識しておりますけれども、全国市長会では昭和40年代の後半から、地 方分権の推進ということを国に向かって常に主張してきたわけでございます。3年前、 地方分権一括法が施行されまして、地方分権というものが実行の段階に入ってきたのだ と思いますけれども、そういう中で、全国市長会が近年言っておりますのが、この四角 い枠の中に書いてございますが、これは一般的な話ですが「権限については、都市の規 模・能力等に応じて、積極的に移譲していくことが必要である」と。言い換えれば、都 市の人口規模とか財政力あるいは各自治体のやる気といったものを勘案して、積極的に 権限を移譲していく必要があるといったスタンスで臨んできております。  特に、この児童相談所については、今年6月12日に全国市長会議という年1回の通常 総会がございまして、そこで決めた要望の中にも入っているんですが、中核市も設置主 体とすべきであるという文言がございます。これは35市すべて一律に用意ドンでやると いうことではございませんが、手を挙げた中核市には、間口を広げて設置主体になれる ように配慮してほしいという趣旨でございます。  私は行政の現場は知りませんので、今回15の市を北海道から九州まで漏れなく選びま して、そこの担当課長さんに質問を投げ掛けまして、その答えをもらっておりますの で、集約はできませんでしたが、要約・整理をいたしております。  まず、4項目聞いておりますけれども、1点目はここに書いておりますが、児童相談 に関して住民に身近な市町村の役割を強化すべきとの指摘があります。これについてど う考えるか。それから、その場合の都道府県、児童相談所の役割分担をどう考えますか ということでございます。フリーアンサーで答えてもらっているものですから、私の方 で現状と取り組みと今後の対策の3つに分けてみたんです。羅列しておりますが、順番 に見ていただきたいと思います。  まず、現状ですけれども「住民に身近な自治体で相談を受ける体制を整備することは 重要であると認識しているが」という、ほとんどの市がこういう認識を持った上での回 答でございましたが、現状では相談・通報からの先の業務を市町村で担うことは困難と いう回答が多かったようでございます。次に、電話や窓口での相談体制では不十分なた め、家庭訪問による相談を実施しているが、市に権限が付与されていないため、訪問先 でトラブルが起きるなど十分な対応が非常に難しいということで、これは関東の13万人 規模の都市がこのような回答をしておりまして、権限がないために歯がゆい思いをして いるということを表しています。3番目ですが、市町村ごとの対応能力に差があるとい うことで、今後このままいくと市町村間の相談業務に格差が開いてしまうのではないか という心配のコメントがございました。ただ、我々はいろいろと議論している中で、市 長さんの中には、この地方分権というのは市町村で差が出て当たり前だという認識もご ざいますので、ちょっと申し添えさせていただきます。  取り組みのところですが、現時点でそんなに取り組んでいるところはございません で、保育所において子育て支援事業を実施し、母親の負担感の解消に貢献しています と、これが虐待防止につながっているんだといったような取り組みのコメントが1つで ございました。  それから、今後の対策ですが、児童虐待を早期に発見しやすい立場にある者、言い換 えれば学校、幼稚園、保育所、民生委員、児童委員、福祉事務所、児童相談所による連 携体制の強化が必要だといった考え方。また、学校、幼稚園、保育所等における相談機 能の整備を図り、相談窓口の多様化を図ることが必要だという意見がございます。ペー ジをめくっていただきまして、一般的な相談・支援業務は市町村、介入や専門性が必要 な場合の対応は都道府県、児童相談所で行い、市町村と都道府県は相互補完的に役割分 担しながら、緊密・一体的に取り組むことが必要といった御意見がございます。それか ら、専門職員の確保・配置、人材育成及びこれらに対する国または都道府県の財政支援 が必要という意見。それから、身近な相談所で相談をするか、あるいは遠方の相談所で 相談をするか、利用者が選択できるような仕組みが必要なのではないかといった御意見 もありました。それから、児童相談所の更なる強化と速やかな対応が必要という意見。 それから、児童相談所の職員が一定期間、市に出向いて指導してもらえないかというよ うな意見もございました。  質問事項の2番目でございますが、市町村における児童相談機能を強化しようとする 中で、福祉事務所、家庭児童相談室の在り方をどう考えますかということに対して、ま ず現状認識ですが、家庭児童相談所は相談業務のほかに、いろいろな相談の振り分け、 非行、虐待、障害などの振り分けを行うなど、児童相談所に匹敵する大きな役割を果た していると認識していますといった意見がありました。それから、家庭児童相談室のメ リットとしては、利用者から近い、福祉事務所にあるので他の福祉と連動できる。それ から、保健センター等関係機関との連携が容易である、相談は無料といったメリットを 挙げております。それから、母子寮、重度障害児の通所施設が不足しているために、あ っせんなどの関係で相談業務にも限界がありますよという意見もございました。  取り組みでありますが、いわゆる地域組織活動ということで、家庭訪問等のケースワ ーク的援助に加えて、小学生対象の心理的フォローのためのグループ指導ということで グループワーク、それから、子育てに悩み、疲れた母親のための懇談の場ということ で、マザーサポートグループというものを定期的に実施したり、開催したりしておりま すと、こういったところがございます。それから、児童虐待の早期発見のため、学校幼 稚園、保育所、病院、保健所、民生児童委員、福祉事務所、児童相談所が連携し、この うち家庭児童相談室は、住民に一番身近な相談窓口として位置付けているといった指摘 がございます。  それから、今後の対策でございますが、総合相談窓口の機能を果たすべく、専門職員 の確保・配置、人材育成及びこれに対する国の財政支援が必要。それから、家庭児童相 談室が児童相談所の機能の一部、例えば、育成相談のようなものを担えるように検討し てほしいといった御意見もございました。  駆け足ですみません、3ページですが、質問の3番目で児童虐待の発生予防から早期 発見・対応、保護・支援に至る各段階において、市町村における虐待防止ネットワーク の整備による取り組みが重要との指摘があります。これについてどう考えますかという ことですが、現状としては、虐待防止ネットワークを設置し、虐待の早期発見・対応に 取り組んでいるが、その後の見守り・ケアまで扱うことは現状では困難という意見。そ れから、虐待防止ネットワークのメンバーの多くが、本来業務を抱えた上で参加してい るということで、専従者が少ないことが悩みの種というような意見がございました。  取り組みでございますが、児童虐待への対応については、福祉、教育、医療、保健を 通ずるネットワークが重要であるため、児童相談所、福祉事務所、学校、教育相談所、 病院、保健所等が日常的に連携していますといったような意見がありました。その後、 キーワードだけ申し上げますが、児童虐待防止ネットワーク会議あるいはそのときに児 童見守りシステムの確立、それから、子ども家庭支援センターが24時間体制相談・支 援。その次が、市の職員やボランティア等で連携しているファミリーソーシャルワーク で対応。その次は、母子保健連絡会議を設置し、児童虐待等についても協議をしていま すといったような意見がございました。それから、下から3番目でございますが、虐待 のうち、親子分離に至るものは2割弱であり、それ以外は在宅援助という説明があった 上で、在宅援助については予防の観点から、虐待への移行を回避するノウハウを模索し ておりますといったことが書かれております。それから、児童虐待防止に係るネットワ ークは特に形成していないけれども、随時、円滑に対応していますと。これは九州の12 万人規模の都市の回答でございます。それから、市民グループと連携し、児童虐待防止 の啓発事業を展開していますというものもございました。  それから、対策ですが、発生予防・早期発見までは、市町村のネットワークにより、 また、虐待発生後は専門的ノウハウや法的措置が必要となるため、児童相談所主体のネ ットワークにより対応と、つまり二層のネットワークを用意して、相互に連携を図るの がいいのではないかという意見がございました。それから、スーパーバイザーに係る人 材・予算の確保が必要。児童相談所の強制力は維持しつつ、市の機能強化を図ることが 必要だという意見がございました。  最後になりまして4番目ですが、障害に関係することで障害相談、障害判定、障害児 入所措置等の権限の市町村への移譲について、障害児の居宅生活支援事業が支援費制度 に移行し、市町村の事務とされた中、児童相談所における障害相談等の業務の在り方を 含め、どう考えますかということですが、現状としては、障害判定など専門的な知識を 要する業務については、専門スタッフが必要であり、市町村で行うことは困難。虐待に おける司法決定や児童の権利擁護が必要なケースについての扱い、施設入所の判断に際 し、保護者の要求と児童にとっての最善の処遇との兼ね合い、これらは専門的判断を要 するため、市町村では対応は困難。障害相談、判定、入所措置については、精神科医や 心理判定員等の専門スタッフの配置及び判定会議など、高度な専門機関としての役割が 求められることから、市町村での対応は困難。現在の児童福祉司の人数をもってして は、きめ細かい対応は困難。障害判定や特児診断は可能と考えるが、障害児入所措置に ついては、入所施設を持たない市町村では入所、一時保護、ショートステイ等について 対応ができませんといったことで、やや消極的というような意見が多かったようでござ います。  取り組みでございますが、障害児の居宅生活支援については、社会福祉士や保健師等 のケアマネジメント従事者を配置し、制度利用に係る相談等に当たって、適切に対応し ているといった意見がありました。  今後の対策でございますが、将来的には、ケアマネジメントができる専門相談委員な ど、専門的な人材の配置を必要と考えるが、そのためには国による体制強化が必要。そ れから、市の行革推進の折、専門の人員配置が困難な状況にあるので、国の方で予算措 置を含めて専門員配置の義務付けを講じることが必要という意見。それから、障害児施 設等の不足にかんがみ、施設整備に対する国の積極的な支援が必要。市町村に専門知識 を持ち、コーディネーター的役割を担う職員を配置するとともに、市町村と児童相談所 との役割分担の明確化を図り、双方の連携を強化する。現在、児童相談所で行っている 障害判定については、同じく都道府県の身体障害者更正相談所や知的障害者更正相談所 へ委ねていく方向ということで、これは北海道の都市からこういったような意見が出て います。それから、障害相談のうち、養護性の高い相談については児童相談所におい て、障害判定については医療・療育機関等に委託することも検討してはどうかという意 見がございました。それから、支援費の居宅生活支援については、支給量に上限を設け てはいけないということになっていますが、当該支給決定に大変苦慮していますと。そ して、障害ごとのガイドラインが必要だということで要望がございました。最後のペー ジですが、心理判定や障害判定について、都道府県レベルにおける統一的な指導が必 要。市町村に障害相談等の業務が権限移譲されたが、市町村で対応できない問題等に対 する都道府県等の積極的なバックアップをしていただきたいと、このような意見がござ いました。  総括的に申し上げますと、児童相談については、中核市までできるところは間口を広 げていただくというのは、先ほど申し上げたとおりでございますが、福祉事務所につい ては今700の市がございますけれども、平成17年3月までには750ぐらいになると言われ ておりまして、福祉事務所の数も増えて、これから充実されていくものだと思います。 ますますの充実を期待するところでございます。  それから、ネットワークの関係でございますが、これは平成12年度から厚生労働省の 方で児童虐待防止市町村ネットワーク事業というのを始めていただいて、非常に成果が 表れていると思います。いただいた資料ですと、去年6月の時点では、計画中を含めて 市においては6割強で推進をしている。23区では95%で推進をしているということでご ざいますので、引き続き厚生労働省の方でリーダーシップを発揮していただいて、この ネットワークの推進を図っていただきたいと考えます。  最後に、障害の関係ですが、これは意見を聞いていますと、何となく各市とも腰が引 けているような意見が多いという状況でございますので、この件についてはちょっと時 期尚早かなといった印象を受けた次第でございます。  以上でございます。 ○岩男部会長  ありがとうございました。  それでは、続きまして、全国町村会の高橋様からお願いいたします。 ○全国町村会(高橋部長)  ただいま御紹介をいただきました全国町村会行政部長の高橋でございます。  私どもの方では、今、知事会なりあるいは市長会の方で御説明がございましたような 調査というものは行っておりません。ただ、各県幾つかの町村に対しまして、電話で照 会をしたというところでございますが、その中でもかなりのところで、この児童虐待等 についての認識そのものがまだ少ないといったところが多うございます。といいますの は、町村というのは人口が多くても大体5万人、少ないところですと200人ということ で、どちらかというと子どもさんたちあるいはそのお父さん、お母さんたちを地域で育 てているというようなことがあって、こういう児童虐待のような事例そのものがほとん どないとか、あるいはあったとしても数年に1回というところが多かったものですか ら、そういう中での意見を紹介させていただきたいと思います。  まず、6月に出されました主な論点事項、このうち町村に関係ございます点で、まず 第1点目に、児童に関する相談について、住民に身近な町村の役割を強化すべきだとい う指摘についてということで照会をしたところでございますが、その中で、児童に関す る相談について母子保健あるいは児童相談、児童虐待、不登校、非行等について相談を 受けて、それを関係機関と協議・相談して対応している町村というのも幾つかございま したが、一般的には先ほども申し上げましたように、町村では事例が少なく、あったと しても個別に相談を受けているために、どのようなところであるいはどういうところに 相談をすればいいのかということでの戸惑いというものがあったようでございます。た だ、事例としてこういうことがあった場合には、専門的な知識なりあるいは経験、こう いうことを持たれている児童相談所に連絡をしたり、あるいは助言を受けているといっ た町村も見受けられる状況でございます。  したがって、そういうところでは、これからも児童相談所の機能は拡充していってい ただいて、町村との連絡を密にしていただきたいという意見がございました。  その中で、児童相談所における業務を重点化し、一部の業務を町村に移譲するという ような意見があるということでございますが、先ほども申し上げましたように、どのよ うな業務が町村の方に移譲されるのか、その辺りが具体化されてなくて、むしろ専門的 な機関である児童相談所を強化していくべきではないかという意見の方が、町村として は数が多くございました。  一方、児童相談所と福祉事務所の家庭児童相談室との役割についてでございますが、 こちらの福祉事務所の家庭児童相談室というものの相談件数というのは、厚生労働省さ んのデータではかなり多いようでございますけれども、私どもが電話等で伺ったところ によると、福祉事務所の家庭児童相談室ということについての認識というものが、かな り薄いような町村が多うございました。具体的には、余り付き合いはないが町村によっ ては強化をしてほしいといった意見もございましたし、その一方で、児童相談所と福祉 事務所の家庭児童相談室の役割について、もう少しはっきりとしたことが町村等に理解 できるようにしてもらいたい。むしろ、これらの機能を整理、一本化してみたらどうだ ろうかという意見も持っておられる町村がございました。  それから、先ほども申し上げましたけれども、児童相談室、家庭児童相談室について は、件数が相当増えてきているということでございまして、これを強化すべきだという 意見も片方にはございました。  それから、3つ目の児童虐待防止の取り組みついてでございます。この部会の報告書 では、児童虐待問題の解決に当たっては、発生の予防、早期発見・早期対応から保護・ 支援に至る各段階において、市町村の役割強化が重要であると指摘をされておりますけ れども、ここでも町村の意見としてはどういうものが強化されるのか、町村としてどう いうものを強化していけばいいのかということが現時点ではわからない。すなわち、そ れはそういう事例がほとんどないために、どういう対応をすればよいかということで町 村では迷っておられるといいますか、そういうところが多いような感じを受けておりま す。  ただ、過去にそういう事例があったところでは、虐待防止ネットワークを設けている というところもございまして、これは保健、医療、福祉、教育、警察という関係機関か らの構成がなされていると伺っているものでございます。したがって、そういうところ では、ネットワークシステムそのものが重要だという指摘をしておるところもございま した。  それから、今後の対応として、今申し上げたようなことがあったわけでございます が、いずれの団体にしても、第一義的な相談というものは仮に町村が受けたとしても、 そのまま児童相談所なり、あるいは福祉事務所の家庭児童相談室の方に相談をする、あ るいは連絡をするというようなことで、今後の対応として、特に町村では家庭児童相談 室等の専任の職員がいない、あるいは児童相談に関する情報ですとか経験が乏しいと いったことで、具体には誰がどのように相談を受ければいいのかという不安を持ってい るという町村がございました。  それから、もう一つ、これは児童相談あるいは虐待ということだけではございません が、プライバシーとの関係で、余りにも町村とそういう関係者との距離が近過ぎると、 むしろ町村で行うこと自体が動きがとりづらいというような意見もございました。  それから、児童虐待相談ニーズがあるのか、つまりサービスの対象ケースが少ないと いうことで、各町村でどの程度やればいいのか、効率が悪過ぎるではないかといったこ とを言っておられる町村もございます。  更には、財政的にはどうなるのかということ、これは国庫補助金等のことも念頭にあ るのかと思いますが、そういうことを問題にする多くの町村がございました。  それから、障害相談ですとか、障害の判定といったことの権限の市町村への移譲につ いてでございますが、これについても4月から支援費制度が始まったけれども、もう少 し様子を見たいという町村が多くございました。そのために、障害相談等の移譲につい ては、基本的には権限の移譲というのは、できるだけ町村でもそういうものを推進して いきたいという傍ら、かなり後ろ向きの意見といいますか、そういう意見も見受けられ たわけでございますが、いずれにしても、各現場の町村の意見を聞きながら、こういう ものについては慎重に行っていただきたいと考えておるところでございます。  以上です。 ○岩男部会長  ありがとうございました。  それでは、続きまして、中核市連絡会の市川様にお願をいたします。 ○中核市連絡会(市川部長)  よろしくお願いします。  現在、中核市は35市ございまして、そこに連絡会を設けておりまして、会長市が実は 姫路市さんでございます。私どもは、副会長市であると同時に、連絡会の中に地方分権 推進部会を設けておりまして、その部会長を豊田市が務めさせていただいておりますの で、姫路市さん同席の上で発表をさせていただきます。  まず、今回の調査の項目でございますが、資料にございますように、(1)〜(4)に対し て御回答くださいということでまとめたものでございまして、まず、現状のまま県の対 応でよいとお答えになった市が12市ございます。(2)が全機能を中核市が受けるという ことで9市の回答でございます。(3)が一部を中核市で対応するということで、特に、 相談機能を移そうという意見が9市ございました。その他が5市ございますが、まだ検 討中、まだ態度が明確に表明できない市が5市ございまして、未回答が2市ございまし た。  なお、今回の調査につきましては、中核市の候補市の2市も含んでの調査結果でござ いますので、全体では37市でございます。  なお、その調査に当たりまして、答えた理由あるいは意見あるいは懸念事項につい て、複数で答えてくださいということで、まとめた表が下の表でございます。現状のま まあるいは全面移譲あるいは部分移譲につきましても、やはり今までの意見で出ており ましたような専門性の確保、特に、人材の確保、あるいは財源の確保、あるいは一時保 護施設の設置の運営との関係、あるいは一元的な可能性が残ります県との協調性につい てどうかという疑問を投げ掛けて回答されたところがたくさんございます。時間の関係 もございますので、資料以下7ページにわたりまして、それぞれの御意見をいただいた 中身を添付しておきました。  なお、恐縮でございますが、この段階では都市名だけは省かせていただいております ので、よろしくお願いします。  表の見方でございますけれども、まず、一番左側にございます1番のところに○を打 ってございますが、これは中核市の中に県の児相があるかないか。その箇所数が何箇所 か、3番目が(1)が現状のまま、(2)が全面、(3)が一部、(4)がその他と整理をしてござ います。  以上で、簡単ですが報告とさせていただきます。 ○岩男部会長  ありがとうございました。  それでは、最後になりましたけれども、全国児童相談所長会の飯山様にお願いしたい と思います。 ○全国児童相談所長会(飯山会長)  全国児童相談所長会の会長を務めております東京都児童相談センターの所長の飯山で ございます。本日は、このような場で発言を許していただきまして、誠にありがとうご ざいます。  それでは、お手元に御参考として、児童相談に関する全国児童相談所長会としての考 えを、先般、厚生労働省の岩田局長さんに御提出しました「児童虐待防止対策の充実に むけての要請」にまとめてあります。この要請のタイトルは「虐待防止」でございます けれども、中の項目だけを拾っていただければと思うんですが、都道府県と市町村との 役割分担あるいは関係機関との協力関係、児童相談所の権限整備、相談所の体制整備、 児童福祉施設の体制整備、里親制度の充実強化など全般的な主張を行っております。本 日は、これに加えまして、所長会としての意見を若干述べさせていただきたいと思いま す。  私どもの意識としましては、先ほど知事会のアンケート結果を御披露いただきました が、意識としてはそれほど大きなずれはないと考えております。  まず、1つですが、今後の児童相談所が果たすべき役割、特に、介入機能と支援強化 の役割の調整でございますけれども、児童問題の対応におきましては、虐待、非行は言 うに及ばず、養護、その他のケースにおきましても、ファミリーソーシャルワーク的な 家庭調整機能が不可欠でありまして、役割ないし機能として明確に位置付けることが必 要だと思っております。児童相談所が介入の時点から、その後の支援を念頭に置いて取 り組むことが必要でございまして、介入機能と支援機能を完全に切り離すことは困難だ と考えております。  それから、立入調査への礼状発布あるいは保護者へのカウンセリング受講命令など、 司法の関与が必要だと思っております。  支援については、他の機関、例えば学校ですとか保健所、医療機関等も担うことがで きるようにする必要があると思っております。  2点目として、児童相談所の必置規制でございますけれども、少子化傾向が顕著で、 子どもを巡るさまざまな問題が発生している現在の我が国には、児童と家庭の問題の解 決に当たる児童相談所の機能が不可欠でございます。その機能を拡充・強化することこ そ議論すべきでありまして、児童相談所の設置そのものを流動化させる、あるいは必要 な職員を縮小させることなどの危険性がある考えには賛成できません。もとより、児童 相談の機能を現状と分権化の推進という2つの側面から、より高次なものに向け、どう 再構築するかという議論は活性化させるべきでありますが、単純に必置規制の是非だけ を云々すべき時期ではないと考えております。  3点目としまして、区市町村の役割強化、区市町村との役割分担でございます。児童 相談所は、実質的には区市町村の機関と綿密に連携をとっております。その中で、幾つ か申し上げますと、まず、障害相談、健全育成、子育て支援などは、区市町村が担うの が適当だと私どもも考えております。それにとどまらず、区市町村は虐待防止の視点も 含めた母子保健事業や家庭や子どもを見守ること、更には、家族再統合後の見守りネッ トワーク体制の推進など、住民に身近なところで支援した方が望ましいものも担うべき であると思っております。児童相談所といたしましては、そのような区市町村の取り組 みを支援いたしますとともに、専門機関としての機能を一層充実させ、非行や虐待、情 緒障害など、より困難なケースへの対応や一時保護など、広域的な対応が必要なものを 担うべきだと思っております。  4点目として、中核市の設置の問題でありますが、これは私ども中核市が所在する26 の道府県の中央児童相談所に、設置の是非について考えをお聞きいたしました。回答が 23児童相談所からあったわけですが、慎重に検討すべきないし一律に必置規制すべきで はないというところが3か所、積極的に設置すべきであるというところが4か所。政令 指定都市移行の市があるところが1か所、残りの15か所は原則的賛成、設置が可能、設 置することができるとする選択の幅を持たせるべきなどとのニュアンスの差はございま すが、設置を拒むものではないというものでございました。  中核市の児童相談所設置に賛成ないし容認の理由といたしましては、分権化の流れに 沿ったもので、住民に身近な自治体が相談機能を持った方が、市が設置している保健所 等関係機関との連携がとりやすくなり、迅速にきめ細かなサービスを提供することがで きるようになることが期待されております。しかしながら、多くの所から人材の確保に ついての懸念が表明されております。また、人口の少ない県におきましては、県の相談 所の再編をどうするか、あるいは一時保護所の効率性をどう維持するかといった課題が あるという意見が出されております。  5点目として、障害相談、障害判定、障害児入所施設措置の件ですが、これは支援制 度、介護保険制度等の実施もありまして、基本的には区市町村に移譲することが望まし いと考えております。ただし、虐待等複合的な相談も想定されることから、児童相談所 の対応が必要な場合もございますので、障害児及びその家庭への対応を児童相談所に可 能としておくことが必要だと考えております。  児童相談所職員の配置の充実、専門性の確保・向上についてでございますが、先ほど の知事会アンケートで、虐待等で職員のストレスが高まっているというお話がございま した。実際、現場でも担当職員のストレスはかなり高まっておりまして、職員が例え ば、うつというような状況に陥りやすいというようなことで、職員自体が危ないのでは ないかというような意見も出されておりますが、まず、児童福祉司の配置基準につきま しては、施行令第3条7で決められておりますが、これを人口5万人に1人ぐらいに改 善していただきたいというのが、私どもの要望でございます。  それから、児童福祉司以外の職員であります相談員、特に、インテクワーカーが望ま しいんですが、そういった職員、それから、心理判定員の配置基準を明確化して改善し ていただきたいと考えております。  それから、心理等の専門職員につきましては、なかなか配置が困難ということもござ いますので、都道府県と区域内の区市町村、これは当然、区市町村に対する設置費を措 置することが前提でございますが、こういった広域的な団体の間で共同で育成・人事交 流などを広域的に行う仕組みの検討が必要なのではないかと考えております。  次に、児童福祉司の必置規制、任用資格の在り方でございますが、児童相談所として 適切に機能するためには、一定数の児童福祉司を要すると思います。そういった意味 で、全国レベルでナショナルミニマムとしての配置基準が必要だと思っております。児 童福祉司の資格といたしまして、資格取得との連動もございますけれども、基本的には 固有の資格基準を設定して、専門性を高めることが望ましいのではないかという思いが ございます。この専門性の維持・向上のためには、全国ベースでの養成機関があること が望ましいのではないかと思います。例えば、国税ですとか警察、建設といったところ では、大学校のような養成機関がございますが、そういったものができれば本当にあり がたいなと思います。それができないまでも、全国レベルでの統一研修を行いまして、 専門性の向上を図ることが必要だと思います。これも1日や2日ということではなく、 長期間、深く学習できるといった研修が必要だと思います。また、一般のコースに加え まして、スーパーバイザーの養成コースも是非必要ではないかと考えております。  次に、心理判定員の業務と名称でございますけれども、心理職員は判定のみならず、 子どもや家族への支援、個別あるいはグループでの心理療法、親子に対するケースワー クなど、そういうケース対応に重点化することが必要なのではないかと考えておりま す。  次に、一時保護所の在り方、混合処遇緩和のためのシェルター機能の分散ということ についてでございますが、職員配置や設備経費について、現行の児童養護施設基準を改 めまして、夜間の身柄通告等への対応を含め、一時保護所独自の最低基準を創設するこ とが必要だと思います。また、一時保護所はどうしても需要に変動がございますので、 それに柔軟に対応できる体制、特に建物、設備面が求められます。そういった面で、施 設整備費の改善が必要だと考えております。  それから、一時保護所では現在、学習について非常に問題があります。学習保障、治 療的かかわりが必要であるために、これは教育委員会の協力義務を明確にしていただけ ればと思いますし、医師・心理職員の配置を行うべきだと考えております。  それから、関係機関の役割・在り方検討ということですが、法律問題につきまして は、先ほどの私どもの要望書にも書かれておりますし、知事会の方でもお話がございま した。そういった面で、法的整備が更に必要だと考えております。  それともう一点、情報の関係でありますが、児童相談所がケース処遇上必要とする調 査活動に対しまして、関係機関の協力がより円滑に得られますように、情報提供の応諾 義務を明らかにしていただきたいと思います。個人情報の保護については、今、国の方 でも法律ができましたし、各自治体でも個人情報保護条例が制定されて、いろいろ制約 がございます。そういったものを阻却するといいますか、違法性がなくなるように、個 人情報の取得あるいは他機関への提供について、児童福祉法等関係法令に根拠規定を設 けていただければ、情報のやりとりが慎重かつ円滑にできるのではないかと考えている ところでございます。  簡単でございますが、私の方からは以上でございます。 ○岩男部会長  ありがとうございました。  それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御意見あるいは御質問がございまし たら、どうぞ御自由に御発言をいただきたいと思います。 ○柏女委員  貴重な御報告を聞かせていただきまして、本当にありがとうございました。全国知事 会の石上部長さんに御質問をさせていただきたいんですけれども、よろしいでしょう か。細かな、非常に正確な調査の御報告をいただきまして、大変参考になったんですけ れども、この調査の回答者の属性といいましょうか、どういう方が御回答になられたか ということにつきましては、いかがでしょうか。 ○全国知事会(石上部長)  私ども常々こういったアンケートをとるときには、代表して意見を述べるということ もありますし、公になるということも含めまして、知事自身の御意見を踏まえてという 前提に立っておりますが、それぞれ現実を把握していませんが、少なくとも最低、担当 部長はすべて回答に対しての認識をちゃんと持っていると理解しております。今回も、 特にこの中で知事自身の発言ということを言われてきている部分も中にございますし、 明確にどこまでという決裁はとっておりませんけれども、今言ったような観点では考え ております。 ○柏女委員  ありがとうございます。  その点で、これは石上部長さんの個人的なお考えで結構なんですけれども、この都道 府県の意向を調査されて、その御報告はいただいたんですが、この結果を部長さんとし てはどんなふうに評価をされるでしょうか。ちょっとお考えをお聞かせいただければあ りがたいです。 ○全国知事会(石上部長)  実は、今日、御列席の皆さんのように、私は直接こういった事務に携わったことはご ざいませんし、今もこうしてにわか勉強的な範囲での勉強しかしておりませんけれど も、最初に申し上げましたように、移譲の問題で言うと、意外と中核市なり市町村が非 常に難しいという問題意識が強いということから、この分権の時代と言いながら、意外 と受け入れる団体は少ないなという印象がまず1つあります。確かに見てみますと、や はり専門的な要素の強いテーマが多いということではないかと思っています。  それともう一つは、ただそう言いながら、そういう中でできるものをやっていく必要 がある。そういう意味で、先ほどここに出ていましたけれども、市町村の役割というも のをもう一つ明確にしていただきたいというのがございますし、そこを法的にも位置付 けて、できるものからやっていくといいましょうか、そういうことはどんどんやってい ただいたらいい。そのときに、国・県はそれなりの役割、支援、持っているものを提供 していくということが大事であると。もう一つは、維持をする場合におけるネットワー クと出ておりますけれども、そういった連絡調整、これは絶対に必要だと思います。い ろいろな情報をそれぞれ提供しながら、また、できないところはお互いに助け合うとい うような広域的な観点が当然必要になってくると思いますし、私はここで触れなかった んですが、広域的な観点というのは1つの例としてある知事の発言で、県間の話が ちょっとあったかと思います。19ページの一番下のところに、いろいろな専門職、これ は特に県間の協力体制ということを言っております。これも大事だと思いましたけれど も、私はその前に、実は、市町村間の広域的な役割でもいいのではないかということ を、夕べも担当者と話をしておりまして、特にこれから市町村へということになります と、特に市町村の広域的な仕組みというものも必要なのではないかという印象を受けま した。  ちょっと思いついたことだけで恐縮でございます。 ○柏女委員  ありがとうございました。 ○松原委員  今の石上さんの御発言に関連して、むしろ小田原の羽山さんとかあるいは姫路あるい は豊田市の市川さんの方にお聞きした方がいいのかもしれませんが、広域の市町村連携 ということで、石上さんにレポートしていただいた中にも、いわゆる施設入所について は非常に広域的な調整というのが課題であるということが、都道府県の知事からの調査 の中にも数箇所出てまいりますけれども、実際に市レベルでお考えになったときに、例 えば、今、母子生活支援施設というものが市単位でされていて、伺うとなかなか他市の 方を御自分の市で受け入れるのは難しい、あるいはない場合に他の市の母子生活支援施 設へ入所するのは難しいというお話を伺うことがあるんですが、仮に、その他の児童福 祉施設、児童養護施設等も含めて考えたときに、現状をどうお考えなのか、あるいは将 来的な方向として、どういうようなことを課題とされているのか、その辺の御意見を伺 いたいんですが、いかがでしょうか。 ○全国市長会(羽山課長補佐)  小田原市の羽山でございます。今日は、このような席に私ども市町村ということで同 席をさせていただきまして、ありがとうございます。  小田原市では、母子の生活支援施設というものは市内にはございません。現在、母子 でお世話になっておりますのは、やはり横浜市さんとか大都市さんの方にお世話になっ ております。小田原市でこれが単独でできるかというのは、財政的な問題や人口規模的 なものなどがございます。それから、ケースの多さといいますか、そういうようなもの で小田原市単独でそのような施設を今後つくっていくことは、今のところ市としては考 えていない部分でございます。  現在、例えば、児童虐待は私どもの方で婦人相談業務も一緒にやっておりますけれど も、児童虐待は女性のDVに絡む部分もございまして、やはり母子で一緒に逃げるある いはお母さんが虐待を受けるために、今度逆に、児童に虐待するというようなケースが ございますので、これからはそういうようなものを母子という形で両方を含めまして、 保護の部分で市としても考えていかなければいけないのかなとは思っておりますが、具 体的に施設を云々ということにつきましては、市内部でまた検討しなければならない問 題でございますので、一概に私がここでお話し申し上げられないのですが、今のところ は横浜市さん等にお世話になっている状況でございます。 ○岩男部会長  ほかの御出席の方から、何か追加のコメントがございましたら。 ○中核市連絡会(市川部長)  他の中核市さんの状況をよく承知しておりませんので、豊田市の場合で申し上げます と、豊田市は市立のそういった施設はございません。今どこを利用しているかといいま すと、やはり県あるいは県下の法人さんがやっておられるところへお願いしておりまし て、中核市になればお願いするばかりではいかんので、今、市内につくろうということ で調整中でございます。姫路市さんがどんな感じか、もしよかったら。 ○姫路市 姫路市の場合は、母子生活支援施設は1か所ございます。ただ、DVの関係 はできるだけ市内の施設より他市の施設へ預ける方がいいということで、京都、和歌山 いろいろなところでお世話していただいております。  以上でございます。 ○松原委員  もう一つの質問として、その他いろいろな児童福祉施設ということまで念頭に置かれ たときの展望といいましょうか、課題ということがあれば、その点も伺いたいと思いま す。 ○全国市長会(羽山課長補佐)  小田原市でございますが、先ほど母子生活支援施設は小田原市にはないということで お話しさせていただきましたが、市内に「ゆりかご園」という養護施設が1施設ござい まして、児相の方で措置し、入所しております。 ○中核市連絡会(市川部長)  今回の調査でも、そこら辺の財政負担だとか難しさがございまして、非常に慎重的に 答えられておる市がたくさんございます。私どもが出しました資料の中で、一応、施設 の設備などは財政問題も絡んでおりますので、そう簡単にいく話ではないと。仮に、権 限が来たからといって、ほかの施設も中核市でやっていけるかというと、個人的な見解 ですが、非常に難しいのではないかと思います。 ○岩男部会長  ほかに何か御質問等がございましたら、どうぞ御発言いただきたいと思います。よろ しゅうございますか。あるいは今日わざわざ御出席くださった自治体の方で、何か特に これを言い落としているのでというようなことがございましたらどうぞ。 ○中核市連絡会(市川部長)  1点だけ。中核市がこれだけあるわけなんですけれども、県との連携で非常にスムー ズにいっておる県と、なかなかそこら辺がうまいこといっていないというケースもある やに思います。ただ、実態として、中核市の中でこういった問題が非常に多く出てきて おりますので、今現在、権限がないにしても、相当な職員を投入して相談体制をとっ て、あるいは市独自のそういった施設もつくってやっておることだけ、ちょっと申し上 げておきたいと思います。豊田市の場合ですと、専門医も常駐させましてそういったセ ンターで相談業務もやっておりますし、あるいはセクションで幼稚園、保育園を通しま して、こういった指導も相当きめ細かくやっております。更に、不登校の問題が非常に クローズアップしておりますので、そういった専門施設もやっております。他の中核市 さんも同じようなことで、相当権限がないにもかかわらずやっておられるということだ け、是非、御理解いただきたいと思います。  以上です。 ○岩男部会長  ありがとうございました。ほかに何か御質問がございませんようでしたら、次の議題 に移らせていただきたいと思います。 ○中村総務課長  すみません、事務局が聞くのも何なんですけれども、せっかくの機会なので1〜2質 問をさせていただければと思います。  仮に、中核市に事務を移すとなると、準備の期間とか実際に移行するに当たって、例 えば、県の児童相談所の方に職員を派遣して準備をするとか、中核市では恐らく他の分 野でも事務を県から移譲された経験がおありになると思いますけれども、経過期間であ るとか準備の期間など、そうした問題について何か御発言がありましたら、お願いした いと思います。 ○中核市連絡会(市川部長)  私の考えですが、実は中核市になったときに、保健所を設置いたしまして、そのとき も県の方から相当な人にずっと来ていただいておりまして、体制を5年ぐらい掛けてつ くっております。仮に受けた場合は、そういうようになるのではないかと思います。  以上です。 ○全国児童相談所長会(飯山会長)  児童相談所の方の立場から申し上げさせていただきたいと思いますが、ここは児童相 談所全体での意見集約をしておりませんので、私の個人的な立場になりますけれども、 例えば、東京で中核市に児童相談所を設置ということになった場合に、23区まとめてと いうことになりますと、1,200万人の人口のうち800万人、多摩地域が400万人ちょっと、 その中で、またもう一つ八王子とか町田とか大きい市が中核市に移行して、そこで児相 を設置するということになりますと、都としての児童相談所のシェアというのは物すご く縮小するわけなんです。これは、恐らくどこの県に行かれましても、そういう傾向が 出てくるのではないかと思います。そうした場合に、都道府県の児童相談所と中核市の 児童相談所の役割分担が単なる区域分けで済むのか、それとも更に、質的な問題を検討 して調整するのかということが、実務としてはかなり大きな問題になってくると思いま すので、そこら辺の御検討を是非深めていただければと思います。 ○岩男部会長  よろしゅうございますか。ありがとうございました。  本日は、大変貴重な御意見を知事会、市長会、町村会、中核市連絡会、児童相談所長 会の皆様方からいただきまして、今後の検討に大変参考になりますので、重ねてお礼を 申し上げたいと思います。本当にどうもありがとうございました。  それでは、次の議題に移りたいと思います。次の議題は、児童部会における主な論点 事項と関連する指摘事項等についてでございます。前回、御議論をいただきました児童 部会における主な論点事項の資料について、事務局の方で前回の御意見を追加して整理 したものをつくってくださいました。また、前回、柏女委員から御要望がございました 資料についても提出されておりますので、これらの資料について事務局から御説明をお 願いいたします。 ○中村総務課長  知事会の皆さんあるいは市長さんの皆さん方、よろしければ引き続きいらしていただ いて結構でございますが、もし、何か御用があるようでしたら退席していただいて結構 です。 (全国知事会、全国市長会、全国町村会、中核市連絡会、全国児童相談所長会退室) ○中村総務課長  それでは、資料1について簡単に御説明いたします。  資料1は、前回提出いたしました主な論点事項に、前回いただいた御意見、御指摘を 加えて整理したものでございます。「※」がありますが、例えば、1ページで言います と、児童相談所の公的権限を背景としたソーシャルワークは特有の専門性であるとか、 そういう形でつけ加えさせていただいております。これにつきまして、今日は御説明す ることは控えたいと思っておりますので、次回にまた御議論をいただければと思いま す。  それから、資料2でございますが、前回、資料の御要請があった点についてまとめて みました。これについて簡単に御説明をさせていただきます。  1ページ目でございますが、これにつきましては「必要とされる子育て相談機能と対 応機関の状況」ということで、縦横で整理をさせていただいております。子育て機能と いたしましては、左側の欄のように「居場所機能」から始まりまして「法的介入機能」 まで、大きく8つの機能に分類をいたしております。また、相談機能の類型といたしま しては「一般子育て相談」から右側の方に向かいまして「非行相談」まで、6つの類型 に分類いたしまして、現在それぞれどのような機関で担われているかというものを整理 してございます。  児童相談所につきましては赤字で示しておりまして、1つの考え方としてざくっと申 し上げてみますと、児童相談所以外にも多くの機関がかかわっているような部分につき ましては、児童相談所以外の機関を中心に担っていくというような考え方ができるのか なと思っております。  それから、2ページ目は「市町村における子育て支援事業のあっせん等の実施」とい うことでございまして、これにつきましては、先般お陰様で次世代育成支援の法案と、 それから、改正児童福祉法は成立いたしました。その改正児童福祉法の中で、いわゆる 子育て支援総合コーディネート事業ということで言っておるもののイメージ図でござい ます。真ん中にあります市町村あるいは市町村から受託をいたしました事業者が、管内 の子育てについての情報を一元的に集約した上で提供するということでございます。子 育て家庭に情報提供するあるいは相談や助言をする、更には、サービスのあっせんであ るとか事業者に要請するというような中身で整理をいたしております。  3ページ目は『「子育て支援総合コーディネーター」の業務等』ということで、今、 御説明しました、市町村における子育て支援のあっせん事業において活動することが期 待されております子育て支援コーディネーターの役割と、それから、介護保険に基づき ますいわゆるケアマネージャーについて対比をしたものを用意させていただきました。 業務であるとかあるいは配置基準、資格要件を比較したものでございます。  業務につきましては、利用相談というような点では、共通しておるわけでございます が、子育て支援総合コーディネーターの方は情報の提供ということに中心があるわけで すが、ケアマネージャーの方はケアプランの作成などといったところが中心になってい る点が違っていると思われます。  それから、配置基準、資格要件につきましては、子育て支援総合コーディネーターの 方は特に規定をしておりませんけれども、ケアマネージャーの方につきましては、そこ にお示ししておりますような基準が定められています。  それから、「市町村から都道府県への業務委託を規定している例」ということで、4 ページ以降に示しております。介護保険法に要介護認定という事務があるわけですが、 市町村の認定審査会が行う審査判定業務を都道府県の認定審査会に委託をする仕組みが ございます。そのほか、業務委託そのものではないわけですが、参考の例となるかと思 いますけれども、身体障害者福祉法あるいは知的障害者福祉法に、市町村が専門的相談 指導などの業務を行う際に、都道府県の更正相談所に援助などを求めなければならない というような例がございます。  それから、あと、7ページでございますが、本日も市町村間の連携のような議論が出 ておりましたけれども、一部事務組合という仕組みが地方自治法にございまして、これ は都道府県・市町村が事務の一部を共同処理するために設ける地方公共団体の組合とい うことでございまして、取り扱う事務は種類を問わないということで、ごみの処理であ りますとか消防でありますとか、いろいろな事務が共同で処理されているような事例が ございます。 ○足利障害保健福祉部企画課長  障害保健福祉部企画課長の足利でございます。  前回の会議でいただいたお尋ねということで、8ページから障害児の関係を御説明さ せていただきます。  まず、8ページは、児童分野の療育手帳とか特別児童扶養手当とかあるいは施設の重 度判定といった判定の基準の考え方という問い合わせでございますが、それについての 基準を整理させていただいております。基本的に、上から2つ目に知的障害の方の療育 手帳の判定がございますが、それの判定がベースでございまして、重度の知的障害の入 所判定もおおむねそれに沿った形、あるいは特別児童扶養手当もそれに沿った形になっ てございます。例えば、療育手帳の判定を受ければ、改めて特別児童扶養手当の方で判 定を受ける必要はないといった取扱いも既に行っているところでございます。  ただ、一番下の支援費のところにつきましては、支援の必要性という観点から、こう いう分け方をいたしておりまして、したがって、療育手帳等でベースになっております IQといった観点とは別の観点から、あくまでも支援の必要性ということからの基準を 定めて運営しているところでございます。  次に、障害児者の地域生活支援の研究会が始まっており、その動向がどうかという、 特に、障害児についてどういうふうに市町村に機能を持たせようとしているのかという お尋ねだったかと思いますが、私どもはこの5月から9ページにございます障害者 (児)の地域生活支援の在り方に関する検討会というものを始めております。これは、 9ページの資料にございますように、支援制度施行後、ホームヘルプサービスの利用あ るいは提供の実態を把握した上で、望ましい障害児、障害者の方々に対する地域ケアモ デルとサービスの質の向上といったもの全般におきまして、地域生活をどうやって支え ていくのかということを目的として進めておる検討会でございます。御記憶の方もいら っしゃるかと思いますが、このホームヘルプサービスの国庫補助基準というのを今年度 予算から設定したわけでございますが、これにつきまして障害者の方々から相当御心 配、反発をいただくこととなり、かなり世の中を騒がすような事態、厚生労働省の建物 が取り囲まれるようなことがございましたけれども、その際に、こういう検討会を持っ て障害当事者も含めて、こういうホームヘルプサービスを含めた地域生活支援の在り方 を検討していくということが、障害者団体との了解事項といいますか、そういうことに なった経緯が、この検討会発足の背景でございます。これまで5月から4回検討会が開 かれておりまして、目下のところは現状把握なり、いろいろな先進事例の関係者のヒア リングという実態把握に努めておるところでございまして、秋口から論点を整理して議 論を詰めていこうということでございます。したがって、この中で具体的に機能として 市町村の機能をどうするといったところに着目した検討会ということではなくて、より 幅の広い支援費制度施行後の障害者・障害児の地域生活を支えていく在り方を検討して いくという論点での検討会でございます。かなりテーマが幅広くございますので、時間 的には相当時間を掛けて議論していくことになるのではないかと思っております。  それから、知的障害者更生相談所、身体障害者更生相談所の在り方の報告書が出てお ります。これは、この4月から支援費制度に切り替わっていくと、障害者に対するサー ビスの在り方が、これまでの行政がサービスを決定していくという措置から利用へ、措 置から契約へという形に切り替わっているわけでございますが、それを踏まえまして、 例えば、身体障害者更生相談所でございますと、11ページにありますように、これまで の身体障害者更生相談所の業務が多少変わっていくと、施設の入所判定というものが基 本的には市町村に移っていくということ、それから、新たに市町村を支援していくとい う役割が更生相談所に加わっていく、そういう観点から、この在り方を見直ししていく 必要があるということで、検討会が設けられまして検討したものでございます。  同様に、次のページに知的障害者更生相談所の在り方報告書の概要もまとめてござい ますが、知的障害者についても当然、支援費制度でそういう役割が変わっていくと。特 に、これまで郡部の町村につきましては、県の福祉事務所が知的障害者の方の入所措置 等を担っていたわけでありますが、これが町村へ移管されるということに伴いまして、 より更生相談所の在り方と立場というものが、市町村を指導する専門技術的な中核機関 という性格が明確になってくるということで、そういう専門的・技術的中核機関として の役割、専門性を高めていくことが必要であるということをまとめてあるわけでありま す。それぞれの検討結果にございますように、新たに業務を遂行するための事務マニュ アルというものの作成が急務であるということが述べられておりまして、実はこれを受 けまして、既に更生相談所マニュアルというものを策定済みでございまして、各都道府 県等にマニュアルを配布しておるところでございます。  私の方からは以上でございます。 ○中村総務課長  それから、資料3と4につきましては、最近公表いたしました虐待についてのデータ でございますので、簡単に御紹介させていただきます。  まず、資料3につきましては、平成14年度に児童相談所で処理をいたしました相談処 理件数ということで、2万4,195件ということになっております。次のページにグラフ にしておりますけれども、これを見ますと、近年の急増傾向がやや鈍化をしたと思われ ますが、件数が多いことに変わりはありませんし、それから、下の方にありますよう に、立入調査件数でありますとか、あるいは警察官の援助を受けた件数も増加をしてお りまして、依然として厳しい状況にあるという認識を持っております。  それから、資料4は、今日も地方公共団体の方の話にも出ておりましたけれども、市 町村域でのネットワークの直近の設置状況ということでございまして、本年6月1日現 在の市町村のネットワークの設置状況のついての調査、速報値でございます。設置済み が702か所から968か所ということで、約4割弱の増加。計画中のものを合わせますと 1,245か所ということでございます。設置済みの率ということになりますと、約3割と いうような状況です。中身を見ていただきますと、今日も市長会あるいは町村会でかな り温度差があるのがおわかりいただけたかと思うんですが、設置割合を見てみまして も、市ですと6割近い、逆に町村ですと15%とか23%という数字にとどまっているとい うような状況でございます。  それから、資料は用意しておりませんが、最近の動きの中で1点御報告をさせていた だきますと、内閣府の方で6月10日に青少年育成推進本部が設置されております。厚生 労働大臣も副本部長ということで参加をしております。この本部の設置のねらいといい ますのは、青少年育成施策大綱を策定しようということで作業が進んでおります。御承 知のように、長崎県の方で少年の事件が発生いたしまして、急きょ少年非行対策のため の検討会が先般設置をされまして、9月初旬までには検討結果をまとめ、それも加味し て大綱を策定しようということになりました。当初は、大綱は7月いっぱいぐらいに策 定するということであったわけですが、そういう状況にございますので、大綱の方は恐 らく9月いっぱいぐらい掛かって策定することになると思っております。当部会のもと には社会的養護に関する専門委員会も設置して検討を進めておるわけですが、虐待の問 題が大きなテーマですけれども、児童施設の中には児童自立支援施設も含まれておりま すので、そうした動きを見ながら必要があれば、また検討していくということを考えて おりますので、補足させていただきます。  以上でございます。 ○岩男部会長  ありがとうございました。  もう余り時間がございませんけれども、ただいまの御説明について何か御質問がござ いましたら、どうぞ御発言ください。 ○柏女委員  前回、御面倒なお願いをいたしまして、今回、貴重な資料を御提供いただきまして本 当にありがとうございました。大変参考になります。  それで、障害保健福祉部の課長さんがお見えいただいております貴重な機会でござい ますので、今回の資料につきまして1〜2点お伺いしたいんですが、実は8ページの知 的障害児の障害程度判定基準なんですが、思想の違いということで今御説明がありまし たけれども、4つの程度基準ができているということを考えますと、いずれかの時期に 統合化を考えていけないだろうかという感じもするわけですし、支援の必要性というこ とであれば、療育手帳なども在宅である支援の必要性ということでも考えられると思い ますので、こうした基準の統一化と、それらについての法定化の可能性等について御意 見をお伺いできればと思っています。  それから、2点目は、9ページの障害者(児)の地域生活支援の在り方に関する検討 会なんですが、近年、障害児者一元化した地域生活支援をやっていこうことで、例え ば、いろいろなネットワークをつくりながら、学齢児については就学指導委員会があり ますので、そういう就学指導委員会と、それから、地域生活の委員会が一緒になった形 で児者一元で支援をしていくという体制をつくっている区市町村もあるやに伺っており ますけれども、今回調査をされるという実態調査研究というものもございますので、例 えば、その中に今、私が申し上げました児者一元化した地域生活支援、市町村で一体的 にやっていくという可能性についてお聞きすることはできないのか、あるいはその辺に ついてどうお考えになられるのか、その2点をお伺いできればと思っていますが、よろ しゅうございましょうか。 ○足利障害保健福祉部企画課長  まず、判定基準の件でございますけれども、基本的に先ほど申し上げましたように、 入所判定の重度の判定なり療育手帳なり特別児童扶養手当は、記述の違いはございます けれども、おおむね同一の基準ということで療育手帳のAの判定であれば入所判定の重 度、それから、特別児童扶養手当は1級という扱いを既にしているところではあるんで すが、支援費というのは先ほど申し上げましたように、支援の度合いの高さということ で、こういう基準を新たにつくっているわけでございます。これを御指摘のような将来 的に統合していくかどうかということにつきまして、支援費はこの4月からスタートし たばかりでございますので、今後の状況等を十分見極めた上で、正否の基準がいいのか どうかというのもまた議論もあろうかと思いますので、今後の状況を見ながら、できる だけ何回もあちこち行かなくても済むようにということは当然必要だと思っております ので、今後の検討課題ではないかと思っております。  それから、児者一元での地域ケアの在り方という点でございますが、9ページの資料 の一番下にございます障害者の地域ケアに関する実態調査というものを、この検討会の 中で検討項目を出していただいて、行政調査的にやれるところ、それから、もう少し掘 り下げてやっていかないとできないところ、それぞれこれから検討会にもお諮りをして 実態調査の研究を進めることにいたしております。そういう先進的な事例についてのヒ アリング等も行うことにしておりますので、そういう中でそういった事例も検討対象に なっていくのではないかと思いますし、それから、この実態調査は先ほど申し上げまし たように、事の起こりがホームヘルプサービスの在り方といいますか、そういうところ がきっかけになっておりますので、ホームヘルプサービスの供給なり需要の実態、それ から、デイサービスやショートステイ、相談支援といった支援の各サービスメニューご とに、どういった実態になっておるかというのを把握した上で、その在り方を進めてい こうという実態調査研究を行う予定にいたしておりまして、そういう統一的な取り組み をしているところについて個別に実態調査していくというところまでは、まだ議論がで きておりませんが、先ほども申し上げました先進事例等のヒアリング等で把握すること で、この検討会においてもそういう観点も検討をしていっていただければと思っており ますので、その辺も私どもも注意をして見ていきたいと思っております。ありがとうご ざいます。 ○岩男部会長  ありがとうございました。  まだ、ほかにも御発言があるかと思いますけれども、時間がまいりましたので、次回 は本日いろいろ貴重な御意見を伺いましたし、例えば1ページにあるような、総務課長 が先ほど御説明くださった表は大変参考になりますので、こういうものを踏まえて次回 の議論ということにさせていただきたいと思います。  次回でございますけれども、9月9日の午前10時からということで、是非、御予定置 きいただきたいと思います。場所につきましては、追って御連絡を申し上げるというこ とでございます。 ○事務局  事務局から1点補足申し上げます。  本日、渡辺先生の方から、このピンクのチラシ「安田精神保健夏期講座4」というこ とで御提供いただいておりますので、御紹介だけさせていただきたいと思います。 ○岩男部会長  ありがとうございました。  それでは、以上をもちまして本日の部会を閉会とさせていただきたいと思います。本 日は大変ありがとうございました。 (照会先) 雇用均等・児童家庭局 総務課 03−5253−1111(内線7823)                担当:湯本