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平成15年度の血液製剤の安定供給について(案)


前文

 ・  本計画は、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律(昭和31年法律第160号。以下「法」という。)の趣旨にかんがみ定める平成15年度の血液製剤(法第25条第1項に規定する血液製剤をいう。以下同じ。)の安定供給に関する計画である。
 ・  本計画は、法第3条に規定する法の基本理念に基づき、血液製剤の安定供給を確保することを目的とするものである。
 ・  さらに、本計画は、血液製剤の需要と供給等の動向を踏まえ、本計画に沿った製造・輸入等が行われることが確保されるよう、供給等の実績をきめ細かく把握し、適時、適切に対応できる体制を構築するものである。

第1 平成15年度に必要と見込まれる血液製剤の種類及び量

 ・  医療機関における血液製剤の需要見込み量及び血液製剤の製造業者等(製造業者及び輸入販売業者をいう。以下同じ。)における供給見込み量をもとに、平成15年度において必要と見込まれる血液製剤の種類及び量は別紙表1のとおりとする。

第2 平成15年度に国内において製造され、又は輸入されるべき血液製剤の種類及び量の目標量

 ・  第1及び血液製剤の製造業者等における血液製剤の製造又は輸入の見込み量を踏まえ、平成15年度に国内において製造され、又は輸入されるべき血液製剤の種類及び量の目標は、別紙表2のとおりとする。

第3 平成15年度に確保されるべき原料血漿の量の目標量

 ・  第2を踏まえ、平成15年度に確保されるべき原料血漿の目標量は、108万Lとする。

第4 平成15年度に原料血漿から製造されるべき血液製剤の種類及び量の目標

 ・  第2及び第3を踏まえ、平成15年度に原料血漿から製造されるべき血液製剤の種類及び量の目標は、別紙表3のとおりとする。

第5 その他原料血漿の有効利用に関する重要事項量

1. 原料血漿の配分
 ・  倫理性、国際的公平性等の観点に立脚し、国内で使用される血液製剤が、原則として国内で採取された血液を原料として製造され、海外の血液に依存しなくても済む体制を構築すべきである。このため、国内で採取された血液が有効に利用され、血液製剤として安定的に供給されるよう、採血事業者が原料血漿を血液製剤の製造業者に配分する際の標準価格及び配分量を規定する。
 ・  国内で採取された血液を有効に利用し、血液製剤として安定的に供給するため、また第4に掲げた種類及び量の血液製剤を製造するため、平成15年度に採血事業者が血液製剤の製造業者に原料血漿を配分する際の標準価格及び配分量は、以下のとおりとする。

 ・ 原料血漿の標準価格
 (1) 凝固因子製剤用  13,170円/L
 (2) その他の分画用  11,980円/L
 (3) 中間原料PII+III(グロブリン用)  51,000円/kg
 (4) 中間原料PIV−1(アンチトロンビンIII用)  15,300円/kg

 ・製造業者各社に配分する原料血漿の種類及び見込み量(万L)
  (財) 化学及血清療法研究所
 (1) 凝固因子製剤用  30.0万L  
 (2) その他の分画用 2.0万L  
日本製薬株式会社
   (1) その他の分画用 20.0万L  
 (1) 中間原料PII+III 13.0万L 相当
株式会社ベネシス
   (1) その他の分画用 33.0万L  
 (2) 中間原料PIV−1  7.5万L 相当

 (注)1. 「凝固因子製剤用」とは、採血後6時間以内に凍結させた原料血漿であり、血液凝固第VIII因子製剤を含むすべての血漿分画製剤を作ることができる。
2. 「その他の分画用」とは、採血後6時間以上経過した後に凍結させた原料血漿と、「凝固因子製剤用」から血液凝固第VIII因子を取り出して生じるもの(脱クリオ分画用プラズマ)であり、血液凝固第VIII因子製剤以外の血漿分画製剤を作ることができる。

2. 血液製剤の安定供給の確保のために望ましい在庫について
 ・  平成13年3月に、遺伝子組換え血液凝固第VIII因子製剤の出荷一時停止等の問題が生じたことを踏まえ、このような緊急事態に対応できるよう製造業者等は一定量の在庫を保有することが望ましい。



(別紙表1)
平成15年度に必要と見込まれる血液製剤の種類及び量

種類 換算規格 需要見込量
アルブミン 25% 50ml 1瓶 3,590,400
乾燥人フィブリノゲン 1g 1瓶 2,500
組織接着剤 cm2 10,300,800
血液凝固第VIII因子(遺伝子組換え型含む) 1000単位 1瓶 246,200
乾燥濃縮人血液凝固第IX因子(複合体含む) 1000単位 1瓶 30,600
インヒビター製剤 延人数 9,800
ヒト血漿由来乾燥血液凝固第XIII因子 1瓶 163,200
トロンビン(人由来) 10000単位 1瓶 139,400
人免疫グロブリン 2.5g 1瓶 1,550,500
抗HBs人免疫グロブリン 1000単位 1瓶 19,500
乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン 1000倍 1瓶 9,100
抗破傷風人免疫グロブリン 250単位 1瓶 119,500
乾燥濃縮人アンチトロンビンIII 500単位 1瓶 337,100
乾燥濃縮人活性化プロテインC 2500単位 1瓶
人ハプトグロビン 2000単位 1瓶 46,400
乾燥濃縮人CI-インアクチベーター 1瓶 450

注1. 種類については、(参考)に示すとおり各血液製剤の適応により分類した。

注2. 医療機関に対する平成14年度血液製剤使用状況調査結果における平成15年度使用見込量 (トロンビン等5製剤を除く。)と、平成14年度製造(輸入)業者供給実績及び平成10年度からの 供給実績平均増減率により計算した推定供給見込量とを比較して多い方を需要見込量とした。

注3. 需要見込量は、製品の規格別に調査集計した総見込量を代表的な規格・単位に換算したものである。

注4. 液状タイプの組織接着剤については、接着・閉鎖部位の面積当たりの使用量を勘案して換算し、インヒビター製剤については、体重50kgの人への投与量を標準として人数で算出した。



(別紙表2)
平成15年度に製造・輸入されるべき血液製剤の種類及び量

種類 換算規格 H14年度末
在庫量
H15年度製造・輸入見込量
国内血漿由来 輸入血漿由来
アルブミン 25% 50ml 1瓶 855,857 1,981,227 2,218,420 4,199,647 5,055,500
乾燥人フィブリノゲン 1g 1瓶 438 2,000 0 2,000 2,400
組織接着剤 cm2 2,828,917 4,388,000 6,985,565 11,373,565 14,202,500
血液凝固第VIII因子(遺伝子組換え型含む) 1000単位 1瓶 45,690 121,013 193,325 314,338 360,000
乾燥濃縮人血液凝固第IX因子(複合体含む) 1000単位 1瓶 11,203 28,583 0 28,583 39,800
インヒビター製剤 延人数 2,018 0 10,853 10,853 12,900
ヒト血漿由来乾燥血液凝固第XIII因子 1瓶 63,893 0 170,300 170,300 234,200
トロンビン(人由来) 10000単位 1瓶 42,168 171,280 0 171,280 213,400
人免疫グロブリン 2.5g 1瓶 314,855 1,408,171 204,828 1,612,999 1,927,900
抗HBs人免疫グロブリン 1000単位 1瓶 12,386 612 17,329 17,941 30,300
乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン 1000倍 1瓶 2,082 0 11,014 11,014 13,100
抗破傷風人免疫グロブリン 250単位 1瓶 76,884 0 123,845 123,845 200,700
乾燥濃縮人アンチトロンビンIII 500単位 1瓶 91,492 326,467 73,900 400,367 491,900
乾燥濃縮人活性化プロテインC 2500単位 1瓶 1,467 1,000 0 1,000 2,500
人ハプトグロビン 2000単位 1瓶 6,842 0 56,400 56,400 63,200
乾燥濃縮人CI-インアクチベーター 1瓶 129 0 300 300 400

注1. 種類については、(参考)に示すとおり各血液製剤の適応により分類した。

注2. 在庫量及び製造・輸入見込量は、製品の規格別に調査集計した総量を代表的な規格・単位に換算したものである。

注3. 液状タイプの組織接着剤については、接着・閉鎖部位の面積当たりの使用量を勘案して換算し、インヒビター製剤については、体重50kgの人への投与量を標準として人数で算出した。



(別紙表3)
平成15年度に原料血漿から製造されるべき血液製剤の種類及び量

種類 換算規格 製造見込量
アルブミン 25% 50ml 1瓶 1,981,200
乾燥人フィブリノゲン 1g 1瓶 2,000
組織接着剤 cm2 4,388,000
血液凝固第VIII因子(遺伝子組換え型含む) 1000単位 1瓶 121,000
乾燥濃縮人血液凝固第IX因子(複合体含む) 1000単位 1瓶 28,600
インヒビター製剤 延人数 0
ヒト血漿由来乾燥血液凝固第XIII因子 1瓶 0
トロンビン(人由来) 10000単位 1瓶 171,300
人免疫グロブリン 2.5g 1瓶 1,408,200
抗HBs人免疫グロブリン 1000単位 1瓶 600
乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン 1000倍 1瓶 0
抗破傷風人免疫グロブリン 250単位 1瓶 0
乾燥濃縮人アンチトロンビンIII 500単位 1瓶 326,500
乾燥濃縮人活性化プロテインC 2500単位 1瓶 1,000
人ハプトグロビン 2000単位 1瓶 0
乾燥濃縮人CI-インアクチベーター 1瓶 0

注1. 種類については、(参考)に示すとおり各血液製剤の適応により分類した。

注2. 製造見込量は、製品の規格別に調査集計した総見込量を代表的な規格・単位に換算したものである。

注3. 液状タイプの組織接着剤については、接着・閉鎖部位の面積当たりの使用量を勘案して換算し、インヒビター製剤については、体重50kgの人への投与量を標準として人数で算出した。




(参考)
血漿分画製剤の分類内訳表

種類 内訳
アルブミン 加熱人血漿たん白
人血清アルブミン
乾燥人フィブリノゲン 乾燥人フィブリノゲン
組織接着剤 フィブリノゲン加第XIII因子
フィブリノゲン配合剤
血液凝固第VIII因子(遺伝子組換え型含む) 乾燥濃縮人血液凝固第VIII因子
遺伝子組換え型血液凝固第VIII因子
乾燥濃縮人血液凝固第IX因子(複合体含む) 乾燥人血液凝固第IX因子複合体(国内製剤)
乾燥濃縮人血液凝固第IX因子
インヒビター製剤 乾燥人血液凝固第IX因子複合体(輸入製剤)
活性化プロトロンビン複合体
乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体
遺伝子組換え活性型血液凝固第VII因子
ヒト血漿由来乾燥血液凝固第XIII因子 ヒト血漿由来乾燥血液凝固第XIII因子
トロンビン(人由来) トロンビン(人由来)
人免疫グロブリン 人免疫グロブリン
乾燥イオン交換樹脂処理人免疫グロブリン
乾燥スルホ化人免疫グロブリン
pH4処理酸性人免疫グロブリン
乾燥pH4処理人免疫グロブリン
乾燥ペプシン処理人免疫グロブリン
ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン
乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン
抗HBs人免疫グロブリン 抗HBs人免疫グロブリン
乾燥抗HBs人免疫グロブリン
ポリエチレングリコール処理抗HBs人免疫グロブリン
乾燥ポリエチレングリコール処理抗HBs人免疫グロブリン
乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン 乾燥抗D(Rho)人免疫グロブリン
抗破傷風人免疫グロブリン 抗破傷風人免疫グロブリン
乾燥抗破傷風人免疫グロブリン
ポリエチレングリコール処理抗破傷風人免疫グロブリン
乾燥ポリエチレングリコール処理抗破傷風人免疫グロブリン
乾燥濃縮人アンチトロンビンIII 乾燥濃縮人アンチトロンビンIII
乾燥濃縮人活性化プロテインC 乾燥濃縮人活性化プロテインC
人ハプトグロビン 人ハプトグロビン
乾燥濃縮人CI-インアクチベーター 乾燥濃縮人C1-インアクチベーター

注1. 安全な血液製剤の安定供給等の確保に関する法律施行規則に掲げる需給計画の対象となる血液製剤をその適応により分類した。


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