国民の健康づくりにおける「健康食品」の役割をどう位置づけるか。
「医薬品―現行制度に基づく保健機能食品―いわゆる健康食品―一般食品」の体系のあり方
〔意見等〕
健康食品産業は、1兆円産業といわれており、その市場は、右肩上がりに成長しており、低迷する我が国経済を、健康食品のみが必死で支えている現実があることを、先ずもって明確にしたいと思います。また、厚生労働省の「平成13年国民栄養調査結果」によれば、「ビタミン・ミネラルサプリメント摂取状況調査」で、国民の2割の者に普段からサプリメントが利用されていることが判明しています。
こうしたことは、健康食品が、国民に広く支持され、定着しつつあることの表れといえます。このように、健康食品が、国民の健康の保持・増進に寄与していることは、医学、栄養学の面から見ても疑いのない事実であり、このことは、米国をはじめ先進諸国における活用実態が如実に示しております。
現在、行政の喫緊の課題とされている「医療費削減」問題に対する根本的解決策は、「国民の健康づくり」をおいて他にありません。健康食品の持つ機能・有用性がこの問題に大きく貢献することは間違いありません。今後、健康食品の果たす割合がますます大きくなるであろうことも容易に予想できます。
このような状況にあるにもかかわらず、現在の食品に関する諸制度は、複雑で専門家にも理解し難く、異次元の世界を思わせるものがあります。これは、「第1回健康食品に係る制度のあり方に関する検討会」における資料2の14ページ「保健機能食品の法令上の位置づけ」に図示されているように、種々の制度を継ぎ足したことによる絡み合い、重なり合いが生じたためと考えられます。
これらのことから、私共が切望することは、健康食品を有効活用するための、一般消費者の理解が容易な、体系化された教育と、消費者に安全な食品を提供するための、新しい法律の制定であります。
新しい法律制定への提案
〔制定の目的〕
食品が持つ機能・有用性を消費者に明確に示すことにより、消費者自らが、食品を通じて健康の維持増進を図ること。一方製造者は一般消費者に対して、安全な食品を提供する義務を負うことを目的とする。
〔食品分野〕
・ | 保健機能食品(現行の特定保健用食品)―健康強調表示(個別許可型) |
・ | 健康補助食品(現行の栄養機能食品+いわゆる健康食品)-栄養強調表示(規格基準型) |
・ | 一般食品―栄養成分表示―栄養表示基準 |
〔製造者〕
保健機能食品及び健康補助食品の製造者には、食品のGMP(Good Manufacturing Practice)を義務付ける。
〔販売者〕
保健機能食品及び健康補助食品の販売者には、虚偽・誇大な説明を禁止し、利用者の立場にたった説明を義務づける。
〔体系〕
「医薬品―保健機能食品―健康補助食品―一般食品」
以上、食品を機能別に3分野に分類し、それぞれの食品の定義を定め、栄養表
示基準制度を整備し、新しく制定する法律に取り込みます。(現在は、健康増進法第31条等において定められています。)
健康増進法を基盤とする「健康日本21」の栄養・食生活部門に、新しく制定する法律による、食品の教育方法を加えます。
このことにより、あらゆる職域において、新しく制定する法律を徹底し、上記3分野の食品が国民の健康づくりのために、寄与することが期待できます。
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