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第2回神経芽細胞腫マススクリーニング検査のあり方に関する検討会参考人発言概要


1 松田一郎氏(日本マススクリーニング学会理事長)
私たちの基本的態度としてはニュートラルであり、これまで行われてきたものに関して大変認めてきたが、ここで一度線を引いて考えようという態度にはみんな賛成するという意見。
再検討をする時期に来ているという判断には同意するが、スクリーニングの死亡率減少効果が間違っているというデータがない限り、現時点で直ちにマススクリーニング事業を中止するということには慎重にならざるを得ない。少なくとも前向きのコホート研究の結果が出る前に早急に結論を急ぐことはさけるべき。
その際、出された結果によっていろいろな選択肢があり、実施時期を変更する、費用を自己負担にする、一時中止して最初から研究を組み立て直すといったことが考えられる。

2 山本圭子氏(日本小児がん学会神経芽腫委員会委員長)
海外からの否定的な報告が出ていることもあり、検討が行われることは意義深いことと考える。
前向きのコホート研究が進行中であり、この研究結果を考慮に入れていただきたい。
検討に際しては、海外の報告を参考にするとともに、わが国の状況を十分に検討して正しい結論に導いてほしい。
中止する場合には、登録システムの整備、治療法や自然史の研究や、時期を変更したスクリーニングの可能性の検討が必要である。
過剰診断は大きいが、ある意味での死亡率の低下があることは絶対に否定できないかもしれない。死亡率が統計的に低下しているかどうかは、学会としては分からないが、死亡を逃れた患者はいるというのが学会のコンセンサスである。
過剰診断の不利益と死亡率低下の利益の比較が大事である。
(現在の状況からするとスクリーニングを中止すべきとなるのでは、という質問に対し)個人の意見をというのであれば、そのように思う。

3 林邦彦氏(群馬大学医学部保健学科医療基礎学教授)
事業の継続もしくは中止という決定にどれだけ役立つかということについては、死亡数をどれだけ減少するかという推定が正確にできるというということで貢献できると考えている。


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