<備考>諸外国の年金改革の動向(DC関係)
アメリカ | ドイツ | スウェーデン | イギリス | (参考)日本 | |||
年金改革 |
〔1990年代〕 クリントン政権期に確定拠出型年金(401k)が普及 〔2001〕 ブッシュ政権の包括減税法(2001年6月)により401kの拠出限度額を引上げ |
〔2000年改革〕 公的年金額を減額(45年加入の標準年金の手取り賃金代替率70%→67%、2011年から2030年までに段階的に引下げ)し、その代わりに確定拠出型の補足的老後保障制度導入 |
〔1999年改革〕 従来の2階建て体系を一本化(税方式の基礎年金廃止)し、保険料を将来にわたり18.5%に固定。その一部2,5%は、積立方式の個人口座(確定拠出類似)。 |
〔1999〕 中所得者が加入しやすいステークホールダー年金(個人拠出・確定拠出)導入(公的年金は適用除外可能) 〔2000〕 公的年金(2階部分)を低所得者に有利な国家第二年金(S2P)に |
〔1999〕 負担が年収の概ね20%となるよう、将来の給付の伸びを抑制 〔2001〕 確定拠出年金制度の導入 |
||
制度の性格 |
401kプランは企業の従業員を対象とした任意の制度。従業員が報酬として受け取る代わりに401kに拠出する場合に事業主のマッチング拠出あり。
|
補足的老後保障制度は、任意加入の確定拠出型年金(企業年金又は個人年金)。 対象者は、公的年金保険の強制被保険者(公務員等は対象外)) |
積立方式の部分は、公的年金の一部であり、強制加入。 | ステークホールダー年金は、全国民が対象で、個人の任意により加入可能。 (注:加入そのものは任意だが公的年金の代替) |
確定拠出年金の企業型−企業の従業員を対象とした任意の制度(拠出は事業主のみ) 個人型の加入は任意。対象者は自営業者、企業年金のない被用者(拠出は個人) |
||
拠出限度額(月額) |
・従業員 2001年 10,500$ ↓ 2006年 15,000$ (以降500$づつ毎年引上げ) ・従業員と事業主拠出の全体の限度額 2001年 報酬25%又は35,000$の低い方 ↓ 2002年 報酬100%又は40,000$の低い方(以降1,000$ずつ毎年引上げ) |
段階的に導入し、2008年以降は、所得(税引き前収入)の4%、限度額2,100ユーロ(=約24万円)まで。 | 所得(7.5BA(基礎額)が上限)の2.5%
|
所得と無関係に年£3,600(22%の税控除分含む)(67.3万円)まで拠出可能。それ以上は年齢と所得に応じて。 | 企業型) 18,000円 又は36,000円 個人型) 68,000円 (国基と併せ) 又は15,000円 |
企業年金制度の比較(諸外国の状況)
国名 | アメリカ | イギリス | スウェーデン | ドイツ | フランス | ||||||||||
ITP | STP | AGIRC | ARRCO | ||||||||||||
設立 | 企業の任意 エリサ法に税制適格の企業年金が満たすべき最低条件を規定 |
企業の任意 社会保障年金法に付加年金からの適用除外の条件を規定 |
職員退職年金制度 | 労働者退職年金制度 | 企業の任意 老齢企業年金改革法に企業年金が満たすべき最低条件を規定 |
幹部職員退職年金制度連合会 | 補足年金制度連合会 | ||||||||
全国的労使協約の適用を受ける企業は設立が義務づけられる。 | 全国的労使協約の適用を受ける企業は設立が義務づけられる。 | ||||||||||||||
加入資格 | 21歳から1年間以上の勤務を法定 | 条件なしが多くなりつつある。 | 28歳 | (通常5年から10年の勤務期間) | 幹部職員 (強制加入) |
一般被用者及び幹部職員 (強制加入) |
|||||||||
支給開始年齢 | 65歳[繰上げ、繰下げ(法定)あり] | 大部分が65歳(女子60歳) | 65歳 | 65歳(女子60歳) | 60歳 | ||||||||||
給付水準 | 定額・定率等給付設計は企業によって異なるが、公的年金とあわせ、従前賃金の60〜70%を保障。 | 一般的には 最終給与または 再評価後全期間 × 乗率 平均給与 [1/80〜1/60] × 加入年数 [40年加入で最終給与の50%以上] |
最終給与のうち基礎額(37,200クローネ)の7.5倍×10% 7.5〜20倍×65% 20〜30倍× 32.5% の和 |
55〜59歳のうち最高3年間の給与平均の10% | 一般的なものとしては、最終給与×乗率×勤続期間により、公的年金と合わせて最終給与の65%〜75%となる。 | 個人の年金ポイント×ポイント単価 | |||||||||
30年加入で最終給与の約30% | 30年加入で最終給与の約20% | ||||||||||||||
[30年加入に満たない場合は減額] | |||||||||||||||
公的年金制度との調整 | 次の3つの方法がある。
|
次の条件を満たせば、公的年金の付加年金部分から適用除外される。
|
公的年金に上乗せされる。 公的年金と合わせて最終給与の65%程度になる。 |
公的年金に上乗せされる。 公的年金と合わせて最終給与の65〜75%になる。 |
公的年金に上乗せされる。 公的年金と合わせて最終給与の60〜70%になる。 |
(資料)厚生年金基金連合会「企業年金に関する基礎資料」(平成14年9月)