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<備考>確定拠出年金法案に対する附帯決議

平成13年6月8日
衆議院厚生労働委員会

 政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

 確定拠出年金は、自己選択と自己責任に基づく初めての年金制度であることから、この制度に対する国民の理解が深まるよう制度内容の周知徹底を行うなど、制度の円滑な実施を図るために必要な環境整備に努めること。
 確定拠出年金は、公的年金の上乗せの年金制度の新たな選択肢として、労使合意に基づき導入される制度であり、企業型年金規約の承認に当たっては、労使合意がなされていることの確認を的確に行うこと。
 確定給付型の企業年金等から確定拠出年金への移行に当たっては、労使合意がなされていること、並びに従前の確定給付型の企業年金及び移行時における権利の保護が十分なされていることの確認を的確に行うこと。
 加入者が資産運用について適切な知識を持つことができるよう、事業主等から加入者に対し、個別の運用商品を含めた資産運用に関する必要な情報提供が行われるようにすること。
 受託者責任については、事業主や運営管理機関など確定拠出年金の管理・運営に関わる者は、その内容を十分理解し、受託者責任を踏まえて行動すること。また、政府は、受託者責任の理念が十分に浸透するように努めること。
 事業主、国民年金基金連合会や運営管理機関が確定拠出年金の実施に関し業務上保管・使用する個人情報について、その適正な保管・使用に万全を期すよう指導を行うこと。
 加入者の利益が図られるよう、運営管理機関(記録関連運営管理機関、運用関連運営管理機関)の幅広い参入とその競争を基本に、管理手数料がサービスに応じて適正な水準となるように配慮すること。また、手数料についての情報が、加入者に適切に提供されるようにすること。
 確定拠出年金の拠出限度額など拠出のあり方については、制度の実施状況などを踏まえ、今後とも検討すること。
 国民年金の第三号被保険者については、公的年金制度における第三号被保険者に係る取扱いに関する検討結果を踏まえ、確定拠出年金への加入のあり方について検討すること。
 年金課税のあり方について、確定給付型の企業年金などとのバランスに留意しつつ、拠出時・運用時・給付時を通じた負担の適正化に向けて検討を行うこと。
一 金融・証券市場に対する国民の信頼と安心を確立するため、市場の透明性を高める等の改革を進めるよう努めること。


確定拠出年金法案に対する附帯決議

平成13年6月21日
参議院厚生労働委員会

 政府は、確定拠出年金が自己選択と自己責任に基づく初めての年金制度であることにかんがみ、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
、確定拠出年金の実施に当たっては、本制度に対する国民の理解が深まるよう十分な周知を行うなど、円滑な実施を図るために必要な環境整備に努めること。
、企業型年金規約の承認に当たっては、法律や政令で定める基準に合致していること及び労使合意が適正になされていることの確認を的確に行うこと。
、確定給付型の企業年金等から確定拠出年金への移行に当たっては、労使合意が適正になされていること、並びに従前の確定給付型の企業年金及び移行時における権利の保護が十分なされていることの確認を的確に行うこと。
、事業主等が加入者等に対して行う資産運用に関する情報提供については、提供されるべき情報及び提供に際しての禁止行為に係る基準を示し、加入者等が適切な理解のもとに資産運用を行うことができるようにすること。
、受託者責任については、その理念・内容が事業主、運営管理機関など関係者に十分に周知され定着するよう努めること。特に、金融機関が運営管理機関を兼ねる場合は、加入者等のために忠実な業務の遂行が確保されるよう適切な指導を行うこと。
、事業主、国民年金基金連合会や運営管理機関が確定拠出年金の実施に関し業務上取り扱う個人情報については、その適正な保管・使用に万全を期すよう指導を行うこと。
、管理手数料については、加入者等の利益が図られるよう、運営管理機関の幅広い参入とその競争を基本に、サービスに応じた適正な水準となるように配慮すること。また、手数料についての情報が、加入者等に適切に提供されるようにすること。
、確定拠出年金の拠出限度額など拠出の在り方については、制度の実施状況などを踏まえ、今後とも検討すること。
、国民年金第三号被保険者の取扱いについては、公的年金制度における取扱いとのバランスや本制度の導入の目的及び公平性の観点から、引き続き検討を行うこと。
、年金に対する課税の在り方については、各制度間のバランスに留意しつつ、拠出時・運用時・給付時を通じた負担の適正化に向けて検討を行うこと。
一、国民が年金資産を運用するに当たっては、金融・証券市場の信頼と安心が確立されていることが必要であることにかんがみ、市場の公正性・透明性を高めるための改革を進めること。


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