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資料 No.1

医薬品分野におけるこれまでのBSE対策
(平成15年4月現在)

1.医薬品に使用できるウシ等由来原料の原産国について

 (1)平成12年12月に、欧州を含むBSEリスクの高い国及びBSE発生国(米国農務省の基準を採用)を原産国とするウシ等由来原料を使用しないこととした(29ヶ国)。

表1 原料としての使用が禁止されている原産国(平成12年12月)
BSE発生国 英国、スイス、フランス、アイルランド、オマーン、ポルトガル、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ
BSE発生リスクの高い国 アルバニア、オーストリア、ボスニア・ヘルチェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、チェコ、デンマーク、ユーゴスラビア、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、マケドニア、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スペイン、スウェーデン

 (2)平成13年10月には、日本でのBSEの発生の確認を受けて、原産国としての禁止国の精度を向上させるべく、欧州の評価基準GBR(地理的BSEリスク評価)に基づき、原料として使用できない原産国の範囲を拡大した。これにより、原則、GBR1及び2を原産国とする原料のみ使用できることとされた。
 ( 参考 )  GBR−1  BSEのリスクはほとんどない国
 GBR−2  BSEのリスクは少ないが、否定できない国
 GBR−3  BSEのリスクがある国
 GBR−4  BSEのリスクが高い国

表2 原料としての使用が認められている原産国(平成13年10月)
BSE低リスク国 アルゼンチン(1)、オーストラリア(1)、ボツワナ(1)、ブラジル(1)、チリ(1)、コスタリカ(1)、エルサルバドル(1)、ナミビア(1)、ニカラグア(1)、ニュージーランド(1)、パナマ(1)、パラグアイ(1)、シンガポール(1)、ウルグアイ(1) 、スワジランド(2)、カナダ(2)、コロンビア(2)、インド(2)、ケニア(2)、モーリシャス(2)、ナイジェリア(2)、パキスタン(2)、米国(2)

 ただし、特例的にこれら以外の国を原産国とする場合であっても、管理された動物、すなわち、(1)原料動物のBSE検査がされており、(2) 当該国がBSE対策を実施しており、(3)原料動物が動物性飼料を使用せずに飼育されたことが確認できる原料は使用できることとされている。(原料の3原則)

2.医薬品の原料として使用できるウシ等の部位

 (1)平成12年12月には、原料としての使用が禁止されている原産国以外の国であっても、BSEのリスクの高い部位(EMEA基準の4段階の2段階まで)については使用しないこととし、平成15年4月には、さらなる予防的措置として、頭骨、脊椎、三叉神経節、背根神経節を原料として使用してはならないこととした。

表3 原料としての使用が禁止されているウシ等の部位(平成15年4月)
 脳、脊髄、眼、腸、扁桃、リンパ節、脾臓、松果体、硬膜、胎盤、脳脊髄液、下垂体、胸腺、副腎、頭骨、脊椎、三叉神経節、背根神経節

 (2)また、平成15年4月に、使用部位からみて注意すべきウシ等由来原料として、
(1)原材料に関するBSE感染リスクが高い部位の汚染を防止するための対応を行うこととし、特に、ウシ等の血液、体液等については、と畜前に採取したものであること。また、胎児血清については、母獣由来の臓器・組織の汚染がない方法で採取されたものであることとした。
(2)ウシ等由来原料として、脳心臓浸出液(BHI)を使用しないこととした。

3.その他(平成15年4月)

 (1) 血液製剤に関する取扱い
(1) 異常プリオンの除去に関して、スパイクテストを行う等の方法により、バリデーションの実施により確認することを検討すること。
(2) 血漿分画製剤の原材料となる血液については、英国、フランス、イタリアで採血されたものを使用しないこと

 (2) 人尿由来製剤の取扱いについて
(1) 医薬品等の原材料となる人尿については、英国、フランス、イタリアで採取されたものを使用してはならないこと。


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