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政府税制調査会等における議論の動向について


 政府税制調査会中期答申「少子・高齢社会における税制のあり方」(抄)(平成15年6月)

第三 その他の課題
 一 金融・証券税制
 金融資産性所得に対する課税に関しては、「貯蓄から投資へ」という政策要請を受け、貯蓄優遇税制や株式等譲渡益課税の見直しが相次いで進められてきた。(中略)また、生損保控除や財形貯蓄といった残された貯蓄優遇税制についても、他の様々な貯蓄手段との税負担の公平性確保の要請等を踏まえ、見直しを行うべきである。


 自由民主党「平成14年度税制改正大綱」(抄)(平成13年12月)

第三 検討事項
 6.生損保控除については、老人マル優の縮減など貯蓄優遇税制の見直しが進む中、医療、介護など高齢化社会における社会保障政策を踏まえた新たな商品開発をも期待しつつ、早急に制度のあり方の抜本的な見直しを行う。


 政府税制調査会「平成14年度の税制改正に関する答申」(抄)(平成13年12月)

平成14 年度税制改正
.金融・証券関係税制
(2)貯蓄優遇税制
 わが国の家計には、証券投資より預貯金中心の貯蓄を重視する傾向がある。貯蓄重視指向の要因としては、これを優遇してきた各種制度の存在が指摘されている。貯蓄優遇税制についても、「租税特別措置の聖域なき見直し」の観点や「貯蓄優遇から投資優遇への金融のあり方の切り替え」(「基本方針」)の観点から、根本的に再検討する必要がある。
 少額貯蓄非課税制度(老人マル優)等の見直しについては、高齢者世帯(世帯主が65歳以上の世帯)の所得分布は二極化しているため、その実態を踏まえて慎重に検討すべきであるとの意見や、高齢者等の生活資金の備えとしての意義に配慮が必要であるとの意見も出された。しかしながら、高齢者世帯の平均貯蓄残高は勤労者世帯と比べて高水準にあり、また、生活に与える影響という観点でみると、高齢者世帯の所得に占める利子所得の平均割合は総じて1%前後である。高齢者相互間・世代間の税負担の公平確保の観点や課税ベースの拡大を図る観点から、本制度は基本的に廃止に向け検討を進めるべきである。
 生命保険料控除制度・損害保険料控除制度の見直しについては、老後に備えた自助努力の支援や相互扶助、更には不慮の事故による損害に対して共同で備えるという観点に留意が必要であるとの意見もあった。しかしながら、制度創設後長期間が経過し、保険加入率は相当の水準に達しているほか、大半の納税者に対し適用されており、これ以上の誘因効果も期待し難い。また、保険の貯蓄としての側面に着目すれば、様々な貯蓄手段のうち、特に保険に限って税制上優遇する本制度は、金融商品間の税負担の公平性及び中立性等に照らし問題があると言える。このような実態を踏まえれば、本制度は廃止に向け検討すべきである。
 さらに、少額貯蓄非課税制度等及び生命保険料控除制度・損害保険料控除制度については、長年、当調査会において、その廃止・縮減に向けて見直しを行うべきとの考え方を度々示してきた。しかしながら、制度創設以降、実際にそうした見直しは行われてこなかった。こうした過去の経緯を踏まえ、少なくとも時限措置へ移行するなど、経過的な手当てを考慮しつつ、廃止・縮減に向けて具体的な措置を講じるべきである。


財形制度に関する附帯決議(抜粋)


雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
(平成15年4月15日 衆議院 厚労)
 政府は、次の事項について適切な措置を講ずるよう努めるべきである。
 (中略)
 労働移動の増加等に対応する観点から、失業時の中途払い出しを可能にする等、勤労者の住宅費、教育費等の負担の軽減に資するための勤労者財産形成制度の見直しの検討に努めること。
 (以下省略)

雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
(平成15年4月24日 参議院 厚労)
 政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 (中略)
2 再就職が困難な状況が続いていることにかんがみ、解雇等によりやむを得ず中途払出しを行う場合について、特別な配慮を行うことができるようにするなど、勤労者の住宅費、教育費等の負担の軽減に資するための勤労者財産形成促進制度の見直しについて検討に努めること。
 (以下省略)


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