03/06/24 第７回社会保障審議会年金数理部会議事録



　　　　　　　　　第７回　社会保障審議会　年金数理部会　議事録


時間　　：平成１５年６月２４日（火）１３：００～１５：１５
場所　　：都市センターホテル　５階会議室「オリオン」
出席委員：堀部会長、都村部会長代理、近藤委員、田村委員、林委員、山﨑委員

開会

○畑首席年金数理官
　それでは、定刻になりましたので、ただいまより第７回社会保障審議会年金数理部会
を開催させていただきます。
　審議に入ります前に、お手元の資料を確認させていただきます。座席図、議事次第の
ほか、次のとおりでございます。
　まず資料１は国民年金・基礎年金の平成13年度の財政状況でございます。これは前回
の部会でも配布をさせていただきましたけれども、時間の都合によりまして審議ができ
ませんでしたので、今回審議していただくためにもう一度配布させていただいておりま
す。
　資料２から４までは、それぞれ国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校
教職員共済制度の平成13年度の財政状況となっております。
　このほか、参考資料といたしまして、前回の部会で農林漁業団体職員共済組合の財政
状況の審議を行いました際に、委員より御要求のありました株式等の運用状況の資料の
提出がございましたのでお配りさせていただいております。以上でございます。
　次に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日は栗林委員、宮島委
員、渡辺委員が御都合により御欠席とのことでございます。御出席いただきました委員
の方が３分の１を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げ
ます。
　それでは、以後の進行につきましては堀部会長にお願いいたします。

○堀部会長
　どうもお忙しい中お集まりをいただきましてありがとうございます。
　今、説明がありましたように、今日の議題は４つの年金制度についての財政状況の聴
取ということでございます。国民年金は前回聴取できなかったわけですが、今日聴取を
したいと思います。途中で休憩を取りたいと思っています。
　本日は財務省から大川共済担当参事官、総務省から長谷川福利課長、文部科学省から
山本私学共済室長に御出席いただいております。どうもありがとうございます。
　それでは早速、国民年金の平成13年度財政状況について御報告を受けたいと思いま
す。よろしくお願いします。

議題１．平成13年度財政状況について（国民年金・基礎年金）

○坂本数理課長
　年金局数理課長でございます。前回の厚生年金に引き続きまして、国民年金の平成13
年度の財政状況につきまして御報告させていただきたいと思います。
　お手元の資料１の表紙をおめくりいただきまして１ページでございます。まず、平成
13年度の収支状況をここでまとめてございます。国民年金特別会計には２つの勘定がご
ざいまして、基礎年金勘定と国民年金勘定がございます。基礎年金勘定は、基礎年金の
給付を行うための勘定でございます。そのほかに、国民年金の独自給付を行います国民
年金勘定があるわけでございますが、まずこの基礎年金勘定の収支状況につきまして御
報告申し上げます。これが１ページでございます。
　平成13年度でございますが、拠出金等の収入が14兆1,880億円ございました。その内
訳といたしましては基礎年金拠出金が13兆7,053億円、これは高齢化に伴います受給者
の増ということで給付費も着実に伸びているところでございます。
　それから、特別国庫負担相当額というものが4,828億円ございます。これは免除期間
に相当します給付、あるいは経過措置にございますかさ上げ期間に対応いたします国庫
負担、あるいは20歳前障害にかかる障害基礎年金の国庫負担といったものがこの特別国
庫負担相当額というものになっておるわけでございますが、これが4,828億円ございま
して、その合計額が拠出金等収入の14兆1,880億円となっているということでございま
す。
　それから、運用収入が209億円ございます。これは、この収支残のところを見ていた
だきますと１兆円くらいの収支残が平成12年度にもございました。そのほかに、基礎年
金が導入されました際に、それまで任意加入しておりましたサラリーマンの妻にかかる
積立金というものの取扱いがまだ調整できておりません。その積立金を基礎年金勘定は
保有しておりまして、そこから生じてくる運用収入というものもあるわけでございま
す。その合計がこの運用収入に計上されておりまして、これが209億円あるということ
でございます。これらはいわゆる年金資金運用基金ではなくて、昔で言います資金運用
部、つまり財政融資資金特別会計に預託されているものでございます。
　その他の収入といたしましては前年度の収支残、平成12年度の収支残の１兆61億円と
いうものと、そのほか給付費の過払いに伴います返納金というものもございますので、
それらを合わせまして１兆113億円というものがここで計上されておるわけでございま
す。
　一方で支出でございますが、基礎年金給付金がございます。基礎年金勘定の本来的な
給付でございますが、これが９兆3,633億円ございます。そのほかに、各被用者年金制
度及び国民年金勘定におきまして、基礎年金が導入されました昭和61年４月の時点で既
裁定となっておりました者につきましても、その給付の一部に基礎年金とみなしている
部分がございます。それに対する財源をこの基礎年金勘定から各制度に、あるいは国民
年金勘定に渡すということがございますので、その支出が４兆7,107億円あるというこ
とでございます。これは、61年４月時点で既裁定となっていた者ということでいわゆる
クローズドのグループでございますので、減少するのみということで、平成12年度から
見ましても減っていっているということでございます。
　これらを合わせまして支出総額といたしましては14兆741億円、したがいましてその
収支残は１兆1,461億円ということになったわけでございます。これが、平成13年度の
基礎年金勘定の収支状況でございます。
　なお、この平成13年度の基礎年金の拠出金単価等がどうなっているかということがそ
の下の３欄に掲げられてございます。これは確定値でございまして、拠出金算定対象者
数が5,924万9千人おりました。そして、拠出金単価は月額で２万149円、これを国庫負
担の３分の１を除いた保険料相当の月額に直しますと１万3,433円となっているわけで
ございます。この単価を見ますと、現在の国民年金の保険料は１万3,300円でございま
すので、ほぼその国民年金の保険料月額と並んでいるということが言えるわけでござい
まして、平成14年度にはむしろこの拠出金単価が保険料額よりも高くなるということが
国民年金勘定では予想されるわけでございます。
　１ページおめくりいただきまして２ページでございますが、これは今、申し上げまし
た基礎年金拠出金単価の算出の詳しい内訳を記してございます。上の表でございますけ
れども、これは平成13年度の確定値といたしまして基礎年金の給付費が幾らであったか
ということを示しておるわけでございます。まず、本来の基礎年金の給付費といたしま
しては９兆3,594億円、それからみなし基礎年金の給付費に相当いたします基礎年金相
当給付費といたしましては５兆4,579億円あった。基礎年金相当給付費のそれぞれの制
度における内訳はここに掲げられているような数字になっている。合計で基礎年金の全
体の給付費といたしましては14兆8,173億円になっていたということでございます。
　これに対しまして、各制度の拠出金算定対象者がどれぐらいいたかということでござ
います。これは下の表の一番下の欄に掲げてございます。国民年金では1,212万6千人、
厚生年金では２号の被保険者で拠出金算定対象者となる者が3,063万4千人、３号の拠出
金算定対象者数が972万2千人いたということでございます。以下、各共済につきまして
もここに掲げられているような人数になってございます。これらを合計いたしますと
5,924万9千人となるわけでございます。
　それから、基礎年金の拠出金の単価を算定いたします際に特別国庫負担分を除かない
といけないわけでございまして、これが上の欄の数字の右から２番目に特別国庫負担額
として4,918億円が掲げられてございますが、これを基礎年金全体の給付費14兆8,173億
円から除きました額、これが一番左に掲げられております14兆3,255億円でございます
が、この数字を各制度の拠出金算定対象者数で按分していくというものになっておるわ
けでございます。したがいまして、この14兆3,255億円を5,924万9千人で割り、かつ月
額に直すために12で割りますと、この表の下に掲げてございます２万149円という値に
なるわけでございます。これが拠出金単価でございます。
　これに伴いまして、国民年金勘定からは下の表の上の欄でございますが、２兆9,319
億円の拠出が必要となった。厚生年金からは９兆7,575億円の拠出が必要となったと、
このようなことになるわけでございます。
　なお、ここで示しております数字は13年度の確定値でございます。一方で、13年度の
先ほどの１ページにございました収支状況に掲げられております数字は13年度の概算値
と11年度の精算値を合算したものということになっておりまして、ここの基礎年金拠出
金の額等とは少し異なっておるものとなっているわけでございます。13年度の確定値が
出ましたので、この確定値と13年度の概算値との差をまた２年後の15年度に精算する
と、このような形で運営されているということでございます。
　１ページおめくりいただきまして３ページは国民年金勘定の収支状況、これは国民年
金の独自給付を行う勘定でございます。それと、１号の被保険者から保険料を集めてき
て基礎年金勘定に拠出金を拠出する、そのような勘定でございます。これを見ていただ
きますと、13年度のところでございますが、保険料収入は１兆9,538億円となりまして、
12年度と比べまして微減、ほぼ横ばいとなっておるわけでございます。これは、免除率
が上がったり、あるいは検認率が下がったということが影響しております。被保険者数
は増加しておるのでございますが、そのような結果、保険料収入は横ばいということに
なっておるわけでございます。
　それから国庫負担でございますが、これは１兆4,307億円となりまして、12年度に比
べまして671億円増加している。これは基礎年金の拠出金が増加しているということに
伴うものでございます。
　それから基礎年金の交付金、これは国民年金の昭和61年４月前に裁定された者につき
ましてのみなし基礎年金に対します基礎年金勘定からの交付金でございますが、これは
２兆4,245億円となっておりまして、平成12年度から比べまして減少しておるわけでご
ざいます。これはやはりクローズドなグループでございますので、減少の一途をたどっ
ているということでございます。
　それから運用収入でございますが、1,246億円ございました。これは、運用環境の悪
化に伴いまして収益率が減少したためでございます。
　なお、この運用収入の下にかぎ括弧で2,015億円という運用収入が掲げてございます
が、これは厚生年金のときにも御説明申し上げました旧年金福祉事業団が行っておりま
した自主運用の資産を、新しい積立金の運用主体でございます年金資金運用基金が承継
している資産があるわけでございますが、そこで生じておる損益、この場合は差損でご
ざいますけれども、その損を含まないで運用収入を計上いたしますと2,015億円となる
ということでございます。そのほか、給付費返納金等がございまして36億円の収入があ
る。合計で、一番上にございます５兆9,371億円の収入があったというものでございま
す。
　一方、支出の方でございますが、給付費は61年４月前の既裁定の給付と、それから寡
婦年金、死亡一時金といった独自給付の給付でございますけれども、これは２兆5,133
億円あったということでございます。この給付費の大部分はほとんどみなし基礎年金給
付でございまして、この給付費は減少の一途ということが言えるわけでございます。
　一方で、基礎年金勘定へ拠出する拠出金は着実に増えておりまして、３兆2,871億円
あったということでございます。
　それから保険料還付金等がございまして、その他の支出として1,201億円ある。合計
で支出総額は５兆9,205億円という結果になったわけでございます。その結果、収支残
は167億円となったわけで収支とんとんの状況になってきたということでございます。
運用収入が大幅に減り、かつ保険料が据え置かれているということが影響しておるわけ
でございます。この下のかぎ括弧の936億円でございますが、これは承継資産から生じ
る損益を含まない計算をいたしました場合には936億円になるということでございます。
そのほか、業務勘定から繰り入れられるものが98億円ございまして、年度末積立金は９
兆7,348億円ある。その承継資産から生じます損益を含まないで計算いたしますと、年
度末積立金は９兆9,242億円になる。積立金の運用利回りは1.29％ないしその承継資産
から生じる損益を含めないで計算いたしますと2.06％となったということでございま
す。
　４ページは、以上の１ページと３ページのお金の流れを図にしたものでございます。
説明は省略させていただきます。
　５ページからは給付状況でございます。５ページには受給権者数と年金総額を掲げて
ございますが、これはご覧いただきたいと思います。説明は省略させていただきます。
　６ページでございますが、上の表で受給権者のところに減額支給の人員というものが
掲げてございます。それで、ここで平成14年３月末の老齢年金の受給権者数を見ていた
だきますと514万４千人となっておりまして、前年度から比べますと１万６千人減って
いる。これは、それまでの減少のペースよりやや鈍っているということが言えるかと思
います。この減少している理由として、はっきりとしたものはないのでございますけれ
ども、特徴といたしましては平成13年度に60歳に到達する者から繰上減額率が緩和され
たところでございます。12年改正のときに導入された措置でございますけれども、繰上
減額率が緩和されたということがございまして、その結果、繰上者の減少が鈍っている
側面があるのかと推測されるところでございます。あるいはまた、不況の影響というこ
とも考えられるかもしれないわけでございます。
　７ページには新規裁定の老齢年金の状況が記されておるところでございますが、男女
合計のところを見ていただきますと老齢年金の平均年金月額は平成14年３月末で５万
3,527円と、前年度末に比べまして401円減少しているということがあるわけでございま
す。ほぼ横ばいというところでございますが、一方で下の老齢年金平均加入期間という
ところがございます。これが336月から346月と10か月増加しておるのでございますが、
年金額が変わらない。これは、満額支給のための期間が12か月伸びているということに
伴いまして年金額が増えないということでございます。
　次の８ページでございますが、これは老齢年金受給権者の年齢構成を示したものでご
ざいます。平均年齢が男子で71.7歳、女子が73.8歳ということになっておりまして、こ
れは女子の方がより長寿であるというところからもこういう結果が生まれているのでは
ないかと推測されるところでございます。
　次の９ページは被保険者の状況を示しております。被保険者数でございますが、14年
３月末は第１号で53万7千人増加いたしまして、2,207万4千人となっております。これ
は適用対策が精力的に行われているということと、また不況により２号から１号に変わ
る人がいるということの結果であろうと推測されるところでございます。また、３号の
女性につきましても1,127万7千人と減少しておるわけでございますが、これは不況によ
り夫が２号から１号になったことに伴いまして、３号の女性が１号に変わっていったと
いうところもあるのではないかと推測されるところでございます。
　10ページからは、被保険者の分布でございます。この説明は省略させていただきま
す。15ページまで省略させていただきます。
　16ページでございますが、ここでは積立金の運用状況につきまして御報告しておりま
す。資産構成でございますが、厚生年金と同じように預託金がまだ残っておりまして、
これが８兆442億円ある。それから、市場運用分が5,446億円、財投債による運用が１兆
3,354億円あるということでございます。それで、承継資産の損益を含まない場合には
年度末積立金は９兆9,242億円、含む場合には９兆7,348億円となっているということで
ございまして、利回りは承継資産を含まない場合には2.06％、含む場合には1.29％とな
っておるところでございます。
　17ページからは財政再計算における将来見通しとの比較ということで、国民年金勘定
の収支状況の比較をここで行っております。この表の一番上の段で、13年度決算という
ことで掲げておる数字がございますが、これは３ページの数字を再掲したものでござい
ます。これを財政再計算の見通しと同じ土俵に載せるために、基礎年金交付金を収支両
面から控除するという方法をとっております。したがいまして、13年度決算の下に
「（実質収支）」というところがございますが、この括弧書きで書かれているところが
基礎年金交付金を控除したものでございまして、給付費のところが2.5兆円から0.1兆円
に変わっているということでございます。
　これと11年再計算の将来見通しを比較していただきますと、かなり近い数字になって
いる。運用収入が一番減っておるわけでございますが、これは運用利回りの低下という
ことがあるわけでございます。あるいはまた、年度末積立金に財政再計算は国庫負担の
繰延べ分を入れておりまして、それから生じるはずの利回りというものも考える必要が
ありますので、その分だけ大きくなっているということもあるわけでございます。
　それで、年度末の積立金でございます。一番右の9.7兆円というのが実績でございま
すけれども、この表の一番下の特記事項の最初の(2)の部分の積立金に国庫負担の繰延
べ分1.9兆円でございますが、これを加えて11.7兆円となるわけでございます。これは
財政再計算の見通しよりは若干小さ目の積立金になっているというものでございます。
　次の18ページでございますが、これは被保険者数あるいは受給者数を再計算見通しと
比較したものでございます。ここの部分の説明は省略させていただきます。
　19ページでございますが、ここからは財政指標の比較ということで基礎年金全体に関
します年金扶養比率をまず見ております。この年金扶養比率でございますが、13年度を
見ていただきますと、受給権者ではなくて受給者ベースで算定いたしました括弧書きの
3.31という年金扶養比率がございますが、平成13年度の財政再計算結果は3.2というこ
とで近いのでございますが、若干多くなっているということでございます。これは被保
険者数が増えておるということに原因があるということで、近い数字になっているとい
うところでございます。
　20ページは、国民年金勘定に関します収支比率ということでございます。13年度の収
支比率は93.6％ということになりまして、これは再計算の見込みによります13年度分の
87.8％からはかなり上がっているわけでございますが、これは運用収入の減で高くなっ
ているということが言えようかと思います。
　最後の21ページの積立比率でございますけれども、13年度は6.0ということになって
ございます。13年度のスターの部分でございます。これは財政再計算ベースに補正した
もので6.0となっておりまして、財政再計算の見通しに近く、若干高くなっている。こ
れは、給付費がやや小さくなっているということから積立比率は上がっているという結
果になっているわけでございます。以上でございます。

○堀部会長
　どうもありがとうございました。それでは、前回説明いただいた厚生年金について、
時間がなくて余り御質問できなかったと思うのですが、それを含めて御質疑をお願いし
たいと思います。よろしくお願いします。

○山﨑委員
　説明は省略されましたが、18ページの表にはほとんど数字がないんですが。これはど
ういう理由でしょうか。

○坂本数理課長
　これは、国民年金、厚生年金は一般制度でございますので、推計するときも人口全体
から推計している。そして、いわゆる新規加入、再加入の区別がつかないというふうな
技術的な問題もございまして、この新規加入者……。

○山﨑委員
　わかりますけれども、例えば一番下の表の失権者数の欄には実績が出ていません。
今、言ったような話とは別で、実績そのものは取れるんじゃないですか。上の表の新規
裁定者数には実績が入っています。それで、失権者数の方は何も入っていないんです。
これは何か説明があるんですか。

○安部数理調査室長
　確認をしなければいけませんが、実績として失権者はあると思います。ただ、これは
もともと……。

○山﨑委員
　それはあるんでしょうね。なければ、再計算をやるときに失権率は出せないと思うの
です。

○坂本数理課長
　失権率はもちろん要るわけですけれども。

○山﨑委員
　実績がなければ失権率は出せないでしょう。

○坂本数理課長
　みなし基礎年金の部分が……。

○山﨑委員
　いろいろな理由はあるんでしょうけれども、推計の要素を除いてでも失権の元になる
数字がないことには失権率が出ないでしょう。

○坂本数理課長
　基礎率をつくりますときには、一部推計を用いてつくっているということでございま
す。

○山﨑委員
　だけど、推計の元になる実績はあるんでしょう。どうも実績がここだけ出ないのはよ
くわからないものですから。

○坂本数理課長
　これに該当する実績はないということでございます。みなし基礎年金にかかる実績数
値というのは取れないということです。

○山﨑委員
　そこがよくわからないんだけれども。

○安部数理調査室長
　データとして単純な実績は失権の方も、おっしゃるように今ここには載せておりませ
んし、今、私も手元には持っておりませんが、あるとは思います。
　ただ、ここでは今みなし基礎年金の推計値なども入っていますが、そういったところ
の実績は……。

○山﨑委員
　だから、極端に言えばみなし基礎年金は除くとやってもいいんだけれども、何も入っ
ていないと何となく寂しいような気がして、率などを計算するときに非常に困るんじゃ
ないかという気がします。
　それから、再計算をやるときには実績と推計とをいつも検証するはずですが、これが
出ていなければ検証もできないですね。そういうことも含めて、実績くらいは入れてほ
しいなという気持ちがあったものですから。

○坂本数理課長
　ちょっと工夫させていただきます。

○堀部会長
　それでは、どういう機会に委員にお示ししたらいいかは後でまた御相談しながら、で
きるだけ数字を埋めるようにしたいと思います。ほかはいかがでしょうか。

○田村委員
　少し教えてほしいのですが、21ページの上の表の注にスター印が付いていまして、前
年度末積立金を財政再計算ベースに補正したものと書いてありますが、これはどのよう
に補正されているのですか。随分数字が丸くなっていますし、先ほど再計算ベースに合
わせた修正というものがありましたが、それとはまた違うやり方のようですが、これは
どういうふうに補正されているのですか。

○坂本数理課長
　積立金といたしまして国庫負担繰延べ分が実績には入っておりませんが、再計算では
繰延べ分は含んで計算しておりますので、その積立金を繰延べ分を含ませる形で計算し
ているということでございます。

○田村委員
　現在、国庫負担の繰延べ分というのはどれくらいあるのですか。

○坂本数理課長
　1.9兆円でございます。

○田村委員
　どうもありがとうございました。さっき説明がありましたでしょうか。

○坂本数理課長
　17ページの一番下の特記事項のところにございます。

○田村委員
　わかりました。

○堀部会長
　ほかはいかがでございましょうか。
　ないようでしたら、次に移りたいと思います。どうもありがとうございました。

　　　　　　　　　　　　　　　　 （報告者退席）

平成13年度財政状況について（国家公務員共済組合）

○堀部会長
　次は、国家公務員共済組合の財政状況について報告を受けたいと思います。よろしく
お願いします。

○大川共済担当参事官
　財務省共済担当参事官の大川でございます。本日は、国家公務員共済組合連合会から
も担当者を同席させております。それでは、国家公務員共済組合の財政状況につきまし
て、お手元の資料２に基づきまして順次御説明を申し上げたいと思います。
　まず１ページ目でございますが、国家公務員共済の収支状況について、直近５年間の
推移を記載させていただいております。平成13年度につきまして御説明申し上げます
と、右から２番目の欄になりますけれども、保険料収入が１兆252億円ということで、
前年度、12年度で比較いたしまして46億円、0.5％の増加ということになっております。
それから国庫負担・公経済負担は1,348億円でございまして、対前年度33億円、2.5％の
増加でございます。また、追加費用は5,400億円でございまして、これは対前年度比212
億円、3.8％の減少でございます。
　それから、運用収入でございます。これは下から２番目の欄をご覧いただきますと積
立金運用利回りという欄がございますけれども、12年度の運用利回りは3.01％から13年
度は2.42％ということで低下しております。これを反映いたしまして上の欄に戻ってい
ただきますと、運用収入の額としましては前年の2,499億円から13年度が2,104億円とい
うことで対前年度395億円、15.8％の減少となってございます。
　それから、平成12年度の特殊事情といたしまして収入の欄の下から２番目にございま
すが、平成12年度には地方事務官の国共済への適用ということがございましたので、こ
れに伴って旧地方事務官の移換金が1,436億円あったわけでございますが、これは12年
度限り１年限りの要因ということで13年度では皆減となっております。
　そのほか、基礎年金交付金が1,993億円、前年度90億円の減、その他ということで20
億円ございまして、収入総額では２兆1,117億円ということで対前年比2,051億円、8.9
％の減少でございます。この減少の最も大きな要因は、先ほどお話をいたしました地方
事務官の国共済への適用に伴う積立金の１年限りの減少ということでございまして、こ
の影響を除いたところでは615億円の減少ということに相なります。
　引き続きまして、支出の方でございます。上から２段目の欄をご覧いただきますと、
まず給付費が１兆6,867億円ということで、対前年度で67億円、0.4％の増となっており
ます。それから基礎年金拠出金でございますが、3,608億円でございまして、対前年度
74億円、2.1％の増加となっております。伸び率が高目の数字になっておりますけれど
も、これは高齢化に伴いまして基礎年金給付が増加していることを反映したものと考え
ております。
　それから、平成９年４月にＪＲ、ＪＴ、ＮＴＴ、３共済を厚生年金へ統合いたしまし
たけれども、その統合に伴いましてＪＲ、ＪＴ両共済に対する財政支援事業が始まって
おりますが、そのための拠出を年金保険者拠出金ということで、支出の下から２番目の
欄にございます。平成13年度では25億円、全年度同額ということでございます。その他
が67億ございまして、支出総額を締めますと２兆568億円、対前年度162億円、0.8％の
増加ということでございます。
　以上の収入支出の状況を反映いたしまして、平成13年度の収支残は下から４番目の欄
でございますが、549億円ということでございます。その結果、その下の欄の年度末積
立金は前年度比若干増加、その分増加をいたしまして８兆6,500億円ということになっ
ております。
　収支状況は以上でございますが、２ページ目にただいま御説明申し上げましたことに
つきまして概念図がございますけれども、内容的には今、御説明申し上げたとおりでご
ざいますので説明は省略させていただきます。
　次に、給付状況について御説明いたしたいと思います。３ページに表がございますけ
れども、受給権者数、年金総額、退職年金受給権者平均年金額及び平均加入期間という
ことで、直近５年間の表を掲載させていただいております。
　まず受給権者数は一番上の欄でございますけれども、総数で88万３千人ということで
内訳は退年相当60万１千人、通退相当４万３千人、障害年金１万３千人、遺族年金22万
６千人ということでございます。総数では先ほど申し上げました88万３千人ということ
で、対前年度２万２千人、2.5％の増ということでございます。
　それから、その下の欄が年金総額でございます。これも退年相当から順次申し上げま
すと、退年相当１兆3,803億円、通退相当234億円、以下省略させていただきますが、総
額では１兆7,534億円ということでございまして、ここは対前年度比23億円、0.1％と若
干の減ということになっております。
　以下は全額支給、一部支給、全額停止ごとの内訳でございます。時間の関係もござい
ますので説明は省略させていただきます。
　４ページにまいりまして減額支給、増額支給別の内訳といいますか、数値でございま
すけれども、共済年金には増額支給という制度はございませんので、この欄は空欄にさ
せていただいております。減額支給の欄はご覧いただいておりますとおり13万3千人と
いう数字でございまして前年度比2千人の減、その部分にかかる年金総額が2,605億円と
いうことでございます。
　続きまして、４ページの下は退年相当の平均年金月額と平均加入期間についての表で
ございます。平成13年度はまず４ページの下の方が男女合計でございまして、５ページ
にまいりまして男性、女性別の数字がございますが、男女合計でご覧いただきますと平
成13年度平均年金月額は19万1,367億円、下の欄の一番上の欄でございますが、そうい
うことになっておりまして、前年度と比較して4,834円、2.5％の減少ということになっ
ております。新共済法によります退職共済年金では、65歳に達して本来の退職共済年金
となりますとそれまでの定額部分が老齢基礎年金となって給付されるということになっ
ておりますが、ただいま申し上げました平均年金月額には老齢基礎年金は含めずに計算
した数字でございます。
　別途その下に、上記の老齢退職年金平均年金月額に基礎年金額の推計値を加算した平
均年金額というのが大きなくくりの２番目の欄といいますか、上から４つ目の欄にござ
います。基礎年金を含めて平均年金月額を計算いたしましたものがこの４つ目の数字で
ございますが、それを含めますと21万7,058円ということで、対前年度で2,547円、1.2
％の減ということになっております。平均加入期間につきましては下から５番目の欄で
ございますが、416か月ということになってございまして、前年に比べて３か月ほど増
えているということでございます。
　それで、今ご覧いただきましたように退年相当の平均年金月額は前年に比べまして減
少しておりますけれども、この要因といたしましては１つには65歳になりまして本来の
退職共済年金となるときに定額部分が基礎年金に振り替わりますので、共済年金として
はその分が減るということがございます。
　それから、いま一つには失権する高齢者が単価の高い方でいらっしゃって、それに対
して新規に裁定される方が60年改正以降の経過措置ということもございますけれども、
定率、定額単価が年々下がっておりますので単価が比較的安い。その単価の高い方から
低い方への入れ替わりという要因があろうかと思います。
　更に、今年の事情としましては平成６年改正によりまして定額部分の支給開始年齢が
引き上げられるということで、平成13年度の裁定から60歳の方の定額部分が支給されな
いということになってございまして、その影響も加わっておるということでございま
す。そういうことが重なりまして、月額では若干の減少ということになっております。
　５ページにつきましては、ただいま申し上げましたものを男性、女性別に解析したも
のでございますので、ここは説明を省略させていただきます。
　６ページに加入期間20年以上の新規裁定者の方についてのデータがございますけれど
も、20年以上の新規裁定者を13年度でご覧いただきますと平均で男女合計で一番上の欄
ですが、16万3,330円という水準でございまして、平均加入期間はその３つばかり下の
欄ですが、431か月ということでございます。それで、前年に比べまして月額では５万
1,197円の減と、かなり大幅な減となっておりますけれども、これは先ほど申しました
ように平成６年改正により定額部分は平成13年新規裁定から61歳からということになり
まして抜け落ちましたので、かなり大きな減少となっておるということでございます。
　その下の欄は男性、女性別の数字の内訳がございます。詳しい説明は省略させていた
だきますが、厚生年金と違いまして共済年金の場合には女子も男子と同じスケジュール
で定額の部分の支給開始年齢の引上げをされますので、女子についてもかなり大きな月
額の減となっているということでございます。
　続きまして、７ページ目にまいります。この表は今年度から新たに作成することとい
たしたものでございますけれども、これまで御説明いたしました月額の水準等を年齢別
に分解したものでございます。一番上の方の欄は先ほど御説明しました全体での平均の
月額受給権者数等でございますが、中ほどから60歳未満、60歳、61歳、62歳、63歳、64
歳とそれぞれ年齢別のデータがございます。その下は65歳以上の本来支給分、更に下の
方の２つは旧法適用の方ということで、それぞれ数字が書いてございます。ご覧いただ
きますと、先ほどの60歳から61歳に伸びたということがございまして、60歳までのとこ
ろの月額と60歳以降のところにギャップといいますか、かなりの差があることが見てと
れると思います。詳しい説明は省略させていただきます。
　更に８ページ、９ページは今の年齢階層別のものを男性、女性別に解析したものでご
ざいます。ここも省略させていただきます。
　10ページにまいりまして、退年相当の受給権者について年齢階級別に分解したもので
ございます。男子、女子、計とございますが、男性では70歳以上75歳未満の階級が一番
多いという形になっておりまして、次いで65歳以上70歳未満、60歳以上65歳未満という
ことでございまして、女子でも同様の傾向となっております。平均年齢は一番下にござ
いますように男子71.1歳、女子71.5歳ということでございます。
　更に11ページから14ページまでが組合員の状況についてのデータでございます。まず
平成14年３月末の組合員数でございますが、11ページの一番上にございますように111
万人ということでございまして、前年度から9千人の減ということでございます。男女
別ではご覧のような数字となっております。平均年齢につきましては39.5歳ということ
で、対前年度0.1歳上昇しております。標準報酬は41万2,604円ということで対前年度比
2,035円、0.5％の上昇ということになってございます。
　次の12ページでございますけれども、年齢期間別、加入期間別の構成のデータでござ
います。詳しい説明は省かせていただきますが、大体対角線上に集中している傾向がご
ざいまして、就職してからずっとお勤めになっている方が多いという傾向が見てとれる
かと思います。
　13ページ、14ページはそれの男性、女性別の内訳でございますので、ここも省略をさ
せていただきます。
　15ページにまいりまして、標準報酬月額等級の分布でございます。これは男性、女性
別にございますが、男性につきましては一番人数が多いのが一番下の欄の62万以上が多
くなっております。女性につきましては下から８つ目くらいでしょうか、41万のところ
が一番多い階層ということになってございます。
　続きまして16ページにまいりたいと思います。積立金の運用状況でございます。年金
資産の構成について簿価ベース、時価ベースでお示ししたものでございます。時価の方
は参考ということになっておりまして、構成割合は簿価ベースで記載させていただいて
おりますけれども、平成13年末で８兆6,500億円ございます。その資産構成はご覧のと
おりでございますけれども、預託金が４兆1,513億円、これは財投融資特会というふう
に名称が変わりましたが、預託でございます。それから有価証券等が２兆6,744億円ご
ざいまして、その中に包括信託が１兆2,264億円、有価証券を個別に持っておるものが
１兆2,264億円、その内訳はその下にあるような数字ということになってございます。
それから、組合員等への貸付金が総額で１兆2,195億円ございます。このような内訳と
なっておりまして、運用利回りが下から２番目でございますが、2.42％ということでご
ざいます。
　引き続きまして、17ページにまいりまして財政再計算における将来見通しとの差とい
うことでございます。17ページの収支状況についての表でございますけれども、まず収
入の方では保険料見通し１兆269億円に対して１兆252円、若干差はございますけれど
も、賃金上昇率、組合員数が若干違ったことによるものと考えております。
　それから、比較的大きな差が出ておりますのは運用収入、収益でございまして、
3,342億円に対して13年度の実績は2,104億円ということでかなり違いますけれども、こ
れは運用利回りが再計算では４％を前提にして計算しておりますが、実績は市場環境を
反映いたしまして2.42％であったということによるものでございます。
　支出の方をご覧いただきますと、給付費で見通しの１兆7,277億円に対して実績は１
兆6,867億円ということで、ここにも若干の差が出てございますけれども、これは年金
改定率の見通しと実績の違いということでございます。それで、収支それぞれ影響いた
しますが、収支残は1,340億ほどの見通しでございましたが、実績は先ほど来申し上げ
ております549億円ということになってございます。
　その次に18ページでございますが、組合員数及び受給者等の比較ということでござい
ます。まず組合員数でございますが、財政再計算の段階では112万２千人ということで
推計しておりましたが、実績は111万人でございまして若干減少しておりますが、これ
は定員削減などによるものでございます。それから、受給権者も87万８千人の見通しに
対して85万７千人と若干少なくなってきております。
　それから、新規加入者につきましては財政再計算では加入、脱退が同数というふうに
見ておりまして、真ん中の欄の新規加入者と、一番下の脱退者と、それぞれ５万４千人
ということで同数で置いておりますが、実績を取りますと加入者の方が３万９千人、脱
退者が５万４千人であったということでございます。
　それから、そのそれぞれ右側に新規裁定者、失権者の実績の数字を書かせていただい
ておりますが、財政再計算におきましては特にこういう数字は置いておりませんので、
申し訳ありませんが、財政再計算の方は空欄にさせていただいております。
　19ページ以降が各種の財政指標の比較でございます。まず19ページの年金扶養比率で
ございますけれども、ご覧いただいておりますように、平成13年度の一番左の年金扶養
比率の生の数字でいきますと1.85ということで、前年に比べて0.04ほど低下しておりま
す。なお、補正した年金扶養比率ということで見ましても2.61ということで、前年から
若干の減ということでございます。
　ちなみに、財政再計算の数字は下の四角の表の中にあるような数字になってございま
すけれども、実は上の実績の方の表は本書きの数字は受給権者の数で計算したものでご
ざいます。財政再計算の方は受給権者ではなくて受給者の数で計算しておりまして、こ
れは単純に比較すると少しベースが違うということに相なりますので、上の表を受給者
に置き直して計算したものが括弧内の数字でございます。これでご覧いただきますと平
成13年度の実績は1.90ということで、財政再計算の1.96とくらべて若干0.06低いという
ことに相なります。
　20ページは総合費用率でございます。この総合費用率をご覧いただきますと、上が実
績、下が財政再計算でございますが、実績をご覧いただきますと21.54ということで前
年より若干の増加ということになっております。財政再計算と比べますと、平成13年度
は22.44でございましたから、それよりは若干低いということになってございます。
　次の21ページにまいりますと厚生年金相当部分に係る総合費用率というものを試算し
た表でございます。これは上が実績、下が推計でございますが、平成13年度は21.40で
前年より若干上昇しているということでございまして、財政再計算時点では21.26だっ
たということでございます。
　更に22ページにまいりまして独自給付費用率、いわゆる１階部分を外した独自給付費
用率については同じような実績と財政再計算結果のデータでございます。平成13年度実
績は17.14ということでやはり前年より若干の増となっております。財政再計算の時点
では17.88という数字でございました。
　更に23ページにまいりまして、これも先ほどの総合費用率と同様に厚生年金相当部分
にかかる独自給付費用率でございますが、13年度実績17.00は若干の上昇、財政再計算
時は16.71ということでございました。
　更に24ページは収支比率でございます。ここも上が実績、下が財政再計算でございま
すが、平成13年度の実績は95.17、前年に比べて上昇となってございます。ちなみに財
政再計算時点では90.07ということで、これに比べても上昇となっているということで
ございます。
　最後に25ページの積立比率でございますが、これも平成13年度は7.31ということで前
年に比べて若干落ちている。財政再計算に比べると少し上がっているという形でござい
ます。以上、駆け足で大変恐縮でございました。
　それから、最後に資料としては用意いたしておりませんが、国共済と地共済の財政単
位の一元化についての検討状況について御報告させていただきたいと思います。
　御承知のように、国家公務員共済年金と地方公務員共済年金につきましては平成13年
の閣議決定におきまして、ともに公務員という職域に適用される年金制度であることか
ら、両制度の財政単位の一元化を図ることとされております。このため、速やかな具体
的枠組みについて検討を進め、平成16年度の財政再計算はこの財政単位の一元化を前提
として実施するというふうな方針が平成13年の閣議で出されておるわけでございます。
　これを受けまして、私ども財務省と総務省の両省におきまして、平成13年10月から公
務員共済年金財政単位一元化研究会という研究会を開催しておりまして、その場におき
まして国共済と地共済との間の財政単位の一元化についての意見交換検討を行っている
ところでございます。
　私どもといたしましては、この研究会での議論を踏まえながら両省で更に検討をいた
しまして、平成16年度年金制度改正に合わせて両共済の財政単位の一元化を盛り込んだ
法案を次期通常国会に提出いたしたいと考えているところであります。
　簡単ではございますが、以上でございます。どうもありがとうございました。

○堀部会長
　ありがとうございました。それでは、ただいまの御報告に対して質疑がございました
らよろしくお願いいたします。

○都村部会長代理
　20ページ以降の賃金上昇率ですけれども、平成９年から平成13年度までずっとプラス
になっているわけですね。厚生年金の場合は10年、11年、13年マイナスになっていまし
た。賃金上昇率を計算するときに組合員の年齢分布の変化の影響というのは除去してい
るのでしょうか。それから、将来見通しを推計する場合はどうでしょうか。そのことに
ついて教えていただきたいと思います。

○大川共済担当参事官
　お答えいたします。20ページの注３のところに「賃金上昇率として、平均標準報酬の
伸び率を記入する」というふうに書いてございますけれども、まさにこのとおりでござ
いまして、単純な平均標準報酬の伸びを単にこれは記載しているだけで、年齢の進行等
による影響を勘案してはございません。そういう意味で、ちょっと厚生年金とやり方が
違うと思います。

○都村部会長代理
　そうすると、年齢構成の変化を考慮するとこれはマイナスになる可能性もあるという
ことですか。

○廣瀬共済計理官
　すべての年度をやっているわけではないので、直近のところだけを申し上げますと、
平成13年度を12年度と比べまして、13年度の組合員の年齢の分布を固定いたしまして、
それぞれの年齢における標準報酬月額を12年度と13年度で当てはめた結果、どれだけ伸
びたかということをやってみました。その結果、このような方法で年齢構成の影響を除
去いたしますと、１人当たりの標準報酬月額の伸びは0.1％程度ということでございまし
たので、かろうじてマイナスにはなっていなかったというところでございます。

○堀部会長
　よろしいでしょうか。それでは、近藤委員お願いします。

○近藤委員
　私は不勉強なんですけれども、16ページの包括信託というのは去年まで金銭信託と書
いてありましたよね。何か特に変わったことは。

○大川共済担当参事官
　用語の整序でございまして、内容的には変わってございません。

○近藤委員
　そうすると、特定金銭信託か何かのことが包括信託となるんですか。包括信託という
のは意味がよくわからないんだけれども。

○大川共済担当参事官
　すみません。昨年の用語の使い方がどうだったのか、今すぐには確認できませんが、
いずれにしましても内容的には金銭信託でございます。それで、更にその中身は国内株
式ですとか公社債ですとか、そういったものだということでございます。

○近藤委員
　ほかは全部、金銭信託なんですよね。

○大川共済担当参事官
　用語の使い方が違っておりますが、内容的には去年と違うものではございません。

○近藤委員
　それから17ページですけれども、これは時価ベースで推計すると運用収益のところが
どういうふうに変わるんでしょうか。利回りがもっと悪くなるような気がするんだけれ
ども、これは実際に何か推計とかをやっておられるようなものはありますか。これは厚
生年金の方はきちんと時価評価でやっておられましたが。

○大川共済担当参事官
　御指摘のように、時価でやりますと含み益が700億円程度落ちまして、今は2,104億円
とありますのが1,398億円くらいになります。

○近藤委員
　そうすると、収支残はマイナスが正しいとか何とかではなくて、マイナスに近くなっ
てしまうかもしれませんね。

○大川共済担当参事官
　それを織り込むとそうでございます。

○近藤委員
　わかりました。別にそれがいいとか悪いということではなくて、多分ほとんどのとこ
ろがマイナスではないかと思うのです。だから、やはり運用についてよほど頑張らない
と。

○大川共済担当参事官
　平成12年度から13年度にかけて含み益が圧縮されましただけで、国共済の年度末資産
としてはまだ含み益を持っており、簿価割れはしていない状態でございます。運用収益
全体としてはプラスではあるのですけれども、エクイティものの部分はどうしても市場
環境の影響を受けてかなり評価損は出ておりますので。

○近藤委員
　それから、答えにくいことかもしれないけれども、今、年金部会で御承知のように保
険料固定方式を導入しようというような話も出ていますね。これがそうなるかならない
かは別なんですけれども、もしなった場合、例えばフィックスされた20ならば20、18な
らば18でもいいんですが、そこにいった場合に共済はその後、例えば給付を調整するの
か。要するに、３階部分との関係でどうなってしまうのかですが、それは研究会みたい
なものはやっていますか。

○大川共済担当参事官
　現在、私ども共済年金も御承知のように厚生年金に準拠するといいますか、それと同
じような考え方を持って給付設計してございますので、そういうのが基本的な考え方だ
と思っておりますけれども、今回の制度改正につきましてもいろいろな議論がなされて
いるところでありますが、その議論の行く末を現時点で見守っているということでござ
います。それで、私どもといたしましても厚生年金の方がこういう仕組みを取るという
ことであれば、基本的な考え方としてはそれを見ながら共済年金の設計を考えなければ
いかぬと思っておるのですが、具体的に国家公務員共済についていいますと財政制度等
審議会の国家公務員共済分科会というのがありまして、ここで御議論をいただかなけれ
ばならないということでございます。
　それで、その分科会の状況を申し上げますと、先般厚生省さんの方でお出しになられ
た考え方をヒアリングさせていただいていて、今後更にいろいろな状況を聞きながら、
これから本格的に議論ということでございますので、今の段階で具体的にどうこうとい
うことは申し上げられないわけですが、いずれにせよ厚生年金の状況をよく見て検討し
ていただきたいと考えているところです。

○堀部会長
　それでは、田村委員どうぞ。

○田村委員
　20ページから23ページにかけての給付比率で、よくわからないところがあるので教え
ていただきたいと思います。厚生年金相当の総合費用率あるいは独自給付費用率と、本
来の共済の方の給付率との差が実績では小さ過ぎるのです。再計算ベースでは1.2くら
い違うのですけれども、実績の方は0.幾つかなんですね。１けた違うので、どうしてこ
んなに違うのか、計算方式も含めてご説明いただけるとありがたいのですが。

○大川共済担当参事官
　厚年相当の総合費用率なり、独自給付費用率を計算する際に、例えば総合費用率です
と21ページの注の１にございますが、厚生年金相当給付費というのは「厚生年金保険法
附則第19条第４項第１号に規定する年金たる給付に要する費用のうち年金たる保険給付
に相当する給付に要する費用として政令で定めるところにより算定した額」ということ
でやってございまして、これは要はＪＲ共済等がしましたときに用いた考え方というこ
となのでございますが、実は御指摘のようにこの厚生年金相当部分にかかる率を計算す
る場合と、その前のページの全体を計算している場合とで推計のやり方が違いまして、
それによって厚生年金相当の方が数字が高いというふうな、やや見た目で変な結果が出
ております。
　それで、具体的にどこが違うのかと申しますと、追加費用の分の推計方法が違ってご
ざいます。追加費用につきましては、厚生年金相当を計算する場合にはすべて期間按分
方式で計算をしているということでございまして、年金額に総期間分の恩給期間という
比率をかけて追加費用というふうに算出しているやり方を厚生年金相当の方ではしてお
ります。それで、全体の計算の方はそういう期間按分ということではなくて、個別に積
上げて恩給期間に相当する追加費用の金額を出しているという推計方法の違いがござい
まして、厚生年金相当の方を算出する方で使っております期間按分方式でやりますと、
その追加費用分が大体１割くらい少なく推計されるという傾向がございます。
　追加費用が少なく推計されますと、その反対側で保険料を充当している部分が大目に
推計されるということに相なってしまいまして、その結果、厚生年金相当として計算し
たものの方が費用率がちょっと高いというふうな、見た目はやや変なんですが、そうい
う推計結果になってしまうということでございます。
　一応この作業をするに際して、厚生年金相当給付費については先ほど注で読ませてい
ただきました、この概念でやるようにという御指示をいただいたというふうに聞いてお
りますので、それでやるとたまたま追加費用の推計の方法の違いによってこういうこと
になってしまうということでございます。

○田村委員
　よくわからないのですけれども、そうすると従来ベースで個別に計算するというよう
なことをやればそれなりの差が出てくるということになるわけですか。

○大川共済担当参事官
　それをやれば、その数字は下がるはずです。

○田村委員
　直観的な話なのですけれども、どう考えても差が小さ過ぎるのです。現在、共済の給
付率は厚生年金の報酬比例部分の全体として大体２割増しということになっていますで
しょう。それなのに、どうして0.幾つという１けた小さい数値が出てくるのか。どう考
えても常識的に納得できないところがあるのですけれども、如何なんでしょうか。

○堀部会長
　追加費用の２つ違った推計の仕方というのは何か理由があるのですか。総合費用率
と、厚生年金相当の総合費用率とですが。

○廣瀬共済計理官
　まず全体の総合費用率等を計算するときには、既に決算等いろいろなものが出ており
ますので、基本的にそれをそのまま使うという形で行っております。そして、厚生年金
相当部分にかかる総合費用率なり独自給付費用率なりの実績側の方を算定するときに、
その厚生相当の部分の給付をどういう具合につくるかというところでよりどころになる
ものは何かということがありまして、何をよりどころにするかというときに現在行われ
ているものとして一番根拠がしっかりしているものとして厚生年金保険法、すなわちＪ
Ｒ、ＪＴの財政支援事業を行う上で個別負担率を作成するときに用いている基礎数であ
る厚年相当給付費を使いましょうという形で行ったところでございます。
　ただ、そのときに厚年法の附則に書いてある厚年相当給付の場合の追加費用相当の見
込み方としては期間按分方式を取るという形が明定されてございます。
　一方、では全体の方の追加費用はどう計算するのかというところがあろうかと思いま
すけれども、これはそれまでの組合員期間の中で恩給相当としての部分への負担の仕方
という形から発してございます。これは現在の国共済の年金というものが恩給に端を発
しましてそこから移り変わってきたというところがございます。
　そして、最初に共済法に変わったとき、共済法の年金額計算方式はいわゆる一般方式
と呼ばれるものでされておりまして、その計算方法というのが恩給のときの年金の計算
方法と比べて組合員期間１年あたりの率等は、若干違いますし、また給付となる資格期
間というところにも若干の差はございますけれども、基本的に恩給と同じ計算方法をと
っておりました。そのために、恩給相当部分はどれだけの割合となるかは、言ってみれ
ば定率の積上げのような形で恩給部分とそれ以外の部分が計算されておりましたので、
それを用いて計算をするという形で運用を行っていたところでございます。
　そのためにこの運用の計算方法と、現在財政支援という形で個別負担率を計算する方
での恩給相当としての追加費用の部分との計算方法がこの２つで異なっておるというこ
とから、このような差が出てきていると考えております。

○堀部会長
　歴史的経緯は今の説明でいいと思うのですが、少し実態を正確に数字で表すように財
務省の方でも御検討いただきたいし、数理部会あるいは数理部会の事務局でもその辺を
少し検討させていただきたいと思います。
　時間が押しているのですが、あとはございますでしょうか。それでは、今日はおいで
いただきましてありがとうございました。この後は退席していただいて結構でございま
す。

　　　　　　　　　　　　　　　　 （報告者退席）

平成13年度財政状況について（地方公務員共済組合）

○堀部会長
　この後に休憩を取る予定だったのですが、時間が大幅に押していまして、よろしけれ
ば継続してやりたいと思いますが、委員の方、地方公務員共済さんの方、よろしいです
か。
　それでは、報告をお願いします。

○長谷川福利課長
　総務省福利課長の長谷川でございます。よろしくお願いします。
　私どもの方から、地方公務員共済組合の財政状況等につきまして御報告を申し上げた
いと思いますが、本日は私ども総務省の福利課の職員以外に地方公務員共済組合連合会
の担当者も出席をしておりまして、場合によりましてはそちらの方から回答させていた
だく場合もございますので、御了承のほどをお願いしたいと思います。それでは、お手
元の資料３に基づきまして御報告をさせていただきたいと思います。
　まず１ページでございますけれども、収支の状況でございます。地共済の収支状況に
つきまして、平成９年度から13年度まで５か年間を記載したものでございます。右の方
に13年度の欄がございまして、こちらについて御説明を申し上げます。
　まず収入からいきますと保険料が２兆9,857億円で、前年度に比べまして25億円、0.1
％の減でございます。次の公的負担が3,506億円で、前年度に比べまして160億円、4.8
％の増でございます。次に追加費用が１兆4,572億円で、前年度に比べまして184億円、
1.2％の減でございます。次に利息及び配当金が7,775億円で、前年度に比べまして
1,471億円、15.9％の減でございます。これは大きな減になってございますが、下にご
ざいますように積立金の運用利回りが大きく下がったことによります。次に基礎年金交
付金でございますけれども、4,545億円で、前年度に比べまして251億円、5.2％の減で
ございます。その他130億円がございますが、以上を合わせまして収入総額が６兆385億
円で、前年度に比べまして1,781億円、2.9％の減でございます。
　次に支出でございますけれども、給付費からまいります。まず給付費が４兆2,005億
円、前年度に比べまして575億円、1.4％の増でございます。次に基礎年金拠出金が
9,861億円、前年度に比べまして158億円、1.6％の増でございます。制度間調整拠出金
はございませんで、年金保険者拠出金の方でございますが、これはここ５年間ほどは
235億円で固定されているところでございます。その他が524億円ございまして、合わ
せまして支出総額が上でございますが、５兆2,625億円、前年度に比べまして381億、
0.7％の減ということになってございます。
　以上、収入、支出を合わせまして収支残でございますけれども、右下の方でございま
すが、7,760億円で、前年度に比べまして1,400億円の減ということになってございま
す。　また、年度末の積立金はその下の欄でございますが、36兆9,267億円となってお
りまして、運用利回りは先ほど申し上げましたように、これは簿価ベースでございます
が、2.05％となってございます。以上が、地方公務員共済組合の13年度決算の概要でご
ざいます。　おめくりいただきまして２ページに地方公務員共済組合の収支状況の概略
図を付けさせていただいておりますが、今、御説明申し上げましたものを絵にしたもの
でございまして、説明は省略させていただきます。
　おめくりいただきまして、３ページが給付の状況でございます。受給権者数、年金総
額、退職年金受給権者の平均年金額及び平均加入期間等について記載をさせていただい
ております。13年度の地共済の受給権者でございますけれども、右の方の14年３月末と
いう欄をお目通しいただきますと、退年相当で143万４千人、通退相当で11万２千人、
障害年金で３万２千人、遺族年金で47万人となっておりまして、合計で204万９千人、
前年度に比べまして６万４千人、3.2％の増となっております。また、年金総額でござ
いますが、その次の欄で、例えば退年相当給付で３兆5,463億円等々となっておりまし
て、合計４兆3,789億円、前年度に比べまして531億、1.2％の増となっております。
　下は、先ほどの国共済と同じように全額支給、一部支給、全額停止と記載をしており
ますが、省略をさせていただきます。
　その次のページでございますが、上と下に分かれてございまして、上の表は減額支
給、増額支給の別に記載したものでございます。共済には増額支給はございませんで、
減額支給につきましてはお手元の右の方の14年３月末の欄にございますように、人員で
７万３千人、額で1,431億円となってございます。
　次に下の欄の退職年金の平均年金月額あるいは平均加入期間でございますが、退年相
当平均年金月額でみますと、下の表の上の欄、一番右の方でございますが、20万6,105
円、前年度に比べまして4,524円、2.15％の減となってございます。また、これに基礎
年金部分を加えた額でまいりますと、今、申し上げました数字から３つ下でございます
が、23万2,333円、前年度に比べまして2,598円、1.11％の減となってございます。平均
加入期間につきましてはそのまた２つ下の欄でございますが、410か月となっておりま
して、これは前年に比べまして変更はございません。通年相当につきましては同じよう
にその下の欄で５万2,269円、加入期間につきましては136か月となってございます。
　おめくりをいただきまして５ページでございますが、今の表を男女別に記載したもの
でございまして、説明は省略させていただきます。
　６ページでございますが、これは加入期間20年以上の新規裁定について同じように平
均年金月額あるいは平均加入期間を記載したものでございまして、右の方の14年３月末
の欄の一番上でございますが、20年以上の新規裁定の平均年金月額は17万8,279円、前
年に比べまして４万6,262円、20.6％の減となってございます。これは、先ほど国共済
で御説明がございましたのと同じような理由でございます。平均加入期間につきまして
は426か月で２か月ほど増えてございます。
　男女別は省略をさせていただきまして、７ページでございます。これも先ほど国共済
で御説明がございましたように、今見ました平均年金月額あるいは受給権者数等々につ
きまして、新法、旧法に分けまして新法の特別支給分、本来支給分、特別支給分の年齢
別というふうに分けて記載をしたものでございます。詳しい数字については省略をさせ
ていただきたいと思います。
　８ページはその男性、９ページはその女性というふうになってございます。
　10ページをお開きいただきまして、退職年金の受給権者の年齢構成でございます。年
齢階級別に見ますと男女とも同じ傾向でございますが、70歳から75歳未満、74歳までの
ところが一番多うございまして、次に65歳から70歳未満、60歳から65歳未満というふう
な順で多くなってございます。大体この３つの年齢階層で７割弱というふうな構成でご
ざいます。平均年齢でいいますと、男性が71.1歳、女性が71.0歳というふうなことに
なってございます。
　11ページをお開きください。11ページから15ページまでは組合員の状況について記載
したものでございます。まず組合員数でございますけれども、平成13年度末の組合員数
は右の欄の上の方でございますが、320万７千人で、12年度に比べまして３万２千人、
1.0％の減となってございます。この内訳の男女の別はその下の数字をご覧いただきま
すとおおむね２対１というようなことになってございますが、前年に比べて増減で言い
ますと男性の方がやや大きいというような傾向になってございます。
　次に組合員の平均年齢でございますが、男性が43.5歳、女性が41.1歳、全体で見ます
と42.7歳ということで、前年に比べて0.4歳増えているというような傾向でございます。
　次に平均給料月額でございますけれども、36万9,266円というようなことになってご
ざいます。男性が37万9,142円、女性が35万2,011円ということで、男女の差はそんなに
大きくはございませんが、若干あるということでございます。これはその上の欄をご覧
いただきますと、男女の平均年齢に若干差があるということに起因しているのではない
かと考えております。
　給料総額は年度間の累計で、本俸ベースでは14兆1,148億円で７億円の増ということ
でございまして、御案内のとおり私どもの方では給料の方で掛金なりをいただくという
仕組みになってございますが、これを標準報酬ベースに換算いたしますとその下の欄で
ございますが、17兆6,435億円ということになってございます。
　12ページは、組合員の年齢階級別加入期間別のクロス表でございます。まず年齢別に
言いますと表の右の方の合計欄をご覧いただきますと、上の方から６つ目でございま
しょうか、40歳から45歳、45歳から50歳、50歳から55歳、この辺りの３つの年齢階層が
非常に多うございまして、大体この辺で約半分というようなことになってございます。
　次に組合員期間別に見ますと、これは表頭に組合員期間がありまして下が合計欄でご
ざいますけれども、20年から25年、25年から30年の辺りが約16％程度となってございま
して、それにその下の15年から20年を加えますと大体45％程度というような数字になっ
てございます。
　おめくりをいただきまして13ページ、14ページは今のクロス表の男性、女性の別の表
でございますが、省略をさせていただきます。
　次に15ページをご覧いただきます。縦の表で組合員の給料月額の分布でございます。
先ほど申し上げましたように、地共済におきましては給料月額を掛金ベースにしてござ
いますので、この表も給料月額ベースで書かせていただいております。男性で一番多う
ございますのが一番下の49万6,000円以上の欄でございまして構成割合で7.5％、その次
が42万から43万のところで、下から10個目くらいでしょうか、6.1％という数字のとこ
ろが２番目に多いという形でございます。女性の場合には今、男性で２番目に多いと申
しました42万から43万のところが5.8％で一番多いというような傾向になってございま
す。平均給料月額は下に書いてございますが、先ほど申し上げたとおりでございます。
　次に、16－１という枝番号の付いているページでございますけれども、積立金の運用
状況でございます。まず資産の構成状況でございますけれども、平成13年度の長期給付
積立金の総額は、先ほどご覧いただきましたように簿価ベースと書いた欄の一番下の合
計欄のとおり36兆9,267億円で、書いてございませんが、前年に比べて7,760億円、2.1
％の増となってございます。
　その構成割合でございますけれども、右の構成割合という欄をご覧いただきますと、
有価証券等の75.4％が多うございまして、その中で有価証券の41.1％、その次に金銭信
託の31.3％などが多くなってございます。有価証券は3.7ポイントの減、金銭信託で3.5
ポイントの増というような状況になってございます。
　次のページをおめくりください。先ほどの16－１のページは簿価ベースで表現をさせ
ていただいておりました。それで、昨年この場でも御議論いただいたと伺っております
が、私ども平成13年度から資産の時価ベース評価につきまして実態調査を行いまして、
遅くとも14年度の決算におきましては地共済全体の時価ベースの資産評価を行えるよう
にということで検討を進めております。そこで、13年度の決算につきまして時価評価の
取り組み状況を調べましたところ、若干一部の組合でまだ十分な対応ができていないと
いうことでございましたので、16－１につきましては時価ベースの数字を今回は差し控
えさせていただいております。
　しかしながら、昨年も地共済連合会につきましては時価ベースの数字が出せるという
ことでお出しをさせていただいておりましたので、16－２ということで付け加えさせて
いただいております。
　連合会の分でご覧いただきますと、例えば金銭信託の欄で簿価ベースでは５兆8,394
億円でございますが、時価ベースでは５兆5,180億円ということで、含み損が3,200億円
余出ているということでございます。
　他方、有価証券の国内債券をご覧いただきますと、これは自家運用分の国内債券でご
ざいますが、６兆3,891億円の簿価に対しまして時価が６兆4,334億円ということで400
億円余の含み益が出ているというような状況でございます。
　おめくりをいただきまして、17ページ以降が財政再計算におけます将来見通しと実績
との比較でございます。まず収支状況の比較でございますが、収入をご覧いただきます
と、保険料でございますが、将来見通しでは２段目で３兆2,681億円という見通しでご
ざいましたが、実績としては２兆9,857億円ということでございまして、かなり少ない
数字になってございます。これは組合員数が減ったりとか、あるいは給与の改定率が低
かったりというようなことが影響していると考えております。
　２つ右へずれまして収入の運用収益でございますが、将来見通しが１兆4,640億円の
見込みであったのに対しまして7,775億円と大きな減になってございます。これは予定
運用利回りが４％ということでございましたが、実績は先ほどご覧いただきましたよう
に2.05％であったということによるものでございます。そういったこともございまし
て、総計といたしましては６兆5,566億円の見通しに対しまして５兆5,840億円の収入と
いうことになってございます。
　次に支出でございますけれども、給付費につきましては４兆319億円の見通しに対し
まして３兆7,460億円と、こちらも低くなってございます。これは年金改定率等が見通
しよりも低かったということによるものでございます。基礎年金拠出金につきましても
9,938億円の見通しでございましたが、9,861億円の実績ということでございまして、こ
ちらも年金改定率等が低かったことが原因と考えておりまして、支出の総計といたしま
しては５兆492億円の見通しに対しまして４兆8,080億円の実績ということで低くなって
いるということでございます。
　おめくりをいただきまして18ページでございますが、組合員数及び受給者数の比較で
ございます。まず組合員数でございますけれども、組合員数の欄をずっと縦に見ていた
だきますと３段目の将来見通しの欄が332万６千人でございましたが、13年度の実績は
その１つ上の320万７千人ということでございまして、地方公務員も最近新規採用の抑
制等をしているのが影響していると考えております。
　新規の加入者及び脱退者数につきましては、将来見通しでは組合員数は全体としては
厚生年金と同じように減るという見通しでございましたが、この13年の前後は組合員数
が一定になるという見通しでございましたので、将来見通しは出入りが同じ10万８千人
ということでございました。これに対しまして実績としましては新規加入者が８万４千
人、脱退者は11万６千人ということで、新規採用が抑制されている状況がうかがわれる
ということでございます。
　次に受給者数でございますけれども、右の欄に移っていただきまして上から３段目
で、将来見通しは200万５千人でございましたが、13年度の実績は197万人ということで
ございました。新規裁定者数、失権者数につきましてもそれぞれ記載のとおりのような
状況でございます。
　年金種別の数字については省略をさせていただきたいと思います。
　次の19ページは財政指標の比較でございます。まず年金扶養比率でございますが、上
の欄が実績、下が財政再計算で、破線のございますところが13年度の欄でございます。
まず13年度の年金扶養比率は2.24ということで、前年に比べますと若干の減ということ
でございました。これを補正した年金扶養比率で見ますと、つまり追加費用等を除くと
ということでございますが、3.23でやはり若干の減ということでございました。先ほど
国共済でも御説明がございましたように、この生の数字は受給権者を使った数字でござ
いますけれども、財政再計算では受給者数を使った数字でやってございましたので、括
弧に受給者数による年金扶養比率あるいは補正した年金扶養比率を書かせていただいて
おります。この括弧と下の13年度の欄を比較いたしますと、年金扶養比率では見通しで
は2.36であったのが2.30とやや低目に出ておりまして、同じく補正した年金扶養比率で
は見通しが3.35であったのが3.33と、こちらもやや低目に出ているというような状況で
ございます。
　おめくりをいただきまして、20ページが総合費用率でございます。上が実績、下が見
通しでございますけれども、総合費用率の平成13年度の実績は16.7で、前年に比べて
0.6ポイントの増ということでございました。これを財政再計算の結果と比較いたしま
すと下の欄でございますが、16.6ということで、おおむね同じような状況かなというこ
とでございます。
　おめくりをいただきまして21ページでございますが、厚生年金相当部分に係る総合費
用率でございます。こちらの方も先ほどちょっとお話が出ておりましたように、実績推
計でいきますと16.7ということでございまして、将来見通しの16.1に比べるとかなり高
い数字が出てございますが、理由につきましては先ほど国共済でお話が出ていたのと同
じようなことでございます。
　次に22ページをお開きいただきまして独自給付費用率でございますが、上の実績の13
年度の欄は13.0ということで前年に比べて0.5ポイントの増となってございます。これ
は財政再計算の結果と比べますと13.2ということで、おおむね同じような数字になって
いるのかなという感じではございます。
　次のページをお開きいただきまして23ページでございますけれども、厚生年金相当部
分に係る独自給付費用率でございますが、こちらの方も下の推計の12.7に対しまして上
は13.0ということでやや高目に出ております。これも追加費用の推計の違いによるもの
というふうに考えております。
　24ページをお開きいただきますと、収支比率でございますけれども、13年度の実績が
78.3ということで前年に比べまして5.5ポイントほどの増加ということでございます。
これを再計算結果と比べますと、下の68.1に比べましてかなり高い数字になっているわ
けでございますが、これにつきましては右の方にずっと目を移していただきまして10番
の欄でございますが、運用収入が先ほど申し上げましたように再計算では１兆4,000億
円余の運用収入を見込んでおりましたが、実績として7,700億円余ということでござい
まして、ここのところが大きく効いてきてこのような結果になっているというふうに考
えているところでございます。
　おめくりをいただきまして25ページ、最後のページでございますけれども、積立比率
でございます。13年度の積立比率は12.3ということで、前年に比べまして若干の減とい
うことでございますが、下の財政再計算結果の11.3に比べると高いというような状況に
なってございます。これは、実質的な支出(1)の欄が将来見通しに比べましてやや少な
目に出ているということに起因しているのかなと考えているところでございます。
　以上、端折った説明で恐縮でございますが、地共済の財政状況について御報告を申し
上げました。

○堀部会長
　ありがとうございました。それでは御質問、御意見があればお伺いしたいと思いま
す。

○都村部会長代理
　12ページに組合員の年齢構成があるのですけれども、ここのところで55歳から60歳と
いう団塊の世代の割合がほかの共済は７、８％なのですが、10.5％と地共済の場合はと
りわけ高いのですね。それで、地共済の組合員のうち公立学校の先生がかなりの割合を
占めていると思うのですけれども、最近言われているのは団塊の世代の先生、特に小学
校の先生がどっと定年を迎えて退職者が増える。特に小学校の教員の場合は養成機関が
限られていますので、2008年以降は小学校教員を十分確保できるかどうかが各都道府県
の教育委員会で非常に問題になっているということで、社会問題にもなっていますね。
　だから、これから数年は新規の採用予定数が増えると考えられるのですけれども、他
方で現場の声を聞きますと、年金の支給開始年齢が引き上げられたので高校の先生等、
再任用制度を選択される方が多くなっていると言われているのですね。今後数年間に生
ずるこういうような変化が年金財政にどのような影響を及ぼすとお考えになっている
か、それをお聞かせいただきたいと思います。

○長谷川福利課長
　それは教員に限った御議論でございましょうか。それとも、全体的なお話でございま
すか。

○都村部会長代理
　今お尋ねしているのはそういうことでございます。

○長谷川福利課長
　恐縮でございますが、私どもの方で年金の財政という観点から組合員数を把握した
り、あるいは調査をしたりということはもちろんあるわけでございますけれども、殊、
教員をどういうふうに確保するかとか、そういう観点からの議論をしたことが私どもと
してはございませんで、的確なお答えができる立場かどうかわかりませんけれども、私
が地方団体などに勤務をしておりました経験から申し上げますと、当然40人学級ならば
40人学級というものを維持するための必要な教員を確保するというのが多分至上命令で
ございましょうから、数としては同じような数を確保するという努力がなされるという
ふうに思います。
　そこで、今、先生がおっしゃいましたように、もしも新規採用でそれが確保できなけ
れば再雇用なりというような活用をしながらやっていくことになろうかと思いますけれ
ども、もし全体として数が確保されるということであるとすると、年金に対する影響と
いうのはそんなに大きくないといいましょうか、私どもとして必要な保険料は見込みど
おり入ってくる。若干再任用を使うことによって給与の水準に影響が出る可能性はござ
いますけれども、比較的、数が確保されることによってそんなに激変ということにはな
らないかなという感じが私としてはする次第でございます。

○堀部会長
　ほかにいかがでございましょうか。

○近藤委員
　10ページの年金受給者の年齢構成を見ていて、ほかの共済というのは男女の差が非常
に大きくて女性が少ないんですね。これは教員の問題だからいろいろあるんでしょうけ
れども、これを見ていると去年の平均年齢の差が0.3くらいあったのが急に女性の方が
ずっと近付いてきて、平均余命の関係で女性がどんどん高齢化してくるんですよね。そ
うすると、他の共済と違って女性のウェートが非常に高くなってくるので、この次の財
政再計算のときに財政的にどういう問題があるのかということを考えておいてほしいん
です。この平均余命の差というのは大分影響すると思います。

○長谷川福利課長
　検討させていただくようにします。

○堀部会長
　ほかはいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
それでは、どうも御報告ありがとうございました。御退席いただいて結構でございま
す。

　　　　　　　　　　　　　　　　 （報告者退席）

平成13年度財政状況について（私立学校教職員共済制度）

○堀部会長
　最後になりましたけれども、私学共済の財政状況について御報告をお願いしたいと思
います。

○山本私学共済室長
　文部科学省私学共済室長の山本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
　それでは、私学共済年金の13年度における財政状況について概要を御説明させていた
だきます。
　まず１ページでございますけれども、収支状況でございます。収入総額は前年度に比
べまして61億円減ということで、3,899億円ということになっております。主な収入源で
ございますけれども、これは掛金の2,384億円と運用収入の783億円ということになって
ございます。運用収入は前年度と比べましてマイナスの92億円ということでございます
が、これはどこも同じでございますけれども、一番下から２行目に積立金の運用利回り
が書いてございますが、2.60％ということになったという結果でございます。それから
支出総額でございますけれども、主な支出は給付費でございまして2,023億円、それか
ら基礎年金拠出金が1,137億円ということでございます。収支残でございますけれども、
677億円ということでございまして、前年度末の積立金と合わせまして３兆800億円の積
立金があるということでございます。
　２ページは、図式化したものでございますので省略させていただきます。
　３ページは、受給権者数と年金総額等について記載したものでございます。13年度の
受給権者数は合計いたしまして前年度と比べまして１万1,500人増の23万5,300人という
ことになっております。それから年金総額の動きでございますけれども、これは65億円
増の2,497億円ということになっております。細かいところは省略させていただきます。
　４ページでございますけれども、下の表の一番上のところでございます。これは加入
期間が20年以上、退年相当の１人当たりの月額でございますけれども、前年度と比べま
して6,488円減の18万6,302円ということになっております。それから、その下に基礎年
金の推計値を加算したものがございますけれども、これが21万6,495円ということで、
こちらの方も4,848円の減ということになっております。それから、退年相当の加入月
数は368か月ということで大体前年と同じということでございます。
　５ページはこれを男女別に見たものでございますが、これは省略させていただきま
す。　６ページは、新規裁定者にかかるもので男女合計の欄の平均年金月額でございま
すけれども、14年３月末に16万3,638円ということで前年と比べて２万7,784円の減とい
うことになっております。このように年金月額が大幅に減少しておりますけれども、こ
れは60歳にかかるものが報酬比例部分の給付のみの支給となったということが大きな原
因ということでございます。男女につきましては省略させていただきます。
　それから、７ページでございます。７ページの上の３段は先ほど４ページのところで
御説明させていただいたとおりでございます。それから、特別支給分の60歳のところで
ございますけれども、60歳の定額部分と加給年金部分が極めて少額の数字を挙げてござ
います。これは、障害状態にある特例を請求した者が少人数おり、その者の定額部分等
につきましてこれを全人数で割ったということからこういう小さな数字が出ているとい
うところでございます。
　８ページ、９ページは男性、女性に分けたものでございますので、これは省略をさせ
ていただきたいと思います。
　10ページは退年相当の年齢構成でございます。これにつきましては男性が69歳、女性
が70.4歳ということになっております。
　11ページからが加入者の状況でございます。加入者合計で言いますと一番上の欄でご
ざいますけれども、40万8,200人ということで2,400人の増ということになっておりま
す。これを学種別に申し上げますと、増えているところは大学で約2,800人、専修学校
で900人、幼稚園で300人、逆に減少しているところは短大で1,300人、高校で200人強、
各種学校で180人程度という数字になっております。これは13年度末という数字でござ
いますけれども、15年の３月時点におきまして最新の統計にしたものがございますが、
15年３月末でも更にこれよりも増加しているという状況でございます。
　12ページにまいりまして、加入者の分布でございます。一番右側の年齢構成の分布で
ございますが、一番多いところが25から30歳ということでございまして大体16.2％を占
めているという状況でございます。それから、加入期間別に見ますとやはり５年未満が
一番多くて34.8％という状況でございます。
　13、14ページは男女別でございますので、ここは省略をさせていただきます。
　15ページは、標準給与の分布でございます。男性は一番多いのが62万ということで、
24.2％を占めているということでございます。女性の場合は20万から30万くらいのとこ
ろに大体固まっております。標準給与の平均でございますけれども、男性の場合は45万
4,830円、女性が28万9,675円ということになってございます。
　１枚おめくりいただきまして16ページでございますけれども、積立金の運用状況でご
ざいます。積立金は先ほどもご覧いただきましたとおり３兆800億円ということでござ
います。積立金の主なものは有価証券と金銭信託でございまして、これが２つで72％を
占めておるということでございます。時価ベースで申し上げますと、金銭信託のところ
で約650億円のマイナスということでございます。そのほかは大体増えておるというよ
うなことになってございます。
　続きまして17ページでございますけれども、収支状況の比較でございます。これは将
来見通しとの比較でございますけれども、まず大きく違うのが掛金と運用収入でござい
ます。運用収入につきましては、運用利回りが小さくなるということで、かなり財政見
通しよりも少なくなっております。それから、掛金の方はこの13年度の実績の上の数字
には都道府県からの補助金が入っておりませんので、それも加えますと括弧内でござい
ますけれども、2,461億円ということでございます。これでもまだ財政見通しとは差が
出ておりますけれども、これは賃金の上昇率の関係で、それが低かったということで掛
金も少なくなったということでございます。
　18ページは、加入者数と受給者数の比較でございます。加入者数の13年度の実績が40
万8,200人ということで、11年度の財政見通しも大きくなっておりますけれども、これ
は先ほど説明したとおり数が増えたということでございます。それから受給者数でござ
いますけれども、右側の方の通退相当のところで下に括弧書きがしてございますが、上
の数字は年金待期者を含んでおりますけれども、それを除くと大体11万４千人というこ
とになりまして、大体見通しと実績が合うというような状況になっているところでござ
います。新規加入者、脱退者につきましてはご覧のとおりの数字でございます。
　19ページ以降が、財政指標の比較でございます。年金扶養比率でございますけれど
も、これが13年度は5.65、それから財政再計算の結果では6.59ということになってござ
います。これも国共済、地共済でも御説明がございましたように、受給権者数と受給者
数ということの違いが出てきておりまして、括弧内の受給者数の実績を見ますと6.63と
いうことになりまして、大体似たような数字になるということでございます。
　20ページは総合費用率でございますが、13年度が14.3％、財政再計算が13.6％という
ことになってございます。
　端折って恐縮でございますけれども、21ページの厚年相当部分に係る総合費用率、22
ページの独自給付費用率、23ページの厚年相当部分に係る独自給付費用率、いずれも実
績の方が11年度の財政再計算に基づいた推計値よりも高くなっているということでござ
います。これは分母が小さくなったということでございまして、賃金上昇が少なかった
ということによる標準給与の総額が小さくなったことによる違いでございます。
　25ページは、積立率でございます。これは13年度が11.7、財政再計算結果も11.7とい
うことで、大体似通った数値になってございます。
　最後でございますけれども、ここに資料は用意してございませんが、13年３月の一元
化のための閣議決定の私学共済の検討の状況について説明をさせていただきます。閣議
決定におきまして、私学共済は次期財政再計算時からの保険料の引上げの前倒しという
ことと、被用者年金制度における私学共済の位置付けという、この２件の課題を検討す
るということになっていたわけでございます。現在、学識経験者、加入者、学校法人代
表者、全部で13名で構成する私学共済年金研究会というものを文部科学省の中に設置し
ておりまして、そこにおきまして次期年金制度改正や国共済、地共済の検討状況を踏ま
えつつ、検討を行っておるところでございます。
　また、実際にこの実務を担当している日本私立学校振興・共済事業団におきまして
も、将来加入者数の動向に関する調査を始めとした所要の検討を進めているところでご
ざいます。
　以上でございます。大変端折って申し訳ございませんでした。

○堀部会長
　ありがとうございました。それでは、ただいまの報告に対して御質問等がありました
らよろしくお願いします。

○都村部会長代理
　財政再計算の将来見通しに及ぼす制度改正の影響についてお尋ねしたいと思います。
　本年４月から総報酬制が導入されました。それで、ボーナスについては150万円の上限
を設定して支給の都度、保険料を徴収するということになっております。そのために大
学等では年間のボーナスを合算して、年１回あるいは２回支給するなどして負担を減ら
そうとしております。これは負担の減少だけではなくて給付の方、年金額の減少をもた
らすと考えられます。かなり多くの大学が検討をして実際に踏み切ろうとしているわけ
ですけれども、そういう傾向が進んできますと、例えば１回支給になると保険料総額あ
るいは給付費総額に及ぼす影響はどういうふうになるとお考えでしょうか。それが１点
です。
　それからもう一つは、私学共済の積立比率が地共済よりも低くなっておりまして、過
去５年間の積立比率の減少のペースも他の３共済よりも非常に大きくなっているわけで
すね。それからまた、年金扶養比率についてもこの５年間の減少のペースが他の共済よ
りも顕著になっているわけですね。こういう傾向を見ますと、保険料率は他の共済等よ
りもかなり低いのですけれども、今後はもう少し厳しく考えていく必要があるのではな
いかというふうに数字から思うのですが、いかがでございましょうか。以上です。

○堂前数理統計室長
　まず１点目でございますけれども、そういう傾向が実際に把握できるのは15年度に総
報酬制が導入されてございますので、その実態を１年間見て16年度の再計算に反映でき
るかどうかということになりますが、少なくとも15年度の動向は把握するつもりでござ
います。そのための統計も開発してございます。
　それから２番目の御質問でございますけれども、確かにその傾向はございまして、先
ほど私学共済室長からも御説明申し上げましたが、前倒しの件もございまして、保険料
の凍結が解除されるときにはそれなりの引上げをしてさらなる健全化を図っていきたい
と考えております。

○堀部会長
　林委員、お願いします。

○林委員
　11ページで加入者状況を御説明いただきました。それで、学種別に増減をおっしゃい
ましたけれども、これは例えば短大から大学の方に組織変更があるとか、そういったも
のも含んでいるわけでございますね。短期大学が大学と大学院に名称変更とか、そうい
ったものも含んでいるわけでございますね。

○山本私学共済室長
　はい。短大の方がマイナスで、大学がそれ以上にプラスになったということでござい
ますけれども、短大の学科なり、短大そのものを廃止して大学を創るというものも含ん
でおります。そのほかに、社会のニーズにおいて大学だけを新規に創るというようなも
のもあります。その両方を合計した数字でございます。

○林委員
　わかりました。どうもありがとうございました。

○田村委員
　全体を見まして大変よくできていると思うのです。実績と再計算の結果が大変よく合
っているのですけれども、１つ気になりますのは、先ほど地共の方で話が出たのです
が、男女の組合員の比率がここだけ逆転して女子の方が多いのですね。それで、今後女
子の平均余命が伸びてまいりますので、男女格差というのはどんどん開いてくるのです
ね。そうすると、今は男女一本で計算していると思うのですけれども、やはりこの際、
次の再計算くらいから男女別々に基礎率をつくって別々に計算するということの必要性
が出てくるのではなかろうかと思うのですが、その辺についてはどういうふうな検討が
進められているのでしょうか。

○堂前数理統計室長
　私どもでは、厚生年金と異なりまして保険料率、私どもでいくと掛金率ですとか、支
給開始年齢に男と女の差がないということでずっと男女一本の合計といいますか、平均
といいますか、それで計算してまいったわけですけれども、計算基礎率あるいは基礎数
作成の作業量が２倍になるというのがつらい面もございますが、また男女別計算をする
場合には将来の加入者数の男女別ウェートをどう推計するかということが非常に重要な
ことだという認識でおりまして、現段階ではこの課題に対する明確な答えを見出せてい
ないのですけれども、男女別計算をする方向で前向きに取り組みたいと思っておりま
す。

○田村委員
　もう一点、これは厚生年金では行っていると思うのですが、基礎率の将来に向かって
の改善をどう見込むかということがあると思うのです。死亡率などは特にこれから影響
が出てくると思うのですが、私学ばかりでなく他の共済も含めて、基礎率の改善を見込
んでいないと思うのです。その辺については、どういう取り組みを考えていますか。

○堂前数理統計室長
　御指摘のとおり、死亡率は給与指数や脱退率あるいは経済変動率などと違いまして、
ちょっと言い方はおかしいかもしれませんけれども、人為的ですとか経済的要素の非常
に小さいものであることから、あらかじめ将来の改善を見込むというのは、意義は理解
できますが、マクロ経済スライドの基となる賃金上昇率などの経済変動率、あるいは労
働力人口の変動率の想定が、実績との相違の幅によってはこちらの方の影響が非常に大
きくなるということも考えられることから、現在のところは他の基礎率同様に再計算ご
とに見直していきたいと考えております。
　ただ、何も国共済を完全に見習うというわけではございませんけれども、国共済もや
り、地共済もやるという方向であれば、私学共済も頑張って独自の道を歩むということ
は考えておりません。

○田村委員
　どうしてそういうことを申し上げるかというと、一元化の話が進んでいまして、やは
り制度間の比較をするときには、基本から同じベースで財政計算をするということが必
要だと思うのです。そのためには、大本のところから条件を揃えることが必要だと思う
からです。それぞれ制度の事情はあるでしょうけれども、そんな感じがするものですか
ら。

○堂前数理統計室長
　わかりました。

○堀部会長
　ほかはいかがでございましょうか。

○都村部会長代理
　先ほど組合員の増減についてお話をいただいたのですけれども、私学共済40年史によ
ると学種別の組合員数とか、貴重な資料がたくさん出ています。40年史を前にお送りい
ただいて興味深く拝見しているのですけれども、この統計は少し古いものです。かなり
長期にわたっての学種別の組合員数の時系列データをできれば資料としてお出しいただ
きたいと思います。

○堂前数理統計室長
　わかりました。事務局に届ければよろしいですか。

○堀部会長
　では、その点はよろしくお願いします。あとはいかがでございましょうか。
　それでは、どうもありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。

　　　　　　　　　　　　　　　　 （報告者退席）

○堀部会長
　以上で平成13年度の財政状況について報告聴取をすべて終えたわけですが、全体を通
じてみると財政再計算の将来見通しと実績にかなり乖離が出ていると思います。こうい
ったことはそれぞれの制度が次期財政再計算に反映されるだろうと思うのですが、年金
数理部会として今まで意見聴取を行ったことについて今後どう取り扱うのか、事務局に
お考えがあればお聞きしたいと思います。

○畑首席年金数理官
　ただいま堀部会長から御指摘のありました件につきましては、平成11年の財政状況報
告、それから今回報告聴取をいただきました13年度の財政状況報告まで３年間、報告を
聞いていただいたわけでございますので、今までの報告を踏まえて財政再計算と実績と
のギャップといいますか、乖離状況の要因分析とか、そういったことを少し事務局の方
で作業をさせていただきまして、秋にそういった報告書のたたき台と申しますか、そう
いったものを私どもとしてはお出しをして、また御審議をいただければと考えておりま
す。

○堀部会長
　そういうことでございますが、本日はこれまでにしてよろしゅうございましょうか。

○近藤委員
　事務局は大変苦労されたんでしょうけれども、農林共済との一元化のときにどういう
問題があったのかということを、その分析資料の後ろの方にでも補足で書いていただけ
れば、次の一元化のときにいろいろ役に立つのではないかと思うので、わかるように何
かしていただけないかと思います。

○畑首席年金数理官
　ただいまの点につきましては、私どもで検討させていただきまして、どういうふうに
整理をすればいいかを検討させていただきたいと思います。

○堀部会長
　よろしいでしょうか。
　それでは、本日はこれまでにしたいと思いますが、次回の日程等について事務局から
確認をお願いいたします。

○畑首席年金数理官
　次回の第８回の年金数理部会の具体的な日程につきましては、事務局の方から各委員
の御都合をお伺いいたしまして調整させていただきまして、その後、正式な開催の御案
内をお送り申し上げますのでよろしくお願いいたします。以上でございます。

閉会

○堀部会長
　それでは、どうもありがとうございました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－了－


（照会先）
　厚生労働省年金局総務課首席年金数理官室
　（代）03-5253-1111（内線3382）