03/06/06 第4回「健康食品」に係る制度のあり方に関する検討会議事録       第4回「健康食品」に係る制度のあり方に関する検討会議事録           日時:平成15年6月6日(金)15:00 〜           場所:厚生労働省共用第7会議室(5階) ○田中座長  定刻となりましたので、ただ今より第4回「『健康食品』に係る制度のあり方に関す る検討会」を開会いたします。  委員の皆様方におかれましては、大変御多忙の中御出席頂き誠にありがとうございま す。  また、財団法人日本健康・栄養食品協会の田中喜代史専務理事、薬業健康食品研究会 の市川文雄代表実行委員、健康と食品懇話会の鈴木隆之ワーキングチーム委員長、CR N JAPANより多田和生理事長、日本大衆薬工業協会の佐藤憲治薬制常任委員長に おかれましても、大変御多忙の中で当研究会のヒアリングに御出席頂き、心より御礼申 し上げます。  本日は、今、述べました5団体より、健康食品に係る制度の在り方に関するヒアリン グを行いますので、どうかよろしくお願いいたします。  議事に入る前に事務局より、本日の委員の出欠及び本日お越し頂いた5団体の御出席 者の紹介をお願いいたします。 ○尾形新開発食品保健対策室室長  事務局でございますが、本日、検討会、6人の委員全員の御出席を頂いているところ でございます。 ○田中座長  前回、マイクが非常に聞こえにくかったという声を頂いておりますので。 ○尾形室長  そうですか。では、恐縮ですが座ったままで御説明をいたします。 ○田中座長  その方がいいと思います。 ○尾形室長  本日、6人の委員、全員に御出席して頂いているところでございます。  ヒアリングの方でございますが、5団体、財団法人日本健康・栄養食品協会より田中 喜代史専務理事、薬業健康食品研究会より市川文雄代表実行委員、健康と食品懇話会よ り鈴木隆之ワーキングチーム委員長、CRN JAPANより多田和生理事長、日本大 衆薬工業協会より佐藤憲治薬制常任委員長に、それぞれ御出席を頂いております。  繰り返しになりまして恐縮です。 ○田中座長  それでは、これより議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとして頂きたいと思 います。報道関係の方は傍聴席にお移り頂くようお願いいたします。  それでは、まず議事次第の1にあるとおり、本日は、5団体からの健康食品に係る制 度の在り方に関するヒアリングを行いたいと思います。  本日のヒアリングの進め方ですが、まず日本健康・栄養食品協会の参考人の方から10 分程度御意見を述べて頂き、その後、頂いた御意見に対する質疑応答と意見交換を行い たいと思います。  引き続き、健康食品関係業界団体の3人の参考人から、それぞれ続けて10分程度ずつ 御意見を述べて頂き、その後、頂いた3人の方の御意見に対する質疑応答と意見を行い たいと思います。  更に引き続き、日本大衆薬工業協会の参考人から10分程度御意見を述べて頂き、その 後、頂いた意見に対する質疑応答等、意見交換を総括して行いたいと思います。  それでよろしゅうございますか。                (「はい」と声あり) ○田中座長  ありがとうございます。では、最初に財団法人日本健康・栄養食品協会から田中喜代 史参考人より健康食品に係る制度の在り方に関する意見陳述をお願いいたします。 ○田中日本健康・栄養食品協会専務理事  日本健康・栄養食品協会の田中でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  私は、今日準備して頂いております資料の3ページ目の表から順を追ってお話をさせ て頂きたいと思います。  まず1ページでございますが、「協会の概況紹介」ということで、設立は昭和60年4 月ということになっておりますが、それに先立ちます昭和54年10月に財団法人日本健康 食品研究協会という法人がございまして、昭和40年代後半に起こりました健康食品に係 る健康被害、経済的損害に対する社会的問題も検討するということでスタートし、その 後、60年に現在の目的事業という形で今日まで至っております。  目的につきましては、当協会は保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)、特 別用途食品、健康補助食品に関する情報の収集、調査研究及び適切な知識の普及啓発を 行うとともに、これら食品の栄養基準については、健康増進法の指針に従い、適正な普 及に努めることにより会員及び関係業界の健全な運営のための指導を行い、また、健康 補助食品については公衆衛生上の見地から基準の設定並びに当該認定制度の運用を行 い、もって国民の健康の維持増進に寄与することという目的をもって活動をいたしてお ります。  本日、委員の皆さんのところには「協会概況書」というものをお届けいたしておりま すので、お持ち帰りになって御覧頂ければありがたいと思っております。  事業活動でございますが、右肩にページを3と書いておりますが、事業目的といたし ましては、公衆衛生の見地から協会独自で健康補助食品の規格基準の設定及び当該基準 に係る認定制度の運営・普及に関する事業というものを行っております。これを私ども はJHFAマークの認定事業ということで位置づけておりますが、当協会におきまして は、いわゆる健康食品については、その役割あるいはイメージ等を考慮いたしまして、 健康補助食品という名称を今日使っております。  そのほか、事業といたしましては、保健機能食品、特別用途食品の申請に係る指導に 関する事業、栄養表示基準に従った適切な栄養表示の普及に関する事業、健康補助食品 の適切な知識の普及啓発事業及び調査研究に関する事業、学術誌の刊行及び海外文献の 翻訳に関する事業、「食品保健指導士」の養成の事業、国内・外の情報及び資料の収集 ・情報管理並びに提供に関する事業という主な事業をいたしております。  このうち、食品保健指導士の養成事業ということでございますが、これにつきまして は平成13年度にスタートいたしまして、厚生労働省において国民の健康の保持増進に役 立つ食品の有効利用のために保健機能食品制度を施行されるに際し、保健機能食品等に 係るアドバイザリースタッフの養成に関する基本的な考え方というものが示されまし て、消費者に正しい情報が提供できる助言者としてのアドバイザリースタッフの養成が 必要であるという見解を公表されまして、それを受けまして、平成13年度から食品保健 指導士の養成ということでスタートいたしております。  これにつきましては、65時間の講習を行いまして、終了時評価認定試験を行い、食品 保健指導士の資格を授与するという形で、現在まで253 名の食品保健指導士が誕生いた し、ここに書いておりますように、消費者に正しい情報が提供できる助言者として活躍 して頂きたいというふうに期待しておるところでございます。  ちょっと飛ばしましたが、2のところの「協会及びJHFAマーク認定制度発足の背 景」につきましては、先ほど申し上げましたように、昭和40年代後半から健康食品に関 するいろいろな問題が出てまいりまして協会が設立されたということと、それに併せて 協会独自の規格基準の設定と認定制度の運営、普及に関する事業を行ったということを 書いておるところでございます。  4に移りますが、「JHFAマーク認定制度(その1)」というところでございます が、いわゆる健康補助食品の中には、国において定めてございます保健機能食品制度に 該当しないものの、国民が長年にわたり繁用しており大きな市場を形成するものがござ います。 例えば、クロレラとかプロポリスとかオタネニンジンというようなものがご ざいまして、これら保健機能食品には該当しない要因といたしましては、関与成分が明 確にできない、あるいはバイオマーカー(生物学的指標)でございますが、これの明確 な変動が証明しにくいものや栄養機能食品で定められた条件を満たせない、例えば、1 日摂取目安量が上限を超える場合というようなものがあって該当しないものがございま す。  これらの商品群の中には安全性とか有効性とか品質の中で信頼性に乏しいものが流通 していることに問題がありますが、これらの問題解決のために旧厚生省の指導のもとに 当協会が設立され、品質・表示・製造管理などに一定の基準を設けまして、自主基準と して信頼マークといってますが、JHFAマークの表示許可する認定制度を昭和61年度 から発足いたしまして、一定の効果を上げております。  現在までに、規格基準は53品目についてつくっております。主な規格基準の項目につ きましては、ここに書いてありますように製品規格、原料規格、製造・加工等の基準、 表示・広告基準というようなものを定めてありまして、これらに基づき審査をしていく ということでございます。  なお、5ページに「規格基準の例(イチョウ葉エキス食品)」ということで、イチョ ウ葉エキス食品というものの規格基準の例を載せてございますが、部数の関係で傍聴の 方には大変申し訳ございませんが、規格基準の例として「イチョウ葉エキス食品規格基 準」というものも委員の皆さんのところにお届けしておりますので、後ほど御覧頂きた いと思います。  規格基準として、先ほど簡単に申し上げましたが適用範囲ということで、イチョウ葉 エキス食品でありますと、イチョウ葉から水または含水エタノールで抽出し精製したエ キスを使用し、粉状、粒状、ゼリー状、ペースト状、液状等々、そういったものを使う ということで、適用範囲をこういったものでゼラチンとか糖類で被包したものに適用す るということで、イチョウ葉エキス食品では、こういうような形で適用範囲を定めてお りますし、定義としてイチョウ葉というのはどんなものか、イチョウ葉エキスはどうい うものか、イチョウ葉エキス食品というのはどんなものかというようなことを定めてお ります。  製品規格につきましては、外観・性状、規格成分、ギンコール酸の含有とかヒ素、重 金属、一般細菌、大腸菌群等、これらにつきましては、食品衛生法に定められたものに は当然それ以下の基準というような形で、それぞれ規格が決められています。  原料規格については、製品規格と同じでございますし、1日摂取量の目安は60〜240 mgということをうたっております。  製造・加工等の基準といたしまして、施設・設備と管理、原材料、表示・広告基準、 試験方法、あるいは特記事項というようなものを書いております。  取り扱い上の注意につきましては、これは表示・広告基準のところに表示でこういう 注意書きを書くようにしております。  いずれにいたしましても、これらの規格基準に基づいた製造の過程で、製品の品質確 保のために製造管理及び品質管理に係る指針として、健康補助食品GMP、自主基準を 作成いたしまして、現在、これらの説明をしているというところでございまして、これ らの健康補助食品のGMPに基づいた製品であるというところを近い将来、こういった 商品に書くとか、いろいろな形で、これに基づいたものだということを明らかにする方 法を取り入れるべく、今準備しているところでございます。  続いて6でございますが「JHFAマーク認定制度(その2)」といたしましては、 新規格基準の制定ということで53品目ございますが、それらについて内外の文献等、い ろいろな文献とそれぞれの提案された人が、独自にやられた検査等、いろいろなことか ら一定の、先ほど申し上げましたような中身の規格基準を規格基準検討委員会で定め、 それを学術委員会というところで決定し、この規格基準を決めます。  その後、決められたもの53品目について、それぞれ申請があり、試験検査、これは頂 いたものについて試験検査機関に検査してもらい、そのデータと、いろいろな参考資料 を求めながら適宜審査委員会に諮り、その中でいろいろ改善すべき点とかございますと 指摘事項もありまして、それらを判断した上でJHFAマークの表示を許可していくと いう制度でございます。  なお、これらについては許可後のフォローアップとして自主点検をそれぞれの企業の 人が自主点検検査結果を協会に報告して頂き、それらをチェックしていると。更に、4 年ごとにこれらの商品についての変更とか更新をいたしますし、変更届なども出してい ただくという仕組みにしております。  次に7でございますが、「健康食品の問題点と法律、JHFAマーク商品の効果」と いうことで書いておりますが、いずれにいたしましても、JHFAマーク商品につきま しては、健康増進法、食品衛生法、薬事法、JAS法、景品表示法、食品安全基本法 等、これらについてはクリアしてつくられております。  先ほど、いろんな形で製造基準等の規格基準も示しており、製品の品質については問 題なかろうと考えます。表示内容につきましても、詳しく定めておりますので、それら を遵守して頂くことで問題がないと考えております。  販売方法につきましては、一般的に健康補助食品の場合は、店頭販売、通信販売、訪 問販売等ございまして、販売方法等について問題が起こったケースについては、協会の 方でJHFAマークを付けている商品については指導していくという形をとって、消費 者の皆さんに安心して採用していただこうというふうに考えております。  JHFAマーク以外の健康補助食品については、品質、内容、販売方法等について、 わかりませんという意味でこういうクエスチョンマークを付けております。  8でございますが、「『いわゆる健康補助食品(以下健康補助食品)』の必要性」と いうことでございますが、これにつきましては、今日、高齢化社会におきます国民の健 康志向が大変高いということで、こういったものを求められるということで、国民の強 いニーズがあり、長年にわたる使用実績もあると。使用者の効果があったというような 実感、更に、飽食時代におきます食生活のバランスの乱れとか、いろいろな問題もあっ て、健康補助食品については必要なものと考えます。  次のページでございますが、9になりまして、一方、健康補助食品が何らかの形で健 康への貢献を意図している食品でありながら、健康に関する表示や情報提供ができない 現状では、ブック商法による玉石混交の情報氾濫やアンダーグラウンドでの虚偽的・過 信的な情報伝達に拍車がかかるということで、モグラたたき的な対応だけでは問題解決 にならないのではないかと。むしろ、正しい情報の理解を阻害しているということだけ でなく、良識的な企業や国民が損害・被害を被り、倫理上問題がある業者が得する現状 が、このままでは継続することになるのではないかと思われます。  いずれにいたしましても、健康は超高齢化社会を目前にいたしました国民の最大の関 心事であることから、正しい情報を正しく伝えていくシステムづくりが急務だと考えて おります。  ひいては、欧米にも負けない産業育成も可能になるのではないかと。そのために、健 康補助食品を含めた制度の構築が必要だろうと考えております。いずれにいたしまして も、正しい情報を提供していくことが重要であります。それについては、薬事法等によ る表示の規制により、なかなか現在、そういったものの伝達が難しくなっているという ことでございます。  次に10ページでございますが、「医薬品と食品の関係図」ということで、一応、こう いう形で考えてみました。ちょっと時間が長くなって、申し訳ございません。  医薬品と一般食品の間に、特定保健用食品という厚生労働省で定めた分野、それとそ れ以外の健康補助食品というのがあると思います。  特定保健用食品は、現在のところ個別評価型でございますが、これももう既に、多数 の許可がなされているものについては届出をするというような形での個別評価ではな く、基準型というのがあってもいいのではないかと考えます。  健康補助食品につきましては、いわゆる基準型については、現在の栄養機能食品に該 当するのではないかと考えております。  個別評価型というのが、先程来お話し申し上げましたJHFAマークのように一定の 規格基準を設けたもので、特に品質表示について客観性・信頼性を高めたものという形 であるのではないかと。なお、これらについて法的認知が必要なのではないかと考えて おります。  保健機能食品制度に見られるように、国による安全性や信頼性の担保も重要ではござ いますが、作用が穏やかな健康補助食品については、制度を構築して個別評価型の健康 補助食品というのを新たに設けて、民間の自主的な運用管理にゆだねることも1つの方 法ではないかというふうに考えております。  特定保健用食品とか健康補助食品とか、いわゆる健康食品のところに大変いろいろな ものが入っているではないかという御意見もあろうかと思いますが、医薬品にも医療用 とか一般用とか医薬部外品とか、それぞれ適切な指導の下で正しく使われるわけですか ら、これらについても、健康補助食品あるいは特定保健用食品等の健康食品についての 適切な情報伝達をするため正確なことを国民に伝えていくことによって整理できるので はないかと考えております。  最後になりましたが、健康補助食品の制度に係る検討課題ということで、ここに書い ておりますように、定義づけ、安全性、有効性、表示の範囲、品質の信頼性の担保、国 民への正しい知識の普及啓発とか、認定マーク制度の創設とかいろいろございます。  これらを踏まえまして、行政、関係業界、消費者の果たすべき役割・制度はどうある べきかということでございますが、行政の側にお願いいたしたいのは、健康補助食品の 法的な位置づけを明確にして頂きたいということと、先ほど来申し上げておりますよう に、情報が国民に正しく伝わっていくような、表示についてもある程度緩和して正しく 国民が理解できるような表示ができるような施策を考えていただく必要があるのではな いかと思います。  しかしながら、ある程度の規制ということについては必要なのではないかと思われま す。例えば、認可制度、製造業、販売業、輸入業の届出制、そういうようなものはある 程度必要だろうと思いますし、行政の側において科学的評価研究の実施と情報の評価、 正しい情報の選別と発信が必要でありまして、正しい情報伝達のための環境づくりが重 要かと考えております。  また、関係業界においては安全性、有効性、品質確保に関する質の向上に一層の努力 が必要だろうと考えます。更には、正しく分かり易い情報の伝達にも併せて関係業界で 努めていく必要があると考えます。  また、お客様相談窓口を設けるなど、消費者からの情報提供依頼に対応できる体制づ くりも必要なのではないかと思われます。  更に、消費者の果たすべき役割ということですが、自らの危険は自らが守るという意 識を持って、健康食品に取り組んでいただく必要があるのではないか。そのためには当 然、正しい知識が消費者に伝わる必要があることは申し上げるまでもございません。  長くなって恐縮でございますが、以上が日本健康・栄養食品協会の方からの本日の検 討会で御発言させて頂きたいことでございます。  どうもありがとうございました。 ○田中座長  どうもありがとうございました。それでは、田中参考人に対する質問、意見等がござ いましたら、頂きたいと思います。  どなたかございませんか、どうぞ。 ○合田委員  1つ教えて頂きたいのは、実際に、今この協会に入られている企業の方のところで、 インターネットで実際に販売するものの量というのは、どのぐらいのものがあります か。そういうのは全然分からないのですか。 ○田中専務理事  正確な率はございませんが、インターネットによる販売のようなものも幾つかあると 聞いております。 ○合田委員  余り多くないわけですか。全然その辺は分かりませんか。 ○田中専務理事  どれぐらいかというのは、今のところちょっとよく分かりません。調べてみればある 程度分かると思いますが。 ○合田委員  あと、協会のGMPの自主基準の話が出ましたが、実際にGMPの自主基準を定めた 後に、協会の方から定期的にそういうのを見に行くということはされているわけです か。 ○田中専務理事  自主基準を一応作成いたしましたが、まだそこまで見てGMPを確認した上で認可し ているというところまでいっておりません。現在、こういう形で考えておりますという ことで、自主規格基準は作成いたしました。  現在、引き続きまして解説書とか、マニュアルとか、標準書とか、管理基準書などの 書類整理を行っている段階で、これをどう運用していくかということは、これから早急 に検討することにいたしております。 ○橋詰委員  資料の8ページで、表の10のところの「医薬品と食品の関係図(案)」のところで ちょっと質問させて頂きます。評価は民間機関で実施というのは、賛成ですが、1つは 特保は現在、厚生労働省で評価しているわけです。健康食品の方のここに書いてあるよ うに個別評価型を民間でやるというのは概念的には分かるのですが、具体的にどちらへ 出したらいいのか困るのではないかと思います。は具体的にどのように区別をしたら良 いかを教えて頂きたい。 ○田中専務理事  どちらへ出したらいいかということですが、少なくとも個別評価型を民間の方で導入 を決めておれば、そこへ出していくということになるのだと思いますし、いずれにして も、現在、我々のところでは特定保健用食品として個別評価型を取りたいということで あれば、こういう中身がございますというような相談にも応じておりますので、そうい ったところで、仮にビタミンとか若干ダブるところがあるかもしれませんが、ダブらな い部分については適切にアドバイスを、現在、我々のところでやっております。 ○松本委員  印象として、製品の品質の問題を強調されているような感じがいたしまして、JHF Aマークの付いている製品については品質が保証されているという感じで、確かにイ チョウ葉エキスの食品規格基準なんかを見ましても、そういう観点から非常に細かい数 字が出されているわけですが、それではそれの前提としての、例えばイチョウ葉エキス 食品というのが、健康食品であると、健康補助食品であると、健康にいいのだというこ との保証はされているのかどうか。すなわち、なぜイチョウ葉なのか、大根の葉でも健 康食品 だという人がいれば、それで一定の品質基準ができれば認証されるという、そういうよ うなイメージなのか、健康にいいという部分についてはどのようなデータでもって認定 されているのかについてお聞きしたいのですが。 ○田中専務理事  このイチョウ葉エキスというのは、ちょっと持ってくるのを忘れたんですが、ドイツ では医薬品として既に効能というのが認められている商品ですし、日本においては、そ れが医薬品として認められていないということで、効果に関する文献はたくさんありま して、そういった文献も十分勘案し、こういうものの摂取の量、たくさん取り過ぎても まずいこともございますので、量とかそういうことを、このイチョウ葉エキスについて は、相当研究が進んでいますので、効果ということについては十分立証されていると考 えております。 ○松本委員  そうしますと、他の何かをある業者が開発して持ってきて、これは我が社としては非 常に健康にいいものだと思うのだが、そしてこんなに品質が安定しているのだがという だけでは認証が受けられないということと理解してよろしいですか。 ○田中専務理事  先ほど申し上げましたように、例えばこういうものをやりたいという提案がありま す。そういった提案があったときに、本当にそうなのかどうかという、ものによっては 人試験も含めた効果効能のデータというようなもの、あるいは内外の過去のいろいろな 研究報告、そういうようなものもすべて最大限集めまして、先ほどの規格基準検討会、 この場で真剣に議論されて新規格基準は作られており、そういったものを世の中に出し てもいいのではないかという判断に立つのか、このデータを見る限り、ちょっと早いの ではないかとか、いろいろな判断の下で53品目が定められているというのが現状です。 ○田中座長  他にどなたかございませんか、どうぞ。 ○合田委員  今の規格基準検討会のことについてお教え頂きたいのですが、どのぐらいのメンバー でどういうことをやっているのか、具体的に教えていただけますか。 ○田中専務理事  規格基準検討委員会のメンバーは、現在、9人の方に入ってもらっておりまして、会 員企業の方の御要望があったものについて規格基準をつくる必要があるのかないのかと いうようなことの議論をしますので、ある規格基準を決めようとしますと、決めるため にはかなり頻繁に会議を開き、いろいろな角度から検討してもらっているということで ありまして、第1回目が昭和61年に最初の品目の規格基準が出ておりまして、直近のも のでは今年の1月に2品目というようなスピードで来ておりますので、定期的にという ような性格ではございません。 ○合田委員  その9人の方はどういうような方ですか。 ○田中専務理事  どういう人かと言うと、お名前だけでよろしいですか。 ○合田委員  いや、例えば学識経験者なのか、業界の方なのか。 ○田中専務理事  それはいろいろ、どちらかというと、学術経験者です。 ○合田委員  大学の先生とかですか。 ○田中専務理事  はい、ほとんどです。業界の人は入っておりません。あとは大学の教授と試験検査セ ンターのセンター長さん、そういった方でございます。 ○田中座長  他にございませんか、どうぞ。 ○木村委員  先ほどの絡みでちょっとお尋ねいたしますが、効果をいろんな文献を調べて十分立証 されているというふうなお話がございました。それを受けて、独自に効果というか、そ ういうものを財団として規格として認めているのですか。 ○田中専務理事  もう一度お願いします。 ○木村委員  では、もう一度申し上げますが、効果については、例えばイチョウ葉エキスで言え ば、ドイツでは医薬品だと、これについては文献等で効果について十分ありますよとい うお話でございましたね、こういうものを受けて、協会として、いわゆる効能的なもの を何か認定していらっしゃるのですか。 ○田中専務理事  表示ですか。 ○木村委員  表示も含めて、口頭も含めて。 ○田中専務理事  表示は、先ほども申し上げましたように、各関連法に抵触しないように表示の仕方と か、そういうのは基準書にも書いておりますような形を取っておりますので、このお手 元の基準書をごらん頂きますと、表示の仕方も禁止事項も書いておりますのでお分かり かと思います。 ○木村委員  その内容は分かりましたが、では例えば先ほど説明の8の(4)で使用者の効用の実 感ということも取り上げていらっしゃいますが、この辺についてはどのようにお考えな んですか。 ○田中専務理事  これは一般論です。 ○木村委員  少し具体的にお話し頂ければありがたいのですが。 ○田中専務理事  いや、使用者というのは現実問題として、例えば健康食品のキノコ類のこれは効いた とか、効かなかったとか、そういう話が一般的にこういう分野の中で使われているとい うことで例示として書いただけで、JHFAマークの中で使用者の効果があったという 趣旨では必ずしもないのです。 ○木村委員  分かりました。もう一つ、お尋ねしてよろしいですか。 ○田中座長  どうぞ。 ○木村委員  いろいろと規格基準等をつくって御活躍ですが、この制度もかなり広がっていると思 いますが、それに入らないいろんな健康食品というのはたくさん出回っていますが、そ の辺についてはどのようにお考えですか。 ○田中専務理事  我々としては、できるだけ開発された方が、こういうものの規格基準を作って欲しい と、仮に我々のところで考えますと、こういったものの規格基準を作って世に出したい のだという御相談を受けながら、基準検討会等でできるかどうかを議論し、できるもの については是非そういう形で出していけるような努力をしなければいけないと考えてお ります。 ○木村委員  ありがとうございました。 ○田中座長  他にございませんか。 ○合田委員  組織の中には輸入業者の方も入っていらっしゃるのですか。 ○田中専務理事  会員は、製造の方と、販売の方、そういう会員さんがほとんどだと思います。 ○合田委員  要するに、日本の中で何か問題が起こったときに一応責任が取れるメーカーとか、そ ういう会員の方が入っていらっしゃるということと考えてよろしいのですか。 ○田中専務理事  そういうことです。 ○田中座長  よろしゅうございますか。橋詰先生、松本先生あるいは木村先生の質問は、この協会 でおっしゃる特定用保健食品と健康補助食品の区別がやや分かりづらいということで す。例がイチョウ葉で、しかもドイツで医薬品となっておるので、言わば有効性が確認 されているものですね。だから印象的には、どちらかと言うと特定保健用食品のイメー ジが持たれてくるので、健康補助食品とは何かということになるのです。健康補助食品 は非常に重要な提言ですので、定義をもう少し明確にしていただけたらいいのではない かなと思うのです。特に先生のおっしゃる特定保健用食品というのは、現行のものとは ちょっと違うようですから、スライド10での特定保健用食品の個別評価型と、健康補助 食品の個別評価型との差と言いますか、それぞれの定義をもう少し明確に言って頂くと 混乱が起こらないかと思うのですが。 ○田中専務理事  分かりました。一番簡単な定義というのでしょうか、我々の対象としている健康食品 としては、複合の成分が入っており、1つだけの成分ではないということと言えるので はないかと思います。  ところが、特定保健用食品については、この成分について、単一の成分についての有 効性とか安全性ということで作られている商品だろうと、そういう違いがあるのではな いかと私は思っているのですが。今の言い方で御理解頂けますか。 ○田中座長  いや、現行も特定保健用食品は成分というよりも、製品で一応有効性は評価されてい るのですね。勿論、いかなる成分が一番寄与しているかということを前提にした上で ね。  ですから、先生の協会でおっしゃる特定保健用食品と健康補助食品の差について、 今、いろいろ質問があったと思うのですが、現行の特定保健用食品ではなくて、図を先 生が示されておりますね、これは先生のところの言う特定保健用食品ですからね。 ○田中専務理事  違います。 ○田中座長  いや、これは現行のものではないじゃないですか、同じですか。 ○田中専務理事  特定保健用食品というのは、今、制度化されているものを考えております。健康補助 食品は、特定保健用食品に入らないものという意味が1つ。  ところが、保健機能食品ということで、栄養表示ができる、これが大体基準型に相当 するのではないかということで、特定保健用食品のこっちの部分については、これは現 在の制度の特定保健用食品という意味を私らは考えて整理しました。  それで1)の基準型というのは、現在ありませんが、そういうものも将来あってもい いのではないかという趣旨で、従いまして、下に書いてあります個別評価型と基準型と いうのは、現行の保健機能食品に該当するのではないかという意味で、こういう図を考 え方として整理してみたものです。  ここに書いているのは、現在の特定保健用食品を考えておりますので。 ○田中座長  事務局より、何かございますか。 ○尾形室長  JHFAマークの考え方については、協会の方が正確にお答えできるかと思うのです が、特保については、まさに座長のおっしゃられたとおり、単一の成分ということでは 必ずしもなく、一個の製品全体を見て有効性があるか、ないかということでございます が、その一個の製品についての有効性を見るときに、どういう成分が作用しているかと いう、作用機序という言葉を使いますが、作用機序がはっきりしているということが前 提になっているわけでございます。作用機序がある、こういう成分があるので、こうい う効果が出るということがはっきりするということが審査の条件になっておって、恐ら く田中専務がおっしゃっていることは、そういう明確な作用機序というのがなくても全 体として体にいいというようなものをJHFAマークの方では拾っているのだという御 趣旨ではないかと思います。違っていたら御訂正頂きたいと思いますが。 ○田中専務理事  そういうことです。 ○田中座長  よろしゅうございますか。時間がかなり過ぎて参りましたので、まだ田中専務理事は 残ってくださると思いますので、後で時間が余ったらということにさせて頂きたいと思 います。申し訳ございません。  では、引き続きまして、健康食品関係業界団体からのヒアリングをお願いしたいと思 います。  まず、薬業健康食品研究会の市川参考人より、健康食品に係る制度の在り方に関する 陳述をお願いいたします。 ○市川薬業健康食品研究会代表実行委員  薬業健康食品研究会の市川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  当会は、主として薬業を業としていますが、薬局、薬店等のルートで、健康食品や特 定保健食品等を供給するメーカーであったり販売業であったりする会員企業及び個人に よって構成されております。  本日は、本検討会の3つの大きな課題に対する意見ということで、取りまとめた資料 をお配りしております。  この検討会に当たりましては、当会が独自に実施しておりました会員に対するアンケ ートの取りまとめを参考資料として付けさせて頂いておりますので、そちらも御参考に していただければと思います。  まず、最初にいわゆる国民の健康づくりにおける健康食品の役割をどう位置づけるか ということでございますが、国民の健康づくりは「健康日本21」でも明確に述べられて いますように、生活習慣病等の慢性疾患の一次予防が最も重要とされています。  この健康食品の役割は、これらの疾病の一次予防及び食の補給・補正、健康の維持増 進への貢献と考えております。  ここで言う一次予防についてですが、現在、超高齢化社会と言われておりまして、そ れに伴う生活習慣病問題、あるいは介護、健康保険の赤字、医療費等々、これらの問題 を解決するためには、やはり国民が皆病気にならないということがあれば、こういう問 題は解決していくということは当然考えられます。  しかしながら、現在の状況では病気になったら治療するということでありまして、国 家の財政もそれによって非常に負担がかかっている。これらの負担をなくすためには、 ここに相当な資金を注ぎ込んでもよろしいのではないかと、それが最も重要な政策であ ると考えております。米国のDSHEA法の前文には、これらのことが示されておりま す。  一方、この「健康日本21」の中には、次のように述べられておりまして、人口の高齢 化の進展に伴い、疾病の治療や介護にかかる社会的負担が課題となることが予想されて いるので、従来の疾病対策の中心であった健診による早期発見、または治療にとどまる ことなく、健康を増進し、疾病の発病を予防する一次予防に一層の重点を置いた対策を 推進するとなっております。  ここで言う「予防」という言葉についてですが、予防ということになりますと薬事法 上の中に出てきております。これは薬事法上ということで医療用語とされております が、この予防という言葉は幅広い意味を持っておると考えております。  すなわち、感染症等の予防のワクチンというようなものもありますが、それ以外の生 活習慣病等に対する予防という考え方もあるわけでございます。  したがって「健康日本21」においても一次予防という言葉を使っているものと考えて おります。  ただし、生活習慣病は1つの原因だけで起こることではなくて、複合した幾つかの要 素が絡み合って関与しているということが現実ではないかと思います。  そういう観点からしますと、予防という言葉の定義を一層明確にして、一次予防とい うような言葉を、すなわち健康食品等に使えないかということを我々は考えておりま す。  疾病の予防ということではなくて、疾病リスクの低減、いわゆるリスクリダクション ということを1つのリスクの低減ということで何か表現できないか、食品の言葉として 使えたらと考えております。  次に、現行の体系の在り方という問題ですが、この体系の在り方につきましては、現 状の保健機能食品制度以外に、結局、現在のいわゆる健康食品というものが非常に大き な市場を占めておりまして、これがいわゆる制度になっていないということで、今検討 会の主題となっているわけですが、そういうことが実態に即していないということであ りまして、例えば特定保健用食品には、ある一定の評価がされておると思うのですが、 栄養機能食品については、現在、ビタミン、ミネラルの14種という限定されたものであ りまして、いわゆる健康食品という市場の20%程度ではないかと言われております。こ れが、栄養機能食品の現在の状況ではないかと。  一方、特定保健用食品とか、栄養機能食品という言葉の国民の認知度という点からし ましても、最近、私は食生活研究会というところのデータを拝見しましたら、いわゆる サプリメントとか健康食品という語句を知っているかという問いに対しましては、95% 以上が知っていると。  一方、特定保健用食品とか、栄養機能食品という語句すら全く知らないという方は半 分以上いたというようなことが述べられております。  従いまして、2番目の体系は現在の制度でいいとしても、実態に即していない。科学 的にエビデンスの得られた素材については保健機能食品として順次活用できるように積 極的に対応していくべきではないかと考えております。  (2)番目の健康食品の利用・製造・流通の実態は、国民の健康づくりに有効に機能 しているか、健康食品の安全性・有効性の確保、消費者に対する適切な情報提供、利用 者の期待に応え得る健康食品はどうあるべきかということについてですが、お手元の資 料に記しているとおりでございますが、健康食品というのは、各関係団体の皆さんも おっしゃっておりますが、非常に玉石混交とも言える側面がかなりあるというのが現状 ではないかと思います。  従いまして、健康食品の安全性・有効性は当然ながら科学的に十分なエビデンスに基 づいていなければならないと思っておりますし、品質の確保とトレーサビリティーを可 能とする食品のGMPを導入すべきと考えております。  保健機能食品制度が創設されましたときにも、検討会の意見として、やはり食品GM Pはいずれ導入すべきというふうに言われておりますし、当然のことかと考えておりま す。  消費者への情報の提供等に関しましては、やはり医薬品で言えば、用法・用量に相当 する具体的な摂取方法とか、副作用とか相互作用も含む使用上の注意が、やはり消費者 レベルでわかりやすい表現で表示されるべきと考えております。  また、有用性に関しては、現時点では全く法によって禁止されておりますが、先ほど 申し上げましたような形で消費者にとって分かるものになって欲しいと考えています。  それらの情報提供の1つとして、日本健康・栄養食品協会を始め、現在、アドバイザ リースタッフ等の養成が始まっておりますが、現状では始まったばかりで十分に満たし ているとも思えませんし、関係法人の認定システム以外に大学の栄養学部、薬学部及び 家政学部等のカリキュラムの改変までを含めたネットワーク的な認定システムの構築を 図るべきと考えております。  従いまして、利用者の期待に応える健康食品とは、まず安全性が第一、それからエビ デンスに基づいた機能とか、摂取方法とか、使用上の注意が具体的に国民に分かり易く 表示されているものが、高品質の製品と考えております。  (3)番目に、(1)及び(2)を踏まえた、行政、関係業界、消費者の果たすべき 役割、制度はどうあるべきかという点に関しましてですが、先ほど申し上げましたよう に、「健康日本21」がスタートして、また、保健機能食品制度が施行されております が、これらが十分にリンク、あるいは機能していないこと。これらを行政は効果的に推 進させ、両者の有機的な結合を図るべきと考えております。  また、健康食品の有用性、安全性に関しては、特に有用性に関しましては、なかなか この評価は大変な問題だと思いますが、各省庁、あるいは産官学による大規模な研究を 相当な覚悟でやらないとできないものではないかと考えております。  また、その得られた成果を十分に国民が利用できるような啓蒙・教育も視野に入れた 情報提供を行っていくべきだろうと考えております。  また、業界は、まずはGMPの導入を図り、ものとしての品質を確保し、先ほど申し 上げましたが、トレーサビリティーも含めて確保して、消費者利益のための情報提供を 積極的に行うべきと考えております。  勿論、消費者は、表示されたことを守るということもありますが、ここにはそういう ことを書いてありますが、そういう知識を積極的に取り入れるということを求められる と思います。  当会は、薬業ということでございますが、健康食品と両方やっている業者が多いわけ です。今回は食品の制度の検討会ですが、薬業から言えば、医薬品というものが従来か ら、特にOTCというものが伝統的にありまして、これらの中にはビタミン含有保健薬 とか、ビタミン主薬製剤とか、最近では新指定医薬部外品といったものがあり、それら について、例えば効能・効果等はきっちり決まっているわけです。  ところが、この食品の方の制度で、今後何らかの形で表示できるということになりま したときに、やはり医薬品とか、部外品とか、特定保健用食品とか、栄養機能食品とい うものが、あるいは今度の健康食品というものが整合性のある形にならないと、国民が ますます混乱するということを危惧いたしますので、その辺を当検討会で今後是非とも 国民に分かり易い形での結論をお願いしたいと考えております。  以上でございます。 ○田中座長  ありがとうございました。  引き続きまして、健康と食品懇話会から意見陳述を頂くわけですが、同懇話会の相談 役の太田さんが、まず全体的な話をされるそうです。その後、申請書に沿って鈴木参考 人より、健康食品に係る制度の在り方に関する意見陳述をされます。  お二人併せて10分でありますので、よろしくお願いいたします。 ○太田健康と食品懇話会相談役 健康と食品懇話会の太田でございます。  屋上屋を架さないように、この後、ワーキングチームの委員長の鈴木から申請書に 沿って御説明をいたしますが、簡単に全体像についてお話をしていたきたいと思いま す。  健康の維持・増進には、正しい食生活、適度の運動と休養が必要だと言われていま す。その中でも、特に食が大きな役割を持っておりまして、どのような呼び方をするか は別としましても、お腹をいっぱいにするという以外に生体に対して食べ物が複雑かつ 多岐にわたる作用があることに異論のある方はいらっしゃらないだろうと思っておりま す。  健康食品よりも正しい食生活が大切だということにつきましては、私ども健食懇は食 品企業の集まりであり、当然ながら同感でございます。  ただ、正しい食生活で十分と建前で言い切れれば簡単ですが、飽食の時代といいなが ら、実際には非常に多くの、いろいろな食に関わる問題が発生しています。それに伴う 疾病その他があることは御承知のとおりでございます。  したがって、そのサポートの1つとして健康食品があるというふうに考えておりま す。つまり、主役はあくまでも毎日の食生活をきちんとすることであると考えていま す。  したがって、医療や医薬品と競合するわけではなくて、補完し合って健康維持・増進 に寄与していかなければならないと考えています。そのときの視点は、あくまでも消費 者にとって何が必要か、どれが良いのかであり、消費者が選択すべきものであると考え ております。  先ほど来、出ておりますように、セルフメディケーションの時代と言われてまいりま した。セルフというのは、当然ながら自分でということであり、自己責任ということで あると考えております。  そのためには、当然それに必要な情報と判断力が不可欠ですし、1人ひとりの問題と して理解し決められる教育も当然必要になってきます。  しかし、その前に少なくとも、お買い求めいただく皆様方が手に取られる商品に正し い情報がついていないことは非常に問題があると考えております。  現状は、それなりの根拠があっても、先ほど食品に生理的機能があるとのお話、これ は古くは医食同源であり、近くは機能性食品でお判りのように、食品に機能があること は分かっております。しかしそれなりの根拠があっても食品だという理由で、あいまい な表現の情報提供しかできないのが現状でございます。  当然ながら、自分がつくった商品について、どのような目的で、どのような食べ方を すればよいのか、あるいは現在科学的に何が分かっていて何が分かっていないのか。こ のような使う人にとって最も大事な情報が付けられないことが、今一番の大きな問題だ ろうと考えております。  それと、今日ここにおいでになっていらっしゃる業界の方は十分お分かりだと思いま すが、健康食品が商品としても、あるいは販売方法についても玉石混交であることは残 念ながら事実でございます。  しかも、その石の方がどちらかと言うとよく売れていますし、石の方がよく儲かって いるという非常に大きな問題がございます。しかも、石の方で問題があって何かマスコ ミで報道される、などがありますと、真面目にやっている、普通で言えば、一蓮託生と いう程度だったらいいのですが、真面目にやっているところの方が大きな影響を受けて しまう。これが現状でございます。  健康食品を広く認知させるためにはお互い知恵を出しながら、質の良い玉をたくさん 作る、それから質の良い玉を選択して頂くための正しい情報を付けていくことが不可欠 だと思っております。  あとは、鈴木の方から御説明いたします。 ○鈴木健康と食品懇話会ワーキングチーム委員長  健康と食品懇話会の鈴木です。  このたびは、本検討会のヒアリングの場に発言の機会を与えて頂き、ありがとうござ います。  健康食品関係の団体は非常に多くて、わけが分からないという場合もありますので、 ちょっとうちの団体について説明をしたいと思います。  健康と食品懇話会。これは略して健食懇と言いますが、健康と食の関わりを中心に国 民の結構の維持増進と、業界の健全な発展に寄与することを目的とした大手食品メーカ ーを中心とした企業の団体です。  特に調査はしていませんが、会員企業だけで、現在の特定保健用食品の販売の大体8 割方は占めているのではないかと考えています。  では、早速頂いた質問内容の1番について答えたいと思います。  国民の健康を守るのは、適正な食生活が基本だと思います。しかし、高齢化の加速度 的な進行、食生活の乱れなどを考慮すると、種々の有効成分や食生活で不足する成分を 補うことが重要であると考えます。  医薬品から食品の体系については、資料3の別紙の方に図を示していますが、それを ちょっと見て頂きたいおですが、まず、国民の健康の維持増進のために安全第一である ことは言うまでもありません。  健康食品カテゴリーの分け方として、医薬品と一般食品の間にヘルスクレームが表示 できる保健機能食品、特定保健用食品、栄養機能食品を置き、そのほかは一般食品に入 れ、現在、自主規格基準で運営され、日健栄協さんが管轄している健康補助食品の制度 を一般食品のカテゴリーの方に残すということを提案したいと思います。  ヘルスクレームを表示できる健康保健機能食品については、当該成分の分析試験結果 や、表示、デザインの確認など厚生労働省の何らかの確認が必要だと考えます。  ただし、この制度を推し進めるに当たって、何点かの問題点があるかと考えます。  特定保健用食品の申請においては、明確な基準が示されないまま、より医薬品的な審 査が行われる傾向が見られ、特保を申請する企業には多大なる負担が生じています。  このような状況においては、大手企業も含め、特定保健用食品の開発を断念する企業 もあり、中小企業に至っては、ほとんど手が出せない領域となりつつあります。より多 くの企業が機能を明確に表現できる保健機能食品を申請できるような制度にしていくこ とが必要だと考えます。  安全性が基本となることは大前提ではありますが、食品の効果は非常に緩慢な効果で あるため、有意差を求められるのは非常に厳しい状況にあり、臨床試験には5,000 万、 1億といったような負担がかかるので、対象者の変更、飲用期間の延長、試験方法の変 更など度々の変更がないよう基準を明確にして頂くことが大事だと思われます。  また、かつては、正常者では変化させないのがよいとされていたのが、現在、対象者 を正常者とし、そこでの有意差が求められていますが、医薬品でも困難な正常者での有 意差を必要とされるのは、安全性の意味から言っても理解ができません。  特定保健用食品を摂取するのは、正常者という区分ではなく、境界域を含めた完全な 病者以外をターゲットにすべきであると考えます。一部には病気であってもよくなる分 には当然そういった体によい食品を利用するのはいいことだという意見もあります。  このように、国民の健康については、医薬品、食品に限らず、体によいものを利用す ることが大事であると考えます。  また、栄養機能食品についてですが、エビデンスのある素材の適用拡大、それと現在 低い設定量になっている栄養機能食品の量、例えばナイアシンですが、秋の味覚である 焼きサンマ、これは100 グラム中10ミリグラム、干しシイタケでは、100 グラム中16.8 ミリグラム含まれているのですが、栄養機能食品の制度でいうと、マックスが1日15ミ リグラムということは、これらの焼きサンマにしろ、干しシイタケにしろ、栄養機能食 品の適用外と、いわゆる範囲を超えるということになっています。  このような栄養機能食品の基準量では、本当に効果が表示されているにもかかわら ず、こういう効果が発揮できるのか、やはり疑問の余地があります。是非、再考をお願 いしたいと思います。  次に(2)番の方です。  保健機能食品を中心とした健康食品は、既に1兆円を超える市場もあり、国民の健康 づくりに有効に機能していると考えます。  最近の調査によれば、保健機能食品の制度は、まだ認知度が十分ではないので、消費 者の認知度を上げていく必要があります。  また、保健機能消費者のヘルスクレームは、必ずしも分かり易い表現とは言い難く、 実際の購入者である一般の消費者の方々にとって、より分かり易い表現が必要であると 考えております。  そのためには、コーデックスでも検討されている臓器名、疾病名を含めた疾病のリス クリダクション表示を認めて頂きたいと考えます。  同時に、特定保健用食品などの、現在使用している名称の変更は、消費者のさらなる 混乱を来すとともに、新しい名称の浸透に時間と費用がかかるので、できるだけ変更し ないようにお願いします。  平成3年に制度が施行された特定保健用食品ですが、認知度が30%になるのに10年以 上かかっています。また、全商品の表示を変更するにはデザイン変更を含め、相当の負 担が企業に強いられます。  一方、痩身効果があるなど、表示上で明らかに薬事法に違反したり、食品に医薬品成 分を含有させるなど、悪質な健康食品の業者については、行政と業界団体が協力して業 者名を公開するなど、厳しく取り締まる必要があります。  次に(3)番ですが、それぞれの役割のところです。  「○行政の役割」。  表示制度の面では、ヘルスクレームをわかりやすくすること。世界的な視野に立ち、 世界水準であるコーデックスに則した制度とすること。また、消費者にとってわかりや すい制度であることも必要であり、更に消費者に対して、本制度の啓発を行うことが重 要です。 また、消費者を悪質な健康食品から守るためにも、正しい情報提供、積極的 な啓蒙や教育を行うことが必要です。そして、消費者の理解の充実を図るため、保健機 能食品制度に規定される、特定保健用食品、栄養機能食品の表示については、先ほども 述べましたが、コーデックスでも検討されている臓器名、疾病名を含むリスクリダク ション表示を認めて頂きたいと思います。  一方、医薬品については、しかる場所で食品と区別して販売するなど、消費者の食品 カテゴリーの認識の混乱が起こらない対策を望みます。  世界的にも評価されている医療費削減の切り札として生まれた特定保健用食品、保健 機能食品制度のさらなる充実を考えて頂きたいと思います。  「○関係業界の役割」です。  何と言っても安全性や有効性の確保について全力を尽くし、自主管理を強化すること が必要だと考えます。  また、いわゆる健康食品については、保健機能食品制度に指定される、特定保健用食 品、栄養機能食品、もしくは完全に一般食品に振り分けを行い、管理責任を企業、業界 全体としても果たしていき、いわゆる健康食品が作り出した消費者の不信感情の信頼回 復を図るよう努力すべきと考えます。  次に「○消費者の役割」です。  健康日本21にあるように、日常の食生活においては、規則正しいバランスのよい食事 から必要な栄養成分を補給することを第一に考えなければなりません。  しかしながら、すべての人が理想的な自分に適した食事をとれる環境にあるとは限り ません。その場合には、自分や家族に適した補助的な食品を選ぶことのできる目を養う ことが必要となります。自分を守るのは、自分自身であることは間違いないのですか ら、疾病に罹患している場合は、安易に健康食品に頼らず、適切な医療を受ける習慣を 身につけることが、自らの健康を守る基本であることを十分認識する必要があると考え ます。  また、わかりやすい制度、本当によいものを選びやすくするように、業界、あとは行 政の方に働きかけることも重要だと考えます。  一応、以上です。 ○田中座長  ありがとうございました。それでは、引き続くまして、CRN JAPANから多田 参考人より健康食品に係る制度の在り方に関する意見陳述をお願いいたします。 ○多田CRN JAPAN理事長  CRN JAPANから参りました多田です。よろしくお願いします。  お手元の資料に沿ってお話申し上げますが、最初に健康食品の在り方に関することを 行政として初めて取り上げて頂いたということで敬意を表するものでございます。  私どもは、昭和50年以前から、健康食品を製造販売している業者ですが、今までさん ざんこの問題を何とかして欲しいということでお願いしたのですが、取り上げて頂かな かったことが、今回取り上げて頂いたということで、大変心から喜んでおる次第でござ います。  さて、CRN JAPANという団体について、最初に少しお話しさせて頂きたいと 思います。  日本名は、日本栄養評議会ということで、カウンシル・フォア・レスポンシブル・ ニュートリション・オブ・ジャパンということで、この名前を名乗っておるのは、U S、UK、オーストラリアに各団体があります。ただ、名前は同じですが、各国の団体 その他は、皆さん独自の運用をいたしておりまして、別に本社、子会社とか、そういう 関係ではありませんので、念のために申し上げます。  私どものメンバーは、今年の5月1日現在で95社ということでございますが、そのほ とんどが専業メーカーでございます。恐らく、国内で生産させる健康食品の大部分をこ のメンバーが製造しておるだろうというように考えています。  95社のうち、先ほど最初に話された財団法人日本栄養健康食品協会のメンバーが66% おります。そのほかは、財団には入っていないのですが、この理由は、財団の業務が主 としてJHFAマークの普及と認定ということでございまして、私どものメンバーに は、例えば加工業者さん、それから原料を輸入、製造されている方、それから規格など を考えていらっしゃる方がございまして、最終商品のJHFAマークを取る必要がない ということで財団には入っていないんですが、立派に健康食品を普及しておる会社でご ざいます。  会の目的、会の事業は、ここに書いたとおりでございまして、95社が年間数回、いろ んな意味での情報交換をしながら、学識経験者、行政、それから業者間のいろんな情報 を交換して、お互いのモラルを増進させて、消費者の健康につなげられたらいいなとい うことで、平成7年に立ち上げた専門業者の団体ということでございます。  さて、今日の主題ですが、次のページに書いてございます。  頂いたお時間が10分間ということで、言いたいことは山ほどあるのですが、今回は絞 りまして、非常に大胆な仮説を立ててお話をさせて頂きたい。  考え方としては、消費者から見て分かり易い制度にして頂くことと、業界側のモラル を高めて、一定のルールで運用することを期待いたしております。  そこで、そのためにどうしたらいいかということが、次に書いてあるんですが、1つ は、薬事法上の解釈と、疾病に対する解釈、これは一番最後のページに「(参考資料I )」と書いていますが、ここを最初に説明させて頂きます。  御案内のように、現在、日本には食品の定義というのは、食品衛生法上と、薬事法上 で出ておりまして、食品衛生法上では、食品とはすべての飲食物を言うと。ただし、薬 事法に規定する医薬品及び医薬部外品は、これを含まないと。すなわち、人が経口的に 摂取するもので、医薬品及び医薬部外品以外のものは、すべて食品という定義になって おります。 薬事法から見ますと、2つの定義がございまして、人または動物の疾病の 診断、治療または予防に使用されることが目的とされているものは医薬品ですというこ とでございます。この「疾病」というのがゴシックになっておりますが、疾病の範囲 が、日本の場合は定義があいまいであるというように私どもは感じておりまして、下に ちょっと書いています。 「疾病disease 並びに生理現象の特殊な状況health related conditionの違いがあいまい、ちなみにアメリカでは疾病とは『身体の器官、構造又は システムが適切に機能しないような障害であって、加齢、閉経、思春期及び妊娠等に 伴って発生する状態症状は、それが通常よくあるもので軽くて慢性的でないものは疾病 ではない』と規定している」。  加齢、閉経などということは、例えば血圧ですね。コレステロール、更年期失調、こ れに関わる問題で通常よくあるもので軽いものは疾病ではないということをアメリカで は規定いたしておりますが、日本の薬事法上では、疾病というのは全部疾病扱いになっ ておりまして、この辺が目的とされるものの中の範囲が非常にあいまいなので、健康食 品と医薬品の区別がしにくいと思っております。  もう一つ、薬事法第2条第3項にあります。人または動物の身体の構造、または機能 に影響を及ぼすことが目的とされているもので、器具・器械ではないものは医薬品です よということで、ゴシックで「(食品は除く)」と書いていますが、これは昭和35年に 薬事法の改正時に、その前の薬事法には括弧して食品は除くと明記してあったのです が、これを外しました。外した理由を昭和36年2月8日に薬務局長通達44号で告示して いまして、外した理由は、解釈上当然のことと考えられるためであって、この規定の削 除によって医薬品の範囲が旧法と変わったものではないと、わざわざ局長通知を出して おるのですが、その後、約十年後に、かの有名な46通知が出まして、食品は除くとい うことを完全に医薬品の方に取り入れたといういきさつがありまして、よく言われてい る小学校の教科書に出ている栄養機能評価でさえ、食品では一切言えなくなって、それ を書けば医薬品ですというのが薬事法上の解釈になってしまったというのが現実でござ います。  ここで、最初のページに戻って頂きたいのですが、この構造と機能に影響されるもの と、疾病の範囲というものを食品にもありますということをクリアされたということを 前提条件にして、下にある図で分けたらどうかというのが私どもの案でございます。  すなわち、医薬品については、私どもは触るわけでもないし、関知するわけでもない ので、この議論をここでしても仕方ないということで、食品の中で一般加工食品である のか、健康食品であるのということだけの区別でいくべきではないかなと。  大きな違いは、一般加工食品はヘルスクレームを行わないと。健康食品は、ここに3 つ書いてございます。特定保健用食品、栄養機能食品、健康維持増進食品と、たまたま 括弧して健康補助食品と書きましたが、この辺の名称は、これからまた議論されていっ てもよろしいかと思いますが、要するに加工食品の中でヘルスクレームのあるものを健 康食品と言うと。ただし、この健康食品の中のヘルスクレームの程度は、エビデンスの あるもの、ないものいろいろあろうと思うのですが、この辺はこれから多分食品の機能 ・効能を議論し出すと、20年、30年かかると思うのです。その中でわかっていったもの から表示していくということがいいと思うのですが、少なくとも健康維持増進に関係る 食品という表示をする以上は、健康食品として扱うというような感覚で考えて頂かない と、この問題はなかなか解決しないであろうと思います。  したがって、そのヘルスクレームの内容については、勿論ここで細かく言うわけでも ないし、言えるわけでもございませんので、これからの議論に任せるとしては、どちら にしても、一般加工食品と健康食品の区別をそういう形でしていくべきではないかと思 います。  なお、一般食品という生鮮食品的なものに関しては、加工食品ではありませんので、 例えばイワシが何々にいいというヘルスクレームがされても、このこと自身は別に問題 ないだろうというように解釈いたしております。  そこで、この制度を大胆に実行したという場合に問題になるのは、ここにA、B、Cと 書いてあります。  先ほど健食懇の方が特保のことはおっしゃったので、余り時間もありませんから、こ の件につきましては詳しくは申し上げませんが、関与する成分にとらわれ過ぎていて、 食品の単一成分を主たるエビデンスの形にしておると。  それから、審査基準、内容があいまいと書いていますが、しょっちゅう変わるという ことも、やはり制度化の中では余りよろしくないだろうと思っております。  単一成分で、その内容の審査が非常に医薬品的な意味を持ってきている。したがっ て、特保はミニ医薬品という解釈をせざるを得ないというのが私どもの感覚なんです が、特に今回は、こういう特保をやれないような、中小の企業の方のための制度づくり ということですから、この辺は私どものメンバーの中で特保をやっている人は本当に数 社です。専門業者の中では、とても1億ぐらいの予算を持ってやっている人たちはほと んどいませんので、できないという現状です。  それから、医薬部外品と、特保との区分があいまいであると。これは、特に医薬部外 品の制度というのは、海外には見られないような現状ですが、先ほどの薬事法上の解 釈、疾病と構造機能がクリアされたとすれば、医薬部外品は医薬部外品のヘルスクレー ムを書いていって勿論よろしいだろうと思いますし、健康食品には健康食品の表示を認 めれば、両者で同じような表示が出ていても、その辺は問題ないのではないかと思って おります。  それから、3番目の健康維持・増進食品については、例えば製造者・販売者の届出制 及び管理者の設置の義務。それから、商品については規格基準をつくって、個別審査を 行い安全性を確保したらどうかなと。  ただし、これを国がやりますと、今の特保みたいになってしまいますので、やはり国 の定める機関がこれを代行して、例えば先ほどの財団のJHFAマークのようなシステ ムを構築させて、その中でGMPも含めて議論をしていったらどうかなというのが私ど もの感覚です。  「最後に」ということで、3ページに少し書いたんですが、言葉が足らない面がある と思うのですが、現在、医薬品用語とされている肉体疲労、冷え性、食欲不振、虚弱体 質、血色不良、胃腸虚弱、病中病後の回復、滋養強壮等のヘルスクレームは健康食品で 対応できるように、この2点をクリアすれば、こういう表現ができるだろうというよう に私どもは思っておりますが、この辺の細かいことは詰めていくにしても、どちらにし ても、健康強調表示を認めた食品があるということを法律的にはっきりさせて頂ければ 一番いいのかなと。  その場合、世の中に医薬品の効能効果と健康食品の効能効果が同じような商品が出回 るじゃないかという御意見があるだろうと思うのですが、それは医薬品は医薬品とはっ きり明示すればいいし、健康食品は健康食品とある程度のポイントで書けば、日本には 字の読めない人はまずいないわけですから、そういう心配はないだろうと思うし、消費 者が医薬品のヘルスクレームの商品を選ぶのか、健康食品でそういうものをカバーしよ うとされるのか、これは消費者にお任せするしか方法はないだろうというように考えて おりまして、皆さん方、ほかの団体さんも、必ず医薬品、特保、栄養機能食品、一般食 品という、医薬品まで入れた議論をされると、どうしてもこんがらかって分からなくな ってくるように思います。  したがって、食品と医薬品の区別さえちゃんとしておいて、健康強調表示のルールさ え決めれば、この問題はクリアになると思っております。  以上です。 ○田中座長  ありがとうございました。それでは、ただいまより、市川参考人、鈴木参考人及び多 田参考人よりお述べ頂いた御意見について、質問、意見がございましたら御発言をお願 いいたします。  木村委員どうぞ。 ○木村委員  最初に、市川代表実行委員にお尋ねいたします。  先ほどの御主張の中で、2ページの(2)の中で、健康食品については安全性・有効 性、これについては当然十分なエビデンスが必要でしょう。それから、品質の確保、更 にトレーサビリティーとか、食品GMP、加えてその下の段にございますが、いわゆる 消費者への情報提供に関していろいろと必要だと、またアドバイスも必要だと。  ここまで非常に条件がきつくなりますと、むしろこれは医薬部外品制度とか、先ほど お話に出ましたが、そういう活用でもいいのかなという面も感じるのですが、その辺は いかがでしょうか。 ○市川代表実行委員  なかなか難しい問題かと思いますが、やはり薬品レベルとか、あるいは医薬部外品と いうことになりますと、特に内服するものについてはGMPというのは、既にきっちり 行われているわけですが、いわゆる健康食品にそこのレベルまでは当然必要ないだろう と。  多分、例えば現状の制度ですと、栄養機能食品でも「明らか食品」の各形態でも、栄 養機能食品がうたえるわけですね。そのような食品のところにGMPといっても、現実 に即さないということが多分明白だろうと思います。  したがいまして、GMPを導入するといっても、ある一定のレベルであればよろしい かと考えております。 ○木村委員  レベルの問題と考えてよろしいですか。 ○市川代表実行委員  はい。 ○木村委員  分かりました。ありがとうございました。 ○田中座長  他にどなたかございませんか、どうぞ。 ○松本委員  3人の方は共通して、いわゆる健康食品の中の第3ジャンルを制度化すべきだと、名 称は少しずつ違うし、中身も少しずつ違う印象を受けるのですが、第3ジャンルを制度 化する、あるいは残すという印象を受けます。  ところが、薬業健康食品研究会さんのお話ですと、エビデンスがきちんとしているも のについては、どんどん既存の特保等の制度に組み込んでいけばいいという御提言です から、そうなると、エビデンスがないが、いわゆる健康食品というものを残せという趣 旨なのか、ちょっとそこがよく分からない点ですね。  それから、健康と食品懇話会さんの方は、図でいくと栄養成分表示食品というのを第 3ジャンルとして残すということですが、これは一般食品の中で栄養成分を表示する場 合は、こういうルールに従って表示しなさいという現行の成分表示の制度とどこが違う のかがよく分からない。  それから、最後のCRNさんは、健康維持・増進食品ということで、健康維持・増進 に寄与する食品はこれだということですが、すべての食品というのは、基本的に健康維 持、少なくとも維持には寄与するはずのものだとすれば、健康を害する食品というのが あれば、それは販売してはいけないわけなので、そうではない一般食品とどう区別する のか。健康維持・増進に寄与しますよということを言えば健康維持・増進食品となる、 言わなければそうならないというだけの、一般食品としての単なるヘルスクレームを言 うか、言わないかだけの区別にすぎなのか、それともある程度エビデンスというのが要 るのかと、ある程度ではだめかもしれませんが、その辺の切り分けを、それぞれの各団 体さんからお聞きしたいんですが。 ○市川代表実行委員  それでは、最初に御指摘についてお話申し上げます。  基本的は、保健機能食品制度に現状の健康食品を移行させていくべきだと考えており ます。  ただし、現状では、いわゆる健康食品といってもいろいろなものがございまして、こ れは一挙に解決できるとは思いません。新しい制度ができたとしてもです。  それと、若干ほかの団体さんとニュアンスが違うものは、おおむね現在の健康食品の 中で、そういう機能的なものと言われるものを、エビデンスの下に栄養機能食品という ような形で包括していった方がよろしいのではないかという意見でございます。  ですから、ものによっては確かに特保にするということは、これは各企業が考え、選 択すればよろしいのではないかと思いますが、代表的な、特に評価の難しいハーブ等の 中でも、先ほどお話がありましたように、成分がはっきりしないというものであって も、やはり経験上いろいろ有用であるというものはハーブの中にはたくさんあると思い ますが、そういったものを一定の評価のルールをつくって栄養機能食品に取り込むとい うような方法もあるのではないかと。  ただし、やはり一挙に現状の健康食品がすべての制度に包括されるかというと、現状 では取り残されるというか、現状のままというようなことも考えられます。  あるいは、法的な用語で、いわゆる健康食品という言葉を制度の中で取り入れられた としたときに、健康食品という今のものは言えなくなるとか、そういうことが生じてく るんではないかというふうに考えます。 ○松本委員  1ページ目の一番下のところに、医薬品から一般食品までの4つの体系の在り方につ いて、これでよいという感じで書かれていますが。 ○市川代表実行委員  もうちょっと言葉のニュアンスが足りなかったと思いますが、いわゆる健康食品とい うのは現状制度ではないわけで、ここの課題としては、いわゆる健康食品は当然入って いますが、これがない形が理想だと思います。食品と次は保健機能食品と、それから医 薬部外品、医薬品というような形だと考えております。 ○鈴木ワーキングチーム委員長  御指摘のあった点について回答したいと思います。  まず、いわゆる健康食品の下に栄養成分表示食品になっているのですが、これは本来 ならヘルスクレーム表示食品の下に入れるべきものだったのかなという気がしていま す。  健康機能食品というのは、あくまでもヘルスクレームが表示できる商品。それで一般 食品のカテゴリーは、やはりヘルスクレームを表示しない食品ということで、表示でき るのは、栄養成分の表示とか、その辺に限られるだろうと。  健康補助食品、現在、制度がありますが、いわゆる健康食品をどこにもっていくの か、それを考えた場合、既にものすごい、それこそ1兆円近くの売上が実際にあると言 われるものをいきなりなくすといってもなかなかなくならないだろうという部分につい ては、業界のGMPとか、その辺で規定してしまって、現在、日健栄協さんでやられて いる健康食品の部分に落とし込む。  それで、やはりそれに全然該当しないもの、実際に売上が大きかったり、実際に問題 を起こしているものは多いんですが、これについては、やはり解消していくという方向 が大事だろうと。やはり国民の健康を守るということと、制度が分かり易くなければな らないということに特化して考えれば、医薬品と一般食品の間には保健機能食品がヘル スクレームをうたえる表示食品、そういう分かり易いカテゴリー分けが必要だろうと考 えます。  あと、医薬品についてなんですが、これは薬事法というのが当然ございますし、現 在、マツモトキヨシとかを見ますと、健康食品も特定保健用食品も薬品も、それこそ ちょっと棚の違いだけで、むしろいわゆる健康食品が一番派手にいろいろ効能が書いて あるとか、消費者も見たときにどういう違いがあるんだろうというのはわからないと。 その辺については何らか、医薬品は医薬品ということできちんとわかるような形に区別 するのと、いわゆる健康食品で問題が多いようなオーバー的にヘルスクレームが書かれ ているようなものついては、厳しく取り締まっていくということが大事だと考えます。  以上です。 ○多田理事長  お尋ねの件ですが、先ほどもお話しましたが、この図の中の説明で、健康維持・増進 食品の表示の内容ですが、これはあくまでも前提としている薬事法の構造機能に影響を 及ぼすことが目的とされているものは医薬品だけだということではないと、疾病の範囲 は、先ほど申し上げたように、慢性的ではなくて、通常起こり得るであろう生理現象は 疾病でないということを前提にして、この健康維持・増進食品のヘルスクレームも考え たらいかがでしょうかと、こういうことでございまして、具体的には、この2つが今ま でどおりとするならば、この表は恐らく使えないだろうと思っております。そういう御 回答でお分かり頂けるでしょうか。 ○松本委員  よく分からないのですが、一般食品はヘルスクレームは行わないというのは、行える が、行わない食品を一般食品と言うのか、ヘルスクレームを行ってはいけない食品を一 般食品と言うのか、それで健康維持・増進食品というのは、ヘルスクレームを行わなく てもいいし、行ってもいい商品のことを言うのか、一般食品との違いはどこにあるのか ということですが。 ○多田理事長  ですから、健康維持・増進の中身のヘルスクレームの表示の仕方なんですが、これは これから議論していくべきだと思うのです。だけども少なくとも健康強調表示をするに は、健康食品として扱うと。一般加工食品には、要するに健康強調表示はしないと考え ています。 ○松本委員  どちらが先かでありまして、食品があって、健康維持・増進食品とうたってもいい し、そううたわなくてもいいという自由の世界の中で、健康維持・増進食品とうたうか らには、こういうルールを表示してくださいというだけの話なのか、そもそも健康維持 ・増進に寄与するかどうかという一定の証拠がない限りは、健康維持・増進食品とそも そもうたえないというハードルがあった上での世界なのか、ハードルはないのだが、す べての食品はそもそも健康維持・増進に寄与するのだから、それを強調したい場合に は、こうこうこうしなければならないという世界なのか、どちらなのでしょうか。 ○多田理事長  エビデンスの問題だろうと思うのです。そのエビデンスの理解が、今、先生方のおっ しゃっているエビデンスは、全部医薬品的エビデンスということを我々は感じていまし て、食品のエビデンスを別に考えるべきだろうと思っております。表現の仕方はこれか ら議論していけばいいと思うのですが、それを認めさせないと、制度化は恐らく私は難 しいのだろうと思うのです。 ○松本委員  分かりました。 ○田中座長  どうぞ。 ○合田委員  お三方に伺いたいのですが、第3の制度というのを提示されていると思うのですが、 その部分での安全性の担保というのをどういう形で考えていらっしゃるかというのを順 番に伺いたいのです。例えば、今一般的に言われている健康食品の中にも、ものによっ ては、ハーブなんかの場合は非常にある一定量を取ると危ないとか、それから禁忌があ るものとか、いろんな場合がありますね、その辺の部分についてどういうシステムを考 えていらっしゃるかというのを伺いたいのです。 ○市川代表実行委員  安全性については、まず第一というのが我々の考えですが、確かに安全性の評価をど うするかという問題ですね。これを今、具体的にこうあるべきというのはないんです が、やはりこれは専門的な見地で、やはり一定の評価を加えると、加えた上でこういう 試験をしなさいという形がないと、現実的には企業だけの判断ではまずいだろと考えま す。  ただ、同じ食品でもいろいろものによって濃縮されたタイプとかいろいろありますの で、その辺も一律にはいかないのではないかなという気がいたします。 ○合田委員  何らかの制度があった方がいいということですか。 ○市川代表実行委員  そう思います。 ○鈴木ワーキングチーム委員長  健食懇の考えとしては、ヘルスクレームを表示できるのは保健機能食品で、これはあ くまでもエビデンスが必要であると。特定保健要食品については、安全性というのは常 に求められていますから、当然クリアしていると。  それで、栄養機能食品についても、これは前回の検討会の中で、実際にこういう表示 があるのだが、いわゆる検査も何もしないまま認められているというのはあるので、少 なくとも当該成分の分析結果と、デザインとか表示ですね、その辺を見るのと同時に、 その食品はぱっと見たときに安全である、基本的にはビタミンか何を強化すれば、いわ ゆる栄養機能食品に入るわけですから、その辺については安全性という部分はある程度 デザインというか、そういう部分でいろいろ見たときに実際にうちが提言しているの は、厚労省の方の確認ということになりますから、その部分で担保できるだろうと考え ています。  あと、健康補助食品は残していますが、これは一般食品のカテゴリーの中で、当然こ れは協会、GMPとか、日健栄協さんの方できちんと自主管理とか、その辺をされてい るので、ある程度安全性は担保できると考えています。 ○多田理事長  私の方は、3番目にちょっと書きましたが、例えば製造者・販売者の届出制。それか ら管理者を必ず置かなければいけない、製造の立場から安全性をやはりギャラントして いくべきだろうということと、最終的には商品を個別審査をして、先ほどの財団の審査 委員会がありましたが、第三者の学術経験者を入れた中で自主基準をつくって安全性を 確保していくというのが一番いいのではないかなと思っています。  勿論、GMPの問題とか、その他クリアしなければならない問題はたくさんあると思 うのですが、現状、やはりそうやって規格基準を作って、流通している食品の中にはほ とんど安全性については問題がないという実績もありますし、ある程度いろんな食材を 使う健康食品が多いわけですから、それをどうやってギャランティーするのだというこ とは、なかなか至難の技だろうと思うのですが、やはりどの業者がどういうものを作っ ているかということを明らかにすることと、今、申し上げた規格基準を食品ごとに作っ て、これを守らせていくということが一番いいのではないかと思います。 ○合田委員  今、制度化の問題で特にディスカッションしているのは、特保の制度というか、保健 機能食品の制度の外に外れているものについてどうするかということだと思うのです ね。  今、また新しい制度を考えて作った場合に、またそれに外れるものはどうかという問 題が常に出てきてしまって、私はそこのところをどこか明確にしなければいけないので はないかと思っているのです。  そういうものが出たときに、また新しいものが出たときには、どこでどう審査するの かと、そうではないものは全部ヘルスクレームさせないとか、健康とは絶対に言わせな いとか、何かそういうものがなければいけないのではないかなという気はしているので すが、その辺はどうですか。  要するに、また第4の制度を作ることにならないようにした方がいいのではないかと 思っているのですが。 ○市川代表実行委員  場合によっては、この制度がどういう形になるかまだわからないので、何とも言いよ うながないところがありますが、例えばの話、前から言われておりますが、団体によっ ては健康という言葉がやはりいろいろ誤解を与えるというか、そういう印象があるとい うことであれば、そういう結論になれば、もう使えないとか、あるいは新しい健康食品 の名前を何か違うものに決めてそれを表示させるとか、そういう何か方法が必要かもし れませんね。 ○多田理事長  現状でも、特保で表示されていることを特保を取らない食品については表示するなと いうことになっていますので、ある程度それが制度化して、ここが健康食品ですよとい うことが決まれば、それに入らないものは、やはり規制していくようにならざるを得な いのではないかと私も思います。  第4の制度とおっしゃいますが、そう考えていくと第5、第6とどんどん増えてしま うんです。ですから、一般加工食品であるのか、健康食品であるのかと、私は現状の栄 養機能食品なら、こんなものはあってもなくてもいいと思うのです。現状の今のULの 問題にしましても、ほとんど意味をなさない制度だろうと私も思っていまして、これを ある程度整理していくのは、将来的にはできるだろうと思いますが。  以上です。 ○鈴木ワーキングチーム委員長  私も第3の制度でまた余ったものを第4の制度というのは、やはり非常に消費者も混 乱しますし分かりにくいので、今回作るものでどういう形に持っていくのかということ をはっきり示して混乱をなくすというのは大事だと思います。 先ほども言われたよう に、栄養機能食品ですが、現在の制度というのは、本当の意味で、あれだけの量の割に は一応表示できるというのは、本当に何の審査もないままやっていると、それでは本当 に余り意味がないようなものなのかなという気がします。  それからハーブなんですが、ハーブは天然物であり、産地も違ったり、気候、その時 期によっても違いますし、そうするとやはり有効成分として、何か確固たるメルクマー ルのようなもの、その辺がクリアできてエビデンスを持つと、エビデンスを持ったとき に特定保健用食品、もしくはエビデンスがいろいろ基準的にクリアできるというような ものがあった場合は、栄養機能食品と、要は保健機能食品の基準の中に入れて、それで 対応すると。  ただ、エビデンスを持たないもついては、やはりヘルスクレームを表示するというの はおかしなわけで、この部分については、混乱を防ぐためにヘルスクレームの表示をさ せないというのが分かり易いのではないかなと考えます。 ○田中座長  ありがとうございました。事務局何かありますか。  それでは、この辺で市川参考人、鈴木参考人、多田参考人に対する質疑は、ここまで とさせて頂きます。  3人の参考人の皆様におかれましては、御質問にお答え頂きありがとうございまし た。  次に日本大衆薬工業協会、佐藤参考人より健康食品に係わる制度の在り方に関する意 見陳述をお願いいたします。 ○佐藤日本大衆薬工業会 日本大衆薬工業協会の佐藤でございます。  本日は、他の団体さんと違う、毛色の変わった、一般用医薬品をやっている88社で構 成している団体ですが、今回の検討会で発言の機会を頂きましてありがとうございま す。  私どもは医薬品の業界でございますので、医薬品の立場から見た、いわゆる健康食品 の問題点という形で発言させて頂きたいと思っております。  これからの制度を考える上で参考になるかどうか分かりませんが、若干偏った意見に なっているかもしれませんが、お聞き頂ければと思います。  先ほどからもお話がたくさん出ておりますように、生活者といいますか、国民から見 ますと、いわゆる健康食品とか、特定保健用食品、あるいは部外品、一般用医薬品と、 いろんな区分があるわけですが、非常に区分が分かりづらいというのは現実だろうと思 います。  そういう混乱があるということから、色々な問題点が発生してきているのではないか ということで、我々の団体として、今回の検討会の課題の1と3を中心に意見を述べて させて頂ければと思います。  平成12年度に保健機能食品制度というものが制定されまして、それ以降許可された多 くの商品が売り出されています。その表示を見てみると、血圧が高めの方にとか、コレ ステロールが気になる、あるいは高めの方になど生活習慣病の予防とか治療、国民から 見ると、それを期待させるような表示があること。  我々から見ましても、我々の薬よりも魅力的な表現ができているものが非常に多く見 られます。また、宣伝等を見ましても、情報提供、先ほど色々できないという面もある とは思いますが、逆に医薬品では認められていないデータが大手を振って使われている ということもございます。  もう一つ、厚労省から許可をもらっているという表示までされていること。こういう こと全体を見ていますと、医薬品よりも魅力的で効きそうだという印象があるのではな いかと思います。  我々の一般用医薬品の範囲というのも、なかなか今まであちこちで言われてはいるの ですが、はっきりしたものがなかなかないと、どちらかと言うと医療用ではないという ようなくくりで言われているという中で、昨年11月に厚労省の肝煎りで始まりました一 般用医薬品の承認審査合理化等検討会というもので中間報告書がまとまっておりまし て、その中で意見書に書かせて頂きましたような一般薬の範囲、定義というのが示され ておりまして、その中の一部に生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防とか、生活の 質の向上とか、そういうところで現在の許可されております特定保健用食品の分野と重 複されるようなところも一応一般薬の範囲として適当ではないかと提言がされておりま す。  先ほどからもいろいろ議論が出ておりますが、この検討会の第1回目で配られた資料 でもありましたが、医薬品と食品の区分というのが示されておりましたが、あれは1つ との線上で横に並んで明確に区分されているように見えますが、実際は多分違うベクト ルで、言ってみれば、それぞれ左右から伸びていって真ん中でダブってしまって、それ が混乱しているのではないかなと思っております。  こうなっている原因の1つは、やはりそれぞれ医薬品と食品を取り締まる法律がそれ ぞれ違うというところによって、こういうことにもなってきているのではないかと思い ます。  我々から見ると、我々から見るとという言い方はちょっとおかしいんですが、医薬品 の方から見ると、食品の摂取の方法というのは、個人の嗜好とか、味覚とか、あるいは その人の食欲とか、そういうところから自らが選択して、適量を判断して取るというの が食品の元来の取り方ではないかと思いますし、それをある一定量毎日定量的に取るよ うな用法というのは、やはり我々の方から見ますと、どう考えても医薬品的ではないか と思います。  更に、剤形の制限が撤廃されまして、医薬品と同じような剤形で、そういうような用 法でという商品が市場に出ているということからして混乱の原因にもなっているのでは ないかと思います。  できれば我々としては、エビデンス基づいて、専ら身体機能への作用面を強調してい るようなものについては、特に医薬品的剤形を有しているものについては、やはり薬事 法の下で一元管理するのが一番分かり易いのではないかと思います。  実は、試案という形で、新指定医薬部外品等を含めて、健康指向型の医薬品のような ジャンルで、薬事法下で管理する方がクリアカットになるのではないかと思って書いた 資料を付けておりますが、実は、このカテゴリーの呼び方は、平成元年の厚生科学研究 班で、社会環境の変化に対応した医薬品の在り方に関する調査研究班というのがござい まして、その報告書の中でも既に15年前に提言されているカテゴリーの名前でございま す。  もし、こういうような形でやれば、食品として取り扱う場合に起こるであろう問題点 は回避することが多々出てくるのではないかと思います。  1つは、やはり食品中の特定成分を濃縮とか、配合して、食品としてのバランスが損 われたようなものについて、それの過剰摂取等の安全性に関しては、医薬品という形で やれば用法用量、あるいは服用時期ということが明確に表示されて、そういう適正使用 が十分指導できるようになるだろうと。  また、効能効果については、一般用医薬品としては症状の改善というのが前提で認め られているわけでありますから、余分な期待を生活者に与えることもなくなるのではな いかと思います。  広告に関しましても、一般用医薬品におきましては、医薬品等適正広告基準というも のが運用されておりまして、国民の皆さんに過度の期待を持たせるような広告も抑えら れるのではないかと思います。  食品というのは、どちからと言いますと、一般的には安全だという認識が持たれてお るわけですが、それによって濫用されるとか、過剰摂取されるとかという危険があると 思いますが、逆に医薬品という名前を付けただけでどちらかと言うと危ないものだとい う感覚もございますし、根拠に基づいて使用上の注意等もきっちりと表示できるという ことから適正な使用が今以上に図れるのではないかと思っております。  それと、医薬品にすれば、安全性情報の収集とか、あるいは健康被害発生時の対応と いうのは、食品で置いておく場合に比べれば迅速な対応がとれるのではないかと思いま すし、新しい一般用の薬の場合は、新発売後3年間の情報の収集の義務も付きますの で、そういう意味からも十分な情報収集と対応が取れるのではないかと。  最後に、規格品質の確保という意味でも、医薬品であればGMPというところで管理 できるということで問題はなくなってくるのではないかと。  先ほどから自主的なGMPでこれからはやっていくというお話もお聞きしております し、また、いわゆる臨床試験的な評価をされていること。  今後は、販売後の安全性の情報管理的なものについてもやろうとされているというよ うなことをお伺いしているわけですが、そういうことをされるということは、ますます 医薬品的な方向にどうもなっていっているような気がして仕方ありません。  そもそも食品で市販後の安全性の情報の収集をやらなければいけないとか、その対応 を考えるということ自体は、もう既に医薬品的ではないかと思っております。  最後ですが、先ほどからも出ておりますが、健康食品というような呼称自体は、やは りできるだけやめて頂いた方がいいのではないかと。  まずは、平成10年食薬の改定のときに強調されております監視の強化というのが、ま ず第一であろうと思っておりますし、できれば行政の方には医薬局の中で食品と医薬品 と両方扱っておられるわけでございますので、その辺りを協調した検討を是非ともお願 いしたいと。  それともう一つ、これはまだ我々の業界として検討しておりませんが、業界の在り方 としても、今まで医薬品と食品というのは同じテーブルで検討についたことはございま せんが、両方とも国民の健康を担うという意味では、同じ土俵の場面もございますの で、米国は数年前OTCの業界から、そこに食品を含めたCHPAという形に衣替えを しておりまして、コンシューマー・ヘルス・プロダクト・アソシエーションという形 に、食品も抱え込んだ業界ができておりますので、そういう方向性も一度考えてみる必 要があるのかなと個人的に思っております。  以上です。 ○田中座長  ありがとうございました。それでは、佐藤参考人に対する質問、御意見等ございまし たらお願いしたいと思います。  どなたかございませんか、どうぞ。 ○松本委員  3ページ目の図を見まして、今までの参考人の方の御意見は、いわゆる健康食品の中 の特保でも栄養機能食品でもない第3ジャンルについては、一般食品との間の境界があ いまいだからそこをクリアにしようということだったんですが、今の大衆薬工業会さん の説明ですと、むしろ特保よりは、いっそ医薬品の側に第3ジャンルが入ってくるとい うことで、先ほどまでの議論のベクトルの流れからすると引っくり返っている感じがす るわけですが、従来の特保とか栄養機能食品は、やはり食品として置いておいて、第3 ジャンルだけを医薬品の健康指向医薬品という厳しい規制の下に置くという御提案です か。 ○佐藤薬制常任委員長  私の説明が非常に悪かったのだろうと思いますが、そういうことは全く考えておりま せん。やはり医薬品として規制をかける必要な分野があるだろうと、それは今日の他の 食品の団体さんからはきっと反対されると思いますが、例えば今の特保みたいなところ を、こういう中でも医薬品できっちり管理した方がいいものもあるんではないかという ことで、それよりも問題になっている健康食品的なものをここへ入れろといっているわ けでは決してございませんで、とにかく医薬品と食品というところの区別をもっとクリ アカットにした方がいいのではないかということで、こういうような生活の質の改善と か、それから生活習慣病のところとか、こういうところは元来医薬品が担うべきではな いかという趣旨でございます。 ○田中座長  他にございませんか。委員の方、ちょっとお疲れになってきたかもしれません。どな たか御質問ございませんか、よろしゅうございますか、どうぞ。 ○合田委員  ここには、医薬部外品の部分がないのですが、医薬部外品はどうなのでしょうか。 ○佐藤薬制常任委員長  医薬部外品のところに入れたらどうかという案なのです。 ○合田委員  分かりました。 ○田中座長  他にございませんか、よろしゅうございますか。  それでは、事務局の方から佐藤参考人に対する御質問は何かございますか。よろしゅ うございますか。  それでは、この辺で佐藤参考人に対する質疑はここまでとさせて頂きたいと思いま す。  佐藤参考人におかれましては、御質問にお答え頂きありがとうございました。  最後にヒアリング対象団体について、前回、私の方から希望しました日本栄養・食糧 学会と、それと合田委員から御希望のあった日本生薬学会からそれぞれヒアリングの申 請書が提出されました。各団体の意見につきましては、お手元の資料6のとおりであり ますが、この両者をヒアリングに来て頂くということにしたいと思いますが、よろしい ですか。                (「はい」と声あり) ○田中座長  ありがとうございました。それでは、本日の検討会はこれで終了することとしたいと 思います。  田中参考人、市川参考人、鈴木参考人、多田参考人、佐藤参考人におかれましては、 本日の検討会に御出席頂き、大変ありがとうございました。  なお、次回の日程ですが、事前に委員の皆さんの御都合をお伺いして、できるだけ多 くの委員の方に御出席いただける日程としまして、第5回検討会は、6月25日水曜日、 午前10時から、この建物の隣にあります経済産業省の別館です。9階944 号会議室で開 催することとしたいと考えております。  本日は、これをもちまして閉会といたします。どうもありがとうございました。                                   ――了―― 照会先:医薬食品局食品安全部 基準審査課新開発食品保健対策室     (内線:4270、2459)