厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合 に伴い積立金から納付する額の算定結果について
I 積立金から納付する額の算定方法
1 | 考え方 統合後支給される老齢(退職)年金のうち、統合前の加入期間に係る再評価・物価スライドがない場合の給付現価を基礎とし、財政再計算に起因する予定利率の変更等に係る変動額の負担を考慮した額 |
参考 | 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律の施行に伴う移行農林共済年金等に関する経過措置に関する政令 |
第二十四条 | 平成十三年統合法 附則第二十条の規定により存続組合(平成十三年統合法附則第二十五条第三項に規定する存続組合をいう。以下同じ。)が厚生年金保険の管掌者たる政府に納付すべき金額(次条及び第二十六条において「納付金額」という。)は、次に掲げる額を合算した額を基礎として、厚生労働大臣が定める額とする。 |
一 | 平成十三年統合法 附則第十六条第三項 の規定により厚生年金保険の管掌者たる政府が支給するものとされた年金である給付であって退職を支給事由とするものに係る旧農林共済組合員期間の各月の旧農林共済法による標準給与の月額を基礎として算定した場合における当該年金である給付に要する費用の施行日の前日における現価に相当する金額の総額 |
二 | 厚生年金保険法 による年金たる保険給付(旧農林共済組合員期間をその額の計算の基礎とするものに限る。)であって老齢を支給事由とするものに係る旧農林共済組合員期間の各月の旧農林共済法による標準給与の月額を基礎として算定した場合における当該年金たる保険給付に要する費用の施行日の前日における現価に相当する金額の総額 |
2 | 前項各号に掲げる額の計算を行う場合の現価の計算に用いる予定利率は、年四分(旧農林共済組合員期間のうち平成十一年三月までの期間については、年五分五厘)とする。 |
(1) | 統合日前日における組合員・退職共済年金等※1の受給権者・待期者の全員(死亡している者は除く。)について、
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(2) | ただし、拠出時給付確定部分は給付に要する費用の現価であることから、年金には下記のとおり支給停止となる場合があることを考慮して算定する。
など |
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(3) | 給付に要する費用のうち、昭和36年4月前の期間に係る分については、一部を国庫が負担する仕組(経過的国庫負担)があることから、拠出時給付確定部分のうち、経過的国庫負担相当分を控除する。 |
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(4) | 財政再計算に起因する予定利率の変更等に係る変動額の負担を考慮し、統合日前日における現価を計算する際の予定利率は、平成11年4月前の標準給与月額から計算される分は5.5%、平成11年4月以後の標準給与月額から計算される分は4%とする。 |
【拠出時給付確定部分 概念図】
参考 | 公的年金制度の一元化に関する懇談会第8回(平成12年12月22日)資料より (参考1) 拠出年をt、拠出時年齢をx、給付時点の年齢をy、支給乗率をα、支給開始年齢をp(経過措置があるため、αとpはt−xの関数)、標準報酬をb(t、x)、生存数をl(y)とする時、x歳の拠出(拠出年t)に対応する、y歳時の年金給付を B(t、x、y)=b(t、x)×α(t−x)/l(x)×l(y) とする。 拠出時給付確定部分は、保険料拠出に対応する年金給付を、保険料拠出時の予定利率で統合時点kに割り引く必要があることから、この者の拠出時給付確定部分は、次式で算定される。
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【算定の流れ】
II | 基礎とするデータ 平成14年3月末における組合員・退職共済年金等の受給権者・待期者各々の
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III 現価率計算に用いる基礎率
1 | 死亡率 農林年金が平成11年財政再計算で用いた率を使用する。 |
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2 | 予定利率 統合日前日における現価を計算する際の予定利率は、平成11年4月前の標準給与月額から計算される分は5.5%、平成11年4月以後の標準給与月額から計算される分は4%とする。 |
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3 | 支給割合 受給権ベースの年金額は、
「支給割合」とは、受給権ベースの年金額に対し、平均的に何割支給されるかを示す割合として、年齢別、及び後述するその他の区分別に設定する割合のことである。
なお、支給割合は、
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注1 | 農林漁業団体等の事業所に勤務する者のことである。以下同様。 |
注2 | 農林漁業団体等以外の一般の厚年事業所に勤務する者である。 |
注 | 平成10年4月1日前に受給権が発生した退職共済年金並びに旧法の退職年金、減額退職年金及び通算退職年金の場合は、雇用保険基本手当・同高年齢継続給付支給に伴う停止措置はないので、支給割合は、これらによる停止分は含めずに計算する。 |
IV | 現価率 死亡率、予定利率、支給割合を用いて、現価率を計算する。支給割合の設定区分等に合わせて、次の5通りの現価率を算定する。 |
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現価率については、
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V | 算定結果 |
1兆6,092.02 億円 |
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参考 概算納付金額との差額(292億円余)及び利子を精算納付 |
【参考】
注1 | 経済前提は、予定利率4%、賃金上昇率2.5%、物価上昇率1.5%(平成11年財政再計算時の前提) |
2 | 基礎年金拠出金に対する国庫負担割合は3分の1 |
3 | 被保険者数の見込みは、平成14年3月末の実績(458,530人)以後、平成11年財政再計算における厚生年金被保険者数に連動して減少するとした場合である。 |
4 | 保険料収入現価の計算に用いた保険料率は、厚生年金の平成11年財政再計算の見通しによる。なお、この保険料率には上乗せ保険料率は含まれていない。 |
5 | 平成14年3月末時点の標準給与総額や年金額等の実績を平成11年度価格に戻した上で、そこから平成11年財政再計算の経済前提に基づいて将来推計を行い、それを基に統合前期間に係る給付現価・保険料収入現価・国庫負担現価を推計した。 ( )内は、再開一元化懇談会資料(平成13年2月1日)における推計値 |